JPH1182157A - 水冷式内燃機関の冷却装置 - Google Patents

水冷式内燃機関の冷却装置

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Publication number
JPH1182157A
JPH1182157A JP23835597A JP23835597A JPH1182157A JP H1182157 A JPH1182157 A JP H1182157A JP 23835597 A JP23835597 A JP 23835597A JP 23835597 A JP23835597 A JP 23835597A JP H1182157 A JPH1182157 A JP H1182157A
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JP
Japan
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cooling water
water jacket
cylinder
cylinder head
cooling
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JP23835597A
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English (en)
Inventor
Hidetoshi Takamatsu
英俊 高松
Noriaki Okano
則明 岡野
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水冷式内燃機関の冷却装置において、冷却水
の通路抵抗の低減、冷却性能の向上、冷却水ジャケット
部分の構造の簡単化、製造の容易化を図る。 【解決手段】 燃焼室13の周囲に冷却水ジャケット44を
有する水冷式内燃機関の冷却装置において、冷却水ジャ
ケット44は、シリンダ4に形成された冷却水ジャケット
部分44a と、シリンダヘッド5に形成された冷却水ジャ
ケット部分44b とからなり、シリンダ4に形成された冷
却水ジャケット部分44a と、シリンダヘッド5に形成さ
れた冷却水ジャケット部分44b とは、いずれもシリンダ
4とシリンダヘッド5との接合端面側に開放する円環状
をなして形成され、シリンダ4とシリンダヘッド5とが
接合されることにより、一体に連通状にされている。シ
リンダ4に形成された冷却水ジャケット部分44a と、シ
リンダヘッド5に形成された冷却水ジャケット部分44b
とは、シリンダ軸を含む面により裁断されたそれぞれの
通路断面積が略同等にされ、それぞれの深さが略同等に
されている。シリンダ4とシリンダヘッド5との接合部
には、ガスケット45が介装されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願の発明は、排気量の比較
的小さな水冷式内燃機関、特に自動二輪車等の小型車両
に搭載される水冷式内燃機関の冷却装置に関し、特に燃
焼室の周囲に形成される冷却水ジャケットの構造に工夫
を施して、冷却水通路抵抗の低減、冷却性能の向上およ
び製造の容易化を図った水冷式内燃機関の冷却装置に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来のこの種水冷式内燃機関の冷却装置
(実開平2−145622号公報参照)においては、図
8ないし図11に図示されるように、冷却水ジャケット
044 は、シリンダ04とシリンダヘッド05との接合部に介
装されるヘッドガスケット045により、シリンダ04側冷
却水ジャケット部分044aと、シリンダヘッド05側冷却水
ジャケット部分044bとに分離され、冷却水は、シリンダ
04に形成された供給通路070 から供給されて、ヘッドガ
スケット045 に形成された流入口045aを通り、シリンダ
ヘッド05に形成されたポケット状部分071 に入り、そこ
からシリンダヘッド05側冷却水ジャケット部分044bを略
一周して流れて、ポケット状部分071 と隔壁を隔てて隣
接するその終端部からヘッドガスケット045 に形成され
た流出口045bを通り、下方のシリンダ04側冷却水ジャケ
ット部分044aに入り、次いで、そこから図9において周
方向両側に分かれて半周流れて、前記流出口045bと略反
対側下部に形成された流出通路072 を経て、図示されな
いラジエータに送られるようになっていた。
【0003】そして、シリンダ04側冷却水ジャケット部
分044aと、シリンダヘッド05側冷却水ジャケット部分04
4bとは、図8から明らかなように、シリンダ孔07の軸を
含んだ面により裁断されたそれぞれの通路断面積が大き
く異なって形成されており、3対1以上にされていた。
なお、08はピストン、013 は燃焼室、016 は吸(排)気
弁、073 はボルト孔、074 はプッシュロッド挿通孔であ
る。
【0004】
【解決しようとする課題】従来の水冷式内燃機関の冷却
装置における冷却水ジャケット044 は、前記のように構
成されていたので、冷却水ジャケット044 は、ヘッドガ
スケット045 により、シリンダ04側冷却水ジャケット部
分044aと、シリンダヘッド05側冷却水ジャケット部分04
4bとに分離されており、このため、冷却水の通路断面積
が小さくなり、しかも、シリンダヘッド05側冷却水ジャ
ケット部分044bにおいては、冷却水は略一周回流して流
出するようにされていたので、通路抵抗が大きくなって
いた。
【0005】また、それぞれの通路断面積が不揃いに形
成されており、通路断面積が大きい側のシリンダ04側冷
却水ジャケット部分044aにおいては、流れに淀みが生じ
て、各部の冷却が均質に行なわれず、シリンダ04やシリ
ンダヘッド05に熱歪みなどの熱的問題が生ずる虞があっ
た。
【0006】さらに、シリンダ04側冷却水ジャケット部
分044aと、シリンダヘッド05側冷却水ジャケット部分04
4bとには、それぞれに冷却水の出入口が必要とされてい
た。このため、シリンダ04とシリンダヘッド05との冷却
水ジャケット044 部分の構造が複雑になっていた。
【0007】
【課題を解決するための手段および効果】本願の発明
は、前記のような課題を解決した水冷式内燃機関の冷却
装置の改良に係り、その請求項1に記載された発明は、
燃焼室の周囲に冷却水ジャケットを有する水冷式内燃機
関の冷却装置において、前記冷却水ジャケットは、シリ
ンダに形成された冷却水ジャケット部分と、シリンダヘ
ッドに形成された冷却水ジャケット部分とからなり、前
記シリンダに形成された冷却水ジャケット部分と、前記
シリンダヘッドに形成された冷却水ジャケット部分と
は、いずれも前記シリンダと前記シリンダヘッドとの接
合端面側に開放する円環状をなして形成され、前記シリ
ンダと前記シリンダヘッドとが接合されることにより、
1つの水ジャケットが形成されたことを特徴とする水冷
式内燃機関の冷却装置である。
【0008】請求項1に記載された発明は、前記のよう
に構成されているので、冷却水ジャケットは、シリンダ
に形成された冷却水ジャケット部分と、シリンダヘッド
に形成された冷却水ジャケット部分とが、一体に連通状
に構成されて、1つの水ジャケットが形成され、通路断
面積が拡大される。この結果、冷却水は、両冷却水ジャ
ケット部分を、その入口から出口に向かって滑らかに貫
通して流れて、通路抵抗が低減される。
【0009】また、冷却水ジャケットへの冷却水の出入
口は、両冷却水ジャケット部分を通じて、各1個所形成
されればよいので、シリンダとシリンダヘッドとの冷却
水ジャケット部分の構造が簡単化される。また、冷却水
出入口位置の自由度が増加する。
【0010】また、シリンダとシリンダヘッドが、ダイ
キャストにより量産される場合に、それぞれの冷却水ジ
ャケット部分を形成するのに、中子を用いることなく、
それらが接合される端面側の金型を抜くことにより形成
することができるようになるので、それらの製造が容易
になる。
【0011】さらに、請求項2記載のように請求項1記
載の発明を構成することにより、冷却水ジャケット内の
冷却水の通過速度が、シリンダに形成された冷却水ジャ
ケット部分とシリンダヘッドに形成された冷却水ジャケ
ット部分とを通じて均一化され、流れの淀みが生じなく
なるので、各部の冷却が均一に行なわれて、シリンダや
シリンダヘッドに熱歪みなどの熱的問題が生ずる虞が回
避される。
【0012】また、請求項3記載のように請求項2記載
の発明を構成することにより、シリンダに形成された冷
却水ジャケット部分と、シリンダヘッドに形成された冷
却水ジャケット部分とは、それらの各通路断面形状が略
同等になるので、各部の冷却がさらに均一に行なわれ
て、シリンダやシリンダヘッドに生ずる熱歪み、および
これに起因する熱的トラブルやオイル消費、ノッキング
等の問題がさらに回避される。
【0013】また、請求項4記載のように請求項1ない
し請求項3記載の発明を構成することにより、シリンダ
とシリンダヘッドとの接合部における高温高圧燃焼ガス
の密封を図りつつ、シリンダに形成された冷却水ジャケ
ット部分とシリンダヘッドに形成された冷却水ジャケッ
ト部分との一体連通状態を十分に確保し、各引用請求項
記載の発明が奏する前記のような効果を十分に発揮させ
ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、図1ないし図7に図示さ
れる本願の請求項1ないし請求項4記載の発明の一実施
形態について説明する。図1は、本実施形態における水
冷式内燃機関の冷却装置が適用される水冷式内燃機関の
概略を示した斜視図であり、頭上弁式4ストロークサイ
クル(通称4サイクル)単気筒の水冷式内燃機関1は、
図示されない小型自動二輪車の車体に、その前後車輪の
中間に位置して搭載されている。
【0015】そして、水冷式内燃機関1は、左右割のク
ランクケース2、3と、シリンダブロック(シリンダ)
4と、シリンダヘッド5と、シリンダヘッドカバー6と
からなり、クランクケース2、3の前端に、シリンダブ
ロック4のシリンダ孔7の中心軸線が略水平前方を向く
ようにして、シリンダブロック4が重ねられ、さらにシ
リンダブロック4の前方にシリンダヘッド5およびシリ
ンダヘッドカバー6が順次重ねられ、これらクランクケ
ース2、3、シリンダブロック4、シリンダヘッド5お
よびシリンダヘッドカバー6は、相互に一体に結合され
ている。
【0016】また、図3および図4に図示されるよう
に、シリンダ孔7にピストン8が摺動可能に嵌装され、
左右のクランクケース2、3に、クランクシャフト9が
回転可能に枢支され、該ピストン8とクランクシャフト
9とに、ピストンピン10とクランクピン11とを介してコ
ネクティングロッド12の両端が回転可能に枢着されてお
り、ピストン8が往復動すると、クランクシャフト9が
回転駆動されるようになっている。
【0017】シリンダヘッド5には、シリンダ孔7の頂
部の燃焼室13に連通する吸気ポート14と排気ポート15
が、それぞれ形成され、該吸気ポート14および排気ポー
ト15に、それぞれ吸気弁16および排気弁17が、開閉自在
に設けられている。
【0018】吸気弁16および排気弁17の頂端に隣接し
て、カムシャフト18が配置され、該カムシャフト18は、
ベアリング19を介しシリンダヘッド5とカムシャフトホ
ルダー20とに挟まれて回転自在に枢支され、該カムシャ
フト18の左端拡径部18aに、ドリブンスプロケット21が
一体に嵌着され、クランクシャフト9と一体のドライブ
スプロケット22とドリブンスプロケット21とに、無端チ
ェーン(伝動機構)23が架渡されており、カムシャフト
18は、クランクシャフト9の半分の回転速度で回転駆動
され、前記吸気弁16および排気弁17は、クランクシャフ
ト9が2回転する度に、それぞれ1回ずつ開閉駆動され
るようになっている。
【0019】また、図2、図5および図6に図示される
ように、水冷式内燃機関1を冷却する冷却装置の放熱部
たるラジエータ30は、シリンダブロック4の上方に配置
され、該ラジエータ30は、左右両側の冷却水タンク31、
32(図5では左右逆)と、車体前後方向に向いかつ鉛直
面に沿い多数平行に配設された平板状の放熱フィン33
と、前記冷却水タンク31、32の対向内壁および放熱フィ
ン33を車巾水平方向に沿い貫通した断面円形の冷却水導
管34(上下方向に3列、前後方向に2列または3列に配
列されている)とよりなり、該冷却水タンク31、32の底
面31a(図6に図示され、冷却水タンク32の底面は図示
されていない)に冷却水出入開口35が形成され、該冷却
水タンク31、32の底部と一体のフランジ36、36を貫通し
て後述するラジエータ支持部40、41に螺着されるボルト
47によって、ラジエータ30は、シリンダブロック4に強
固に取り付けられている。
【0020】前記冷却水出入開口35には、接続スリーブ
38が下方に向けて突出して嵌着されている。なお、冷却
水タンク31の頂部には、キャップ39が嵌脱自在に嵌着さ
れている。
【0021】また、図3および図4に図示されるよう
に、シリンダブロック4には、左右両側方へラジエータ
支持部40、41が突設され、該ラジエータ支持部40、41に
は、冷却水通路42、43が、それぞれ設けられている。
【0022】ラジエータ支持部41に設けられた右側の冷
却水通路43は、詳細には図示されないが、シリンダブロ
ック4に形成された燃焼室13の外周を囲む円環状冷却水
ジャケット部分44a に連通されており、シリンダヘッド
5にも、該冷却水ジャケット部分44a の開口端に合致す
る開口端を有する円環状冷却水ジャケット部分44b が設
けられているので、右側の冷却水通路43は、さらに、該
冷却水ジャケット部分44b を介して、後述する連通路60
に連通されている。
【0023】冷却水ジャケット部分44a 、冷却水ジャケ
ット部分44b は、シリンダブロック4とシリンダヘッド
5との接合部における各合せ面から略同じ深さで奥に向
い、かつ、シリンダ孔7の軸を含む面により裁断された
それぞれの通路断面積が略同等にされて、断面先細状に
形成されていて、両者が合わさって、一体連通状の1つ
の冷却水ジャケット44が構成されている。なお、両冷却
水ジャケット部分44a、44b の各通路断面積の比は、少
なくとも、1:2〜2:1の範囲内に入るようにして、
前記従来のものに比し、両通路断面積が接近するように
形成されるのが望ましい。
【0024】シリンダブロック4とシリンダヘッド5と
の接合部には、高温高圧の燃焼ガスの密封を図るため
に、図7に図示されるようなガスケット45が介装されて
いるが、該ガスケット45には、両冷却水ジャケット部分
44a 、44b の各開口端に対応する位置に、複数の開口45
a が形成されているので、これら両冷却水ジャケット部
分44a 、44b は、該複数の開口45a を介して一体に連通
される。なお、図7において、45d はボルト挿通用孔で
あり、燃焼室13、後述する伝動機構室62に対応する部分
に、それぞれ開口45b 、45c が形成されている。
【0025】前記複数の開口45a の総面積は、ガスケッ
ト45の一体成形を妨げない範囲で、両冷却水ジャケット
部分44a 、44b の各開口端の面積の40%以上にされる
のが望ましい。このようにすることにより、該複数の開
口45a を介したこれら両冷却水ジャケット部分44a 、44
b の一体連通状態がよく確保され、冷却水の流通に支障
を来すことがない。本実施形態において、開口45a は2
6個形成されており、その総面積の両冷却水ジャケット
部分44a 、44b の各開口端の面積に対する比率(開口部
比率)は、43%とされている。
【0026】ラジエータ支持部40に設けられた左側の冷
却水通路42は、その上方開口部に接続スリーブ38の下端
が嵌着されており、該接続スリーブ38を介して冷却水タ
ンク31に連なっている(図6参照)。
【0027】さらに、図3および図4に図示されるよう
に、カムシャフト18の左端拡径部18aの中心部は、端面
から欠除されて凹部18bが形成され、該凹部18bの内周
面に、複数極をもつ円筒状の永久磁石24が配設されてい
る。なお、これに代えて、複数個の永久磁石を周方向に
亘り等間隔に配設してもよい。
【0028】カムシャフト18により回転駆動される冷却
水ポンプ50は、隔壁(ポンプケーシング)51と、ポンプ
カバー52と、該隔壁51のロータ収納部51a内にて隔壁51
およびポンプカバー52に支持軸53を介して回転自在に枢
支されたインペラ54とよりなり、該インペラ54の軸部54
aの外周面には、隔壁51のロータ収納部51aを介してカ
ムシャフト18の永久磁石24に相対する極数をもつ円筒状
の永久磁石55が嵌着されており、インペラ54の軸部54a
は、永久磁石55、24によりカムシャフト18に磁気的に結
合され、カムシャフト18の回転に対応して、軸部54aが
回転駆動され、インペラ54が回転されるようになってい
る。
【0029】冷却水ポンプ50の吸入部56は、図6に図示
されるように、連通管46を介して左方ラジエータ支持部
40の冷却水通路42の下方開口42aに連通され、図3およ
び図4に図示されるように、冷却水ポンプ50の吐出部57
は、ポンプカバー52の吐出通路58(隔壁51により閉塞さ
れて形成されている)に連通され、該吐出通路58に連通
する隔壁51の連通路59と、シリンダヘッド5の冷却水ジ
ャケット部分44b に連通する連通路60とに、連通管61の
両端が水密に嵌着されており、ラジエータ30の左方冷却
水タンク31内の冷却水は、左方ラジエータ支持部40の冷
却水通路42、連通管46および吸入部56を介して冷却水ポ
ンプ50内に吸入され、冷却水ポンプ50のインペラ54で加
圧された冷却水は、吐出部57から吐出通路58、連通路5
9、連通管61および連通路60を介して冷却水ジャケット
部分44b 、冷却水ジャケット部分44a に吐出されるよう
になっている。
【0030】なお、連通管61は、後述する伝動機構室62
を囲むシリンダヘッド5の外周壁に形成された孔63内に
も嵌め込まれており、さらに、その先端は、前記のとお
り、連通路60に差し込まれて、ポンプ隔壁51により軸方
向の移動が規制され、抜け止めされている。
【0031】また、図3および図4に図示されるよう
に、連通管61の外周に、無端チェーン23と噛合うアイド
ラスプロケット25が回転自在に嵌装されるとともに、ア
イドラスプロケット25よりクランクシャフト9寄りに位
置して、シリンダブロック4に、ピン26を介してアイド
ラスプロケット27が枢着され、図6に図示されるよう
に、クランクシャフト9の近くに、無端チェーン23を上
下から挟むように、アイドラスプロケット28、29が枢着
されている。
【0032】連通管61は、図6に図示されるように、無
端チェーン23が収容される伝動機構室62内であって、し
かも、該無端チェーン23の走行経路が囲む領域中に配置
されているので、該連通管61の外周に嵌装されるアイド
ラスプロケット25も、同じ領域中に配置されており、こ
の結果、アイドラスプロケット25は、無端チェーン23の
走行経路の内側から、該無端チェーン23と噛合うように
なっている。このようにすることにより、伝動機構室62
のスペースが有効に利用される。
【0033】本実施形態1は、前記のように構成されて
いるので、次のような作用、効果を奏することができ
る。水冷式内燃機関1が運転状態となり、水冷式内燃機
関1の運転に対応して回転するカムシャフト18に磁気的
に結合された冷却水ポンプ50のインペラ54の軸部54aが
回転駆動され、インペラ54が回転すると、ラジエータ30
で冷却された左側冷却水タンク31内の冷却水は、冷却水
出入開口35から接続スリーブ38と、ラジエータ支持部40
の冷却水通路42と、連通管46とを介して冷却水ポンプ50
の吸入部56に吸入され、冷却水ポンプ50のインペラ54で
加圧された後、冷却水ポンプ50の吐出部57から吐出通路
58、連通路59、連通管61および連通路60を介してシリン
ダヘッド5に形成された冷却水ジャケット部分44b に流
入する。
【0034】冷却水ジャケット部分44b に流入した冷却
水は、ガスケット45に形成された複数の開口45a を通っ
て流下して、シリンダブロック4に形成された冷却水ジ
ャケット部分44a に流入し、該冷却水ジャケット部分44
a に連通する出口(図示されず。連通路60に対し、周方
向略反対側にある。)からラジエータ支持部41の冷却水
通路43に流入し、そこからさらに右側の冷却水タンク32
内に送られ、冷却水導管34を通過して左側冷却水タンク
31内に戻り、冷却水は、冷却水系内を循環する。
【0035】そして、図示されない小型自動二輪車が走
行すると、前方から後方に向う走行風が、ラジエータ30
の放熱フィン33間を通過し、冷却水導管34内を流れる加
熱された冷却水でもって加熱された放熱フィン33は、こ
の走行風によって放熱され、この放熱フィン33の放熱に
よって、冷却水導管34内の冷却水は冷却される。この
際、フィン33が上下方向に配置されているため、停車中
は、自然対流による放熱が効率よく行なわれる。
【0036】ここで、冷却水ジャケット44は、シリンダ
ブロック4に形成された冷却水ジャケット部分44a と、
シリンダヘッド5に形成された冷却水ジャケット部分44
b とが、一体に連通状にされて1つの水ジャケットとし
て構成されており、該冷却水ジャケット44のシリンダ軸
を含む面により裁断された通路断面積は、冷却水ジャケ
ット部分44a 、44b の各通路断面積の和となって拡大さ
れている。
【0037】この結果、冷却水ジャケット44への冷却水
の入口に相当する連通路60を介して冷却水ジャケット部
分44b に流入した冷却水が、冷却水ジャケット部分44a
に連通する出口(連通路60と周方向略反対側にある)か
ら流出するまでの間、冷却水は、これら両冷却水ジャケ
ット部分44b 、44a を滑らかに貫通して流れて、通路抵
抗が低減される。
【0038】加えて、冷却水ジャケット部分44b 、44a
の各通路断面積が略同等にされ、それらの各深さが略同
等にされているので、冷却水ジャケット部分44b 、44a
の各通路断面形状が略同等になる。ひいては、これらの
各全体形状が略同等になる。この結果、冷却水ジャケッ
ト44内の冷却水の通過速度が、これら両冷却水ジャケッ
ト部分44b 、44a を通じて均一化され、流れの淀みが生
じることがなくなるので、各部の冷却が均一に行なわれ
て、シリンダブロック4やシリンダヘッド5に熱歪みな
どの熱的問題が生ずる虞が回避される。
【0039】また、冷却水ジャケット44への冷却水の出
入口は、両冷却水ジャケット部分44b 、44a を通じて、
各1個所形成されればよいので、シリンダブロック4と
シリンダヘッド5との冷却水ジャケット44部分の構造が
簡単になるとともに、冷却水の配管構造が簡単になる。
【0040】さらに、シリンダブロック4とシリンダヘ
ッド5が、ダイキャストにより量産される場合に、それ
ぞれの冷却水ジャケット部分44b 、44a を形成するの
に、中子を用いることなく、それらが接合される端面側
の金型を抜くことにより形成することができるようにな
るので、シリンダブロック4とシリンダヘッド5の製造
が容易になる。
【0041】また、シリンダブロック4とシリンダヘッ
ド5との接合部にガスケット45が介在されて、該接合部
における高温高圧燃焼ガスの密封が図られながらも、ガ
スケット45に形成された複数の開口45a によって、シリ
ンダブロック4に形成された冷却水ジャケット部分44a
とシリンダヘッド5に形成された冷却水ジャケット部分
45b との一体連通状態が十分に確保され、前記のような
効果が奏されるのを妨げることもない。
【0042】本実施形態においては、冷却水ジャケット
44を巡る冷却水の流れは、連通路60を介して冷却水ジャ
ケット部分44b に流入し、冷却水ジャケット部分44a に
連通する出口(連通路60と周方向略反対側にある)から
流出するようにされたが、冷却水ポンプ50の設置位置に
よっては、この逆にされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の請求項1ないし請求項4記載の発明の一
実施形態における水冷式内燃機関の冷却装置が適用され
た水冷式内燃機関の概略斜視図である。
【図2】図1の右側面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿って裁断した縦断平面
図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図2のV矢視図であって、一部を欠裁した正面
図である。
【図6】図1の一部欠裁左側面図である。
【図7】図1の実施形態において、ガスケットの平面図
である。
【図8】従来例を示す図である。
【図9】図8の従来例において、シリンダの平面図であ
る。
【図10】同シリンダヘッドの下面図である。
【図11】同ガスケットの平面図である。
【符号の説明】 1…水冷式内燃機関、2、3…クランクケース、4…シ
リンダブロック(シリンダ)、5…シリンダヘッド、6
…シリンダヘッドカバー、7…シリンダ孔、8…ピスト
ン、9…クランクシャフト、10…ピストンピン、11…ク
ランクピン、12…コネクティングロッド、13…燃焼室、
14…吸気ポート、15…排気ポート、16…吸気弁、17…排
気弁、18…カムシャフト、19…ベアリング、20…カムシ
ャフトホルダー、21…ドリブンスプロケット、22…ドラ
イブスプロケット、23…無端チェーン(伝動機構)、24
…永久磁石、25…アイドラスプロケット、26…ピン、2
7、28、29…アイドラスプロケット、30…ラジエータ、3
1、32…冷却水タンク、33…放熱フィン、34…冷却水導
管、35…冷却水出入開口、36…フランジ、38…接続スリ
ーブ、39…キャップ、40、41…ラジエータ支持部、42、
43…冷却水通路、44…冷却水ジャケット、44a 、44b …
冷却水ジャケット部分、45…ガスケット、45a、45b 、4
5c …開口、45d …ボルト挿通用孔、46…連通管、47…
ボルト、50…マグネットカップリング式冷却水ポンプ、
51…隔壁(ポンプケーシング)、52…ポンプカバー、53
…支持軸、54…インペラ、54a…軸部、55…永久磁石、
56…吸入部、57…吐出部、58…吐出通路、59、60…連通
路、61…連通管、62…伝動機構室、63…孔。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室の周囲に冷却水ジャケットを有す
    る水冷式内燃機関の冷却装置において、 前記冷却水ジャケットは、シリンダに形成された冷却水
    ジャケット部分と、シリンダヘッドに形成された冷却水
    ジャケット部分とからなり、 前記シリンダに形成された冷却水ジャケット部分と、前
    記シリンダヘッドに形成された冷却水ジャケット部分と
    は、いずれも前記シリンダと前記シリンダヘッドとの接
    合端面側に開放する円環状をなして形成され、前記シリ
    ンダと前記シリンダヘッドとが接合されることにより、
    1つの水ジャケットが形成されたことを特徴とする水冷
    式内燃機関の冷却装置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダに形成された冷却水ジャケ
    ット部分と、前記シリンダヘッドに形成された冷却水ジ
    ャケット部分とは、シリンダ軸を含む面により裁断され
    たそれぞれの通路断面積が略同等にされたことを特徴と
    する請求項1記載の水冷式内燃機関の冷却装置。
  3. 【請求項3】 前記シリンダに形成された冷却水ジャケ
    ット部分と、前記シリンダヘッドに形成された冷却水ジ
    ャケット部分とは、それぞれの深さが略同等にされたこ
    とを特徴とする請求項2記載の水冷式内燃機関の冷却装
    置。
  4. 【請求項4】 前記シリンダと前記シリンダヘッドとの
    接合部にガスケットが介装され、 前記ガスケットには、前記シリンダに形成された冷却水
    ジャケット部分と前記シリンダヘッドに形成された冷却
    水ジャケット部分とを連通させる複数の開口が形成さ
    れ、 前記複数の開口の総面積は、前記シリンダに形成された
    冷却水ジャケット部分の開放端面の面積もしくは前記シ
    リンダヘッドに形成された冷却水ジャケット部分の開放
    端面の面積の40%以上にされたことを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載の水冷式内燃機関
    の冷却装置。
JP23835597A 1997-09-03 1997-09-03 水冷式内燃機関の冷却装置 Pending JPH1182157A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8590511B2 (en) 2009-03-31 2013-11-26 Honda Motor Co., Ltd. Intake passage structure for internal combustion engine, and engine and vehicle incorporating same

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