JPH1186769A - 走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置および方法 - Google Patents

走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置および方法

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JPH1186769A
JPH1186769A JP9252828A JP25282897A JPH1186769A JP H1186769 A JPH1186769 A JP H1186769A JP 9252828 A JP9252828 A JP 9252828A JP 25282897 A JP25282897 A JP 25282897A JP H1186769 A JPH1186769 A JP H1186769A
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electron beam
axis
objective lens
electron microscope
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JP9252828A
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Hiroshi Hirose
寛 広瀬
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Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 対物レンズから試料の観察点までの作動距離
を変えることなく、電子線の焦点を試料表面上に合わせ
ることができる、走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置
および方法を提供する。 【構成】 電子線を試料表面上に集束しかつ走査しそれ
によって試料から発生した電子を検出器に受けて画像信
号とする走査電子顕微鏡において、前記試料を配置しか
つX軸、Y軸および前記試料に照射される電子線と実質
的に平行なZ軸の3軸方向に移動可能な試料配置台と、
前記電子線が集束する位置に前記試料表面が位置するよ
うに前記試料配置台を少なくとも前記Z軸方向に移動制
御する制御手段とを具備する。試料をZ軸方向に移動さ
せて焦点を合わせるので、対物レンズから試料の観察点
までの作動距離が変わることはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は走査電子顕微鏡の自
動焦点合わせ装置および方法に関し、特に、環境制御型
走査電子顕微鏡などに用いるのに適した自動焦点合わせ
装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ミクロな形態観察や分析を行う有
力な手段として、走査型電子顕微鏡(SEM)が一般的
に使用されている。最近は、このSEMを用いた観察に
おいても、試料を乾燥させず、より自然な状態で、例え
ば水を含んだ状態で試料をSEM観察することが要求さ
れてきている。このため、試料近傍の試料室にガスを導
入し、低真空状態にして試料の乾燥を抑えながら試料の
観察を可能にする低真空SEMがある。特に、常温での
飽和水蒸気圧である2700Paという低真空下でも、
試料室に導入したガスそのものを検出媒体とし、試料か
らの二次電子信号が検出可能なガス増幅方式を用いた環
境制御型二次電子検出器(ESD)を備えた環境制御型
走査電子顕微鏡(ESEM)が広く用いられ始めてい
る。
【0003】このESEMにおいては、試料室に例えば
水蒸気などのガスが導入され、最大2700Paまでの
範囲で一定圧力に制御され、試料の乾燥が抑制される。
試料上方に配置された金属電極板から成るESDには数
百Vの正の電圧が印加される。差動排気系により必要な
真空度に達している電子銃から電子線が放射され、この
電子線は集光レンズ、対物レンズおよび走査コイルなど
により適正な電子ビームとなる。ESD検出器と兼用ま
たは別途に設けられた差圧絞りを通過した電子ビームを
試料に照射することにより二次電子が発生する。この二
次電子は、ESD電極に印加された電圧により生じた電
場によって、ESD検出器に向かい上方へ飛ぶ。二次電
子は一定圧力に制御された試料室内に存在するガス分子
と衝突し、そのガス分子から電子をはじき出してガス分
子をイオン化する。更に衝突が繰り返され、ガス分子を
イオン化しながら二次電子を増幅し、最終的にESD電
極に電子が到達して画像信号として出力される。
【0004】一般に、観察する試料の表面には凹凸があ
り、また試料を配置するXYステージによる移動の平面
度が悪いことも多い。更に、試料表面とXYステージの
XY面が平行になっていない場合もある。このため試料
の観察領域を変えるためにXYステージをX軸およびY
軸方向に動かして試料を平面移動させれば、試料の観察
点までの距離が変わってしまい、そのままでは電子線の
焦点が試料表面に合わず、焦点がぼけて正確な観察がで
きなくなる。得られる二次電子像も不鮮明なものとなっ
てしまう。そこで、試料から発生した二次電子などの画
像信号を取り込み、得られた二次電子像のコントラスト
信号の大きさまたは絶対値、あるいはパターンエッジ信
号の傾きなどを検出し、それがより大きくなりまたは最
も大きくなって二次電子像がよりシャープで鮮明になる
ように対物レンズの励磁を変更し、焦点距離を調整、制
御する自動焦点合わせ装置が用いられており、この制御
方法は一般に山登り法と呼ばれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな自動焦点合わせ方法では、精度が比較的高くかつ動
作時間が比較的短いなどの優位性がある反面、実際には
対物レンズから試料の観察点までの作動距離(work
ing distance:W.D.)が変化してしま
うため、厳密には焦点合わせを行っても観察位置ごとに
分解能が変化してしまう。また、低真空SEMのよう
に、絶縁体試料の観察における試料のチャージアップを
防ぐために試料室内にガスを導入している場合は、試料
に照射される電子線はガス分子に衝突して散乱を起こす
ので、対物レンズから試料の観察点までの作動距離が長
いほど、試料まで到達する電子線の割合が小さくなり、
二次電子や反射電子などの画像信号が低下し、その上照
射電子線の散乱によるバックグラウンドノイズが大きく
なって、画像のS/N比が低下してしまう。さらに、E
SEMのように試料室内に存在するガス分子を検出媒体
にしている場合は、対物レンズから試料の観察点までの
作動距離の変化や、あるいは試料の観察点からESD検
出器までの距離の変化により、信号増幅量やイオン発生
量が変化してしまい、画像のS/Nの変動やチャージア
ップ中和状態の変動が発生するという問題もあった。
【0006】本発明の目的は、上述の従来技術における
問題点に鑑み、対物レンズから試料の観察点までの作動
距離を変化させることなく焦点を調整、制御する走査電
子顕微鏡の自動焦点合わせ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、電子線
を試料表面上に集束しかつ走査しそれによって試料から
発生した電子を検出器に受けて画像信号とする走査電子
顕微鏡において、前記試料を配置しかつX軸、Y軸およ
び前記試料に照射される電子線と実質的に平行なZ軸の
3軸方向に移動可能な試料配置台と、前記電子線が集束
する位置に前記試料表面が位置するように前記試料配置
台を少なくとも前記Z軸方向に移動制御する制御手段と
を備えた走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置が提供さ
れる。このような構成により、試料の観察点までの距離
を変化させることなく電子線の焦点を試料表面上に合わ
せることができる。
【0008】また、電子線を試料表面上に集束しかつ走
査しそれによって試料から発生した電子を検出器に受け
て画像信号とする走査電子顕微鏡において、前記試料を
配置しかつX軸、Y軸および前記試料に照射される電子
線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動可能な試料配
置台と、前記画像信号のコントラスト信号の大きさまた
はパターンエッジ信号の傾きを検出し前記コントラスト
信号の大きさまたはパターンエッジ信号の傾きが大きく
なるように前記試料配置台を少なくとも前記Z軸方向に
移動制御する制御手段とを備えた走査電子顕微鏡の自動
焦点合わせ装置が提供される。このような構成により、
対物レンズの励磁を変えることなく常に鮮明な画像を得
ることができ、試料の観察点までの距離も一定に保て
る。
【0009】また、電子線を試料表面上に集束しかつ走
査しそれによって試料から発生した電子を検出器に受け
て画像信号とする走査電子顕微鏡において、前記試料を
配置しかつX軸、Y軸および前記試料に照射される電子
線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動可能な試料配
置台と、前記試料の電子線が照射されている観察点のZ
軸方向の高さ位置を検知するセンサと、前記センサで検
知した前記観察点のZ軸方向の高さ位置の情報に基づき
前記観察点のZ軸方向の高さ位置が所定の高さ位置とな
るように前記試料配置台を少なくともZ軸方向に移動制
御する制御手段とを備えた走査電子顕微鏡の自動焦点合
わせ装置が提供される。このような構成により、試料の
観察点までの距離を一定に保つことができ、常に電子線
の焦点が合う位置に試料表面を配置することができる。
【0010】また、電子銃から放射した電子線をコンデ
ンサレンズおよび対物レンズで試料表面上に集束しかつ
偏向コイルで走査しそれによって試料から発生した電子
を検出器に受けて画像信号とする走査電子顕微鏡におい
て、前記試料を配置しかつX軸、Y軸および前記試料に
照射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移
動可能な試料配置台と、前記試料表面上に電子線が集束
するように前記対物レンズの励磁を変化させる制御手段
と、前記制御手段により変化された前記対物レンズの励
磁の変化量を対応する前記対物レンズの焦点距離のZ軸
方向の変化量に換算する変換手段と、前記対物レンズの
励磁を前記制御手段により変化させる前の状態に戻すと
ともに、前記試料配置台をZ軸方向に前記変換手段で換
算された前記対物レンズの焦点距離のZ軸方向の変化量
に対応する距離だけ移動させる変換制御手段とを備えた
走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置が提供される。こ
のような構成により、対物レンズから試料の観察点まで
の作動距離を変化させることなく、短い動作時間で鮮明
な画像を得ることができる。
【0011】また、電子銃から放射した電子線をコンデ
ンサレンズおよび対物レンズで試料表面上に集束しかつ
偏向コイルで走査し、それによって試料から発生した電
子を検出器に受けて画像信号とする走査電子顕微鏡にお
いて、前記試料を配置しかつX軸、Y軸および前記試料
に照射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に
移動可能な試料配置台と、前記画像信号のコントラスト
信号の大きさまたはパターンエッジ信号の傾きを検出し
前記コントラスト信号の大きさまたはパターンエッジ信
号の傾きが大きくなるように前記対物レンズの励磁を変
化させる制御手段と、前記制御手段により変化された前
記対物レンズの励磁の変化量を対応する前記対物レンズ
の焦点距離のZ軸方向の変化量に換算する変換手段と、
前記対物レンズの励磁を前記制御手段により変化させる
前の状態に戻すとともに前記試料配置台をZ軸方向に前
記変換手段で換算された前記対物レンズの焦点距離のZ
軸方向の変化量に対応する距離だけ移動させる変換制御
手段とを備えた走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置が
提供される。このような構成により、対物レンズから試
料の観察点までの作動距離を変化させることなく、容易
かつ短い動作時間で鮮明な画像を得ることができる。
【0012】この場合、前記試料から発生した電子が二
次電子または反射電子であるように構成することもでき
る。これにより、試料の二次電子像または反射電子像を
得ることができ、試料のミクロな形態観察や分析が可能
となる。
【0013】また、電子線を試料表面上に集束しかつ走
査しそれによって試料から発生した電子を検出器に受け
て画像信号とする走査電子顕微鏡において、前記電子線
が集束する位置に前記試料表面が位置するように前記試
料を前記試料に照射される電子線と実質的に平行な方向
に移動制御する走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ方法が
提供される。これにより、対物レンズの励磁を変えるこ
となく電子線の焦点を試料表面上に合わせることがで
き、試料の観察点までの距離を一定に保つことができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る走査電子顕微
鏡の自動焦点合わせ装置につき図面を参照して説明す
る。
【0015】図1は本発明の一実施形態に係る走査電子
顕微鏡の自動焦点合わせ装置を備えた走査電子顕微鏡の
構成を示す概略図である。
【0016】図1において、走査電子顕微鏡は電子銃
1、コンデンサレンズ2、走査コイル3、対物レンズ
4、X−Y−Zステージ5、X−Y−Zステージ5上に
載置された試料6、検出器7、増幅器8、A/Dコンバ
ータ9、フレームメモリ10、CPU11、CRT1
2、電子光学系駆動回路13、光斜入射方式のZセンサ
20、ステージ駆動回路21および操作卓22を備えて
いる。
【0017】電子銃1は電子線を放射するよう構成され
ている。コンデンサレンズ2、走査コイル3および対物
レンズ4は電子銃1が放射した電子線を適正な電子線に
集束し、かつ集束された電子線を試料6上に走査するよ
う構成されている。X−Y−Zステージ5は平面方向
(X軸、Y軸)および上下方向(Z軸)に移動可能に構
成されている。観察用の試料6はX−Y−Zステージ5
上に載置され、X−Y−Zステージ5の移動とともに移
動する。検出器7は試料6で生じた二次電子または反射
電子などの電子を捕獲し、検出するよう構成されてい
る。例えばESEMの場合であれば、検出器7は金属電
極板などからなり、正の電圧、例えば数百Vの電圧が印
加可能に構成される。増幅器8は検出器7と電気的に接
続され、検出器7で検出した二次電子または反射電子な
どの信号を入力し、増幅して出力するものである。A/
Dコンバータ9は増幅器8と電気的に接続され、増幅器
8の出力信号を受け入れ、デジタルデータに変換して出
力するものである。フレームメモリ10はA/Dコンバ
ータ9と電気的に接続され、A/Dコンバータ9の出力
信号を記憶するものである。フレームメモリ10に記憶
されたデジタルデータは走査コイル3による試料6上の
電子線の走査の制御信号と同期させた二次元の画像信号
である。CRT12は、CPU11の指令に応じて、フ
レームメモリ10に記憶された試料6で発生した二次電
子または反射電子などに対応するデジタルデータを二次
元の画像として表示するものである。電子光学系駆動回
路13は、CPU11の指令に応じて電子銃1、コンデ
ンサレンズ2、走査コイル3および対物レンズ4などを
駆動するものである。光斜入射方式のZセンサ20は、
試料6の斜め上方に設置され、試料6において電子線が
照射されてSEM観察が行われる観察点の上下方向の位
置または高さを測定するよう構成されている。ステージ
駆動回路21は、Zセンサ20の出力データやCPU1
1の指令などに応じて、X−Y−Zステージ5を平面方
向および上下方向の任意の位置に駆動制御するものであ
る。操作卓22は、例えば試料の移動すなわちX−Y−
Zステージ5の移動、コントラストの変更、または焦点
合わせなどの操作を入力するものであり、操作卓22で
の入力に応じてCPU11はCRT12、電子光学系駆
動回路13またはステージ駆動回路21などに指令を与
える。
【0018】次に、このような構成の走査電子顕微鏡の
動作の概要を説明する。
【0019】例えばESEMの場合であれば差動排気系
(図示せず)により、必要な真空度に達している電子銃
1から放射された電子線は、コンデンサレンズ2、走査
コイル3および対物レンズ4を通り、集束されて試料6
上に走査され、試料6から二次電子または反射電子など
の電子を発生させる。この試料6から発生した電子は検
出器7により検出される。例えばESEMの場合であれ
ば、検出器7には正電圧が印加されており、それによっ
て生じる電場により試料6で発生した電子が検出器7に
向かって飛ぶので、検出器7は試料6で発生した二次電
子や反射電子などの電子を捕獲し、検出することができ
る。この検出器7で検出した試料6で発生した二次電子
や反射電子などの信号は、増幅器8で増幅され、A/D
コンバータ9でデジタルデータに変換されて、フレーム
メモリ10に記憶される。CPU11はフレームメモリ
10に記憶されたデジタルデータを走査コイル3による
試料6上の走査と同期させてCRT12に表示する。こ
れにより、試料6の二次電子像または反射電子像などを
得ることができる。
【0020】試料6の表面の観察点上に照射される電子
線の焦点が合っていない場合は、得られる二次電子像や
反射電子像は不鮮明になってしまう。また、焦点が合っ
ていたとしても、操作卓22からの入力によりX−Y−
Zステージ5を平面方向(X軸およびY軸方向)に移動
させて試料6における電子線が照射され観察が行われる
観察点の位置を移動させれば、試料の凹凸、X−Y−Z
ステージ5の平面度の悪さ、あるいはX−Y−Zステー
ジ5のX−Y面と試料表面とが平行となっていないこと
などにより、対物レンズから試料6の表面の観察点まで
の距離が変わってしまうので、電子線の焦点は試料6の
表面には合わなくなり、焦点がぼけてしまう。このた
め、得られる試料6の二次電子像や反射電子像も不鮮明
となってしまう。
【0021】本実施形態の走査電子顕微鏡においては、
試料表面に電子線の焦点が合うよう、試料をZ軸方向に
動かすことにより、自動焦点合わせが行われる。CPU
11はフレームメモリ10に記憶されているデジタルデ
ータから試料6の二次電子像または反射電子像のコント
ラスト信号の大きさまたは絶対値、あるいはパターンエ
ッジ信号の傾きをなど検出し、それがより大きくなりま
たは最も大きくなり二次電子像または反射電子像がより
シャープで鮮明になるように、ステージ駆動回路21に
よりX−Y−Zステージ5を照射される電子線と平行な
Z軸方向すなわち上下方向に駆動し、試料6を上下方向
に動かして位置決めする。これにより、試料6の表面の
観察点を、電子線の焦点が合い鮮明な二次電子像または
反射電子像が得られる最適の高さ位置に配置させること
ができる。またX−Y−Zステージ5を平面方向に駆動
して試料6を移動させても、試料6の表面の観察点は常
に電子線の焦点が合った最適の高さ位置に配置すること
ができ、すなわち対物レンズから試料6の観察点までの
距離を一定に保つことができ、常に鮮明な二次電子像や
反射電子像を得ることが可能となる。このような試料を
Z軸方向に移動することにより行われる自動焦点合わせ
は、操作卓22の自動焦点合わせボタンの入力の度に行
われるが、常時自動焦点合わせが行われている状態とす
ることもできる。
【0022】また、光斜入射方式のZセンサ20によ
り、電子線が照射されている試料6の表面の観察点の上
下方向の高さ位置を検出し、この高さ位置の情報に基づ
いて試料6の観察点の高さ位置が所定の高さ位置となる
ように、CPU11がステージ駆動回路21によりX−
Y−Zステージ5を上下方向に駆動、制御して試料6を
上下方向に移動させることもできる。あらかじめ試料6
の表面の観察点への焦点合わせを行い、このときの観察
点の高さ位置を前述の所定の高さ位置とし、常に試料の
表面の観察点がこの所定の高さ位置にあるようにX−Y
−Zステージ5を上下方向に駆動、制御することで自動
焦点合わせを行えば、操作卓22からの操作などにより
X−Y−Zステージ5を平面方向に駆動して試料6にお
ける観察が行われる領域を変えても、対物レンズから試
料6の表面の観察点までの距離は自動的に一定に保たれ
るので、常に試料6の表面の観察点に電子線の焦点を合
わせることができる。あるいは、電子線の焦点が合う高
さ位置が例えば対物レンズ4の励磁の設定値などからあ
らかじめ分かる場合は、この高さ位置を前述の所定の高
さ位置とし、X−Y−Zステージ5を上下方向に駆動、
制御することにより自動焦点合わせを行ってもよい。
【0023】また、別の実施形態では、まず前述の従来
の自動焦点合わせ装置のように対物レンズ4の励磁を変
えて焦点距離を調整して試料6の表面への電子線の焦点
合わせを行う。この調整前後の対物レンズ4の励磁の変
化量を、CPU11があらかじめ準備しておいたソフト
またはテーブルなどに基づいて、対応する焦点距離の変
化量すなわち焦点が合う位置のZ軸方向の変化量に換算
する。CPU11は、対物レンズ4の励磁を元の値にも
どすとともにその戻した励磁の分、換算した焦点が合う
位置のZ軸方向の変化量に対応する距離だけ、X−Y−
Zステージ5をステージ駆動回路21によりZ軸方向に
駆動し、試料6の高さ位置を調整する。これにより、焦
点合わせの前後での対物レンズ4の焦点距離は同じまま
で、電子線の焦点が合った位置へ試料6の表面の観察点
を位置させることができる。X−Y−Zステージ5を平
面方向に駆動して試料6において観察が行われる領域を
変えても、対物レンズから観察点までの距離を一定に保
つこともできる。
【0024】以上具体的な実施形態をあげたが、本発明
は対物レンズから試料表面の観察点までの距離を最適に
しまたは一定に保つことにより焦点を合わせる構成であ
ればよく、前述の実施形態には限定されない。また、本
発明の走査電子顕微鏡の自動焦点合わせ装置は低真空の
SEMあるいはESEMに限定されるものではなく、他
の一般的なSEMに用いることもできる。
【0025】
【発明の効果】以上のように、本発明の走査電子顕微鏡
の自動焦点合わせ装置によれば、試料の凹凸などによら
ず常に対物レンズと試料表面の観察点の距離が一定とな
るので、自動焦点合わせを行っても最適かつ一定の分解
能で試料の観察を行うことができる。
【0026】また、本発明の走査電子顕微鏡の自動焦点
合わせ装置を、試料に照射された電子ビームが一定ガス
圧に制御された試料室内を通過する低真空のSEMなど
に用いれば、試料表面上の観察点の上下方向の位置は一
定の状態で観察できるので、自動焦点合わせを行っても
照射電子線のガスなどによる散乱量が変わることはな
く、最適かつ一定のS/N比の画質で試料を観察するこ
とができる。
【0027】更に、本発明の走査電子顕微鏡の自動焦点
合わせ装置を、試料室内が一定ガス圧に制御されこのガ
ス分子が二次電子信号や反射電子信号などの検出媒体に
使用される環境制御型走査電子顕微鏡などに用いれば、
試料表面上の観察点の上下方向の位置が一定の状態で観
察できるので、照射電子線のガスなどによる散乱量を一
定にでき、その上二次電子または反射電子信号の検出器
電極と試料の観察点との距離や位置関係も最適かつ一定
の値に保たれるので、適正かつ一定の信号増幅量で試料
の観察を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る走査電子顕微鏡の自
動焦点合わせ装置を備えた走査電子顕微鏡の構成を示す
概略図である。
【符号の説明】
1 電子銃 2 コンデンサレンズ 3 走査コイル 4 対物レンズ 5 X−Y−Zステージ 6 試料 7 検出器 8 増幅器 9 A/Dコンバータ 10 フレームメモリ 11 CPU 12 CRT 13 電子光学系駆動回路 20 Zセンサ 21 ステージ駆動回路 22 操作卓

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子線を試料表面上に集束しかつ走査
    し、それによって試料から発生した電子を検出器に受け
    て画像信号とする走査電子顕微鏡において、 前記試料を配置し、かつX軸、Y軸および前記試料に照
    射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動
    可能な試料配置台と、 前記電子線が集束する位置に前記試料表面が位置するよ
    うに前記試料配置台を少なくとも前記Z軸方向に移動制
    御する制御手段と、 を具備することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動焦点
    合わせ装置。
  2. 【請求項2】 電子線を試料表面上に集束しかつ走査
    し、それによって試料から発生した電子を検出器に受け
    て画像信号とする走査電子顕微鏡において、 前記試料を配置し、かつX軸、Y軸および前記試料に照
    射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動
    可能な試料配置台と、 前記画像信号のコントラスト信号の大きさまたはパター
    ンエッジ信号の傾きを検出し、前記コントラスト信号の
    大きさまたはパターンエッジ信号の傾きが大きくなるよ
    うに前記試料配置台を少なくとも前記Z軸方向に移動制
    御する制御手段と、 を具備することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動焦点
    合わせ装置。
  3. 【請求項3】 電子線を試料表面上に集束しかつ走査
    し、それによって試料から発生した電子を検出器に受け
    て画像信号とする走査電子顕微鏡において、前記試料を
    配置し、かつX軸、Y軸および前記試料に照射される電
    子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動可能な試料
    配置台と、 前記試料の電子線が照射されている観察点のZ軸方向の
    高さ位置を検知するセンサと、 前記センサで検知した前記観察点のZ軸方向の高さ位置
    の情報に基づき前記観察点のZ軸方向の高さ位置が所定
    の高さ位置となるように前記試料配置台を少なくともZ
    軸方向に移動制御する制御手段と、 を具備することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動焦点
    合わせ装置。
  4. 【請求項4】 電子銃から放射した電子線をコンデンサ
    レンズおよび対物レンズで試料表面上に集束しかつ偏向
    コイルで走査し、それによって試料から発生した電子を
    検出器に受けて画像信号とする走査電子顕微鏡におい
    て、 前記試料を配置し、かつX軸、Y軸および前記試料に照
    射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動
    可能な試料配置台と、 前記試料表面上に電子線が集束するように前記対物レン
    ズの励磁を変化させる制御手段と、 前記制御手段により変化された前記対物レンズの励磁の
    変化量を対応する前記対物レンズの焦点距離のZ軸方向
    の変化量に換算する変換手段と、 前記対物レンズの励磁を前記制御手段により変化させる
    前の状態に戻すとともに、前記試料配置台をZ軸方向に
    前記変換手段で換算された前記対物レンズの焦点距離の
    Z軸方向の変化量に対応する距離だけ移動させる変換制
    御手段と、 を具備することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動焦点
    合わせ装置。
  5. 【請求項5】 電子銃から放射した電子線をコンデンサ
    レンズおよび対物レンズで試料表面上に集束しかつ偏向
    コイルで走査し、それによって試料から発生した電子を
    検出器に受けて画像信号とする走査電子顕微鏡におい
    て、 前記試料を配置し、かつX軸、Y軸および前記試料に照
    射される電子線と実質的に平行なZ軸の3軸方向に移動
    可能な試料配置台と、 前記画像信号のコントラスト信号の大きさまたはパター
    ンエッジ信号の傾きを検出し、前記コントラスト信号の
    大きさまたはパターンエッジ信号の傾きが大きくなるよ
    うに前記対物レンズの励磁を変化させる制御手段と、 前記制御手段により変化された前記対物レンズの励磁の
    変化量を対応する前記対物レンズの焦点距離のZ軸方向
    の変化量に換算する変換手段と、 前記対物レンズの励磁を前記制御手段により変化させる
    前の状態に戻すとともに、前記試料配置台をZ軸方向に
    前記変換手段で換算された前記対物レンズの焦点距離の
    Z軸方向の変化量に対応する距離だけ移動させる変換制
    御手段と、 を具備することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動焦点
    合わせ装置。
  6. 【請求項6】 前記試料から発生した電子が二次電子ま
    たは反射電子であることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載の走査電子顕微鏡の自動焦点合わ
    せ装置。
  7. 【請求項7】 電子線を試料表面上に集束しかつ走査
    し、それによって試料から発生した電子を検出器に受け
    て画像信号とする走査電子顕微鏡において、前記電子線
    が集束する位置に前記試料表面が位置するように前記試
    料を前記試料に照射される電子線と実質的に平行な方向
    に移動制御することを特徴とする走査電子顕微鏡の自動
    焦点合わせ方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013088944A1 (ja) * 2011-12-13 2013-06-20 株式会社日立ハイテクノロジーズ 走査電子線装置およびそれを用いた寸法計測方法

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