JPH1184591A - 内視鏡用フィルムカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】電気的な接触不良や固定抵抗に流れる電源電圧
の変動があった場合でも確実にフィルムカセット種類を
識別することを可能にする内視鏡用フィルムカセットを
提供すること。 【解決手段】内視鏡用フィルムカセット１０は、フィル
ム１０ａが巻装されているフィルム供給部１１と、フィ
ルム１０ａが巻き取られるフィルム巻き上げ部１２と、
フィルム巻き上げ部１２とフィルム供給部１１とを連結
するブリッジ部１３とで構成され、巻き上げ部１２の外
周面にはフィルム感度や色温度タイプ、あるいはフィル
ム枚数等、様々なフィルム情報を示すフィルム情報部２
０が設けられている。このフィルム情報部２０は、基板
２４上に２つの接点電極２１，２２とツェナーダイオー
ド２３とを直列に配線して構成されており、この基板２
４がフィルム情報部２０としてフィルムカセット１０に
埋め込まれて設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡用カメラに
装填される内視鏡用フィルムカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】内視鏡像を写真撮影するための内視鏡写
真撮影装置では体腔内など、光源装置からの照明光が照
射される部位が被写体になっていたので、写真撮影に使
用するフィルム感度は概ね一種類であった。

【０００３】しかし、近年の内視鏡装置では内視鏡挿入
部先端部に固体撮像素子を配置して高画質が実現する電
子内視鏡や、安価で小型なタングステンタイプの光源を
用いた光源装置など装置の改良が図られ、内視鏡写真撮
影においても装置の特性を生かした最高の画質のものが
要求されている。

【０００４】このため、内視鏡装置の構成や用途に応じ
て、フィルム感度や色温度タイプ、あるいはフィルム枚
数等を変えた多くの種類の専用フィルムが必要になって
いる。そして、各専用フィルムの有するフィルム情報を
カメラ側で読み取って、カメラの制御機構をフィルム情
報に合わせて制御することが考えられている。

【０００５】従来、こうしたフィルム情報の読み取りに
はパトローネに複数の接点部分を設けた導電パターンか
らなるＤＸコードが用いられていた。すなわち、パトロ
ーネに設けられているＤＸコードの導通部分の組合せを
カメラ側で読み取らせることによって、フィルム情報で
ある例えばフィルム感度を識別するようにしている。し
かし、上述したようにフィルム情報が多岐にわたる場
合、接点部分が多く必要になるので、その分フィルムカ
セットが大きくなるという問題があった。また、カメラ
側の構造も、その分複雑になって高価で大型化するとい
う問題があった。

【０００６】上述した問題を解決するため特開平２−１
０８０４２号公報のフィルムカセットには、多くのフィ
ルム情報を少ない接点で読み取れるようにした技術が開
示されている。このフィルムカセットではフィルムカセ
ット本体に固定抵抗の電気素子を備えることで、カメラ
側で抵抗値の違いからフィルム種別等を判別し、そのフ
ィルムに合った露出、色調等を自動調整して撮影できる
ようにしている。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平２−１０８０４２号公報のフィルムカセットでは固
定抵抗に電流を流すための電源電圧が変動した場合、固
定抵抗に発生する電圧が変化してフィルムカセット種類
の識別を誤るおそれがあった。また、カメラとフィルム
カセットに設けた固定抵抗とを電気的に接続する接点電
極が必要であり、この接点電極がほこり等で汚れていた
り、あるいは温度や湿度の影響で、接点電極の接触抵抗
値が大きくなって、フィルムカセット種類の識別に誤り
を生じさせるという問題があった。

【０００８】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、電気的な接触不良や固定抵抗に流れる電源電圧の
変動があった場合でも確実にフィルムカセット種類を識
別することを可能にする内視鏡用フィルムカセットを提
供することを目的にしている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の内視鏡用フィル
ムカセットは、フィルム供給部と、フィルム巻取り部
と、前記フィルム供給部と前記フィルム巻取り部とを結
ぶブリッジ部とを有する内視鏡用フィルムカセットにお
いて、前記フィルム供給部、フィルム巻取り部、ブリッ
ジ部の少なくとも１箇所にフィルムカセットの種類を識
別するためのツェナーダイオードを設けている。

【００１０】この構成によれば、電源電圧の変動や接点
電極の接触抵抗の変動によってツェナーダイオードのツ
ェナー電圧値が変動しないのでフィルムカセットの識別
を正確に行える。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図１ないし図５は本発明の一実施
形態に係り、図１は内視鏡用フィルムカセットの平面
図、図２は内視鏡用フィルムカセットの正面図、図３は
フィルム情報部の概略構成を示す説明図、図４はフィル
ムカセットを装填したカメラを説明する図、図５はフィ
ルムカセットに設けたフィルム情報部によってフィルム
カセットの種別を識別する回路を説明する図である。

【００１２】図１及び図２に示すように本実施形態の内
視鏡用フィルムカセット（以下フィルムカセットとも略
記する）１０は、フィルム１０ａが巻装されているフィ
ルム供給部１１と、撮影後のフィルム１０ａが巻き取ら
れるフィルム巻き上げ部１２と、このフィルム巻き上げ
部１２と前記フィルム供給部１１とを連結するブリッジ
部１３とを一体に構成したものであり、前記フィルム巻
き上げ部１２には後述するカメラに設けられている巻取
軸（不図示）が係入される巻き上げ係合部１４ａを備え
たスプール１４が回動自在に配設されている。すなわ
ち、前記フィルムカセット１０の係合部１４ａに係入し
たカメラの巻取軸によってフィルム１０ａが一定長巻き
上げられるようになっている。

【００１３】前記巻き上げ部１２の外周面にはフィルム
感度や色温度タイプ、あるいはフィルム枚数等、様々な
フィルム情報を示すフィルム情報部２０が設けられてい
る。

【００１４】図３に示すようにフィルム情報部２０は、
基板２４上に２つの接点電極２１，２２とツェナーダイ
オード２３とを直列に配線して構成されており、この接
点電極２１，２２とツェナーダイオード２３とを配線し
た基板２４がフィルム情報部２０としてフィルムカセッ
ト１０に埋め込まれて設けられている。

【００１５】図４に示すように光学レンズ３１を配置し
た内視鏡用カメラ（以下カメラと略記する）３０には前
記光学レンズ３１の結像位置にフィルム１０ａが配置さ
れるようにフィルムカセット１０が装填されるようにな
っており、前記フィルムカセット１０がカメラ３０の所
定位置に装填されることによって、前記フィルム情報部
２０の接点電極２１，２２と、電圧値を検知してフィル
ムカセット識別装置を構成するアナログデジタル変換器
やコンパレータなどからなる信号レベル検知回路３２と
が電気的に接続されるようになっている。なお、符号３
３はフィルムカセット識別装置を構成する前記信号レベ
ル検知回路３２から伝送された電圧値を基にフィルムカ
セットの種類を識別するフィルムカセット識別回路であ
る。

【００１６】図５に示すようにフィルムカセット１０の
接点電極２２に接続されるカメラ３０の第１電極３４に
対してはグランド３５が直列に接続される一方、前記接
点電極２１に接続される第２電極３６にはリファレンス
抵抗３７を介して電源３８が直列に接続されている。そ
して、前記第２電極３６とリファレンス抵抗３７との間
には信号レベル検知回路３２の入力線３９ａが接続さ
れ、第１電極３４とグランド３５との間には信号レベル
検知回路３２の入力線３９ｂが接続されている。

【００１７】図に示すようにフィルムカセット１０がカ
メラ３０の所定位置に装填されると、フィルムカセット
１０の接点電極２１及びカメラ３０の第２電極３６と、
フィルムカセット１０の接点電極２２とカメラ３０の第
１電極３４とがそれぞれ電気的に接続される。

【００１８】すると、このときの電圧Ｖが信号レベル検
知回路３２で読み取られる。この信号レベル検知回路３
２で読み取った電圧値は、フィルムカセット識別回路３
３に伝送されて、この伝送された電圧値から対応するフ
ィルムカセットの種類をフィルムカセット識別回路３３
で認識してカメラ側の制御機構を制御する。なお、前記
電圧Ｖはツェナーダイオード２３の有するツェナー電圧
によって変化するので、フィルムの種類毎にフィルムカ
セット１０に設けるツェナーダイオード２３のツェナー
電圧を適宜設定して識別を行えるようにしている。

【００１９】具体例として例えば、フィルム感度１００
とフィルム感度２００との２種類のフィルムをそれぞれ
巻装しているフィルムカセットがあった場合、フィルム
感度１００のフィルムが巻装されているフィルムカセッ
トにはツェナー電圧が２．０［Ｖ］のツェナーダイオー
ドを設け、フィルム感度２００のフィルムが巻装されて
いるフィルムカセットにはツェナー電圧が３．０［Ｖ］
のツェナーダイオードを設けておく。このことによっ
て、ツェナー電圧３．０［Ｖ］のツェナーダイオードを
設けたフィルムカセットをカメラに装填したとき、信号
レベル検知回路で検出される電圧Ｖの電圧値からフィル
ムカセットが感度２００のフィルムを巻装しているもの
だということが識別される。なお、何らかの要因でツェ
ナーダイオードに流れる電流値が１００［μＡ］から２
００［μＡ］などに変動した場合でもツェナーダイオー
ドのツェナー電圧は変化しないので、信号レベル検知回
路で検出する電圧Ｖの電圧値に変化が起こらないので、
感度２００のフィルムが巻装されているフィルムカセッ
トであることが検出される。

【００２０】このように、フィルムカセットに巻装する
フィルムの種類によってフィルムカセットにツェナー電
圧の異なるツェナーダイオードを設け、フィルムカセッ
トをカメラに装填した際に、カメラ側の信号レベル検知
回路で電圧Ｖの電圧値を検出することによって、フィル
ムカセットの種類の識別を確実に行うことができる。ま
た、接触抵抗の影響や電源電圧の変動によって回路中に
流れる電流値が変化した場合でもツェナーダイオードの
ツェナー電圧は変化しないので、フィルムカセットの種
類の識別を接触抵抗の影響や電源電圧の変動の影響を受
けることなく確実に行うことができる。

【００２１】なお、フィルム情報部２０を設ける位置は
フィルムカセット１０のフィルム巻き上げ部１２に限定
されるものではなく、図６及び図７に示すように前記接
点電極２１，２２、ツェナーダイオード２３を直列に接
続した基板２４をフィルムカセット１０のブリッジ部１
３から突出しないように埋め込んで配設するようにして
もよい。

【００２２】このように、フィルム情報部をブリッジ部
に埋め込んで設けることによって、フィルムカセットの
形状を変えることなく、フィルム情報部をフィルムカセ
ットに設けることができるので、従来のフィルムカセッ
トのブリッジ部の形状と比較して凸部を生じるなど外形
上の違いがないので、従来のカメラにもフィルム情報部
を設けた内視鏡用フィルムカセットの装填が可能にな
る。

【００２３】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。

【００２４】［付記］以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。

【００２５】（付記） （１）フィルム供給部と、フィルム巻取り部と、前記フ
ィルム供給部と前記フィルム巻取り部とを結ぶブリッジ
部とを有する内視鏡用フィルムカセットにおいて、前記
フィルム供給部、フィルム巻取り部、ブリッジ部の少な
くとも１箇所にフィルムカセットの種類を識別するため
のツェナーダイオードを設けた内視鏡用フィルムカセッ
ト。

【００２６】（２）前記ツェナーダイオードのツェナー
電圧がフィルムカセットに巻装されるフィルム種類によ
って異なる付記１記載の内視鏡用フィルムカセット。

【００２７】（３）前記ツェナーダイオードをフィルム
巻取り部に設けた付記１記載の内視鏡用フィルムカセッ
ト。

【００２８】（４）前記ツェナーダイオードをブリッジ
部に設けた付記１記載の内視鏡用フィルムカセット。

【００２９】（５）フィルム供給部と、フィルム巻取り
部と、前記フィルム供給部と前記フィルム巻取り部とを
結ぶブリッジ部と、フィルムカセットの種類を識別する
ためのツェナーダイオードとを有する内視鏡用フィルム
カセットと、前記フィルムカセットの種類を識別をする
フィルムカセット識別装置を有する内視鏡カメラと、を
具備する内視鏡撮影装置。

【００３０】（６）前記内視鏡カメラの有するフィルム
カセット識別装置は、内視鏡用フィルムカセットに設け
られているツェナーダイオードのツェナー電圧の違いに
よる電圧値の変化を検出してフィルムカセットを識別
し、カメラの制御機構をフィルムカセットに対応させて
自動調整する付記５記載の内視鏡撮影装置。

【００３１】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
気的な接触不良や固定抵抗に流れる電源電圧の変動があ
った場合でも確実にフィルムカセット種類を識別するこ
とを可能にする内視鏡用フィルムカセットを提供するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ないし図５は本発明の一実施形態に係り、
図１は内視鏡用フィルムカセットの平面図

【図２】内視鏡用フィルムカセットの正面図

【図３】フィルム情報部の概略構成を示す説明図

【図４】フィルムカセットを装填したカメラを説明する
図

【図５】フィルムカセットに設けたフィルム情報部によ
ってフィルムカセットの種別を識別する回路を説明する
図

【図６】フィルム情報部を他の位置に設けた内視鏡用フ
ィルムカセットの平面図

【図７】ブリッジ部に設けたフィルム情報部の具体的な
構成例を示す斜視図

【符号の説明】

１０…内視鏡用フィルムカセット １１…フィルム供給部 １２…フィルム巻き上げ部 １３…ブリッジ部 ２０…フィルム情報部 ２３…ツェナーダイオード

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 忠義 東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 織田 朋彦 東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 細谷 良一 東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中村 剛明 東京都渋谷区幡ヶ谷２丁目43番２号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フィルム供給部と、フィルム巻取り部
   と、前記フィルム供給部と前記フィルム巻取り部とを結
   ぶブリッジ部とを有する内視鏡用フィルムカセットにお
   いて、 前記フィルム供給部、フィルム巻取り部、ブリッジ部の
   少なくとも１箇所にフィルムカセットの種類を識別する
   ためのツェナーダイオードを設けたことを特徴とする内
   視鏡用フィルムカセット。