JPH1179721A - ハイドロキシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製造方法 - Google Patents

ハイドロキシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製造方法

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JPH1179721A
JPH1179721A JP10192914A JP19291498A JPH1179721A JP H1179721 A JPH1179721 A JP H1179721A JP 10192914 A JP10192914 A JP 10192914A JP 19291498 A JP19291498 A JP 19291498A JP H1179721 A JPH1179721 A JP H1179721A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、電解槽の中に生体を入れて適宜な
電極に電解槽電流を流して生体を電極反応を利用して生
体を溶解、再結晶化させペプチドを主成分とする生体化
合物溶解水溶液とハイドロキシアパタイトを得ようとす
るもので、凝結性がない細菌培養に用いられる細菌栄養
物質と人体との相溶性が良くまた人体への吸収性に優れ
たハイドロキシアパタイトを製造しようとするものであ
る。 【解決手段】電解槽の中に原料の生体やその破砕物を入
れて電極間に直流を流して生体を溶解、再結晶化し、未
反応物を取り除いてから固液分離し、その液体を生体化
合物溶解水溶液、その再結晶化された固体成分をハイド
ロキシアパタイトとすることを特徴とするペプチドを主
成分とする生体化合物溶解水溶液とハイドロキシアパタ
イトの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ハイドロキシア
パタイトと生体化合物溶解水溶液とを製造する方法に関
し、石炭乾留や石油精製等と類似した工程で、生体を電
気化学的に溶解、再結晶化し、資源化するものである。
特に、ミネラル、脂質、糖類とタンパク質、コラーゲ
ン、アミノ酸とハイドロキシアパタイトを含む生体よ
り、生体化合物溶解水溶液とハイドロキシアパタイトを
同時に製造する方法に関し、全く化学薬品を用いないで
生体を水溶液中で電極反応を利用して溶解、再結晶化さ
せて微量のミネラルとアミノ酸やコラーゲンおよびタン
パク質を含む生体化合物溶解水溶液と、微量のミネラル
とタンパク質、コラーゲン、アミノ酸を含むハイドロキ
シアパタイトとを大量に安全かつ安価に製造する方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】生体を資源化する場合、必要とする生体
化合物に着目して、個別な方法で溶解、抽出、焼成等が
されてきた。従来から、ペプチドやハイドロキシアパタ
イトは生体組織に取り込まれ易く、それらの成長に不可
欠の材料であるため培養液や人工骨等として、天然素材
または合成された材料が用いられてきた。
【0003】ペプチドは、天然原料(例えばタンパク
質)を化学薬品(例えばHCl)で分解したり、天然原
料や合成原料を酵素を用いたバイオテクノロジーで合成
されている。化学薬品を用いて、タンパク質を分解した
場合には短時間に大量のペプチドが得られたが、分解反
応の制御ができないため目的とするペプチドの収率が小
さかった。一方、バイオテクノロジーで合成した場合に
は酵素反応の緻密な管理が必要となり、安価に大量にペ
プチドを得ることが困難であった。
【0004】本発明では、生体の種類と組成、支持電解
質の種類、組成、濃度、電解温度と、陽極電流密度、陽
極の材質・電位等の電解条件等でアノード反応を制御す
ることにより目的とするペプチドを高い収率で得て、凝
結不活性な細菌培養に用いられる細菌の栄養物質を安価
に大量に得ることができた。更に、これを抽出法、電気
泳動法により分離精製して、バイオテクノロジーの原料
として使用することができた。
【0005】また、ハイドロキシアパタイトは、生体親
和材料として注目されている。その製法は湿式化学的合
成法が主で、これについては各種の提案がなされてい
る。例えば、特開平4−20971号では、不活性ガス
中、攪拌下で水酸化カルシウムスラリーにリン酸水溶液
を滴下してハイドロキシアパタイトを合成するに際し、
トリス緩衝液、グッドの緩衝液などの生化学緩衝液を用
いて理論組成比のCa/P=1.67のハイドロキシア
パタイトを生成することが提案されている。
【0006】しかしながら、こうした化学合成のハイド
ロキシアパタイトには、生体に本来含まれている微量の
ミネラルが含まれておらず、生体への迅速かつ有効な利
用が期待できないといった欠点があった。従って、これ
を義歯などの骨欠陥部補填などの医療用に使用すると、
十分な生体との適合性が得られないといった問題があっ
た。更にpH制御のため、大量生産が困難で高価でもあ
った。
【0007】最近では、上記のような化学合成手段に代
えて豚や牛の骨から、天然ハイドロキシアパタイトを製
造する技術が開発されている。これは、牛や豚の骨を炉
内で高温焼成しながら流動化して賦活させ、ガス状の水
を吹き付けて骨に付着しているタンパク質や脂肪を除去
する方法である。しかしながら、この方法は、骨を高温
焼成するために、主成分であるハイドロキシアパタイト
の結晶形態が変化して、人体への吸収性が低下するとい
った問題があった。
【0008】これを改良するものとして、特開平2−1
88415号が提案されている。この方法は、畜産物よ
り得られる骨炭又は焼成骨粉を無機酸で溶解し、これを
精密ろ過し、このろ液にアルカリを加えてハイドロキシ
アパタイトを析出させるものである。
【0009】しかしながら、この技術によって得られた
ハイドロキシアパタイトは、焼成骨粉を酸で溶解してこ
れにアルカリを加えて析出させたものであるから、得ら
れたハイドロキシアパタイトはミネラルは含むもののタ
ンパク質、アミノ酸、ペプチド等の有機化合物を含ま
ず、人体との相溶性、吸収性が欠けるといった問題があ
った。
【0010】例えば、これらのハイドロキシアパタイト
を歯磨き粉として用いた場合などは研磨性が大きく、歯
肉後退やエナメル質摩耗が顕著に認められるため、歯磨
き粉の研磨剤として少量しか添加することができなかっ
た。更に、ミネラルがまったく無いため、唾液中の歯を
形成する酵素がハイドロキシアパタイトを吸収し、エナ
メル質欠損部を回復する効果は極めて小さいといった問
題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、常温下
で、電解槽の中に生体を入れて電極間に電流を流してミ
ネラルとコラーゲンやタンパク質、アミノ酸等のペプチ
ドを含む凝結性のない生体化合物溶解水溶液と、生体で
生成される天然のハイドロキシアパタイトに極めて類似
したミネラルとコラーゲンやタンパク質、アミノ酸等を
含む再結晶ハイドロキシアパタイトを同時に安価かつ安
全に大量生産しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、電解槽に生
体を入れて、陽極近傍のアノード水溶液中で生体を溶解
し、溶解された成分の一部を陰極近傍のカソード水溶液
中で結晶化し、その後この電解液をろ過しそのろ液を生
体化合物溶解水溶液とし、残渣をハイドロキシアパタイ
トとすることを特徴とするハイドロキシアパタイトと生
体化合物溶解水溶液の製造方法(請求項1)、生体が、
所定の大きさに整えられた動物の骨及び/又は歯である
ことを特徴とする請求項1記載のハイドロキシアパタイ
トと生体化合物溶解水溶液の製造方法(請求項2)、生
体が、所定の大きさに整えられた動物の骨及び/又は歯
を少なくとも含み、これに更に肉、皮、卵、脂質、血液
及び臓器の中の一種又は2種以上を含む混合物であるこ
とを特徴とする請求項1記載のハイドロキシアパタイト
と生体化合物溶解水溶液の製造方法(請求項3)、電解
槽に所定の大きさに整えられた動物の肉、皮、卵、脂
質、血液及び臓器の中の一種又は2種以上の混合物から
なる生体を入れて、陽極近傍のアノード水溶液中で生体
を溶解し、溶解された成分の一部を陰極近傍のカソード
水溶液中で結晶化し、その後この電解液をろ過し、その
ろ液を生体化合物溶解水溶液とすることを特徴とする生
体化合物溶解水溶液の製造方法(請求項4)、ハイドロ
キシアパタイトが、ミネラル、アミノ酸、コラーゲン及
びタンパク質を含み、かつ生体化合物溶解水溶液がミネ
ラル、アミノ酸、コラーゲン、タンパク質及び糖類を含
むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
のハイドロキシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製
造方法(請求項5)、生体化合物溶解水溶液が、ミネラ
ル、アミノ酸、コラーゲン、タンパク質及び糖類を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の生体化合物溶解水溶
液の製造方法(請求項6)、電解槽の液面がカソード水
溶液で覆われていることを特徴とする請求項1、2、3
及び5のいずれかに記載のハイドロキシアパタイトと生
体化合物溶解水溶液の製造方法(請求項7)及び電解槽
の液面がカソード水溶液で覆われていることを特徴とす
る請求項4又は5に記載の生体化合物溶解水溶液の製造
方法(請求項8)である。以下にこれらの発明をさらに
説明する。
【0013】
【発明の実施の態様】図1は、この発明のペプチドとハ
イドロキシアパタイトの製造方法で用いられる装置の側
面を示した説明図である。図1で、1は電解槽でこの中
に電解液2がある。支持電解質として生理的食塩水、海
水、食塩、食酢等の食用有機酸を用いるのが好ましい。
電解槽1の中の電解液2には、カソード電極3が接続さ
れている。
【0014】また、電解槽1の中央部には、アノード容
器4がその蓋5をつけて備え付けられ、この中にアノー
ド電極6が付設されている。このアノード電極6は、電
解槽1の外部まで突き出している電極支持体7の下部に
固着されている。なお、カソード、アノードともに電極
の材質はグラファイトである。ハイドロキシアパタイト
の用途により陽極に、TiやPt、DSA(Dimensiona
lly Stable Anode)を使用する。
【0015】電極支持体7は、表面にポリエチレン等の
絶縁皮膜を施したグラファイトやTiである。アノード
容器4は、その側面や底面に小孔8、9を設けておく。
また、アノード容器4の中には原料の生体(混合物)1
0を多数個充填しておく。ここに用いる原料は畜産廃棄
物である豚、牛などの骨、歯、皮、肉などを0.3gか
ら30g程度に小さく破砕したものや、市販骨粉を篩別
し水洗して用いる。
【0016】アノード容器4は、電解槽1の電解液2
(カソード溶液)の中に沈めて保持される。アノード容
器4の上部から電極支持体7が突出するが、アノード容
器4の蓋5の電極支持体貫通部にはパッキン11を嵌挿
して、電解中に陽極より発生したガスがこの貫通部を通
って集中的に大気に出ないようにする。
【0017】この状態にして通常電極間に直流10Vを
印荷し、10Aの電流を通電して160時間保持する。
すると、アノード容器4の中の生体10は分解され、カ
ソード3で電解液は褐色を帯びて、この電解液の中に微
細な粒子が多数浮遊し、やがて放置するとこれらが底部
に沈殿した状態となる。この状態になったら通電を止
め、ポンプなどで電解槽1から電解液2を抜き取る。
【0018】抜き取ったこの電解液2を静置し直ちに沈
降する未反応生体、電解槽液面に浮遊する少量の脂質を
取り除く。その後微細な粒子を含んだ電解液2をろ過し
て、ペプチドを主成分とする生体化合物溶解水溶液とハ
イドロキシアパタイト粒子を分離する。このようにして
ろ液から生体化合物溶解水溶液が得られる。生体化合物
溶解水溶液を培養液に使用するときには、支持電解質を
除く必要がある。生理的食塩水を電解液として電解すれ
ば、その電解液はそのまま細菌の栄養物質を含む細菌培
養液として使用が可能である。
【0019】一方、ろ過された微細な粒子にも水を加え
攪拌、静置し上澄み液を取り除く。この操作を繰り返す
ことによって、微細な粒子の表面に付着したアミノ酸、
コラーゲン、タンパク質、脂質、糖類および支持電解質
が取り除かれる。次に、この液をろ布でろ過しペースト
状の残渣を回収する。これを1週間以上自然乾燥して、
塊状のハイドロキシアパタイトを得る。高濃度の生体化
合物溶解水溶液を得るためには、ペプチドを含むろ液を
繰り返し、電解に用いることにより容易に可能である。
【0020】
【実施例】図1に示す電解装置と同じ装置を用いて、生
体を原料として、生体化合物溶解水溶液とハイドロキシ
アパタイトの製造を行った。図1で、1はポリプロピレ
ンの電解槽で容積が25lのものである。また、アノー
ド容器もポリプロピレン製で容積が9lのものを用い
た。
【0021】原料の生体は、市販の骨粉を1mm〜10
mmに篩別したものや、豚の骨をほぼ5〜50mm(角)
に粉砕したものを10kgと、牛のスジ肉1kgを用い
た。電解液には2〜20%の食塩水溶液を用いた。16
0hr通電終了ごとに電解液をろ過し、支持電解質と水
を補充しながらろ液を再使用し、640hr通電毎に交
換し、適宜な量の生体原料をアノード容器内に補充しな
がら、DC約10Vを印荷し10Aを6ケ月間(4,1
60hr)断続的に通電した。歯や骨以外のハイドロキ
シアパタイトを含まない種々の生体は、カソード水溶液
に直接投入した。電解が終了した時点、又は160hr
通電毎にポンプで電解液を抜き取って別の容器に移し
た。
【0022】この液の上部に浮遊する細かいスジ肉や脂
質、さらに沈降している未反応骨を取り除いてから、ろ
過してペプチドを主成分とする生体化合物水溶液とハイ
ドロキシアパタイトの浮遊沈澱微細粒子を得た。このろ
液は、その後前述の条件で支持電解質、電解液として5
回繰り返して使用したところ、最終的に約30重量%ペ
プチド水溶液20lが得られた。これ以上電解液を繰り
返して高濃度のペプチド水溶液を電解液として使用する
と、ハイドロキシアパタイトの収率が低下することが判
明した。
【0023】電解液にマグネショウム、カリウムのミネ
ラルを多く含んだ生体をアノード容器内に添加するとハ
イドロキシアパタイトのミネラル含有率は増大した。貝
殻をアノード容器内に加えたり、電解中にカーボンパイ
プで空気やCO2 を吹き込んで電解液を攪拌するとタン
パク質、コラーゲン、アミノ酸を含む炭酸アパタイトが
得られた。筋肉、肝臓、鶏卵、豚足、挽肉、血液、海草
を直接カソード溶液に加えると、電解液表面に微細な泡
の層が形成され、陽極ガスとカソード溶液の接触が十分
に行われた。
【0024】電解液中の微細な粒子、浮遊沈澱は、前述
のとおりろ過され、その残渣に20lの水を加え攪拌後
静置2時間以上して上澄み液を除去した。この操作を1
0回繰り返した。その後、ろ布でろ過し残渣を1週間以
上自然乾燥して塊、粉末状のハイドロキシアパタイトを
得た。このハイドロキシアパタイト129gを、100
℃、300℃、700℃で1hr熱処理すると、それぞ
れ120g、99g,91gに減量した。熱処理したこ
のハイドロキシアパタイトを再び大気中に5hr放置す
ると、吸湿して約4g増加した。
【0025】加熱減量率は、製造条件により異なり自然
乾燥後の100℃、300℃、700℃熱処理後の減量
率は、それぞれ次のような範囲にあった。 自然乾燥 〜100℃ 減量率: 4〜 8% 100 〜300℃ 減量率:11〜20% 300℃ 〜700℃ 減量率: 4〜 9% ハイドロキシアパタイトの収量は0.5〜1.5(kg
/160hr)であった。これをX−線回折したところ
第1表のとおりであった。また、これらを図2に示し
た。これより報告されている豚骨のピーク強度と合成さ
れたハイドロキシアパタイトのピーク強度は良い一致を
示した。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば凝結不
活性なペプチドを主成分とする生体化合物水溶液とミネ
ラル、タンパク質及びアミノ酸が含まれる動物の骨や歯
のような天然のハイドロキシアパタイトに類似した再結
晶ハイドロキシアパタイトが同時に少量の電気量で、極
めて容易にかつ化学薬品や金属をまったく用いること無
く安全に得れるようになった。
【0028】また、ペプチドを主成分とする生体化合物
溶解水溶液は従来Tryptoneなどを用いてきた細
菌培養液の代替えができ、凝結性の問題が解決され安価
に大量培養が可能となった。さらに、これらのペプチド
水溶液は経皮吸収されて、アレルゲンとして作用し吸収
部分の皮膚に水泡を生じることがあるが、食べ物や飲酒
・喫煙などの嗜好の変化をもたらすことができた。
【0029】また、従来の天然ハイドロキシアパタイト
の製造のように原料を焼成していないので、得られたハ
イドロキシアパタイトは水分やタンパク質やアミノ酸が
含まれていて、人体との相溶性、吸収性に優れたものと
なっている。
【0030】このため、例えば添加物の全く無いこのハ
イドロキシアパタイト粉やペーストをそのまま歯磨き粉
や洗顔剤(パック)などに用いることが可能となる。一
切の添加物を加えること無くそのまま歯磨きに使用した
場合、このハイドロキシアパタイトを濡らした歯ブラシ
に付けてブラッシングすることにより、歯のエナメル質
やセメント質表面部分に付着しているタバコの脂や歯垢
などが簡単に取り除かれる。
【0031】さらに、歯の付け根や裏側、歯間の歯石な
ども徐々に剥離する。虫歯などで生じた歯の孔底部に、
このハイドロキシアパタイトを唾液で練ったペーストを
詰めると、孔底部がコーテイングされて冷水などの刺激
に対して緩和される。
【0032】特に、このハイドロキシアパタイト粉末を
濡らした軟質な獣毛の歯ブラシにつけて朝晩3分間ブラ
ッシングすると、歯槽膿漏部が治癒され数日から1週間
で歯肉の盛り上がりが認められる。ブラッシングし、口
をすすいだ後この粉末を適量口に含ませると、この効果
はより顕著に認められる。
【0033】洗顔剤(パック)として用いた場合、顔面
や手足などの体表面の脂質を極めて良く吸収し、皮膚の
血行を旺盛にし、さらに手などの皮膚で顔面や体表面を
摩擦することにより、角質層が容易に除去され皮膚に張
りが生じてきてシワがなくなって肌がスベスベするとい
う点で大変に好ましいものとなる。特に化学薬品などの
化粧品を落すことは、少量で1回の洗顔も完璧にでき
る。
【0034】頭皮に塗布すると、毛髪の脂質が吸収され
微細なハイドロキシアパタイトの結晶が毛髪表面に付着
するので、櫛が通らなくなる程であるが、毛髪の無い頭
皮部分や毛髪の少ない頭皮に塗布すると、頭皮の脂質は
取り除かれ血行が良くなってくる。継続すると毛髪の少
ない部分の抜け毛が防止できるだけでなく、新たな毛髪
の成長が期待できる。
【0035】止血された切創部や火傷部に、このハイド
ロキシアパタイトのペーストを塗布すると切創部に密着
し、患部を乾燥させて感染を防止しながら回復を助長す
ることが期待できる。種々の皮膚炎にも効果的で、塗
布、ハイドロキシアパタイトを入れた風呂の入浴で、か
ゆみ等は完全になくなり患部は乾燥され、雑菌の抑制作
用があるため、治癒期間が短縮される。
【0036】一方、食品に添加する場合、例えばパンを
作る際小麦粉にハイドロキシアパタイトを添加したと
き、従来のハイドロキシアパタイトが均質に分散されな
いのに対して、極めて良好に分散されるため、添加率を
大きくすることが可能であり、食べ易くなるという優れ
た特徴をもっている。直接摂取すると骨密度の増大が期
待できる。生体内で、このハイドロキシアパタイト成形
体は良好な生体活性を示す。
【0037】松柏等の盆栽用肥料として、粒状又は塊状
のハイドロキシアパタイトを用土に加えると、この表面
で微生物が生長し、徐々にハイドロキシアパタイトを溶
解するため、遅効性肥料として骨粉に比べて少量で済
み、管理がし易い特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で用いる一実施例の装置の側面を示し
た説明図。
【図2】この発明で得られたハイドロキシアパタイトの
X線チャート
【符号の説明】
1……電解槽、2……電解液、3……カソード電極、4
……アノード電極、5……アノード容器蓋、6……アノ
ード電極、7……電極支持体、8,9……小孔、10…
…原料の生体、11……パッキン。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電解槽に生体を入れて、陽極近傍のアノー
    ド水溶液中で生体を溶解し、溶解された成分の一部を陰
    極近傍のカソード水溶液中で結晶化し、その後この電解
    液をろ過しそのろ液を生体化合物溶解水溶液とし、残渣
    をハイドロキシアパタイトとすることを特徴とするハイ
    ドロキシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製造方
    法。
  2. 【請求項2】生体が、所定の大きさに整えられた動物の
    骨及び/又は歯であることを特徴とする請求項1記載の
    ハイドロキシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製造
    方法。
  3. 【請求項3】生体が、所定の大きさに整えられた動物の
    骨及び/又は歯を少なくとも含み、これに更に肉、皮、
    卵、脂質、血液及び臓器の中の一種又は2種以上を含む
    混合物であることを特徴とする請求項1記載のハイドロ
    キシアパタイトと生体化合物溶解水溶液の製造方法。
  4. 【請求項4】電解槽に所定の大きさに整えられた動物の
    肉、皮、卵、脂質、血液及び臓器の中の一種又は2種以
    上の混合物からなる生体を入れて、陽極近傍のアノード
    水溶液中で生体を溶解し、溶解された成分の一部を陰極
    近傍のカソード水溶液中で結晶化し、その後この電解液
    をろ過し、そのろ液を生体化合物溶解水溶液とすること
    を特徴とする生体化合物溶解水溶液の製造方法。
  5. 【請求項5】ハイドロキシアパタイトが、ミネラル、ア
    ミノ酸、コラーゲン及びタンパク質を含み、かつ生体化
    合物溶解水溶液がミネラル、アミノ酸、コラーゲン、タ
    ンパク質及び糖類を含むことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載のハイドロキシアパタイトと生体
    化合物溶解水溶液の製造方法。
  6. 【請求項6】生体化合物溶解水溶液が、ミネラル、アミ
    ノ酸、コラーゲン、タンパク質及び糖類を含むことを特
    徴とする請求項4に記載の生体化合物溶解水溶液の製造
    方法
  7. 【請求項7】電解槽の液面がカソード水溶液で覆われて
    いることを特徴とする請求項1、2、3及び5のいずれ
    かに記載のハイドロキシアパタイトと生体化合物溶解水
    溶液の製造方法。
  8. 【請求項8】電解槽の液面がカソード水溶液で覆われて
    いることを特徴とする請求項4又は5に記載の生体化合
    物溶解水溶液の製造方法。
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JP2004155596A (ja) * 2001-09-28 2004-06-03 Mamoru Aizawa 板状水酸アパタイト粒子の製造方法
JP2009057234A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ハイドロキシアパタイトの製造方法及びハイドロキシアパタイト−蛋白質複合体の製造方法
JP2012148903A (ja) * 2011-01-17 2012-08-09 Mikimoto Pharmaceut Co Ltd ヒドロキシアパタイトの製造方法

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