JPH1186296A - レンズ位置調整固定装置 - Google Patents

レンズ位置調整固定装置

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JPH1186296A
JPH1186296A JP9245328A JP24532897A JPH1186296A JP H1186296 A JPH1186296 A JP H1186296A JP 9245328 A JP9245328 A JP 9245328A JP 24532897 A JP24532897 A JP 24532897A JP H1186296 A JPH1186296 A JP H1186296A
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lens
hole
pressing pieces
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大剛 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レンズ位置の調整を行うことができると共に
この調整された状態で落下等の強い衝撃が加わった場合
にも調整位置が移動されないで固定できるレンズ位置調
整固定装置を提供する。 【解決手段】平面部13aと平面部13aに立設された
立壁15とから構成されるL字状面にレンズ枠10を当
接して支持する支持体12と、支持体12に固定される
基部28aと、基部28aからレンズ枠10側に延びる
平行な複数の弾性押圧片33、34とを有し、弾性押圧
片33、34の弾性による付勢力によりレンズ枠10を
挟持して保持する押さえ具28と、押さえ具28により
保持された状態でレンズ枠10を必要な方向に移動させ
る調整部材20と、を有するレンズ位置調整固定装置2
7である。押さえ具28が固定された支持体12には弾
性押圧片の少なくとも一つの位置に連通する貫通孔36
が設けられ、貫通孔36を貫通して弾性押圧片の少なく
とも一片34を付勢することにより、弾性押圧片34が
弾性変形されて弾性押圧片34のレンズ枠10に対する
付勢力が解除または緩和されるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学式情報記録・再
生装置などの光学装置に用いられ、レンズ枠の位置を微
調整できると共にその調整された状態でレンズ枠の位置
を固定できる位置調整固定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図6に示すような光学式情報
記録再生装置が知られている。図6において、符号1は
固定光学部であり、この固定光学部1は、レーザー光を
可動光学部との間の光路2に向けて発するとともに、図
示してない光ディスクで反射されたレーザー反射光を、
光路2を介して受光する。また、符号3は可動光学部で
あり、矢印A方向に移動自在に設けられ、光路2を介し
て固定光学系1と光学的に連繋されている。また、符号
4は光ディスクを回転駆動するスピンドルモータであ
り、符号5はスピンドルモータ4の回転を制御する回転
制御部である。
【0003】可動光学部3は、光路2と平行な一対の案
内レール6、6に摺動可能に保持され、リニアモータ機
構7によって案内レール6、6上を往復移動する。この
リニアーモータ機構7は、ヨーク7a、7a、マグネッ
ト7b、7b、コイル7c、7cから構成されている。
【0004】ところで、固定光学部1内には、図示して
ないが半導体レーザーからのレーザー光を光路2に導く
出射光学系、光ディスクなどの記録担体で反射し光路2
を介して入射したレーザー光を受光素子8に導く受光光
学系などが設けられている。そしてこの固定光学部1の
製造時には、記録担体と光ビームとの相対的な整列関係
を維持するために、この出射光学系や受光光学系に設け
られた各レンズの光軸、焦点位置などを移動させて正確
に整列関係を微調整しておく必要がある。このため、コ
リメートレンズ、検出レンズなどのレンズを装着した光
学部品としてのレンズ枠は、種々のレンズ位置調整固定
機構によってベース部材に微調整可能に設けられてい
る。
【0005】このような、レンズ位置調整固定機構9と
して、例えば図7に示す様なものが知られている。図7
において、符号10は、集光レンズ11を装着した円筒
状のレンズ枠であり、このレンズ枠10は、L字状の面
を有するベース12に載置され、そのL字状面は、ベー
ス部材12の底部を構成する水平底部13の平面部であ
る上底壁13aと、この水平底部13の一端に立設され
た立設部14の内壁15とで形成されている。この立設
部14の上平面16には、固定ネジ17によって押さえ
具18の基部18bが固定されている。押さえ具18
は、板バネにより構成され、その先端部18aは傾斜さ
れ、レンズ枠10の外周面に弾性的に当接されている。
これにより、レンズ枠10は、上底壁13a及び内壁1
5に弾性的に押圧されてベース部材12に保持される。
【0006】一方、レンズ枠10の外周面の一部には、
光軸と直交する方向に延びる凹溝19が形成されてい
る。この凹溝19には、立設部14に横方向から螺合さ
れる調整治具20の先端に設けられた偏心ピン20aが
嵌入でき、この調整治具20を回転させることで偏心ピ
ン20aと凹溝19とのカム機構によってレンズ枠10
は光軸方向に移動可能とされている。
【0007】このレンズ位置調整機構9によれば、押さ
え具18が弾性体であるので、この押さえ具18により
レンズ枠10をベース部材12に保持した状態で調整治
具20を回転させることで光軸方向の微調整が可能とな
るが、調整後に落下等の強い衝撃があると、レンズ枠1
0のベース部材12上の位置がずれることがあった。
【0008】これを補うためにレンズ枠10をベース部
材12に接着剤により固定することも考えられるが、接
着剤などにより固定すると固定後に最終調整が必要な場
合などの再調整が行えないという問題が生じるので、例
えば、図8、図9に示すようなレンズ位置調整固定装置
21が実開平5−21323号公報により提案されてい
る。
【0009】このものでは、押さえ具22を一枚の板バ
ネで構成し、その一端の基部22aを立設部14の上平
面16に固定ネジ23で固定している。この押さえ具2
2は、他端側を平行な3本の弾性押圧片として構成し、
中央の片を固定片24として長く形成し、両側の片を半
固定片25として短く形成している。半固定片25は、
基部22aから延びる先端部25aが傾斜され、その先
端部25aは、レンズ枠10の外周面に当接され、自身
の弾性力で付勢して弾接している。また、固定片24
は、基部22aから傾斜した中間部24aと先端部24
bとから構成され、その先端部24bがレンズ枠10の
前方に延びて、係止ネジ26によって上底壁13aに固
定されることにより、中間部24aはレンズ枠10に強
固に弾接されて、レンズ枠10の外周面は強固にベース
部材12に固定される。
【0010】この構成によれば、係止ネジ26で固定片
24を固定していないときには、半固定片25がレンズ
枠10の外周面に弾接することで、レンズ枠10をベー
ス部材12に対して半固定状態とする。この半固定状態
では、調整治具20を操作することで、偏心ピン20a
が凹溝19内で回転され、カム動作によってレンズ枠1
0を光軸方向に移動させ、内蔵されているレンズの位置
調整を行うことができる。そして、レンズ枠10を固定
片24により強固に固定することにより、落下等の衝撃
による位置ズレが防止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな実開平5−21323号公報に記載の技術では、固
定片24があるので、落下等の強い衝撃により、レンズ
枠の位置がずれることは改良されるものの、この固定片
24は、係止ネジ26により固定される必要があるの
で、レンズ枠10の前方には固定片24のためのスペー
スが必要となる。このため、このようなレンズ位置調整
固定装置21は広いスペースを必要とし、装置の小型化
に対応しがたい。また、この固定には、係止ネジ26に
よる固定操作が必要となり、調整、固定操作が煩雑とな
る。
【0012】本発明の第1の目的は、レンズ位置の調整
を行うことができると共に、この調整された状態で落下
等の強い衝撃が加わった場合にも調整位置が移動されな
いで固定できるレンズ位置調整固定装置を提供すること
である。また、本発明の別の目的は、レンズ位置調整操
作が簡易なレンズ位置調整固定装置を提供することであ
る。また、本発明の他の目的は、広いスペースを必要と
しないレンズ位置調整固定装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、平面部と該平面部に立設
された立壁とから構成されるL字状面にレンズ枠を当接
して支持する支持体と、該支持体に固定される基部と、
該基部からレンズ枠側に延びる平行な複数の弾性押圧片
とを有し、該弾性押圧片の弾性による付勢力により前記
レンズ枠を挟持して保持する押さえ具と、該押さえ具に
より保持された状態で前記レンズ枠を必要な方向に移動
させる調整部材と、を有するレンズ位置調整固定装置に
おいて、前記押さえ具が固定された支持体には前記弾性
押圧片の少なくとも一つの位置に連通する貫通孔が設け
られ、該貫通孔を貫通して前記弾性押圧片の少なくとも
一片を付勢することにより、該弾性押圧片が弾性変形さ
れて該弾性押圧片の前記レンズ枠に対する付勢力が解除
または緩和されるように構成されることを特徴とするレ
ンズ位置調整固定装置である。
【0014】請求項2の発明は、前記複数の弾性押圧片
は、前記レンズ枠に対して略同一方向に付勢しており、
前記レンズ枠に対する前記弾性押圧片の付勢力の解除
は、前記貫通孔に螺合されたネジ部材の締め込みによる
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ位置調整固定
装置である。
【0015】請求項3の発明は、前記複数の弾性押圧片
は、前記レンズ枠に対して略同一方向に付勢しており、
該レンズ枠に対する付勢力の解除は、前記貫通孔に挿通
された押し上げピンにより弾性押圧片の弾性変形による
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ位置調整固定
装置である。
【0016】請求項4の発明は、前記貫通孔が設けられ
た支持体面には前記調整部材が挿通される調整用貫通孔
が設けられていることを特徴とする請求項2または請求
項3に記載のレンズ位置調整固定装置である。
【0017】請求項1のように構成すれば、全ての弾性
押圧片の付勢力がレンズ枠に作用した場合には、レンズ
枠は強い衝撃に対しても位置ズレしないで固定される。
また、貫通孔を貫通してこの弾性押圧片を弾性変形させ
てレンズ枠に対する付勢力を解除または緩和すると、レ
ンズ枠に対する弾性押圧片の付勢力が減少して、調整部
材によるレンズ位置の調整が可能となる。この付勢力の
解除または緩和は弾性変形によるので、その弾性押圧片
の付勢力を解除または緩和すると、レンズ枠は再び全て
の弾性押圧片により付勢されるので、強い衝撃があって
も位置ズレしない状態で固定される。
【0018】請求項2の発明のように構成すれば、ネジ
部材をネジ込むことにより、弾性押圧片はネジ部材によ
り弾性変形されてレンズ枠に対する付勢力が解除または
緩和される。ネジを緩めれば全ての弾性押圧片は再びレ
ンズ枠を付勢することになる。このとき、すべての弾性
押圧片の付勢方向が略同一であるので、その少なくとも
一片の弾性押圧片の付勢力を解除または緩和した後、再
び付勢したときに、他の弾性押圧片の付勢方向と同一と
なる。これにより、調整後に弾性押圧片の一片の付勢力
を再び作用させても位置ズレを起こすことがなく、高精
度に微調整された状態が保ったままでしっかりと固定で
きる。また、ネジ部材の螺合(回転運動から直線運動へ
の変換)により、弾性押圧片の付勢力を解除または緩和
を行うので、レンズ位置調整固定操作は簡易であり、ま
た付勢力の調整ができる。
【0019】請求項3の発明のように構成すれば、押し
上げピンを挿通することにより、弾性押圧片は弾性変形
されてレンズ枠に対する付勢力が解除または緩和され
る。押し上げピンを取り去ることにより、全ての弾性押
圧片は再びレンズ枠を付勢することになる。このとき、
すべての弾性押圧片の付勢方向が略同一であるので、そ
の少なくとも一片の弾性押圧片の付勢力を解除または緩
和した後、再び付勢したときに、他の弾性押圧片の付勢
方向と同一となる。これにより、調整後に弾性押圧片の
一片の付勢力を再び作用させても位置ズレを起こすこと
がなく、高精度に微調整された状態が保ったままでしっ
かりと固定できる。この一連の操作は、貫通孔を挿通さ
せた押し上げピンの操作で行うので簡易である。
【0020】請求項4の発明のように構成すれば、調整
部材による調整操作及びネジ部材又は押し上げピンによ
る押し上げ操作が同一面に設けられたそれぞれの貫通孔
を挿通して行える。これにより、調整部材と押し上げピ
ン又はネジ部材の操作側が同一側となるので、広いスペ
ースを必要としないレンズ位置調整固定装置が提供され
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。なお、従来技術の説明と同一のものについ
ては同一符号を付して詳細な説明を省略し、異なる部分
についてのみ説明することとする。
【0022】この実施の形態のレンズ位置調整固定装置
27は、図6に示した固定光学部1の内部に設けられた
出射光学系や受光光学系のレンズ位置を調整し、固定す
るための治具である。このレンズ枠10の光軸延長方向
には結像(レンズ)位置を検出するために受光素子が所
定位置に配置されている。
【0023】このレンズ位置調整固定装置27は、図
1、図2に示すように、レンズ枠10を載置するL字状
のベース部材12と、レンズ枠10を保持する押さえ具
28と、レンズ枠10の位置を調整する調整治具20
と、押さえ具28を押し上げる押し上げピン29と、調
整治具20の装着を補助する治具台30とから大略構成
されている。調整治具20は、先端に偏心して設けられ
た偏心ピン20aを有する円柱状の調整棒部20bと、
基部側に設けられたフランジ形態のストッパ部20cと
を有する。
【0024】図1において、レンズ枠10は、凹溝19
が上底壁13aに平行になるようにして上底壁13aと
内壁15とで形成されるL字状面を有するベース部材1
2に接して載置され、そのベース部材12は、装置本体
ケース(図示を略す)のベース31に固定されている。
【0025】一方、押さえ具28は、板バネなどの板状
の弾性体から構成され、基部28aとこの基部28aか
ら連続して他端側に向かって延びる3本の弾性押圧片3
3、33、34とから櫛歯状に形成されている。この基
部28aは光軸方向の略中央が一本の固定ネジ32によ
り立設部14の上平面16に固定されている。この固定
ネジ32は、任意の位置に複数本設けられていてもよ
い。
【0026】両側の弾性押圧片33、33は、基部28
aから延設された平坦部33a、33aと、その平坦部
33a、33aから下方に傾斜して延びる傾斜部33
b、33bとから構成されている。その傾斜部33b、
33bは、基部28aが固定ネジ32で固定された状態
で自身の弾性力によりレンズ枠10を付勢して当接(弾
接)されている。レンズ枠10の外周面と当接された状
態で、上底壁13aに対する傾斜部33b、33bの傾
斜角度は略45度である。また、2片の弾性押圧片3
3、33は、レンズ枠10の光軸に直交して互いに平行
に配列され、それらの弾性押圧片33、33の略中間点
は、レンズ枠10の光軸方向略中心と一致している。こ
れにより、レンズ枠10は、上底壁13aと内壁15と
の双方に平均的に安定して当接される。
【0027】中央の弾性押圧片34は、基部28aから
延設された平坦部34aと、その平坦部34aから下方
に傾斜して延びる傾斜部34bとから構成されている。
中央の弾性押圧片34は、両側の弾性押圧片33、33
に比べて幅が広く形成されて弾接力が高められている。
また、傾斜部34bは、基部28aが固定ネジ32で固
定された状態で自身の弾性力により強く付勢してレンズ
枠10に当接(弾接)されている。レンズ枠10の外周
面と当接された状態で、上底壁13aに対する傾斜部3
4bの傾斜角度は略45度であり、レンズ枠10に付勢
される付勢力の方向は、弾性押圧片33が付勢する方向
と略一致している。また、この弾性押圧片34は、レン
ズ枠10の光軸に直交して配列され、弾性押圧片33の
中央は、レンズ枠10の光軸方向略中心と一致して配置
されている。
【0028】水平底部13には、調整治具20を装着す
るための貫通孔35が形成されている。この貫通孔35
の直径は、調整棒部20bの外径と略等しくされ、調整
棒部20bが嵌合された状態で摺接されることにより、
スムースに回動自在とされている。また、立設部14に
は、上平面16まで貫通する貫通孔36が形成されてい
る。この貫通孔36は、押し上げピン29を挿通して装
着するためのものである。また、ベース31には、調整
治具20を装着するための貫通孔31aと押し上げピン
29を装着するための貫通孔31bとが形成されてい
る。
【0029】治具台30は、コーナ部301と二つの貫
通孔30a、30bとを有する。貫通孔30aは、調整
治具20を挿通させて装着するためのものであり、貫通
孔30bは押し上げピン29を挿通させて装着するため
のものである。使用に際しては、ベース31のコーナ部
311にこの治具台30のコーナ部301を当接させる
ことにより、貫通孔30aと貫通孔30bの位置決めが
できる。
【0030】また、貫通孔30aは、その内径が多段階
に形成され、外側の大径部はストッパ受け部30cとさ
れて、調整治具20を貫通孔30a、31a、35に向
けて押し込んで装着したとき、このストッパ受け部30
cがフランジ状のストッパ部20cと当接して停止され
る。この状態で、偏心ピン20aの先端は凹溝19の底
辺とわずかに隙間を開けて保持される。
【0031】図3は、図1において、治具台30、調整
治具20、押し上げピン29などの調整用部材を取り外
した状態を示している。傾斜部33b、33bと傾斜部
34bとは、レンズ枠10の外周面に当接され、レンズ
枠10を上底壁13aと内壁15との交線に向かって自
身の弾性により付勢して弾接している。この状態では、
レンズ枠10は、すべての弾性押圧片33、33、34
により強固に保持されている。
【0032】以上のように構成されたレンズ位置調整固
定装置27の作用を調整・固定操作に従い説明する。図
3に示すように、レンズ枠10の固定されたベース部材
12は、装置のベース31に固定されている。この状態
では、レンズ枠10は、全ての弾性押圧片33,33,
34によりしっかりと固定されている。調整は、図1に
示すように、治具台30をベース31の下方に装着して
行われる。コーナ部301をコーナ部311に当接させ
て位置決めすることにより、貫通孔30bは貫通孔3
6、31bに連通され、貫通孔30aは、貫通孔35、
31aに連通される。
【0033】押し上げピン29が貫通孔30b、31
b、36を挿通して装着され、貫通孔36の上端から押
し上げピン29の先端29aが突出される。平坦部34
aは、この突出された先端29aにより上方に付勢され
る。これにより弾性押圧片34は弾性変形により上方に
押し上げられ、弾性押圧片34のレンズ枠10に対する
付勢力は解除される。
【0034】この状態では、光軸に直交して平行に配列
された一対の弾性押圧片33、33(保持部)の弾性に
より、上底壁13a、内壁15側に向いた付勢力が働
き、レンズ枠10は押しつけられて挟持されているが、
その挟持力が弱いので、後述するように、調整治具20
を回動することにより、レンズ枠10は光軸方向に位置
調整可能である。
【0035】ついで、貫通孔30a、31a、35に調
整治具20を挿通して調整治具20を一杯に押し込んで
装着する。調整治具20の摘み部(図示を略す)を回し
て調整治具20を回動させることによって、レンズ枠1
0が偏心ピン20aと凹溝19とのカム機構により、そ
の光軸方向にわずかに移動でき、集光レンズ11の焦点
位置をスムースに微調整することができる。
【0036】位置調整が完了され、押し上げピン29を
撤去すると、平坦部34aを付勢していた付勢力が解除
される。これにより、弾性押圧片34は、再び自身の弾
性によりレンズ枠10を付勢して弾接することになる。
このとき、弾性押圧片33の弾性による付勢力と弾性押
圧片34の弾性による付勢力とが同一方向に向けてレン
ズ枠10を付勢しているので、調整後に弾性押圧片34
の付勢力を作用させても位置ズレを起こすことがない。
これにより、高精度に微調整された状態を保ったままで
しっかりと固定することができ、この固定された状態で
は強い衝撃があっても位置ズレすることがない。
【0037】レンズ焦点位置の調整を再度行うときに
は、押し上げピン29を装着すれば、弾性押圧片34は
固定が解除または緩和されるので、レンズ枠10は再調
整できる。このように、押し上げピン29による平坦部
34aの押圧、解除により弾性押圧片34は弾性変形範
囲内で変形、復元を繰り返すことにより、レンズ枠10
に対する付勢力を変更することができる。また、この押
し上げピン29、調整治具20及び治具台30などの調
整用部材は、調整後には不要となるので、取り外すこと
ができ、これにより、レンズ位置調整固定装置27の重
量軽減が図れる。
【0038】[変形例1]調整治具20、押し上げピン
29、治具台30などの調整部材は、調整後には取り外
して使用されるので、図1の押し上げピン29は、図4
(a)に示すように、治具台30に固定していてもよ
い。このように構成すれば、図4(b)に示すように、
微調整のために治具台30を装着すると、治具台30に
固定された押し上げピン29が平坦部34aを押し上げ
て、レンズ位置調整固定装置の調整を可能とする。レン
ズ位置の微調整が完了した後に、この治具台30を撤去
すれば平坦部34aの付勢力が解除されて、弾性押圧片
34が再びレンズ枠10を弾接する。
【0039】このように、押し上げピン29を治具台3
0に固定することにより、治具台30の挿脱に従い、弾
性押圧片34のレンズ枠10に対する弾接が連動される
ことになり、位置調整固定操作が簡略化できる。また、
この治具台30には、レンズ位置検出のための受光素子
またはそのための光学系を一体に構成してもよい。この
ように構成すれば、この受光素子または光学系を用いて
位置調整操作が行える。その他の構成、作用、効果は実
施の形態と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0040】[変形例2]図1の押し上げピン29は、
図5に示すように、ネジ部材37とすることもできる。
この変形例2では、貫通孔36の上端36aには雌ネジ
部が形成され、その雌ネジ部に下方からネジ部材37が
螺合されている。そのネジ部材37の先端37aは、平
坦部34aに当接され、ネジ部材37をネジ込むことに
より平坦部34aは押し上げられる。また、ネジ部材3
7によれば、平坦部34aを徐々に押し上げるので、弾
性押圧片34のレンズ枠10に対する付勢力を調整する
ことが可能となる。その他の構成、作用、効果は実施の
形態と同一であるので詳細な説明は省略する。
【0041】以上の説明では、支持体としてのベース部
材12は、装置のベース31に固定されているが、装置
のベース31を支持体として用いてもよい。この場合、
レンズ枠10はベース31に直接に載置される。また、
治具台30は特別に設けなくてもよい。また、調整治具
として、圧縮コイルスプリングなどを設けることによ
り、位置調整する際の摘み部の操作感覚の向上を図って
もよい。
【0042】また、以上の説明では、光学式情報記録再
生装置について説明したが、光学式情報記録装置、光学
式情報再生装置はもちろんのこと、レンズの微妙な位置
調整が必要な他の光学装置にも本発明は利用できる。ま
た、レンズ光軸周りにレンズ枠を回動して調整を行うレ
ンズ調整固定装置にも応用可能である。
【0043】また、以上の説明でレンズ枠は、固定光学
系に装着された例で説明したが、可動光学系に配置して
もよい。可動部分に配置することにより、慣性モーメン
トが大きく働いても、この発明の装置は位置ズレを起こ
すことがない。また、調整用部材は調整後は脱着できる
ので、部品の軽量化が図れる。また、押さえ具28を含
めた各部品をプラスチックとすることにより、軽量化が
図れることはもちろんである。このように軽量化が図れ
るこの発明の装置は、駆動部分の摩耗を少なくできる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、レンズ焦点位置の調整を行うことができると共
に、この調整された状態で落下等の強い衝撃が加わった
場合にも調整位置が移動されないで固定できるレンズ位
置調整固定装置が提供される。
【0045】請求項2の発明によれば、すべての弾性押
圧片の付勢方向が略同一であるので、調整後に弾性押圧
片の一片の付勢力を再び作用させても位置ズレを起こす
ことがなく、高精度に微調整された状態が保ったままで
しっかりと固定できる。また、ネジ部材の螺合により、
弾性押圧片の付勢力を解除または緩和を行うので、レン
ズ位置調整固定操作は簡易であり、また付勢力の調整が
できる。
【0046】請求項3の発明によれば、すべての弾性押
圧片の付勢方向が略同一であるので、調整後に弾性押圧
片の一片の付勢力を再び作用させても位置ズレを起こす
ことがなく、高精度に微調整された状態が保ったままで
しっかりと固定できる。また、押し上げピンの挿通によ
り、弾性押圧片の付勢力を解除または緩和が行えるの
で、レンズ位置調整操作は簡易である。
【0047】請求項4の発明のように構成すれば、広い
スペースを必要としないレンズ位置調整固定装置が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ位置調整固定装置を説明す
るための図であり、(a)は平面図、(b)は図1
(a)のA−A線で切断したときの断面図である。
【図2】図1の位置調整固定装置の概略を説明するため
の要部組立斜視図である。
【図3】図1において、調整用部材を取り外した状態を
示した断面図である。
【図4】変形例1を説明するための図であり、(a)は
治具台の斜視図、(b)はその治具台を装着したときの
レンズ位置調整固定装置の要部断面図である。
【図5】変形例2のレンズ位置調整固定装置を説明する
ための断面図である。
【図6】一般的な光学式情報記録再生装置の概略構成を
示した平面図である。
【図7】従来の位置調整固定装置を説明するための図で
あり、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図8】従来の位置調整固定装置を説明するための斜視
図である。
【図9】図7の位置調整装置を説明するための図であ
り、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 固定光学部 10 レンズ枠 11 集光レンズ 12 ベース(支持体) 13a 上底壁(平面部) 15 内壁(立壁) 20 調整治具(調整部材) 29 押さえ具 33、34 弾性押圧片 36 貫通孔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面部と該平面部に立設された立壁とか
    ら構成されるL字状面にレンズ枠を当接して支持する支
    持体と、該支持体に固定される基部と、該基部からレン
    ズ枠側に延びる平行な複数の弾性押圧片とを有し、該弾
    性押圧片の弾性による付勢力により前記レンズ枠を挟持
    して保持する押さえ具と、該押さえ具により保持された
    状態で前記レンズ枠を必要な方向に移動させる調整部材
    と、を有するレンズ位置調整固定装置において、 前記押さえ具が固定された支持体には前記弾性押圧片の
    少なくとも一つの位置に連通する貫通孔が設けられ、該
    貫通孔を貫通して前記弾性押圧片の少なくとも一片を付
    勢することにより、該弾性押圧片が弾性変形されて該弾
    性押圧片の前記レンズ枠に対する付勢力が解除または緩
    和されるように構成されることを特徴とするレンズ位置
    調整固定装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の弾性押圧片は、前記レンズ枠
    に対して略同一方向に付勢しており、 前記レンズ枠に対する前記弾性押圧片の付勢力の解除
    は、前記貫通孔に螺合されたネジ部材の締め込みによる
    ことを特徴とする請求項1に記載のレンズ位置調整固定
    装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の弾性押圧片は、前記レンズ枠
    に対して略同一方向に付勢しており、 前記レンズ枠に対する前記弾性押圧片の付勢力の解除
    は、前記貫通孔に挿通された押し上げピンの押し上げに
    よることを特徴とする請求項1に記載のレンズ位置調整
    固定装置。
  4. 【請求項4】 前記貫通孔が設けられた支持体面には前
    記調整部材が挿通される調整用貫通孔が設けられている
    ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のレン
    ズ位置調整固定装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7295225B2 (en) * 2002-09-19 2007-11-13 Ricoh Company, Ltd. Light source and light beam scanning unit
CN100390881C (zh) * 2004-07-07 2008-05-28 三洋电机株式会社 光学拾取器
DE10113518B4 (de) * 2001-03-20 2016-05-19 Precitec Kg Verfahren zur Messung des Verschmutzungsgrades eines Schutzglases eines Laserbearbeitungskopfs sowie Laserbearbeitungsanlage zur Durchführung des Verfahrens

Cited By (4)

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US7672197B2 (en) 2004-07-07 2010-03-02 Sanyo Electric Co., Ltd. Optical pickup device and manufacturing method thereof

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