JPH1183958A - テストパタン生成装置並びにテストパタン生成プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

テストパタン生成装置並びにテストパタン生成プログラムを記録した記録媒体

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JPH1183958A
JPH1183958A JP9237427A JP23742797A JPH1183958A JP H1183958 A JPH1183958 A JP H1183958A JP 9237427 A JP9237427 A JP 9237427A JP 23742797 A JP23742797 A JP 23742797A JP H1183958 A JPH1183958 A JP H1183958A
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circuit
test pattern
partial
partial circuit
input
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JP9237427A
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Mizuki Takahashi
瑞樹 高橋
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大規模なLSI回路のテストパタン作成を、
回路分割によりATPGを用いて作成する際、部分回路
毎に作成されたテストパタンの変換を必要とせずに、故
障診断性が高く効率の良いLSI全体のテストパタンを
作成する。 【解決手段】 入力として与えられる機能設計されたL
SIの回路情報を、回路分割部1によりATPGの適用
が可能な規模の部分回路に分割し、分割された各部分回
路が他の部分回路とは独立してチップ階層からの入出力
が可能となるように部分回路分離部2によって上記回路
情報を変更する。そして、分離された各部分回路毎にテ
ストパタン生成部3によってテストパタンを生成する。
実際のLSIテスト時には、部分回路分離部2によって
回路変更されたLSIに対して、テストパタン生成部3
で生成されたテストパタンを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、LSIのテスト時
において用いられるテストパタンの設計技術に関し、特
に大規模LSIのテストパタンを生成するテストパタン
生成装置およびテストパタン生成プログラムを記録した
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、LSIの製造工程において必
須の工程として、製造上の問題で発生する不良LSIを
識別するためにLSIのテストが行なわれる。LSI
は、何らかの機能を実現したものであり、製造されたL
SIが良品か不良品かを調べるためにはその機能が正し
く働くかどうかを検査すればよい。ここで、LSIの機
能を確認するための最も直観的な方法は、LSIが使用
される環境下で与えられるデータの系列を入力として与
え、その応答(出力結果)が正しいかどうかを調べる方
法であるが、大規模なLSIにおいてはその機能も複雑
であり、全ての機能を検査するための系列(テストパタ
ン)を作ることは極めて困難である。また、上記テスト
パタンを作ることができたとしても、該テストパタンの
長さが現実的な長さになるかどうかが問題となる。
【0003】そのため、LSIのテストでは、該LSI
の機能を直接確認するのではなく、LSIの内部に作り
込まれた部品(ゲート)に製造上の不具合(故障)がな
いかどうかを検査する方法が一般的にとられる。
【0004】このようなゲートの故障として一般に想定
されるものとしては、入力ピンあるいは出力ピンが論理
値‘1’あるいは論理値‘0’に固定されたままになっ
てしまうという縮退故障がある。例えば、図13に示す
ようなANDゲート1個からなる回路においては、出力
Yが0に固定されたままになってしまうという故障(Y
の0縮退故障と呼ぶ)等、計6個の故障が想定される。
LSIのテストでは、それらの故障が起こっているか否
かをテストパタンを入力してその応答を調べて検査す
る。
【0005】最も簡単な例として、図13に示すAND
ゲート1個からなる回路をLSIと考え、これのテスト
パタンを考えると、Yの0縮退故障が起きているかどう
かは、A=1、B=1を入力として与えることで検査で
きる。すなわち、Yの0縮退故障がなければ出力Yは1
になり、Yの0縮退故障があればYは0となる。このよ
うに、上記ANDゲートに故障がある場合とない場合で
この回路は異なる応答をするため、故障の有無を判定で
きることになる。この場合、入力A=1、B=1によっ
てYの0縮退故障が検出できることになる。
【0006】他の故障についても、同様にそれを検出す
る入力を作成することができる。例えば、A及びBの0
縮退故障も入力A=1、B=1で検出できる。また、A
の1縮退故障は入力A=0、B=1で検出でき、Bの1
縮退故障は入力A=1、B=0で検出できる。Yの1縮
退故障は入力A=0、B=1およびA=1、B=0のど
ちらでも検出することができる。以上、このLSIに対
しては(A、B)=(1、1)、(1、0)、(0、
1)をテストパタンとして用いることで全ての故障を検
出することができる。
【0007】LSIのテストには上記のようなテストパ
タンが必要であり、該LSIはこのようなテストパタン
が作成できるような回路にあらかじめしておかなければ
ならない。
【0008】LSIのテストパタンの作成は、設計者が
人手で行なう方法と自動テストパタン生成(ATPG:
Automatic Test Pattern Generation)ツールを用いて自
動的に作成する方法の2種類があるが、大規模なLSI
の場合、人手でテストパタンを作成するのは非常に時間
のかかる作業であるため、現在では多くの場合ATPG
を用いたテストパタン作成が行なわれている。
【0009】このようなATPGを用いたテストパタン
作成を自動化する技術としては、例えば、テストされる
LSI回路(以下、単にチップと称する)をフルスキャ
ンで構成し、ATPGによって該チップに対し一括でテ
ストパタンを生成する方法がある。組合せ回路を対象と
したATPGアルゴリズムを適用する場合には、LSI
の中の全ての記憶素子がテスト時にシフトレジスタとし
て動作できるように、フルスキャンのテスト設計が施さ
れた回路に対してテストパタンを自動化によって生成で
きる。また、順序回路を対象としたATPGアルゴリズ
ムを適用する場合には、回路中の全ての記憶素子をスキ
ャン用のものに置き換える必要はなく、一部を通常の記
憶素子のままにしておくか、あるいは全くスキャン化は
行なわずに(回路中の全ての記憶素子を通常の記憶素子
のままにする)、回路規模の増大をフルスキャンの場合
よりも小さくすることもできる。
【0010】しかしながら、上述のように、チップに対
し一括でテストパタンを生成する場合には、これにより
生成されたテストパタンを用いたテストが、チップ全体
に対して行なわれるため、該テストでフェイルが発生し
ても、該フェイルの原因となる故障を特定する故障診断
が困難になる。
【0011】また、組合せ回路に対するテストパタン生
成では、回路中の全ての記憶素子を面積が大きいスキャ
ン用の記憶素子に置き換える必要があり、回路規模が増
大してしまう。さらに、順序回路に対するテストパタン
生成では、自動テストパタン生成の際の計算量が大きい
ため、大規模な回路に対して適用した場合には故障検出
率の高いテストパタンの作成が困難であり、故障検出率
の高いテストパタン生成を行なうためには適用対象の回
路規模が制限される。
【0012】また、ATPGが扱うことができる回路規
模にも限界があり、大規模なLSIの場合には一度にテ
ストパタンを作成することができない。その場合には、
LSIをいくつかの部分回路に分割してテストパタンを
作成するということが行なわれる。
【0013】特開平6−148281号公報には、図1
4に示すように、LSIを構成する各部分回路の入力及
び出力ポートにスキャン用記憶素子(バウンダリスキャ
ンセル)を配置し、それらを直列に接続して、外部から
各部分回路へのデータ供給と外部へのデータ出力を可能
にすることで部分回路の分離を実現したうえで、個々の
部分回路単体のテストパタンをチップ全体のテストパタ
ンに自動的に編集する技術が開示されている。
【0014】すなわち、上記特開平6−148281号
公報に開示された方法を用いるテストパタン生成装置で
は、図15のフローチャートに示すような手順でテスト
パタンの作成が行なわれる。
【0015】先ず、回路情報入力処理として、テストパ
タン生成装置に機能設計されたLSIの回路情報が入力
される(S101)。上記テストパタン生成装置は、回
路分割処理として、入力された回路情報に基づき、適切
な回路規模を有する複数の部分回路に分割する(S10
2)。このように分割された部分回路単体毎に、ATP
Gによりテストパタンが作成される(S103)。続い
て、上記テストパタン生成装置は、部分回路分離処理と
して、各部分回路の入力及び出力ポートにバウンダリス
キャンを配置する(S104)。最後に、部分回路単体
毎に作成されたテストパタンをチップ全体のテストパタ
ンへ変換する処理が行なわれる(S105)。
【0016】これにより、上記特開平6−148281
号公報に開示された方法では、LSIの回路規模が大き
すぎて、ATPGによるLSIのテストパタンが一括し
て作成できない場合、該LSI回路を複数の部分回路に
分割して、ATPGを部分回路毎に適用することによ
り、扱うことができる回路規模の問題を解決することが
できる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、ATPGは分割された各部分回路に対して行
なわれるため、得られたテストパタンをLSIのテスト
パタンに変換するという作業が発生する。
【0018】ここで、部分回路毎に作成されたテストパ
タンをLSIのテストパタンに変換する例を説明する。
図16の部分回路Bに対してATPGを適用すると、部
分回路Bに対する単体テストパタン(図17(a)参
照)が作成できる。ここで、上記部分回路Bに対する単
体テストパタンは、部分回路Bの入力ピンAおよびBか
ら入力されるパタンとなっている。
【0019】しかしながら、実際のテスト時において
は、テストパタンはLSIの外部ピンPI1ないしPI
4から入力して行なわれる。このため、部分回路Bの入
力ピンAおよびBから入力されるパタンとして与えられ
る単体テストパタンは、チップの外部ピンPI1ないし
PI4から入力されるテストパタン(図17(b)参
照)に変換される必要がある。
【0020】このような上記変換処理により、テストパ
タンの生成に係る時間およびコストが増大するといった
問題が生じる。
【0021】また、上記特開平6−148281号公報
に開示された方法では、部分回路分離の方法としてバウ
ンダリスキャンを用いているため、テストパタン長が長
くテストの効率が悪いという問題が生じる。
【0022】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、大規模なLSI回路のテ
ストパタン作成を、回路分割によりATPGを用いて作
成する際、部分回路毎に作成されたテストパタンの変換
を必要とせずに、故障診断性が高く効率の良いLSI全
体のテストパタンを作成することができるテストパタン
生成装置並びにテストパタン生成プログラムを記録した
記録媒体を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1のテストパタン
生成装置は、機能設計されたLSIの回路情報を入力と
して、該LSIのテストを行なう場合に用いられるテス
トパタンを生成するものであり、上記の課題を解決する
ために、上記LSIの回路情報に基づいて、LSIをA
TPG(Automatic Test Pattern Generation)によるテ
ストパタン生成が可能な回路規模の複数の部分回路に分
割する回路分割手段と、上記回路分割手段により分割さ
れた各部分回路を他の部分回路と分離し、各部分回路の
入出力をLSIの外部入出力と直接接続できるように上
記LSIの回路情報を変更する部分回路分離手段と、上
記部分回路分離手段により分離された部分回路毎に、A
TPGにより、各部分回路を対象としたテストパタンを
生成するテストパタン生成手段とを備えていることを特
徴としている。
【0024】上記の構成により、上記テストパタン生成
装置に入力として与えられるLSIの回路情報が、AT
PGによる自動テストパタンの生成が行なえない規模で
あれば、上記回路情報は、上記回路分割手段によりAT
PGによる自動テストパタン生成が可能な回路規模の複
数の部分回路に分割される。分割された各部分回路は、
上記部分回路分離手段により、各部分回路の入出力をL
SIの外部入出力と直接接続できるように回路を変更す
ることで、他の部分回路と分離される。さらに、テスト
パタン生成手段によって、分離された各部分回路毎のテ
ストパタン生成が行なわれる。
【0025】これにより、各部分回路に対して、チップ
階層から直接入出力が可能なテストパタンを自動的に部
分回路の数だけ生成することができ、さらに、生成され
た上記テストパタンを回路変更されたLSIの対応する
部分回路に対して直接入出力することができる。
【0026】請求項2のテストパタン生成装置は、請求
項1の構成に加えて、上記部分回路分離手段は、上記回
路分割手段により部分回路に分割された回路情報に、上
記回路分割手段により分割された複数の部分回路のう
ち、どの部分回路に対するテストを行なうかを指示する
テストモード信号を生成するテストモード制御回路と、
LSIの外部入力端子と直接接続されていない部分回路
の入力側に設けられ、該部分回路の入力に値を与えてい
た他の部分回路の出力と、外部入力端子からの入力とを
受け、上記テストモード制御回路からのテストモード信
号により該部分回路のテストが指示された場合に上記外
部入力端子からの入力を直接該部分回路に与え、其以外
の場合には該部分回路の入力に値を与えていた他の部分
回路の出力を該部分回路に与える入力選択器と、各部分
回路の出力が直接接続され、上記テストモード制御回路
からのテストモード信号に基づいて、テストが行なわれ
ている部分回路の出力を選択して出力する出力選択器と
を付加することを特徴としている。
【0027】上記の構成により、上記回路分割手段によ
り部分回路に分割された回路情報には、上記部分回路分
離手段によりテストモード制御回路、入力選択器および
出力選択器が付加される。
【0028】これにより、上記のように回路変更された
LSIにおいてテストを行なう場合には、テストが行な
われる部分回路に対して、上記入力選択器を介して、L
SIの外部入力端子から与えられるテストパタンが直接
入力され、該部分回路の出力は出力選択器を介して、直
接LSIの出力となる。このため、テストの効率化を図
ることができると同時に、テストパタンを変換する必要
が無くなりテストパタン生成の工程数を削減できる。
【0029】請求項3のテストパタン生成装置は、請求
項1または2の構成に加えて、さらに、上記テストパタ
ン生成手段によってある部分回路を対象とするテストパ
タンを生成する前に、該部分回路以外の部分回路を回路
情報から削除する部分回路削除手段を有することを特徴
としている。
【0030】上記の構成により、テストパタン生成手段
によってある部分回路を対象とするテストパタンを生成
する場合には、該テストパタンの生成前に、上記部分回
路削除手段により、テストパタンの生成対象となってい
る部分回路以外の部分回路が削除され、テストパタン生
成の際に上記テストパタン生成手段が扱う回路規模が削
減される。
【0031】これにより、テストパタン生成プログラム
が保持しなければならない回路情報の量が削減でき、大
規模なLSIの場合でもテストパタン生成が容易になる
と共に、LSIの回路規模に依存しない故障検出率の高
い高品質のテストパタンの生成を行なうことができる。
【0032】請求項4のテストパタン生成プログラムを
記録した記録媒体は、コンピュータに、機能設計された
LSIの回路情報を入力として与え、該LSIのテスト
を行なう場合に用いられるテストパタンを生成させるた
めのものであり、上記の課題を解決するために、上記コ
ンピュータに、上記LSIの回路情報に基づいて、LS
IをATPGによるテストパタン生成が可能な回路規模
の複数の部分回路に分割させる回路分割処理機能と、上
記回路分割処理により分割された各部分回路を他の部分
回路と分離し、各部分回路の入出力をLSIの外部入出
力と直接接続できるように上記LSIの回路情報を変更
させる部分回路分離処理機能と、上記部分回路分離処理
により分離された部分回路毎に、ATPGにより、各部
分回路を対象としたテストパタンを生成するテストパタ
ン生成処理機能とを実現させることを特徴としている。
【0033】上記の構成により、コンピュータに入力と
して与えられるLSIの回路情報が、ATPGによる自
動テストパタンの生成が行なえない規模であれば、上記
回路情報は、上記回路分割処理によりATPGによる自
動テストパタン生成が可能な回路規模の複数の部分回路
に分割される。分割された各部分回路は、上記部分回路
分離処理により、各部分回路の入出力をLSIの外部入
出力と直接接続できるように回路を変更することで、他
の部分回路と分離される。さらに、テストパタン生成処
理によって、分離された各部分回路毎のテストパタン生
成が行なわれる。
【0034】これにより、各部分回路に対して、チップ
階層から直接入出力が可能なテストパタンを自動的に部
分回路の数だけ生成することができ、さらに、生成され
た上記テストパタンを回路変更されたLSIの対応する
部分回路に対して直接入出力することができる。
【0035】請求項5のテストパタン生成プログラムを
記録した記録媒体は、請求項4の構成に加えて、上記部
分回路分離処理では、上記回路分割処理により部分回路
に分割された回路情報に、上記回路分割処理により分割
された複数の部分回路のうち、どの部分回路に対するテ
ストを行なうかを指示するテストモード信号を生成する
テストモード制御回路と、LSIの外部入力端子と直接
接続されていない部分回路の入力側に設けられ、該部分
回路の入力に値を与えていた他の部分回路の出力と、外
部入力端子からの入力とを受け、上記テストモード制御
回路からのテストモード信号により該部分回路のテスト
が指示された場合に上記外部入力端子からの入力を直接
該部分回路に与え、其以外の場合には該部分回路の入力
に値を与えていた他の部分回路の出力を該部分回路に与
える入力選択器と、各部分回路の出力が直接接続され、
上記テストモード制御回路からのテストモード信号に基
づいて、テストが行なわれている部分回路の出力を選択
して出力する出力選択器とが付加されることを特徴とし
ている。
【0036】上記の構成により、上記回路分割処理によ
り部分回路に分割された回路情報には、上記部分回路分
離処理によりテストモード制御回路、入力選択器および
出力選択器が付加される。
【0037】これにより、上記のように回路変更された
LSIにおいてテストを行なう場合には、テストが行な
われる部分回路に対して、上記入力選択器を介して、L
SIの外部入力端子から与えられるテストパタンが直接
入力され、該部分回路の出力は出力選択器を介して、直
接LSIの出力となる。このため、テストの効率化を図
ることができると同時に、テストパタンを変換する必要
が無くなりテストパタン生成の工程数を削減できる。
【0038】請求項6のテストパタン生成プログラムを
記録した記録媒体は、請求項4または5の構成に加え
て、さらに、上記コンピュータに、上記テストパタン生
成処理によってある部分回路を対象とするテストパタン
を生成する前に、該部分回路以外の部分回路を回路情報
から削除する部分回路削除処理機能を実現させることを
特徴としている。
【0039】上記の構成により、テストパタン生成処理
によってある部分回路を対象とするテストパタンを生成
する場合には、該テストパタンの生成前に、上記部分回
路削除処理により、テストパタンの生成対象となってい
る部分回路以外の部分回路が削除され、テストパタン生
成の際に上記テストパタン生成手段が扱う回路規模が削
減される。
【0040】これにより、テストパタン生成プログラム
が保持しなければならない回路情報の量が削減でき、大
規模なLSIの場合でもテストパタン生成が容易になる
と共に、LSIの回路規模に依存しない故障検出率の高
い高品質のテストパタンの生成を行なうことができる。
【0041】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)本発明の実施の一形態について図1な
いし図10に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0042】本実施の形態に係るテストパタン生成装置
は、既に機能設計されたLSIの回路情報を入力とし
て、この回路情報に基づいて該LSIをテストするため
のテストパタンを作成すると同時に、入力された回路情
報を該テストパタンが使用可能となる回路構成に変更す
る。
【0043】上記テストパタン生成装置は、図1に示す
ように、入力された回路情報をテストパタン生成が可能
な規模の部分回路に分割する回路分割部(回路分割手
段)1と、回路分割部1によって複数の部分回路に分割
された回路情報に基づいて、各部分回路が接続する他の
部分回路に依存せずに検査することができるように回路
を分離変更する部分回路分離部(部分回路分離手段)2
と、部分回路分離部2に変更された回路に基づいて、特
定の部分回路を対象としたテストパタン生成を実行する
テストパタン生成部(テストパタン生成手段)3とを備
えている。上記回路分割部1、部分回路分離部2および
テストパタン生成部3によりテストパタン生成処理部7
が構成される。尚、上記テストパタン生成処理部7とし
て、上記回路分割部1、部分回路分離部2およびテスト
パタン生成部3で行なわれる各処理をプログラムした記
録媒体を用いて、これらの各処理をコンピュータに実行
させることも可能である。
【0044】さらに、上記テストパタン生成装置は、入
力となる回路情報を上記回路分割部1に与える回路情報
入力部4と、部分回路分離部2により変更された回路情
報を記憶し、記憶した回路情報をテストパタン生成部3
へ出力する記憶部5と、記憶部5に記憶された回路情報
と、テストパタン生成部3が出力する各部分回路のため
のテストパタンとを出力するための出力部6とを備えて
いる。
【0045】上記回路情報入力部4に入力される回路情
報は、基本素子(ゲート)とそれらの接続情報によって
構成される。この与えられた回路情報の最上位階層をチ
ップ階層と呼ぶ。上記回路情報は、図2に示すように、
チップ階層の下にさらに複数の下位階層を持つ場合があ
る。図2中の部分回路A、部分回路B、および部分回路
Cはそれぞれ下位階層であり、それぞれがさらなる下位
階層あるいはゲートとそれらの間の接続情報で構成され
ている。
【0046】以上のように構成されたテストパタン生成
装置におけるテストパタン生成処理を、主に図3のフロ
ーチャートを用いて以下に説明する。
【0047】先ず、回路情報入力処理として、CAD等
によって機能設計されたLSIの全回路情報が、回路情
報入力部4を介して回路分割部1へ入力される(S
1)。入力された上記回路情報は、回路分割処理とし
て、回路分割部1により適切な回路規模を有する複数の
部分回路に分割される(S2)。
【0048】複数の部分回路に分割された回路情報は、
部分回路分離部2に送られ、部分回路分離処理として、
S2の回路分割処理で分割された個々の部分回路毎のテ
ストが行なえるように、各部分回路を互いに分離し各分
離回路毎の独立した入出力を行うための回路が組み込ま
れる(S3)。S3において部分回路分離処理がなされ
た回路情報は、記憶部5に記憶された後、さらにテスト
パタン生成部3へ送られる。
【0049】次いで、テストパタン生成部3にて、分離
された部分回路のうち、テストパタン生成処理が行なわ
れていない部分回路の一つが選択され(S4)、この選
択された部分回路単体に対してATPGによりテストパ
タンが作成される(S5)。テストパタン生成部3にて
作成されたテストパタンは、記憶部5において記憶され
る。
【0050】続いて、S6において、分割された全ての
部分回路に対してテストパタン生成処理が行なわれたか
否かが判定され、ここでテストパタン生成処理が行なわ
れていない部分回路があれば(S6でNO)、再びS4
に移行する。また、上記S6において、全ての部分回路
においてテストパタン生成処理が行なわれていれば、出
力部6により回路情報およびテストパタンが出力される
(S7)。
【0051】これより、上述の各処理をさらに詳細に説
明する。
【0052】図3のS2における回路分割処理は、与え
られた回路情報に対し、それを自動テストパタン生成が
可能な規模の部分回路に分割する処理である。大規模回
路の設計においては、回路全体の機能を構成する部分機
能毎に回路を分割し、分割された機能毎に回路設計を行
なうのが一般的である。また、論理合成装置を用いた設
計においては、一度に合成することが可能な回路規模に
制約があるため、機能的に分割された各部分回路は、回
路全体の規模に関わらず、一定規模以下の回路となって
いる。
【0053】また、上記回路分割処理では、与えられる
回路情報に機能毎に設計された部分回路の階層情報がす
でに含まれており、これを利用して回路分割が行なわれ
る。例えば、LSIの最上位階層であるチップ階層の直
下の階層における回路において、ある回路がテストパタ
ンを作成するには大きすぎる回路規模であった場合、該
回路をさらに下位階層の回路に分割して、テストパタン
作成に適切な回路規模の部分回路にすることが行なわれ
る。逆に、連続して接続された複数の回路の回路規模が
いずれも十分に小さく、これらの回路を併合してもテス
トパタン作成が可能な回路規模となる場合、これら複数
の回路を併合して一つの部分回路とすることが行なわれ
る。
【0054】図2に示した回路情報は、以上の処理によ
って、テストパタン作成に適切な回路となる部分回路
A、部分回路B、および部分回路Cに分割されているも
のとする。なお、これらの部分回路A、部分回路B、お
よび部分回路Cは、チップ階層の直下の下位階層として
表されているものとする。
【0055】図3のS3における部分回路分離処理で
は、回路分割処理で分割された個々の部分回路におい
て、該部分回路に対して作成されたテストパタンをチッ
プ階層の入力ピンより直接該部分回路に入力すると共
に、該部分回路の出力を直接チップ階層の出力ピンより
取り出せるように、テスト時に該部分回路を他の部分回
路から分離し、該部分回路の入出力をチップ階層の入出
力に接続するための回路が組み込まれる。
【0056】上記部分回路分離処理の処理手順を主に図
4のフローチャートを用いてさらに詳細に説明する。
【0057】先ず、S11のテストモード制御回路挿入
処理により、図5に示すように、テストモード制御回路
10がチップ階層中に挿入される。尚、上記テストモー
ド制御回路10とは、分割された各部分回路のうち、他
の部分回路と独立してテストが行なわれる部分回路を選
択するテストモード信号を生成する回路である。
【0058】次いで、S12の部分回路入力処理によ
り、部分回路の入力について、それがチップ階層の外部
入力から直接与えられるものでない場合、入力選択器1
1を挿入することにより、テスト時にチップ階層の外部
入力から該部分回路に直接入力を与えることができるよ
うにする。
【0059】さらに、S13の部分回路出力処理によ
り、部分回路の出力について、それがチップ階層の外部
出力に直接接続されているものでない場合、出力選択器
12を挿入することにより、テスト時に該部分回路の出
力がチップ階層の外部出力より直接出力されるようにす
る。
【0060】即ち、部分回路分離処理では、テスト時に
どの部分回路を分離された状態にするかを決定するテス
トモード制御回路10と、各部分回路の入出力を直接チ
ップ階層の外部入力および外部出力に接続し、テストモ
ードに応じてどの部分回路の入出力をチップ階層の入出
力に接続するかを決定する入力選択器11および出力選
択器12とが追加される。
【0061】回路情報を部分回路A、部分回路B、およ
び部分回路Cの3つの部分回路に分割して部分回路分離
処理を行なう場合の例を以下に説明する。
【0062】先ず、上記テストモード制御回路10の回
路例を図6に示す。上記テストモード制御回路10への
入力Tsel1およびTsel2は、チップ階層に新たに追加さ
れたテストモード選択用の入力端子により行なわれる。
また、上記テストモード制御回路10の出力testA、te
stB、およびtestCは、入力Tsel1およびTsel2に対応
して出力され、その値が‘1’の時にそれぞれ部分回路
A、部分回路B、および部分回路Cのテストモードであ
ることを示すテストモード信号である。これらのテスト
モード信号により、部分回路Aのテストモード、部分回
路Bのテストモード、部分回路Cのテストモード、通常
モード(テストモードではなくLSIが通常動作を行な
うモード)の4種類のモードが選択可能となる。また、
上記テストモード制御回路10は、デコーダを用いた組
合せ回路によって実現されている。
【0063】上記テストモード制御回路10の真理値表
は図7に示すデコード回路の真理値表によって与えられ
る。例えば、上記テストモード制御回路10に(Tsel2
=1、Tsel1=0)が与えられると、(testA=0、te
stB=1、testC=0)となり、部分回路Bのテストモ
ードとなる。また、上記テストモード制御回路10は、
個々の部分回路のテストモードに対応したテストモード
信号を出力するものであり、複数のテストモード信号が
同時に1になることはない。
【0064】本実施の形態では、組合せ回路によって実
現されるテストモード制御回路10を用いているが、テ
ストモードに対応する状態を保持する記憶素子を用いて
選択に必要な入力端子を少なくしたテストモード制御回
路など他の構成を用いたものも本発明に対して適用可能
である。
【0065】図4のS12の部分回路入力処理では、当
該部分回路の入力についてそれがチップ階層の外部入力
から直接与えられるものでない場合、テスト時にチップ
階層の外部入力から当該部分回路に直接入力を与えるこ
とができるように入力選択器11が挿入される(図5参
照)。上記入力選択器11の回路例を図8に示す。例え
ば、部分回路Bの入力側に配置された上記入力選択器1
1においては、図5からも分かるように、部分回路Aか
らの出力OA1と外部入力I2とが該入力選択器11に
入力され、テストモード制御回路10からのテストモー
ド信号testBに応じてこれらの入力のうちの一方を部分
回路Bの入力IB1に与えている。すなわち、testB=
0の場合は、部分回路Aからの出力OA1が部分回路B
の入力IB1に与えられ、testB=1の場合は、外部入
力I2が部分回路Bの入力IB1に与えられる。
【0066】また、部分回路入力処理は、以下の手順に
よって行なわれる。
【0067】先ず、部分回路の全ての入力が、チップ階
層の外部入力端子から直接供給されているものと(外部
供給入力群)、他の部分回路の出力から供給されている
もの(内部供給人力群)の2つの集合に分けられる。
【0068】チップ階層の外部入力端子のうち、上記外
部供給入力群に含まれる入力に値を供給していないもの
(未使用外部入力群)は、部分回路のテスト時に内部供
給入力群の入力への値供給に使用される。内部供給入力
群に含まれる入力の数が未使用外部入力群に含まれる入
力の数を上回る場合は、その数の差にあたる数のテスト
専用外部入力端子をチップ階層に追加し、追加した入力
端子を未使用外部入力群に含める。
【0069】内部供給入力群の入力(Ii )と、未使用
外部入力群の入力(PIi )とをそれぞれ一つ取り出
す。そして、Ii と、当該Ii に値を供給している部分
回路の出力(Oi )との間に、入力選択器11を挿入す
る。この入力選択器11は、2つのデータ入力と1つの
選択入力と選択結果の出力を1つ持つ。入力選択器11
のデータ入力には、Oi とPIi が接続され、選択入力
にはテストモード制御回路10から入力されるテストモ
ード信号、入力選択器11の出力にはIi が接続され
る。ここでの入力選択器11は、テストモード信号が
‘1’の時にはPIiを、‘0’の時にはOi を選択し
てIi に出力するよう構成される。こうして、内部供給
入力群の全ての入力Ii に対して、入力選択器11を挿
入する。
【0070】図4のS13の部分回路出力処理では、当
該部分回路の出力について、それがチップ階層の外部出
力に直接接続されているものでない場合、それをテスト
時にチップ階層の外部出力に直接接続されるように回路
を構成する。上記部分回路出力処理は、以下の手順で行
なわれる。
【0071】先ず、部分回路の全ての出力が、チップ階
層の外部出力端子へ直接接続されているものと(外部供
給出力群)、他の部分回路の入力へのみ接続されている
もの(内部供給出力群)の2つの集合に分けられる。
【0072】チップ階層の外部出力端子のうち、上記外
部供給出力群に含まれる出力と接続されていないもの
(未使用外部出力群)は、部分回路のテスト時に内部供
給出力群の出力に使用される。内部供給出力群に含まれ
る出力の数が未使用外部出力群に含まれる出力の数を上
回る場合は、その数の差にあたる数のテスト専用外部出
力端子がチップ階層に追加され、追加された出力端子が
未使用外部出力群に含まれる。
【0073】次いで、内部供給出力群の出力(Oo
と、未使用外部出力群の外部出力(POo )がそれぞれ
一つ取り出され、取り出された外部出力POo にOo
割り当てられる。こうして、全ての内部供給出力群の出
力Oo が、未使用外部出力群の外部出力POo に割り当
てられる。
【0074】また、チップ階層の全ての出力端子につい
ては以下の処理が行われる。
【0075】すなわち、出力端子に割り当てられた内部
供給出力がある場合は、それらを選択して出力するため
の出力選択器12が部分回路Cの出力側に挿入される
(図5参照)。上記出力選択器12の回路例を図9に示
す。上記出力選択器12には、図5からも分かるよう
に、部分回路A、BおよびCからの出力OA1、OB1
およびOC3が入力され、該出力選択器12は、例え
ば、テストモード制御回路10からのテストモード信号
testAおよびtestBに応じてこれらの入力のうちの一つ
を部分回路を外部出力する。すなわち、testA=1の場
合は部分回路Aからの出力OA1を出力し、testB=1
の場合は部分回路Bからの出力OB1を出力し、testA
=0かつtestB=0の場合は部分回路Cからの出力OC
1を出力する。尚、図9中で用いられている選択器は、
図8に示した入力選択器11と同様の構成である。
【0076】すなわち、上記出力選択器12における選
択の対象は、チップ階層に最初から存在している外部出
力端子に対しては、割り当てられた内部供給出力(図5
を例にとると、OA1およびOB1)と、既に接続され
ている部分回路の出力(図5を例にとると、OC1)と
である。また、新たに追加されたテスト専用外部出力端
子に対しては、最初から接続されている部分回路の通常
出力はないので、割り当てられた内部供給出力のみが上
記出力選択器12における選択の対象となる。挿入され
る出力選択器12においては、割り当てられた内部供給
出力端子は対応する部分回路のテストモード信号が
‘1’の時に選択され、通常出力は割り当てられた全て
の内部供給出力端子のテストモード信号が‘0’の時に
選択される。但し、上記の例では、通常モードの出力
と、テストモードCの出力とは、どちらも部分回路Cか
らの出力となるため、出力選択器12に対してテストモ
ード信号testCが省略されており、通常モードおよびテ
ストモードCはどちらもtestA=0かつtestB=0によ
ってモード設定される。なお、選択の対象がひとつしか
ない場合には、出力選択器12は挿入されず一つの内部
供給出力がそのまま外部出力に接続される。
【0077】以上のように、部分回路A、部分回路B、
および部分回路Cを対象として部分回路分離処理を適用
した場合、テストモード制御回路10は、分割された3
つの部分回路のそれぞれのテストモードであることを表
すテストモード信号、testA、testB、およびtestC信
号を出力する。例えば、testAが‘1’の場合には、部
分回路Aがテストモードとなり、部分回路Aが分離され
てチップ階層外部端子に直接接続された状態となる。te
stA、testB、およびtestCの3本のテストモード信号
は同時に2本以上が‘1’となることはない。
【0078】上記の3つの部分回路に対して、外部入力
に直接接続されていない入力は部分回路BおよびCの入
力IB1およびIC1であり、これらの入力をそれぞれ
の部分回路のテストモードにおいて直接外部入力と接続
するために入力選択器11が挿入されている。また、3
つの部分回路に対して、外部出力に直接接続されていな
い出力は部分回路AおよびBの出力OA1とOB1であ
り、これらの出力はそれぞれの部分回路のテストモード
において直接外部出力O3と接続されるために出力選択
器12に接続されている。
【0079】次に、図3のS5におけるテストパタン生
成処理の処理手順を図10のフローチャートを用いてさ
らに詳細に説明する。上記テストパタン生成処理は、対
象部分回路故障設定処理と、テストモード設定処理と、
テストパタン生成処理との3つの処理によって構成され
ており、回路分割処理によって分割された個々の部分回
路に対して、それぞれの部分回路のテストモードに設定
された自動テストパタン生成を各部分回路に対して行な
う。
【0080】先ず、S21における対象部分回路故障設
定処理では、選択された対象部分回路にのみ自動テスト
パタン生成の対象となる故障が設定される。次に、S2
2におけるテストモード設定処理では、選択された対象
部分回路のテストモードに設定するためのパタンが与え
られる。また、S23におけるテストパタン生成処理で
は、対象部分回路故障設定処理とテストモード設定処理
とが行なわれた回路に対して、ATPGによる自動テス
トパタン生成が行なわれる。
【0081】このテストパタン生成処理により、選択さ
れた部分回路の故障を検出するためのチップ階層からの
テストパタン生成が可能となる。この処理を全ての部分
回路に対して行なうことにより、部分回路の数と同数の
テストパタンが生成され、これらがチップ全体のテスト
パタンとなる。
【0082】この処理により生成された各テストパタン
は、それぞれ特定の部分回路のテストを行なうためのテ
ストパタンであるため、実際のLSIテスト時にフェイ
ルが起こった場合でも、その原因が対象部分回路の中に
限定される。このため、故障診断性の高いテストパタン
が得られる。また、部分回路のテストパタンの生成の際
に、LSI全体を与えたテストパタン生成処理を行なっ
ているため、後からチップ階層からのテストパタンに変
換するという作業が必要ない。
【0083】以上のように、本実施の形態に係る部分回
路分離処理では、分割された各部分回路の入力および出
力をテスト時に、各部分回路の入出力がLSIの外部端
子に直接接続されるようにすることで、各部分回路の分
割テストが可能となっている。即ち、実際のLSIテス
ト時には、部分回路分離部2によって回路変更されたL
SIに対して、テストパタン生成部3で生成されたテス
トパタンが与えられる。
【0084】これにより、従来のスキャンを用いた一括
テストを行なう場合のように、回路中の記憶素子を面積
の大きいスキャン用の記憶素子に置き換える必要がな
く、回路規模の増大を抑えることができる。また、バウ
ンダリスキャンを用いた部分回路の分離では、部分回路
の入力の外部からの設定や、出力結果の外部への取り出
しに複数のシフト動作が必要になるのに対し、本実施の
形態に係るテストパタン生成装置の部分回路分離処理で
は、各部分回路に外部から直接入力を与え、部分回路の
出力を直接外部端子へ出力できるよう回路変更を行なっ
ているため、入力の設定や出力の取り出しにシフト動作
の必要がなく、効率のよいテストパタンを生成すること
が可能となる。
【0085】(実施の形態2)本発明の他の実施の一形
態について図11および図12に基づいて説明すれば、
以下の通りである。
【0086】本実施の形態に係るテストパタン生成装置
は、既に機能設計されたLSIの回路情報を入力とし
て、この回路情報に基づいて該LSIをテストするため
のテストパタンを作成する装置である。上記テストパタ
ン生成装置は、図11に示すように、上記実施の形態1
に係るテストパタン生成装置(図1参照)に、部分回路
分離部2によって変更された回路に対し、テストパタン
生成対象の部分回路以外の部分回路を削除する非対象部
分回路削除部(部分回路削除手段)8を加えた構成とな
っている。また、実施の形態1に係るテストパタン生成
装置では、回路分割部1、部分回路分離部2およびテス
トパタン生成部3によりテストパタン生成処理部7が構
成されていたが、本実施の形態に係るテストパタン生成
装置では、回路分割部1、部分回路分離部2、非対象部
分回路削除部8およびテストパタン生成部3によってテ
ストパタン生成処理部9が構成されている。尚、上記テ
ストパタン生成処理部9として、上記回路分割部1、部
分回路分離部2、非対象部分回路削除部8およびテスト
パタン生成部3で行なわれる各処理をプログラムした記
録媒体を用いて、これらの各処理をコンピュータに実行
させることも可能である。
【0087】上記構成のテストパタン生成装置における
テストパタン生成処理を図12のフローチャートを用い
て以下に説明する。
【0088】図12のS31ないしS34における処理
は、図3のS1ないしS4の処理と同様の処理であり、
図12のS36ないしS38における処理は、図3のS
5ないしS7の処理と同様の処理である。すなわち、本
実施の形態におけるテストパタン生成処理では、上記実
施の形態1のテストパタン生成処理にS35の処理が加
わっているのみである。
【0089】上記S35における非対象部分回路削除処
理は、S34で選択された対象部分回路以外の部分回路
(非対象部分回路)の削除を行なう。削除の対象となる
のは、回路分割処理で分割された部分回路のみであり、
部分回路分離処理で新たに挿入されたテストモード制御
回路10、入力選択器11および出力選択器12は、削
除の対象とはならない。
【0090】例えば、S36において部分回路Bを対象
としたテストパタン生成処理が行なわれる場合、部分回
路A及び部分回路Cは、部分回路Bが分離された状態で
のテストパタン生成に必要ない部分回路であるので削除
される。既に述べたように、部分回路分離処理が行なわ
れた回路では、分割された全ての部分回路がその部分回
路のテストモードにおいて、他の部分回路に依存せずに
テストできるように構成されているため、非対象部分回
路が削除された状態でも、対象部分回路のテストパタン
生成をチップ階層で行なうことが可能である。
【0091】これにより、テストパタン生成処理におい
てテストパタン生成プログラムが保持しなければならな
い回路情報の量を削減することができ、チップ階層の回
路が大規模になった場合でもテストパタン生成が容易に
行なうことができ、LSIの回路規模に依存しない故障
検出率の高い高品質のテストパタン生成が可能となる。
【0092】
【発明の効果】請求項1の発明のテストパタン生成装置
は、以上のように、LSIの回路情報に基づいて、LS
IをATPG(Automatic Test Pattern Generation)に
よるテストパタン生成が可能な回路規模の複数の部分回
路に分割する回路分割手段と、上記回路分割手段により
分割された各部分回路を他の部分回路と分離し、各部分
回路の入出力をLSIの外部入出力と直接接続できるよ
うに上記LSIの回路情報を変更する部分回路分離手段
と、上記部分回路分離手段により分離された部分回路毎
に、ATPGにより、各部分回路を対象としたテストパ
タンを生成するテストパタン生成手段とを備えている構
成である。
【0093】それゆえ、従来技術のバウンダリスキャン
を用いた部分回路の分離では、部分回路の入力の外部か
らの設定や出力結果の外部への取り出しに複数のシフト
動作が必要であったのに対し、本発明では、部分回路入
出力をLSIの外部入出力と直接接続できるように回路
が変更されているため、そのようなシフト動作が必要な
く、効率のよいテストパタンの生成ができるという効果
を奏する。
【0094】また、上記の回路変更により、部分回路毎
に生成されるテストパタンを、他の部分回路を介さず
に、LSIのチップ階層の回路より直接与えることが可
能となっているため、上記の部分回路毎に生成されたテ
ストパタンをチップ階層から他の部分回路を介して入出
力するためのテストパタンに変換するという作業が必要
なく、パタン生成工数が削減できるという効果を併せて
奏する。
【0095】請求項2の発明のテストパタン生成装置
は、以上のように、請求項1の構成に加えて、上記部分
回路分離手段は、上記回路分割手段により部分回路に分
割された回路情報に、上記回路分割手段により分割され
た複数の部分回路のうち、どの部分回路に対するテスト
を行なうかを指示するテストモード信号を生成するテス
トモード制御回路と、LSIの外部入力端子と直接接続
されていない部分回路の入力側に設けられ、該部分回路
の入力に値を与えていた他の部分回路の出力と、外部入
力端子からの入力とを受け、上記テストモード制御回路
からのテストモード信号により該部分回路のテストが指
示された場合に上記外部入力端子からの入力を直接該部
分回路に与え、其以外の場合には該部分回路の入力に値
を与えていた他の部分回路の出力を該部分回路に与える
入力選択器と、各部分回路の出力が直接接続され、上記
テストモード制御回路からのテストモード信号に基づい
て、テストが行なわれている部分回路の出力を選択して
出力する出力選択器とを付加する構成である。
【0096】それゆえ、請求項1の構成による効果に加
えて、上記のように回路変更されたLSIにおいてテス
トを行なう場合には、テストが行なわれる部分回路に対
して、上記入力選択器を介して、LSIの外部入力端子
から与えられるテストパタンが直接入力され、該部分回
路の出力は出力選択器を介して、直接LSIの出力とな
る。このため、テストの効率化を図ることができると同
時に、テストパタンを変換する必要が無くなりテストパ
タン生成の工程数を削減できるという効果を奏する。
【0097】請求項3の発明のテストパタン生成装置
は、以上のように、請求項1または2の構成に加えて、
さらに、上記テストパタン生成手段によってある部分回
路を対象とするテストパタンを生成する前に、該部分回
路以外の部分回路を回路情報から削除する部分回路削除
手段を有する構成である。
【0098】それゆえ、請求項1または2の構成による
効果に加えて、テストパタン生成プログラムが保持しな
ければならない回路情報の量が削減でき、大規模なLS
Iの場合でもテストパタンの生成が容易となり、故障検
出率の高いテストパタンの生成を行なうことができると
いう効果を奏する。
【0099】請求項4の発明のテストパタン生成プログ
ラムを記録した記録媒体は、以上のように、コンピュー
タに、上記LSIの回路情報に基づいて、LSIをAT
PGによるテストパタン生成が可能な回路規模の複数の
部分回路に分割させる回路分割処理機能と、上記回路分
割処理により分割された各部分回路を他の部分回路と分
離し、各部分回路の入出力をLSIの外部入出力と直接
接続できるように上記LSIの回路情報を変更させる部
分回路分離処理機能と、上記部分回路分離処理により分
離された部分回路毎に、ATPGにより、各部分回路を
対象としたテストパタンを生成するテストパタン生成処
理機能とを実現させる構成である。
【0100】それゆえ、従来技術のバウンダリスキャン
を用いた部分回路の分離では、部分回路の入力の外部か
らの設定や出力結果の外部への取り出しに複数のシフト
動作が必要であったのに対し、本発明では、部分回路入
出力をLSIの外部入出力と直接接続できるように回路
が変更されるため、そのようなシフト動作が必要なく、
効率のよいテストパタンの生成ができるという効果を奏
する。
【0101】また、上記の回路変更により、部分回路毎
に生成されるテストパタンを、他の部分回路を介さず
に、LSIのチップ階層の回路より直接与えることが可
能となっているため、上記の部分回路毎に生成されたテ
ストパタンをチップ階層から他の部分回路を介して入出
力するためのテストパタンに変換するという作業が必要
なく、パタン生成工数が削減できるという効果を併せて
奏する。
【0102】請求項5の発明のテストパタン生成プログ
ラムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項4の
構成に加えて、上記部分回路分離処理では、上記回路分
割処理により部分回路に分割された回路情報に、上記回
路分割処理により分割された複数の部分回路のうち、ど
の部分回路に対するテストを行なうかを指示するテスト
モード信号を生成するテストモード制御回路と、LSI
の外部入力端子と直接接続されていない部分回路の入力
側に設けられ、該部分回路の入力に値を与えていた他の
部分回路の出力と、外部入力端子からの入力とを受け、
上記テストモード制御回路からのテストモード信号によ
り該部分回路のテストが指示された場合に上記外部入力
端子からの入力を直接該部分回路に与え、其以外の場合
には該部分回路の入力に値を与えていた他の部分回路の
出力を該部分回路に与える入力選択器と、各部分回路の
出力が直接接続され、上記テストモード制御回路からの
テストモード信号に基づいて、テストが行なわれている
部分回路の出力を選択して出力する出力選択器とが付加
される構成である。
【0103】それゆえ、請求項4の構成による効果に加
えて、上記のように回路変更されたLSIにおいてテス
トを行なう場合には、テストが行なわれる部分回路に対
して、上記入力選択器を介して、LSIの外部入力端子
から与えられるテストパタンが直接入力され、該部分回
路の出力は出力選択器を介して、直接LSIの出力とな
る。このため、テストの効率化を図ることができると同
時に、テストパタンを変換する必要が無くなりテストパ
タン生成の工程数を削減できるという効果を奏する。
【0104】請求項6の発明のテストパタン生成プログ
ラムを記録した記録媒体は、以上のように、請求項4ま
たは5の構成に加えて、さらに、上記コンピュータに、
上記テストパタン生成処理によってある部分回路を対象
とするテストパタンを生成する前に、該部分回路以外の
部分回路を回路情報から削除する部分回路削除処理機能
を実行させる構成である。
【0105】それゆえ、請求項4または5の構成による
効果に加えて、テストパタン生成プログラムが保持しな
ければならない回路情報の量が削減でき、大規模なLS
Iの場合でもテストパタンの生成が容易となり、故障検
出率の高いテストパタンの生成を行なうことができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、テスト
パタン生成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】上記テストパタン生成装置に入力として与えら
れる回路情報の例を示す説明図である。
【図3】上記テストパタン生成装置の動作を示すフロー
チャートである。
【図4】上記テストパタン生成装置の部分回路分離処理
の動作を示すフローチャートである。
【図5】上記部分回路分離処理によって変更された回路
情報の例を示す説明図である。
【図6】上記の変更された回路情報において挿入される
テストモード制御回路の回路図である。
【図7】上記テストモード制御回路における入出力の関
係を示す説明図である。
【図8】図6に示す回路情報において挿入される入力選
択器の回路図である。
【図9】図6に示す回路情報において挿入される出力選
択器の回路図である。
【図10】図1に示すテストパタン生成装置のテストパ
タン生成処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の他の実施形態を示すものであり、テ
ストパタン生成装置の構成を示すブロック図である。
【図12】上記テストパタン生成装置の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図13】ゲートの故障例を示す説明図である。
【図14】従来のテストパタン生成装置における部分回
路分離方法を示す説明図である。
【図15】上記従来のテストパタン生成装置における動
作を示すフローチャートである。
【図16】複数の部分回路に分割された回路情報を示す
説明図である。
【図17】従来のテストパタン生成装置において行なわ
れるテストパタンの変換例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 回路分割部(回路分割手段) 2 部分回路分離部(部分回路分離手段) 3 テストパタン生成部(テストパタン生成手段) 8 非対象部分回路削除部(部分回路削除手段) 10 テストモード制御回路 11 入力選択器 12 出力選択器 A〜C 部分回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】機能設計されたLSI(Large Scale Integ
    ration)の回路情報を入力として、該LSIのテストを
    行なう場合に用いられるテストパタンを生成するテスト
    パタン生成装置において、 上記LSIの回路情報に基づいて、LSIをATPG
    (Automatic Test Pattern Generation)によるテストパ
    タン生成が可能な回路規模の複数の部分回路に分割する
    回路分割手段と、 上記回路分割手段により分割された各部分回路を他の部
    分回路と分離し、各部分回路の入出力をLSIの外部入
    出力と直接接続できるように上記LSIの回路情報を変
    更する部分回路分離手段と、 上記部分回路分離手段により分離された部分回路毎に、
    ATPGにより、各部分回路を対象としたテストパタン
    を生成するテストパタン生成手段とを備えていることを
    特徴とするテストパタン生成装置。
  2. 【請求項2】上記部分回路分離手段は、上記回路分割手
    段により部分回路に分割された回路情報に、 上記回路分割手段により分割された複数の部分回路のう
    ち、どの部分回路に対するテストを行なうかを指示する
    テストモード信号を生成するテストモード制御回路と、 LSIの外部入力端子と直接接続されていない部分回路
    の入力側に設けられ、該部分回路の入力に値を与えてい
    た他の部分回路の出力と、外部入力端子からの入力とを
    受け、上記テストモード制御回路からのテストモード信
    号により該部分回路のテストが指示された場合に上記外
    部入力端子からの入力を直接該部分回路に与え、其以外
    の場合には該部分回路の入力に値を与えていた他の部分
    回路の出力を該部分回路に与える入力選択器と、 各部分回路の出力が直接接続され、上記テストモード制
    御回路からのテストモード信号に基づいて、テストが行
    なわれている部分回路の出力を選択して出力する出力選
    択器とを付加することを特徴とする請求項1に記載のテ
    ストパタン生成装置。
  3. 【請求項3】さらに、上記テストパタン生成手段によっ
    てある部分回路を対象とするテストパタンを生成する前
    に、該部分回路以外の部分回路を回路情報から削除する
    部分回路削除手段を有することを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載のテストパタン生成装置。
  4. 【請求項4】コンピュータに、機能設計されたLSIの
    回路情報を入力として与え、該LSIのテストを行なう
    場合に用いられるテストパタンを生成させるためのテス
    トパタン生成プログラムを記録した記録媒体において、 上記コンピュータに、 上記LSIの回路情報に基づいて、LSIをATPGに
    よるテストパタン生成が可能な回路規模の複数の部分回
    路に分割させる回路分割処理機能と、 上記回路分割処理により分割された各部分回路を他の部
    分回路と分離し、各部分回路の入出力をLSIの外部入
    出力と直接接続できるように上記LSIの回路情報を変
    更させる部分回路分離処理機能と、 上記部分回路分離処理により分離された部分回路毎に、
    ATPGにより、各部分回路を対象としたテストパタン
    を生成するテストパタン生成処理機能とを実現させるこ
    とを特徴とするテストパタン生成プログラムを記録した
    記録媒体。
  5. 【請求項5】上記部分回路分離処理では、上記回路分割
    処理により部分回路に分割された回路情報に、 上記回路分割処理により分割された複数の部分回路のう
    ち、どの部分回路に対するテストを行なうかを指示する
    テストモード信号を生成するテストモード制御回路と、 LSIの外部入力端子と直接接続されていない部分回路
    の入力側に設けられ、該部分回路の入力に値を与えてい
    た他の部分回路の出力と、外部入力端子からの入力とを
    受け、上記テストモード制御回路からのテストモード信
    号により該部分回路のテストが指示された場合に上記外
    部入力端子からの入力を直接該部分回路に与え、其以外
    の場合には該部分回路の入力に値を与えていた他の部分
    回路の出力を該部分回路に与える入力選択器と、 各部分回路の出力が直接接続され、上記テストモード制
    御回路からのテストモード信号に基づいて、テストが行
    なわれている部分回路の出力を選択して出力する出力選
    択器とが付加されることを特徴とする請求項4に記載の
    テストパタン生成プログラムを記録した記録媒体。
  6. 【請求項6】さらに、上記コンピュータに、上記テスト
    パタン生成処理によってある部分回路を対象とするテス
    トパタンを生成する前に、該部分回路以外の部分回路を
    回路情報から削除する部分回路削除処理機能を実現させ
    ることを特徴とする請求項4または5に記載のテストパ
    タン生成プログラムを記録した記録媒体。
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