JPH1180332A - 潤滑油基油用脂肪族ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents

潤滑油基油用脂肪族ポリエステル及びその製造方法

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JPH1180332A
JPH1180332A JP25930697A JP25930697A JPH1180332A JP H1180332 A JPH1180332 A JP H1180332A JP 25930697 A JP25930697 A JP 25930697A JP 25930697 A JP25930697 A JP 25930697A JP H1180332 A JPH1180332 A JP H1180332A
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JP
Japan
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carbon atoms
main chain
saturated aliphatic
diols
alcohol
Prior art date
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Pending
Application number
JP25930697A
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English (en)
Inventor
Satoshi Asano
聡 浅野
Tadashi Niwa
正 丹羽
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い粘度指数と適正なレベルの動粘度及び低
温流動性を有した潤滑油基油に用いる低重合脂肪族ポリ
エステルを提供する。 【解決手段】主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジカ
ルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が4〜8の飽和
脂肪族ジオールの中から選ばれる少なくとも2種類のジ
オールを縮合して得られるエステル重合物を主鎖の炭素
数が6〜10のアルコールにより末端変性して得られる
100℃での動粘度が3〜50cStである潤滑油基油
用脂肪族ポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い粘度指数と適
正なレベルの動粘度及び低温流動性を有する潤滑基油用
ポリエステル系重合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からエステル系合成潤滑油は使用温
度範囲が広く、熱・酸化安定性に優れ、引火点が高く、
蒸発量が少なく、潤滑性が良い潤滑油として用いられて
いるが、さらに粘度指数が高く、生分解性の優れた潤滑
油基油が望まれていた。これらの中でジカルボン酸とジ
オールの縮合物であるエステル系の化合物が潤滑油基
油、添加剤、冷凍機油用に開発されてきている。例え
ば、特開昭47−9046号公報では、飽和有枝類ジカ
ルボン酸またはその誘導体もしくはその無水物とジオー
ルとを縮合させることによって得られたポリエステルの
潤滑油としての用途について記載している。また、WO
91−07479号公報には冷凍機油用の潤滑油とし
て、マロン酸等のジカルボン酸とネオペンチルグリコー
ル等のジオールとの縮合反応によるポリエステルが開示
されている。さらに特開平3−200896号公報に
は、非塩素系フロン冷媒用冷凍機油としてジオールとジ
カルボン酸の反応物を用いることが記載されている。し
かしながらいずれも耐熱性でかつ生分解性に優れた潤滑
油とはなっていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
粘度指数と適正なレベルの動粘度及び低温流動性を有し
た潤滑油基油に用いる低重合脂肪族ポリエステル及びそ
の製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、飽和脂肪
族ジカルボン酸又はその誘導体と飽和脂肪族ジオールを
縮合して得られる脂肪族ポリエステルにおいて、主鎖の
炭素数が特定のジカルボン酸又はそのエステルと主鎖の
炭素数が特定の少なくとも2種類のジオールを用いて縮
合反応を行って得られたポリエステル重合物を特定の炭
素数を有するアルコールにより末端変性処理して得られ
る末端変性脂肪族ポリエステルは、低温流動性に優れ、
かつ粘度指数が高く、潤滑油基油にふさわしい性能を有
することを見出し本発明に到達した。
【0005】すなわち、本発明は、主鎖の炭素数が4〜
10の飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と主鎖の
炭素数が4〜8の飽和脂肪族ジオールの中から選ばれる
少なくとも2種類のジオールを縮合して得られるエステ
ル重合物を主鎖の炭素数が6〜10のアルコールにより
末端変性して得られる100℃での動粘度が3〜50c
Stである潤滑油基油用脂肪族ポリエステルであり、そ
の製造方法は、主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジ
カルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が4〜8の飽
和脂肪族ジオールの中から選ばれる少なくとも2種類の
ジオールを、飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体を
前記のジオールの合計量に対して3〜15倍モル過剰に
用いて、有機金属化合物触媒の存在下140〜200℃
で、1〜5時間縮重合反応を行い、更に主鎖の炭素数が
6〜10のアルコールにより末端変性することを特徴と
する方法である。
【0006】本発明の好ましい態様は、以下の通りであ
る。 主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸又
はその誘導体が主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジ
カルボン酸ジエステルである前記潤滑油基油用脂肪族ポ
リエステル。 主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジカルボン酸又
はその誘導体がコハク酸ジエステルである前記潤滑油脂
肪族ポリエステル。 主鎖の炭素数が4〜8の飽和脂肪族ジオールが1,4
−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,
8−オクタンジオールの中から選ばれる少なくとも2種
類のジオールである前記潤滑油脂肪族ポリエステル。 主鎖の炭素数が4〜8の飽和脂肪族ジオールの中から
選ばれる少なくとも2種類のジオールが1,4−ブタン
ジオール/1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタン
ジオール/1,6−ヘキサンジオール、または1,4−
ブタンジオール/1,8−オクタンジオールである前記
潤滑油脂肪族ポリエステル。 主鎖の炭素数が6〜10のアルコールが1−ヘキサノ
ール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,5,5−ト
リメチル−1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−
オクタノール、1−デカノールである前記潤滑油脂肪族
ポリエステル。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の脂肪族ポリエステルは、
飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体と飽和脂肪族ジ
オールの重縮合による低分子量重合体をアルコールで末
端変性処理した脂肪族ポリエステルである。本発明で用
いられる飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体として
は、主鎖の炭素数が4〜10の化合物を用いる必要があ
る。但し、主鎖の炭素数とは2つのカルボン酸基にはさ
まれる直列に並んだ炭素鎖の炭素数を示す。炭素数が4
未満だと、得られる脂肪族ポリエステルは粘度の温度依
存性を示す尺度である粘度指数が低下するので好ましく
なく、炭素数が10を超えると、得られる脂肪族ポリエ
ステルは低温流動性が悪化するので好ましくない。
【0008】この飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導
体としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸又はそのジアルキルエス
テル、例えばジメチルエステル、メチルエチルエステ
ル、ジエチルエステル、メチルプロピルエステル、エチ
ルピロピルエステル、ジプロピルエステル、ジブチルエ
ステル等が挙げられる。これらを単独で、または2種以
上組合せて使用することができる。飽和脂肪族カルボン
酸又はそのジエステルの中で、生成する樹脂の物性や原
料としての価格の面から、コハク酸又はそのジエステル
が有利である。好ましいコハク酸ジエステルは、コハク
酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル等で
ある。
【0009】飽和脂肪族ジオールとしては、主鎖の炭素
数が4〜8の化合物の中から選ばれる少なくとも2種類
のジオールを用いる必要がある。但し、主鎖の炭素数と
は、2つの水酸基に挟まれる直列に並んだ炭素鎖の炭素
数を示す。炭素数が4未満だと、得られる脂肪族ポリエ
ステルの粘度の温度依存性を示す尺度である粘度指数が
低下し好ましくない。主鎖の炭素数が8を超えたジオー
ルを用いると、得られるポリエステルの低温流動性が悪
化するので、好ましくない。この飽和脂肪族ジオールと
しては、例えば1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘ
プタンジオール、1,8−オクタンジオールが挙げられ
る。これらのジオールを2種類以上用いて共重縮合する
必要がある。2種類以上のジオールの配合比は任意の割
合で配合できるが、少なくとも1種のジオールは10モ
ル%以上である必要がある。一種のジオールが10モル
%以下では、共重縮合の効果が得られない。2種類のジ
オールを用いる場合の具体的な組合せの例としては、
1,4−ブタンジオール/1,5−ペンタンジオール、
1,4−ブタンジオール/1,6−ペンタンジオール、
1,4−ブタンジオール/1,8−ペンタンジオール等
がある。
【0010】アルコールとしては、主鎖の炭素数が6〜
10のアルコールを用いる必要がある。但し、主鎖の炭
素数とは、水酸基が結合している炭素を含めて最も長い
直鎖の部分の炭素数を示す。炭素数が6未満だと、末端
変性脂肪族ポリエステルの粘度指数の向上効果が不十分
であり、また炭素数が10を超えると末端変性脂肪族ポ
リエステルの低温流動性が悪化する。このアルコールと
しては、例えば、1−ヘキサノール、2−エチル−1−
ヘキサノール、3,5,5−トリメチル−1−ヘキサノ
ール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、1−デカ
ノール等が挙げられる。
【0011】さらに、本発明の末端変性脂肪族ポリエス
テルは、潤滑に必要な油膜の厚さを保持するために、1
00℃での動粘度は3〜50cStであることが必要で
ある。動粘度が3未満では、潤滑に必要な膜を保持でき
ず、50を超えると流動性が悪化するので好ましくな
い。この物性を示すものは分子量(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィー(GPC)により測定)が300
〜1000のものである。ここで分子量が300未満で
は動粘度が小さくなり、また1000を超えるとワック
ス状となり、いずれも潤滑油基油として不適当なもので
ある。
【0012】本発明のポリエステル低重合物を合成する
方法は公知のポリエステルの製造法を適用すれば良い。
具体的には下記のような直接エステル化法及びエス
テル交換法があるが、ジカルボン酸と2種類以上のジオ
ールを反応させる場合はの直接エステル化法を用い、
ジカルボン酸ジエステルと2種類以上のジオールを反応
させる場合はのエステル交換法を用いる。
【0013】直接エステル化法 これは2種類以上のジオールとジカルボン酸を、無触媒
または酸触媒の存在下で脱水縮合させる方法である。こ
の際の反応温度は100〜250℃、好ましくは140
〜200℃で行われる。反応温度が高すぎると、分解ま
たは固化が生じ、低すぎると反応が進行しない。また、
反応時間は10分〜10時間、好ましくは1時間〜5時
間である。圧力については、常圧または減圧とし、また
常圧で半エステルを合成後、減圧にする二段反応を行う
こともできる。
【0014】触媒としては、通常は陽イオン交換樹脂、
硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸、メタスルホン
酸、活性白土、各種ゼオライト、ケイタングステン酸、
リンタングステン酸、有機金属化合物等をもちいること
ができる。
【0015】さらに原料であるジオールとジカルボン酸
の割合(モル比)は、3〜15、好ましくは4〜9であ
る。ジオールに対して、ジカルボン酸のモル比が3未満
であると、重合が進みすぎて所望の動粘度を有する生成
物が得られない。一方、前記のモル比が15を超える
と、重合はほとんど進まないので、同様に所望の動粘度
を有する生成物が得られない。なお、反応形式は回分
式、連続式のいずれでもよい。
【0016】エステル交換法 これは2種類以上のジオールとジカルボン酸のジエステ
ルを、触媒の存在下で縮合させる方法である。この際の
反応温度は、通常100〜250℃、好ましくは140
〜200℃で行われる。反応温度が高すぎると、分解が
生ずるか、重合制御が困難になって固化し、低すぎると
反応速度が遅い。反応時間は通常10分〜10時間、好
ましくは1時間〜5時間である。圧力については、常圧
または減圧とし、また常圧で半エステルを合成後、減圧
にする二段反応を行うこともできる。
【0017】触媒としては、Ti、Ge、Zn、Fe、
Mn、Sn、Co、Zr、V、Ir、Ce、Li、Ca
などの金属化合物、好ましくはアルコキシド、アセチル
アセトナートなどの有機金属化合物が挙げられる。これ
らの中で、例えばオキソビス(アセチルアセトナト)チ
タン、ジブトキシジアセトキシチタン、テトラエトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシ
チタンなどが高活性であり好ましい原料であるジオール
とジカルボン酸ジエステルの割合(モル比)は、3〜1
5、好ましくは4〜9である。ジオールに対してジカル
ボン酸ジエステルのモル比が3未満であると、重合が進
みすぎて所望の動粘度を有する生成物が得られない。一
方、前記のモル比が15を超えると、重合はほとんど進
まないので、同様に所望の動粘度を有する生成物が得ら
れない。なお、反応形式は回分式、連続式のいずれでも
よい。
【0018】本発明のエステル低重合物のアルコール末
端変性処理方法は、上記のエステル交換反応と同様の反
応で行うことができる。すなわち、上記で得られたエス
テル低重合物と所定のアルコールを、触媒の存在下で縮
合させる方法である。この際の反応温度は、通常50〜
400℃、好ましくは70〜250℃、さらに好ましく
は100〜180℃で行われる。反応温度が高すぎる
と、分解が生じ、低すぎると反応速度が遅い。反応時間
は通常1分〜20時間、好ましくは10分〜10時間で
ある。圧力については、常圧または減圧とする。
【0019】触媒としては、Ti、Ge、Zn、Fe、
Mn、Sn、Co、Zr、V、Ir、Ce、Li、Ca
などの金属化合物、好ましくはアルコキシド、アセチル
アセトナートなどの有機金属化合物が挙げられる。これ
らの中で、例えばオキソビス(アセチルアセトナト)チ
タン、ジブトキシジアセトキシチタン、テトラエトキシ
チタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシ
チタンなどが高活性であり好ましい。原料であるエステ
ル低重合物とアルコールの(モル比)は、エステル低重
合物中のジオールに対して通常0.01〜1.0、好ま
しくは0.05〜0.5である。なお、反応形式は回分
式、連続式のいずれでもよい。
【0020】本発明の潤滑油は、上述したように末端変
性脂肪族ポリエステルを単独または二種以上混合して用
いる。また、この末端変性脂肪族ポリエステルと他の潤
滑油を混合して用いることもできる。更に、従来の潤滑
油に使用されている各種添加剤、例えば耐荷重添加剤
(極圧剤、油性剤、磨耗防止剤、摩擦調整剤など)、塩
素捕掟剤、酸化防止剤、金属不活性剤、消泡剤、清浄分
散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、腐食防止剤、流動点降
下剤などを、所望に応じて添加することができる。
【0021】上記耐荷重添加剤としては、モノスルフィ
ド類、ポリスルフィド類、スルホキシド類、スルホン
類、チオスルフィネート類、硫化油脂、チオカーボネイ
ト類、チオフェン類、チアゾール類、メタンスルホン酸
エステル類などの有機硫黄化合物系のもの、リン酸モノ
エステル類、リン酸ジエステル類、リン酸トリエステル
類(トリクレジルホスフェート)などのリン酸エステル
系のもの、亜リン酸モノエステル類、亜リン酸ジエステ
ル類、亜リン酸トリエステル類などの亜リン酸エステル
系のもの、チオリン酸トリエステル類などのチオリン酸
エステル系のもの、高級脂肪酸、ヒドロキシアリール脂
肪酸類、含カルボン酸多価アルコールエステル類、金属
セッケンなどの脂肪酸系のもの、多価アルコールエステ
ル類、アクリル酸エステル類などの脂肪酸エステル系の
もの、塩素化炭化水素類、塩素化カルボン酸誘導体など
の有機塩素系のもの、フッ素化脂肪族カルボン酸類、フ
ッ素化エチレン樹脂、フッ素化アルキルポリシロキサン
類、フッ素化黒鉛などの有機フッ素系のもの、高級アル
コールなどのアルコール系のもの、ナフテン酸塩類(ナ
フテン酸鉛)、脂肪酸塩類(脂肪酸鉛)、チオリン酸塩
類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)、チオカルバミン酸
塩類、有機モリブテン化合物、有機スズ化合物、ゲルマ
ニウム化合物、ホウ酸エステル類などの金属化合物系の
ものがある。
【0022】塩素捕捉剤としては、グリシジルエーテル
基含有化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステル類、エポ
キシ化油脂、エポキシシクロアルキル基含有化合物など
がある。酸化防止剤としては、フェノール類(例えば、
2,6−ジターシャリーブチル−P−クレゾール)、芳
香族アミン類(例えば、α−ナフチルアミン)などがあ
る。金属不活性化剤としては、ベンゾトリアゾール誘導
体などがある。消泡剤としては、シリコーンオイル(ジ
メチルポリシロキサン)、ポリメタクリレート類などが
ある。洗浄分散剤としては、スルホネート類、フェノー
ト類、サリシレート類、コハク酸イミド類などがある。
粘度指数向上剤としては、ポリメタクリレート、ポリイ
ソブチレン、エチレン−プロピレン共重合体、スチレン
−ジエン水素化共重合体などがある。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお、本発明は下記実施例に限定して解釈されるも
のではない。本実施例における試験方法は以下の通りで
ある。
【0024】(1)100℃における動粘度:JIS
K 2283に準拠してCannonAutomati
c Viscometer(CANNON INSTR
UMENT Co製)で測定した。
【0025】(2)粘度指数:JIS K 2283に
準拠してCannon Automatic Visc
ometer(CANNON INSTRUMENT
Co製)で測定した。
【0026】(3)流動点:JIS K 2269−1
987に準拠して、自動流動点曇り点試験機(PRC−
106、株式会社離合社製)で測定した。
【0027】実施例1 ガラス製4つ口フラスコに、コハク酸ジエチル783.
9g(4.5mol)と1,4−ブタンジオール27.
0g(0.30mol)及び1,6−ヘキサンジオール
23.6g(0.20mol)を加え、窒素気流下マグ
ネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバ
スで150℃まで加熱した。系内が150℃に達した
ら、触媒としてTi(OBu)4を0.017g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、過剰のコ
ハク酸ジエチルを減圧留去し、重合物(重合物−1)を
得た。
【0028】重合物−1に全体の炭素数が6でかつ主鎖
の炭素数も6である1−ヘキサノール5.11g(0.
05mol)を加え、窒素気流下マグネテックスターラ
ーにより系内を撹拌しながらオイルバスで150℃まで
加熱した。系内が150℃に達したら、触媒としてTi
(OPr)4を0.014g(0.05mmol)添加
し2時間加熱撹拌を続け、エタノールを留去しながらエ
ステル交換反応を完結させた。次に撹拌を行いながら、
系内の温度を100℃前後まで冷却し、ゆっくりと3T
orr程度まで減圧して、軽質分を減圧留去し、重合物
153.3gを得た。得られた重合物の100℃での動
粘度、粘度指数及び流動点を測定し、その結果を表1に
示す。
【0029】実施例2 実施例1で合成した重合物−1に、全体の炭素数が8で
かつ主鎖の炭素数が6である2−エチル−1−ヘキサノ
ール6.51g(0.05mol)を加え、窒素気流下
マグネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイ
ルバスで180℃まで加熱した。系内が180℃に達し
たら、触媒としてTi(OPr)4を0.014g
(0.05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エ
タノールを留去しながらエステル交換反応を完結させ
た。次に撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後
まで冷却し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、
軽質分を減圧留去し、重合物153.2gを得た。得ら
れた重合物の100℃での動粘度、粘度指数及び流動点
を測定した。その結果を表1に示す。
【0030】実施例3 実施例1で合成した重合物−1に、全体の炭素数が9で
かつ主鎖の炭素数が6である3,5,5−トリメチル−
1−ヘキサノール7.23g(0.05mol)を加
え、窒素気流下マグネテックスターラーにより系内を撹
拌しながらオイルバスで190℃まで加熱した。系内が
190℃に達したら、触媒としてTi(OPr)4
0.014g(0.05mmol)添加し2時間加熱撹
拌を続け、エタノールを留去しながらエステル交換反応
を完結させた。次に撹拌を行いながら、系内の温度を1
00℃前後まで冷却し、ゆっくりと3Torr程度まで
減圧して、軽質分を減圧留去し、重合物155.7gを
得た。得られた重合物の100℃での動粘度、粘度指数
及び流動点を測定した。その結果を表1に示す。
【0031】実施例4 実施例1で合成した重合物−1に、1−ヘプタノール
5.81g(0.05mol)を加え、窒素気流下マグ
ネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバ
スで170℃まで加熱した。系内が170℃に達した
ら、触媒としてTi(OPr)4を0.014g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、軽質分を
減圧留去し、重合物155.2gを得た。得られた重合
物の100℃での動粘度、粘度指数及び流動点を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0032】実施例5 実施例1で合成した重合物−1に、1−オクタノール
6.51g(0.05mol)を加え、窒素気流下マグ
ネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバ
スで190℃まで加熱した。系内が190℃に達した
ら、触媒としてTi(OPr)4を0.014g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、軽質分を
減圧留去し、重合物155.7gを得た。得られた重合
物の100℃での動粘度、粘度指数及び流動点を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0033】得られた重合物を13C−NMR及びIRに
よって分析した。なお、13C−NMR及びIRは次の条
件で測定した。 13C−NMR 測定装置:JEOL GSX−400 100MHz (日本電子株式会社製) 測定溶媒:CDCl3/TMS30℃ IR 測定装置:JASCO IR−810(日本分光工業製) 分析した結果ポリブチレンヘキシレンサクシネート1−
オクタノール変成体が生成していることがわかった。
【0034】実施例6 実施例1で合成した重合物−1に、1−デカノール7.
92g(0.05mol)を加え、窒素気流下マグネテ
ックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバスで
190℃まで加熱した。系内が190℃に達したら、触
媒としてTi(OPr)4を0.014g(0.05m
mol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノールを留
去しながらエステル交換反応を完結させた。次に撹拌を
行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却し、ゆ
っくりと3Torr程度まで減圧して、軽質分を減圧留
去し、重合物160.2gを得た。得られた重合物の1
00℃での動粘度、粘度指数及び流動点を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0035】比較例1 ガラス製4つ口フラスコに、コハク酸ジエチル783.
9g(4.5mol)と1,4−ブタンジオール27.
0g(0.30mol)及び1,6−ヘキサンジオール
23.6g(0.20mol)を加え、窒素気流下マグ
ネティックスターラーにより系内を撹拌しながらオイル
バスで150℃まで加熱した。系内が150℃に達した
ら、触媒としてTi(OBu)4を0.017g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、過剰のコ
ハク酸ジエチルを減圧留去し、重合物163.5gを得
た。得られた重合物の100℃での動粘度、粘度指数及
び流動点を測定した結果を表1に示す。
【0036】得られた重合物を13C−NMR及びIRに
よって分析した。なお、13C−NMR及びIRは次の条
件で測定した。 13C−NMR 測定装置:JEOL GSX−400 100MHz (日本電子株式会社製) 測定溶媒:CDCl3/TMS30℃ IR 測定装置:JASCO IR−810(日本分光工業製) 分析した結果ポリブチレンヘキシレンサクシネート共重
合体が生成していることがわかった。
【0037】比較例2 実施例1で合成した重合物−1に、1−ペンタノール
5.21g(0.05mol)を加え、窒素気流下マグ
ネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバ
スで140℃まで加熱した。系内が140℃に達した
ら、触媒としてTi(OPr)4を0.014g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、軽質分を
減圧留去し、重合物155.2gを得た。得られた重合
物の100℃での動粘度、粘度指数及び流動点を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0038】比較例3 実施例1で合成した重合物−1に、ラウリルアルコール
9.32g(0.05mol)を加え、窒素気流下マグ
ネテックスターラーにより系内を撹拌しながらオイルバ
スで190℃まで加熱した。系内が190℃に達した
ら、触媒としてTi(OPr)4を0.014g(0.
05mmol)添加し2時間加熱撹拌を続け、エタノー
ルを留去しながらエステル交換反応を完結させた。次に
撹拌を行いながら、系内の温度を100℃前後まで冷却
し、ゆっくりと3Torr程度まで減圧して、軽質分を
減圧留去し、重合物160.5gを得た。得られた重合
物の100℃での動粘度、粘度指数及び流動点を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0039】
【表1】 表1より明らかなように、1,4−ブタンジオールと
1,6−ヘキサンジオールのような2種類のジオール混
合物とコハク酸ジエチルを共縮重合させた低重合物を本
発明の範囲のアルコールで末端変性処理すると動粘度、
粘度指数及び流動点のバランスの優れた末端変性脂肪族
ポリエステルが得られ潤滑油基油となりうることが分か
る(実施例1〜6)。一方、末端変性を行わないと、流
動点は優れているが、粘度指数は大きくならず(比較例
1)、本発明の範囲外の炭素数が5のアルコールである
1−ペンタノールで末端変性処理しても、本発明のよう
に粘度指数向上の効果は認められない(比較例2)。更
に、本発明の範囲外の炭素数が12のアルコールである
ラウリルアルコールで末端変性処理しても、本発明のよ
うに低流動点の末端変性脂肪族ポリエステルは得られな
い(比較例3)。
【0040】
【発明の効果】本発明の主鎖の炭素数が特定の飽和脂肪
族ジカルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が特定の
飽和脂肪族ジオールのを少なくとも2種類のジオールの
混合物を共縮重合して得られる低分子量のエステル共重
合を主鎖の炭素数が特定のアルコールにより末端変性し
て得られる末端変性脂肪族ポリエステルは、動粘度、粘
度指数、低温流動性のバランスに優れ、潤滑油基油にふ
さわしい性能を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 105:12)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジ
    カルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が4〜8の飽
    和脂肪族ジオールの中から選ばれる少なくとも2種類の
    ジオールを縮重合して得られるエステル重合物を主鎖の
    炭素数が6〜10のアルコールにより末端変性して得ら
    れる100℃での動粘度が3〜50cStである潤滑油
    基油用脂肪族ポリエステル。
  2. 【請求項2】 主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジ
    カルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が4〜8の飽
    和脂肪族ジオールの中から選ばれる少なくとも2種類の
    ジオールを、飽和脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体を
    前記のジオールの合計量に対して3〜15倍モル過剰に
    用いて、有機金属化合物触媒の存在下140〜200℃
    で、1〜5時間縮重合反応を行い、更に主鎖の炭素数が
    6〜10のアルコールにより末端変性することを特徴と
    する潤滑油基油用脂肪族ポリエステルの製造方法。
  3. 【請求項3】 主鎖の炭素数が4〜10の飽和脂肪族ジ
    カルボン酸又はその誘導体と主鎖の炭素数が4〜8の飽
    和脂肪族ジオールの中から選ばれる少なくとも2種類の
    ジオールを縮合して得られるエステル重合物を主鎖の炭
    素数が6〜10のアルコールにより末端変性して得られ
    る100℃での動粘度が3〜50cStである脂肪族ポ
    リエステルを用いたものである潤滑油。
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