JPH1180956A - 原料ガスの供給装置及びその供給方法 - Google Patents

原料ガスの供給装置及びその供給方法

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JPH1180956A
JPH1180956A JP9238097A JP23809797A JPH1180956A JP H1180956 A JPH1180956 A JP H1180956A JP 9238097 A JP9238097 A JP 9238097A JP 23809797 A JP23809797 A JP 23809797A JP H1180956 A JPH1180956 A JP H1180956A
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gas
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liquid
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Takao Amasawa
敬生 天沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、低い蒸気圧を有する原料ガスの絶
対量の計測と制御を可能にし、十分な供給量を得ると共
に、長期間にわたる安定性も確保できる、原料ガスの供
給装置及びその供給方法を提供する。 【解決手段】 本発明の原料ガスの供給装置は、液体状
または固体状の原料ガスを貯蔵する容器と、前記原料ガ
スを加熱気化する気化器と、前記容器から前記気化器へ
前記原料ガスの一部を導入する開閉手段と、を備えたこ
とを特徴とする。本発明の原料ガスの供給方法は、液体
状または固体状の原料ガスを貯蔵する容器から、該原料
ガスの一部のみを気化器に導入し、該気化器に導入され
た原料ガスを、所望の原料ガス圧力が得られる温度より
も高くかつ化学的な安定性を損ねる温度よりも低い温度
範囲で、加熱気化することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料ガスの供給装
置およびその供給方法に係る。より詳細には、薄膜の堆
積やエッチング、あるいは結晶成長において用いる、蒸
気圧が低く供給の難しい原料ガスの供給装置およびその
供給方法に関する。特に、化学的気相成長(CVD)法
による成膜装置へ原料ガスを導入する供給装置およびそ
の供給方法として好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、化学的気相成長(CD)法などに
用いる原料ガスは、その原料ガスが十分な蒸気圧を有す
る物質材料からなる場合には、気体マスフローメータを
用いてガスの絶対流量の計測・制御を行いながら、安定
な供給を行うことが可能である。
【0003】しかしながら、常温常圧下で液体状または
固体状の材料を原料ガスとして用いる際には、多くの場
合、蒸気圧が低いためにそのままでは必要量の供給がで
きないため、例えば以下に示す方法が挙げられる。
【0004】広く用いられてきた供給方法としては、バ
ブリングと呼ばれる方法がある。この方法は、不活性ガ
スなどのキャリアガスを蒸気圧の低い材料の入った容器
に導入し、液体内で泡を発生させて蒸発を促進させ、キ
ャリアガスと一緒に輸送するものである。このときのキ
ャリアガス流量はマスフローメータで計測して一定に保
つが、原料ガスの絶対流量は通常測定することができな
い。このため、液体量の増減などによって泡の発生状態
が変化し、実質的な供給流量が変動するなどの欠点があ
った。また、供給可能流量を増やすために容器全体を加
熱する場合が多いが、この加熱によって原料ガスの化学
変化が進み、長期の安定使用が難しいなどの問題もあっ
た。
【0005】他の供給方法として、液体マスフローを用
いて液体の流量を計測・制御しながら、供給直前に液体
を気化させる方法がある。この方法は、原料ガス自身の
絶対流量を知ることができる点でバブリング法より優れ
ているが、加熱蒸発させる部分で原料ガスが分解して目
詰まりしやすいこと、高い粘性を持つ液体の供給が難し
いこと、あるいは容器交換時の洗浄が面倒などの欠点が
あった。
【0006】特に、近年の半導体産業の進展に伴って、
低蒸気圧材料への要求が高まっているが、このような材
料は一般に化学的に不安定であり、室温から数十度上げ
るだけで解離や分解、その他の変質が進むものが多い。
また、液体材料では粘性変化を生じ、水のような状態か
ら水飴やグリスのように高粘性に変化する場合もある。
この粘性変化は、上述したバブリング法、液体マスフロ
ー法の何れにおいても、単に流量の経時変化を引き起こ
すだけではなく、最終的には供給自身が困難となってし
まう重大な問題である。
【0007】何れの供給方法においても、供給量を増や
すためには原料ガスの圧力を高める必要があり、できる
だけ高温に加熱して高い蒸気圧を得ることが重要であ
る。その際、一般のガス供給に広く用いられている気体
マスフローを使用するためには、原料ガスの圧力は、通
常で0.5気圧程度以上、また特殊用途としての低差圧
型のものでも最低数十Torr以上が必要であるといわ
れている。これに対し、例えばアルミニウムの化学的気
相成長で用いられるアルキルアルミニウムガスの蒸気圧
は室温で0.1〜数Torrと低く、また、数十度の加
熱によって数十Torrの蒸気圧を得ることは可能であ
ってもその場合には化学的に不安定となってしまうもの
が多い。従って、このような原料ガスに対して、気体マ
スフローを長期間、安定に使用することはできなかっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低い蒸気圧
を有する原料ガスの絶対量の計測と制御を可能にし、十
分な供給量を得ると共に、長期間にわたる安定性も確保
できる、原料ガスの供給装置及びその供給方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の原料ガスの供給
装置は、液体状または固体状の原料ガスを貯蔵する容器
と、前記原料ガスを加熱気化する気化器と、前記容器か
ら前記気化器へ前記原料ガスの一部を導入する開閉手段
と、を備えたことを特徴とする。
【0010】本発明の供給装置では、原料ガス貯蔵のた
めの容器と気化部とを分離し、原料ガスの一部のみを容
器から気化器へ導入し、気化器において加熱気化するこ
とができる。このような構成としたことによって、原料
ガスの長期安定性が確保されると共に、原料ガスをより
高温で気化することが可能となり、その結果、原料ガス
の供給の大流量化が図れる。
【0011】また、上記の構成では、容器と気化器とは
配管部を付属した開閉手段でのみ結ばれており、液体マ
スフローのような微細な構造を持たないので、容器と気
化器との間における目詰まりの問題や、粘性の大幅な変
化に伴う機能上の支障などの発生を回避できる。
【0012】上記特徴において、前記気化器は、原料ガ
スの導入量を測定する検知手段を備えたことにより、原
料ガスの導入量を適宜監視し、その結果に基づき前記開
閉手段を制御できる。
【0013】また上記特徴において、前記気化器で発生
した気体を該気化器の外部へ導出する際に用いる、気体
の流量制御手段を備えたことにより、気化器から原料ガ
スの供給を受ける装置に対して、所定のガス流量を安定
して供給できる。
【0014】さらに上記特徴において、前記容器および
前記気化器が一体化されていることによって、優れた可
搬性を有する供給装置が得られる。
【0015】また上記特徴において、前記液体状の原料
ガスを前記容器から前記気化器へ導入する際に用いる、
液体の流量制御手段を備えたことにより、原料ガスの一
部が気化器に導入される量を精密に制御できる。
【0016】特に、前記容器、前記気化器および前記液
体の流量制御手段が一体化されていることによって、可
搬性に優れた自己気化型の原料ガスの供給装置が得られ
る。このような構成により、容器と気化器との間に位置
し、液体が流れる配管部分を外すことなく、気化器とガ
ス供給側との間の配管接続部を取り外すだけで、原料ガ
スの供給装置の交換が可能となる。また、気化器からガ
ス供給側に接続した配管部では、原料ガスは気化されガ
ス状となって輸送されるため、配管内部壁面への原料の
付着量が少なく、配管部をメンテナンスする際に洗浄液
が不要となり、容易にパージすることが可能となる。
【0017】本発明の原料ガスの供給方法は、液体状ま
たは固体状の原料ガスを貯蔵する容器から、該原料ガス
の一部のみを気化器に導入し、該気化器に導入された原
料ガスを、所望の原料ガス圧力が得られる温度よりも高
くかつ化学的な安定性を損ねる温度よりも低い温度範囲
で、加熱気化することを特徴とする。
【0018】上記構成からなる方法によれば、原料ガス
の一部のみを気化器へ導入して加熱気化し、気化処理す
る前の原料ガスは容器内にあるため長期にわたって低温
で安定に保つことができる。また、気化器に導入された
原料ガスを、所望の原料ガス圧力が得られる温度よりも
高くかつ化学的な安定性を損ねる温度よりも低い温度範
囲で、加熱気化することにより、加熱気化による原料ガ
スの解離、分解、あるいは変質を防ぐことができる。
【0019】上記特徴において、前記加熱気化した原料
ガスの圧力および温度を、気体マスフローメータの使用
を可能とする圧力および温度の範囲内としたことによっ
て、気化器で発生した気体を該気化器の外部へ導出する
際に、気体の流量制御が可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下では、本発明に係る原料ガス
の供給装置及びその供給方法について図面を参照して具
体的に説明する。
【0021】(実施例1)図1は、本発明に係る供給装
置の主要部の一例を説明する概略図である。図1におい
て、1は原料ガスを貯蔵する容器、2は原料ガスを加熱
気化する気化器、3は容器1に貯蔵された液体状または
固体状の原料ガス、4は容器1から気化器2へ原料ガス
の一部を導入する開閉手段、5は容器1、気化器2及び
開閉手段3から構成される原料ガスの供給装置、6は気
化器2への原料ガスの導入量を測定する検知手段、7は
気化器2を加熱する加熱手段、8は装置1の内部にHe
ガスを導入する配管系に設けた開閉手段、9は装置1と
減圧手段とを結ぶ配管系に設けた開閉手段、10は気化
器2から気化した原料ガスを外部へ導出する配管系に設
けた開閉手段、11は気化器2で発生した気体を該気化
器の外部へ導出する際に用いる気体の流量制御手段であ
る。
【0022】図1に示した原料ガスの供給装置は、原料
ガスを貯蔵する容器(通常シリンダーと呼称される容
器)1の下部に、気化器2を付加し、これらの間に容器
1から気化器2へ原料ガスの一部を導入する開閉手段4
を設けた構成とした。
【0023】本構成の原料ガスの供給装置(以下、自己
気化型シリンダーと呼称する)は、例えばヒーターから
なる加熱手段7の上に気化器2を配置するだけで、供給
のための十分高い原料ガス圧力を保持できるように設計
されている。
【0024】本例では、原料ガス3として、室温で数T
orrの低い蒸気圧を有する材料である、ジメチルアル
ミニウムハイドライド(以下、DMAHと略す)を用い
た。DMAHは、アルミニウム薄膜やアルミナ薄膜、三
元化合物半導体の原料などに用いられる材料である。D
MAHは、アルキルアルミニウムの1種で、室温では1
〜2Torr、70℃でも15Torr程度の低い蒸気
圧を有する無色透明の液体である。空気や有機物と反応
して激しく発熱するので、通常は金属容器内で密閉して
保管する必要がある。DMAHは粘性変化が大きい材料
であり、はじめは水のような状態であっても、50℃程
度では数日、70〜80℃では1日程度放置するだけで
粘性が大幅に高くなり、最終的には水飴やグリス状にま
で変化する。
【0025】従来は、このような性状のDMAHを用い
て、例えばアルミニウム薄膜の堆積を行う場合、主とし
てバブリング法が用いられていた。例えば、近藤等の報
告[Eiichi Kondoh and Tomohiro Ohta, "Chemical Vap
or Deposition of Aluminumfrom Dimethylaluminumhydr
ide (DMAH): Characteristics of DMAH Vaporization a
nd Al Growth Kinetics," Journal of Vacuum Science
and Technology A, Vol.13, No.6, Nov/Dec, pp2863-28
71,(1995)]によれば、DMAHを入れたシリンダーを
50℃程度に加熱し水素をキャリアガスとして薄膜堆積
用のチャンバーに導入している。この報告では、アルミ
ニウム薄膜の堆積は有効に行われることは記載されてい
るが、原料ガスの粘性の製造ロットによる差異や経時変
化などによる再現性については一切説明がなく、示唆す
る記述も無い。
【0026】本例に係る原料ガスの供給装置1は、原料
ガスの変質などが少なく、長期間に渡る安定性も確保で
きる装置とするため、以下の構成からなる。
【0027】気化器2で生じた気体を用い、化学的気相
成長(CVD)法によりアルミニウム薄膜を堆積する一
例により、供給装置1を詳細に説明する。
【0028】気化器2から気化した原料ガスを外部へ導
出する配管系には開閉手段10を設け、さらに気体の流
量制御手段11を介して気化した原料ガスCVDチャン
バーに供給する。気体の流量制御手段11としては、例
えばガスマスフローコントローラ(以下、ガスMFCと
呼ぶ)が好適に用いられる。
【0029】原料ガスを貯蔵する容器1と気化器2は、
例えば1/8〜1/2インチ径程度の配管で結ばれてお
り、気化器へのDMAH導入量は、気化器2内に設けた
圧力センサー6や液量センサー、液面センサーからなる
検知手段と、例えばバルブからなる開閉手段4の開閉動
作によって制御される。
【0030】液量センサーや液面センサーとしては、例
えば超音波や光、液体の導電度その他の原理を用いたセ
ンサーは利用できる。気化器2内に導入されたDMAH
は、化学変化が問題とならない程度の温度と時間内に供
給されるように制御する必要があるが、短い場合は数
秒、長い場合には数時間以上の気化器内での停滞が許容
される。
【0031】シリンダーと気化器とを結ぶ配管は、液体
流量の精密な制御が必要とならないことから、液体マス
フローで用いるような微細な部分は無い。このため、配
管の目詰まりの問題や、粘性の大幅な変化による機能上
の支障などが生じることはない。通常は容器1内をヘリ
ウム(He)ガスなどで例えば0.5気圧程度に加圧
し、バルブ4の開閉動作で流量制御するが、場合によっ
てはバルブ4を解放状態とし、容器1と気化器2の圧力
バランスで制御することも可能である。すなわち容器1
内のHe圧力と液体DMAHに働く重力とは下方への力
として作用するが、一方で気化器2内のDMAHの蒸気
圧は上方への力を発生する。気化器2内のDMAH量が
減少して蒸気圧が低下すると下方に作用する力が優勢と
なり、容器1内部にDMAHが自動的に供給され、これ
によって再び気化器2内のDMAHの蒸気圧を回復して
バランスし、DMAHの移動が停止する。
【0032】図1には記述されていないが、容器1内の
圧力を監視する圧力ゲージやその他のバルブ等も必要に
応じて適宜設置できることは言うまでもない。
【0033】気化器2の材質としては、気化器各部間の
温度差をできるだけ小さくするために、例えばアルミニ
ウムなど熱伝導性の高い金属を用いることが望ましい。
ただし、容器1側からの配管部分はできるだけ加熱され
ないよう工夫する必要がある。例えば気化器2の上面近
傍までの配管材質にSUSなどを用い、気化器2内部で
は石英管を用いるなどが勧められる。石英管であれば、
光や超音波を用いた液量センサーの機能がより利用しや
すい利点もある。圧力センサー6は容器1側に付属させ
てもよいがバルブ10を介してCVDチャンバー側に設
置することも可能である。
【0034】本構成の原料ガスの供給装置(自己気化型
シリンダー)5は、可搬性を考慮してできるだけ軽量に
設計するのがよい。ただし気化器2周囲に配置された、
圧力センサー6、バルブ4、10、さらにはガスMFC
11を介したCVDチャンバーへの配管は、全て気化器
2と同程度またはそれよりやや高めの温度に設定される
工夫が必要である。
【0035】ガスMFC11は、ガスの流れやすい高温
低差圧仕様のものを用いるのが望ましく、また、ガスM
FC11内部での詰まりをなくすために、ガスMFC1
1と気化器2との間にバルブからなる開閉手段10を設
け、使用しないときはガスMFC11内部に原料ガスが
停滞しないような配慮が必要である。
【0036】図1では気化器2は容器1の下部に配置し
たが、上部に置くことも可能である。その場合は、気化
器2ヘの配管は容器1内の液体中から延びる構造とし、
気化器2を何らかの方法で加熱する工夫があればよい。
気化器2の大きさは数十cc程度の体積でも十分な気化
能力を持つので、可搬性を損なわないような構造をとる
ことは可能である。
【0037】図2は、図1に示した原料ガスの供給装置
(自己気化シリンダ)5を用いてCVDチャンバーにD
MAHを供給したとき、CVDチャンバー内の圧力と供
給されたDMAHの流量との関係を示したグラフであ
る。CVDチャンバー内を排気する手段としては排気速
度が約1000l/secのターボポンプを用いた。図
2から、DMAHの最大供給流量は気化器2の温度によ
って変わり、80℃では40sccm程度まで供給可能
であることが分かった。また、DMAH流量の増減に対
応してチャンバー内の圧力が変化することから、有効に
供給されていることが分かった。気化器2の温度は、さ
らに百数十度にまで上げることも可能であった。
【0038】上述した供給方法を用いてアルミニウム薄
膜のCVDを行ったところ、従来のバブリング法を用い
た場合とほぼ同様に堆積できることが確認された。
【0039】また、従来のバブリング法では水素をキャ
リアガスに用い、DMAHの水素還元反応で膜の堆積が
進行すると考えられていたが、本発明に係る供給方法を
用いることにより初めてDMAH単独ガスによるアルミ
ニウム薄膜のCVDが可能であり、DMAHのみの熱分
解反応で膜が堆積することが確認された。実際、DMA
Hガスに最大500sccmまでの水素ガスを加えても
堆積速度の大きな増加は認められなかった。爆発性の水
素を用いることは単に無駄なだけでなく危険度の点から
も望ましくないことから、本発明に係る供給方法を用い
ることによって、安全性に優れかつ単純で効率的なアル
ミニウム膜の堆積が可能となった。
【0040】本例では原料ガスとしてDMAHを用いた
が、アルミニウム薄膜を堆積するために用いるガスとし
ては、例えばトリイソブチルアルミニウム、ジメチルエ
チルアミンアラン、その他のアルキルアルミニウムなど
も同様に用いることができる。また、固体であっても粉
末状にして振動を利用した輸送手段などを用いれば、細
い穴の開閉などで液体同様の供給も可能である。勿論、
アルミニウム以外に、例えばシリコン、銅、チタン、タ
ングステン、モリブデン、タンタル、ニオブ、ガリウ
ム、インジウムなどの金属材料ガスにおいても蒸気圧が
低い場合が多く、これらの無機、有機何れの材料に対し
ても本発明を適用することが可能である。特に、(hf
ac)Cu(tmvs)、(hfac)Cu(teov
s)などの銅の原料ガスでは有効と考えられる。ここ
で、hfacはヘキサフロロアセチルアセトナト、tm
vsはトリメチルビニルシラン、teovsはトリエト
キシビニルシランの、それぞれ略称である。さらに、そ
の他のガスと併用して酸化物や窒化物その他の化合物薄
膜の製作にも用いることができる。また、エッチングガ
スとしても同様に利用できることは言うまでもない。
【0041】(実施例2)図3は、本発明に係る供給装
置の主要部の他の一例を説明する概略図である。図3の
装置は、液体状の原料ガスを用いる場合の装置であり、
液体状の原料ガスを容器1から気化器2へ導入する際に
用いる、液体の流量制御手段12を備えた点が実施例1
と異なる。すなわち、図1における開閉手段4の代わり
に液体の流量制御手段12を用いた。
【0042】図3の装置は、容器1から気化器2ヘの原
料ガス輸送に、液体の流量制御手段12として例えば液
体マスフローを用い、正確な液体流量制御が可能である
点が特徴である。このような構成の装置では、図1に示
した気化器2とCVDチャンバーとの間に設けた気体の
流量制御手段11を省略することもできる。
【0043】従来の液体マスフローの場合は、容器1を
定期的に交換する際に、配管内壁に付着した原料液体の
洗浄やパージ等に多くの時間と作業を要していた。これ
に対して、図3に示す装置は、容器1と気化器2とを一
体化し、その間に液体マスフロー12を設置する構成と
したため、以下に示す点が改善される。この効果は、自
己気化型シリンダーの構成としたことで、より有効に働
く。 (1)液体が流れる配管部分をはずすことなく、チャン
バー側へ配管接続部を取り外すだけで容器1の交換が可
能となる。 (2)チャンバー側への配管では原料ガスはガス状とな
って輸送されるために配管内部壁面ヘの原料の付着量が
少なく、洗浄液を用いることなく容易にパージできる。
【0044】このような自己気化型シリンダーでは、可
搬性を確保するために必要最小限の装備のみを付設して
移動できるようにし、ヒーターなどの加熱手段や制御機
構等は固定した設備として分割した方が好ましい。図3
に示した供給装置および供給方法では、極端に大きな粘
性を有する液体には適用が難しいが、保守性などの点で
優れており、基本的な作用・効果は図1の装置と同様に
有する。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原料ガスの長期安定貯蔵ができると共に、例えば成膜装
置のような所望の装置に対して十分な供給量の原料ガス
を供給することが可能となる。
【0046】また、気化器において加熱気化された原料
ガスの圧力を高くとれることから、従来利用できなかっ
た気体マスフローの使用が可能となる。その結果、ガス
自身の流量を正確に検知することができ、原料ガスの粘
性に変化が生じても所定の流量で安定した供給が可能で
あり、さらには、低い蒸気圧を持つ単独ガスの供給も可
能な、原料ガスの供給装置及びその供給方法が提供でき
る。
【0047】さらに、本発明に係る原料ガスの供給装置
及びその供給方法によれば、従来のバブリング法では困
難な原料ガスの絶対流量の計測が可能となり、従来必要
であったパージガス導入のための装備が不要となる。
【0048】また、従来の液体マスフロー法では、原料
容器交換やマスフローの保守時に配管壁面に付着した原
料を洗浄液で洗浄し、さらに長時間に渡ってガスパージ
を行う必要があり、量産で使用する上で大きな負担であ
ったが、本発明に係る原料ガスの供給装置を用いること
によって、これらの問題を全て解決でき、液体原料の容
器交換やメンテナンスも一般のガスと同程度に極めて容
易に作業できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る供給装置の主要部の一例を説明す
る概略図である。
【図2】本発明の実施例1において、CVDチャンバー
の内圧と原料ガスの流量との関係を調べた結果を示すグ
ラフである。
【図3】本発明に係る供給装置の主要部の他の一例を説
明する概略図である。
【符号の説明】
1 容器、 2 気化器、 3 原料ガス、 4、8、9、10 開閉手段、 5 原料ガスの供給装置、 6 検知手段の一例である圧力センサー、 7 加熱手段、 11 気体の流量制御手段、 12 液体の流量制御手段。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体状または固体状の原料ガスを貯蔵す
    る容器と、前記原料ガスを加熱気化する気化器と、前記
    容器から前記気化器へ前記原料ガスの一部を導入する開
    閉手段と、を備えたことを特徴とする原料ガスの供給装
    置。
  2. 【請求項2】 前記気化器は、原料ガスの導入量を測定
    する検知手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の原料ガスの供給装置。
  3. 【請求項3】 前記気化器で発生した気体を該気化器の
    外部へ導出する際に用いる、気体の流量制御手段を備え
    たことを特徴とする請求項1に記載の原料ガスの供給装
    置。
  4. 【請求項4】 前記容器および前記気化器が一体化され
    ていることを特徴とする請求項1に記載の原料ガスの供
    給装置。
  5. 【請求項5】 前記液体状の原料ガスを前記容器から前
    記気化器へ導入する際に用いる、液体の流量制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料ガスの供
    給装置。
  6. 【請求項6】 前記容器、前記気化器および前記液体の
    流量制御手段が一体化されていることを特徴とする請求
    項5に記載の原料ガスの供給装置。
  7. 【請求項7】 液体状または固体状の原料ガスを貯蔵す
    る容器から、該原料ガスの一部のみを気化器に導入し、
    該気化器に導入された原料ガスを、所望の原料ガス圧力
    が得られる温度よりも高くかつ化学的な安定性を損ねる
    温度よりも低い温度範囲で、加熱気化することを特徴と
    する原料ガスの供給方法。
  8. 【請求項8】 前記加熱気化した原料ガスの圧力および
    温度を、気体マスフローメータの使用を可能とする圧力
    および温度の範囲内としたことを特徴とする請求項7に
    記載の原料ガスの供給方法。
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