JPH1180693A - 粘着剤及び貼付剤 - Google Patents

粘着剤及び貼付剤

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JPH1180693A
JPH1180693A JP23600397A JP23600397A JPH1180693A JP H1180693 A JPH1180693 A JP H1180693A JP 23600397 A JP23600397 A JP 23600397A JP 23600397 A JP23600397 A JP 23600397A JP H1180693 A JPH1180693 A JP H1180693A
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Takeshi Wakiya
武司 脇屋
Takayuki Oka
孝之 岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬物の光安定性に優れ、かつ、抗酸化剤が経
皮吸収されない粘着剤、また、この粘着剤を用いて、人
体への安全性を確保しつつ、薬物の光安定性、薬物の吸
収性に優れた貼付剤を提供する。 【解決手段】 分子内に抗酸化作用を持つ官能基を有す
る(メタ)アクリル酸エステル系共重合体からなる粘着
剤、及び、支持体の片面に、薬物を含有する粘着剤層を
設けてなる貼付剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスター剤やパ
ップ剤として知られている溶剤型アクリル系の粘着剤、
及び、この粘着剤を用いた、人体への安全性、薬物の光
安定性、薬物の吸収性に優れた貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、簡便な薬物の経皮投与手段とし
て、基材上に薬物を含有してなる粘着剤層を形成したプ
ラスター剤やパップ剤等の医療用貼付剤が広く用いられ
ている。また、医療用貼付剤としては、薬物を含有して
いない粘着剤層をシートやテープ等の柔軟な基材の少な
くとも片面に形成し、絆創膏等として用いられるものも
ある。これら医療用貼付剤に使用する粘着剤としては、
アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等が用いられている。
なかでも、アクリル系粘着剤は、耐熱性、耐久性及び耐
水性等の種々の性能において優れており、粘着力等の要
求される物性を種々のアクリル系モノマーの組み合わせ
でコントロールできることから広く使用されている。
【0003】一般的な医療用貼付剤は、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルを主成分とする単量体組成物共重
合体を溶液重合やエマルジョン重合によって重合し、そ
の重合溶液に薬剤や添加剤等を混合した後、溶媒を乾
燥、除去することにより製造される。このような医療用
貼付剤に適用される薬物や添加剤の中には、医療用貼付
剤中で酸化されやすく、分解、着色しやすいものがあ
る。これらの酸化は、製剤性能の低下や、分解物の吸収
による皮膚刺激の発生等の問題を生じる。また、着色
は、製剤の外観を著しく損なうものである。
【0004】このような問題を解決するために、特公平
5−310569号公報には、粘着剤層に低分子量体の
抗酸化剤を添加し、カプトプリルの安定性を改善する技
術が開示されている。しかし、粘着剤層に低分子量の抗
酸化剤を添加した場合、抗酸化剤自体が経皮吸収される
等の問題があった。
【0005】また、医療用貼付剤には、高い経皮吸収を
発現させるために、経皮吸収促進剤の添加が広く行われ
ている。特に、脂肪酸及びそのエステル、アミノ基を有
する化合物は、吸収促進効果が高く、例えば、特開平8
−113533号公報には、オレイン酸を経皮吸収促進
剤として含有する貼付剤が、特開平5−148145号
公報には、オレイン酸エチルを経皮吸収促進剤として含
有する貼付剤が、特開平8−225448号公報には、
クロタミトンを経皮吸収促進剤として含有する貼付剤
が、特開平7−300418号公報には、ラウリン酸ジ
エタノールアミドを経皮吸収促進剤として含有する貼付
剤が開示されている。
【0006】しかしながら、不飽和脂肪酸及びそのエス
テル、アミノ基を有する化合物及びアミド結合を有する
化合物は、光により劣化又は分解することにより、製剤
が黄色に変色したり、薬物の安定性の低下、薬物の放出
性の低下等の問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑
み、薬物の光安定性に優れ、かつ、抗酸化剤が経皮吸収
されない粘着剤、また、この粘着剤を用いて、人体への
安全性を確保しつつ、薬物の光安定性、薬物の吸収性に
優れた貼付剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の粘着剤は、分子
内に抗酸化作用を持つ官能基を有する(メタ)アクリル
酸エステル系共重合体からなるものである。以下に本発
明を詳述する。
【0009】上記分子内に抗酸化作用を持つ官能基を有
する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、抗酸化
作用を持つ官能基を有するモノマーと、(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルとの共重合体であってもよいし、
(メタ)アクリル酸アルキルエステルからなり、抗酸化
作用を持つ化合物を側鎖に結合させてなる共重合体であ
ってもよい。
【0010】上記抗酸化作用を持つ官能基としては特に
限定されず、例えば、4,4′−ブチリデンビス−(6
−t−ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−メ
チレンビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−エチルフ
ェノール)ブタン、テトラキス[メチレン−3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン等のフェノール系、リン系、アミン
系、イオウ系のもの等が挙げられる。
【0011】本明細書において「(メタ)アクリル酸」
とは、メタクリル酸及びアクリル酸を含むものをいう。
【0012】本発明で用いられる上記(メタ)アクリル
酸アルキルエステルのアルキル残基としては特に限定さ
れず、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、イ
ソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル
基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル
基、ステアリル基等が挙げられる。これらは単独でも2
種以上併用して用いてもよい。
【0013】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、上記アルキル残基を少なくとも1種有するも
のであれば特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n
−ヘキシル、(メタ)アクリル酸イソヘキシル、(メ
タ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸イソ
オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸
ステアリル等の炭素数2〜18のアルキル基からなる
(メタ)アクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
これらは単独でも2種以上併用して用いてもよい。アル
キル基の炭素数が1であったり、18を超えると、得ら
れる粘着剤の粘着力が充分でなくなることがある。なか
でも、アルキル基の炭素数が2〜12の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルが好ましく用いられ、このような
ものとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙
げられる。
【0014】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
には、粘着剤の製造に際し、必要とする粘着物性に応じ
て、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合され
る他のモノマーを用いることができる。上記(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルと共重合されるモノマーとし
ては、従来より用いられているモノマーであれば特に限
定されず、例えば、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、ジ
アセトンアクリルアミド、アクリロニトリル、ジメチル
アクリルアミド、エチレングリコールモノ(メタ)アク
リル酸エステル、スチレン等が挙げられる。これらモノ
マーの使用量の最大限度は、通常、上記モノマー組成物
全体の40モル%である。
【0015】また、他のモノマーとして、ビニル基、ア
リル基等のラジカル重合性の官能基を1分子中に2個以
上有する多官能性モノマーを用いると、より高重合度の
共重合体が得られ、凝集性の優れた粘着剤を得ることが
できる。
【0016】上記多官能性モノマーとしては特に限定さ
れず、例えば、ジビニルベンゼン、メチレンビスアクリ
ルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキシレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0017】上記多官能性モノマーの添加量は、通常、
共重合体全体の0.1重量%以下である。多官能性モノ
マーの添加量が0.1重量%を超えると、反応時の重合
度の調整が困難になり、反応液がゲル化しやすくなる。
また、ゲル化することなく共重合体溶液が得られた場合
であっても、長時間安定に溶液状態を保つことが困難と
なる。従って、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル100モルに対して、上記多官能性モノマーは、0.
001〜0.1モル、好ましくは、0.003〜0.0
7モルである。
【0018】本発明において、上記共重合反応は、通常
の溶液重合で行われ、常圧又は加圧下の不活性ガス雰囲
気下、反応温度は、50〜120℃で行われる。反応温
度が50℃未満であると、反応性が小さくなり、重合に
長時間を要し、生産性が低下することがあり、反応温度
が120℃を超えると、重合の反応性が大きくなり、重
合反応の制御が困難な場合がある。なお、重合温度は一
定温度として反応を行っても、上記好ましい温度範囲内
において、適当な時間ごとに温度を変更して反応を行っ
てもよい。
【0019】本発明の粘着剤の製造方法では、重合反応
器内に上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成
分とするモノマー組成物と抗酸化作用を持つ官能基を有
するモノマーを供給する。この場合、モノマー組成物を
構成している各モノマーは、それぞれ所定量を一括で
も、適宜適当な比率で分割して供給してもどちらでもよ
い。更に、重合開始剤を添加して重合反応を進行させ
る。この場合、重合開始剤についても、所定量を一括し
て反応器に供給してもよく、分割して供給してもよい。
【0020】上記重合における溶媒としては特に限定さ
れず、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル
等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香
族系溶剤;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセ
ロソルブ系溶剤等が挙げられる。これらは単独でも2種
以上併用して用いてもよい。
【0021】上記重合開始剤としては特に限定されず、
通常の熱ラジカル開始剤が用いられる。例えば、パーオ
キシカーボネート、ケトンパーオキサイド、パーオキシ
ケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオ
キサイド(ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド等)、ジアシルパーオキサイド、パーオキシ
エステル等の有機過酸化物;2,2′−アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸ジメチ
ル等のアゾ化合物等が挙げられる。これらは重合温度に
応じて適宜選択され、単独でも2種以上併用して用いて
もよい。上記重合開始剤の添加量は、共重合体を構成す
るモノマー100重量部に対して、0.0001〜5重
量部が好ましい。
【0022】本発明で用いられる抗酸化作用を持つ化合
物としては特に限定されず、例えば、1,1,3−トリ
ス(2−メチル−4−エチルフェノール)ブタン、テト
ラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、エピ
ガロカテキン、4,4′−ブチリデンビス−(6−t−
ブチル−3−メチルフェノール)、2,2′−メチレン
ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等が
挙げられる。
【0023】上記抗酸化作用を持つ化合物の配合量は、
共重合体の0.01〜15重量%が好ましい。0.01
重量%未満であると、所望の効果が得られず、15重量
%を超えると、粘着剤の粘着性が低下し、貼付中に剥が
れを起こし、充分な治療効果が得られなくなる。
【0024】上記抗酸化作用を持つ化合物は、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルからなる共重合体の側鎖に
結合される。この結合には通常の化学反応を用いること
ができる。例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルを主成分とするモノマーと、上記(メタ)アクリル酸
アルキルエステルモノマーと共重合可能であって、反応
性官能基を有するモノマーとを共重合し、得られた共重
合体の上記反応性官能基に上記抗酸化作用を持つ化合物
を結合させる方法等が挙げられる。
【0025】上記反応性官能基としては特に限定され
ず、例えば、カルボニル基、エポキシ基、水酸基、メチ
ロール基等が挙げられる。これらを有する(メタ)アク
リル酸アルキルエステルと共重合可能なモノマーとして
は、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メ
タ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、
N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられ
る。
【0026】本発明において、上記共重合反応は、上述
の方法と同様にして行うことができる。具体的には、重
合反応器内に上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
を主成分とするモノマー組成物と上記(メタ)アクリル
酸アルキルエステルモノマーと共重合可能であって、上
記反応性官能基を有するモノマーを供給する。この場
合、モノマー組成物を構成している各モノマーは、それ
ぞれ所定量を一括でも、適宜適当な比率で分割して供給
してもどちらでもよい。更に、重合開始剤を添加して重
合反応を進行させる。この場合、重合開始剤について
も、所定量を一括して反応器に供給してもよく、分割し
て供給してもよい。上記重合終了後に、重合反応器に上
記抗酸化作用を持つ化合物を加えて、上記反応性官能基
と反応させる。反応終了後、必要に応じて、未反応物を
精製除去することにより、(メタ)アクリル酸アルキル
エステルからなり、抗酸化作用を持つ化合物を側鎖に結
合させた共重合体からなる粘着剤を得ることができる。
【0027】上記重合における溶媒としては特に限定さ
れず、例えば、上記説明中で例示したもの等が挙げられ
る。上記重合開始剤としては特に限定されず、例えば、
上記説明中で例示したもの等が挙げられる。
【0028】上記粘着剤には、必要に応じて、珪酸、酸
化亜鉛、酸化チタン等の無機充填剤;高級脂肪酸エステ
ル等の可塑化剤;エステルガム等の粘着付与剤が薬学的
許容範囲内で添加されてもよい。
【0029】上記粘着剤は、医療用粘着剤として、例え
ば、貼付剤等の医療用途に用いることができる。
【0030】本発明2は、支持体の片面に、上記粘着剤
と薬物とを含有する粘着剤層を有する貼付剤である。
【0031】上記支持体としては、従来より貼付剤とし
て使用されている材料からなるものであれば特に限定さ
れず、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリエチレン、エチレンビニルアセテート、酢
酸ビニル−塩化ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン
−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニリ
デン−エチレン共重合体、軟質ポリ塩化ビニル、塩化ビ
ニル−エチレン共重合体、シリコン樹脂、ポリフッ化エ
チレン、ポリエステル、ポリウレタン、紙、植物繊維等
が挙げられる。これらの素材は、単層のシートやフィル
ムとして、2枚以上の積層体として、又は、織布や不織
布として用いられ、上記支持体の厚みは、10μm〜1
mmが好ましい。
【0032】上記粘着剤層は、上記支持体の片面に、展
延して層を形成する。上記粘着剤層の厚みは、薄すぎる
と薬物の皮膚吸収量及び粘着力が不足し、厚すぎると貼
付剤の柔軟性が不足し、皮膚に違和感が生じるので、2
0〜200μmの範囲が好ましい。
【0033】上記粘着剤層中に含有される薬物としては
特に限定されず、薬理効果を期待しうる物質であれば使
用することができるが、血液中に移行することにより作
用するものであるか又は投与部位局所に作用するもので
あることが好ましい。このようなものとしては、例え
ば、催眠鎮静剤、抗不安剤、解熱鎮痛消炎剤、抗パーキ
ンソン剤、精神神経用剤、中枢神経用剤、局所麻酔剤、
骨格筋弛緩剤、自律神経用剤、鎮痙剤、不整脈用剤、利
尿剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、高脂血症
剤、動脈硬化用剤、鎮咳去痰剤、気管支拡張剤、抗アレ
ルギー剤、蛋白同化ステロイド剤、副腎皮質ホルモン
剤、男性ホルモン剤、女性ホルモン剤、泌尿生殖器用
剤、創傷保護剤、鎮痛・鎮痒・消炎剤、皮膚軟化剤、ビ
タミン剤、中毒解毒剤、痛風治療剤、酵素剤、糖尿病用
剤、抗悪性腫瘍剤、抗ヒスタミン剤、抗生物質、麻薬、
サイトカイン様物質等が挙げられる。
【0034】上記薬物は、例えば、粘着剤溶液中に薬物
の有機溶媒溶液又は分散液として添加される。上記有機
溶媒としては、例えば、エタノール、酢酸エチル等が挙
げられる。上記薬物の粘着剤溶液中の濃度は、用いる薬
物の種類、粘着剤の種類によって異なるが、通常は、
0.01〜15重量%が好ましい。0.01重量%未満
であると、充分な薬物吸収性が得られず、15重量%を
超えると、薬物が粘着剤中に溶けきらず、貼付剤表面に
析出するため、良好な使用感を極めて損なう。より好ま
しくは、0.05〜10重量%である。
【0035】本発明の貼付剤に用いられる薬物は、光に
不安定性を有するものを使用することができる。上記光
に不安定性を有する薬物としては、分子内にアミノ基、
アミド基、アミンオキシド基、ジアゾ基、ニトロ基のう
ち少なくとも1種を有するか、又は、ステロイド骨格を
有しているもの等が挙げられる。
【0036】上記分子内にアミノ基、アミド基、アミン
オキシド基、ジアゾ基及びニトロ基のうち少なくとも1
種を有するか、又は、ステロイド骨格を有している薬物
としては特に限定されず、例えば、催眠鎮静剤・抗不安
剤としては、メダゼパム、チオペンタールナトリウム、
ドロペリドール等;解熱鎮痛消炎剤としては、アセトア
ミノフェン、メフェナム酸、スルピリン、エピリゾー
ル、インドメタシン等;抗パーキンソン剤としては、塩
酸ビペリデン、レボドパ、メシル酸ブロモクリプチン
等;精神神経用剤としては、塩酸クロミプラミン、クロ
チアゼパム等;局所麻酔剤としては、塩酸リドカイン
等;骨格筋弛緩剤としては、ダントロレンナトリウム
等;自律神経用剤としては、メチル硫酸ネオスチグミ
ン、臭化ジスチグミン、臭化ピリドスチグミン等;鎮痙
剤としては、硫酸アトロピン、塩酸パパベリン等;強心
剤としては、アミノフィリン、塩酸エチレフリン等;不
整脈用剤としては、塩酸プロプラノロール、塩酸ブフェ
トロール、塩酸オクスプレノロール等;利尿剤として
は、トリクロルメチアジド、アセタゾラミド、ブメタニ
ド、フロセミド等;血圧降下剤としては、レセルピン、
メチルドパ、酢酸グアナベンズ、ニソルジピン等;血管
収縮剤としては、塩酸フェニレフリン等;血管拡張剤と
しては、塩酸ジルチアゼム、ニフェジピン、硝酸イソソ
ルビド、ニトログリセリン、硫酸バメタン等;動脈硬化
用剤としては、ニセルゴリン等;鎮咳去痰剤としては、
塩酸ブロムヘキシン、ノスカピン、ヒベンズ酸チペピジ
ン等;気管支拡張剤・抗アレルギー剤としては、硫酸テ
ルブタリン、硫酸サルブタモール、塩酸エフェドリン、
塩酸プロカテロール、塩酸イソプロテレノール、硫酸オ
ルシプレナリン等;副賢皮質ホルモン剤としては、エピ
ネフリン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン、デキサ
メタゾン等;男性・女性ホルモン剤としては、酢酸クロ
ルマジノン、ノルエチステロン等;泌尿生殖器用剤とし
ては、マレイン酸メチルエルゴメトリン等;創傷保護剤
としては、アクリノール、塩化ベンゼトニウム等;鎮痛
・鎮痒・消炎剤としては、ジフェンヒドラミン、クロタ
ミトン等;ビタミン剤としては、ビタミンA、ビタミン
C、パルミチン酸レチノール等;痛風治療剤としては、
コルヒチン等;抗悪性腫瘍剤としては、メルファラン、
シクロホスファミド、チオテパ、メルカプトプリン等;
抗ヒスタミン剤としては、マレイン酸クロルフェニラミ
ン、プロメタジン、酒石酸アリメマジン、塩酸ホモクロ
ルシクリジン等;抗生物質としては、セファクロル、テ
トラサイクリン等;麻薬としては塩酸モルヒネ、リン酸
コデイン等が挙げられる。
【0037】本発明2の貼付剤は、支持体の片面に設け
られた粘着剤層中に経皮吸収促進剤を含有してもよい。
【0038】上記経皮吸収促進剤としては、光に不安定
性を有するものを使用することができる。上記経皮吸収
促進剤としては、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステ
ル、分子内にアミノ基を有する化合物、及び、分子内に
アミド結合を有する化合物等が用いられる。これらは単
独でも2種以上併用して用いてもよい。
【0039】上記不飽和脂肪酸としては特に限定され
ず、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン
酸、リノール酸、リノレン酸等が挙げられる。上記不飽
和脂肪酸エステルとしては特に限定されず、例えば、上
記不飽和脂肪酸とメチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコ
ール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、デシ
ルアルコール、セチルアルコール等の脂肪族アルコー
ル;プロピレンアルコール、1,3−ブタンジオール、
グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価高アルコ
ール;ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル等の
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとのエステル等が
挙げられる。
【0040】上記分子内にアミノ基を有する化合物とし
ては特に限定されず、例えば、ドデシルアミン、オクタ
デシルアミン、テトラデシルアミン、オレイルアミン等
の一級アルキルアミン;ジオレイルアミン等の二級アル
キルアミン;ドデシルジメチルアミン等の三級アルキル
アミン;ポリオキシエチレン(5)ステアリルアミン等
のポリオキシエチレンアルキルアミン;ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のエタノールアミン等が
挙げられる。
【0041】上記分子内にアミド結合を有する化合物と
しては特に限定されず、例えば、ラウリン酸アミド、ミ
リスチン酸アミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ポ
リオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸アミド、
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ジエタ
ノールアミド、クロタミトン等の脂肪酸若しくはポリオ
キシエチレンアルキルエーテルカルボン酸と一級アミン
又は二級アミンとのアミド化合物;ステアリン酸ジエチ
ルアミノエチルアミド等のアミドアミン等が挙げられ
る。
【0042】また、上記経皮吸収促進剤としては、一価
又は多価のアルコール、一価又は多価の有機酸、脂肪酸
エステル、界面活性剤等であってもよい。これらは単独
でも2種以上併用して用いてもよい。上記一価又は多価
のアルコールとしては、炭素数8〜14の一価アルコー
ル及び多価アルコールが用いられる。上記一価アルコー
ルの炭素数が7以下であると、揮発性が高く、炭素数が
15以上になると、吸収促進効果が低下する。このよう
なものとしては、例えば、ラウリルアルコール、オレイ
ルアルコール、セチルアルコール等が挙げられる。上記
多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、グリセリ
ン等が挙げられる。
【0043】上記一価又は多価の有機酸としては、炭素
数8〜20のモノカルボン酸、炭素数2〜8のジカルボ
ン酸又はその塩、炭素数3〜8のヒドロキシジカルボン
酸又はその塩が使用できる。上記モノカルボン酸は、炭
素数が7以下になると酸性が強く、人体には適用できな
くなり、炭素数が21以上になると吸収促進効果が低下
するため、炭素数8〜20のものが用いられる。このよ
うなものとしては、例えば、カプリン酸、ノナン酸、カ
プリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、
ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪族モノカルボン酸等
が挙げられる。上記ジカルボン酸は、炭素数が9以上に
なると吸収効果が低下するので、炭素数2〜8のものが
用いられる。このようなものとしては、例えば、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、ス
ベリン酸等の飽和脂肪族直鎖ジカルボン酸;フタル酸、
イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸等
が挙げられ、上記ジカルボン酸の塩としては、例えば、
ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウ
ム塩、アルミニウム塩等が挙げられる。上記ヒドロキシ
ジカルボン酸は、炭素数が9以上になると吸収促進効果
が低下するので、炭素数が3〜8のものが用いられる。
このようなものとしては、例えば、リンゴ酸、酒石酸及
びこれらジカルボン酸の塩等が挙げられ、上記ヒドロキ
シジカルボン酸の塩としては、例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アルミニ
ウム塩等が挙げられる。
【0044】上記脂肪酸エステルとしては、炭素数10
〜18の脂肪酸と炭素数1〜18の脂肪族一価アルコー
ルとのエステルが用いられる。上記脂肪酸エステルは、
炭素数が10以下になると揮発しやすくなり、37以上
になると吸収促進効果が低下するので、炭素数10〜3
6のものが用いられる。上記炭素数10〜18の脂肪酸
としては特に限定されず、例えば、ラウリン酸、パルミ
チン酸、ミリスチン酸、カプリン酸、ステアリン酸等の
飽和脂肪族モノカルボン酸;パルミトレイン酸、オレイ
ン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和
脂肪族モノカルボン酸;セバシン酸等の飽和脂肪族ジカ
ルボン酸等が挙げられる。上記炭素数1〜18の脂肪族
一価アルコールとしては特に限定されず、例えば、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ペン
チルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコ
ール、オクチルアルコール、デシルアルコール、セチル
アルコール等の脂肪族飽和アルコール等が挙げられる。
【0045】上記界面活性剤としては、ノニオン性界面
活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性
剤、両性界面活性剤が用いられる。上記ノニオン性界面
活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモ
ノラウレート、ソルビタンモノパルミテート等のソルビ
タンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレン(9)ラ
ウリルエーテル、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエ
ーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ラウ
リン酸ジエタノールアミド等の脂肪酸アルカノールアミ
ド;ポリオキシエチレン脂肪酸アミド等が挙げられる。
【0046】上記アニオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸
エステル基、リン酸エステル基からなる群より選択され
る少なくとも1種を分子内に有するもの等が挙げられ
る。上記カルボン酸基を有するものとしては特に限定さ
れず、例えば、脂肪酸石鹸、エーテルカルボン酸及びそ
の塩、アミノ酸と脂肪酸の縮合物等のカルボン酸塩等が
挙げられる。上記スルホン酸基を有するものとしては特
に限定されず、例えば、アルキルスルホン酸塩、スルホ
コハク酸、エステルスルホン酸塩、アルキルアリルスル
ホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、N−アシ
ルスルホン酸塩等が挙げられる。
【0047】上記硫酸エステル基を有するものとしては
特に限定されず、例えば、硫酸化油、エステル硫酸塩、
エーテル硫酸塩、アルキルアリルエーテル硫酸塩、アミ
ド硫酸塩等が挙げられる。上記リン酸エステル基を有す
るものとしては特に限定されず、例えば、アルキルリン
酸塩、アミドリン酸塩、エーテルリン酸塩、アルキルア
リルリン酸塩等が挙げられる。
【0048】上記カチオン性界面活性剤としては特に限
定されず、例えば、脂肪酸アミン類、アルキル四級アン
モニウム塩、芳香族四級アンモニウム塩、ピリジウム
塩、イミダゾリウム塩等が挙げられる。
【0049】上記両性界面活性剤としては特に限定され
ず、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の
カルボキシベタイン;N−ラウリル−N,N−ジエタノ
ールアミンオキシド等のアルキルアミンオキシド;スル
ホベタイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体
等が挙げられる。
【0050】上記経皮吸収促進剤の含有量は、粘着剤や
他の基剤成分により左右されるが、少量になると薬剤の
経皮吸収促進効果が得られず、多くなると結晶の析出、
ブリードアウトが起こり、貼付感を著しく損なうため、
粘着剤層中、0.1〜20重量%が好ましく、より好ま
しくは、1〜15重量%である。
【0051】
【実施例】以下に本発明の実施例を掲げて更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0052】実施例1〜5 撹拌機、温度調節機、窒素ガス導入管、還流冷却管、加
熱及び冷却ジャケットにより構成された重合反応器を用
いた。まず、重合反応器に窒素ガスをパージし、反応器
内に残存する空気を排出した。さらに、表1に示した所
定量のモノマー及び酢酸エチル100gを吸引供給し
た。次に、窒素ガスを流入しながら、30rpmで攪拌
しながら重合器内を60℃に維持した。開始剤溶液とし
てラウロイルパーオキサイド1.0gを全量30mLに
なるように酢酸エチルに溶解させ調製し、逐次、少量ず
つ添加し、30時間重合した。重合終了後、表1記載の
抗酸化作用を持つ化合物を所定量加え、15時間煮沸還
流し、反応させた後、未反応物を精製除去した。この
際、未反応物の量を測定し、反応した抗酸化作用を持つ
化合物の結合量を計算した。次に、固形分濃度が30重
量%になるように酢酸エチルを投入し、混合し、粘着剤
A〜Eの溶液を取り出した。
【0053】比較例1 表1に示した所定量のモノマー及び酢酸エチル150g
を投入し、実施例1と同様、重合を実施した。抗酸化作
用を持つ化合物の結合量を計算した。重合終了後、固形
分濃度が30重量%になるように酢酸エチルを投入し、
混合し、粘着剤Fの溶液を取り出した。
【0054】比較例2 表1に示した所定量のモノマー及び酢酸エチル150g
を投入し、実施例1と同様、重合を実施した。重合終了
後、エピガロカテキン60gを加え、30時間煮沸還流
し、反応させた後、未反応物を精製除去した。この際、
未反応物の量を測定し、反応した抗酸化作用を持つ化合
物の結合量を計算した。次に、固形分濃度が30重量%
になるように酢酸エチルを投入し、混合し、粘着剤Gの
溶液を取り出した。
【0055】比較例3 表1に示した所定量のモノマー及び酢酸エチル150g
を投入し、実施例1と同様、重合を実施した。抗酸化作
用を持つ化合物の結合量を計算した。重合終了後、固形
分濃度が30重量%になるように酢酸エチルを投入し、
混合し、粘着剤Hの溶液を取り出した。
【0056】比較例4 表1に示した所定量のモノマー及び酢酸エチル150g
を投入し、実施例1と同様、重合を実施した。重合終了
後、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタ
ン60gを加え、15時間煮沸還流し、反応させた後、
未反応物を精製除去した。この際、未反応物の量を測定
し、反応した抗酸化作用を持つ化合物の結合量を計算し
た。次に、固形分濃度が30重量%になるように酢酸エ
チルを投入し、混合し、粘着剤Iの溶液を取り出した。
【0057】なお、表1中のEHAは、アクリル酸2−
エチルヘキシル、EAは、アクリル酸エチル、OAは、
アクリル酸オクチル、VPは、N−ビニルピロリドン、
EHMAは、メタクリル酸2−エチルヘキシル、DM
は、メタクリル酸ドデシル、HDAは、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリル酸エステル、GMAは、メタアク
リル酸グリシジル、MAは、無水マレイン酸、AAは、
アクリル酸、TMEBは、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−エチルフェノール)ブタン(ヨシノックス9
30、吉富製薬社製)、4HPPは、テトラキス[メチ
レン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート]メタン(トミノックスT
T、吉富製薬社製)、EGCは、エピガロカテキン(三
井農林社製)を表す。
【0058】
【表1】
【0059】実施例6〜10及び比較例5〜8 実施例1〜5及び比較例1〜4で得られた粘着剤溶液に
固形分(酢酸エチルを乾燥させた後の重合物の重量)が
25重量%となるように酢酸エチルを添加し、攪拌混合
した。上記のようにして混合された溶液を、シリコンで
表面処理された厚さ75μmのポリエチレンテレフタレ
ート(以下、PET)フィルム上に、乾燥後の厚みが6
0μmとなるように塗布し、乾燥し、PET(22μ
m)/エチレンビニルアセテート(22μm)積層フィ
ルムを張り合わせ、貼付剤を調製した。得られた貼付剤
を用いて下記の方法により粘着力を測定し、結果を表2
に示した。また、粘着剤A〜Iの抗酸化作用を持つ化合
物の結合量を併せて示した。
【0060】粘着力評価 得られた貼付剤を12×250mmに切断し、予め37
℃の恒温器に30分間放置した25×125×5mmの
フェノール樹脂板に、一端を合わせて貼り付け、直ちに
850gのゴムローラーを約300mm/minの速度
で一往復する。これを37℃の恒温槽に30分間静置さ
せた後、フェノール樹脂板に貼り付したサンプルの自由
端を180°折り返し、試験板の先端から25mm剥が
した後、レオメーターを用い、サンプルの自由端は上部
に、試験板は下部に留め金で堅くはさみ、300mm/
minの速度で連続して引き剥がし、約20mmの間隔
で4回の荷重を測定した。なお、粘着力は100g・f
/cm2 以上が望ましい。
【0061】
【表2】
【0062】実施例11〜15及び比較例9、10 粘着剤溶液A〜F及びHにクロタミトンの酢酸エチル溶
液を、固形分(酢酸エチルを乾燥させた後の重合物とク
ロタミトンの重量和)が25重量%となるように、且
つ、固形分中の濃度が3重量%になるように添加し、攪
拌混合した。上記のようにして混合された溶液を、シリ
コンで表面処理された厚さ75μmのポリエチレンテレ
フタレート(以下、PET)フィルム上に、乾燥後の厚
みが60μmとなるように塗布し、乾燥し、PET(2
2μm)/エチレンビニルアセテート(22μm)積層
フィルムを貼り合わせ、貼付剤を調製した。得られた貼
付剤を用いて、抗酸化剤の移行の有無と安定性の評価、
薬物安定性評価を下記の方法により行い、結果を表3に
示した。いずれの抗酸化作用を有する置換基も抽出液中
には検出されなかった。従って、本発明の粘着剤は安定
であり、かつ、皮膚への抗酸化剤の移行のない安全なも
のといえる。
【0063】安定性・安全性評価 得られた貼付剤を30cm2 に切り取り、ポリエチレン
透明包材に閉塞した後、水銀ランプ(300、360、
400及び440nmの輝線スペクトルのもの)で照度
60000lx照射下、25℃で保存した。また、アル
ミニウム包材で閉塞したものを、60℃で保存した。1
4日後に取り出し、光劣化サンプル及び苛酷サンプルを
メタノール50mlに24時間浸漬させ、抽出液中の抗
酸化モノマー及び抗酸化作用を有する置換基をUV検出
器により確認した。
【0064】薬物安定性評価 得られた貼付剤を10cm2 に切り取り、アルミニウム
/ポリエチレン包材に閉塞した後、60℃で保存した。
また、初期サンプルとして、アルミニウム/ポリエチレ
ン包材に閉塞したものを、25℃で保存した。14日後
に取り出し、初期サンプル及び劣化サンプルの中の薬物
含量をHPLC法で測定し安定性を評価した。
【0065】
【表3】
【0066】実施例16〜20及び比較例11〜14 表4に示した粘着剤溶液に、薬物の酢酸エチル溶液を、
固形分(酢酸エチルを乾燥させた後の重合物と薬物との
重量和)が25重量%となるように、かつ、薬物の固形
分中の濃度が、表4に示された濃度になるように加え、
攪拌混合した。上記のようにして混合された溶液を、シ
リコンで表面処理された厚さ75μmのPETフィルム
上に、乾燥後の厚みが60μmとなるように塗布し、乾
燥し、PET(22μm)/エチレンビニルアセテート
(22μm)積層フィルムを張り合わせ、貼付剤を調製
した。得られた貼付剤を用いて粘着力、薬物安定性の評
価、抗酸化剤の移行の有無と安定性の評価を同様にして
行い、皮膚透過性の評価を実施例17及び比較例11に
より得られた貼付剤を用いて下記の方法により行った。
結果を表5及び表6に示した。いずれの抗酸化作用を有
する置換基も抽出液中には検出されなかった。従って、
本発明の粘着剤は安定であり、かつ、皮膚への抗酸化剤
の移行のない安全なものといえる。
【0067】in vitro皮膚透過性評価:得られ
た貼付剤を10cm2 に切り取り、60℃で保存した。
初期サンプルとしてアルミニウム/ポリエチレン包材で
閉塞したものを25℃で保存した。14日後に取り出
し、図1に示した拡散セル1によって、薬剤の皮膚透過
試験を行った。拡散セル1は有底円筒状のレセプター槽
2と、レセプター槽2の上に配置された有底円筒状のド
ナー槽3より形成されている。ドナー槽3の底壁中央部
には開口部4が設けられており、底壁は周囲方向に延設
され、フランジ5が設けられている。レセプター槽2の
上部にはフランジ6が設けられ、側壁には側方に突出し
たサンプリング口7が取り付けられている。フランジ5
とフランジ6とが対抗して重ね合わされて、ドナー槽3
とレセプター槽2が気密かつ同心状に積み重ねられてい
る。また、レセプター槽2内部にはマグネット攪拌子9
が入れてある。
【0068】ヘアレスマウス(雄、6週齢)を頸椎脱臼
により層殺した後、直ちに背部皮膚を摘出し、皮下脂肪
と筋層を除去して、約5×5cmの皮膚片8を得た。得
られた皮膚片8を拡散セル1のフランジ5とフランジ6
の間に装着し、ドナー槽3の開口部4を皮膚片8で完全
に閉じた。貼付剤を3.14cm2 の円形に切断し、粘
着性基剤層が皮膚片8に接するように皮膚片8の中央部
に貼付した。レセプター槽2にはレセプター液を満た
し、37℃に保持された恒温槽内に設置し、マグネット
攪拌装置によりマグネット攪拌子9を回転させ攪拌し
た。試験開始後5、18、24時間にサンプリング口7
よりレセプター液1mLを採取し、採取したレセプター
液中の薬剤含量を高速液体クロマトグラフィーにより測
定した。レセプター液採取に際しては、採取後、新鮮な
レセプター液1mLを補充した。また、試験は3回行
い、平均値を計算した。
【0069】なお、レセプター液は、NaH2 PO4
5×10-4mol/L、Na2 HPO4 が2×10-4
ol/L、NaClが1.5×10-1mol/mL及び
ゲンタマイシンが10ppm溶解された水溶液に、1N
−NaOH水溶液を添加して、pH7.2に調製した緩
衝液を用いた。
【0070】
【表4】
【0071】
【表5】
【0072】
【表6】
【0073】実施例21〜26及び比較例15〜19 表7に示した粘着剤溶液に、薬物及び経皮吸収促進剤の
酢酸エチル溶液又は分散液を、固形分(酢酸エチルを乾
燥させた後の重合物と薬物と経皮吸収促進剤との重量
和)が25%となるように、かつ、薬物及び経皮吸収促
進剤の固形分中の濃度が、表7に示された濃度になるよ
うに加え、攪拌混合した。上記のようにして混合された
溶液を、シリコンで表面処理された厚さ75μmのPE
Tフィルム上に、乾燥後の厚みが60μmとなるように
塗布し、乾燥し、PET(22μm)/エチレンビニル
アセテート(22μm)積層フィルムを張り合わせ、貼
付剤を調製した。得られた貼付剤を用いて粘着力、薬物
安定性の評価、抗酸化剤の移行の有無と安定性の評価を
上記と同様にして行い、皮膚透過性の評価を実施例2
3、26及び比較例15、19により得られた貼付剤を
用いて行った。結果を表8及び表9に示した。いずれの
抗酸化作用を有する置換基も抽出液中には検出されなか
った。従って、本発明の粘着剤は安定であり、かつ、皮
膚への抗酸化剤の移行のない安全なものといえる。
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】評価結果から明らかなように、粘着剤中に
抗酸化作用を持つ化合物が15重量%以上結合した粘着
剤を用いた貼付剤は、粘着力が100g・f/cm2
満となり、充分な貼付性が得られず、粘着剤中に抗酸化
作用を持つ化合物が結合していない粘着剤を用いた貼付
剤は、粘着剤中に抗酸化作用を持つ化合物が0.01〜
15重量%結合している粘着剤を用いた貼付剤と比較し
て、経皮吸収促進剤含量及び薬物含量の明らかな低下が
認められた。また、薬物の皮膚透過量は、光による促進
剤含量低下に伴い低下した。
【0078】
【発明の効果】本発明は上述の構成からなるので、薬物
の光安定性に優れ、かつ、抗酸化剤が経皮吸収されない
粘着剤を提供し、また、この粘着剤を用いた貼付剤は、
人体への安全性を確保しつつ、薬物の光安定性、薬物の
吸収性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮膚透過性試験に用いた拡散セルの斜視図であ
る。
【図2】塩酸プロカテロールの皮膚透過量を示す図であ
る。
【図3】メチルテストステロンの皮膚透過量を示す図で
ある。
【図4】塩酸プロカテロールの皮膚透過量を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 拡散セル 2 レセプター槽 3 ドナー槽 4 開口部 5 フランジ 6 フランジ 7 サンプリング口 8 皮膚片 9 マグネット攪拌子

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内に抗酸化作用を持つ官能基を有す
    る(メタ)アクリル酸エステル系共重合体からなること
    を特徴とする粘着剤。
  2. 【請求項2】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルか
    らなり、抗酸化作用を持つ化合物を側鎖に結合させてな
    る共重合体からなることを特徴とする粘着剤。
  3. 【請求項3】 医療用途に用いることを特徴とする請求
    項1又は2記載の粘着剤。
  4. 【請求項4】 支持体の片面に、請求項3記載の粘着剤
    と薬物とを含有する粘着剤層を設けてなることを特徴と
    する貼付剤。
  5. 【請求項5】 支持体の片面に、請求項3記載の粘着剤
    と薬物と経皮吸収促進剤とを含有する粘着剤層を設けて
    なることを特徴とする貼付剤。
  6. 【請求項6】 前記薬物は、光に不安定性を有するもの
    である請求項4又は5記載の貼付剤。
  7. 【請求項7】 前記薬物は、分子内にアミノ基、アミド
    基、アミンオキシド基、ジアゾ基及びニトロ基のうち少
    なくとも1種を有するか、又は、ステロイド骨格を有す
    るものである請求項6記載の貼付剤。
  8. 【請求項8】 前記経皮吸収促進剤は、光に不安定性を
    有するものである請求項5、6又は7記載の貼付剤。
  9. 【請求項9】 前記経皮吸収促進剤は、不飽和脂肪酸、
    不飽和脂肪酸エステル、分子内にアミノ基を有する化合
    物、及び、分子内にアミド結合を有する化合物からなる
    群より選択される少なくとも1種である請求項8記載の
    貼付剤。
  10. 【請求項10】 前記経皮吸収促進剤は、一価又は多価
    のアルコール、一価又は多価の有機酸、脂肪酸エステ
    ル、及び、界面活性剤からなる群より選択される少なく
    とも1種である請求項5、6又は7記載の貼付剤。
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