JPH1180048A - 光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法 - Google Patents
光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法Info
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- JPH1180048A JPH1180048A JP13950698A JP13950698A JPH1180048A JP H1180048 A JPH1180048 A JP H1180048A JP 13950698 A JP13950698 A JP 13950698A JP 13950698 A JP13950698 A JP 13950698A JP H1180048 A JPH1180048 A JP H1180048A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 農園芸用殺菌剤の合成中間体として有用な光
学活性α−ハロエチルベンゼン類の製法を提供する。 【解決手段】 光学活性1−置換フェニルエタノール類
を、塩基の存在下、ハロゲン化剤で処理し、立体配置の
反転した光学活性α−ハロエチルベンゼン類を製造す
る。
学活性α−ハロエチルベンゼン類の製法を提供する。 【解決手段】 光学活性1−置換フェニルエタノール類
を、塩基の存在下、ハロゲン化剤で処理し、立体配置の
反転した光学活性α−ハロエチルベンゼン類を製造す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬などの
合成中間体として有用な光学活性α−ハロエチルベンゼ
ン類の製造法に関する。
合成中間体として有用な光学活性α−ハロエチルベンゼ
ン類の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】α−ハロエチルベンゼン類は例えば特開
平7−76564に記載される農園芸用殺菌剤を合成す
る中間体として有用な物質である。殺菌活性がより優れ
た上記農園芸用殺菌剤の光学活性体の製造には、中間体
として光学活性α−ハロエチルベンゼン類を使用する必
要があるが、かかる光学活性体に関しては、未だ報告さ
れていない。従来の光学活性二級アルキルハライドの製
法としては、対応する光学活性アルコールを三臭化リン
で処理する方法が報告されているが(J.Org.Ch
em.1976,41,1071−3)、この方法は収
率が悪く、また三臭化リンは高価で取り扱いが困難であ
り、廃液処理にも問題が有る等、工業的に採用し難い製
法である。
平7−76564に記載される農園芸用殺菌剤を合成す
る中間体として有用な物質である。殺菌活性がより優れ
た上記農園芸用殺菌剤の光学活性体の製造には、中間体
として光学活性α−ハロエチルベンゼン類を使用する必
要があるが、かかる光学活性体に関しては、未だ報告さ
れていない。従来の光学活性二級アルキルハライドの製
法としては、対応する光学活性アルコールを三臭化リン
で処理する方法が報告されているが(J.Org.Ch
em.1976,41,1071−3)、この方法は収
率が悪く、また三臭化リンは高価で取り扱いが困難であ
り、廃液処理にも問題が有る等、工業的に採用し難い製
法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光学活性α
−ハロエチルベンゼン類を、安価に、効率よく製造する
方法を提供することを目的とするものである。
−ハロエチルベンゼン類を、安価に、効率よく製造する
方法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、光学活性1−置換フ
ェニルエタノール類を塩基の存在下、ハロゲン化剤で処
理することにより、原料の光学活性1−置換フェニルエ
タノール類とは立体配置が反転した光学活性α−ハロエ
チルベンゼン類が得られることを見出した。また、この
反応は、使用する塩基、ハロゲン化剤の種類により、中
間生成物として、光学活性スルホン酸エステルを形成す
るが、この中間体をハロゲン化水素酸塩で処理すること
により、立体配置の反転した光学活性α−ハロエチルベ
ンゼン類が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は下記一般式(I−1)又は(I−
2)
解決するために鋭意検討した結果、光学活性1−置換フ
ェニルエタノール類を塩基の存在下、ハロゲン化剤で処
理することにより、原料の光学活性1−置換フェニルエ
タノール類とは立体配置が反転した光学活性α−ハロエ
チルベンゼン類が得られることを見出した。また、この
反応は、使用する塩基、ハロゲン化剤の種類により、中
間生成物として、光学活性スルホン酸エステルを形成す
るが、この中間体をハロゲン化水素酸塩で処理すること
により、立体配置の反転した光学活性α−ハロエチルベ
ンゼン類が得られることを見出し、本発明に到達した。
即ち本発明の要旨は下記一般式(I−1)又は(I−
2)
【0005】
【化6】
【0006】(式中、R1 はハロゲン原子、C1 −C4
のアルキル基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1 −C
4 のアルコキシ基又はC1 −C4 のハロアルコキシ基を
示し、nは1から3の整数を示す。)で表される光学活
性1−置換フェニルエタノール類を、塩基の存在下、ハ
ロゲン化剤で処理するか、又は、下記一般式(III −
1)又は(III −2)
のアルキル基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1 −C
4 のアルコキシ基又はC1 −C4 のハロアルコキシ基を
示し、nは1から3の整数を示す。)で表される光学活
性1−置換フェニルエタノール類を、塩基の存在下、ハ
ロゲン化剤で処理するか、又は、下記一般式(III −
1)又は(III −2)
【0007】
【化7】
【0008】(式中、R1 及びnは前記一般式(I−
1)、(I−2)と同義であり、R2 はC1 −C4 のア
ルキル基、置換又は非置換のフェニル基、ベンジル基、
ナフチル基を示す。)で表される光学活性スルホン酸エ
ステル類をハロゲン化水素酸塩で処理することを特徴と
する、下記一般式(II−1)又は(II−2)
1)、(I−2)と同義であり、R2 はC1 −C4 のア
ルキル基、置換又は非置換のフェニル基、ベンジル基、
ナフチル基を示す。)で表される光学活性スルホン酸エ
ステル類をハロゲン化水素酸塩で処理することを特徴と
する、下記一般式(II−1)又は(II−2)
【0009】
【化8】
【0010】(式中、Xはハロゲン原子を示し、R1 、
nは前記一般式(I−1)、(I−2)と同じ意義を有
する。)で表される立体配置の反転した光学活性α−ハ
ロエチルベンゼン類の製造法に存する。以下、本発明を
詳細に説明する。
nは前記一般式(I−1)、(I−2)と同じ意義を有
する。)で表される立体配置の反転した光学活性α−ハ
ロエチルベンゼン類の製造法に存する。以下、本発明を
詳細に説明する。
【0011】なお、本願明細書において、一般式(I−
1)及び(I−2)、一般式(II−1)及び(II−
2)、一般式(III −1)及び(III −2)はそれぞ
れ、立体配置が異なる異性体を示す。それ故、以下の説
明では、特に支障がない場合、何れか一方の記載で両者
を代表する。
1)及び(I−2)、一般式(II−1)及び(II−
2)、一般式(III −1)及び(III −2)はそれぞ
れ、立体配置が異なる異性体を示す。それ故、以下の説
明では、特に支障がない場合、何れか一方の記載で両者
を代表する。
【0012】本発明方法の出発原料である一般式(I−
1)の光学活性1−置換フェニルエタノール類として
は、一般式(I−1)におけるR1 が、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基等のC1 −C4 のアルキル基;ト
リフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロ
メチル基、ジクロロジフルオロエチル基等のC1 −C4
のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、iso−
プロポキシ基、n−ブトキシ基等のC1 −C4 のアルコ
キシ基;又はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメト
キシ基、ジクロロジフルオロエトキシ基等のC1 −C4
のハロアルコキシ基である化合物が挙げられる。nは1
から3の整数であり、好ましくは1から2の整数であ
り、更に好ましくは1である。
1)の光学活性1−置換フェニルエタノール類として
は、一般式(I−1)におけるR1 が、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル
基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基等のC1 −C4 のアルキル基;ト
リフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリクロロ
メチル基、ジクロロジフルオロエチル基等のC1 −C4
のハロアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、iso−
プロポキシ基、n−ブトキシ基等のC1 −C4 のアルコ
キシ基;又はトリフルオロメトキシ基、ジフルオロメト
キシ基、ジクロロジフルオロエトキシ基等のC1 −C4
のハロアルコキシ基である化合物が挙げられる。nは1
から3の整数であり、好ましくは1から2の整数であ
り、更に好ましくは1である。
【0013】出発原料の光学活性1−置換フェニルエタ
ノール類はR−体、S−体の何れも使用できるが、生成
する一般式(II−1)の化合物は、出発物質とは反転し
た立体配置を有する。即ち出発物質がR−体の場合は、
生成物はS−体が得られる。従って、生成物が所望の光
学活性体となる様に原料の光学活性体を選択することが
重要である。一般式(I−1)の化合物は、例えば対応
するラセミ体の光学分割により製造される。
ノール類はR−体、S−体の何れも使用できるが、生成
する一般式(II−1)の化合物は、出発物質とは反転し
た立体配置を有する。即ち出発物質がR−体の場合は、
生成物はS−体が得られる。従って、生成物が所望の光
学活性体となる様に原料の光学活性体を選択することが
重要である。一般式(I−1)の化合物は、例えば対応
するラセミ体の光学分割により製造される。
【0014】光学活性1−置換フェニルエタノール類の
具体例としては、例えば、R−又はS−の1(2−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(3−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(2−クロ
ロフェニル)エタノール、1−(3−クロロフェニル)
エタノール、1−(4−クロロフェニル)エタノール、
1−(3−メトキシ−4−ジフルオロメチルフェニル)
エタノール、1−(3−ジフルオロメチルフェニル)エ
タノール、1−(4−ジフルオロメチルフェニル)エタ
ノール、1−(3−ジフルオロメトキシフェニル)エタ
ノール、1−(4−ジフルオロメトキシフェニル)エタ
ノール、1−(2−メチルフェニル)エタノール、1−
(3−メチルフェニル)エタノール、1−(4−メチル
フェニル)エタノール等が挙げられる。これらのうち、
合成中間体として有用な生成物を得るためには、好まし
くはフェニル基がトリフルオロメチル基で置換された化
合物であり、更に好ましくはフェニル基の3−位がトリ
フルオロメチル基で置換された化合物である。
具体例としては、例えば、R−又はS−の1(2−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(3−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(4−トリ
フルオロメチルフェニル)エタノール、1−(2−クロ
ロフェニル)エタノール、1−(3−クロロフェニル)
エタノール、1−(4−クロロフェニル)エタノール、
1−(3−メトキシ−4−ジフルオロメチルフェニル)
エタノール、1−(3−ジフルオロメチルフェニル)エ
タノール、1−(4−ジフルオロメチルフェニル)エタ
ノール、1−(3−ジフルオロメトキシフェニル)エタ
ノール、1−(4−ジフルオロメトキシフェニル)エタ
ノール、1−(2−メチルフェニル)エタノール、1−
(3−メチルフェニル)エタノール、1−(4−メチル
フェニル)エタノール等が挙げられる。これらのうち、
合成中間体として有用な生成物を得るためには、好まし
くはフェニル基がトリフルオロメチル基で置換された化
合物であり、更に好ましくはフェニル基の3−位がトリ
フルオロメチル基で置換された化合物である。
【0015】本発明方法は塩基の存在下、一般式(I−
1)の光学活性1−置換フェニルエタノールをハロゲン
化剤で処理することにより実施される。ハロゲン化剤と
しては置換又は非置換のアルキル或いはアリールスルホ
ニルハライド、ハロゲン化チオニル、オキシハロゲン化
リン、ハロゲン化リン、ホスゲン、トリクロロメチルク
ロロホルメート、或いはビストリクロロメチルカーボネ
ート等が挙げられ、置換又は非置換のアルキルスルホニ
ルハライドとしては具体的に、メタンスルホニルクロリ
ド、エタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロ
ミド或いはベンジルスルホニルクロリド等が挙げられ、
置換又は非置換のアリールスルホニルハライドとしては
具体的に、ベンゼンスルホニルクロリド、パラトルエン
スルホニルクロリド、パラニトロベンゼンスルホニルク
ロリド、ナフタレンスルホニルクロリド、ベンゼンスル
ホニルブロミド、パラトルエンスルホニルブロミド、ナ
フタレンスルホニルブロミド等が挙げられる。ハロゲン
化チオニルとしては具体的に、塩化チオニル、臭化チオ
ニル等が挙げられ、オキシハロゲン化リンとしては具体
的に、オキシ塩化リンが挙げられ、ハロゲン化リンとし
ては具体的に、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン等
が挙げられる。ハロゲン化剤としては、好ましくは置換
又は非置換のアルキル或いはアリールスルホニルハライ
ドが用いられ、更に好ましくはメタンスルホニルクロリ
ド或いはp−トルエンスルホニルクロリドが用いられ
る。ハロゲン化剤の使用量は、特に制限されるものでは
ないが、一般式(I−1)の光学活性1−置換フェニル
エタノール類に対して1.0〜10当量、好ましくは
1.0〜5.0当量、更に好ましくは1.0〜2.5当
量用いるのが良い。
1)の光学活性1−置換フェニルエタノールをハロゲン
化剤で処理することにより実施される。ハロゲン化剤と
しては置換又は非置換のアルキル或いはアリールスルホ
ニルハライド、ハロゲン化チオニル、オキシハロゲン化
リン、ハロゲン化リン、ホスゲン、トリクロロメチルク
ロロホルメート、或いはビストリクロロメチルカーボネ
ート等が挙げられ、置換又は非置換のアルキルスルホニ
ルハライドとしては具体的に、メタンスルホニルクロリ
ド、エタンスルホニルクロリド、メタンスルホニルブロ
ミド或いはベンジルスルホニルクロリド等が挙げられ、
置換又は非置換のアリールスルホニルハライドとしては
具体的に、ベンゼンスルホニルクロリド、パラトルエン
スルホニルクロリド、パラニトロベンゼンスルホニルク
ロリド、ナフタレンスルホニルクロリド、ベンゼンスル
ホニルブロミド、パラトルエンスルホニルブロミド、ナ
フタレンスルホニルブロミド等が挙げられる。ハロゲン
化チオニルとしては具体的に、塩化チオニル、臭化チオ
ニル等が挙げられ、オキシハロゲン化リンとしては具体
的に、オキシ塩化リンが挙げられ、ハロゲン化リンとし
ては具体的に、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン等
が挙げられる。ハロゲン化剤としては、好ましくは置換
又は非置換のアルキル或いはアリールスルホニルハライ
ドが用いられ、更に好ましくはメタンスルホニルクロリ
ド或いはp−トルエンスルホニルクロリドが用いられ
る。ハロゲン化剤の使用量は、特に制限されるものでは
ないが、一般式(I−1)の光学活性1−置換フェニル
エタノール類に対して1.0〜10当量、好ましくは
1.0〜5.0当量、更に好ましくは1.0〜2.5当
量用いるのが良い。
【0016】反応に用いられる塩基としては具体的に、
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム等の酢酸塩、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の
水酸化物等の無機塩基、或いは、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン類、コリジ
ン類、N,N−ジメチルアミノピリジン等の置換又は非
置換のピリジン類、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等の三級アミン等の有機塩基が挙
げられる。反応収率及び反応速度の点では有機塩基が好
ましく用いられ、更に好ましくは工業的に安価に入手容
易なトリエチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−
ピコリン、γ−ピコリンが用いられる。また、無機塩基
としては炭酸カリウム等の炭酸塩が好ましく用いられ
る。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、
一般式(I−1)の光学活性1−置換フェニルエタノー
ル類に対して1.0〜100当量、好ましくは1.0〜
50当量、更に好ましくは1.0〜20当量用いるのが
良い。
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム等の酢酸塩、水酸化リチウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の
水酸化物等の無機塩基、或いは、ピリジン、α−ピコリ
ン、β−ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン類、コリジ
ン類、N,N−ジメチルアミノピリジン等の置換又は非
置換のピリジン類、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等の三級アミン等の有機塩基が挙
げられる。反応収率及び反応速度の点では有機塩基が好
ましく用いられ、更に好ましくは工業的に安価に入手容
易なトリエチルアミン、ピリジン、α−ピコリン、β−
ピコリン、γ−ピコリンが用いられる。また、無機塩基
としては炭酸カリウム等の炭酸塩が好ましく用いられ
る。塩基の使用量は、特に制限されるものではないが、
一般式(I−1)の光学活性1−置換フェニルエタノー
ル類に対して1.0〜100当量、好ましくは1.0〜
50当量、更に好ましくは1.0〜20当量用いるのが
良い。
【0017】本反応において、塩基として無機塩基或い
は三級アミンを使用する場合には、反応系にハロゲン化
水素酸塩を共存させることにより反応を完結させること
ができる。ハロゲン化水素酸塩は、最初から存在させて
おいてもよいし、反応の途中で添加してもよい。特に後
者の場合は、反応生成物の光学純度が向上する傾向があ
るので好ましい。本反応に用いられるハロゲン化水素酸
塩は具体的に塩酸塩としては、ピリジン塩酸塩、α−ピ
コリン塩酸塩、β−ピコリン塩酸塩、γ−ピコリン塩酸
塩、ルチジン塩酸塩類、コリジン塩酸塩類等の置換又は
非置換ピリジン塩酸塩、塩化テトラエチルホスホニウ
ム、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化トリフェニル
ベンジルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウ
ム等のホスホニウム塩、塩化テトラメチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチル
アンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、
塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチ
ルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモ
ニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−ベン
ジルピコリニウム、塩化N−ラウリルピコリニウム、a
liquat336(トリカプリルメチルアンモニウム
クロライド)等の4級アンモニウム塩類、塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、
塩化セシウム等のアルカリ金属塩化物、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウ
ム等のアルカリ土類金属塩化物、塩化銅、塩化亜鉛、塩
化アルミニウム、塩化鉄、塩化銀等の金属塩化物が挙げ
られる。臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩としては、前
記の塩酸塩の塩素原子をそれぞれ臭素原子或いはヨウ素
原子に置き換えた化合物が挙げられる。ハロゲン化水素
酸塩としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム等のアルカリ金属
塩化物、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化スト
ロンチウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩化物
を用いると生成する光学活性α−ハロエチルベンゼン類
の収率及び光学純度が向上するため好ましい。更に好ま
しくは、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が工業的に安
価に入手が容易であり好適に用いられる。
は三級アミンを使用する場合には、反応系にハロゲン化
水素酸塩を共存させることにより反応を完結させること
ができる。ハロゲン化水素酸塩は、最初から存在させて
おいてもよいし、反応の途中で添加してもよい。特に後
者の場合は、反応生成物の光学純度が向上する傾向があ
るので好ましい。本反応に用いられるハロゲン化水素酸
塩は具体的に塩酸塩としては、ピリジン塩酸塩、α−ピ
コリン塩酸塩、β−ピコリン塩酸塩、γ−ピコリン塩酸
塩、ルチジン塩酸塩類、コリジン塩酸塩類等の置換又は
非置換ピリジン塩酸塩、塩化テトラエチルホスホニウ
ム、塩化テトラブチルホスホニウム、塩化トリフェニル
ベンジルホスホニウム、塩化テトラフェニルホスホニウ
ム等のホスホニウム塩、塩化テトラメチルアンモニウ
ム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチル
アンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、
塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化トリオクチ
ルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモ
ニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−ベン
ジルピコリニウム、塩化N−ラウリルピコリニウム、a
liquat336(トリカプリルメチルアンモニウム
クロライド)等の4級アンモニウム塩類、塩化リチウ
ム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化ルビジウム、
塩化セシウム等のアルカリ金属塩化物、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウ
ム等のアルカリ土類金属塩化物、塩化銅、塩化亜鉛、塩
化アルミニウム、塩化鉄、塩化銀等の金属塩化物が挙げ
られる。臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩としては、前
記の塩酸塩の塩素原子をそれぞれ臭素原子或いはヨウ素
原子に置き換えた化合物が挙げられる。ハロゲン化水素
酸塩としては塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化ルビジウム、塩化セシウム等のアルカリ金属
塩化物、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化スト
ロンチウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩化物
を用いると生成する光学活性α−ハロエチルベンゼン類
の収率及び光学純度が向上するため好ましい。更に好ま
しくは、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウ
ム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム等が工業的に安
価に入手が容易であり好適に用いられる。
【0018】本反応は無溶媒でも実施できるが、必要に
応じ、有機溶媒で希釈して実施することもできる。使用
される溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチ
ルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエー
テル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチ
ル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ア
セチルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド等の極性溶媒等が挙げられ、そ
の単一溶媒であっても混合溶媒であっても良い。好まし
くは炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、及びN,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒か
ら選ばれる単一溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げら
れる。さらに好ましくは炭化水素類、t−ブチルメチル
エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサ
メチルホスホリックトリアミドの単一溶媒あるいは混合
溶媒が挙げられる。
応じ、有機溶媒で希釈して実施することもできる。使用
される溶媒としては、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサン等の炭化水素類;四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等のハロ
ゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチ
ルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエー
テル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭
化水素類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチ
ル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、ア
セチルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン
類;N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリ
ドン、N,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサメチル
ホスホリックトリアミド等の極性溶媒等が挙げられ、そ
の単一溶媒であっても混合溶媒であっても良い。好まし
くは炭化水素類、エーテル類、エステル類、ケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
ン、及びN,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサメチ
ルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒か
ら選ばれる単一溶媒あるいはそれらの混合溶媒が挙げら
れる。さらに好ましくは炭化水素類、t−ブチルメチル
エーテル、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル
ピロリドン、N,N−ジメチルイミダゾリノン、ヘキサ
メチルホスホリックトリアミドの単一溶媒あるいは混合
溶媒が挙げられる。
【0019】これらの溶媒のうち、N,N−ジメチルホ
ルムアミドは後の実施例で具体的に示すごとく反応促進
効果があり、更にn−ヘプタン等の炭化水素類あるいは
t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類との混合溶媒
にすることにより光学純度を向上させることができる。
従って、N,N−ジメチルホルムアミドを含む有機溶媒
を用いることは、本ハロゲン化反応において極めて効率
的である。溶媒として用いられるN,N−ジメチルホル
ムアミドの割合は混合相手にもよるが0.5〜99%、
好ましくは1〜60%、更に好ましくは2〜50%であ
る。溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが一
般式(I−1)の光学活性な1−置換フェニルエタノー
ルに対して0〜100倍量(重量)、好ましくは1〜1
0倍量用いられる。
ルムアミドは後の実施例で具体的に示すごとく反応促進
効果があり、更にn−ヘプタン等の炭化水素類あるいは
t−ブチルメチルエーテル等のエーテル類との混合溶媒
にすることにより光学純度を向上させることができる。
従って、N,N−ジメチルホルムアミドを含む有機溶媒
を用いることは、本ハロゲン化反応において極めて効率
的である。溶媒として用いられるN,N−ジメチルホル
ムアミドの割合は混合相手にもよるが0.5〜99%、
好ましくは1〜60%、更に好ましくは2〜50%であ
る。溶媒の使用量は、特に制限されるものではないが一
般式(I−1)の光学活性な1−置換フェニルエタノー
ルに対して0〜100倍量(重量)、好ましくは1〜1
0倍量用いられる。
【0020】本反応は、光学活性1−置換フェニルエタ
ノール類及び塩基、更に場合により有機溶媒及びハロゲ
ン化水素酸塩を仕込み、次いでハロゲン化剤を−50℃
〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃、更に好ましく
は−30℃〜10℃にて滴下する。この際、反応温度が
上昇しないようにゆっくりと滴下することにより、生成
する光学活性α−ハロエチルベンゼン類の光学純度を向
上させることができる。また、先にハロゲン化剤を仕込
み、後から塩基を反応温度が上昇しないようにゆっくり
と滴下しても良い。ハロゲン化剤或いは塩基を添加した
後、−50〜100℃、好ましくは−30〜50℃、更
に好ましくは−20〜30℃で1〜100時間反応させ
ることにより、反応を完結させることができる。
ノール類及び塩基、更に場合により有機溶媒及びハロゲ
ン化水素酸塩を仕込み、次いでハロゲン化剤を−50℃
〜50℃、好ましくは−30℃〜30℃、更に好ましく
は−30℃〜10℃にて滴下する。この際、反応温度が
上昇しないようにゆっくりと滴下することにより、生成
する光学活性α−ハロエチルベンゼン類の光学純度を向
上させることができる。また、先にハロゲン化剤を仕込
み、後から塩基を反応温度が上昇しないようにゆっくり
と滴下しても良い。ハロゲン化剤或いは塩基を添加した
後、−50〜100℃、好ましくは−30〜50℃、更
に好ましくは−20〜30℃で1〜100時間反応させ
ることにより、反応を完結させることができる。
【0021】反応終了後は酸を加え塩基を中和し、有機
溶媒で抽出することにより、立体配置が反転した光学活
性α−ハロエチルベンゼン類を単離することができる。
更に必要に応じ、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィ
ー等の操作を行うことにより精製することもできる。本
発明により得られる光学活性α−ハロエチルベンゼン類
の光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:
ダイセル化学工業株式会社製、Chiralcel−O
J、溶出溶剤ヘキサン、流速0.5ml/min、検出
220nm)により決定することができる。
溶媒で抽出することにより、立体配置が反転した光学活
性α−ハロエチルベンゼン類を単離することができる。
更に必要に応じ、蒸留、抽出、カラムクロマトグラフィ
ー等の操作を行うことにより精製することもできる。本
発明により得られる光学活性α−ハロエチルベンゼン類
の光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(カラム:
ダイセル化学工業株式会社製、Chiralcel−O
J、溶出溶剤ヘキサン、流速0.5ml/min、検出
220nm)により決定することができる。
【0022】本発明方法は、場合により中間生成物とし
て、前記一般式(III −1)で示される光学活性スルホ
ン酸エステルを形成する。一般式(III −1)の化合物
は、出発物質である一般式(I−1)の化合物と同じ立
体配置の化合物であり、これを単離し、或いは単離する
ことなくハロゲン化水素酸塩で処理することにより、立
体配置が反転した一般式(II−1)の化合物を生成す
る。従って、一般式(II−1)の化合物は、一般式(II
I −1)の光学活性スルホン酸エステルを出発物質とし
て合成することもできる。
て、前記一般式(III −1)で示される光学活性スルホ
ン酸エステルを形成する。一般式(III −1)の化合物
は、出発物質である一般式(I−1)の化合物と同じ立
体配置の化合物であり、これを単離し、或いは単離する
ことなくハロゲン化水素酸塩で処理することにより、立
体配置が反転した一般式(II−1)の化合物を生成す
る。従って、一般式(II−1)の化合物は、一般式(II
I −1)の光学活性スルホン酸エステルを出発物質とし
て合成することもできる。
【0023】一般式(III −1)の光学活性スルホン酸
エステルは、塩基として無機塩基、或いは3級アルキル
アミン類などの強塩基を使用し、また、ハロゲン化剤と
して置換又は非置換のスルホニルハライドを使用した場
合、主として形成され、塩基としてピリジン類を使用し
た場合は、生成量が少量乃至は殆ど生成しない。反応条
件及び反応の後処理は、1段で、一般式(II−1)の化
合物を製造する場合と同様である。一般式(III −1)
又は(III −2)或いは下記一般式(III)で示されるラ
セミ体は新規化合物である。
エステルは、塩基として無機塩基、或いは3級アルキル
アミン類などの強塩基を使用し、また、ハロゲン化剤と
して置換又は非置換のスルホニルハライドを使用した場
合、主として形成され、塩基としてピリジン類を使用し
た場合は、生成量が少量乃至は殆ど生成しない。反応条
件及び反応の後処理は、1段で、一般式(II−1)の化
合物を製造する場合と同様である。一般式(III −1)
又は(III −2)或いは下記一般式(III)で示されるラ
セミ体は新規化合物である。
【0024】
【化9】
【0025】一般(III)の化合物或いはその光学活性体
としては、R1 が一般式(I−1)と同じであり、R2
がメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基
等のC1 −C4 のアルキル基、フェニル基、p−トリル
基、p−ニトロフェニル基等の置換又は非置換のフェニ
ル基、ベンジル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基で
ある化合物が挙げられ、好ましくは、R1 がトリフルオ
ロメチル基、特に3−トリフルオロメチル基であり、R
2 がメチル基、エチル基、トリル基である化合物、それ
らのR−体、S−体が挙げられる。本発明方法により得
られる一般式(II−1)の化合物は、各種医薬、農薬の
合成中間体として有用な化合物である。例えば、(S)
−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン
は、下記のルートにより、農園芸用殺菌剤として有用な
特開平7−76564記載のNo.23の化合物の光学
活性体を製造することができる。光学活性メトキシイミ
ノ酢酸誘導体は後記参考例から明らかな様に、対応する
ラセミ体に比し優れた殺菌効果を有する。
としては、R1 が一般式(I−1)と同じであり、R2
がメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基
等のC1 −C4 のアルキル基、フェニル基、p−トリル
基、p−ニトロフェニル基等の置換又は非置換のフェニ
ル基、ベンジル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基で
ある化合物が挙げられ、好ましくは、R1 がトリフルオ
ロメチル基、特に3−トリフルオロメチル基であり、R
2 がメチル基、エチル基、トリル基である化合物、それ
らのR−体、S−体が挙げられる。本発明方法により得
られる一般式(II−1)の化合物は、各種医薬、農薬の
合成中間体として有用な化合物である。例えば、(S)
−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン
は、下記のルートにより、農園芸用殺菌剤として有用な
特開平7−76564記載のNo.23の化合物の光学
活性体を製造することができる。光学活性メトキシイミ
ノ酢酸誘導体は後記参考例から明らかな様に、対応する
ラセミ体に比し優れた殺菌効果を有する。
【0026】
【化10】
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例について更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリド0.8m
lを滴下した。滴下終了後、室温で24時間反応させ
た。反応終了後、反応液に1N塩酸10mlを加えジエ
チルエーテル10mlで抽出し、有機層を飽和重曹水1
0ml及び水10mlで洗浄した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去して(S)−α−ク
ロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン0.77
gを得た。このものの物性値は次のとおりであった。 [α]D =+53.7°、c=0.93、CHCl3 、1 HNMR(300MHz,CDCl3 ,TMS)δ
1.86(d,3H),5.12(q,1H),7.4
4−7.65(m,3H),7.67(brs,1
H)) また、ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)
−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン
の収率は73%で、高速液体クロマトグラフィーにより
光学純度を測定したところ93%eeであった。
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリド0.8m
lを滴下した。滴下終了後、室温で24時間反応させ
た。反応終了後、反応液に1N塩酸10mlを加えジエ
チルエーテル10mlで抽出し、有機層を飽和重曹水1
0ml及び水10mlで洗浄した。有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去して(S)−α−ク
ロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン0.77
gを得た。このものの物性値は次のとおりであった。 [α]D =+53.7°、c=0.93、CHCl3 、1 HNMR(300MHz,CDCl3 ,TMS)δ
1.86(d,3H),5.12(q,1H),7.4
4−7.65(m,3H),7.67(brs,1
H)) また、ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)
−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼン
の収率は73%で、高速液体クロマトグラフィーにより
光学純度を測定したところ93%eeであった。
【0028】実施例2 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリドを滴下終
了後、45℃で24時間反応させた以外は実施例1と同
様にして反応を行い、後処理して得られた物質を、ガス
クロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−クロ
ロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率は7
8%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純度を
測定したところ79%eeであった。
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリドを滴下終
了後、45℃で24時間反応させた以外は実施例1と同
様にして反応を行い、後処理して得られた物質を、ガス
クロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−クロ
ロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率は7
8%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純度を
測定したところ79%eeであった。
【0029】実施例3 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリドを滴下終
了後、60℃で20時間反応させた以外は実施例1と同
様にして反応を行い、後処理して得られた物質を、ガス
クロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−クロ
ロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率は7
5%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純度を
測定したところ73%eeであった。
ノール0.96g(100%ee)をピリジン5.0m
lに溶解し、氷冷下メタンスルホニルクロリドを滴下終
了後、60℃で20時間反応させた以外は実施例1と同
様にして反応を行い、後処理して得られた物質を、ガス
クロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−クロ
ロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率は7
5%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純度を
測定したところ73%eeであった。
【0030】実施例4 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.96g(100%ee)、ピリジン0.45
ml、及び塩化リチウム0.24gをN,N−ジメチル
ホルムアミド4.5mlに溶解し、氷冷下メタンスルホ
ニルクロリド0.43mlを滴下した。滴下終了後、室
温で24時間反応させた。反応液に1N塩酸10mlを
加えジエチルエーテル10mlで抽出し、有機層を飽和
重曹水10ml及び水10mlで洗浄した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去したとこ
ろ、(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチ
ルベンゼン0.88gを得た。ガスクロマトグラフィー
で分析したところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオ
ロメチルエチルベンゼンの収率は75%で、高速液体ク
ロマトグラフィーにより光学純度を測定したところ88
%eeであった。
ノール0.96g(100%ee)、ピリジン0.45
ml、及び塩化リチウム0.24gをN,N−ジメチル
ホルムアミド4.5mlに溶解し、氷冷下メタンスルホ
ニルクロリド0.43mlを滴下した。滴下終了後、室
温で24時間反応させた。反応液に1N塩酸10mlを
加えジエチルエーテル10mlで抽出し、有機層を飽和
重曹水10ml及び水10mlで洗浄した。有機層を無
水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去したとこ
ろ、(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチ
ルベンゼン0.88gを得た。ガスクロマトグラフィー
で分析したところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオ
ロメチルエチルベンゼンの収率は75%で、高速液体ク
ロマトグラフィーにより光学純度を測定したところ88
%eeであった。
【0031】実施例5 塩化リチウムを加えずに室温で3時間反応させた以外は
実施例4と同様に反応を行った。ガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ(S)−α−クロロ−3−トリフル
オロメチルエチルベンゼンの収率は79%で、高速液体
クロマトグラフィーにより光学純度を測定したところ9
4%eeであった。
実施例4と同様に反応を行った。ガスクロマトグラフィ
ーで分析したところ(S)−α−クロロ−3−トリフル
オロメチルエチルベンゼンの収率は79%で、高速液体
クロマトグラフィーにより光学純度を測定したところ9
4%eeであった。
【0032】実施例6 メタンスルホニルクロリドの代わりにp−トルエンスル
ホニルクロリド1.07gを添加した以外は実施例4と
同様に反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチル
エチルベンゼンの収率は56%で、高速液体クロマトグ
ラフィーにより光学純度を測定したところ85%eeで
あった。
ホニルクロリド1.07gを添加した以外は実施例4と
同様に反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチル
エチルベンゼンの収率は56%で、高速液体クロマトグ
ラフィーにより光学純度を測定したところ85%eeで
あった。
【0033】実施例7 (R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール0.97g(100%ee)及びトリエチルアミ
ン1.4mlをジクロロメタン5.0mlに溶解し、氷
冷下メタンスルホニルクロリド0.58mlを滴下し
た。滴下終了後、室温で5時間反応させた。反応液に水
10mlを加えジクロロメタン10mlで抽出し、有機
層を飽和食塩水10mlで洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去して(R)−α−
メタンスルホニルオキシ−3−トリフルオロメチルエチ
ルベンゼン1.34gを得た。このものの物性値は次の
通りであった。 [α]D =−62.5°、c=1.02、CHCl3 、1 HNMR(300MHz,CDCl3 ,TMS)δ
1.75(d,3H),2.85(s,3H),5.8
0(q,1H),7.50−7.67(m,4H) 次いで、(R)−α−メタンスルホニルオキシ−3−ト
リフルオロメチルエチルベンゼン0.94gをN,N−
ジメチルホルムアミド1.5mlに溶解し、氷冷下塩化
リチウム195mgのN,N−ジメチルホルムアミド3
ml溶液を滴下した。滴下終了後、室温で3時間反応さ
せた。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、
(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベ
ンゼンの収率は84%で、高速液体クロマトグラフィー
により光学純度を測定したところ95%eeであった。
ノール0.97g(100%ee)及びトリエチルアミ
ン1.4mlをジクロロメタン5.0mlに溶解し、氷
冷下メタンスルホニルクロリド0.58mlを滴下し
た。滴下終了後、室温で5時間反応させた。反応液に水
10mlを加えジクロロメタン10mlで抽出し、有機
層を飽和食塩水10mlで洗浄した。有機層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去して(R)−α−
メタンスルホニルオキシ−3−トリフルオロメチルエチ
ルベンゼン1.34gを得た。このものの物性値は次の
通りであった。 [α]D =−62.5°、c=1.02、CHCl3 、1 HNMR(300MHz,CDCl3 ,TMS)δ
1.75(d,3H),2.85(s,3H),5.8
0(q,1H),7.50−7.67(m,4H) 次いで、(R)−α−メタンスルホニルオキシ−3−ト
リフルオロメチルエチルベンゼン0.94gをN,N−
ジメチルホルムアミド1.5mlに溶解し、氷冷下塩化
リチウム195mgのN,N−ジメチルホルムアミド3
ml溶液を滴下した。滴下終了後、室温で3時間反応さ
せた。ガスクロマトグラフィーで分析したところ、
(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベ
ンゼンの収率は84%で、高速液体クロマトグラフィー
により光学純度を測定したところ95%eeであった。
【0034】実施例8 ピリジンの代わりにトリエチルアミン0.77mlを添
加し、室温で3時間反応させた以外は実施例4と同様に
反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチル
ベンゼンの収率は87%で、高速液体クロマトグラフィ
ーにより光学純度を測定したところ88%eeであっ
た。
加し、室温で3時間反応させた以外は実施例4と同様に
反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析したとこ
ろ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチル
ベンゼンの収率は87%で、高速液体クロマトグラフィ
ーにより光学純度を測定したところ88%eeであっ
た。
【0035】実施例9 塩化リチウム1.0gの代わりに塩化カリウム0.41
gを添加する以外は実施例4と同様にして反応を行っ
た。ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)−
α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの
収率は80%で、高速液体クロマトグラフィーにより光
学純度を測定したところ94%eeであった。
gを添加する以外は実施例4と同様にして反応を行っ
た。ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)−
α−クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの
収率は80%で、高速液体クロマトグラフィーにより光
学純度を測定したところ94%eeであった。
【0036】 実施例10N,N−ジメチルホルムアミド4.5mlの
代わりにテトラヒドロフラン4.5mlを添加する以外
は実施例4と同様にして反応を行った。ガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ(S)−α−クロロ−3−ト
リフルオロメチルエチルベンゼンの収率は92%で、高
速液体クロマトグラフィーにより光学純度を測定したと
ころ93%eeであった。
代わりにテトラヒドロフラン4.5mlを添加する以外
は実施例4と同様にして反応を行った。ガスクロマトグ
ラフィーで分析したところ(S)−α−クロロ−3−ト
リフルオロメチルエチルベンゼンの収率は92%で、高
速液体クロマトグラフィーにより光学純度を測定したと
ころ93%eeであった。
【0037】実施例11 N,N−ジメチルホルムアミド4.5mlの代わりにク
ロロホルム4.5mlを添加する以外は実施例4と同様
にして反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチル
エチルベンゼンの収率は35%で、高速液体クロマトグ
ラフィーにより光学純度を測定したところ90%eeで
あった。
ロロホルム4.5mlを添加する以外は実施例4と同様
にして反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分析し
たところ(S)−α−クロロ−3−トリフルオロメチル
エチルベンゼンの収率は35%で、高速液体クロマトグ
ラフィーにより光学純度を測定したところ90%eeで
あった。
【0038】実施例12 ピリジン4.5mlの代わりに炭酸カリウム0.39g
を添加する以外は実施例4と同様にして反応を行った。
ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−
クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率
は44%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純
度を測定したところ87%eeであった。
を添加する以外は実施例4と同様にして反応を行った。
ガスクロマトグラフィーで分析したところ(S)−α−
クロロ−3−トリフルオロメチルエチルベンゼンの収率
は44%で、高速液体クロマトグラフィーにより光学純
度を測定したところ87%eeであった。
【0039】実施例13 メタンスルホニルクロリド0.43mlの代わりに、塩
化チオニル0.41mlを添加する以外は実施例10と
同様にして反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分
析したところ、(S)−α−クロロ−3−トリフルオロ
メチルエチルベンゼンの収率は46%で、高速液体クロ
マトグラフィーにより光学純度を測定したところ41%
eeであった。
化チオニル0.41mlを添加する以外は実施例10と
同様にして反応を行った。ガスクロマトグラフィーで分
析したところ、(S)−α−クロロ−3−トリフルオロ
メチルエチルベンゼンの収率は46%で、高速液体クロ
マトグラフィーにより光学純度を測定したところ41%
eeであった。
【0040】実施例14 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール1.0g(100%ee)、4−ピコリン0.5
63g、及びN,N−ジメチルホルムアミド4.5ml
を仕込み0℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド0.
663gを滴下した。0℃で30分間撹拌した後、室温
で24時間反応させた。ガスクロマトグラフィーで反応
液を分析したところ、(R)−1−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)−1−エチルクロリドが85%の収率
で生成していた。高速液体クロマトグラフィーで分析し
たところ、光学純度は80.0%eeであった。
ノール1.0g(100%ee)、4−ピコリン0.5
63g、及びN,N−ジメチルホルムアミド4.5ml
を仕込み0℃に冷却し、メタンスルホニルクロリド0.
663gを滴下した。0℃で30分間撹拌した後、室温
で24時間反応させた。ガスクロマトグラフィーで反応
液を分析したところ、(R)−1−(3−トリフルオロ
メチルフェニル)−1−エチルクロリドが85%の収率
で生成していた。高速液体クロマトグラフィーで分析し
たところ、光学純度は80.0%eeであった。
【0041】実施例15 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール1.0g(100%ee)、ピリジン0.478
g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、t−ブ
チルメチルエーテル4.9mlを仕込み0℃に冷却し、
塩化チオニル0.688gを滴下した。0℃で30分間
撹拌した後、室温で8時間反応させた。ガスクロマトグ
ラフィーで反応液を分析したところ、(R)−1−(3
−トリフルオロメチルフェニル)−1−エチルクロリド
が87%の収率で生成していた。高速液体クロマトグラ
フィーで分析したところ、光学純度は74%eeであっ
た。
ノール1.0g(100%ee)、ピリジン0.478
g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、t−ブ
チルメチルエーテル4.9mlを仕込み0℃に冷却し、
塩化チオニル0.688gを滴下した。0℃で30分間
撹拌した後、室温で8時間反応させた。ガスクロマトグ
ラフィーで反応液を分析したところ、(R)−1−(3
−トリフルオロメチルフェニル)−1−エチルクロリド
が87%の収率で生成していた。高速液体クロマトグラ
フィーで分析したところ、光学純度は74%eeであっ
た。
【0042】実施例16 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール1.0g(100%ee)、4−ピコリン0.5
63g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、n
−ヘプタン4.9mlを仕込み0℃に冷却し、塩化チオ
ニル0.688gを滴下した。その後0℃で3時間反応
させた。ガスクロマトグラフィーで反応液を分析したと
ころ、(R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)−1−エチルクロリドが83%の収率で生成してい
た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、光
学純度は77.0%eeであった。以上の結果を表−1
に示す。
ノール1.0g(100%ee)、4−ピコリン0.5
63g、N,N−ジメチルホルムアミド0.1ml、n
−ヘプタン4.9mlを仕込み0℃に冷却し、塩化チオ
ニル0.688gを滴下した。その後0℃で3時間反応
させた。ガスクロマトグラフィーで反応液を分析したと
ころ、(R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニ
ル)−1−エチルクロリドが83%の収率で生成してい
た。高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、光
学純度は77.0%eeであった。以上の結果を表−1
に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】*1 (R)−1−(3−トリフルオロメ
チルフェニル)エタノールに対する当量を示す。 *2 ハロゲン化剤添加後の反応温度を示す。 MsCl=メタンスルホニルクロライド TsCl=p−トルエンスルホニルクロライド Py=ピリジン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド THF=テトラヒドロフラン
チルフェニル)エタノールに対する当量を示す。 *2 ハロゲン化剤添加後の反応温度を示す。 MsCl=メタンスルホニルクロライド TsCl=p−トルエンスルホニルクロライド Py=ピリジン DMF=N,N−ジメチルホルムアミド THF=テトラヒドロフラン
【0046】以上の結果、塩基としてはピリジン、ピコ
リン及びトリエチルアミンが好ましく、特にピリジン及
び4−ピコリンはハロゲン化水素酸塩の非存在下でも反
応は良好に進行した。溶媒としてはN,N−ジメチルホ
ルムアミドが特に良好であった。ハロゲン化剤としては
メタンスルホニルクロリドが特に良好であったが、塩化
チオニルを用いてもN,N−ジメチルホルムアミドを含
む混合溶媒を使用すれば良好に反応は進行した。次い
で、ハロゲン化剤としてメタンスルホニルクロリドを使
用し、塩基としてピリジンを用いた場合における混合溶
媒の反応促進効果をみた。
リン及びトリエチルアミンが好ましく、特にピリジン及
び4−ピコリンはハロゲン化水素酸塩の非存在下でも反
応は良好に進行した。溶媒としてはN,N−ジメチルホ
ルムアミドが特に良好であった。ハロゲン化剤としては
メタンスルホニルクロリドが特に良好であったが、塩化
チオニルを用いてもN,N−ジメチルホルムアミドを含
む混合溶媒を使用すれば良好に反応は進行した。次い
で、ハロゲン化剤としてメタンスルホニルクロリドを使
用し、塩基としてピリジンを用いた場合における混合溶
媒の反応促進効果をみた。
【0047】実施例17 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノール1.0g(100%ee)、ピリジン0.478
g、N,N−ジメチルホルムアミド1.5ml、及びt
−ブチルメチルエーテル3.5mlを仕込み0℃に冷却
し、メタンスルホニルクロリド0.663gを滴下し
た。0℃で30分間撹拌した後、室温で12時間反応さ
せた。ガスクロマトグラフィーで反応液を分析したとこ
ろ、(R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)
−1−エチルクロリドが97%の収率で生成していた。
高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、光学純
度は95.6%eeであった。原料のアルコール体は残
存していなかった。
ノール1.0g(100%ee)、ピリジン0.478
g、N,N−ジメチルホルムアミド1.5ml、及びt
−ブチルメチルエーテル3.5mlを仕込み0℃に冷却
し、メタンスルホニルクロリド0.663gを滴下し
た。0℃で30分間撹拌した後、室温で12時間反応さ
せた。ガスクロマトグラフィーで反応液を分析したとこ
ろ、(R)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)
−1−エチルクロリドが97%の収率で生成していた。
高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、光学純
度は95.6%eeであった。原料のアルコール体は残
存していなかった。
【0048】実施例18〜20 N,N−ジメチルホルムアミド及びt−ブチルメチルエ
ーテルの使用量を変えた以外は実施例17と同様にして
行なった。結果を以下の表−2に示す。
ーテルの使用量を変えた以外は実施例17と同様にして
行なった。結果を以下の表−2に示す。
【0049】実施例21 t−ブチルメチルエーテルをジイソプロピルエーテル
(i−Pr2 O)に変えて3時間反応させた以外は実施
例17と同様にして行なった。結果を以下の表−2に示
す。
(i−Pr2 O)に変えて3時間反応させた以外は実施
例17と同様にして行なった。結果を以下の表−2に示
す。
【0050】実施例22〜24 t−ブチルメチルエーテルをn−ヘプタンに変えて3時
間反応させた以外は実施例18〜20と同様にして行な
った。結果を以下の表−2に示す。
間反応させた以外は実施例18〜20と同様にして行な
った。結果を以下の表−2に示す。
【0051】実施例25〜26 (S)−1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エタ
ノールを2.0g、ピリジン0.956g仕込んだ以外
は実施例23及び24と同様にして行なった。結果を以
下の表−2に示す。
ノールを2.0g、ピリジン0.956g仕込んだ以外
は実施例23及び24と同様にして行なった。結果を以
下の表−2に示す。
【0052】
【表3】
【0053】参考例1 小麦うどんこ病防除効果試験 径6cmのポットに育苗した1−2葉期のコムギ(品
種:農林61号)に、(S)−N−メチル−2−〔2−
{1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エトキシイ
ミノメチル}フェニル〕−2−メトキシイミノ酢酸アミ
ド(化合物A)及びそのラセミ体(化合物B)水和剤を
水で所定濃度に希釈して、1ポット当たり10mlの割
合で茎葉散布した。薬液風乾後、コムギうどんこ病菌
(Erysiphe graminis)に罹病したコ
ムギ葉から得た胞子懸濁液を噴霧接種した後、温室内に
7〜10日間放置した。評価は各葉の発病面積比率を査
定し下記の式により防除価を算出した。結果を表−3に
示す。
種:農林61号)に、(S)−N−メチル−2−〔2−
{1−(3−トリフルオロメチルフェニル)エトキシイ
ミノメチル}フェニル〕−2−メトキシイミノ酢酸アミ
ド(化合物A)及びそのラセミ体(化合物B)水和剤を
水で所定濃度に希釈して、1ポット当たり10mlの割
合で茎葉散布した。薬液風乾後、コムギうどんこ病菌
(Erysiphe graminis)に罹病したコ
ムギ葉から得た胞子懸濁液を噴霧接種した後、温室内に
7〜10日間放置した。評価は各葉の発病面積比率を査
定し下記の式により防除価を算出した。結果を表−3に
示す。
【0054】
【数1】
【0055】
【表4】 化合物Bは化合物Aのラセミ体(特開平7−76564
号のNo.23の化合物)である。
号のNo.23の化合物)である。
【0056】
【発明の効果】本発明方法によれば、医薬、農薬等の合
成中間体として有用な、光学活性α−ハロエチルベンゼ
ン類を、高純度、高収率で製造することができる。
成中間体として有用な、光学活性α−ハロエチルベンゼ
ン類を、高純度、高収率で製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07M 7:00 (72)発明者 織田 雅次 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 桂田 学 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内
Claims (13)
- 【請求項1】 下記一般式(I−1)又は(I−2) 【化1】 (式中、R1 はハロゲン原子、C1 −C4 のアルキル
基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1 −C4 のアルコ
キシ基又はC1 −C4 のハロアルコキシ基を示し、nは
1から3の整数を示す。nが2又は3の時、R1 は同じ
でも異なっていてもよい。)で表される光学活性1−置
換フェニルエタノール類を、塩基の存在下、ハロゲン化
剤で処理することを特徴とする下記一般式(II−1)又
は(II−2) 【化2】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、R1 及びnは前記一
般式(I−1)、(I−2)と同じ意義を有する。)で
表される立体配置の反転した光学活性α−ハロエチルベ
ンゼン類の製造法。 - 【請求項2】 塩基として置換又は非置換のピリジンを
用いることを特徴とする請求項1記載の光学活性α−ハ
ロエチルベンゼン類の製造法。 - 【請求項3】 塩基として3級アミンを用いることを特
徴とする請求項1記載の光学活性α−ハロエチルベンゼ
ン類の製造法。 - 【請求項4】 塩基として炭酸塩を用いることを特徴と
する請求項1記載の光学活性α−ハロエチルベンゼン類
の製造法。 - 【請求項5】 ハロゲン化水素酸塩を共存させることを
特徴とする請求項3又は4に記載の光学活性α−ハロエ
チルベンゼン類の製造法。 - 【請求項6】 ハロゲン化剤が、置換又は非置換のアル
キル又はアリールスルホニルハライド、ハロゲン化チオ
ニル、オキシハロゲン化リン、ハロゲン化リン、ホスゲ
ン、トリクロロメチルホルメート及びビストリクロロメ
チルカーボネートから選ばれることを特徴とする請求項
1乃至5の何れかに記載の光学活性α−ハロエチルベン
ゼン類の製造法。 - 【請求項7】 N,N−ジメチルホルムアミドの存在下
で反応を行うことを特徴とする請求項1乃至6の何れか
に記載の光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法。 - 【請求項8】 下記一般式(III −1)又は(III −
2) 【化3】 (式中、R1 及びnは前記一般式(I−1)、(I−
2)と同義であり、R2 はC1 −C4 のアルキル基、置
換又は非置換のフェニル基、ベンジル基、ナフチル基を
示す。)で表される光学活性スルホン酸エステル類をハ
ロゲン化水素酸塩で処理することを特徴とする、下記一
般式(II−1)又は(II−2) 【化4】 (式中、Xはハロゲン原子を示し、R1 、nは前記一般
式(III −1)、(III−2)と同じ意義を有する。)
で表される立体配置の反転した光学活性α−ハロエチル
ベンゼン類の製造法。 - 【請求項9】 ハロゲン化水素酸塩が、アルカリ金属或
いはアルカリ土類金属の塩であることを特徴とする請求
項5乃至8の何れかに記載の光学活性α−ハロエチルベ
ンゼン類の製造法。 - 【請求項10】 N,N−ジメチルホルムアミドの存在
下で反応を行うことを特徴とする請求項8又は9記載の
光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法。 - 【請求項11】 下記一般式(III) 【化5】 (式中、R1 はハロゲン原子、C1 −C4 のアルキル
基、C1 −C4 のハロアルキル基、C1 −C4 のアルコ
キシ基又はC1 −C4 のハロアルコキシ基を示し、R2
はC1 −C4 のアルキル基、置換又は非置換のフェニル
基、ベンジル基、ナフチル基を示す。nは1から3の整
数を示す。nが2又は3の時、R1 は同じでも異なって
いてもよい。)で表されるスルホン酸エステル類。 - 【請求項12】 一般式(III)におけるR1 がトリフル
オロメチル基であることを特徴とする請求項11記載の
スルホン酸エステル類。 - 【請求項13】 一般式(III)におけるR2 がメチル基
又はp−トリル基であることを特徴とする請求項11又
は12記載のスルホン酸エステル類。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13950698A JPH1180048A (ja) | 1997-07-14 | 1998-05-21 | 光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-188157 | 1997-07-14 | ||
JP18815797 | 1997-07-14 | ||
JP13950698A JPH1180048A (ja) | 1997-07-14 | 1998-05-21 | 光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1180048A true JPH1180048A (ja) | 1999-03-23 |
Family
ID=26472301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13950698A Pending JPH1180048A (ja) | 1997-07-14 | 1998-05-21 | 光学活性α−ハロエチルベンゼン類の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1180048A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007148435A1 (ja) * | 2006-06-20 | 2007-12-27 | Mitsui Chemicals, Inc. | エステルまたはアルコールの製造方法 |
-
1998
- 1998-05-21 JP JP13950698A patent/JPH1180048A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007148435A1 (ja) * | 2006-06-20 | 2007-12-27 | Mitsui Chemicals, Inc. | エステルまたはアルコールの製造方法 |
JP5054686B2 (ja) * | 2006-06-20 | 2012-10-24 | 三井化学株式会社 | エステルまたはアルコールの製造方法 |
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