JPH1183803A - マスマーカーの補正方法 - Google Patents
マスマーカーの補正方法Info
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- JPH1183803A JPH1183803A JP9235781A JP23578197A JPH1183803A JP H1183803 A JPH1183803 A JP H1183803A JP 9235781 A JP9235781 A JP 9235781A JP 23578197 A JP23578197 A JP 23578197A JP H1183803 A JPH1183803 A JP H1183803A
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- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J49/00—Particle spectrometers or separator tubes
- H01J49/26—Mass spectrometers or separator tubes
- H01J49/34—Dynamic spectrometers
- H01J49/42—Stability-of-path spectrometers, e.g. monopole, quadrupole, multipole, farvitrons
- H01J49/4205—Device types
- H01J49/424—Three-dimensional ion traps, i.e. comprising end-cap and ring electrodes
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- H01J49/426—Methods for controlling ions
- H01J49/427—Ejection and selection methods
- H01J49/428—Applying a notched broadband signal
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
- Electron Tubes For Measurement (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】イオントラップ型の質量分析部を有する質量分
析計のマスマーカーの補正を、容易かつ正確に行う方法
を提供する。 【解決手段】イオントラップ質量分析部内にイオンを蓄
積し、マスマーカーの補正に寄与しない不要イオンを除
去した後、所定イオンのイオン強度のピーク位置に対応
するマスマーカーを補正する。 【効果】不要イオンを除去した後にマスマーカーの補正
が行われるので、空間電荷によるイオントラップ質量分
析部内の電界の歪みが軽減され、容易かつ正確な補正が
できる。
析計のマスマーカーの補正を、容易かつ正確に行う方法
を提供する。 【解決手段】イオントラップ質量分析部内にイオンを蓄
積し、マスマーカーの補正に寄与しない不要イオンを除
去した後、所定イオンのイオン強度のピーク位置に対応
するマスマーカーを補正する。 【効果】不要イオンを除去した後にマスマーカーの補正
が行われるので、空間電荷によるイオントラップ質量分
析部内の電界の歪みが軽減され、容易かつ正確な補正が
できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスマーカーの補
正方法に関し、詳しくは、イオントラップ型の質量分析
部を有する質量分析計におけるマスマーカーの補正方法
に関する。
正方法に関し、詳しくは、イオントラップ型の質量分析
部を有する質量分析計におけるマスマーカーの補正方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、分析の分野では混合物の分析技術
の確立が求められている。例えば、環境中の有害物質を
分析する場合においては、採取した試料(例えば湖沼の
水)の中には種々な物質が含まれている。また、生体関
連物質の分析においても同様である。血液や尿といった
生体由来の試料中にも種々な物質が含まれている。この
ように、環境関連物質や生体関連物質の分析には、混合
物を処理して分析する技術が必須である。
の確立が求められている。例えば、環境中の有害物質を
分析する場合においては、採取した試料(例えば湖沼の
水)の中には種々な物質が含まれている。また、生体関
連物質の分析においても同様である。血液や尿といった
生体由来の試料中にも種々な物質が含まれている。この
ように、環境関連物質や生体関連物質の分析には、混合
物を処理して分析する技術が必須である。
【0003】混合物を直接分析することは一般に困難で
あるため、混合物中の所望成分を分離する過程を経た後
に各成分を検出して、同定することになる。このような
状況の中で、分離に優れた液体クロマトグラフと物質の
同定に優れた質量分析計を結合した装置である液体クロ
マトグラフ/質量分析計(以下、LC/MSと略記す
る)は、上記環境や生体関連物質など、多くの成分を含
む対象の分析に極めて有効である。
あるため、混合物中の所望成分を分離する過程を経た後
に各成分を検出して、同定することになる。このような
状況の中で、分離に優れた液体クロマトグラフと物質の
同定に優れた質量分析計を結合した装置である液体クロ
マトグラフ/質量分析計(以下、LC/MSと略記す
る)は、上記環境や生体関連物質など、多くの成分を含
む対象の分析に極めて有効である。
【0004】イオントラップ型の質量分析部を有する質
量分析計を用いた従来のLC/MSを、図1を用いて説
明する。液体クロマトグラフ1は、送液ポンプ2、移動
相溶媒槽3、サンプルインジェクタ4、分離カラム5お
よび配管6から構成される。移動相溶媒槽3中の移動相
溶媒は、送液ポンプ2によって一定流量で分離カラム5
に送られる。混合物試料は、送液ポンプ2と分離カラム
5との間に配置されたサンプルインジェクタ4によって
導入される。分離カラム5に到達した試料は、分離カラ
ム5内に充填された充填材との相互作用によって分離さ
れる。上記液体クロマトグラフ1によって分離された試
料は、移動相溶媒と共にイオン源7に導入される。
量分析計を用いた従来のLC/MSを、図1を用いて説
明する。液体クロマトグラフ1は、送液ポンプ2、移動
相溶媒槽3、サンプルインジェクタ4、分離カラム5お
よび配管6から構成される。移動相溶媒槽3中の移動相
溶媒は、送液ポンプ2によって一定流量で分離カラム5
に送られる。混合物試料は、送液ポンプ2と分離カラム
5との間に配置されたサンプルインジェクタ4によって
導入される。分離カラム5に到達した試料は、分離カラ
ム5内に充填された充填材との相互作用によって分離さ
れる。上記液体クロマトグラフ1によって分離された試
料は、移動相溶媒と共にイオン源7に導入される。
【0005】イオン源7には多くのタイプのものがある
が、代表的な例として静電噴霧法について説明する。イ
オン源7に到達した上記試料は、コネクタ8を経て金属
管9に導入される。金属管9と、この金属管9に対向し
て配置された電極10との間に、高圧電源11によって
数キロボルトの高電圧を印加すると、金属管9の末端か
ら対向電極10方向に静電噴霧が発生する。この際、安
定に静電噴霧を持続できる溶液流量は毎分数マイクロリ
ットル程度であるが、液体クロマトグラフ1からイオン
源7に送られてくる溶液流量は毎分1ミリリットル程度
である。そこで、ガス供給管12から供給される噴霧用
ガス13を金属管9の外部から流し、ガスによって静電
噴霧を補助する。静電噴霧によって生成された液滴中に
は、試料分子に関するイオンが含まれているので、この
液滴を乾燥させることによりガス状のイオンが得られ
る。
が、代表的な例として静電噴霧法について説明する。イ
オン源7に到達した上記試料は、コネクタ8を経て金属
管9に導入される。金属管9と、この金属管9に対向し
て配置された電極10との間に、高圧電源11によって
数キロボルトの高電圧を印加すると、金属管9の末端か
ら対向電極10方向に静電噴霧が発生する。この際、安
定に静電噴霧を持続できる溶液流量は毎分数マイクロリ
ットル程度であるが、液体クロマトグラフ1からイオン
源7に送られてくる溶液流量は毎分1ミリリットル程度
である。そこで、ガス供給管12から供給される噴霧用
ガス13を金属管9の外部から流し、ガスによって静電
噴霧を補助する。静電噴霧によって生成された液滴中に
は、試料分子に関するイオンが含まれているので、この
液滴を乾燥させることによりガス状のイオンが得られ
る。
【0006】このようにして生成されたイオンは、対向
電極10に開口するイオン導入細孔14a、排気系15
aによって排気された差動排気部16およびイオン導入
細孔14bを介して、排気系15bによって排気された
真空部17内に導入される。真空部17に導入されたイ
オンは、電極18a、18b、18cから構成されたイ
オン集束レンズによって収束された後、イオントラップ
型の質量分析部に導入される。ゲート電極21は、イオ
ントラップ質量分析部へのイオンの入射を制御するため
に設けられている。
電極10に開口するイオン導入細孔14a、排気系15
aによって排気された差動排気部16およびイオン導入
細孔14bを介して、排気系15bによって排気された
真空部17内に導入される。真空部17に導入されたイ
オンは、電極18a、18b、18cから構成されたイ
オン集束レンズによって収束された後、イオントラップ
型の質量分析部に導入される。ゲート電極21は、イオ
ントラップ質量分析部へのイオンの入射を制御するため
に設けられている。
【0007】上記イオントラップ型の質量分析部は、エ
ンドキャップ電極19a、19bおよびリング電極20
にから構成されている。また、図2は、リング電極20
に印加される高周波電圧の振幅およびゲート電極21に
印加される電圧の時間的な制御を、質量スペクトルを1
回取得する間だけ示す図である(図2のように、電極に
印加される電圧の時間的な関係を示す図を、以下、スキ
ャンファンクションと記す)。
ンドキャップ電極19a、19bおよびリング電極20
にから構成されている。また、図2は、リング電極20
に印加される高周波電圧の振幅およびゲート電極21に
印加される電圧の時間的な制御を、質量スペクトルを1
回取得する間だけ示す図である(図2のように、電極に
印加される電圧の時間的な関係を示す図を、以下、スキ
ャンファンクションと記す)。
【0008】まず、イオン蓄積区間101においては、
リング電極20に高周波電圧を印加して、リング電極2
0およびエンドキャップ電極19a、19bで囲まれた
空間にイオン閉じ込めのためのポテンシャルを形成す
る。この際、正イオンを分析する場合は、図2に示した
ように、イオンがゲート電圧21を通過できるよう、ゲ
ート電極21に印加する電圧を低下させる。真空部17
内に取り込まれたイオンは、集束レンズによって収束さ
れて、エンドキャップ電極19aの開口部からリング電
極20およびエンドキャップ電極19a、19bで囲ま
れた空間に入射する。
リング電極20に高周波電圧を印加して、リング電極2
0およびエンドキャップ電極19a、19bで囲まれた
空間にイオン閉じ込めのためのポテンシャルを形成す
る。この際、正イオンを分析する場合は、図2に示した
ように、イオンがゲート電圧21を通過できるよう、ゲ
ート電極21に印加する電圧を低下させる。真空部17
内に取り込まれたイオンは、集束レンズによって収束さ
れて、エンドキャップ電極19aの開口部からリング電
極20およびエンドキャップ電極19a、19bで囲ま
れた空間に入射する。
【0009】この空間にはヘリウムなどの衝突ガスが導
入されており、1mTorr程度の圧力に保たれている
ので、この空間内に入射したイオンは上記衝突ガス分子
と衝突してエネルギーを失い、リング電極20およびエ
ンドキャップ電極19a、19bで囲まれた空間に形成
された閉じ込めポテンシャルに閉じ込められる。
入されており、1mTorr程度の圧力に保たれている
ので、この空間内に入射したイオンは上記衝突ガス分子
と衝突してエネルギーを失い、リング電極20およびエ
ンドキャップ電極19a、19bで囲まれた空間に形成
された閉じ込めポテンシャルに閉じ込められる。
【0010】次に、スキャン区間102は、リング電極
20に印加される高周波電圧の振幅を順次高くして質量
走査を行う期間であり、同時に、ゲート電極21に印加
される電圧を高くして、イオンがゲート電極21を通過
できないようにする。リング電極20に印加される高周
波電圧の振幅を徐々に大きくすると、イオンの質量mを
イオンの電荷zで割った値(m/z)の小さいイオンか
ら順に軌道が不安定になり、エンドキャップ電極19
a、19bに設けられた開口部から質量分析部の外部に
排出される。排出されたイオンはイオン検出器22によ
って検出され、検出された信号は、信号ライン23を介
してデータ処理装置24に送られて処理される。
20に印加される高周波電圧の振幅を順次高くして質量
走査を行う期間であり、同時に、ゲート電極21に印加
される電圧を高くして、イオンがゲート電極21を通過
できないようにする。リング電極20に印加される高周
波電圧の振幅を徐々に大きくすると、イオンの質量mを
イオンの電荷zで割った値(m/z)の小さいイオンか
ら順に軌道が不安定になり、エンドキャップ電極19
a、19bに設けられた開口部から質量分析部の外部に
排出される。排出されたイオンはイオン検出器22によ
って検出され、検出された信号は、信号ライン23を介
してデータ処理装置24に送られて処理される。
【0011】スキャン区間102の終了後は、リング電
極20に印加された高周波電圧を切り、イオン閉じ込め
ポテンシャルを消失させて、質量分析部内に残留したイ
オンを除去する(残留イオン除去区間103)。このよ
うな一連の操作(イオン蓄積101、スキャン102、
残留イオン除去103)を繰り返し行うことにより、液
体クロマトグラフ1から順に送られてくる試料を質量分
析することができる。
極20に印加された高周波電圧を切り、イオン閉じ込め
ポテンシャルを消失させて、質量分析部内に残留したイ
オンを除去する(残留イオン除去区間103)。このよ
うな一連の操作(イオン蓄積101、スキャン102、
残留イオン除去103)を繰り返し行うことにより、液
体クロマトグラフ1から順に送られてくる試料を質量分
析することができる。
【0012】なお、図1には記載されていないが、液体
クロマトグラフ1、イオン源7およびイオントラップ質
量分析部は、制御部(制御用電源、制御回路や制御ソフ
トなどを含む)によって制御される。
クロマトグラフ1、イオン源7およびイオントラップ質
量分析部は、制御部(制御用電源、制御回路や制御ソフ
トなどを含む)によって制御される。
【0013】上記静電噴霧法およびイオントラップ型質
量分析部を有する質量分析計は、例えばAnalytical Che
mistry(アナリティカル・ケミストリー)1991年、
63巻、375頁に開示されている。また、イオントラ
ップ質量分析部の動作原理については、米国特許公報
4,540,884号などに開示されている。
量分析部を有する質量分析計は、例えばAnalytical Che
mistry(アナリティカル・ケミストリー)1991年、
63巻、375頁に開示されている。また、イオントラ
ップ質量分析部の動作原理については、米国特許公報
4,540,884号などに開示されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】質量分析計を用いてマ
ススペクトルを得る場合、スペクトル上に現われる試料
イオンのm/z(mはイオンの分子量、Zはイオンの価
数)を正確に決定しなければならない。そのため、現在
の質量分析計にはマスマーカーと呼ばれる物差し(指
標)があり、このマスマーカーを読みとることによって
イオンのm/zを求めている。しかし、このマスマーカ
ーは、常に正しい値を表示しているとは限らないので、
マスマーカーが正しいか否か、時折確認しなければなら
ない。マスマーカーが正しくない場合は、マスマーカー
の補正、いわゆるマスキャリブレーションが必要にな
る。
ススペクトルを得る場合、スペクトル上に現われる試料
イオンのm/z(mはイオンの分子量、Zはイオンの価
数)を正確に決定しなければならない。そのため、現在
の質量分析計にはマスマーカーと呼ばれる物差し(指
標)があり、このマスマーカーを読みとることによって
イオンのm/zを求めている。しかし、このマスマーカ
ーは、常に正しい値を表示しているとは限らないので、
マスマーカーが正しいか否か、時折確認しなければなら
ない。マスマーカーが正しくない場合は、マスマーカー
の補正、いわゆるマスキャリブレーションが必要にな
る。
【0015】マスマーカーの補正は、生成されるイオン
のm/zが既知である物質(標準試料)のイオン強度の
ピークの位置を測定し、そのイオンが所定のm/zの位
置に検出されるよう調整することによって行われる。標
準試料としては、HO−(CH2−CH2−O)n−H
(ここで、nは任意の整数)という分子構造を有するポ
リエチレングリコールが一般に用いられている。
のm/zが既知である物質(標準試料)のイオン強度の
ピークの位置を測定し、そのイオンが所定のm/zの位
置に検出されるよう調整することによって行われる。標
準試料としては、HO−(CH2−CH2−O)n−H
(ここで、nは任意の整数)という分子構造を有するポ
リエチレングリコールが一般に用いられている。
【0016】静電噴霧法によってポリエチレングリコー
ルをイオン化すると、物質にプロトンが付加した擬分子
イオンが強く観測される。図3は、平均分子量がそれぞ
れ200および600である市販のポリエチレングリコ
ールを混合して、標準試料として用いた場合の質量スペ
クトルを示す。図3から明らかなように、ポリエチレン
グリコールを用いると、分子量で約44づつ離れた位置
に、複数のピークが観測される。従って、上記混合した
ポリエチレングリコールを標準試料として用いることに
よって、広範囲のマスマーカーを補正することができ
る。
ルをイオン化すると、物質にプロトンが付加した擬分子
イオンが強く観測される。図3は、平均分子量がそれぞ
れ200および600である市販のポリエチレングリコ
ールを混合して、標準試料として用いた場合の質量スペ
クトルを示す。図3から明らかなように、ポリエチレン
グリコールを用いると、分子量で約44づつ離れた位置
に、複数のピークが観測される。従って、上記混合した
ポリエチレングリコールを標準試料として用いることに
よって、広範囲のマスマーカーを補正することができ
る。
【0017】また、特開平3−116646には、水の
クラスターイオンを標準試料として用いてマスマーカー
の補正を行う方法が開示されている。
クラスターイオンを標準試料として用いてマスマーカー
の補正を行う方法が開示されている。
【0018】しかし、本発明者の検討によれば、イオン
トラップ型の質量分析部を有する質量分析計では、上記
ポリエチレングリコールを標準試料として用いると、下
記問題が発生することが明らかになった。すなわち、イ
オントラップ型の質量分析部に蓄積できるイオンの数は
少ないので、限界を超えたイオンが蓄積されると、多量
のイオンを蓄積して密度が大きくなったことによって生
じた多量の空間電荷によるクーロン反撥力によって、質
量分析部内の電界が歪められ、質量分解能の低下や観測
されるm/z値のずれ(これをマスシフトと呼ぶ)など
の性能低下が起こる。従って、高濃度のポリエチレング
リコールを標準試料としてマスマーカーの補正を行なう
と、分子量で約44づつ離れた位置に多種類のイオンが
生成されるため、しばしば限界以上のイオンが質量分析
部内に蓄積されてしまう。
トラップ型の質量分析部を有する質量分析計では、上記
ポリエチレングリコールを標準試料として用いると、下
記問題が発生することが明らかになった。すなわち、イ
オントラップ型の質量分析部に蓄積できるイオンの数は
少ないので、限界を超えたイオンが蓄積されると、多量
のイオンを蓄積して密度が大きくなったことによって生
じた多量の空間電荷によるクーロン反撥力によって、質
量分析部内の電界が歪められ、質量分解能の低下や観測
されるm/z値のずれ(これをマスシフトと呼ぶ)など
の性能低下が起こる。従って、高濃度のポリエチレング
リコールを標準試料としてマスマーカーの補正を行なう
と、分子量で約44づつ離れた位置に多種類のイオンが
生成されるため、しばしば限界以上のイオンが質量分析
部内に蓄積されてしまう。
【0019】分解能が低下したり、マスシフトが起きて
いる状態では、マスマーカーを正確に補正できないこと
はいうまでもない。また、上記クーロン反撥力を弱くす
るために濃度が薄い試料を用いてマスマーカーの補正を
行なうと、分解能の低下やマスシフトは避けることがで
きるが、イオン強度が弱いのでピーク位置におけるカウ
ント数が少なくなってピーク位置を正確に決定できなく
なり、正確な補正はやはり困難である。
いる状態では、マスマーカーを正確に補正できないこと
はいうまでもない。また、上記クーロン反撥力を弱くす
るために濃度が薄い試料を用いてマスマーカーの補正を
行なうと、分解能の低下やマスシフトは避けることがで
きるが、イオン強度が弱いのでピーク位置におけるカウ
ント数が少なくなってピーク位置を正確に決定できなく
なり、正確な補正はやはり困難である。
【0020】また、標準物質としては、生成されるイオ
ンのm/zが既知であれば、どのような物質を用いても
良い。しかし、一般には一種類の物質は主として一種類
のイオンを生成するので、広いm/z領域でマスマーカ
ーを補正する場合には、多種類の試料を準備しなければ
ならず、操作が煩雑である。
ンのm/zが既知であれば、どのような物質を用いても
良い。しかし、一般には一種類の物質は主として一種類
のイオンを生成するので、広いm/z領域でマスマーカ
ーを補正する場合には、多種類の試料を準備しなければ
ならず、操作が煩雑である。
【0021】本発明の目的は、上記問題を解決し、イオ
ントラップ型の質量分析部を有する質量分析計におい
て、広いm/z範囲のマスマーカーを容易に補正するこ
とができる、マスマーカーの補正方法を提供することで
ある。
ントラップ型の質量分析部を有する質量分析計におい
て、広いm/z範囲のマスマーカーを容易に補正するこ
とができる、マスマーカーの補正方法を提供することで
ある。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明のマスマーカーの補正方法は、分子量mと価数
zの比m/zが既知である物質のイオンを質量走査し
て、得られた上記イオンのイオン強度のピークの位置と
上記m/zを用いて、イオントラップ型質量分析計のマ
スマーカーの補正を行う方法であって、上記質量分析部
に蓄積されたイオンの量を、上記質量走査を行うに先立
って減少させることを特徴とする。
の本発明のマスマーカーの補正方法は、分子量mと価数
zの比m/zが既知である物質のイオンを質量走査し
て、得られた上記イオンのイオン強度のピークの位置と
上記m/zを用いて、イオントラップ型質量分析計のマ
スマーカーの補正を行う方法であって、上記質量分析部
に蓄積されたイオンの量を、上記質量走査を行うに先立
って減少させることを特徴とする。
【0023】すなわち、例えば、生成されるイオンのm
/zが152.0であることが予め明らかである標準試
料を用いて、マスマーカーの補正を行う場合、初期状態
において、図4(a)に示したように、上記標準試料に
よるイオンのm/zのピーク201の位置が152.5
と観測されたとすると、これは誤りである。したがっ
て、図4(b)に示したように、m/zのピーク201
の位置が152.0であるようにマスマーカー202を
補正しなければならない。
/zが152.0であることが予め明らかである標準試
料を用いて、マスマーカーの補正を行う場合、初期状態
において、図4(a)に示したように、上記標準試料に
よるイオンのm/zのピーク201の位置が152.5
と観測されたとすると、これは誤りである。したがっ
て、図4(b)に示したように、m/zのピーク201
の位置が152.0であるようにマスマーカー202を
補正しなければならない。
【0024】この例から明らかなように、マスマーカー
の補正を行う際には、限られた範囲内のマスマーカーを
データ処理装置のモニタ上に表示し、観測されたイオン
強度のピークの頂点が、所定の位置に表示されるように
マスマーカーを補正する。従って、着目している部分
(上記の例の場合はm/z=151〜153)以外のm
/zを有するイオンは補正に寄与しない。イオントラッ
プ型の質量分析部を有する質量分析計では、上記のよう
に、質量分析部に蓄積できるイオンの量が限られている
ので、マスマーカーの補正を行なう際に、このような補
正に寄与しないイオンを、質量分析部の外に排除するこ
とができれば、蓄積されたイオンによって生ずる空間電
荷に起因する性能の悪化を軽減することができる。
の補正を行う際には、限られた範囲内のマスマーカーを
データ処理装置のモニタ上に表示し、観測されたイオン
強度のピークの頂点が、所定の位置に表示されるように
マスマーカーを補正する。従って、着目している部分
(上記の例の場合はm/z=151〜153)以外のm
/zを有するイオンは補正に寄与しない。イオントラッ
プ型の質量分析部を有する質量分析計では、上記のよう
に、質量分析部に蓄積できるイオンの量が限られている
ので、マスマーカーの補正を行なう際に、このような補
正に寄与しないイオンを、質量分析部の外に排除するこ
とができれば、蓄積されたイオンによって生ずる空間電
荷に起因する性能の悪化を軽減することができる。
【0025】本発明は、図5に示したように、マスマー
カーの補正を行う際に、イオン蓄積区間101とスキャ
ン区間102との間に、不要イオンを排出するための不
要イオン排出区間104を設けて不要イオンをあらかじ
め排出することによって、精度の高い補正を行うことを
可能にしたものである。
カーの補正を行う際に、イオン蓄積区間101とスキャ
ン区間102との間に、不要イオンを排出するための不
要イオン排出区間104を設けて不要イオンをあらかじ
め排出することによって、精度の高い補正を行うことを
可能にしたものである。
【0026】実際にマスマーカーの補正を行う際には、
通常は、まず、広いm/z領域の質量スペクトルを確認
する。この段階では、図2に示した通常のスキャンファ
ンクションを用いる。次に、補正すべきm/zに出現す
るピークを拡大表示する。この際、図5に示したよう
に、不要イオン排出区間104において、着目している
ピーク以外のイオンの一部あるいは全部を排除する。こ
のようにすることにより、リング電極に印加された高周
波電圧の振幅を大きくして質量走査が行われるスキャン
区間102が開始される時点において、質量分析部の内
部に蓄積されているイオンの総量を減少させることがで
きるので、上記クーロン反撥力によるマスシフトや質量
分解能の低下やを避けることができ、マスマーカーを正
確に補正することが可能になった。
通常は、まず、広いm/z領域の質量スペクトルを確認
する。この段階では、図2に示した通常のスキャンファ
ンクションを用いる。次に、補正すべきm/zに出現す
るピークを拡大表示する。この際、図5に示したよう
に、不要イオン排出区間104において、着目している
ピーク以外のイオンの一部あるいは全部を排除する。こ
のようにすることにより、リング電極に印加された高周
波電圧の振幅を大きくして質量走査が行われるスキャン
区間102が開始される時点において、質量分析部の内
部に蓄積されているイオンの総量を減少させることがで
きるので、上記クーロン反撥力によるマスシフトや質量
分解能の低下やを避けることができ、マスマーカーを正
確に補正することが可能になった。
【0027】イオントラップ型質量分析部内の上記イオ
ンの量は、イオントラップ型質量分析部に互いに対向し
て設けられた一対のエンドッキャップ電極の間に、所定
の周波数成分を有さず、この所定の周波数成分とは異な
る所望の他の周波数成分を有するノイズを印加すること
によって、効果的に減少させることができる。このよう
なノイズは、米国特許公報第5,206,507号にFi
ltered Noise Fieldとして記載されているので、本明細
書ではFNFと略記する。FNFにおいて、所望の周波
数成分を有さないようにすること、および所望の他の周
波数成分を有するようにすることは、いずれも容易に行
うことができる。したがって、除去すべきイオンの種類
に応じて、最適な周波数成分を残し、不要な周波数成分
は含まれないようにすれば、除去すべきイオンを選択的
に除去して、m/zの測定に必要なイオンのみをイオン
トラップ質量分析部内に残すことができる。
ンの量は、イオントラップ型質量分析部に互いに対向し
て設けられた一対のエンドッキャップ電極の間に、所定
の周波数成分を有さず、この所定の周波数成分とは異な
る所望の他の周波数成分を有するノイズを印加すること
によって、効果的に減少させることができる。このよう
なノイズは、米国特許公報第5,206,507号にFi
ltered Noise Fieldとして記載されているので、本明細
書ではFNFと略記する。FNFにおいて、所望の周波
数成分を有さないようにすること、および所望の他の周
波数成分を有するようにすることは、いずれも容易に行
うことができる。したがって、除去すべきイオンの種類
に応じて、最適な周波数成分を残し、不要な周波数成分
は含まれないようにすれば、除去すべきイオンを選択的
に除去して、m/zの測定に必要なイオンのみをイオン
トラップ質量分析部内に残すことができる。
【0028】すなわち、イオントラップ質量分析部内に
蓄積されたイオンは、m/zに応じた固有周波数を有し
ている。従って、エンドキャップ電極19a、19b間
に上記固有周波数に等しい周波数を有する高周波電圧を
印加すれば、特定のm/zを有するイオンを共鳴させ
て、加速させることができる。エンドキャップ電極19
a、19bに印加する高周波電圧の振幅を所定の振幅に
調整することにより、上記特定のm/zを有するイオン
は選択的に排出される。エンドキャップ電極19a、1
9b間に、すべての周波数成分を有する電圧(白色ノイ
ズ)を印加すれば、原理的にはすべてのイオンが排出さ
れる。
蓄積されたイオンは、m/zに応じた固有周波数を有し
ている。従って、エンドキャップ電極19a、19b間
に上記固有周波数に等しい周波数を有する高周波電圧を
印加すれば、特定のm/zを有するイオンを共鳴させ
て、加速させることができる。エンドキャップ電極19
a、19bに印加する高周波電圧の振幅を所定の振幅に
調整することにより、上記特定のm/zを有するイオン
は選択的に排出される。エンドキャップ電極19a、1
9b間に、すべての周波数成分を有する電圧(白色ノイ
ズ)を印加すれば、原理的にはすべてのイオンが排出さ
れる。
【0029】上記イオンの量は、上記イオンを上記質量
分析部にいったん蓄積した後に減少させることができ
る。この場合、上記イオンが入射する側に配置された上
記エンドキャップ電極の有する凹部内に設けられたゲー
ト電極に印加される電圧は、上記イオンを上記質量分析
部に蓄積する間は低くしてイオンの流入を許し、上記イ
オンの量を減少させる間は高くしてイオンの流入を阻止
する。この際、上記エンドキャップ電極に印加される上
記FNFは、上記イオンを上記質量分析部に蓄積する間
は印加されず、上記イオンの量を減少させる間は所定の
振幅に保たれる。
分析部にいったん蓄積した後に減少させることができ
る。この場合、上記イオンが入射する側に配置された上
記エンドキャップ電極の有する凹部内に設けられたゲー
ト電極に印加される電圧は、上記イオンを上記質量分析
部に蓄積する間は低くしてイオンの流入を許し、上記イ
オンの量を減少させる間は高くしてイオンの流入を阻止
する。この際、上記エンドキャップ電極に印加される上
記FNFは、上記イオンを上記質量分析部に蓄積する間
は印加されず、上記イオンの量を減少させる間は所定の
振幅に保たれる。
【0030】また、上記イオンの量の減少を、上記イオ
ンの上記質量分析部への蓄積と同時に行うこともでき
る。この際、上記エンドキャップ電極に印加される上記
FNFは、上記イオンを上記質量分析部に蓄積する間、
所定の振幅に保たれる。このようにすることにより、不
要イオンは、イオンを蓄積する間においても除去される
ので、必ずしも不要イオン排出期間を設けなくてもよ
い。
ンの上記質量分析部への蓄積と同時に行うこともでき
る。この際、上記エンドキャップ電極に印加される上記
FNFは、上記イオンを上記質量分析部に蓄積する間、
所定の振幅に保たれる。このようにすることにより、不
要イオンは、イオンを蓄積する間においても除去される
ので、必ずしも不要イオン排出期間を設けなくてもよ
い。
【0031】また、本発明において、上記一対のエンド
キャップ電極の間には環状のリング電極が配置され、上
記イオンを上記質量分析部に蓄積する間および上記イオ
ンの量を減少させる間は、上記リング電極に一定の振幅
を有する高周波数電圧が印加される。これは、上記イオ
ンの蓄積と減少が同時に行われる場合および上記イオン
の蓄積の後にイオンの減少が行われる場合のいずれにも
共通している。
キャップ電極の間には環状のリング電極が配置され、上
記イオンを上記質量分析部に蓄積する間および上記イオ
ンの量を減少させる間は、上記リング電極に一定の振幅
を有する高周波数電圧が印加される。これは、上記イオ
ンの蓄積と減少が同時に行われる場合および上記イオン
の蓄積の後にイオンの減少が行われる場合のいずれにも
共通している。
【0032】さらに、上記m/zが既知である物質の所
望のイオンのイオン強度のピークの位置を含む上記m/
zの所定範囲内を拡大表示し、上記m/zが上記所定範
囲外であるイオンの一部または全部を排除することがで
きる。例えば補正に必要なm/zが239.1である場
合、m/zが234〜244の範囲を拡大表示し、この
範囲外のイオンは排出する。このようにすることによっ
て、空間電荷による影響を防止し、高い精度でマスマー
カーの補正を行うことができる。
望のイオンのイオン強度のピークの位置を含む上記m/
zの所定範囲内を拡大表示し、上記m/zが上記所定範
囲外であるイオンの一部または全部を排除することがで
きる。例えば補正に必要なm/zが239.1である場
合、m/zが234〜244の範囲を拡大表示し、この
範囲外のイオンは排出する。このようにすることによっ
て、空間電荷による影響を防止し、高い精度でマスマー
カーの補正を行うことができる。
【0033】
【発明の実施の形態】本発明はLC/MSのみではな
く、イオントラップ型の質量分析部を有する質量分析計
であれば、例えば、分離手段としてキャピラリー電気泳
動を用いたキャピラリー電気泳動/質量分析計や、溶液
中の試料をプラズマによってイオン化し、生成したイオ
ンを質量分析するプラズマ質量分析計など、LC/MS
以外の質量分析計に適用することができる。
く、イオントラップ型の質量分析部を有する質量分析計
であれば、例えば、分離手段としてキャピラリー電気泳
動を用いたキャピラリー電気泳動/質量分析計や、溶液
中の試料をプラズマによってイオン化し、生成したイオ
ンを質量分析するプラズマ質量分析計など、LC/MS
以外の質量分析計に適用することができる。
【0034】溶液中の試料分子をイオン化するには、例
えば、静電噴霧減少を利用したエレクトロスプレー法、
コロナ放電を利用した大気圧イオン化法および高速のガ
ス流を利用したソニックスプレーイオン化法など、他の
大気圧イオン化法を用いることができる。
えば、静電噴霧減少を利用したエレクトロスプレー法、
コロナ放電を利用した大気圧イオン化法および高速のガ
ス流を利用したソニックスプレーイオン化法など、他の
大気圧イオン化法を用いることができる。
【0035】また、上記不要イオンを除去するために
は、FNFが実用上は最も有用であるが、FNF以外に
も、例えば、リング電極に印加する直流および高周波電
圧を調節して、不要イオンを排出する方法などを用いる
ことも可能である。
は、FNFが実用上は最も有用であるが、FNF以外に
も、例えば、リング電極に印加する直流および高周波電
圧を調節して、不要イオンを排出する方法などを用いる
ことも可能である。
【0036】
〈実施例1〉本発明において、上記不要イオン排出区間
における不要イオンの排出には種々な方法を使用できる
が、本実施例は、上記FNFを用いて不要イオンの排出
を行った例である。
における不要イオンの排出には種々な方法を使用できる
が、本実施例は、上記FNFを用いて不要イオンの排出
を行った例である。
【0037】上記のように、エンドキャップ電極19
a、19b間に、排出すべきイオンの固有周波数に等し
い周波数を印加すれば、特定のm/zを有するイオンを
共鳴させ、加速させることができる。しやがって、エン
ドキャップ電極19a、19bに印加するFNFの周波
数と振幅を調整することにより、上記特定のm/zを有
するイオンは選択的に排出される。
a、19b間に、排出すべきイオンの固有周波数に等し
い周波数を印加すれば、特定のm/zを有するイオンを
共鳴させ、加速させることができる。しやがって、エン
ドキャップ電極19a、19bに印加するFNFの周波
数と振幅を調整することにより、上記特定のm/zを有
するイオンは選択的に排出される。
【0038】FNFを使用する場合に、エンドキャップ
電極19a、19b間に印加するFNFの周波数を図6
に示した。標準試料によって得られたイオンの固有周波
数をf0とすると、本来はf0を含まない波形を印加すれ
ばよいのであるが、実際にはイオントラップ質量分析部
内にはヘリウムなどの衝突ガスが導入されており、衝突
によってイオンは理想的な軌道から乱されるので、固有
周波数を厳密に定義することは困難である。従って、本
実施例では、FNFから除去される周波数は、図6に示
したように上記固定周波数f0に幅Δfを持たせて設定
した。
電極19a、19b間に印加するFNFの周波数を図6
に示した。標準試料によって得られたイオンの固有周波
数をf0とすると、本来はf0を含まない波形を印加すれ
ばよいのであるが、実際にはイオントラップ質量分析部
内にはヘリウムなどの衝突ガスが導入されており、衝突
によってイオンは理想的な軌道から乱されるので、固有
周波数を厳密に定義することは困難である。従って、本
実施例では、FNFから除去される周波数は、図6に示
したように上記固定周波数f0に幅Δfを持たせて設定
した。
【0039】FNFを用いて不要イオンを除去する本実
施例のスキャンファンクションを図7に示した。図7か
ら明らかなように、本実施例では、イオン蓄積区間10
1においてイオントラップ質量分析部にイオンを蓄積し
た後、それに続く不要イオン排出区間104において、
エンドキャップ電極にFNFを印加して、不要イオンの
除去を行った。
施例のスキャンファンクションを図7に示した。図7か
ら明らかなように、本実施例では、イオン蓄積区間10
1においてイオントラップ質量分析部にイオンを蓄積し
た後、それに続く不要イオン排出区間104において、
エンドキャップ電極にFNFを印加して、不要イオンの
除去を行った。
【0040】すなわち、標準物質としてm/zが23
9.1である(HO−(CH2−CH2O)5−H)H+を
用い、イオン蓄積区間101においては、ゲート電極の
電圧は−120V、エンドキャップ電極にはFNFは印
加せずとし、不要イオン排出区間104においては、ゲ
ート電極の電圧は120Vに上昇させてイオンの流入を
遮断するとともに、エンドキャップ電極には振幅0.1
VのFNFを印加した。また、イオン蓄積区間101お
よび不要イオン排出区間104のいずれにおいても、リ
ング電極には高周波電圧を印加した。スキャン期間10
2では、FNFはオフとした。
9.1である(HO−(CH2−CH2O)5−H)H+を
用い、イオン蓄積区間101においては、ゲート電極の
電圧は−120V、エンドキャップ電極にはFNFは印
加せずとし、不要イオン排出区間104においては、ゲ
ート電極の電圧は120Vに上昇させてイオンの流入を
遮断するとともに、エンドキャップ電極には振幅0.1
VのFNFを印加した。また、イオン蓄積区間101お
よび不要イオン排出区間104のいずれにおいても、リ
ング電極には高周波電圧を印加した。スキャン期間10
2では、FNFはオフとした。
【0041】その結果、m/zが239.1の位置に十
分高いイオン強度のピークが得られ、高い精度でマスマ
ーカーが補正できることが確認された。
分高いイオン強度のピークが得られ、高い精度でマスマ
ーカーが補正できることが確認された。
【0042】〈実施例2〉本実施例は、イオン蓄積区間
101とイオン排出期間104が同じである例である。
すなわち、図8に示したように、イオントラップ型の質
量分析部に蓄積される不要イオンの量を減らすために、
イオン蓄積区間101においてFNFをリング電極に印
加し、イオン蓄積と不要イオン除去を同時に行った。こ
の場合、不要イオンはいったん質量分析部に蓄積される
が、FNFの効果によって徐々に排出され、スキャン区
間102の開始時には不要イオンの量を所定量まで減少
させることができた。
101とイオン排出期間104が同じである例である。
すなわち、図8に示したように、イオントラップ型の質
量分析部に蓄積される不要イオンの量を減らすために、
イオン蓄積区間101においてFNFをリング電極に印
加し、イオン蓄積と不要イオン除去を同時に行った。こ
の場合、不要イオンはいったん質量分析部に蓄積される
が、FNFの効果によって徐々に排出され、スキャン区
間102の開始時には不要イオンの量を所定量まで減少
させることができた。
【0043】本実施例では、標準物質としてm/zが5
03.3である(HO−(CH2CH2O)11−H)H+
を用い、イオン蓄積区間101および不要イオン排出期
間104は同時であり、ゲート電極に電圧を印加すると
同時に、エンドキャップ電極にはFNFを印加した。ゲ
ート電極の電圧は−120V、エンドキャップ電極に印
加したFNFの振幅は0.05Vとした。
03.3である(HO−(CH2CH2O)11−H)H+
を用い、イオン蓄積区間101および不要イオン排出期
間104は同時であり、ゲート電極に電圧を印加すると
同時に、エンドキャップ電極にはFNFを印加した。ゲ
ート電極の電圧は−120V、エンドキャップ電極に印
加したFNFの振幅は0.05Vとした。
【0044】その結果、上記実施例1と同様に、m/z
が503.3の位置に十分高いイオン強度のピークが得
られ、高い精度でマスマーカーが補正できることが確認
された。
が503.3の位置に十分高いイオン強度のピークが得
られ、高い精度でマスマーカーが補正できることが確認
された。
【0045】〈実施例3〉本実施例は、マスマーカー補
正用の標準試料として、高濃度のポリエチレングリコー
ルを使用して、多種類の標準試料を準備しなくても、広
い範囲のマスマーカーを補正できるようにした例であ
る。また、高濃度の標準試料を用いるので、着目するピ
ークの強度を十分に高くすることができ、さらに、着目
していないイオンが排除されるので空間電荷の影響が軽
減される。そのため、m/z範囲が広いマスマーカーを
簡便に、かつ実用上十分な精度で補正することができ
る。
正用の標準試料として、高濃度のポリエチレングリコー
ルを使用して、多種類の標準試料を準備しなくても、広
い範囲のマスマーカーを補正できるようにした例であ
る。また、高濃度の標準試料を用いるので、着目するピ
ークの強度を十分に高くすることができ、さらに、着目
していないイオンが排除されるので空間電荷の影響が軽
減される。そのため、m/z範囲が広いマスマーカーを
簡便に、かつ実用上十分な精度で補正することができ
る。
【0046】上記スキャンファンクションのイオン蓄積
区間101においては、イオンはイオントラップ質量分
析部に蓄積される。その後、スキャン(リング電極に印
加された高周波の振幅を高くする)を行うと、図3に示
したように、多くのイオン種が観測された。
区間101においては、イオンはイオントラップ質量分
析部に蓄積される。その後、スキャン(リング電極に印
加された高周波の振幅を高くする)を行うと、図3に示
したように、多くのイオン種が観測された。
【0047】本実施例では、m/z=239.1である
(HO−(CH2−CH2−O)5−H)H+のイオンを用
いてマスマーカーの補正を行ったが、図9(a)に示し
たように、マスマーカー202の設定において、ピーク
201のマスマーカー239を含む234から244ま
でを拡大表示した場合、図5に示したスキャンファンク
ションを用いて、不要イオン排出区間104を設ける
と、m/zが234以下および244以上のイオンの一
部または全部が排出された。
(HO−(CH2−CH2−O)5−H)H+のイオンを用
いてマスマーカーの補正を行ったが、図9(a)に示し
たように、マスマーカー202の設定において、ピーク
201のマスマーカー239を含む234から244ま
でを拡大表示した場合、図5に示したスキャンファンク
ションを用いて、不要イオン排出区間104を設ける
と、m/zが234以下および244以上のイオンの一
部または全部が排出された。
【0048】図9(b)は、不要イオン排出区間104
の後に、m/zの全域をスキャンして得られる質量スペ
クトルを示す。m/z=239.1の位置にイオン強度
の鋭いピークが生じ、補正に必要なm/z=239.1
のイオン以外のイオンは排出されていることが確認され
た。
の後に、m/zの全域をスキャンして得られる質量スペ
クトルを示す。m/z=239.1の位置にイオン強度
の鋭いピークが生じ、補正に必要なm/z=239.1
のイオン以外のイオンは排出されていることが確認され
た。
【0049】すなわち、図5に示したマスマーカー補正
のためのスキャンファンクションにおいて、スキャン区
間102の前の区間(不要イオン排出区間104)にお
いて、不要イオンが排出されているので、空間電荷によ
る影響を受けずに精度良くマスマーカーの補正を行うこ
とができた。
のためのスキャンファンクションにおいて、スキャン区
間102の前の区間(不要イオン排出区間104)にお
いて、不要イオンが排出されているので、空間電荷によ
る影響を受けずに精度良くマスマーカーの補正を行うこ
とができた。
【0050】引き続いて、他のm/zを補正する場合、
例えば、m/z=503.3である(HO−(CH2−
CH2−O)11−H)H+を用いてマスマーカーを補正す
る場合は、図10に示したように、上記m/z=23
9.1の場合と同様に、ピーク近傍の所望の区間を拡大
表示し、このイオン以外が排出されるように不要イオン
排出の設定を変えればよい。このような操作を繰り返
し、ポリエチレングリコールを標準試料として得られる
任意のスペクトルを用いてマスマーカーの補正を行うこ
とができた。ポリエチレングリコールは、m/z約44
づつ離れた複数のピークを与えるので、多種類の試料を
準備することなく、簡便に広い領域のマスマーカーを補
正できた。
例えば、m/z=503.3である(HO−(CH2−
CH2−O)11−H)H+を用いてマスマーカーを補正す
る場合は、図10に示したように、上記m/z=23
9.1の場合と同様に、ピーク近傍の所望の区間を拡大
表示し、このイオン以外が排出されるように不要イオン
排出の設定を変えればよい。このような操作を繰り返
し、ポリエチレングリコールを標準試料として得られる
任意のスペクトルを用いてマスマーカーの補正を行うこ
とができた。ポリエチレングリコールは、m/z約44
づつ離れた複数のピークを与えるので、多種類の試料を
準備することなく、簡便に広い領域のマスマーカーを補
正できた。
【0051】〈実施例4〉上記実施例3では、マスマー
カーを補正する場合に、拡大表示される部分に現れるピ
ークのみを残し、他のイオン種はすべて排出した。しか
し、実施例3において、ポリエチレングリコールに由来
する多数のイオン種の中で、マスマーカーの補正に用い
る複数種類のイオンが予め明らかな場合は、図11に示
したように、複数種類のイオンをイオントラップ質量分
析部内に残すように、スキャンファンクションの不要イ
オン排出区間104において使用されるFNFの周波数
を設定してもよい。
カーを補正する場合に、拡大表示される部分に現れるピ
ークのみを残し、他のイオン種はすべて排出した。しか
し、実施例3において、ポリエチレングリコールに由来
する多数のイオン種の中で、マスマーカーの補正に用い
る複数種類のイオンが予め明らかな場合は、図11に示
したように、複数種類のイオンをイオントラップ質量分
析部内に残すように、スキャンファンクションの不要イ
オン排出区間104において使用されるFNFの周波数
を設定してもよい。
【0052】図12は、図11に示したような3つのイ
オン種a、b、cをイオントラップ質量分析部内に残す
場合に使用するFNFの周波数を示す。イオン種a、
b、cの固有周波数をそれぞれfa0、fb0、fc0とし
た。このように、マスマーカーを補正する際に使用する
イオン種をあらかじめ決めておき、それに応じてFNF
を設定すれば、拡大表示したm/z部分に応じてFNF
の設定を変更しなくとも精度の良い補正を行うことがで
きた。なお、本実施例ではポリエチレングリコールを用
いた場合を示したポリエチレングリコール以外の物につ
いても、同様に処理できることはいうまでもない。
オン種a、b、cをイオントラップ質量分析部内に残す
場合に使用するFNFの周波数を示す。イオン種a、
b、cの固有周波数をそれぞれfa0、fb0、fc0とし
た。このように、マスマーカーを補正する際に使用する
イオン種をあらかじめ決めておき、それに応じてFNF
を設定すれば、拡大表示したm/z部分に応じてFNF
の設定を変更しなくとも精度の良い補正を行うことがで
きた。なお、本実施例ではポリエチレングリコールを用
いた場合を示したポリエチレングリコール以外の物につ
いても、同様に処理できることはいうまでもない。
【0053】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、本発明に
よれば、補正に寄与しない不要イオンをあらかじめ除去
した後にマスマーカーの補正が行われるので、精度の高
い補正を容易に行うことが可能である。
よれば、補正に寄与しない不要イオンをあらかじめ除去
した後にマスマーカーの補正が行われるので、精度の高
い補正を容易に行うことが可能である。
【図1】イオントラップ型の質量分析部を有するLC/
Msの構成を示す図。
Msの構成を示す図。
【図2】従来のスキャンファンクションを示す図。
【図3】ポリエチレングリコールの典型的な質量スペク
トルを示す図。
トルを示す図。
【図4】マスマーカーの補正方法を示す図。
【図5】本発明におけるスキャンファンクションを示す
図。
図。
【図6】本発明の第1の実施例を説明するための図。
【図7】本発明の第1の実施例を説明するための図。
【図8】本発明の第2の実施例を説明するための図。
【図9】本発明の第3の実施例を説明するための図。
【図10】本発明の第3の実施例を説明するための図。
【図11】本発明の第4の実施例を説明するための図。
【図12】本発明の第4の実施例を説明するための図。
1…液体クロマトグラフ、2…送液ポンプ、3…移動相
溶媒槽、4…サンプルインジェクタ、5…分離カラム、
6…配管、7…イオン源、8…コネクタ、9…金属管、
10…対向電極、11…電源、12…ガス供給管、13
…噴霧用ガス、14a、14b…イオン導入細孔、15
a、15b…排気系、16…差動排気部、17…高真空
部、18a、18b、18c…電極、19a、19b…
エンドキャップ電極、20…リング電極、21…リング
電極、22…検出器、23…信号ライン、24…データ
処理装置、101…イオン蓄積区間、102…スキャン
区間、103…残留イオン除去区間、104…不要イオ
ン排出区間、201…ピーク、202…マスマーカー。
溶媒槽、4…サンプルインジェクタ、5…分離カラム、
6…配管、7…イオン源、8…コネクタ、9…金属管、
10…対向電極、11…電源、12…ガス供給管、13
…噴霧用ガス、14a、14b…イオン導入細孔、15
a、15b…排気系、16…差動排気部、17…高真空
部、18a、18b、18c…電極、19a、19b…
エンドキャップ電極、20…リング電極、21…リング
電極、22…検出器、23…信号ライン、24…データ
処理装置、101…イオン蓄積区間、102…スキャン
区間、103…残留イオン除去区間、104…不要イオ
ン排出区間、201…ピーク、202…マスマーカー。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 雄一郎 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】分子量mと価数zの比m/zが既知である
物質のイオンを質量走査して、得られた上記イオンのイ
オン強度のピークの位置と上記m/zを用いて、イオン
トラップ型質量分析計のマスマーカーの補正を行う方法
であって、上記質量分析部に蓄積されたイオンの量を、
上記質量走査を行うに先立って減少させることを特徴と
するマスマーカーの補正方法。 - 【請求項2】上記イオンの量は、上記質量分析部に互い
に対向して設けられた一対のエンドッキャップ電極の間
に、所定の周波数成分を有さず、当該所定の周波数成分
とは異なる他の所定の周波数成分を有するノイズを印加
することによって減少されることを特徴とする請求項1
に記載のマスマーカーの補正方法。 - 【請求項3】上記イオンの量は、上記イオンを上記質量
分析部に蓄積された後に減少されることを特徴とする請
求項1若しくは2に記載のマスマーカーの補正方法。 - 【請求項4】上記イオンが入射する側に配置された上記
エンドキャップ電極の有する凹部内にはゲート電極が配
置され、当該ゲート電極に印加される電圧は、上記イオ
ンを上記質量分析部に蓄積する間は低く、上記イオンの
量を減少させる間は高く保たれることを特徴とする請求
項3に記載のマスマーカーの補正方法。 - 【請求項5】上記エンドキャップ電極に印加される上記
ノイズの振幅は、上記上記イオンを上記質量分析部に蓄
積する間は低く、上記イオンの量を減少させる間は高く
保たれることを特徴とする請求項3若しくは4に記載の
マスマーカーの補正方法。 - 【請求項6】上記イオンの量の減少は、上記イオンの上
記質量分析部への蓄積と同時に行われることを特徴とす
る請求項1若しくは2に記載のマスマーカーの補正方
法。 - 【請求項7】上記イオンが入射する側に配置された上記
エンドキャップ電極の有する凹部内にはゲート電極が配
置され、当該ゲート電極に印加される電圧は、上記上記
イオンを上記質量分析部に蓄積する間および上記イオン
の量を減少させる間は一定に保たれることを特徴とする
請求項6に記載のマスマーカーの補正方法。 - 【請求項8】上記エンドキャップ電極に印加される上記
ノイズの振幅は、上記上記イオンを上記質量分析部に蓄
積する間および上記イオンの量を減少させる間は高く保
たれることを特徴とする請求項6若しくは7に記載のマ
スマーカーの補正方法。 - 【請求項9】上記一対のエンドキャップ電極の間には環
状のリング電極が配置され、上記上記イオンを上記質量
分析部に蓄積する間および上記イオンの量を減少させる
間は、上記リング電極に一定の振幅を有する高周波数電
力が印加されることを特徴とする請求項2から8のいず
れか一に記載のマスマーカーの補正方法。 - 【請求項10】上記m/zが既知である物質の所望のイ
オンのイオン強度のピークの位置を含む上記m/zの所
定範囲内を拡大表示し、上記m/zが当該所定範囲外で
あるイオンを排除することを特徴とする請求項1から9
のいずれか一に記載のマスマーカーの補正方法。
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