JPH1183503A - ナビゲーション装置 - Google Patents

ナビゲーション装置

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JPH1183503A
JPH1183503A JP25595397A JP25595397A JPH1183503A JP H1183503 A JPH1183503 A JP H1183503A JP 25595397 A JP25595397 A JP 25595397A JP 25595397 A JP25595397 A JP 25595397A JP H1183503 A JPH1183503 A JP H1183503A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理の負担が軽く、目標物を立体表示するま
での時間を短縮することができるナビゲーション装置を
提供すること。 【解決手段】 ナビゲーションコントローラ1は、所定
の地図表示をするための地図バッファ12、地図描画部
16、VRAM18を含んで構成される。地図バッファ
12に視点位置周辺の地図データが格納されると、地図
描画部16は、この地図データを検索して、視点位置の
区画に対応する目標物表示データが存在するか否かを判
定する。視点位置の区画に対応する目標物表示データが
存在する場合は、目標物表示データの「目標物データへ
のポインタ」で指定される目標物データに基づいて、視
点位置からの視野に含まれる目標物を迅速に立体表示す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、目標物を立体表示
するナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車載用のナビゲーション装置
は、車両の現在位置を検出し、その近傍の地図データを
CD−ROMから読み出して画面上に表示する。また、
画面中央には自車位置を示す車両位置マークが表示され
ており、この車両位置マークを中心に車両の進行にした
がって近傍の地図データがスクロールされ、常時自車位
置周辺の地図情報がわかるようになっている。
【0003】上述した地図データは、それぞれの表示の
縮尺に応じて所定の緯度および経度で区切られた図葉を
単位としており、各図葉の地図データは、図葉番号を指
定することにより特定される。
【0004】また、最近では、自車位置やその後方上空
を視点位置として車両の進行方向の目標物を立体表示す
る手法が汎用されている。立体表示を行う場合、目標物
を立体表示する際に必要となる建物の高さや形状等のデ
ータをあらかじめ地図データに含ませておく必要があ
る。そして、この地図データに基づいて、自車位置を視
点位置とした視野に、立体表示の対象となる建物等が含
まれているかどうかが判断され、含まれている場合には
該当する建物等の立体画像が作成され画面上に表示され
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述したよ
うに目標物を立体表示するために必要なデータは、その
目標物が存在する図葉の地図データに含まれているた
め、ある視点位置からの視野に含まれる目標物を立体表
示しようとしたときに、視点位置を含む図葉の地図デー
タの他に視野に含まれる他の図葉の地図データを読み込
む必要があった。したがって、視点位置からの視野に含
まれる各図葉の地図データの検索に要する処理の負担は
重く、また検索に時間がかかるため、目標物の立体表示
を迅速に行うことができないという問題点があった。
【0006】本発明は、このような点に鑑みて創作され
たものであり、その目的は、処理の負担が軽く、目標物
を立体表示するまでの時間を短縮することができるナビ
ゲーション装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明のナビゲーション装置では、目標物の立
体表示に必要な立体表現データが視点位置の地図データ
の一部として立体データ格納手段に格納されており、こ
の立体表現データに基づいて立体画像作成手段によって
立体画像が作成される。したがって、立体画像作成の際
に、視点位置の地図データを読み出すだけでよく、視点
位置からの視野に含まれる他の地図データを検索する必
要がなくなるため、立体表示処理を行うために必要なデ
ータ検索の処理の負担が軽く、この検索時間や立体表示
までの時間を短縮することができる。
【0008】また、所定の大きさの区画を設けて、この
区画に含まれる任意位置を視点位置として見渡したとき
に視野に含まれる目標物の立体表現データを区画ごとに
立体表現データ格納手段に格納しており、区画ごとに立
体表現データを備えればよいため、立体表現データを効
率よく格納して、データ量を減らすことができる。
【0009】また、上述した立体表現データに、視点位
置に対応する区画と目標物が存在する区画との間の距離
と相対方位を含ませておいて、これらのデータに基づい
て立体画像を作成することにより、目標物の立体表示に
必要な計算量を減らすことができる。例えば、これらの
区画が大きく離れていた場合に、視点位置と目標物位置
との距離や相対方位の計算をする代わりに、区画間の距
離や相対方位の計算で代用すれば、車両がわずかに進行
するたびにこれらの計算を繰り返す手間を低減できる。
【0010】また、上述した立体表現データに各目標物
の種別(例えば、建物、山、橋等のカテゴリ)を含ませ
ておいて、運転者等が種別を指定することにより、特定
の種別の目標物を表示対象とすることができるため、目
標物が多くあるいは目標物同士が重なって見にくい場合
の見やすさを向上させることができる。また、上述した
立体表現データに目標物までの距離と目標物の立体画像
の高さとの比率を含ませておくようにしてもよい。この
場合には、目標物ごとあるいは目標物の種別ごとに異な
る比率で立体表示が行われるため、実際に車両を運転し
ていて目立つ建物等を強調することができ、立体表示の
見やすさをさらに向上させることができる。
【0011】また、立体表現データをポリゴンデータで
構成することにより、車両の進行に伴って視点位置と目
標物位置との相対的な方向が変化したときに、よりリア
ルな立体画像を作成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明を適用した一実施形態のナ
ビゲーション装置は、視点位置からの視野に含まれる目
標物の立体表現データを視点位置に対応する図葉の地図
データに含ませておいて、この立体表現データに基づい
て立体画像を作成して画面上に表示することに特徴があ
る。以下、一実施形態のナビゲーション装置について図
面を参照しながら説明する。なお、以下の説明において
は、単に「視点位置」とあるのは運転者の視点位置(自
車位置)を示し、「立体表示の視点位置」とあるのは、
立体画像作成の基準となる仮想的な視点位置であって、
例えば自車位置の後方で所定の高さにある視点位置を示
すものとする。
【0013】(1)ナビゲーション装置の全体構成 図1は、本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲー
ション装置の全体構成を示す図である。同図に示すナビ
ゲーション装置は、全体を制御するナビゲーションコン
トローラ1と、地図表示や経路探索等に必要な各種の地
図データを記録したCD−ROM2と、このCD−RO
M2に記録された地図データを読み出すディスク読取装
置3と、運転者や搭乗者が各種の指示を入力する操作部
としてのリモートコントロール(リモコン)ユニット4
と、自車位置と自車方位の検出を行うGPS受信機5お
よび自律航法センサ6と、地図画像やこれに重ねて誘導
経路等を表示するディスプレイ装置7とを備えている。
【0014】上述したディスク読取装置3は、1枚ある
いは複数枚のCD−ROM2が装填可能であり、ナビゲ
ーションコントローラ1の制御によっていずれかのCD
−ROM2から地図データの読み出しを行う。リモコン
ユニット4は、経路探索指示を与えるための探索キー、
経路誘導モードの設定に用いる経路誘導モードキー、目
的地入力キー、左右上下のカーソルキー、地図の縮小/
拡大キー、表示画面上のカーソル位置にある項目の確定
を行う設定キー等の各種操作キーを備えており、キーの
操作状態に応じた赤外線信号がナビゲーションコントロ
ーラ1に向けて送信される。
【0015】GPS受信機5は、複数のGPS衛星から
送られてくる電波を受信して、3次元測位処理あるいは
2次元測位処理を行って車両の絶対位置および方位を計
算し(車両方位は現時点における自車位置と1サンプリ
ング時間ΔT前の自車位置とに基づいて計算する)、こ
れらを測位時刻とともに出力する。また、自律航法セン
サ6は、車両回転角度を相対方位として検出する振動ジ
ャイロ等の角度センサと、所定走行距離ごとに1個のパ
ルスを出力する距離センサとを備えており、車両の相対
位置および方位を検出する。
【0016】ディスプレイ装置7は、ナビゲーションコ
ントローラ1から出力される画像データに基づいて、自
車周辺の地図情報を自車位置マークや出発地マーク、目
的地マーク等とともに表示したり、この地図上に誘導経
路を表示したりする。
【0017】(2)地図データの内容 次に、CD−ROM2に記録された地図データの詳細に
ついて説明する。CD−ROM2に記録された地図デー
タは、所定の経度および緯度で区切られた図葉を単位と
しており、各図葉の地図データは、図葉番号を指定する
ことにより特定され、読み出すことが可能となる。ま
た、各図葉ごとの地図データには、地図表示に必要な
各種のデータからなる描画ユニットと、マップマッチ
ングや経路探索、経路誘導等の各種の処理に必要なデー
タからなる道路ユニットと、交差点の詳細データから
なる交差点ユニットが含まれている。また、上述した描
画ユニットには、建物あるいは河川等を表示するために
必要な背景レイヤのデータと、市町村名や道路名等を表
示するために必要な文字レイヤのデータが含まれてお
り、背景レイヤには立体表現データである目標物表示デ
ータが含まれている。
【0018】図2は、目標物表示データの詳細内容を示
す図である。同図(A)は目標物表示データの構成を、
同図(B)は目標物表示データに含まれる目標物データ
の詳細な構成をそれぞれ示している。図2(A)に示す
ように、目標物表示データは、所定の大きさを単位とす
る区画ごとに、 a.区画内のいずれかの視点位置から周辺を見渡したと
きに視野に入る立体表示の対象となる目標物の数を示す
「目標物表示データ数」、 b.各目標物を立体表示するために必要となる「目標物
表示データ要素」、から構成されている。各目標物表示
データ要素は、 a.着目している目標物を立体表示するために必要な具
体的なデータである「目標物データ」を指定する目標物
データへのポインタ、 b.視点位置の存在する区画の中心から目標物の存在す
る区画の中心までの距離、 c.視点位置の存在する区画の中心から見た目標物の存
在する区画の中心の方位(相対方位)、 d.目標物までの距離とこの目標物の立体画像の高さと
の関係を示す目標物の表示比率、から構成されている。
【0019】これらの目標物表示データは、区画単位で
格納されている。各区画の大きさは、表示縮尺とは無関
係に一定の大きさを有しており、例えば詳細表示を行う
場合の図葉と同じ大きさに設定されている。なお、図葉
よりも大きな領域を各区画に設定したり、図葉を複数に
分割した各分割領域を各区画に設定してもよく、矩形以
外の任意形状の区画を設定してもよい。
【0020】このように、視点位置から見える目標物の
データを各区画に格納しておくことにより、現在の視点
位置に対応した区画を検索するだけで、目標物の立体表
示に必要な目標物表示データを読み出すことができる。
また、「目標物までの距離とこの目標物の立体画像の高
さとの関係を示す目標物の表示比率」には、目標物まで
の距離とこの目標物の立体画像の高さに応じた目標物の
画面上での表示比率が設定されるが、目標物ごとあるい
は目標物のカテゴリ別(後述する)に設定することによ
り、実際に走行していて目立つ建物等の表示比率を大き
な値に設定してこれらの立体画像を強調することがで
き、運転者等にわかりやすい立体表示を行うことができ
る。
【0021】また、図2(B)に示すように、目標物表
示データの「目標物データへのポインタ」によって指定
される目標物データは、 a.建物、山、橋等の目標物種別を示す「目標物のカテ
ゴリ」、 b.目標物の経度・緯度、 c.目標物をポリゴンで表示するために必要となる「構
成要素」、 等から構成されており、各構成要素は、 a.線の属性や塗りつぶしの属性を示す「描画属性」、 b.ポリゴンの各頂点の座標である「要素点座標」、等
から構成されている。
【0022】これらの目標物データは、全ての建物等に
ついて設定されるわけではなく、例えば、所定の高さ以
上の目標物についてのみ目標物データが設定されてい
る。
【0023】(3)ナビゲーションコントローラの詳細
構成および動作 次に、図1に示したナビゲーションコントローラ1の詳
細な構成について説明する。ナビゲーションコントロー
ラ1は、CD−ROM2から読み出した立体表現データ
を含む地図データに基づいてディスプレイ装置7に所定
の地図表示をするための地図バッファ12、地図読出制
御部14、地図描画部16、VRAM18、読出制御部
20、画像合成部22と、自車位置の計算やマップマッ
チング処理、経路探索処理、経路誘導処理を行うととも
にその結果を表示するための車両位置計算部32、経路
探索処理部34、誘導経路メモリ36、誘導経路描画部
38、マーク画像発生部40と、各種の操作画面を表示
したりリモコンユニット4からの操作指示を各部に伝え
るためのリモコン制御部42、カーソル位置計算部4
4、操作画面発生部46とを備えている。
【0024】地図バッファ12は、ディスク読取装置3
によってCD−ROM2から読み出された地図データを
一時的に格納するためのものである。地図読出制御部1
4によって視点位置が計算されると、この視点位置を含
む所定範囲の地図データの読み出し指示が地図読出制御
部14からディスク読取装置3に送られ、地図表示に必
要な地図データがCD−ROM2から読み出されて地図
バッファ12に格納される。例えば、視点位置を含む所
定の範囲内の図葉に対応した地図データが読み出されて
地図バッファ12に格納される。
【0025】地図描画部16は、地図バッファ12に格
納された図葉の地図データに含まれる描画ユニット(図
2に示した目標物表示データも含まれる)のデータに基
づいて、自車位置周辺の2次元あるいは3次元の地図画
像を作成する。ここで、3次元の地図画像とは、視点位
置あるいは立体表示の視点位置から進行方向前方を見た
場合の画像であり、あらかじめ設定された目標物として
の建物等が立体表示されたものをいう。作成された地図
画像データはVRAM18に格納され、読出制御部20
によって1画面分の地図画像データが読み出される。画
像合成部22は、この読み出された地図画像データに、
マーク画像発生部40や操作画面発生部46から出力さ
れる各画像データを重ねて画像合成を行い、合成された
画像がディスプレイ装置7の画面に表示される。
【0026】車両位置計算部32は、GPS受信機5か
ら出力される測位位置(自車位置)データを順次格納
し、また、自律航法センサ6から出力される自車の相対
的な位置および方位から絶対的な自車位置および方位を
計算する。さらに、車両位置計算部32は、これらの自
車位置が地図データの道路上に存在するか否かを判定
し、道路上から外れた場合には計算により求めた自車位
置を修正する処理(マップマッチング処理)を行う。マ
ップマッチングの代表的な手法としては、パターンマッ
チングと投影法が知られている。
【0027】経路探索処理部34は、リモコンユニット
4のカーソルキーの操作によって地図上の特定箇所にカ
ーソルが移動された後目的地入力キーが押下されると、
このときカーソル位置計算部44によって計算されたカ
ーソル位置を経路探索の目的地として設定して誘導経路
メモリ36に格納する。また、経路探索処理部34は、
リモコンユニット4の探索キーが押下されると、車両位
置計算部32のマップマッチング処理によって修正され
た後の自車位置を出発地として設定して誘導経路メモリ
36に格納するとともに、この格納された出発地および
目的地を所定の条件下で結ぶ走行経路を探索する。例え
ば、時間最短、距離最短、一般道路優先等の各種の条件
下でコストが最小となる誘導経路が設定される。経路探
索の代表的な手法としては、ダイクストラ法や横形探索
法が知られている。このようにして経路探索処理部34
によって設定された誘導経路は、誘導経路メモリ36に
記憶される。
【0028】誘導経路描画部38は、誘導経路メモリ3
6に記憶された誘導経路データの中から、その時点でV
RAM18に描画された地図エリアに含まれるものを選
び出し、地図画像に重ねて所定色で太く強調した誘導経
路を描画する。マーク画像発生部40は、マップマッチ
ング処理された後の自車位置に車両位置マークを発生さ
せたり、所定形状を有するカーソルマークを発生する。
【0029】上述した地図バッファ12が立体データ格
納手段に、地図描画部16が立体画像作成手段に、VR
AM18、読出制御部20、画像合成部22が立体画像
表示手段にそれぞれ対応している。
【0030】(4)ナビゲーション装置の動作 ナビゲーション装置の全体およびナビゲーションコント
ローラ1は上述した構成を有しており、次に、上述した
目標物表示データに基づいて目標物を立体表示する場合
の詳細動作を説明する。なお、以下においては、図葉の
大きさと区画の大きさが同じ(同一の緯度、経度で区切
られている)であるものとする。
【0031】図3は、本実施形態のナビゲーション装置
による立体表示の動作手順を示す流れ図である。まず、
地図読出制御部14は、車両位置計算部32から入力さ
れた自車位置に基づいて、この自車位置を含む図葉の地
図データをディスク読取装置3に格納されたCD−RO
M2から読み出し、地図バッファ12に格納する(ステ
ップ101)。
【0032】次に、地図描画部16は、地図バッファ1
2に格納された地図データの描画ユニット内の背景レイ
ヤを検索して、視点位置(自車位置)を含む区画に対応
する目標物表示データが含まれているか否かを判定する
(ステップ102)。目標物表示データが含まれていな
いと判定した場合は、地図描画部16は、後述する鳥瞰
処理(ステップ104)を行う。また、目標物表示デー
タが含まれていると判定した場合は、地図描画部16
は、その目標物表示データの各目標物データ要素に含ま
れている「目標物データへのポインタ」で指定されてい
る目標物データのうち、立体表示に必要なものを検索し
て読み出す(ステップ103)。例えば、地図描画部1
6は、目標物表示データの各目標物データ要素に含まれ
ている「視点位置の存在する区画の中心から見た目標物
の存在する区画の中心の方位」に基づいて、その目標物
が車両進行方向を見た場合の視野に入るか否かを判定
し、視野に入る目標物データのみを読み出す。また、運
転者等によって立体表示を行う目標物の種別が指定され
ている場合は、目標物データの「目標物のカテゴリ」に
基づいて、指定された目標物種別に属する目標物データ
のみを読み出す。図4は、目標物種別(カテゴリ)選択
画面の表示例を示す図である。運転者等は、同図に示す
ようなカテゴリ選択画面を表示させて、リモコンユニッ
ト4のテンキーによる操作等で特定のカテゴリに属する
目標物のみを立体表示するように指示することができ
る。
【0033】次に、地図描画部16は、鳥瞰処理(立体
表示処理)を行う(ステップ104)。図5〜図9は、
鳥瞰処理の説明図である。ただし、説明の都合上、自車
位置の高さを0として説明する。図5は、自車位置P
(Xp ,Yp ,0)と地図データから読み出された平面
地図(建物や道路の平面形状)の関係を示す図である。
同図に示すは、立体表示される目標物の平面形状であ
り、目標物データに含まれるポリゴンデータの要素点座
標に基づいて表示されている。同図に示すように、車両
進行方向Iは、X軸とθの角度をなしているため、自車
位置P(Xp ,Yp ,0)を中心にして車両進行方向I
とX軸方向が一致するように、 X′=(X−Xp )cosθ−(Y−Yp )sinθ+
Xp Y′=(X−Xp )sinθ+(Y−Yp )cosθ+
Yp により、角度θだけ回転座標変換され、任意のポイント
M(X,Y,Z)は、M′(X′,Y′,Z)に変換さ
れる。ここで、立体表示される目標物の目標物データに
含まれるポリゴンデータの要素点座標も回転座標変換さ
れる(Z軸方向の回転はないため、高さは変更ない)。
図6は、回転座標変換後の自車位置および平面地図の関
係を示す図である。
【0034】次に、車両進行方向を視線方向とし、自車
位置より後方で、所定の高さにある上空位置を立体表示
の視点位置として、投影変換処理を行う。図7は、投影
変換処理の概要を示す図である。同図に示すように、立
体表示の視点位置Qは、自車位置の後方Xo で、高さZ
o のポイントにある。すなわち、立体表示の視点位置Q
の座標は、(Xp −Xo ,Yp ,Zo )となる。
【0035】この立体表示の視点位置Qから回転後の地
図を見たとき、視線がYp −Zp 平面と交差するポイン
トの位置データY″、Z″を投影変換処理により求め
る。図8は、Y″を求めるためのXY平面の参照図であ
る。同図を参照すると、回転後の任意のポイントM′の
Yp −Zp 平面におけるYp 軸座標値Y″は、三角形の
相似により、 (X′−Xp +Xo ):(Y′−Yp )=Xo :Y″ であるから、これをY″について解くと、 Y″=Xo (Y′−Yp )/(X′−Xp +Xo ) となる。また、図9は、Z″を求めるためのXZ平面の
参照図である。同図を参照すると、回転後の任意のポイ
ントM′のYp −Zp 平面におけるZp 軸座標値Z″
は、三角形の相似により、 (X′−Xp +Xo ):(Zo −Z)=(X′−Xp
):(Z″−Z) であるから、これをZ″について解くと、 Z″={Zo (X′−Xp )+ZXo }/(X′−Xp
+Xo ) となる。したがって、視点より前方に存在し、かつ立体
表示の視点位置から車両進行方向を見た場合の視野に含
まれる回転後の任意のポイントM′(X′,Y′,Z)
は、Yp −Zp 座標系の座標値(Y″,Z″)に変換さ
れる。図6のに示した立体表示される目標物の目標物
データに含まれるポリゴンデータの要素点座標も投影変
換されるが、目標物の高さについては、目標物表示デー
タの各目標物データ要素に含まれる「目標物までの距離
とこの目標物の立体画像の高さとの関係を示す目標物の
表示比率」に基づいて表示比率の変更を行う。
【0036】なお、目標物表示データの「視点位置の存
在する区画の中心から目標物の存在する区画の中心まで
の距離」が所定距離以上である目標物(例えば、視点位
置のある区画と目標物のある区画が離れているような場
合)については、同一区画内を視点位置が移動しても、
視点位置−目標物位置間の距離と目標物の高さとの比率
や視点位置から見た目標物位置の方位はそれほど変化し
ないため、作成される目標物の立体画像の変化も小さ
い。したがって、目標物表示データの各目標物データ要
素に含まれる「視点位置の存在する区画の中心から目標
物の存在する区画の中心までの距離」を視点位置と目標
物位置との距離として、また、「視点位置の存在する区
画の中心から見た目標物の存在する区画の中心の方位」
を視点位置から目標物位置を見た場合の方位として、目
標物の立体画像を作成するようにしてもよい。この場合
には、同一区画内の視点位置の移動であれば、目標物の
立体画像は同じ画像となるので、作成し直す必要がな
く、鳥瞰処理においては、車両進行方向の変化による表
示位置の変更のみを行うだけでよい。
【0037】以上により、投影変換処理が完了すれば、
地図描画部16は、得られた図形データ(Y″,Z″)
をVRAM18に書き込み、ディスプレイ装置7によっ
て鳥瞰図が画面表示される(ステップ105)。図10
は、鳥瞰図の概要を示す図である。同図において、Gは
自車位置マークを示す。同図に示すように、立体表示さ
れる目標物については、図2(B)に示すこの目標物
の目標物データに含まれるポリゴンデータの要素点座標
(X,Y,Z)が、回転座標変換処理および投影変換処
理の結果、(Y″,Z″)に変換されて画面表示され
る。また、立体表示される目標物が複数存在する場合
は、回転座標変換処理後のX座標値の大きな図形から順
次VRAM18に書き込むことで正確な画面表示がなさ
れる。また、自車位置マークGについても鳥瞰処理が行
われることによって、図10のように画面表示される。
【0038】このように、各図葉の地図データに各区画
ごとに目標物表示データを含ませることによって、視点
位置が含まれる区画の地図データを読み出すだけで、視
点位置からの視野に含まれる目標物を立体表示すること
ができ、処理の負担が大幅に低減される。
【0039】また、目標物表示データに、「視点位置の
存在する区画の中心から目標物の存在する区画の中心ま
での距離」や「視点位置の存在する区画の中心から見た
目標物の存在する区画の中心の方位」を含ませておい
て、視点位置から所定距離以上離れた目標物については
これらの距離および方位に基づいて目標物の立体画像を
作成することによって、同一区画内で視点位置が移動し
ても目標物の立体画像を作成し直す必要がなく、立体表
示処理の負担を軽減することができる。
【0040】また、目標物データに、「目標物のカテゴ
リ」を含ませておいて、運転者等が立体表示させたい目
標物の種別を指定することができるため、画面の見やす
さを向上させることができる。
【0041】さらに、目標物表示データに、「目標物ま
での距離とこの目標物の立体画像の高さとの関係を示す
目標物の表示比率」を含ませておいて、目標物ごとある
いは目標物のカテゴリ別に表示比率を設定することによ
り、実際に走行していて目立つ建物等の表示比率を大き
な値に設定してこれらの立体画像を強調することがで
き、運転者等にわかりやすい立体表示を行うことができ
る。
【0042】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨の範囲で種々の変形実施が
可能である。例えば、上述した実施形態では、ポリゴン
データによって目標物の立体表示を行ったが、ビットマ
ップデータによって目標物を立体表示してもよい。
【0043】また、上述した実施形態では、目標物のカ
テゴリごとに立体表示するか否かを選択したが、目標物
ごとに立体表示するか否かを選択できるようにしてもよ
い。この場合、例えば、目的地の建物のみを立体表示す
るように選択することもできる。
【0044】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、目標
物の立体表示に必要な立体表現データが視点位置の地図
データに含まれており、この立体表現データに基づいて
立体画像が作成されるため、立体画像作成の際に、視点
位置の地図データを読み出すだけでよく、視点位置から
の視野に含まれる他の地図データを検索する必要がなく
なるため、立体表示処理を行うために必要なデータ検索
の処理の負担が軽く、この検索時間や立体表示までの時
間を短縮することができる。
【0045】また、所定の区画を単位として立体表現デ
ータを格納することにより、立体表示に必要な立体表現
データの量を減らすことができる。また、上述した立体
表現データに、視点位置に対応する区画と目標物が存在
する区画との間の距離と相対方位を含ませておいて、こ
れらのデータに基づいて立体画像を作成することによ
り、目標物の立体表示に必要な計算量を減らすことがで
きる。
【0046】また、本発明によれば、立体表現データに
各目標物の種別や目標物までの距離と目標物の立体画像
の高さとの比率を含ませておくことによって、立体表示
の見やすさを向上させることができる。また、立体表現
データをポリゴンデータで構成することにより、よりリ
アルな立体画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一実施形態の車載用ナビゲー
ション装置の全体構成を示す図である。
【図2】目標物表示データの詳細内容を示す図である。
【図3】本実施形態のナビゲーション装置による立体表
示の動作手順を示す流れ図である。
【図4】カテゴリ選択画面の表示例を示す図である。
【図5】自車位置と地図データから読み出された平面地
図の関係を示す図である。
【図6】回転座標変換後の自車位置と平面地図の関係を
示す図である。
【図7】投影変換処理の概要を示す図である。
【図8】Y″を求めるためのXY平面を示す図である。
【図9】Z″を求めるためのXZ平面を示す図である。
【図10】鳥瞰図の概要を示す図である。
【符号の説明】
1 ナビゲーションコントローラ 2 CD−ROM 3 ディスク読取装置 7 ディスプレイ装置 12 地図バッファ 14 地図読出制御部 16 地図描画部 18 VRAM 20 読出制御部 22 画像合成部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 視点位置からの視野に入る目標物の立体
    表現データを、視点位置の地図データに含ませて格納す
    る立体データ格納手段と、 前記立体データ格納手段に格納されている立体表現デー
    タに基づいて、前記目標物に対応した立体画像を作成す
    る立体画像作成手段と、 前記立体画像作成手段によって作成された立体画像を画
    面上に表示する立体画像表示手段と、 を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記立体データ格納手段は、所定の区画に含まれる任意
    位置を視点位置として見渡したときに視野に入る目標物
    に対応する前記立体表現データを、前記所定の区画ごと
    に格納することを特徴とするナビゲーション装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記立体データ格納手段に格納された前記立体表現デー
    タには、所定の区画を単位として考えた場合に、視点位
    置に対応する区画と目標物が実際に存在する区画との間
    の距離および相対方位が含まれており、 前記立体画像作成手段は、前記距離および相対方位に基
    づいて前記立体画像を作成することを特徴とするナビゲ
    ーション装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記立体データ格納手段に格納された前記立体表現デー
    タには、前記目標物の種別が含まれており、 前記立体画像作成手段は、指定された種別に対応する前
    記目標物の立体画像を作成することを特徴とするナビゲ
    ーション装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、 前記立体データ格納手段に格納された前記立体表現デー
    タには、前記目標物までの距離とこの目標物の立体画像
    の高さとの比率が含まれており、 前記立体画像作成手段は、前記目標物ごとあるいは目標
    物の種別ごとに設定された前記比率に基づいて立体画像
    を作成することを特徴とするナビゲーション装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、 前記立体表現データ格納手段に格納された前記立体表現
    データはポリゴンデータであり、 前記立体画像作成手段は、前記視点位置と前記目標物位
    置とに応じて、前記ポリゴンデータから前記立体画像を
    作成することを特徴とするナビゲーション装置。
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