JPH11856A - ベルトサンダー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動ローラ２と研磨ベルト１１のスリップを
阻止して、ワークｗを安定的且つ強力に研磨できるよう
にする。 【解決手段】 駆動ローラ２の外方に駆動ローラ２の回
動と共に回動せしめられる研磨ベルト１１を押圧接触さ
せる押圧ローラ１５を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、木工作業などで使
用されるベルトサンダーに関する。

【０００２】

【従来の技術】案内ローラと駆動ローラに無端状のサン
ドベルトを卷き掛けると共にこのベルトをワーク支持台
に沿わせて配置し、駆動ローラの回転によりサンドベル
トが案内ローラ及び駆動ローラの周りを移動される構成
となされたベルトサンダーは存在している。このベルト
サンダーはワーク支持台に載せた被加工品に移動中のサ
ンドベルトを押し当てるように使用される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来のベルト
サンダーに於いて、サンドベルトを被加工品に強く或い
は高速移動させるなどして押し当てると、サンドベルト
に大きな研磨抵抗が作用するものとなるが、この研磨抵
抗が一定程度より大きくなると、動力を伝達されて回転
される駆動ローラと、駆動ローラから回転を伝達される
サンドベルトとの間に滑りが発生し、サンドベルトの安
定的な周回移動が損なわれるのである。

【０００４】このようになると、研磨作業の能率が低下
するばかりでなく、加工品の被研磨面に波状の傷が発生
するなどして欠陥品となったり仕上がりの悪いものとな
るなどの問題がある。

【０００５】本発明は、上記のような問題点を解消させ
るものとしたベルトサンダーを提供することを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、駆動ローラの外方に駆動ローラの回動
と共に回動せしめられる研磨ベルトを任意の加圧力で押
圧接触させる押圧ローラを設けた構成となす。このさ
い、押圧ローラはスプリング或いは流体圧シリンダを介
し任意圧力で研磨ベルトに押圧接触されるものとなす。

【０００７】上記構成に於いて、研磨ベルトを駆動ロー
ラに押圧接触させる押圧ローラの圧力が大きい程、駆動
ローラと研磨ベルトの滑りはより強力に抑制されるもの
となる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明の第一の実施例に係
るベルトサンダーを示し、Ａは全体斜視図で、Ｂは部分
正面図、図２は前記ベルトサンダーの使用状態を示す図
である。

【０００９】これらの図に於いて、１は床面上に定置さ
れる門形の本体フレームであり、２はこのフレーム１の
右側一定位置に設けた駆動ローラ、３はそのフレーム１
の左側一定位置に設けた案内ローラ、そして４はそのフ
レーム１の中央部に設けた可動式のベルト緊張用案内ロ
ーラである。

【００１０】このさい、駆動ローラ２は図示しないモー
タで回転されるものとなし、また案内ローラ３は前記フ
レーム１に固定された支持軸５の廻りへ自在に回転され
るものとなす。

【００１１】案内ローラ４の装着構成は次のようになす
のであって、即ち、前記フレーム１の横梁部１ａに軸受
６を固定し、この軸受６に支持軸７を回転自在に支持さ
せ、この支持軸７の前端にアーム部材８を固定し、アー
ム部材８の先部に案内ローラ４を回転自在に軸着し、一
方では支持軸７の後端に揺動力付与棒９を固定し、この
棒９の長手方向途中に重り体１０を位置変更可能に固定
すると共に先端に把手９ａを設け、重り体１０の重力で
案内ローラ４が支持軸７廻りの上方へ変位される構成と
なす。

【００１２】１１は無端状の布又は紙材などの外面に研
磨粉層を形成した研磨ベルトで、案内ローラ３、４及び
駆動ローラ２に掛け回してある。このさい、研磨ベルト
１１は案内ローラ４の揺動力により適当な緊張力を付与
される状態となす。

【００１３】１２は前記フレーム１の左右の脚部１ａ、
１ｂ間に架設状に配設したワーク支持台で、図示しない
操作ハンドルの回転操作により上下移動され、また人手
による押し引き操作により前後移動される構成としてあ
る。具体的には、前記フレーム１の各脚部１ａ、１ｂに
これに沿って上下作動される受け台１３を設け、これの
上面には前記支持台１２を前後移動可能に支持させた案
内レール１４を固定する。この支持台１２は任意高さ位
置で支持台１２に沿った左右方向水平軸廻りの揺動変位
操作可能となすことも差し支えない。

【００１４】１５は駆動ローラ２の外方に研磨ベルト１
１を押圧接触させるための押圧ローラで、表面に布材又
はゴム材を被着させたものとしてある。

【００１５】この押圧ローラ１５の装着構成を説明する
と、次のとおりである。即ち、前記フレーム１の右側脚
部１ｂにアーム枠部材１６を揺動自在に軸１７着し、こ
の枠部材１６の上部に押圧ローラ１５を回動自在に軸１
８着する。一方、押圧ローラ１５の位置に対応した右側
脚部１ｂ個所に軸受部材１９を設け、この軸受部材１９
にネジ軸２０を長手方向の移動のみ可能に挿通させると
共にこのネジ軸２０に回転操作ハンドル２１を螺合さ
せ、ネジ軸２０と前記枠部材１６をスプリング２２で結
合させる。

【００１６】２３は駆動ローラ２及び押圧ローラ１５の
外周側を覆うように設けた固定カバーで、これの前面側
には駆動ローラ２及び押圧ローラ１５の前面側を開閉可
能に覆うものとした開閉カバー２３ａが設けてある。

【００１７】上記のように構成した本実施例のベルトサ
ンダーの使用例及び作用を説明すると、次のとおりであ
る。重り体１０による案内ローラ４の上方への揺動力の
みにより、研磨処理に必要な研磨ベルト１１の緊張力が
得られるときは、回転操作ハンドル２１を操作してネジ
軸２０を矢印方向ｆ１へ適当寸法だけ変位させ、アーム
枠部材１６を外方へ揺動させ、駆動ローラ１５が研磨ベ
ルト１１を押圧しない状態とする。

【００１８】この状態の下で駆動ローラ２を回転作動さ
せて研磨ベルト１１を周回移動させ、ワーク支持台１２
上にワークを位置させた後、適当な押圧具で研磨ベルト
１１を適宜な操作力で押し下げワークの被研磨面に押し
当てるようにする。これにより、研磨ベルト１１は駆動
ローラ２によりこのローラ２との間でスリップすること
なく周回移動され、ワークの被研磨面は円滑に研磨され
るものとなる。

【００１９】一方、重り体１０による案内ローラ４の上
方への揺動力のみでは研磨処理に必要な研磨ベルト１１
の緊張力が不足するようなときは、回転操作ハンドル２
１を回転操作してネジ軸２０を矢印方向ｆ１の逆へ適当
寸法だけ変位させる。これにより、ネジ軸２０はスプリ
ング２２を介してアーム枠部材１６を引張し、スプリン
グ２２は自身の弾力でアーム枠部材１６を内方へ揺動さ
せるものとなり、押圧ローラ１５は研磨ベルト１１を駆
動ローラ２の外面に適当な押圧力で接触させた状態とな
る。

【００２０】この状態の下で駆動ローラ２を回転作動さ
せ研磨ベルト１１を周回移動させる。これにより、研磨
ベルト１１は適宜な押圧具などでワークの被研磨面に強
く押し当てられた状態でも、駆動ローラ２との間でスリ
ップを生じることなく周回移動され、ワークの被研磨面
は強く安定的に研磨されるものとなる。

【００２１】ワークの凹凸部を研磨するときは次のよう
に行う。即ち、重り体１０による案内ローラ４の上方へ
の揺動力を極めて小さくなすか又は存在しない状態とな
し、押圧ローラ１５が研磨ベルト１１を駆動ローラ２の
外面に適当な押圧力で接触させた状態となす。この状態
の下で駆動ローラ２を回転作動させると、研磨ベルト１
１は駆動ローラ２と押圧ローラ１５の効果的な送り作用
により緊張しない状態で周回移動されるものとなる。

【００２２】しかして、被研磨面が図２Ａに示すように
研磨ベルト１１の長手方向へ傾斜状に突出したワークｗ
を研磨処理するときは、ワーク支持台１２を少し降下移
動させてその台上にワークｗを載せ、研磨ベルト１１を
手持ち押圧具ｍで押し下げ被研磨面ｓに押し当てるよう
にする。

【００２３】このさい、駆動ローラ２と押圧ローラ１５
による研磨ベルト１１送り力は押圧具ｍと駆動ローラ２
の間の研磨ベルト部分１１ａに強く作用し、この部分を
引張して傾斜状となす。従って、研磨ベルト１１は被研
磨面ｓに沿った状態で当接されると共に駆動ローラ２と
の間でスリップを生じることなく周回移動され、ワーク
ｗの被研磨面ｓは最適状態で安定的に研磨されるものと
なる。

【００２４】また被研磨面が図２Ｂに示すような凹み溝
ｓ１であるようなワークｗを研磨処理するときは、手持
ち押圧具ｍ１の突部で研磨ベルト１１を押し下げ凹み溝
ｓ１に押し当てるようにする。

【００２５】このさいも、駆動ローラ２と押圧ローラ１
５による研磨ベルト１１送り力は押圧具ｍ１と駆動ロー
ラ２の間の研磨ベルト部分１１ａに比較的強く作用し、
その他の部分には作用しない。従って、研磨ベルト１１
はその巾方向個所を屈曲され易くなって手持ち押圧具ｍ
１を介して凹み溝ｓ１に沿った状態に当接されると共に
駆動ローラ２との間でスリップを生じることなく周回移
動されるのであり、ワークｗの被研磨面は良好に研磨さ
れるものとなる。

【００２６】さらに被研磨面が図２Ｃに示すような凸溝
ｓ２であるようなワークｗの研磨処理に於いても、被研
磨面が凹み溝ｓ１であるときに準じて行うのであり、こ
れにより研磨ベルト１１は先と同様にその巾方向個所を
屈曲され易くなり、適宜な押圧具を介して凹み溝ｓ２に
沿った状態に当接され、ワークｗの被研磨面は良好に研
磨されるものとなる。なお、この場合の押圧具は押圧部
を凹み状になすのがよい。

【００２７】図３は本発明の第二の実施例に係るベルト
サンダーを示す斜視図である。このサンダーはワイドサ
ンダーなどと称されているものに属するが、その概略構
成を説明すると次のとおりである。

【００２８】即ち、本体フレーム２４の一定位置に案内
ローラ３と駆動ローラ２が設けてあり、またこれらロー
ラ３、４の間の上方には流体圧シリンダ装置２５により
上方へ押圧移動されるようになされた可動式の案内ロー
ラ４が設けてある。

【００２９】これらローラ２、３、４には広巾の研磨ベ
ルト１１が掛け回してあり、また駆動ローラ２の外面に
研磨ベルト１１を押圧接触させるものとした押圧ローラ
１５が設けてある。この押圧ローラ１５は空気圧などで
作動される図示しない流体圧シリンダ装置により駆動ロ
ーラ２に対し近接離反移動可能となしてある。

【００３０】研磨ベルト１１の下方にはワーク支持搬送
装置２６が設けてあり、この支持搬送装置２６は案内ロ
ーラ２７と駆動ローラ２８を対向状に設け、これらロー
ラ２７、２８間に無端状の搬送ベルト１１を掛け回した
構成としてある。

【００３１】この実施例品の使用のさいは、研磨ベルト
１１を周回移動させた状態の下で、ワーク支持搬送装置
２６でワークｗを研磨ベルト１１４の下部に供給するよ
うに行うのであり、ワークｗはワーク支持搬送装置２６
で搬送される過程で研磨ベルト１１で研磨されるものと
なる。

【００３２】押圧ローラ１５は、作業者により調整操作
される流体圧シリンダ装置により、研磨処理の強弱に応
じた力で研磨ベルト１１を駆動ローラ２の外面に押圧接
触させるように作動する。

【００３３】これにより、駆動ローラ２と研磨ベルト１
１のスリップは阻止され、ワークｗはナイフマークなど
と称される波形模様の研磨斑を生じることなく良好に研
磨されるものとなる。

【００３４】図４Ａは第二の実施例の変形例に係るベル
トサンダーを示す斜視図であり、駆動ローラ２と可動式
の案内ローラ４に研磨ベルト１１を掛け回してあり、第
二の実施例のサンダーに準じて使用されるものである。

【００３５】図４Ｂは第二の実施例のさらに別の変形例
に係るベルトサンダーを示す斜視図であり、このサンダ
ーはプロフィールサンダーなどと称されているものに属
するのであって、案内ローラ３、駆動ローラ２及び可動
式の案内ローラ４を水平面上に配置し、これらローラ
２、３、４に研磨ベルト１１を掛け回し、この研磨ベル
ト１１を駆動ローラ２の外面に押圧接触させる押圧ロー
ラ１５を設け、研磨ベルト１１の近傍に上下一対のワー
ク支持搬送装置２７を配設した構成としてある。

【００３６】このサンダーでは、一対のワーク支持搬送
装置２７、２８がワークｗを上下から挟み付けて搬送
し、この搬送中に研磨ベルト１１がワークｗの側面を研
磨するものとなる。この場合も押圧ローラ１５は第二の
実施例に準じて作用する。

【００３７】

【発明の効果】本発明によれば、駆動ローラと研磨ベル
トのスリップが阻止され、ワークを安定的且つ強力に研
磨することが可能となるのであり、研磨処理の能率化を
図ることができる上に、従来のような研磨ベルトのスリ
ップによる研磨斑などは生じないものとなる。

【００３８】また研磨ベルトの緊張力を極めて小さくし
て安定的な研磨を行うことができ、これによりワークの
凹凸部などであっても良好に研磨することが可能となる
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第一実施例に係るベルトサンダーを示
し、Ａは全体斜視図で、Ｂは部分正面図である。

【図２】前記ベルトサンダーの使用状態を示す図であ
る。

【図３】本発明の第二実施例に係るベルトサンダーを示
す斜視図である。

【図４】第二実施例の変形例に係るベルトサンダーで、
Ａは案内ローラを一つとした例の側面図で、Ｂは研磨ベ
ルトを水平面に沿わせて周回移動させる例の斜視図であ
る。

【符号の説明】

２ 駆動ローラ １１ 研磨ベルト ２２ スプリング

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動ローラの外方に駆動ローラの回動と
   共に回動せしめられる研磨ベルトを任意の加圧力で押圧
   接触させる押圧ローラを設けたことを特徴とするベルト
   サンダー。
2. 【請求項２】 押圧ローラがスプリング或いは流体圧シ
   リンダを介し任意圧力で研磨ベルトに押圧接触されるこ
   とを特徴とする請求項１記載のベルトサンダー。