JPH1184108A - レンチキュラーレンズシート及びその製造法 - Google Patents

レンチキュラーレンズシート及びその製造法

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JPH1184108A
JPH1184108A JP9246367A JP24636797A JPH1184108A JP H1184108 A JPH1184108 A JP H1184108A JP 9246367 A JP9246367 A JP 9246367A JP 24636797 A JP24636797 A JP 24636797A JP H1184108 A JPH1184108 A JP H1184108A
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JP
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lenticular lens
lens sheet
lenticular
lens member
reinforcing fiber
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JP9246367A
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Makoto Okawa
真 大川
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部からの衝撃により破壊された際にも破片
の飛散が防止され且つ光学性能の低下のないレンチキュ
ラーレンズシートを提供する。 【解決手段】 両面にレンチキュラーレンズが形成され
ているレンチキュラーレンズ部材2と透光性保護板4と
が接合剤層6により接合されている。レンチキュラーレ
ンズ部材2の透光性保護板4側の面には、レンチキュラ
ーレンズのレンズ単位2bの隣接するものどうしの間に
凸部2cからなる遮光部が形成されており、この遮光部
上に補強繊維層10が配置されている。補強繊維層10
はレンズ単位2bと平行に延びた複数の繊維を含んでい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示技術に属
するものであり、特に、プロジェクションテレビやマイ
クロフィルムリーダー等の画面として用いられる投写ス
クリーンに使用されるレンチキュラーレンズシート及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】投写スクリーンに使用されるレンチキュ
ラーレンズシートは、一般に、アクリル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、或いはスチレン樹脂等
の透明樹脂材料を用い、該樹脂材料をレンチキュラーレ
ンズシート形状を備えた金型に射出成形する方法や、そ
れよりサイズが大きい場合には板状の樹脂材料をレンチ
キュラーレンズ型と共に加熱・加圧して熱転写する方法
や、更には板状の樹脂材料の表面を直接切削工具で切削
してレンチキュラーレンズ形状を形成する方法により、
製造されている。
【0003】レンチキュラーレンズシートを使用した投
写スクリーンの用途としては、プロジェクションテレビ
やマイクロフィルムリーダー等が挙げられる。これらの
用途においてコントラストに優れた良好な画面を得るた
めに、レンチキュラーレンズシートのレンチキュラーレ
ンズ方向と平行に隣接レンチキュラーレンズ単位間に帯
状の遮光層を配置することがなされている。
【0004】投写スクリーンを構成するに際して、レン
チキュラーレンズシートはフレネルレンズシートや拡散
シート等の他のシートと組み合わせて使用されることが
多く、その場合、レンチキュラーレンズシートは観察者
に最も近い側に配置されるため、人為的なミスによるレ
ンチキュラーレンズシート自体に対する傷もしくは遮光
層の剥離等が発生することがあり、そのため光学性能及
び外観品位を低下させることがあった。
【0005】また、レンチキュラーレンズのファインピ
ッチ化に伴って、レンチキュラーレンズシートが次第に
薄型化され、その自立性(自己形状保持性)が低下する
ので、レンチキュラーレンズシートの形状保持を補助す
る必要性が生じている。
【0006】このような必要性を満たすため及び前述の
レンチキュラーレンズシート自体に対する傷もしくは遮
光層の剥離等による光学性能及び外観品位の低下を防止
するために、シート強度を向上させレンズ表面を保護す
る透光性保護板を前面板としてレンチキュラーレンズシ
ートの前面に接合することが提案されている。該前面板
としては、無機ガラスやアクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂、塩化ビニル樹脂等の透明基材が利用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上の様な前
面板を付設したレンチキュラーレンズシートに、外部か
ら強烈な衝撃が加わると、前面板更にはレンチキュラー
レンズシート全体が破壊され、破片が飛散する等の危険
性が指摘されている。
【0008】このため、前面板としてゴム成分を混入し
た耐衝撃グレードの板等が使用されているが、その場
合、全光線透過率の低下及び板自体の着色等の問題があ
る。
【0009】また、レンズシートの耐衝撃性を向上させ
る方法として、カーボン等の粉末を混入した前面板を貼
り合わせることが提案されているが、破壊時の破片の飛
散等の危険性については解決されていない。
【0010】そこで、本発明の目的は、万一外部からの
衝撃により破壊された際にも破片の飛散が防止され且つ
光学性能の低下のないレンチキュラーレンズシートを提
供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、以上のよう
な状況に鑑み、レンチキュラーレンズシートについて鋭
意検討を行った結果、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明によれば、以上の如き目
的を達成するものとして、少なくとも片面にレンチキュ
ラーレンズが形成されているレンチキュラーレンズ部材
と透光性保護板とを接合してなるレンチキュラーレンズ
シートであって、前記レンチキュラーレンズ部材と前記
透光性保護板との間には前記レンチキュラーレンズのレ
ンズ単位の隣接するものどうしの間に対応して補強繊維
層が配置されており、該補強繊維層は前記レンズ単位と
平行に延びた複数の繊維を含んでいることを特徴とする
レンチキュラーレンズシート、が提供される。
【0013】また、本発明によれば、以上の如き目的を
達成するものとして、レンチキュラーレンズ部材のレン
チキュラーレンズのレンズ単位の隣接するものどうしの
間に対応させて当該レンチキュラーレンズ部材の一方の
面に複数の繊維を仮止めし、透光性保護板の一方の面に
接合剤を付与し、該透光性保護板の接合剤付与面に対し
て前記複数の繊維を仮止めした前記レンチキュラーレン
ズ部材を接合し、前記複数の繊維を含む補強繊維層を形
成する、ことを特徴とする、上記レンチキュラーレンズ
シートを製造する方法、が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。
【0015】図1は、本発明のレンチキュラーレンズシ
ートの第1の実施形態を示す模式的部分断面図である。
【0016】本実施形態において、2はレンチキュラー
レンズ部材であり、4は前面板(透光性保護板)であ
り、6はレンチキュラーレンズ部材2と前面板4とを接
合せる接合剤層である。レンチキュラーレンズ部材2と
前面板4とは互いに平行に配列されている。使用時にお
いて、レンチキュラーレンズ部材2は光源側(すなわち
光入射側)に配置され、前面板4は観察側(すなわち光
出射側)に配置される。
【0017】レンチキュラーレンズ部材2は、光源側に
互いに平行に配列された複数の入射側レンチキュラーレ
ンズ単位2aが形成されており、観察側に互いに平行に
配列された複数の出射側レンチキュラーレンズ単位2b
が形成されている。出射側レンチキュラーレンズ単位2
bは、入射側レンチキュラーレンズ単位2aと1:1に
対応し且つ平行に配置されている。これらの入射側レン
チキュラーレンズ単位2a及び出射側レンチキュラーレ
ンズ単位2bは、図1の紙面に垂直の方向に延在してい
る。出射側レンチキュラーレンズ単位2bの隣接するも
のどうしの間には、凸部2cが形成されている。該凸部
2cも出射側レンチキュラーレンズ単位2bと同様に図
1の紙面に垂直の方向に延在している。凸部2cの観察
側の頂部表面は小さな曲率の凹シリンドリカル面として
もよい。凸部2cは、理想的な使用状態においては、入
射側レンチキュラーレンズ単位2aから入射する画像光
が通過しない部分であり、不要な光を観察側へと通過さ
せないようにするための遮光機能を有する遮光部として
利用される。良好な遮光機能を発揮させるため、凸部2
cの表面の少なくとも一部(特に頂部)を黒色などの濃
色に着色することができる。凸部2cの両側部表面は全
反射機能を発揮することができる。
【0018】レンチキュラーレンズ部材2は、透光性を
有するアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、スチレン樹脂等からなり、これらの溶融樹脂を
射出成形法や押し出し成形法により成形したもの、又
は、これらの樹脂からなる透明基板を加熱プレス成形法
により成形したもの、又は、活性エネルギー線硬化型モ
ノマーを型内に注入し活性エネルギー線照射により固化
させる活性エネルギー線硬化法により成形したものを用
いることができる。
【0019】入射側レンチキュラーレンズ単位2a及び
出射側レンチキュラーレンズ単位2bの配列ピッチPは
例えば0.1〜2.0mmであり、入射側レンチキュラ
ーレンズ単位2aの頂点と出射側レンチキュラーレンズ
単位2bの頂点との距離(すなわちレンチキュラーレン
ズ光軸X上のレンチキュラーレンズ厚さ)は例えば0.
1〜2.0mmである。
【0020】前面板4は、透光性を有する無機ガラスあ
るいはアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、スチレン樹脂等からなり、実質上両面が互いに
平行な平行平面板である。前面板4の厚さは例えば0.
2〜10.0mmである。
【0021】接合剤層6は、透光性を有する熱硬化性接
着剤や活性エネルギー線硬化性接着剤からなる。
【0022】本実施形態では、レンチキュラーレンズ部
材2の凸部2cの観察側の頂部表面上には、補強繊維層
10が配置されている。この補強繊維層10は、例えば
炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ポ
リアリレート繊維、ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、
その他の良好な強度を有する複数の繊維を凸部2cに沿
って揃えて適宜の接着剤により固定したものである。こ
れらの複数の繊維は必ずしも互いに平行でなくともよ
く、互いに絡み合っていてもよい。繊維1本の太さは例
えば0.004〜0.5mmであり、数本の繊維を束に
してトウとして使用することもできる。補強繊維層10
を構成する接着剤としては、接合剤層6と同様なものを
使用することができ、接合剤層6を構成するものと同一
であってもよく、異なっていてもよい。補強繊維層10
の幅(すなわち凸部2cの頂部の幅)Wは例えば0.0
3〜1.6mm(或はピッチPに対する比率は30〜8
0%)であり、補強繊維層10の厚さは例えば0.03
〜0.2mmである。
【0023】補強繊維層10は、良好な遮光機能を発揮
させるため、黒色などの濃色であることが好ましく、繊
維自体として黒色繊維を用いたり、接着剤中にカーボン
ブラックなどの黒色の着色料を混入したりすることがで
きる。
【0024】以上のような本実施形態のレンチキュラー
レンズシートは、次のようにして製造することができ
る。
【0025】図2〜7は、本実施形態のレンチキュラー
レンズシートの製造工程を示す模式図である。
【0026】先ず、図2に示すようなレンチキュラーレ
ンズ部材(凸部2cを有する両面レンチキュラーレンズ
シート)2を用意する。そして、該レンチキュラーレン
ズ部材2の凸部2cの頂部表面上に接着剤10bを塗布
する。この接着剤塗布は、例えばスクリーン印刷やオフ
セット印刷により行うことができる。
【0027】一方で、図3に示すような繊維保持具12
を用意する。該繊維保持具12は、レンチキュラーレン
ズ部材2の凸部2cに対応する複数の凹部13を有し、
該凹部13の配列ピッチは、レンチキュラーレンズ部材
凸部2cの配列ピッチと同一(P)である。各凹部13
内に該凹部の方向に沿って複数の繊維10aを配置す
る。凹部13内に配置された繊維10aに緩みが発生し
ないように、繊維保持具12の両端面(図では一方の端
面のみ示されている)に形成した溝内に繊維10aの端
部を介して固定具14を押し込み、繊維10aを繊維保
持具12に固定する。繊維保持具12は、例えばポリプ
ロピレン樹脂からなるものを用いることができる。
【0028】次に、図4に示すように、レンチキュラー
レンズ部材2の凸部2cと繊維保持具12の凹部13と
を位置合わせし、該凹部13内の繊維10aをレンチキ
ュラーレンズ部材凸部2c上の接着剤10bにより仮止
めする。その後、繊維保持具12の溝から固定具14を
除去し、次いで繊維保持具12を除去する。これによ
り、レンチキュラーレンズ部材凸部2c上に、接着剤1
0bと繊維10aとを含む補強繊維層10が形成され
る。
【0029】また、他方において、図5に示すように、
前面板4を用意し、その片面側からディスペンサー16
を用いて接合剤6’を供給し、バーコーター18を用い
て該接合剤6’の厚さを所望厚さにする。
【0030】次に、図6に示すように、前面板4上の接
合剤6’に対して、図4の工程で得られた補強繊維層1
0付のレンチキュラーレンズ部材2の補強繊維層10側
の面を貼合わせる。その際、図示されているように、レ
ンチキュラーレンズ部材2の片端部が前面板4の片端部
に接するようにして保持し、ニップロール20をレンチ
キュラーレンズ部材2側から前面板4側へと押圧しなが
ら他端部の方へと移動させる。ニップロール20として
は、例えば、金属ロールの外周面にゴムなどの軟質弾性
シートを巻き付けることにより得たものを使用すること
ができる。これにより、レンチキュラーレンズ部材2へ
の傷付きを防止することができる。この貼合わせ工程で
押し出された余剰の接合剤6’は余剰接合剤受け22に
回収される。かくして、接合剤層6が形成される。レン
チキュラーレンズ部材2のレンチキュラーレンズの方向
に沿ってニップロール20を移動させるのが、接合剤層
6内への気泡残留の防止及びレンチキュラーレンズ部材
2の折り曲げ防止の観点から好ましい。
【0031】次に、図7に示すように、搬送駆動手段2
3により移動せしめられる搬送台ガラス24の上に、図
6の工程で得られた前面板4とレンチキュラーレンズ部
材2との接合剤層6による貼り合わせ物を載置し、矢印
方向に搬送しながら前面板4側から紫外線照射装置の紫
外線ランプ26により紫外線を照射して接合剤層6を硬
化させる(接合剤層6が熱硬化性のものである場合に
は、紫外線照射装置の代わりに熱線照射装置を使用す
る)。なお、この際に、補強繊維層10を構成する接着
剤10bも同時に硬化させることができる。
【0032】以上のようにして、図1に示されたレンチ
キュラーレンズシートが得られる。このレンチキュラー
レンズシートは、前面板4とレンチキュラーレンズ部材
2との間への気泡の混入がなく良好な機械的特性を示
す。即ち、特に、このレンチキュラーレンズシートは、
破壊された場合にも、シート各部は補強繊維層10の繊
維によりつなぎ止められ、破片の飛散は殆どない。ま
た、補強繊維層10が遮光部に配置されているので光学
的特性は良好であり、現在市販されているスクリーンと
外観及び画質とも同等レベルのスクリーンを構成するこ
とができる。
【0033】図8は、本発明のレンチキュラーレンズシ
ートの第2の実施形態を示す模式的部分断面図である。
また、図9〜11は、本実施形態のレンチキュラーレン
ズシートの製造工程を示す模式図である。これらの図に
おいて、上記図1〜7におけると同様の機能を有する部
材または部分には同一の符号が付されている。
【0034】本実施形態においては、レンチキュラーレ
ンズ部材2の出射側レンチキュラーレンズ単位2bの隣
接するものどうしの間には、V溝部2dが形成されてい
る。該V溝部2dも出射側レンチキュラーレンズ単位2
bと同様に図8の紙面に垂直の方向に延在している。V
溝部2dは、理想的な使用状態においては、入射側レン
チキュラーレンズ単位2aから入射するする画像光が通
過しない部分であり、不要な光を観察側へと通過させな
いようにするための遮光機能を有する遮光部として利用
される。良好な遮光機能を発揮させるため、V溝部2d
の両側面を黒色などの濃色に着色することができる。ま
た、V溝部2dの両側面は全反射機能を発揮することが
できる。
【0035】以上のようなV溝部2d内に、補強繊維層
10が配置されている。この補強繊維層10は、上記第
1の実施形態のものと同様のものを使用することができ
る。
【0036】以上のような本実施形態のレンチキュラー
レンズシートは、次のようにして製造することができ
る。
【0037】先ず、図9に示すようなレンチキュラーレ
ンズ部材(V溝部2dを有する両面レンチキュラーレン
ズシート)2を用意する。そして、該レンチキュラーレ
ンズ部材2のV溝部2d内に接着剤10bを塗布する。
この接着剤塗布は、例えばスキージを用いて行うことが
できる。
【0038】一方で、図3に示すような繊維保持具12
を用意する。該繊維保持具12は、レンチキュラーレン
ズ部材2のV溝部2dに対応する複数の凹部13を有
し、該凹部13の配列ピッチは、レンチキュラーレンズ
部材V溝部2dの配列ピッチと同一(P)である。各凹
部13内に該凹部の方向に沿って複数の繊維10aを配
置する。その他は上記図3に関し説明したと同様であ
る。
【0039】次に、図4に示すように、レンチキュラー
レンズ部材2のV溝部2dと繊維保持具12の凹部13
とを位置合わせし、該凹部13内の繊維10aをレンチ
キュラーレンズ部材V溝部2d内の接着剤10bにより
仮止めする。その後、繊維保持具12の溝から固定具1
4を除去し、次いで繊維保持具12を除去する。これに
より、レンチキュラーレンズ部材V溝部2d内に、接着
剤10bと繊維10aとを含む補強繊維層10が形成さ
れる。
【0040】以下、上記図5〜7に関し説明したと同様
の工程を実行することにより、図8に示されたレンチキ
ュラーレンズシートが得られる。このレンチキュラーレ
ンズシートも、破壊された場合にシート各部は補強繊維
層10の繊維によりつなぎ止められ破片の飛散は殆どな
い。また、補強繊維層10が遮光部に配置されているの
で光学的特性は良好であり、現在市販されているスクリ
ーンと外観及び画質とも同等レベルのスクリーンを構成
することができる。
【0041】以上の実施形態においては、レンチキュラ
ーレンズ部材2が両面にレンチキュラーレンズを有する
ものを示したが、本発明は、レンチキュラーレンズ部材
2として片面のみにレンチキュラーレンズを有するもの
を用いた場合をも包含する。このような形態は、図1ま
たは図8において片面のレンチキュラーレンズ単位の曲
率半径を無限大とした場合に相当する。更に、本発明で
は、レンチキュラーレンズ部材2の少なくとも一方の面
(特に観察側の面)のレンチキュラーレンズは、凹面で
あってもよい。
【0042】また、以上の実施形態においては、レンチ
キュラーレンズ部材2の遮光部が凸部2cまたは溝部2
dであるものを示したが、本発明では、遮光部は遮光層
を有する単なる平面により構成することも可能である。
【0043】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0044】[実施例1]図2〜7を参照して説明した
工程により、次のようにして、図1に示すレンチキュラ
ーレンズシートを製造した。
【0045】レンチキュラーレンズ部材2として、レン
ズピッチPが0.80mmで、厚さ1.0mmで、外寸
900×900mmのものを用いた。凸部2cの頂部表
面は曲率半径100mmの凹シリンドリカル面とされて
おり、その幅Wは0.3mmであった。接着剤10bと
して紫外線硬化型接着剤[協立化学産業社製XVL−1
4L3:粘度800cps(室温)]を使用し、該接着
剤10bをスクリーン印刷により塗布した。尚、接着剤
には黒色を有効的に出すために、カーボン粉末を0.4
重量%添加した。
【0046】繊維保持具12として、ポリプロピレン製
の外寸1000×1000mmのものを用いた。この繊
維保持具12には、熱プレスにより形状を転写された深
さ0.030mm及び巾0.30mmの凹部13がピッ
チ0.80mmで配列され形成されていた。繊維10a
として、カーボンファイバー[三菱レイヨン製パイロフ
ィルTR30G、3000フィラメント]を使用した。
【0047】前面板4として、厚さ3mmのアクリル板
[三菱レイヨン社製アクリライト]を使用した。また、
接合剤6’として、紫外線硬化型接合剤[協立化学産業
社製XVL−14L3:粘度800cps(室温)]を
用いた。バーコーター18により、接合剤6’の膜厚を
500μmに調整した。
【0048】ニップロール20として、直径150mm
の金属ロールにJISゴム硬度40°のNBRシートを
巻き付けたものを用いた。レンチキュラーレンズ部材2
と前面板4との貼合わせ工程では、ニップロール20を
レンチキュラーレンズ部材2のレンチキュラーレンズの
方向に移動速度約1m/minで移動させ、押圧した。
【0049】紫外線照射装置として、80W/cmの照
射強度の6kWの紫外線ランプ[アイグラフィックス社
製]26を3本有するものを用いた。搬送台ガラス24
による搬送速度は2m/minであった。
【0050】本実施例において得られたレンチキュラー
レンズシートは、レンチキュラーレンズ部材2と前面板
4との間に気泡の混入はなかった。このレンチキュラー
レンズシートの破壊テストをハンマーによる打突破壊に
より実施した結果、破壊されたレンチキュラーレンズシ
ート各部は繊維10aによりつなぎ止められ、破片の飛
散はほとんど無かった。また、得られたレンチキュラー
レンズシートを用いて投写スクリーンを構成したとこ
ろ、現在市販されているスクリーンと外観及び画質とも
同等のレベルの特性が得られた。
【0051】[実施例2]図9〜11を参照して説明し
た工程により、次のようにして、図8に示すレンチキュ
ラーレンズシートを製造した。
【0052】本実施例では、レンチキュラーレンズ部材
2として、レンズピッチPが0.80mmで、厚さ1.
0mmで、外寸900×900mmのものを用いた。V
溝部2dの幅Wは0.35mmであった。接着剤10b
として紫外線硬化型接合剤[協立化学産業社製XVL−
14L3]にカーボン粉末を30重量%混入したものを
使用し、該接着剤10bをスキージにより塗布した。
【0053】その他は上記実施例1と同様に実施した。
【0054】本実施例において得られたレンチキュラー
レンズシートも、レンチキュラーレンズ部材2と前面板
4との間に気泡の混入はなかった。このレンチキュラー
レンズシートの破壊テストをハンマーによる打突破壊に
より実施した結果、破壊されたレンチキュラーレンズシ
ート各部はカーボンファイバーによりつなぎ止められ、
破片の飛散はほとんど無いことが確認された。また、得
られたレンチキュラーレンズシートを用いて投写スクリ
ーンを構成したところ、現在市販されているスクリーン
と外観及び画質とも同等のレベルの特性が得られた。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レンチキュラーレンズ単位間に対応する位置に補強繊維
層を配しているので、外部からの衝撃により破壊される
際にも破片の飛散が防止され且つ光学性能の低下のない
レンチキュラーレンズシートがが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態を示す模式的部分断面図である。
【図2】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図3】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図4】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図5】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図6】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図7】本発明のレンチキュラーレンズシートの第1の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図8】本発明のレンチキュラーレンズシートの第2の
実施形態を示す模式的部分断面図である。
【図9】本発明のレンチキュラーレンズシートの第2の
実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を示
す模式図である。
【図10】本発明のレンチキュラーレンズシートの第2
の実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を
示す模式図である。
【図11】本発明のレンチキュラーレンズシートの第2
の実施形態のレンチキュラーレンズシートの製造工程を
示す模式図である。
【符号の説明】
2 レンチキュラーレンズ部材 2a 入射側レンチキュラーレンズ単位 2b 出射側レンチキュラーレンズ単位 2c 凸部 2d V溝部 4 前面板 6 接合剤層 6’ 接合剤 10 補強繊維層 10a 繊維 10b 接着剤 12 繊維保持具 13 凹部 14 固定具 16 ディスペンサー 18 バーコーター 20 ニップロール20 22 余剰接着剤受け 23 搬送駆動手段 24 搬送台ガラス 26 紫外線ランプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片面にレンチキュラーレンズ
    が形成されているレンチキュラーレンズ部材と透光性保
    護板とを接合してなるレンチキュラーレンズシートであ
    って、前記レンチキュラーレンズ部材と前記透光性保護
    板との間には前記レンチキュラーレンズのレンズ単位の
    隣接するものどうしの間に対応して補強繊維層が配置さ
    れており、該補強繊維層は前記レンズ単位と平行に延び
    た複数の繊維を含んでいることを特徴とするレンチキュ
    ラーレンズシート。
  2. 【請求項2】 前記レンチキュラーレンズ部材は前記透
    光性保護板側の面に前記レンチキュラーレンズを有して
    おり且つそのレンズ単位の隣接するものどうしの間に遮
    光部を有しており、該遮光部上に前記補強繊維層が配置
    されていることを特徴とする、請求項1に記載のレンチ
    キュラーレンズシート。
  3. 【請求項3】 前記レンチキュラーレンズ部材は両面に
    互いに対応して平行に延びたレンチキュラーレンズを有
    していることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに
    記載のレンチキュラーレンズシート。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のレンチ
    キュラーレンズシートを製造する方法であって、 レンチキュラーレンズ部材のレンチキュラーレンズのレ
    ンズ単位の隣接するものどうしの間に対応させて当該レ
    ンチキュラーレンズ部材の一方の面に複数の繊維を仮止
    めし、 透光性保護板の一方の面に接合剤を付与し、 該透光性保護板の接合剤付与面に対して前記複数の繊維
    を仮止めした前記レンチキュラーレンズ部材を接合し、
    前記複数の繊維を含む補強繊維層を形成する、ことを特
    徴とする、レンチキュラーレンズシートの製造法。
  5. 【請求項5】 前記仮止めは接着剤を用いてなされるこ
    とを特徴とする、請求項4に記載のレンチキュラーレン
    ズシートの製造法。
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