JP2014059964A - 質量分析システム及び方法 - Google Patents

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    • H01J49/4265Controlling the number of trapped ions; preventing space charge effects

Abstract

【課題】空間電荷効果の補正結果の信頼度を正確に評価することができる質量分析システムを提供する。
【解決手段】質量分析システムに、質量スペクトルに基づいて空間電荷効果を補正し、補正後スペクトルとして出力する空間電荷効果補正部202と、質量スペクトルに基づいて、補正をした場合の信頼度を算出する補正信頼度算出部203とを設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、質量分析システム及び方法に関する。
現在、質量分析法を用いて試料の分子量を正確に計測するシステム(以下「質量分析システム」という)が、様々な用途で用いられている。質量分析システムの背景技術を記述する文献には、例えば特許文献1がある。特許文献1には、「A mass spectrometer is disclosed wherein the experimentally determined mass to charge ratios of ions are reported together with an error band for each mass to charge ratio determination. The error band may, for example, reflect a 95% probability or confidence that the real, true, actual or accepted mass to charge ratio of the ion lies within the error band. By accurately determining the error band the possible candidate ions in a database can be accurately restricted whilst also guarding against over restriction.」との記載が認められる。
米国特許出願公開第2005/0023454号明細書 特開2011−23184号公報
質量分析に影響を与える現象に「空間電荷効果」がある。「空間電荷効果」とは、質量分析計に導入されるイオン量に依存して出現する現象であり、具体的には計測されたスペクトルの質量軸をずらすように作用する現象をいう。ただし、現在のところ、測定結果に含まれる空間電荷効果の補正結果の信頼度を評価して提示する技術は知られていない。例えば前述した特許文献1には、イオン強度に基づいてピーク位置の推定値に含まれるぶれ量の大きさを推定し、その推定値を表示する質量分析計が開示されているが、空間電荷効果の補正結果の信頼度を評価する方法も評価結果を提示する方法も開示されていない。
上記課題を解決するために、本発明は、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本明細書には、上記課題を解決する手段が複数含まれているが、その一例を挙げるならば、質量スペクトルに基づいて空間電荷効果を補正し、補正後スペクトルとして出力する空間電荷効果補正部と、質量スペクトルに基づいて、前記補正をした場合の信頼度を算出する補正信頼度算出部とを有する質量分析システムである。
本発明によれば、質量分析システムは、質量スペクトルに基づいて空間電荷効果を補正した場合の信頼度を算出することができる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の説明により明らかにされる。
実施例に係る質量分析システムの構成例を示す図。 実施例に係る質量分析システムの機能構成例を示す図。 測定シーケンスの一例を示す図。 実施例に係る質量分析システムにおける質量分析処理手順を示すフローチャート。 本実施例に係るユーザインタフェース画面例を示す図。 本実施例に係るユーザインタフェース画面例を示す図。 本実施例に係るユーザインタフェース画面例を示す図。 本実施例に係るユーザインタフェース画面例を示す図。 本実施例に係るユーザインタフェース画面例を示す図。 補正信頼度の判定閾値の設定に用いるユーザインタフェース画面例を示す図。 補正信頼度の判定閾値の設定に用いるユーザインタフェース画面例を示す図。 本実施例による起動処理の詳細を説明する図。 本実施例による待機処理の詳細を説明する図。 本実施例による測定シーケンス決定処理の詳細を説明する図。 本実施例による補正信頼度算出処理の詳細を説明する図。 スペクトルの半値全幅を説明する図。 本実施例による空間電荷効果補正処理の詳細を説明する図。 本実施例による結果出力処理の詳細を説明する図。 格納時のデータ構造例を示す図。 本実施例による測定停止処理の詳細を説明する図。 本実施例によるエラー処理の詳細を説明する図。 イオン濃度が0.02ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が0.05ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が0.1ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が0.2ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が0.5ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が0.8ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 イオン濃度が1ppmの場合に測定される上側強度積算値とピーク位置の相関関係を説明する図。 半値全幅と濃度との関係を説明する図。 本実施例による補正信頼度算出処理の他の詳細例を説明する図。 本実施例による補正信頼度算出処理の他の詳細例を説明する図。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明の実施の形態は、後述する実施例に限定されるものではなく、その技術思想の範囲において、種々の変形が可能である。
[実施例1]
本実施例では、測定方法及び質量スペクトルの解釈方法を、イオン量に応じて最適化できる質量分析システムについて説明する。
(システム構成)
図1に、本実施例に係る質量分析システム100のハードウェア構成を示す。本実施例に係る質量分析システム100は、中央演算装置101、ユーザインタフェース部102、記憶媒体103、揮発性メモリ104、質量分析部110で構成される。因みに、中央演算装置101、ユーザインタフェース部102、記憶媒体103、揮発性メモリ104は、いわゆるコンピュータを構成する。
質量分析部110は、試料導入部111、イオン化部112、イオン輸送部113、イオントラップ114、検出器115、高周波電源116、真空ポンプ117〜119から構成される。真空ポンプ117〜119は、それぞれが接続される室の圧力(真空度)を適切な値に維持する。
試料導入部111は、試料を蒸気、霧状液滴又は微粒子の形態で導入し、導入された試料をイオン化部112に送る。イオン化部112は、イオン源において導入された試料をイオン化する。イオン化方法には、例えばエレクトロスプレーイオン化法、ソニックスプレーイオン化法などを用いる。生成されたイオンは、圧力差により生じたガス流に乗り、1つ目の室に輸送される。その後、イオンは、1つ目の室から2つ目の室に輸送される。この輸送もガス流により行われる。
2つ目の室内には、イオン輸送部113とイオントラップ114が設けられている。2つ目の室内において、イオンは、イオン輸送部113を介してイオントラップ114に輸送される。イオントラップ114には、例えば四重極イオントラップ、リニアトラップ等を使用する。
高周波電源116は、イオン輸送部113とイオントラップ114のそれぞれに高周波電圧を供給し、イオントラップ114にて所望のイオンをトラップする。中央演算装置101は、イオントラップ114に印加する高周波電圧を時間的に変化させることにより、イオンを質量対電荷比(m/z)に応じて異なる時刻に検出器115に輸送する。検出器115は、各時刻に到達したイオンの量を電圧値に変換し、電圧信号として中央演算装置101に送信する。
中央演算装置101は、時系列に与えられる電圧信号に対し、時刻をイオンのm/zに変換することにより、各m/zに対応するイオンの量を表わす強度の系列データ(以下「質量スペクトル」という)に置き換え、揮発性メモリ104に格納する。ここで、質量スペクトルは、要素数Mの配列形式X=(x_1, ..., x_M)として格納される。中央演算装置101は、揮発性メモリ104に格納した質量スペクトルに基づいて空間電荷効果の補正処理を実行する。この補正処理は、記憶媒体103に格納された推定プログラムに基づいて実行される。中央演算装置101は、空間電荷効果を補正した後のスペクトル(以下「補正後スペクトル」ともいう)を、ユーザインタフェース部102を通じてオペレータに提示する。ユーザインタフェース部102は、例えばタッチパネルを表示面に配置したモニタであってもよく、ネットワーク経由で接続された外部PCのモニタなどであってもよい。
(機能ブロック構成)
図2に、本実施例に係る質量分析システム100の機能ブロック構成を示す。図中、質量分析部110を除く機能ブロックの一部又は全部は、中央演算装置101で実行されるプログラムを通じて実現される。
操作入力部205は、オペレータの操作入力(例えば起動操作、測定開始操作)に対応する操作信号を測定制御部201に出力する。起動操作や測定開始操作は、例えばユーザインタフェース部102が有するボタンの押下として入力される。
測定制御部201は、起動操作や測定開始操作に対応する各操作信号の入力に応じ、起動処理や測定開始処理を実行し、質量分析部110の状態を制御する制御信号を出力する。また、測定制御部201は、システムの内部状態及び補正信頼度に応じ、質量分析部110を停止制御する制御信号及びエラー情報を出力する。ここで、エラー情報は、例えばエラーの種類を表す番号である。
また、測定制御部201は、補正信頼度に応じ、質量分析部110が次に実行する測定シーケンスを決定し、質量分析部110に出力する。ここで、測定シーケンスは、蓄積工程、排気待ち工程、質量スキャン工程、排除工程等において使用される、複数の電極に対する電圧の印加、バルブの開閉、検出器のオン/オフ等を制御する信号の時系列により構成される。測定シーケンスには、例えば特許文献2に開示されたものを使用する。なお、タンデム質量分析では、MS/MS(MS2)、MS/MS/MS(MS3)等のように測定処理が複数回実行される。その場合には、アイソレーション(単離)工程と解離工程が、前述の工程間に配置される。図3に、MS2に対応する測定シーケンスの例を示す。図3に示す測定シーケンス自体は一般的なものである。このため、測定シーケンスに際して実行されるバルブの開閉等の制御動作の詳細な説明は省略する。
図2の説明に戻る。質量分析部110は、測定制御部201から与えられた測定シーケンスに基づいて質量分析を実行する。前述したように、質量分析部110は、測定対象とする試料の質量スペクトルを測定して出力する。ここでの質量スペクトルは、空間電荷効果を含んでいる。以下、単に「質量スペクトル」というときは、空間電荷効果を補正する前のスペクトルを意味する。質量スペクトルの情報は、空間電荷効果補正部202と補正信頼度算出部203に出力される。
空間電荷効果補正部202は、質量スペクトルに基づいてその質量軸を補正し、補正後スペクトルZ=(z_1, ..., z_M)を出力する。ここで、空間電荷効果の補正方法は任意である。例えば本出願人と同一の出願人による特願2011−140089号と同じ技術(イオン強度の積算値に基づいて空間電荷効果を補正する方法)を採用しても良い。
補正信頼度算出部203は、質量スペクトルに基づいて空間電荷効果の補正結果の信頼度合の尺度である補正信頼度を算出し、算出された補正信頼度を出力する。補正信頼度は、測定制御部201と結果出力部204に出力される。
結果出力部204は、補正前の質量スペクトル、補正後の質量スペクトル、補正信頼度を記憶媒体103に格納し、更にユーザに提示する。提示方法には、例えばユーザインタフェース部102による画像情報の提示、点字ディスプレイによる提示、音声による提示、プリンタによる画像情報の印刷等がある。
(質量分析処理の概要)
図4に、本実施例に係る質量分析システム100で実行される質量分析処理を示す。まず、質量分析システム100は、操作入力部205を介して入力されるオペレータの起動操作に基づいて動作を開始し、測定制御部201が起動処理を実行する(ステップS401)。ここで、測定制御部201による起動処理の後、質量分析システム100は測定開始操作を受け付ける待機状態になる。
次のステップ402において、測定制御部201は待機処理を実行する。待機処理では、オペレータの操作入力の監視、装置状態の監視が実行される。
次のステップ403では、測定制御部201が、オペレータが測定開始操作を行ったか否かを判定する。測定開始操作が行われた場合、測定制御部201は、ステップS404以降の処理を実行する。測定開始操作が行われていない場合、測定制御部201は、ステップS402に戻る。
ステップS404では、測定制御部201が測定シーケンス決定処理を行う。測定開始直後の場合、測定制御部201は初期設定されている測定シーケンスを出力し、それ以外の場合、測定制御部201は補正信頼度に基づいて決定した測定シーケンスを出力する。
次のステップS405では、質量分析部110が質量分析処理を実行する。質量分析処理では、測定シーケンスに基づいた質量分析が実行され、質量スペクトルが取得される。
ステップS406では、補正信頼度算出部203が補正信頼度算出処理を実行する。補正信頼度算出処理では、質量スペクトルに基づいて補正信頼度が算出される。具体的な算出方法については後述する。
ステップS407では、空間電荷効果補正部202が空間電荷効果補正処理を実行する。空間電荷効果補正処理では、補正後スペクトルZ=(z_1, ..., z_M)が算出される。
ステップS408では、結果出力部204が結果出力処理を実行する。結果出力処理では、補正信頼度及び補正後スペクトルが出力される。
ステップS409では、測定制御部201が、測定開始からの経過時間が、予め設定された閾値TH_Cを超えているか否かを判定する。閾値TH_Cを超えている場合、測定制御部201は、ステップS412に進む。閾値TH_Cを超えていない場合、測定制御部201はステップS410に進み、補正信頼度が予め設定された閾値TH1を超えているか否かを判定する。閾値TH1を超えている場合、測定制御部201はステップS404に戻る。一方、閾値TH1を超えていない場合、測定制御部201はステップS411に進む。
ステップS411では、結果出力部204がエラー情報に基づいてエラー処理を行う。例えばエラー処理として測定停止命令が出力される。
ステップS412では、結果出力部204が測定停止処理を実行する。測定停止処理は、測定時間が所定時間が経過した場合にも、エラー処理が実行される場合にも行われる。
(ユーザインタフェース画面)
図5〜図9に、本実施例で使用するユーザインタフェース画面の一例を示す。ユーザインタフェース画面は、ユーザインタフェース部102に表示される。ユーザインタフェース画面は、操作入力部205に対応する起動及び測定開始ボタンの表示領域と、質量スペクトル、補正信頼度、質量スペクトルのピーク位置、補正後スペクトルのピーク位置を表示する表示領域とを有する。ここで、ピーク位置は、結果出力部204が算出し描画する。ピーク位置の算出には、例えば公知のセントロイド処理を使用する。また、後述するように、表示領域には、質量スペクトルに代えて補正後スペクトルを表示しても良いし、質量スペクトルと補正後スペクトルの両方を表示しても良い。
このように、本実施例の場合には、質量スペクトルの情報及び/又は補正後スペクトルの情報と補正信頼度とが同一画面上に表示される。このため、オペレータは、その表示画面より測定された質量スペクトルを適切に解釈することが可能になる。因みに、従来装置の場合、空間電荷効果の補正結果の信頼度を確認できないため、オペレータが解釈を誤る可能性があった。また、オペレータは、質量スペクトルの解釈の誤りに気付くこともできなかった。
以下、ユーザインタフェース画面の具体例について説明する。
図5と図6は、補正信頼度が高い場合(例では95%)に使用するユーザインタフェース画面の表示例である。表示されている補正信頼度が大きいほど、オペレータは補正後スペクトルのピーク位置を信用することができる。補正信頼度が高い場合、オペレータは、補正後スペクトルのピーク位置やその数値情報を確認することにより、試料内に或る成分が存在するかどうか(有無情報)、試料に含まれる成分の種別(定性情報)、試料に含まれる成分の濃度(定量情報)などを高い確度で推定することができる。
逆に、表示された補正信頼度が小さいほど、測定された質量スペクトル及び補正後スペクトルが信用できないことを意味する。この場合、オペレータは、補正後スペクトルから有無情報・定性情報・定量情報を読み取るべきではないと、補正信頼度の表示内容から判断することができる。またこの場合、オペレータは、過去に測定された複数の質量スペクトルの中から高い補正信頼度が表示された質量スペクトルを優先的に選択し、有無情報・定性情報・定量情報を推定することにより、より正確な情報を得ることができる。なお、このように補正後スペクトルの補正信頼度が低い場合、オペレータは、その対処方法として、イオン量に応じて適切な測定シーケンスで試料を再測定することが可能である。
また、本実施例の場合、補正信頼度が、質量スペクトルの情報又は補正後スペクトルの情報と共に同一画面上に表示されるため、オペレータは測定状況の適否又は良否を迅速に把握することができる。そして、測定状況が不適当又は不良の場合、オペレータは、測定シーケンスを迅速に変更することができる。
図7は、補正信頼度が低い場合に使用するユーザインタフェース画面の表示例である。図7に示すユーザインタフェース画面では、空間電荷効果の補正が不可能であることを「補正不可」なる表記で明示し、オペレータに対して注意を促している。この補正不可能表示は、オペレータが、表示されたスペクトルから有無情報・定性情報・定量情報を読み取るのを防ぐ効果がある。補正不可能表示を表示するか否かは、補正信頼度と予め設定した適当な閾値との比較結果に基づいて判定すれば良い。
図8及び図9に、補正信頼度が低い場合に使用して好適なユーザインタフェース画面の他の表示例を示す。これらのユーザインタフェース画面では、スペクトル自体が表示されていない。この結果、オペレータによる誤った解釈が行われる可能性は、図7の場合に比して一段と低減される。
因みに、図8に示すユーザインタフェース画面では、今回の測定の信頼性が低いことを説明する文が表示されている。図8の説明文は、オペレータに対して、試料の濃度を調節して再測定することを促す内容となっている。オペレータが、説明文に従って試料の濃度を調整し、再測定を行った場合、測定精度の高い質量スペクトルを得ることができる。なお、図8の場合には、説明文と一緒にエラー番号も表示しているが、エラー番号の代わりにエラーの種別名を表示しても良い。
図9に示すユーザインタフェース画面では、説明文と共に、測定シーケンスの変更をオペレータに促す「変更して測定」ボタンと、測定自体の停止をオペレータに促す「測定停止」ボタンが操作入力部205として用意されている。
「変更して測定」ボタンが押下された場合、測定制御部201は、イオントラップ114に輸送されるイオン量を低減するように測定シーケンスを変更し、再度の測定処理を実行する。例えばイオンの蓄積時間を適当に短縮するように測定シーケンスを変更すれば、イオン濃度を低下させることができる。この状態で再測定を行えば、直前回よりも測定精度の高い質量スペクトルを得ることができる。
これに対し、「測定停止」ボタンが押下された場合、測定制御部201は、測定停止処理(ステップS412)を実行し、質量分析システムによる分析処理を停止する。図9のように、ユーザインタフェース画面に「測定停止」ボタンが用意されている場合には、オペレータの意図に基づいて分析処理を停止させることができる。このように、「変更して測定」ボタンだけでなく、「測定停止」ボタンが用意されることにより、不用意に測定シーケンスが変更された結果、オペレータが質量スペクトルの解釈をする際に混乱する事態を防止することができる。
前述したように、本実施例に係る質量分析システムでは、ユーザインタフェース画面内に、質量スペクトルの情報及び/又は補正後スペクトルの情報と補正信頼度とが同時に表示される。このため、オペレータが表示されたスペクトルを解釈する前に、補正結果の信頼度を確認することができる。また、確認された補正結果の信頼度に基づいて、測定時のイオン量が最適になるように測定シーケンスを変更したり、測定された質量スペクトルの解釈方法を変更することができる。
図10及び図11に、補正信頼度の判定閾値の設定に用いて好適なユーザインタフェース画面を示す。補正信頼度の閾値を受け付ける画面を用意することにより、オペレータの判断に基づいて、測定シーケンスや解釈方法を柔軟に変更することが可能となる。図10に示すユーザインタフェース画面は、入力フォームに対する数値の入力により閾値の受け付けを可能とする例である。なお、設定可能な閾値は1つである必要は無く、図10に示すように、4つの処理動作のそれぞれに対応して判定用の閾値を設定しても良い。一方、図11は、同様の設定をスライダーバーの位置により入力可能とするユーザインタフェース画面である。特に、図11に示すように、閾値の位置をスライダーバーの位置で入力可能なユーザインタフェース画面の場合、オペレータは、各閾値の大小関係やおおまかな大きさを把握し易く、設定が容易である。
なお、図10及び図11に示すように、閾値には、補正スペクトルを画面表示させるか否かを判定するための閾値を含めることができる。例えば補正信頼度が閾値より高い場合、図5及び図6に示すように質量スペクトルや補正後スペクトルが画面表示される。一方、補正信頼度が閾値より低い場合、図8及び図9に示すように質量スペクトルや補正後スペクトルが画面表示されないようにできる。
(各処理動作の具体例)
以下、図12〜図23に基づいて、図4で説明した質量分析処理を構成する各処理動作の具体例を説明する。
図12は、起動処理(ステップS401)の詳細処理を示している。まず、測定制御部201は、真空度初期化処理を実行する(ステップS1201)。この真空度初期化処理において、測定制御部201は、真空ポンプ117〜119を排気駆動し、各ポンプに接続された室内を適切な圧力まで低減し、その圧力に保持する。
次に、測定制御部201は、洗浄処理を実行する(ステップS1202)。洗浄処理において、測定制御部201は、ユーザインタフェース部102を通じ、オペレータに対してアンモニアなどの試料の試料導入部111への導入を要求し、試料の導入を待って測定処理を実行する。測定処理の実行により、前回の測定時に試料導入部111に吸着した物質(キャリーオーバ)を洗浄する。
次に、測定制御部201は、質量対電荷比校正処理を実行する(ステップS1203)。。質量対電荷比校正処理において、測定制御部201は、ユーザインタフェース部102を通じ、オペレータに対して、既知のm/zにピークが現れる標準物質試料を試料導入部111に導入させ、試料の導入を待って測定処理を実行する。測定制御部201は、測定された質量スペクトルのピーク位置に基づいて、質量スペクトルの配列上の各要素番号とm/zとの対応表b(m)を作成する。
次に、測定制御部201は、ブランクチェックを実行する(ステップS1204)。ブランクチェックにおいて、測定制御部201は、オペレータに対して、測定対象成分を含有しない既知の試料を試料導入部111に導入させ、試料の導入を待って測定処理を実行する。
次に、測定制御部201は、測定されたスペクトルが正常か否かを判定する処理を実行する(ステップS1205)。測定されたスペクトルが予め設定された条件を満たす場合、測定制御部201は、スペクトルが正常であると判定し、起動処理を終了する。一方、測定されたスペクトルが予め設定された条件を満たさない場合、測定制御部201は、スペクトルが異常であると判定し、洗浄処理(ステップS1202)に戻る。
ここで、「測定されたスペクトルが正常である」と判定するための条件の一例は、例えば測定されたスペクトルに大きなピークが存在しないことである。他の一例は、例えば測定されたスペクトルをM次元のベクトルと見なす場合に、過去に測定された参照用のスペクトルと間で算出されるコサイン類似度が所定の閾値よりも高いことである。このように、正常かどうかの判定には適当な公知の方法を使えばよい。
図13は、待機処理(ステップS402)の詳細処理を示している。まず、測定制御部201は、装置状態監視処理を実行する(ステップS1301)。装置状態監視処理において、測定制御部201は、質量分析部110の真空度、電圧値、温度といった装置状態を監視する。
次に、測定制御部201は、装置状態にエラーがあるか否かを判定する(ステップS1302)。装置状態にエラーがあると判定された場合、測定制御部201は、測定停止制御信号出力処理を実行する(ステップS1303)。測定停止制御信号出力処理において、測定制御部201は、測定の停止を命じる制御信号を質量分析部110に出力し、待機処理を終了する。一方、装置状態にエラーがない場合、測定制御部201は、操作入力監視処理を実行する(ステップS1304)。操作入力監視処理において、測定制御部201は、操作入力部205から入力される操作信号を監視する。
次に、操作制御部201は、操作信号の有無を判定する(ステップS1305)。操作信号が入力されている場合、操作制御部201は、操作入力制御信号出力処理を実行する(ステップS1306)。操作入力制御信号出力処理において、操作制御部201は、操作入力に対応する制御信号を質量分析部110に出力し、待機処理を終了する。一方、操作信号が入力されていない場合、操作制御部201は、即座に待機処理を終了する。
図14は、測定シーケンス決定処理(ステップS404)の詳細処理を示している。まず、測定制御部201は、測定開始直後か否かを判定する(ステップS1401)。測定開始直後の場合、測定制御部201は、初期設定測定シーケンス出力処理を実行する(ステップS1402)。ここで、測定制御部201は、初期設定測定シーケンスを質量分析部110に出力し、測定シーケンス決定処理を終了する。
これに対し、測定開始直後でない場合、測定制御部201は、前回の測定シーケンスについて算出された補正信頼度が閾値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS1403)。ここで、閾値TH2は、後述する閾値TH3より小さい値である。補正信頼度が閾値TH2以下であった場合、測定制御部201は、イオンを蓄積する時間を短縮する測定シーケンスを質量分析部110に出力する(ステップS1404)。例えば(式1)に基づいて算出される蓄積時間ACCを測定シーケンスを質量分析部110に出力し、測定シーケンス決定処理を終了する。
Figure 2014059964
これに対し、補正信頼度が閾値TH2より大きい場合、測定制御部201は、ステップS1405に進む。ステップS1405において、測定制御部201は、補正信頼度が閾値TH3より大きいか否か判定する。補正信頼度が閾値TH3以下の場合、測定制御部201は、前回と同じ測定シーケンス(すなわち、蓄積時間に変更がない測定シーケンス)を質量分析部110に出力し、測定シーケンス決定処理を終了する(ステップS1406)。
これに対し、補正信頼度が閾値TH3より大きい場合、測定制御部201は、イオンを蓄積する時間を伸長する測定シーケンスを質量分析部110に出力する(ステップS1407)。例えば(式2)に算出される蓄積時間ACCを測定シーケンスを質量分析部110に出力し、測定シーケンス決定処理を終了する。
Figure 2014059964
前述したように、本実施例の場合、補正信頼度の大きさに基づいてイオンの蓄積時間(すなわち、イオントラップ114にトラップされるイオン量)が自動的に調節される。このため、本実施例に係る質量分析システムは、高い測定精度を保ちつつ、可能な限り質量スペクトルのSN比を上げることができる。
図15は、補正信頼度算出処理(ステップS406)の詳細処理を示している。まず、補正信頼度算出部203は、ピーク抽出処理を実行する(ステップS1501)。ピーク抽出処理において、補正信頼度算出部203は、質量スペクトルから複数のピーク位置(m/z)pと強度qの組(p,q)を列挙する。この処理には、公知の適当な方法を適用できる。例えば質量スペクトルの平滑化とローレンツ関数のフィッティング、又は、ガウス関数のフィッティングにより実現することができる。質量スペクトルの平滑化には、ガウスフィルタ、Savitzky-Golayフィルタ、スプライン近似などの公知の適当な平滑化方法を用いることができる。
次に、補正信頼度算出部203は、ピーク選択処理を実行する(ステップS1502)。ピーク選択処理において、補正信頼度算出部203は、列挙した複数のピークの中から補正信頼度の算出に用いる1個又は複数のピークを選択する。複数のピークを用いる場合、夾雑成分などの影響により幾つかのピークが抽出できない場合や後段の幅計算処理(ステップS1503)が低精度である場合にも、頑健に補正信頼度を計算することができる。
ピークの選択には、例えば既知の標準物質由来のピークを使用する。標準物質は試料中に含有されていることが保証されているので、標準物質由来のピークを用いる場合、補正信頼度を高精度に計算することができる。標準物質は、測定時に試料に混合した物質でもよいし、初めから試料に含まれることが予め知られている物質でもよい。また、ピークは、強度が大きい順に指定個数のピークを選択してもよい。強度が大きいピークは一般にSN比が高いので、後段の幅計算処理(ステップS1503)を高精度に実行でき、その結果、補正信頼度も高精度に計算することができる。
次に、補正信頼度算出部203は、幅計算処理を実行する(ステップS1503)。幅計算処理において、補正信頼度算出部203は、前ステップで選択された各ピークの幅w'を計算し、さらに、それら複数の幅を代表する幅wを計算する。ここでの幅w'は、例えばピークの半値全幅(図16)、ピーク抽出でフィッティングしたローレンツ関数の半値半幅(半値全幅の半分)、ピーク抽出でフィッティングしたガウス関数の標準偏差、質量スペクトルのピーク付近の標準偏差、質量スペクトルのピーク付近の尖度kから計算されるexp(-k)などの分布の形状を表す統計量で与えることができる。なお、計算対象とするピークの幅はピーク波形の一例である。
複数の幅から代表する幅の計算には、複数のピークについて計算された全ての幅w’の加算平均値、相乗平均値、幾何平均値、中央値、最大値、最小値など統計的に意味のあるなんらかの代表値を求める計算処理を適用すればよい。
次に、補正信頼度算出部203は、強度積算値計算処理を実行する(ステップS1504)。強度積算値計算処理において、補正信頼度算出部203は、(式3)により、質量スペクトルの強度積算値TICを計算する。ここで、X(m)は、質量スペクトルを構成するm番目のピークの強度値である。
Figure 2014059964
次に、補正信頼度算出部203は、補正信頼度計算処理を実行する(ステップS1505)。補正信頼度計算処理において、補正信頼度算出部203は、(式4)に基づいて補正信頼度cを計算し、補正信頼度算出処理を終了する。
Figure 2014059964
ただし、r、TH_I、TH_Qは予め設定された正の定数である。対象ピーク強度qとは幅計算に用いたピークの組(p,q)の強度qを意味する。
図17は、空間電荷効果補正処理(ステップS407)の詳細処理を示している。まず、空間電荷効果補正部202は、ピーク抽出処理を実行する(ステップS1701)。ピーク抽出処理において、空間電荷効果補正部202は、補正信頼度算出部203と同様、質量スペクトルから複数のピークの位置pと強度qの組(p,q)を列挙する。
次に、空間電荷効果補正部202は、上側強度積算値計算処理を実行する(ステップS1702)。上側強度積算値計算処理において、空間電荷効果補正部202は、各ピークが測定された時刻にトラップ内に存在して空間電荷効果の影響を与えたイオン量の推定値を与える上側強度積算値HICを、(式5)に基づいて計算する。
Figure 2014059964
ただし、Wは、各m/zのイオンが補正対象のピークのイオンに空間電荷効果を与える影響を表した適当な重み関数である。本実施例の場合、低質量側から高質量側に質量スキャンするため上側強度積算値HICを計算しているが、逆に高質量側から低質量側に質量スキャンする場合には、下側強度積算値LICを計算し、後述する処理の上側強度積算値HICの代わりに使用する。
次に、空間電荷効果補正部202は、空間電荷効果除去m/z計算処理を実行する(ステップS1703)。空間電荷効果補正部202は、(式6)に基づいてピーク位置mを補正し、補正後のピーク位置m^(ここでの記号「^」の表記位置は便宜上のものであり、記号「^」は式6のようにmの上に表記されるものとする。以下、同じ。)を計算する。なお、ピーク位置はm/zであるが、式6では、mで表している。式7も同様である。
Figure 2014059964
ただし、G(・)は、上側強度積算値HICとq値のシフト量との間の関係として予め得られた関数である。
次に、空間電荷効果補正部202は、校正済みm/z計算処理を実行する(ステップS1704)。校正済みm/z計算処理において、空間電荷効果補正部202は、質量対電荷比校正処理(ステップS1203)で算出した質量スペクトルの配列上の各要素番号とm/zとの対応表b(m)に基づいて、補正後ピーク位置m^が対応するm/z m~(ここでの記号「~」の表記位置は便宜上のものであり、記号「~」は後述する式7のようにmの上に表記されるものとする。以下、同じ。)を計算する。
次に、空間電荷効果補正部202は、補正後スペクトル出力処理(ステップS1705)を実行する。補正後スペクトル出力処理において、空間電荷効果補正部202は、ピークの組(p,q)とそのm/zの補正値m~に基づいて、(式7)に基づいて、補正後スペクトルZを計算し、出力する。
Figure 2014059964
また、空間電荷効果補正部202は、ステップS1501のピーク抽出処理でピーク毎にフィッティングされたローレンツ関数やガウス関数をピークの組(p,q)に対して重畳し、補正後スペクトルZを計算しても良い。
図18は、結果出力処理(ステップS408)の詳細処理を示している。まず、結果出力部204は、データ格納処理を実行する(ステップS1801)。データ格納処理において、結果出力部204は、入力された質量スペクトルX、補正後スペクトルZ、補正信頼度cを、記憶媒体103に格納する。図19は、記憶媒体103にこれらのデータを格納する場合に使用するデータ構造である。このように質量スペクトルの情報又は補正後スペクトルの情報と補正信頼度とを組み合わせて記憶媒体103に格納することにより、図5〜図9で例示したようなユーザインタフェース画面を高速に表示することができる。この表示により、オペレータは、測定時のイオン量に応じた適切な測定シーケンスへの変更と測定された質量スペクトルの解釈方法の変更を迅速に行うことができる。
次に、結果出力部204は、質量スペクトル表示処理を実行する(ステップS1802)。質量スペクトル表示処理において、結果出力部204は、ユーザインタフェース画面上に質量スペクトルを表示する。
次に、結果出力部204は、補正信頼度表示処理を実行する(ステップS1803)。補正信頼度表示処理において、結果出力部204は、ユーザインタフェース画面上に補正信頼度を表示する。
次に、結果出力部204は、補正信頼度が閾値TH2より大きいか否かを判定する(ステップS1804)。補正信頼度が閾値TH2より大きい場合、結果出力部204は、ステップS1805に進む。これに対し、補正信頼度が閾値TH2以下の場合、結果出力部204は、ステップS1806に進む。
ステップS1805において、結果出力部204は、補正後スペクトルのピーク位置表示処理を実行する。この場合、結果出力部204は、図5や図6で例示したように、ユーザインタフェース画面上に補正後スペクトルのピーク位置を表示し、結果出力処理を終了する。
一方、ステップS1806において、結果出力部204は、補正不可能表示処理を実行する。この場合、結果出力部204は、図7に例示したように、ユーザインタフェース画面上に空間電荷効果の補正が不可能であることを表示し、結果出力処理を終了する。
図20は、測定停止処理(ステップS412)の詳細処理を示している。まず、測定制御部201は、洗浄処理を実行する(ステップS2001)。ここでの洗浄処理は、ステップS1202の洗浄処理と同じ処理である。
次に、測定制御部201は、高周波電源停止処理を実行する(ステップ2002)。高周波電源停止処理において、測定制御部201は、高周波電源116の動作を停止制御する。
高周波電源116の停止完了後、測定制御部201は、真空ポンプ停止処理を実行する(ステップS2003)。この真空ポンプ停止処理において、測定制御部201は、真空ポンプ117〜119の動作を停止させる。
図21は、エラー処理(ステップS411)の詳細処理を示す。まず、結果出力部204は、エラー表示処理を実行する(ステップS2101)。エラー表示処理において、結果出力部204は、図8で例示したように、ユーザインタフェース画面上に、エラー情報を明示的に表示する。
次に、結果出力部204は、洗浄処理を実行する(ステップS2102)。ここでの洗浄処理は、ステップS1202の洗浄処理と同じ処理である。計算された補正信頼度が低いほど洗浄時間を長くする。これにより、汚染が比較的小さい場合には洗浄が短時間で完了する一方で、汚染が比較的大きい場合には汚染を強く洗浄してキャリーオーバの可能性を低減できるという効果が生じる。
図22A〜図22Gは、ピーク位置m/zが150のイオンの濃度を0.02ppmから1ppmまで変化させて質量分析を行った場合における濃度別の上側強度積算値HICとピーク位置m/zの関係をスキャン毎にプロットしたものである。
図22A〜図22Cに示すように、イオン濃度が通常の場合(0.02ppm〜0.1ppmの場合)には、上側強度積算値HICがトラップ内のイオン量の比較的良い推定値を与えるため、上側強度積算値HICとピーク位置m/zのシフト量は高い正の相関を持つ。このため、(式5)及び(式6)に基づいて、ピーク位置を高精度に補正することができる。
しかし、図22D〜図22Gに示すように、イオン濃度が過剰な場合(0.2ppm〜1.0ppmの場合)には、上側強度積算値HICとピーク位置m/zのシフト量の相関が弱くなる。そのため、イオン濃度が通常の場合のように、(式5)及び(式6)に基づいて、ピーク位置を高精度で補正することが困難となる。
このような相関の低下は、次のような原理により発生するものと発明者らは推測する。まず、高濃度の試料を測定すると、イオントラップ114に大量のイオンが蓄積される。この場合、イオントラップ114に蓄積されたイオン量が過剰であるため、周波数スイープ時に蓄積されたイオンが全て排出されず、イオントラップ114内に残留する。この残留イオンが空間電荷効果を起こし続ける。
しかし、残留イオンは質量スペクトル上では強度値として現れないため、上側強度積算値HICとしてカウントされない。そのため、HICではトラップ内のイオン量が正確に推定できず、式5及び式6のモデルと一致せず、補正ができなくなるためと考えられる。
この例では、質量分析部110を汚染せずに問題を顕在化させるため、比較的低濃度で問題が顕在化するように測定シーケンスを設定して実験を行っているが、イオン量のダイナミックレンジをより高濃度側にシフトさせた場合にも、上記の問題が起こる可能性がある。
これに対し、図23は、同じ測定シーケンスについて、各濃度と測定されたピークの半値全幅の関係を表したものである。図23に示す通り、濃度が高くなるほど、半値全幅も増加する傾向が示されている。この原因を推測すると、イオントラップ114内のイオン量が大きい場合には、イオンが感じる擬ポテンシャルが浅くなり、本来のm/zよりも広がったm/zにてイオンが計測されるためと考えられる。実際、上側強度積算値HICとピーク位置m/zのシフト量との関係では相関が弱くなっていた閾値(0.1ppm、0.2ppm付近)付近でも、半値全幅は単調増加している。
以上説明したように、イオントラップ114に導入されるイオン量が過剰に増加すると、イオン量の増大と上側強度積算値との間には相関関係が認められなくなる。そのため、上側強度積算値だけでは空間電荷効果の補正信頼度を判断することはできない。一方、ピークの半値全幅は、上側強度積算値HICとピーク位置m/zのシフト量との間の相関が弱くなる閾値付近(上記の例では0.1ppm、0.2ppm付近)でも、単調に増加する。このため、半値全幅を閾値処理することにより、空間電荷効果の補正結果を信頼できるか否か判断することができる。また、半値全幅は連続的に増加するため、空間電荷効果の補正結果が信頼できるか否かの連続的な信頼度として用いることができる。
なお、図23は、ピークの半値全幅と濃度との関係を示したが、ピークの半値半幅と濃度の間にも、ピーク付近の標準偏差や尖度kから計算されるexp(-k)と濃度の間にも、半値全幅と濃度と同様の関係が認められる。
(まとめ)
以上の通り、本実施例に係る質量分析システム100を用いれば、空間電荷効果の補正結果の信頼度を計算し、補正信頼度としてオペレータに提示することができる(図5〜図9)。また、補正信頼度を質量スペクトルの情報及び/又は補正後スペクトルの情報と共にユーザインタフェース画面に表示すれば、オペレータは、表示された質量スペクトルを正確に解釈することができる。
この空間電荷効果の補正信頼度の提示機能は、オペレータに専門知識が無い又は少ない場合や携帯型の質量分析システムのように検査環境の厳密な調整が難しい場合に特に有用である。なお、携帯型の質量分析システムには、例えばオンサイト違法薬物検知装置がある。もっとも、この提示機能は、オペレータに専門知識がある場合や研究室内等で使用される質量分析システムの場合にも、測定環境を定量的に確認できる点で有用である。
また、本実施例に係る質量分析システム100は、計算された補正信頼度に応じ、イオントラップ114に導入されるイオン量が適量になるように、自動的に測定シーケンスを選択することができる。これにより、空間電荷効果の補正信頼度が低かった場合でも、次回の測定シーケンスにおける空間電荷効果については、補正信頼度を高めることができる。
また、本実施例に係る質量分析システムの場合には、ユーザインタフェース画面を通じ、再測定、測定シーケンスの変更、測定の停止等をオペレータが選択することができる。当該機能の搭載により、オペレータの意図せぬ測定シーケンスの変更や測定動作の実行を防止できる。もっとも、本実施例に係る質量分析システムの場合には、測定シーケンスの変更等を補正信頼度と閾値の比較結果に基づいて自動化する機能が設けられている。また、各動作の実行を規定する閾値は、オペレータがユーザインタフェース画面を通じて自由に設定できるため、オペレータの意図を自動化処理に反映させることができる。
[実施例2]
本実施例では、実施例1に比して、一段と高精度に補正信頼度を計算することができる質量分析システムについて説明する。なお、本実施例に係る質量分析システムの基本的なハードウェア構成及び機能構成は実施例1と同じである。以下では、実施例1と相違する部分、すなわち補正信頼度算出処理(ステップS406)についてのみ説明する。
図24は、本実施例で使用する補正信頼度算出処理(ステップS406)の詳細処理を示している。まず、補正信頼度算出部203は、現在までに測定した全スキャンの質量スペクトルを対象に、ピーク抽出処理を実行する(ステップS2401)。ピーク抽出処理の内容は、ステップS1501と同じで良い。
次に、補正信頼度算出部203は、抽出した複数のピークの中から補正信頼度の算出に用いる1個又は複数個のピークを選択する(ステップS2402)。補正信頼度算出部203は、例えば各スキャンに対応する複数の質量スペクトルのうち最も多くの数の質量スペクトルから共通に抽出される1個又は複数個のピークを選択する。
次に、補正信頼度算出部203は、各スキャンの質量スペクトルについて、前ステップで抽出されたピークの上側強度積算値HICを計算する(ステップS2403)。
次に、補正信頼度算出部203は、相関係数計算処理を実行する(ステップ2404)。相関係数計算処理において、補正信頼度算出部203は、全スキャンの質量スペクトルについて、同一のピークに対する上側強度積算値HICとピーク位置m/zの間の相関係数Rを計算する。すなわち、図22A〜図22Gの各グラフに対して計算されるものと同等の相関係数Rを計算する。
次に、補正信頼度算出部203は、補正信頼度計算処理を実行する(ステップS2405)。補正信頼度計算処理において、補正信頼度算出部203は、相関係数Rを補正信頼度に代入し、補正信頼度算出処理を終了する。
前述の通り、この実施例においては、あるピークの幅情報(例えば半値全幅)に代えて相関係数Rを使用する。このように、本実施例では、ある1つのピークの情報ではなく、複数のスキャンの結果から抽出される統計的に有意なピークについて得られる相関係数Rを補正信頼度として使用する。ここで、相関係数Rは、空間電荷効果の補正結果の良否と直接関係する。このため、実施例1の場合に比して、一段と高精度の補正信頼度を得ることができる。
[実施例3]
本実施例では、実施例1に比して、頑健かつ低処理量で補正信頼度を計算することができる質量分析システムについて説明する。なお、本実施例に係る質量分析システムの基本的なハードウェア構成及び機能構成は実施例1と同じである。以下では、実施例1と相違する部分、すなわち補正信頼度算出処理(ステップS406)についてのみ説明する。
図25は、本実施例で使用する補正信頼度算出処理(ステップS406)の詳細処理を示している。まず、補正信頼度算出部203は、強度積算値計算処理を実行する(ステップS2501)。強度積算値計算処理において、補正信頼度算出部203は、強度積算値TICを計算する。次に、補正信頼度算出部203は、補正信頼度計算処理を実行する(ステップS2502)。補正信頼度計算処理において、補正信頼度算出部203は、(式8)により、補正信頼度cを計算する。
c=exp(−ν×TIC) …(式8)
ただし、νは予め設定された正の定数である。
(式8)は、強度積算値TICが小さいほど補正信頼度cが高く、強度積算値TICが大きいほど補正信頼度cが小さいことを意味している。
この実施例では、ピーク抽出や半値全幅を計算することなく、補正信頼度を算出する。このため、夾雑成分などの影響でピーク抽出や半値全幅の計算が困難な場合でも頑健に補正信頼度を算出できる。また、本実施例の手法は、低処理量での動作が可能である。ただし、前述の通り、イオン量が過剰に増加すると、イオン量の増大と強度積算値は相関しなくなるので、実施例1に比べてイオン量のダイナミックレンジが狭いと考えられる。そのため、比較的低濃度において有効な実施例である。
[他の実施例]
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
100…質量分析システム
101…中央演算装置
102…ユーザインタフェース部
103…記憶媒体
104…揮発性メモリ
110…質量分析部
111…試料導入部
112…イオン化部
113…イオン輸送部
114…イオントラップ
115…検出器
116…高周波電源
117…真空ポンプ
118…真空ポンプ
119…真空ポンプ
201…測定制御部
202…空間電荷効果補正部
203…補正信頼度算出部
204…結果出力部
205…操作入力部

Claims (15)

  1. 試料を測定して質量スペクトルを出力する質量分析部と、
    前記質量スペクトルに基づいて空間電荷効果を補正し、補正後スペクトルとして出力する空間電荷効果補正部と、
    前記質量スペクトルに基づいて、前記補正をした場合の信頼度を算出する補正信頼度算出部と、
    を有する質量分析システム。
  2. 請求項1記載の質量分析システムにおいて、
    算出された信頼度を画面に出力する出力部をさらに有し、
    前記出力部は、前記補正後スペクトルを前記信頼度と共に画面に表示する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  3. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記出力部は、前記信頼度が所定の判定条件を満たすとき、前記質量スペクトルの補正が不可能であることを画面に表示する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  4. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記出力部は、前記信頼度と所定の判定閾値との比較結果に基づいて、前記質量スペクトルの空間電荷効果を補正した補正後スペクトル又は前記質量スペクトルの提示の有無を変更する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  5. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記出力部は、前記信頼度が所定の判定条件を満たすとき、測定シーケンスの変更、測定停止又は測定開始の入力を受け付ける受付画面を表示する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  6. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記出力部は、前記信頼度の判定閾値の設定を受け付ける受付画面を表示
    ことを特徴とする質量分析システム。
  7. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記信頼度に基づいて決定した測定シーケンス又は測定停止命令を前記質量分析部に出力する測定制御部を有する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  8. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、前記質量スペクトルのピーク形状に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  9. 請求項8に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、前記質量スペクトルの1個以上のピーク幅に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  10. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、前記質量スペクトルの1個以上のピークに対して高質量側の強度積算値とピーク位置の相関に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  11. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、前記質量スペクトルの強度積算値に基づいて前記信頼度を算出する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  12. 請求項8又は10に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、予め登録された質量対電荷比の範囲のピークを選択する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  13. 請求項8又は10に記載の質量分析システムにおいて、
    前記補正信頼度算出部は、強度に基づいてピークを選択する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  14. 請求項1に記載の質量分析システムにおいて、
    前記質量スペクトルの空間電荷効果を補正した補正後スペクトル又は前記質量スペクトルと補正信頼度とを組としてデータベースに格納する
    ことを特徴とする質量分析システム。
  15. 質量分析部が測定した試料の質量スペクトルを出力する処理と、
    補正信頼度算出部が、前記質量スペクトルに基づいて、空間電荷効果の補正結果の信頼度を算出する処理と、
    出力部が、算出された信頼度を画面に表示する処理と
    を有する質量分析方法。
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