JPH1184150A - 光ファイバグレーティングの製造方法と製造装置 - Google Patents

光ファイバグレーティングの製造方法と製造装置

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JPH1184150A
JPH1184150A JP9247293A JP24729397A JPH1184150A JP H1184150 A JPH1184150 A JP H1184150A JP 9247293 A JP9247293 A JP 9247293A JP 24729397 A JP24729397 A JP 24729397A JP H1184150 A JPH1184150 A JP H1184150A
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fiber
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良三 山内
Akira Wada
朗 和田
Tetsuya Sakai
哲弥 酒井
Nobuyuki Tanaka
信幸 田中
Kensuke Shima
研介 島
Kenji Nishide
研二 西出
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光ファイバのコアに添加されるドーパントが
限定されず、高価な装置を必要とせず、経時的にグレー
ティング特性が安定で、微妙な設計にも対応できる光フ
ァイバグレーティングの製造方法と製造装置を提供す
る。 【解決手段】 光ファイバ11をその長さ方向に張力を
加えた状態で固定し、その長さ方向に間欠的に加熱して
軟化させ、前記張力あるいは圧縮力の作用によって、こ
の加熱部の外径を縮経した縮径部11cを形成すること
により、前記光ファイバ11のコア11aの径がその長
さ方向に周期的に変化してなる光ファイバグレーティン
グを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの長さ
方向に周期的な摂動が形成されてなる光ファイバグレー
ティングとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ファイバグレーティングとは、光ファ
イバの長さ方向に周期的な摂動が形成されてなる光ファ
イバ型デバイスであって、特定モード間の結合を発生さ
せることにより、波長フィルタとして作用するものであ
る。光ファイバグレーティングはその結合モード間の関
係によって、反射型と放射型に分類することができる。
【0003】ここで、光ファイバの光の入射方向を正の
方向、その逆方向を負の方向とする。反射型光ファイバ
グレーティングは、コアを正の方向に伝搬するモード
と、コアを負の方向に伝搬するモードとを結合させるこ
とによって、特定波長の光を反射させる特性が得られる
ようにしたものである。放射型光ファイバグレーティン
グは、コアを伝搬するモードとクラッドを伝搬するモー
ドを結合させることによって、特定波長の光をコア外に
放射して減衰させる特性が得られるようにしたものであ
る。
【0004】ところで、光ファイバグレーティングの周
期的な摂動は、コアの屈折率を変化させたり、コア径を
変化させて導波構造を変化させたりする方法などによっ
て形成することができる。最も一般的な光ファイバグレ
ーティングの製造方法は、フォトリフラクティブ効果
(フォトセンシティブ効果という場合もある)により、
コアの屈折率を変化させる方法である。フォトリフラク
ティブ効果とは、例えばドーパントとしてゲルマニウム
が添加された石英ガラスに、波長240nm付近の紫外
光を照射すると、前記石英ガラスの屈折率の上昇が観測
される現象のことである。
【0005】図15は従来の光ファイバグレーティング
の製造工程を説明する概略構成図である。図中符号11
は光ファイバであり、この光ファイバ11は、その中心
部のコア11aと、このコア11aの外周に設けられた
クラッド11bとからなる。この光ファイバ11は、例
えば光の波長1.55μmにおいて単一モード動作をし
ている光ファイバ(シングルモード光ファイバ)であ
る。
【0006】前記コア11aはドーパントとしてゲルマ
ニウムを含む石英ガラスからなる。ゲルマニウムは通常
酸化ゲルマニウムとして石英ガラスに添加される。前記
クラッド11bは、不純物を無視できる程度に実質的に
純粋な石英ガラス(以下純石英ガラスという)からな
る。以下、純石英ガラス、あるいはドーパントが添加さ
れた石英ガラスを主成分とするものを石英系ガラスとい
うことがある。符号12は位相マスクであり、この位相
マスク12には、所定の周期で複数の格子12aが形成
されている。
【0007】グレーティング部13を形成するには、光
ファイバ11の側面に、位相マスク12を介して、紫外
光レーザ発生装置(図示せず)から波長240nmの紫
外光を照射する。前記紫外光レーザ発生装置としては、
KrFエキシマレーザなどが用いられる。すると前記紫
外光の照射により、位相マスク12の格子12aによっ
て+1次回折光と−1次回折光とが回折して干渉縞が生
じ、この干渉縞が生じた部分のコア11aの屈折率が変
化し、結果としてコア11aとクラッド11bとの間の
比屈折率差が変化する。このようにして、光ファイバ1
1の長さ方向にそって、コア11aの屈折率の周期的な
変化(比屈折率差の周期的な変化)が形成されたグレー
ティング部13が得られる。
【0008】このとき、放射型あるいは反射型の特性を
決定するのは、コア11aの屈折率の変化の周期を表す
グレーティング周期である。このグレーティング周期が
短周期の場合は反射型として動作し、長周期の場合には
放射型として動作する。このため、反射型光ファイバグ
レーティングのことを短周期光ファイバグレーティン
グ、放射型光ファイバグレーティングのことを長周期光
ファイバグレーティングとよぶ場合がある。
【0009】いま、ひとつのモードの伝搬定数をβ1、
これと結合させる相手のモードの伝搬定数をβ2とする
と、これらのモード間で光ファイバグレーティングを介
して結合を生じるための条件は、以下の式(1) β1−β2=2π/Λ …式(1) で表される。この式(1)においてΛはグレーティング
周期である。
【0010】ここで、伝搬定数β1、β2は光の入射方
向を正値に、逆方向を負値にとることとする。例えば反
射型光ファイバグレーティングの場合、β1を入射波、
β2を反射波とすると、β1の絶対値とβ2の絶対値は
等しいので、前記式(1)は以下の式(2) 2β1=2π/Λ …式(2) のようになり、さらにグレーティング周期Λは、以下の
式(3) Λ=π/β1 …式(3) で表される。
【0011】β1の数値は、例えば約2πrad/μm程
度のオーダなので、グレーティング周期Λは非常に小さ
い値をとる必要がある。具体的には、コア径約10μ
m、コア−クラッド間の比屈折率差が約0.35%の波
長1.55μm伝送用石英ガラス系光ファイバに、波長
244nmのKrFエキシマレーザを用いてグレーティ
ング部13を形成する場合、このグレーティング部13
のグレーティング周期Λを約0.5μmとすると、ある
特定モードの入射波をほぼ100%反射光として反射す
る光ファイバグレーティングを構成することができる。
【0012】図16(a)は、このような反射型光ファ
イバグレーティングの動作を示す説明図である。図16
(b)と図16(c)は、それぞれ反射型光ファイバグ
レーティングの波長−阻止率特性と、波長−透過損失特
性を示すグラフである。すなわち、光ファイバ11に入
射する入射光のうち特定モードの特定波長域の光がグレ
ーティング部13にて反射されて反射光となる。そし
て、図16(b)、図16(c)に示すように、この反
射光となった特定波長帯域が損失した出射光が得られ
る。図16(b)、図16(c)に示すように反射型光
ファイバグレーティングにおいては、比較的急峻な損失
ピークが得られる特徴がある。
【0013】これに対し、放射型光ファイバグレーティ
ングは、反射型光ファイバグレーティングと比較して、
グレーティング周期Λが長いものである。グレーティン
グ周期Λが長いということは、前記式(1)において、
結合に関与するモードβ1、β2間の伝搬定数差が極め
て小さくいことを示す。この結果、同じ方向に伝搬する
ふたつのモード間の結合を発生させることができる。放
射型のグレーティング周期は一般に数十〜数百μmとさ
れる。
【0014】図17(a)は、放射型光ファイバグレー
ティングの動作を示す説明図である。光ファイバ11に
入射する入射光のうち特定モードが、グレーティング部
13にてクラッド11bを伝搬するモード(クラッドモ
ード)と結合して速やかに減衰する。この結果、前記ク
ラッドモードに結合した波長帯域の光が損失した出射光
が得られる。
【0015】例えばコア径約10μm、コア−クラッド
間の比屈折率差が約0.35%の波長1.55μm伝送
用石英ガラス系光ファイバに、波長244nmのKrF
エキシマレーザを用いてグレーティング周期400μ
m、グレーティング長約20mmのグレーティング部1
3を形成すると、図17(b)に示すグラフのような、
放射型光ファイバグレーティングの波長−透過損失特性
が得られる。このように、放射型光ファイバグレーティ
ングにおいては、比較的なだらかな損失ピークが得られ
る特徴がある。
【0016】光ファイバグレーティングは、光ファイバ
通信システムにおいて、光源、光検出器、光増幅器、光
ファイバなどの光デバイスが有する波長依存性を平坦化
するのに用いることができる。つまり、これらの光デバ
イスを通過した光の利得−波長特性が波長依存性を有す
る場合、特に利得が大きい波長の光を光ファイバグレー
ティングを用いて損失させることによって平坦化し、前
記波長依存性を小さくすることができる。
【0017】例えばこのような利得−波長特性の平坦化
は、光増幅器を有する光ファイバ通信システムにおい
て、波長多重伝送を行う場合に有効である。図18
(a)は、光ファイバグレーティングを利用した光ファ
イバ通信システムの一例を示す概略構成図であって、図
中符号14は光増幅器、符号15は光ファイバグレーテ
ィングである。図18(b)は利得−波長特性の一例を
示すグラフである。
【0018】現在光増幅器14としては、特性が優れた
エルビウム添加光ファイバ増幅器がよく用いられる。図
18(b)にはエルビウム添加光ファイバ増幅器の利得
−波長特性の一例が曲線Aにて示されており、波長15
35nm、1558nm付近に利得のピークが存在して
いることがわかる。このように波長依存性を有する特性
は、波長多重伝送のように複数波長の光を同時に伝送す
る場合には、伝送波長によて利得のばらつきを生じるた
め、好ましくない。
【0019】このため、例えば波長1558nm付近に
実質的損失を有する光ファイバグレーティング15を組
み合わせれば、図18(b)に示す曲線Bのように、1
0nm以上の波長幅にわたって利得を平坦化した波長平
坦化領域Cが得られ、非常に波長平坦度の高い光増幅器
からなる光通信システムを構成することが出来る。
【0020】ところで、上述のようにフォトリフラクテ
ィブ効果によって光ファイバグレーティングを製造する
においては、以下の問題点がある。すなわち光ファイバ
のドーパントが限定される。また光源の波長が限定され
るため、光源の種類が限られる。現実的には光ファイバ
は、ゲルマニウムを添加した石英ガラスからなるコアを
有するものに限られるため、設計条件が限定される。ま
た、ゲルマニウムを添加した石英ガラスにフォトリフラ
クティブ効果を生じさせることができる波長は240n
m付近である。このような紫外光を照射することができ
るレーザ発生装置としては、KrFエキシマレーザや、
480nm帯のアルゴンレーザの2倍高調波などがある
が、いずれも高価であり製造コストの上昇の一因とな
る。さらに、フォトリフラクティブ効果による光ファイ
バの屈折率変化は、石英ガラス、特にゲルマニウムサイ
トに生じた構造欠陥に基づくものであり安定性が十分で
はない。具体的には、ゲルマニウムを添加した石英ガラ
スに生じさせた屈折率変化は、200℃以上の高温環境
下においては、数時間で顕著な変化を示す。また、30
0℃をこえる温度では、屈折率変化がかなり減少するこ
とが知られており、これを考慮したデバイス設計が必要
となる。
【0021】一方、放射型光ファイバグレーティングと
しては、フォトリフラクティブ効果を利用して製造する
ものの他に、例えば以下のような構成のものが提案され
ている。
【0022】図19は第1の例を示す概略構成図であ
る。光ファイバ11は、その長さ方向の一部が第1ブロ
ック16と第2ブロック17にて挟まれている。前記第
1ブロック16と第2ブロック17とのそれぞれの対峙
面16a、17aには、これらに挟まれる光ファイバ1
1の長さ方向にそって、周期的な凹凸が形成されてい
る。これらの凹凸によって、光ファイバ11には、その
側面からその長さ方向に対して直交方向の応力が加えら
れている。この結果光ファイバ11は蛇行した波状とな
り、この部分がグレーティング部13Aとなっている。
【0023】このグレーティング部13Aにおいては、
周期的なマイクロベンド(小さな曲がり)によって、電
磁界分布と屈折率分布が変化している。そしてこの作用
によって、コアを伝搬する特定のモードを放射モード
(クラッドモード)に結合させる放射型光ファイバグレ
ーティングとして動作するようになっている。しかしな
がら、このように機械的な応力を加える方法では安定性
に欠け、実用伝送に用いることは難しい。
【0024】また、図20(a)〜(c)はフォトリフ
ラクティブ効果を利用しない第2の例の放射型光ファイ
バグレーティングの製造方法を手順を追って示す説明図
である。この第2の例は特開平7−333453号公報
に開示された技術である。
【0025】まず、図20(a)に示すようにコア18
aとクラッド18bとを備えた光ファイバ18を用意す
る。ついで、図20(b)に示すように、この光ファイ
バ18の表面に、切り欠き部18cを長さ方向に所定間
隔で、複数形成する。この切り欠き部18cにおいて
は、クラッド18bの外径が小さくなっている。また、
図中一点鎖線で示されるファイバ軸は、直線状となって
いる。
【0026】この光ファイバ18全体を加熱して軟化さ
せると、ガラスの表面張力の効果により、光ファイバ1
8の表面がなめらかになる。このとき前記ファイバ軸は
ほぼ正弦状に蛇行した状態となり、光ファイバグレーテ
ィング19を形成することができる。
【0027】しかしながらこの方法においては、切り欠
き部18cを形成した光ファイバ18を加熱する際に、
光ファイバ18が軟化し、これが再び固化すると、軸心
方向に収縮が生じる。この場合、光ファイバ18全体を
加熱するため、この加熱による膨張、収縮に関しては細
かいコントロールが難く、微妙な設計を必要とする光フ
ァイバグレーティングには不適である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】まず、本発明において
は、フォトリフラクティブ効果を利用せずに、導波構造
に変化を形成してなる放射型の光ファイバグレーティン
グの製造方法と製造装置を提供することを目的とする。
そして、光ファイバのコアに添加されるドーパントが限
定されず、高価な装置を必要としない光ファイバグレー
ティングの製造方法と製造装置を提供することを課題と
する。さらには経時的にグレーティング特性が安定で、
微妙な設計にも対応できる光ファイバグレーティングの
製造方法と製造装置を提供することを課題とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては以下のような解決手段を提案す
る。第1の発明は、光ファイバの長さ方向に張力あるい
は圧縮力を加えた状態で、この光ファイバをその長さ方
向に間欠的に加熱して軟化させ、前記張力あるいは圧縮
力の作用によって、この加熱部の外径を縮経あるいは拡
径させることにより、前記光ファイバのコア径がその長
さ方向に周期的に変化してなる光ファイバグレーティン
グを製造することを特徴とする光ファイバグレーティン
グの製造方法である。第2の発明は、光ファイバの長さ
方向に所定の周期で間欠的に加熱し、この光ファイバの
コアあるいはクラッドに添加されたドーパントを拡散さ
せてこの光ファイバのコア径を変化させることにより、
前記光ファイバのコア径がその長さ方向に周期的に変化
してなる光ファイバグレーティングを製造することを特
徴とする光ファイバグレーティングの製造方法である。
第3の発明は、光ファイバの長さ方向に張力あるいは圧
縮力を加えた状態で、この光ファイバを固定する固定手
段と、この光ファイバをその長さ方向に間欠的に加熱す
る加熱手段を備えていることを特徴とする光ファイバグ
レーティングの製造装置である。第4の発明は、光ファ
イバの長さ方向に所定の周期で間欠的に加熱してこの光
ファイバのコアあるいはクラッドに添加されたドーパン
トを拡散させる加熱手段を有することを特徴とする光フ
ァイバグレーティングの製造装置である。第1の発明に
おいては、光ファイバの長さ方向に初期張力あるいは初
期圧縮力を加えた状態で、この光ファイバの所定位置を
加熱して軟化させ、前記初期張力あるいは初期圧縮力の
作用によって、この加熱部の外径を、縮経あるいは拡径
させるとともに、この軟化にともなって減少する前記初
期張力あるいは初期応力をモニターし、前記初期張力あ
るいは初期圧縮力がゼロになった時点で加熱を終了する
操作を前記光ファイバの長さ方向に所定の周期で間欠的
に繰り返すことにより、この光ファイバのコア径がその
長さ方向に周期的に変化してなる光ファイバグレーティ
ングを製造することをもできる。第3の発明において、
光ファイバに加えられている張力あるいは圧縮力をモニ
ターする応力モニターを備えていると好ましい。本発明
において、光ファイバグレーティングを構成する光ファ
イバは、中心のコアと、このコアの外周に設けられ、こ
のコアよりも低屈折率のクラッドからなり、前記コアと
クラッドは、純石英ガラスあるいは、ドーパントが添加
された石英ガラスからなるからなる石英ガラス系光ファ
イバが好ましい。また、前記第1または第3の発明にお
いては、光ファイバを加熱する加熱手段として、炭酸ガ
スレーザ、YAG(ヤグ:イットリウムアルミニウムガ
ーネット)レーザなどの比較的を安価なものを用いるこ
とができる。さらに第1ないし第4の発明においては、
アーク放電を利用した加熱手段を用いることができる。
アーク放電による放電加工は、安定で加工精度が高く、
設備費、運転費が安価で、設置スペースが小さいという
利点を有している。このとき、光ファイバを挟んで一対
の電極を対峙するように配置し、これらの電極間にアー
ク放電をおこさせることによって、前記光ファイバを局
所的に加熱する。また、光ファイバを挟んで一対の電極
が対峙するように配置され、これらの電極間にアーク放
電をおこさせることによって、前記光ファイバを局所的
に加熱する加熱手段を有する光ファイバグレーティング
の製造装置を用いる。また、前記一対の電極のそれぞれ
の先端を結ぶ直線が、光ファイバを横切らないように配
置することにより、アーク放電通路が確保され、安定な
アークが得られる。これら電極間の距離は、好ましくは
光ファイバの外径の5倍以下とすると、安定な加熱加工
を行うことができるが、グレーティング周期によって適
宜変更するのが好ましい。本発明の光ファイバグレーテ
ィングのグレーティング周期は、50〜2000μmと
される。本発明の光ファイバグレーティングは、その周
期が正確に一定であってもよいし、周期が長さ方向で変
化するチャープトグレーティングであってもよい。ま
た、本発明にて製造される光ファイバグレーティング
は、光ファイバ通信システムにおいて、光源、光検出
器、光増幅器、光ファイバなどの光デバイスが有する波
長依存性を平坦化するのに用いることができる。このよ
うな光通信システムは、例えば光源と、これに接続され
た光ファイバ伝送路と、この光ファイバ伝送路中に挿入
された光増幅器と、前記光ファイバ伝送路からの出射光
を検出する光検出器とからなる基本構成とされる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の光ファイバグレー
ティングの製造方法について4つの実施形態例を示し、
製造条件の検討とともに製造手順をおって詳細に説明す
る。第1ないし第2の実施形態例は、加熱手段として炭
酸ガスレーザを用いる例を示すものである。これらを具
体的な製造例とともに説明する。 [第1の実施形態例]図1は第1の実施形態例の光ファ
イバグレーティングの製造装置を示す概略構成図であっ
て、符号11は光ファイバである。
【0031】この光ファイバ11は、第1ファイバクラ
ンプ2aと第2ファイバクランプ2bによって、間隔を
おいて2箇所で固定されるようになっている。この第1
ファイバクランプ2a,第2ファイバクランプ2b間の
距離は、通常光ファイバ11が不要な座屈をおこさない
ように、数mmから数十mm程度が適当である。
【0032】前記第1ファイバクランプ2aは、それ自
体が固定されて移動しないようになっている。一方第2
ファイバクランプ2bは、摺動装置2cに取り付けられ
ている。この摺動装置2cは、例えばバネなどの弾性体
などによって、図中Xで示す第1ファイバクランプ2a
から第2ファイバクランプ2bにむかう方向に、第2フ
ァイバクランプ2bを付勢しており、常に第1ファイバ
クランプ2aと第2ファイバクランプ2bとの間に位置
する光ファイバ11に、前記方向にほぼ一定の張力がか
かるようになっている。
【0033】以下具体的に本実施形態例の光ファイバグ
レーティングの製造操作を説明する。これらの操作は通
常、光ファイバ11の片端に光源を接続してモニター光
を入射し、他端には光検出装置などを接続して光ファイ
バ11を通過した前記モニター光を検出することによ
り、その挿入損失特性をモニターしながら行う。前記光
源としてはハロゲンランプなどの白色光源、SLD(Su
per Luminescent Diode)のような波長幅数十nmを有
する光半導体光源、あるいはエルビウム添加光ファイバ
増幅器などの光ファイバ増幅器の発するASE(Amplif
ied Spontaneous Emmission:増幅された自然発光)な
どを利用することができる。前記光検出装置としては、
モノクロメータ(分光計)を介して光検出器で前記モニ
ター光を受光して、そのレベルを波長特性として評価す
る装置構成とすることができる。あるいは、光スペクト
ルアナライザを用いることもできる。このモニター光の
検出結果と得られた光ファイバグレーティングの特性と
の関係のいくつかのサンプルを基に、つぎの製造におい
て製造条件を調整し、目的の光ファイバグレーティング
を得られるようにすることができる。また実際の製造中
に、前記モニター光の検出結果を基に製造条件を調整す
ることもできる。このとき、モニター光の検出によって
得られる具体的な評価項目は、透過スペクトルにおける
損失ピークの中心波長(最も損失が大きくなる波長。ピ
ーク波長ともいう。)、損失ピークの大きさ(阻止
率)、損失ピークの形状などである。この損失ピークの
形状においては、主に阻止帯域幅(ここでは阻止率の半
値を与える波長帯域幅とする。半値幅という場合もあ
る。)を評価する。さらには損失ピークが滑らかである
か、有害なリップルがないかどうかなどを評価する。製
造条件を調整する場合、例えばピーク波長が短い(長
い)場合には、グレーティング周期を短く(長く)す
る。阻止率は、グレーティング長や、コア11aの径の
変化量(ひとつの摂動の深さ)などを変化させることに
よって対応する。阻止帯域幅(半値幅)が広い(狭い)
場合にはグレーティング長を長く(短く)して対応する
ことができる。
【0034】光ファイバ11としてはシングルモード光
ファイバ、マルチモード光ファイバなどが用いられる
が、通常はシングルモード光ファイバが好適である。こ
の製造例で用いた光ファイバ11はシングルモード光フ
ァイバである。その光学的パラメータを表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】この製造例においては、まず図1に示すよ
うにして第1ファイバクランプ2aと第2ファイバクラ
ンプ2bにて光ファイバ11に、第1ファイバクランプ
2aから第2ファイバクランプ2bにむかう方向に所定
の張力がかかるようにして固定した。この製造例におい
て第1ファイバクランプ2a,第2ファイバクランプ2
b間の距離は10mmとするのが好適であった。前記張
力は、例えば本製造例に用いた装置は10〜500gの
範囲で自由に設定することができるものであったが、こ
の製造例においては30〜100gの範囲とするのが好
適であった。
【0037】この張力の設定値は装置などによっても変
化するので、上述の範囲に限定することはなく、装置や
製造条件などによって適宜変更可能である。そして、こ
れら第1ファイバクランプ2aと第2ファイバクランプ
2bとの間に位置する光ファイバ11の第1の加熱箇所
(図中a点と示す)に、炭酸ガスレーザから発生させた
レーザビームを、レンズを介してそのレーザビーム経を
約100μmに絞って図中略Y方向に照射した。この
際、前記レーザビームは、光ファイバ11の長さ方向に
対して直交方向(図中Z方向)に、この光ファイバ11
を横切るようにして掃引(scan)させた。この掃引
回数(光ファイバ11を横切る回数)は、必要に応じて
1回あるいは複数回とした。レーザビームを掃引する方
法は、レーザビームをミラーによって掃引する方法など
を採用することができる。前記ミラーとしては、良く研
磨された金属シリコン面などが利用される。この他前記
レンズの軸を機械的にオフセットさせるによってレーザ
ビームを掃引させる方法を例示することもできる。例え
ば炭酸ガスレーザ用としては、金属ゲルマニウムからな
るレンズがよく用いられる。この他レーザビームの照射
位置は固定し、光ファイバ11を、これを固定する第1
ファイバクランプ2a,第2ファイバクランプ2bとと
もに、前記光ファイバ11の長さ方向に対して直交方向
に移動させることによって掃引する方法を用いることも
できる。この製造例においては、レーザビームをミラー
によって掃引する方法を採用した。
【0038】前記レーザビームを掃引させて照射するの
は、炭酸ガスレーザからのレーザビームを約100μm
に絞り込んで光ファイバ11に照射すると、加熱温度が
高くなりすぎて光ファイバ11が軟化しすぎてしまうか
らである。レーザビームを掃引させれば、光ファイバ1
1の単位面積あたりのレーザビームの照射時間を短くす
ることができる。また掃引速度を変更する、あるいは前
記掃引回数を変更することによって加熱温度を調整する
ことができる。この光ファイバ11の加熱温度は通常1
400〜1800℃と推定される。実際にはこのように
微小な加熱スポットの温度を測定することは難しいの
で、前記加熱温度の範囲は、種々の石英系ガラスの粘度
の温度依存性の測定結果から推定される値である。例え
ば実際の製造条件を決定するにおいては、光ファイバ1
1の加熱温度ではなく、光ファイバ11の光学特性をモ
ニターしつつ、望ましい光学的な変化が出現するまでレ
ーザパワーを徐々に増大させていくことによって、条件
を決定することになる。この製造例において炭酸ガスレ
ーザからの直接のレーザパワーは5Wであったが、実際
に光ファイバ11に照射すべきレーザパワーは、100
mw程度と推定される。
【0039】このように炭酸ガスレーザからのレーザパ
ワーを調整する他の方法としては、炭酸ガスレーザをパ
ルス動作として、レーザビームをパルス周期として用い
る。あるいは、炭酸ガスレーザと光ファイバ11との間
に可変減衰器を設置して、所望の強度に調整するなど方
法が考えられる。
【0040】このような条件でa点を加熱して、この部
分の光ファイバ11を軟化させると、この光ファイバ1
1には第1ファイバクランプ2aから第2ファイバクラ
ンプ2bにむかって、軸心方向に張力が付与されている
ので、この方向に光ファイバ11が延伸される。すると
図2に示すように、前記a点を中心として縮径されてな
る縮径部11cが形成される。このとき、光ファイバ1
1の外径の変化に伴ってコア11aの径も小さくなるた
め、光ファイバ11の長さ方向において、コア11aの
径の変化が形成される。この操作は光ファイバ11の延
伸長をモニターしながら行い、所定の延伸長が得られた
ところで、レーザビームの掃引(光ファイバ11の加
熱)を終了する。この延伸長のモニター方法としては、
第1ファイバクランプ2a,第2ファイバクランプ2b
をリニアースケールとよばれる位置検出器上に配置し、
第2ファイバクランプ2bの移動量を求める方法などを
用いることができる。
【0041】この製造例においては、延伸長を約30m
mに設定した。このようにして形成された縮径部11c
においては、加熱前のもとの光ファイバ11の外径に対
し、最も細いところで約15%減少した。ついで、レー
ザビームの照射位置を光ファイバ11の長さ方向にそっ
て第2の加熱箇所(図中b点と記す)に移動させ、同様
にして加熱すると、図3に示すように、b点を中心とし
て縮経した縮径部11cが形成される。この光ファイバ
11の長さ方向にそってレーザビームの照射位置を移動
させる方法としては、パルスモータ制御の電動ステージ
上に炭酸ガスレーザ(レーザ発生装置)を設置し、この
電動ステージを移動させる方法、あるいは前記炭酸ガス
レーザを固定した状態で、電動ステージ上に設置した第
1ファイバクランプ2aと第2ファイバクランプ2bと
ともにこれに固定されている光ファイバ11を移動させ
る方法などを採用することができる。
【0042】この製造例においては、これら隣接する縮
径部11c,11cの中心間の長さ(a点とb点との間
の長さ:グレーティング周期)は約400μmに調整し
た。この隣接する縮径部11c,11cの中心間の長さ
は、縮径部11cの形成過程において、延伸長の変化に
伴って変化する。したがってこの点に注意して、最終的
に所望の長さ(グレーティング周期)が得られるように
製造条件を設定すると好ましい。
【0043】この加熱操作を繰り返し、図4に示すよう
なグレーティング部13Bを形成する。この製造例にお
いてグレーティング部13Bの一方の端部の縮径部11
cの中心からもう一方の端部の縮径部11cの中心まで
の長さ(グレーティング長)は約15mmであった。
【0044】図5はこの製造例で得られた光ファイバグ
レーティングの波長−透過損失特性を示すグラフであ
る。この光ファイバグレーティングにおいては、設計時
に予想した光学特性とほぼ一致する特性が得られた。こ
の製造例においては、中心波長1557nm、阻止帯域
幅(半値幅)約15nm、阻止率約4.0dBのものを
得ることができた。
【0045】前記グレーティング周期は、例えば50〜
2000μmの範囲とされる。この範囲であれば再現性
よく製造することが可能である。またグレーティング周
期は、その周期が正確に一定であってもよいし、グレー
ティング周期が長さ方向に変化するチャープトグレーテ
ィングであってもよい。おおよそ一定である場合には、
この周期のばらつきが±15%程度であれば許容され
る。またグレーティング長は、例えば約8〜30mmの
範囲とされる。本実施形態例の光ファイバグレーティン
グの光学特性は、このようなパラメータを調整すること
によって適宜変更可能である。
【0046】この第1の実施形態例においては、光ファ
イバ11の長さ方向に周期的にコア11aの径の変化を
形成したものなので、光学特性の経時的な変化が少な
く、安定した光ファイバグレーティングが得られる。ま
た、光ファイバ11に添加するドーパントが限定される
ことがない。また、光ファイバ11を加熱する手段とし
ては、炭酸ガスレーザの他、YAG(ヤグ:イットリウ
ムアルミニウムガーネット)レーザなどの比較的を安価
なものを用いることができる。従来、フォトリフラクテ
ィブ効果を利用した製造方法において、紫外線レーザビ
ーム照射に用いられているエキシマレーザなども、単な
る加熱源として使用可能である。
【0047】また光ファイバ11全体を加熱するわけで
はないので、縮径部11cにおける膨張、収縮を考慮し
て設計し、延伸長をモニターしながら加熱時間を調整す
れば、良好な再現性で、複数の縮径部11cを形成して
グレーティング部13Bを構成することができる。した
がって、細かい設計条件を設定し、実現することが可能
である。
【0048】この第1の実施形態例においては、第1フ
ァイバクランプ2aから第2ファイバクランプ2bにむ
かって張力が働くようにしたが、逆にこれらの間に挟ま
れた光ファイバ11の軸心方向に圧縮力がかかるように
してもよい。この場合、摺動装置2cに設けられたバネ
などの弾性体などによって、第2ファイバクランプ2b
から第1ファイバクランプ2aにむかって、第2ファイ
バクランプ2bを付勢する。この状態で光ファイバ11
の所定位置を加熱、軟化させると、前記圧縮力の作用に
よって、光ファイバ11をこの加熱位置において拡径さ
せることができる。
【0049】このときこの光ファイバ11の外径が増加
した部分においては、これに伴ってコア11aの径が拡
大している。このようにて、コア11aの径が拡大され
た部分を、その長さ方向に周期的に形成すれば、導波構
造がその長さ方向に周期的に変化したグレーティング部
を構成することができる。この場合は、光ファイバ11
の加熱時に前記圧縮力の作用によって光ファイバ11が
縮んだ長さをモニターし、光ファイバ11の加熱時間を
調整することができる。
【0050】[第2の実施形態例]第1の実施形態例
は、光ファイバを加熱するにおいて、連続的にほぼ一定
の張力が光ファイバに加えられた状態であるため、縮径
部を形成する際の加熱時間は、延伸長をモニターするこ
とによって調整するものである。これに対して光ファイ
バに加えられる張力をモニターして、加熱時間を制御で
きるようにしたのが第2の実施形態例である。
【0051】図6は第2の実施形態例の光ファイバグレ
ーティングの製造装置を示す斜視図である。この製造装
置は、略長方形板状の本体21と、この本体21の上面
に設けられた光ファイバ11を固定する第1ファイバク
ランプ22aおよび第2ファイバクランプ22bと、こ
の第2ファイバクランプ22bに近接して設けられた光
ファイバ11の張力をモニターする応力モニター22c
と、第2ファイバクランプ22bの位置を制御するモー
タ(駆動装置)22dから概略構成されている。
【0052】前記第1ファイバクランプ22aは本体2
1に固定されて、移動しないようになっている。一方、
第2ファイバクランプ22bは、本体21の上面に設け
られた凹部21a内に設置され、モータ22dの作用に
よって第1ファイバクランプ22aから遠ざかる(ある
いは近づく)方向(図中X方向で示す)に凹部21a内
を摺動し、その位置を変更し、固定することができるよ
うになっている。このモータ22dは、モータコントロ
ーラ22eによって制御されており、かつ連動するギア
22fによって、ガードレール22g,22gにそって
第2ファイバクランプ22bを摺動させることができる
ようになっている。前記応力モニター22cは、前記第
1ファイバクランプ22aと第2ファイバクランプ22
bとの間に固定された光ファイバ11の張力をモニター
するものである。
【0053】また、通常光ファイバグレーティングの製
造操作は、この装置に固定された光ファイバ11の片端
に光源24aを接続してモニター光を入射し、他端には
光検出装置24bを接続して光ファイバ11を通過した
モニター光を検出することにより、その特性をモニター
しながら行う。
【0054】本実施形態例の操作を、製造例とともに以
下に説明する。まず予め決めた張力(以下、初期張力と
よぶ。)を光ファイバ11にかけた状態で、この光ファ
イバ11を第1ファイバクランプ22aおよび第2ファ
イバクランプ22bの2箇所で固定する。この第2ファ
イバクランプ2bは、この位置決め後はひとつの縮径部
11cを形成するまで移動しないように固定する。前記
初期張力は通常20〜200gとされ、設計条件、加熱
条件などによって適宜設定される。この製造例において
は80gとした。また、はじめの第1ファイバクランプ
22aおよび第2ファイバクランプ22b間の距離は1
0mmとした。
【0055】このような状態で、応力モニター22cに
て張力をモニターしながら、レーザビーム23を図中略
Y方向に照射し、光ファイバ11の加熱箇所(a点)に
この光ファイバ11を横切るように、図中Z方向に掃引
させて加熱すれば、前記初期張力の作用によって図中X
方向に光ファイバ11が延伸され、縮径部11cが形成
される。この製造例においては、レーザビーム23を発
生するレーザ発生装置は第1の実施形態例の製造例と同
様の炭酸ガスレーザを用い、このレーザビーム23に関
する条件は第1の実施形態例の製造例と同様とした。そ
して応力モニター22cにてモニターされている初期張
力は、第1ファイバクランプ22aと第2ファイバクラ
ンプ22bが固定されているため、光ファイバ11の延
伸とともに減少する。例えば図7に示すように、加熱時
間とともに前記初期張力が減少し、最終的には光ファイ
バ11に加えられている張力はゼロになる。そして、こ
の張力がゼロになった時点で加熱を終了する。
【0056】ついで、前記第2ファイバクランプ22b
を第1ファイバクランプ22aから遠ざかる方向に移動
させて、光ファイバ11に再び前記初期張力がかかるよ
うにして固定する。そしてレーザビーム23による加熱
箇所を移動させて光ファイバ11を加熱すると、初期張
力は徐々に減少してゼロになり、ふたつめの縮径部11
cが形成される。応力モニター22cにおいてこの張力
がゼロになった時点で加熱を終了する。この操作を所定
周期で繰り返すことにより、グレーティング部を形成す
ることができる。
【0057】このようにこの第2の実施形態例において
は、応力モニター22cにて張力をモニターすることに
よって加熱時間を調整することができる。このため、延
伸長をモニターするよりも制御が容易で、再現性がよ
い。したがって、さらに製品歩留まりがよく、細かい設
計条件にも対応することができる。
【0058】この第2の実施形態例においては、第1フ
ァイバクランプ22aから第2ファイバクランプ22b
にむかって初期張力が働くようにしたが、逆にこれらの
間に挟まれた光ファイバ11に所定の初期圧縮力がかか
るようにしてもよい。つまり、第2ファイバクランプ2
2bから第1ファイバクランプ22aにむかって、光フ
ァイバ11に前記初期圧縮力がかかるような状態で第2
ファイバクランプ22bを固定する。ついで、光ファイ
バ11にかかる圧縮力をモニターしながら光ファイバ1
1の所定位置を加熱、軟化させ、光ファイバ11をこの
加熱位置において拡径させる。そして前記圧縮力がゼロ
になった時点で加熱を終了する。
【0059】このときこの光ファイバ11の外径が増加
した部分においては、これに伴ってコアの径が拡大して
いる。このようにコアが拡径され部分をその長さ方向に
周期的に形成すれば、導波構造がその長さ方向に周期的
に変化したグレーティング部を構成することができる。
【0060】この第2の実施形態例の製造例において得
られた光ファイバグレーティングは、図17(b)に示
すのと同様に、特定波長帯における光の透過損失が選択
的に大きくなっている波長−透過損失特性が得られた。
この製造例においては、中心波長1560nm、阻止帯
域幅(半値幅)約15nm、阻止率約2.5dBのもの
を得ることができた。この第2の実施形態例において、
製造中にモニターする光ファイバグレーティングの光学
特性、レーザビームの掃引方法、光ファイバの長さ方向
にレーザビームの照射位置を移動させる方法、光ファイ
バの加熱温度などは、第1の実施形態例で説明したもの
を適用することができる。
【0061】ところで、例えばエルビウム添加光ファイ
バ増幅器の利得−波長特性の平坦化に用いられる光ファ
イバグレーティングとして一般的に求められる特性は、
損失ピークの中心波長が1555〜1560nm付近に
ひとつ存在しており、阻止帯域幅(半値幅)が15〜2
5nm、阻止率が1〜5dB程度である。したがって、
上述の第1ないし第2の実施形態例の製造例で得られた
光ファイバグレーティングはこれらの特性を満足してい
た。これらの光ファイバグレーティングを、図18
(a)に示すように、光増幅器14と組み合わせ、この
光増幅器14の利得の波長依存性を平坦化するのに用い
たところ、図18(b)に示すグラフと同様に波長平坦
化領域Cを形成することができた。したがってこれらの
光ファイバグレーティングは、光通信システムにおい
て、光源、光検出器、光増幅器、光ファイバなどの光デ
バイスが有する波長依存性を平坦化するのに有効な特性
を有する光ファイバ型デバイスであることが確認でき
た。
【0062】第3ないし第4の実施形態例は、加熱手段
としてアーク放電を利用したものである。[第3の実施
形態例]図8は本発明の光ファイバグレーティングの製
造装置の第3の実施形態例を示す概略図である。図1〜
図4に示す第1の実施形態例に係るものと同様の構成に
関しては、同符号を付与して、説明を簡略化する。
【0063】第3の実施形態例の特徴は、加熱手段とし
て一対の電極3a,3bが用いられている点である。こ
の一対の電極3a,3bは光ファイバ11を挟んで対峙
して配置されており、これら電極3a,3b間にアーク
放電を発生させて、光ファイバ11を局所的に加熱する
ことができるようになっている。アーク放電による放電
加工は、安定で加工精度が高く、設備費、運転費が安価
で、設置スペースが小さいという利点を有している。特
に安定で加工精度が良好なので、光ファイバグレーティ
ングの微妙な設計条件に対応することができる。精度の
良好なグレーティング周期で加工することができれば、
放射型光ファイバグレーティングの光学特性のコントロ
ールが容易で、再現性が良好となり、製品歩留まりが向
上する。
【0064】図9は、これら電極3a,3bの位置関係
を示す説明図である。電極3a,3bのそれぞれの先端
を結ぶ直線が、光ファイバ11を横切らないようにこれ
ら電極3a,3bを配置することにより、アーク放電通
路が確保され、安定なアークが得られる。具体例として
は、電極3a,3bとしてダングステン電極を用いる。
そして、これら電極3a,3b間にアーク放電をおこさ
せて光ファイバ11を局所的に加熱するにおいては、1
00kHz前後の交流波(高周波)を印加する。また、
これら電極3a,3b間の距離は、例えばここで用いた
装置においては約200〜2000μmの範囲で設定で
きるが、より好ましくは光ファイバ11の外径の5倍以
下とすると、安定な加熱加工を行うことができる。
【0065】以下、光ファイバグレーティングの製造操
作の一例を説明する。これらの操作は通常、第1ないし
第2の実施形態例と同様に光ファイバ11の片端に光源
を接続してモニター光を入射し、他端には光検出装置を
接続して光ファイバ11を通過した前記モニター光を検
出することにより、その特性をモニターしながら行う。
【0066】光ファイバ11としてはシングルモード光
ファイバ、マルチモード光ファイバなどが用いられる
が、通常はシングルモード光ファイバが好適である。光
ファイバ11の一例の光学的パラメータを表2に示す。
【0067】
【表2】
【0068】まず図8に示すようにして光ファイバ11
を、第1ファイバクランプ2aと第2ファイバクランプ
2bによって、この光ファイバ11に第1ファイバクラ
ンプ2aから第2ファイバクランプ2bにむかう方向に
所定の張力がかかるようにして固定する。前記張力は、
例えばこの例に用いた装置は10〜500gの範囲で自
由に設定することができるものであったが、30〜10
0gの範囲とするのが好適であることが実験的に確認さ
れている。この張力の設定値は装置などによっても変化
するので、上述の範囲に限定することはなく、装置や製
造条件などによって適宜変更可能である。
【0069】そして図10に示すように、これら第1フ
ァイバクランプ2aと第2ファイバクランプ2bとの間
に位置する光ファイバ11の第1の加熱箇所(a点)
を、電極3a,3b間にアーク放電をおこさせて局所的
に加熱する。このときの光ファイバ11の加熱温度は1
400〜1800℃と推定される。
【0070】このような条件でa点を加熱して、この部
分の光ファイバ11を軟化させると、この光ファイバ1
1には第1ファイバクランプ2aから第2ファイバクラ
ンプ2bにむかって、軸心方向に張力が付与されている
ので、この方向に光ファイバ11が延伸される。する
と、前記a点を中心として縮径されてなる縮径部11c
が形成される。このとき、光ファイバ11の外径の変化
に伴ってコア11aの径も小さくなるため、光ファイバ
11の長さ方向において、コア11aの径の変化が形成
される。この操作は光ファイバ11の延伸長をモニター
しながら行い、所定の延伸長が得られたところで光ファ
イバ11の加熱を終了する。
【0071】ついで電極3a,3bを、光ファイバ11
の長さ方向にそって第2の加熱箇所(b点)まで移動さ
せ、同様にして局所的に加熱すると、図11に示すよう
に、b点を中心として縮経した縮径部11cが形成され
る。この操作を所定の周期で繰り返すことにより、図1
2に示すようにグレーティング部13Bを形成すること
ができる。
【0072】この例においては、第1ファイバクランプ
2aから第2ファイバクランプ2bにむかって張力が働
くようにしたが、逆にこれらの間に挟まれた光ファイバ
11の軸心方向に圧縮力がかかるようにしてもよい。こ
の場合、摺動装置2cに設けられたバネなどの弾性体な
どによって、第2ファイバクランプ2bから第1ファイ
バクランプ2aにむかって、第2ファイバクランプ2b
を付勢する。この状態で光ファイバ11の所定位置を加
熱、軟化させると、前記圧縮力の作用によって、光ファ
イバ11をこの加熱位置において拡径させることができ
る。
【0073】このときこの光ファイバ11の外径が増加
した部分においては、これに伴ってコア11aの径が拡
大している。このようにて、コア11aの径が拡大され
た部分を、その長さ方向に周期的に形成すれば、導波構
造がその長さ方向に周期的に変化したグレーティング部
を構成することができる。この場合は、光ファイバ11
の加熱時に前記圧縮力の作用によって光ファイバ11が
縮んだ長さをモニターし、光ファイバ11の加熱時間を
調整することができる。
【0074】 また、光ファイバ11を縮径あるい
は拡径させずにその外径が一定の光ファイバグレーティ
ングを製造することもできる。つまり、アーク放電によ
る加熱手段は加工精度が高いので、前記第電極3a,3
bを用いて光ファイバ11を局所的に加熱することによ
って、光ファイバ11の外径が一定で、この加熱部のコ
ア11aとクラッド11bの両方あるいはどちらか一方
に添加されたドーパントを拡散させることができる。こ
の結果、前記加熱部のコア11aの径が拡径あるいは縮
径される。そしてコア11aとクラッド11bとの間の
比屈折率差が変化する。この比屈折率差の変化を周期的
に形成することによって、コア11aに摂動を生じさせ
ることができる。この場合、光ファイバグレーティング
の製造操作中、第2ファイバクランプ2bは第1ファイ
バクランプ2aとともに固定し、移動しないようにす
る。
【0075】 コア11aはクラッド11bよりも
高屈折率なので、コア11aに添加されるドーパントと
しては、屈折率を上昇させる作用を有するものが用いら
れる。具体的にはゲルマニウムが一般的である。逆にク
ラッド11bに添加されるドーパントは、屈折率を下降
させる作用を有するものであって、フッ素、ホウ素が一
般的である。ドーパントの拡散によるコア11aの径の
変化量は、コア11a、クラッド11bの組成、ドーパ
ントの添加量、加熱時間などによって変化させることが
でき、これらは設計条件によって適宜変更される。
【0076】 またこのときの加熱条件は、光ファ
イバ11がその外形を保った状態で、かつドーパントを
拡散させることができるように設定する。例えば、電極
3a,3bとしてタングステン電極を用い、表2に示す
ような特性の光ファイバ11を用いた場合、これらの電
極3a,3bにかける電圧は、放電開始時は約1万V、
放電中が数100Vであり、周波数は100kHz程度
である。加熱時間は3〜10秒程度とされる。そして、
例えば光ファイバ11の加熱温度は1400〜1800
℃と推定される。
【0077】グレーティング周期、グレーティング長な
どの設計条件、およびグレーティング周期のばらつきは
第1の実施形態例と同様である。また、製造中にモニタ
ーする光ファイバグレーティングの光学特性、光ファイ
バの加熱温度などは、第1の実施形態例で説明したもの
を適用することができる。
【0078】この例においては、光ファイバ11を局所
的に加熱する手段としてアーク放電による放電加工を用
いているので、安定で加工精度が高く、設備費、運転費
が安価で、設置スペースが小さい。このように加工精度
が高いため、光ファイバ11の外径を変化させずに、加
熱によりドーパントを拡散させることによってコア11
aの径を変化させることもできる。このように、アーク
放電を利用する加熱手段を用いることによって、多用な
製造方法の設定が可能で、さらに微妙な設計条件にも対
応することができる。また、このように加工精度が高い
ので、良好な再現性で光ファイバグレーティングを製造
することができるので、製品歩留まりが向上する。した
がってこれらの効果により、低コスト化を図ることがで
きる。
【0079】[第4の実施形態例]第4の実施形態例
は、アーク放電を利用し、かつ第2の実施形態例と同様
に、光ファイバに加えられる張力をモニターして、加熱
時間を制御できるようにしたものである。
【0080】以下、具体的な製造例とともに説明する。
図13は第4の実施形態例の光ファイバグレーティング
の製造装置を示す斜視図である。図6に示される第2の
実施形態例の光ファイバグレーティングの製造装置の構
成と同様のものは同符号を付与して説明を簡略化する。
この製造装置の特徴は、加熱装置として一対の電極23
a,23bを備えた電極スキャン装置23Aが用いられ
ている点である。
【0081】電極23a,23bは、図9に示すように
光ファイバ11を挟むように、かつこれらの先端を結ぶ
直線が、これらに挟まれた光ファイバ11を横切らない
ように設置され、これらの間にアーク放電を発生させる
ことによって光ファイバ11を局所的に加熱することが
できるものである。また電極スキャン装置23Aは、光
ファイバ11の長さ方向に移動することによって、電極
23a,23bによる光ファイバ11の加熱位置を移動
させることができるようになっている。また、これら電
極23a,23bは、電極スキャン装置23Aの外部に
設けられた高周波電源23cから交流波(高周波)が印
加されるようになっている。具体的にこの製造例におい
ては、電極23a,23bとしてダングステン電極を用
いた。そして、これらの電極23a,23b間にアーク
放電をおこさせて光ファイバ11を局所的に加熱するに
おいては、100kHz前後の周波数の交流波(高周
波)を印加した。また、これら電極23a,23bとの
間の距離は約750μmとした。
【0082】製造操作を以下に説明する。まず予め決め
た初期張力を光ファイバ11にかけた状態で、この光フ
ァイバ11を第1ファイバクランプ22aおよび第2フ
ァイバクランプ22bの2箇所で固定する。この第2フ
ァイバクランプ2bは、この位置決め後はひとつの縮径
部11cを形成するまで移動しないように固定する。前
記初期張力は通常10〜200gとされ、設計条件、加
熱条件などによって適宜設定される。この製造例におい
ては80gとした。また、はじめの第1ファイバクラン
プ22aおよび第2ファイバクランプ22b間の距離は
12mmとした。
【0083】このような状態で、電極スキャン装置23
Aを所定の位置に固定する。そして応力モニター22c
にて張力をモニターしながら、高周波電源23cから交
流波(高周波)を印加し、電極23a,23b間にアー
ク放電を発生させて光ファイバ11の所定箇所を加熱す
れば、前記初期張力の作用によって光ファイバ11がそ
の長さ方向に延伸され、縮径部11cが形成される。そ
して応力モニター22cにてモニターされている初期張
力は、第1ファイバクランプ22aと第2ファイバクラ
ンプ22bとが固定されているため、光ファイバ11の
延伸とともに減少する。そして、この張力がゼロになっ
た時点で加熱を終了する。
【0084】ついで、前記第2ファイバクランプ22b
を第1ファイバクランプ22aから遠ざかる方向に移動
させて、光ファイバ11に再び前記初期張力が再びかか
るようにして固定する。そして電極スキャン装置23A
を移動させて再び光ファイバ11を局所的に加熱する
と、初期張力は徐々に減少してゼロになり、ふたつめの
縮径部11cが形成される。応力モニター22cにおい
てこの張力がゼロになった時点で加熱を終了する。この
操作を所定の周期で繰り返してグレーティング部を形成
する。
【0085】この第4の実施形態例においては、第1フ
ァイバクランプ22aから第2ファイバクランプ22b
にむかって初期張力が働くようにしたが、逆にこれらの
間に挟まれた光ファイバ11に所定の初期圧縮力がかか
るようにしてもよいことなどは第2の実施形態例と同様
である。
【0086】図14は、この製造例で得られた光ファイ
バグレーティングの波長−透過損失特性を示すグラフで
ある。この光ファイバグレーティングのグレーティング
周期は400μm、グレーティング長は約18mmとし
た。また、この製造例において光ファイバ11を延伸し
たところ、光ファイバ11の外径は、最も細いところ
で、はじめの光ファイバ11の外径に対して約20%減
少した。この光ファイバグレーティングにおいては、設
計時に予想した光学特性とほぼ一致する特性が得られ
た。この製造例においては、中心波長1558nm、阻
止帯域幅(半値幅)約13nm、阻止率約3.5dBの
ものを得ることができ、上述したエルビウム添加光ファ
イバ光増幅器と組み合わせて用いるのに好適なものが得
られた。
【0087】そこで、この製造例の光ファイバグレーテ
ィングを、実際に図18(a)に示すように、光増幅器
14と組み合わせ、この光増幅器14の利得の波長依存
性を平坦化するのに用いたところ、図18(b)に示す
グラフと同様に、平坦化波長領域Cを形成することがで
きた。したがってこの光ファイバグレーティングは、光
通信システムにおいて、光源、光検出器、光増幅器、光
ファイバなどの光デバイスが有する波長依存性を平坦化
するのに有効な特性を有する光ファイバ型デバイスであ
ることが確認できた。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本発明においては
以下のような効果を得ることができる。すなわち、この
光ファイバグレーティングは、加熱により光ファイバの
外径の変化とともにコア径変化させるか、光ファイバの
外径を一定とし、そのコアとクラッドの両方あるいはど
ちらか一方に添加されたドーパントを拡散させて、コア
径を変化させるものである。。このため光学特性の経時
変化が少なく、長期的に安定な光ファイバグレーティン
グが得られる。また光ファイバグレーティングを形成す
るための加熱源は、そのレーザビームの波長が限定され
ないので、エキシマレーザなどの高価な装置を用いず
に、比較的安価な炭酸ガスレーザなどを用いることがで
きる。したがって製造装置が低価格で、製造操作が簡便
で、製造効率がよい。このため低コスト化を図ることが
できる。また、アーク放電による加熱を採用すると加工
精度が高い。このため、上述のように加熱によってドー
パントを拡散させる方法を採用することもでき、微妙な
設計にも対応できるとともに、再現性が向上し、製品部
留まりも向上する。また、アーク放電による加熱は設備
費、運転費が比較的安価なので、製造装置が低価格で、
製造操作が簡便で、製造効率がよい。このため低コスト
化を図ることができる。また光ファイバの外径を変化さ
せることによってコア径を変化させる場合には、張力あ
るいは圧縮力をモニターして加熱時間を調整するように
すれば、さらに再現性よく光ファイバグレーティングを
形成することができる。さらにこの場合は、光ファイバ
のドーパントが限定されないため、設計条件の制限が少
ない。また、本発明の光ファイバグレーティングは、利
得−波長特性において波長依存性をもつ光源、光検出
器、光増幅器、光ファイバなどの光デバイスが有する波
長依存性を平坦化するのを目的などとして各種光通信シ
ステムに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態例の光ファイバグレ
ーティングの製造装置を示す概略構成図である。
【図2】 第1の実施形態例の光ファイバグレーティン
グの製造過程において、ひとつめの縮径部を形成する操
作を示す平面図である。
【図3】 第1の実施形態例の光ファイバグレーティン
グの製造過程において、ふたつめの縮径部を形成する操
作を示す平面図である。
【図4】 第1の実施形態例において製造された光ファ
イバグレーティングを示す平面図である。
【図5】 第1の実施形態例において得られた光ファイ
バグレーティングの波長−透過損失特性を示すグラフで
ある。
【図6】 第2の実施形態例の光ファイバグレーティン
グの製造装置の概略構成図である。
【図7】 第2の実施形態例における光ファイバに与え
られた張力と加熱時間との関係を示すグラフである。
【図8】 本発明の第3の実施形態例の光ファイバグレ
ーティングの製造装置を示す概略構成図である。
【図9】 本発明の光ファイバグレーティングの製造装
置における電極の配置を示す説明図である。
【図10】 本発明の光ファイバグレーティングの製造
過程において、ひとつめの縮径部を形成する操作を示す
平面図である。
【図11】 本発明の光ファイバグレーティングの製造
過程において、ふたつめの縮径部を形成する操作を示す
平面図である。
【図12】 本発明において製造された光ファイバグレ
ーティングの一例を示す平面図である。
【図13】 第4の実施形態例の光ファイバグレーティ
ングの製造装置の概略構成図である。
【図14】 第4の実施形態例の製造例において得られ
た光ファイバグレーティングの波長−透過損失特性を示
すグラフである。
【図15】 従来のフォトリフラクティブ効果を利用し
た光ファイバグレーティングの製造工程を説明する概略
構成図である。
【図16】 図16(a)は反射型光ファイバグレーテ
ィングの動作を示す説明図、図16(b)は反射型光フ
ァイバグレーティングの波長−阻止率特性を示すグラ
フ、図16(c)は反射型光ファイバグレーティングの
波長−透過損失特性を示すグラフである。
【図17】 図17(a)は放射型光ファイバグレーテ
ィングの動作を示す説明図、図17(b)は放射型光フ
ァイバグレーティングの波長−透過損失特性を示すグラ
フである。
【図18】 図18(a)は、光ファイバグレーティン
グを利用した光ファイバ通信システムの一例を示す概略
構成図、図18(b)は利得−波長特性の一例を示すグ
ラフである。
【図19】 従来の放射型光ファイバグレーティングに
おいて、フォトリフラクティブ効果によってコアの屈折
率を周期的に上昇させて製造するもの以外の第1の例を
示す概略構成図である。
【図20】 従来の放射型光ファイバグレーティングに
おいて、フォトリフラクティブ効果によってコアの屈折
率を周期的に上昇させて製造するもの以外の第2の例の
製造手順を、図20(a)〜図20(c)の順に示す説
明図である。
【符号の説明】
2a…第1ファイバクランプ(固定手段)、2b…第2
ファイバクランプ(固定手段)、3a,3b…電極(加
熱手段)、11…光ファイバ、11c…縮径部、13B
…グレーティング部、14…光増幅器、15…光ファイ
バグレーティング、22a…第1ファイバクランプ(固
定手段)、22b…第2ファイバクランプ(固定手
段)、22c…応力モニター、22d…モータ(駆動装
置)、23…レーザビーム(加熱手段)、23A…電極
スキャン装置(加熱手段)、23a,23b…電極(加
熱手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 信幸 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 島 研介 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内 (72)発明者 西出 研二 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバの長さ方向に張力あるいは圧
    縮力を加えた状態で、この光ファイバをその長さ方向に
    間欠的に加熱して軟化させ、 前記張力あるいは圧縮力の作用によって、この加熱部の
    外径を縮経あるいは拡径させることにより、 前記光ファイバのコア径がその長さ方向に周期的に変化
    してなる光ファイバグレーティングを製造することを特
    徴とする光ファイバグレーティングの製造方法。
  2. 【請求項2】 光ファイバの長さ方向に所定の周期で間
    欠的に加熱し、この光ファイバのコアあるいはクラッド
    に添加されたドーパントを拡散させてこの光ファイバの
    コア径を変化させることにより、 前記光ファイバのコア径がその長さ方向に周期的に変化
    してなる光ファイバグレーティングを製造することを特
    徴とする光ファイバグレーティングの製造方法。
  3. 【請求項3】 光ファイバの長さ方向に張力あるいは圧
    縮力を加えた状態で、この光ファイバを固定する固定手
    段と、 この光ファイバをその長さ方向に間欠的に加熱する加熱
    手段を備えていることを特徴とする光ファイバグレーテ
    ィングの製造装置。
  4. 【請求項4】 光ファイバの長さ方向に所定の周期で間
    欠的に加熱してこの光ファイバのコアあるいはクラッド
    に添加されたドーパントを拡散させる加熱手段を備えて
    いることを特徴とする光ファイバグレーティングの製造
    装置。
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