JPH1177116A - 高疲労強度鋼管の製造方法 - Google Patents

高疲労強度鋼管の製造方法

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JPH1177116A
JPH1177116A JP23696397A JP23696397A JPH1177116A JP H1177116 A JPH1177116 A JP H1177116A JP 23696397 A JP23696397 A JP 23696397A JP 23696397 A JP23696397 A JP 23696397A JP H1177116 A JPH1177116 A JP H1177116A
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正徳 西森
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元晶 板谷
Akira Yorifuji
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Yuji Hashimoto
裕二 橋本
Yoshitomo Okabe
能知 岡部
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太郎 金山
Masahiko Morita
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Osamu Furukimi
古君  修
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隆明 比良
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高靱性・高延性でかつ耐疲労特性に優れた引
張強さ600MPa以上の高強度鋼管の製造方法を提供する。 【解決手段】 C:0.30%超〜0.60%を含有し、Si、M
n、Al量を適正範囲とする組成の素材鋼管を400 〜750
℃の温度範囲で累積縮径率20%以上の絞り圧延を施すこ
とにより、組織が微細化し、高強度で、かつ強度と延性
がバランスよく向上し、さらに疲労強度が高くなる。C
u、Ni、Cr、MoあるいはNb、Ti、B、VあるいはREM 、C
aのうちから必要に応じ添加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼管の製造方法に
係り、とくに耐疲労特性に優れた鋼管の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】構造材料として使用される鋼管には、強
度、延性に加えて、耐疲労特性にすぐれていることが要
求されてきた。従来、焼入れ−焼戻し、高周波焼入れや
浸炭等の熱処理を施し、とくに表面付近の強度を高め、
あるいはNi、Cr、Mo等の高価な合金元素を多量添加し
て、疲労強度を確保してきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、溶接性が劣化し、しかもコスト高となる問
題があった。本発明は、上記した問題を有利に解決し、
高延性で、耐疲労特性に優れた引張強さ600MPa以上の高
疲労強度鋼管の製造方法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋼管の強
度と靱性をともに向上させる方法について鋭意検討した
結果、フェライト再結晶域での絞り圧延を施すことによ
り、鋼管の組織が微細化され、フェライト粒、パケット
サイズおよび析出物が微細化し、高強度と高延性を兼ね
備え、さらに疲労強度も増加することを新規に見い出し
た。
【0005】本発明は、このような知見をもとに構成さ
れたものである。すなわち、本発明は、重量%で、C:
0.30%超〜0.60%、Si:1.5 %以下、Mn:2.0 %以下、
Al:0.001 〜0.10%を含有し、残部Feおよび不可避的不
純物よりなる組成の素材鋼管を加熱また均熱したのち、
圧延温度:400 〜750 ℃で累積縮径率:20%以上の絞り
圧延を施すことを特徴とする引張強さ600MPa以上の高疲
労強度鋼管の製造方法であり、前記素材鋼管の加熱また
は均熱を400 〜750 ℃の温度範囲とするのが好ましく、
また、前記絞り圧延を潤滑下での圧延とするのが好まし
く、また、前記絞り圧延後、500 〜750 ℃で焼戻すのが
好ましい。
【0006】また、本発明では、前記組成を、重量%
で、C:0.30%超〜0.60%、Si:1.5%以下、Mn:2.0
%以下、Al:0.001 〜0.10%を含み、さらにCu:1%以
下、Ni:2%以下、Cr:2.0 %以下、Mo:1.0 %以下の
うちから選ばれた1種または2種以上を含有する組成と
してもよく、また、前記組成を、重量%で、C:0.30%
超〜0.60%、Si:1.5 %以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.
001 〜0.10%を含み、さらにNb:0.1 %以下、V:0.3
%以下、Ti:0.2 %以下、B:0.004 %以下のうちから
選ばれた1種または2種以上を含有する組成としてもよ
く、また、前記組成を、重量%で、C:0.30%超〜0.60
%、Si:1.5 %以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.001 〜0.
10%を含み、さらにREM:0.02%以下、Ca:0.01 %以下の
うちから選ばれた1種または2種を含有する組成として
もよく、また、前記組成を、C:0.30%超〜0.60%、S
i:1.5 %以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.001 〜0.10%
を含み、さらにCu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2.0
%以下、Mo:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または
2種以上、Nb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2
%以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種また
は2種以上を含有する組成としてもよく、また、前記組
成を、重量%で、C:0.30%超〜0.60%、Si:1.5 %以
下、Mn:2.0 %以下、Al:0.001 〜0.10%を含み、さら
にNb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2 %以下、
B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種または2種以
上、REM:0.02%以下、Ca:0.01 %以下のうちから選ばれ
た1種または2種を含有する組成としてもよく、また、
前記組成を、重量%で、C:0.30%超〜0.60%、Si:1.
5 %以下、Mn:2.0 %以下、Al:0.001 〜0.10%を含
み、さらにCu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2.0 %以
下、Mo:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種
以上とREM:0.02%以下、Ca:0.01 %以下のうちから選ば
れた1種または2種を含有する組成としてもよく、ま
た、前記組成を、C:0.30%超〜0.60%、Si:1.5 %以
下、Mn:2.0 %以下、Al:0.001 〜0.10%を含み、さら
にCu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2.0 %以下、Mo:
1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上、N
b:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2 %以下、
B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種または2種以
上、REM:0.02%以下、Ca:0.01 %以下のうちから選ばれ
た1種または2種を含有する組成としてもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明では素材として鋼管を用い
る。素材鋼管の製造方法については、高周波電流を利用
した電気抵抗溶接法による電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼
管)、オープン管両エッジ部を固相圧接温度域に加熱し
圧接接合する固相圧接鋼管、鍛接鋼管、およびマンネス
マン式穿孔圧延による継目無鋼管いずれも好適に使用で
きる。
【0008】つぎに、素材鋼管の化学組成の限定理由を
説明する。 C:0.30%超〜0.60% Cは基地中に固溶あるいは炭化物として析出し、鋼の強
度を増加させる元素であり、また、硬質な第2相として
微細に析出したセメンタイト、パーライト、ベイナイト
等が強度、靱性の向上に寄与する。引張強さ600MPa以上
の所望の強度を確保するためには、Cは、0.30%超の含
有を必要とするが、0.60%を超えて含有すると延性が劣
化する。このため、Cは0.30%超〜0.60%の範囲に限定
した。
【0009】Si:1.5 %以下 Siは、脱酸元素として作用するとともに、基地中に固溶
し鋼の強度を増加させる。この効果は、好ましくは0.01
%以上、より好ましくは0.1 %以上の含有で認められる
が、1.5 %を超える含有は延性を劣化させる。このこと
から、Siは1.5%以下に限定した。なお、好ましくは、S
iは0.01〜1.5 %である。
【0010】Mn:2.0 %以下 Mnは、鋼の強度を増加させる元素であり、炭化物の微細
析出を促進する。所望の強度を確保するためおよび炭化
物の微細析出のためには0.01%以上含有するのが好まし
いが、2.0 %を超えると延性が劣化する。このようなこ
とから、Mnは2.0 %以下に限定した。なお、好ましくは
0.4 〜1.6 %である。
【0011】Al:0.001 〜0.10% Alは、結晶粒径を微細化する作用を有している。結晶粒
微細化のためには、少なくとも0.001 %以上の含有を必
要とするが、0.10%を超えると酸素系介在物量が増加し
清浄度が低下する。このため、Alは0.001 〜0.10%の範
囲に限定した。なお、好ましくは0.015 〜0.06%であ
る。
【0012】上記した素材鋼管の基本組成に加えて、つ
ぎに述べる合金元素群を単独あるいは複合して添加して
もよい。Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2.0 %以
下、Mo:1.0 %以下のうちから選ばれた1種または2種
以上 Cu、Ni、Cr、Moはいずれも、鋼の焼入性を向上させ、強
度を増加させる元素であり、必要に応じ1種または2種
以上を添加できる。しかし、Cuは多量添加すると熱間加
工性が劣化するため、1%を上限とした。Niは強度増加
とともに靱性をも改善するが、2%を超えて添加しても
効果が飽和し経済的に高価となるため、2%を上限とし
た。Cr、Moは多量添加すると溶接性、延性が劣化するう
えコスト的に高価となるため、それぞれ2%、1%を上
限とした。なお、好ましくはCu:0.1 〜0.6 %、Ni:0.
1 〜1.0 %、Cr:0.1 〜1.5 %、Mo:0.05〜0.5 %であ
る。
【0013】Nb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.
2 %以下、B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種ま
たは2種以上 Nb、V、Ti、Bは、炭化物、窒化物または炭窒化物とし
て析出し、結晶粒の微細化と高強度化に寄与する元素で
あり、特に高温に加熱される溶接部で、溶接時の加熱過
程で粒の粗大化を防止する効果もあり、必要に応じ1種
または2種以上添加できる。しかし、多量添加すると、
溶接性と延性が劣化するため、Nbは0.1%、Vは0.3
%、Tiは0.2 %、Bは0.004 %をそれぞれ上限とした。
なお、好ましくはNb:0.005 〜0.05%、V:0.05〜0.1
%、Ti:0.005 〜0.10%、B:0.0005〜0.002 %であ
る。
【0014】REM :0.02%以下、Ca:0.01%以下のうち
から選ばれた1種または2種 REM 、Caは、いずれも介在物の形状を調整し加工性を向
上させる作用を有しており、さらに、硫化物、酸化物ま
たは硫酸化物として析出し、高温に加熱される溶接接合
部で接合部の硬化を防止する作用をも有し、必要に応じ
1種以上添加できる。REM :0.004 %未満、Ca:0.001
%未満ではこの作用による効果が少ないため、REM :0.
004 %以上、Ca:0.001 %以上とするのが好ましいが、
REM :0.02%、Ca:0.01%を超えると介在物が多くなり
すぎ清浄度が低下し、延性が劣化する。
【0015】素材鋼管は、上記した成分のほか、残部Fe
および不可避的不純物からなる。不可避的不純物として
は、N:0.010 %以下、O:0.006 %以下、P:0.025
%以下、S:0.020 %以下が許容される。 N:0.010 %以下 Nは、Alと結合して結晶粒を微細化するに必要な量、0.
010 %までは許容できるが、それ以上の含有は延性を劣
化させるため、0.010 %以下に低減するのが好ましい。
なお、より好ましくは、Nは0.002 〜0.006 %である。
【0016】O:0.006 %以下 Oは、酸化物として清浄度を劣化させるため、できるだ
け低減するのが好ましいが、0.006 %までは許容でき
る。 P:0.025 %以下 Pは、粒界に偏析し、延性と靱性を劣化させるため、で
きるだけ低減するのが好ましいが、0.025 %までは許容
できる。
【0017】S:0.020 %以下 Sは、硫化物を増加し清浄度を劣化させるため、できる
だけ低減するのが好ましいが、0.020 %までは許容でき
る。本発明では、上記した組成の素材鋼管を用いて鋼管
を製造する。つぎに、本発明の鋼管の製造方法について
説明する。
【0018】上記組成の素材鋼管を好ましくは750 〜40
0 ℃に加熱または均熱する。加熱または均熱温度が750
℃を超えると、表面性状が劣化するとともに、加熱また
は均熱時にオーステナイトが増加して結晶粒が粗大化す
る。このため、素材鋼管の加熱または均熱温度は750 ℃
以下とするのが好ましい。また、加熱または均熱温度が
400 ℃未満では、好適な圧延温度を確保できないため、
加熱または均熱温度は400 ℃以上とするのが好ましい。
【0019】加熱された素材鋼管はついで絞り圧延を施
される。絞り圧延方法は、レデューサと称される複数の
孔型圧延機による絞り圧延が好適である。本発明の実施
に好適な設備列の1例を図1に示す。図1では、孔型ロ
ールを有する複数のスタンドの絞り圧延装置21が示され
ている。圧延機のスタンド数は、素材鋼管径と製品管径
の組み合わせで適宜決定される。孔型ロールは、通常公
知の2ロール、3ロールあるいは4ロールいずれでも好
適に適用できる。
【0020】絞り圧延の加熱または均熱方法はとくに限
定するものではないが、加熱炉、あるいは誘導加熱によ
るのが好ましい。なかでも誘導加熱方式が加熱速度が大
きく、生産能率あるいは結晶粒の成長を抑制する点から
好ましい。絞り圧延の圧延温度は、フェライト再結晶温
度域の750 〜400 ℃の範囲とする。フェライト再結晶温
度域での圧延によりフェライト粒あるいはベイナイト、
マルテンサイトのパケットが加工され再結晶により組織
が微細化されるとともに、この圧延温度域で導入される
加工歪により、炭化物の析出が促進され炭化物が微細析
出する。
【0021】圧延温度が750 ℃を超えると、再結晶後の
フェライト粒の成長が著しくなり延性が低下する。一
方、圧延温度が400 ℃未満では青熱脆性により脆化し圧
延中に材料が破断する恐れがある。さらに、圧延温度が
400 ℃未満では材料の変形抵抗が増大し圧延が困難とな
るほか、再結晶が不十分となり加工歪が残存しやすくな
る。このため、絞り圧延の圧延温度は、750 〜400 ℃の
範囲に限定した。なお、好ましくは600 〜700 ℃であ
る。
【0022】絞り圧延における累積縮径率は20%以上と
する。累積縮径率(=(素材鋼管外径−製品鋼管外径)
/(素材鋼管外径)×100 %)が20%未満では、再結晶
による結晶粒の微細化あるいは析出物の微細析出が不十
分であり、高強度で、延性・靱性に富み、耐疲労特性に
優れた鋼管とならない。また、造管速度も遅く生産能率
が低い。このため、本発明では累積縮径率を20%以上と
した。なお、累積縮径率が60%以上では、加工硬化によ
る強度増加に加えて組織の微細化が顕著となる。このこ
とから、累積縮径率は60%以上とするのがより好まし
い。
【0023】絞り圧延においては、1パス当たりの縮径
率が5%以上の圧延パスを少なくとも1パス以上含む圧
延とするのが好ましい。絞り圧延の1パスあたりの縮径
率が5%未満では、再結晶による結晶粒の微細化が不十
分である。また、5%以上では、加工発熱による温度上
昇が認められ圧延温度の低下を防止できる。なお、1パ
スあたりの縮径率は、動的再結晶が認められ、結晶粒微
細化に効果がある7%以上とするのがより好ましい。
【0024】本発明における鋼管の絞り圧延は、2軸応
力状態の圧延加工となり、著しい結晶粒微細化効果を得
ることができる。これに対し、鋼板の圧延においては、
圧延方向に加え、板幅方向(圧延直角方向)にも自由端
が存在し、1軸応力状態における圧延加工であり、結晶
粒微細化に限界がある。また、本発明では、絞り圧延は
潤滑下での圧延とするのが好適である。絞り圧延を潤滑
下での圧延(潤滑圧延)とすることにより、厚み方向の
歪分布が均一となり、結晶粒径の分布が厚み方向で均一
となる。無潤滑圧延では、剪断効果によって材料表面層
部のみに歪が集中し、厚み方向の結晶粒が不均一となり
やすい。潤滑圧延は、通常公知の、鉱油あるいは鉱油に
合成エステルを混合した圧延油を用いて行えばよく、圧
延油をとくに限定する必要はない。
【0025】絞り圧延加工後、鋼管は室温まで冷却され
る。冷却方法は、空冷でよいが、粒成長を少しでも抑え
る目的で急冷装置24を用いて水冷、あるいはミスト冷
却、強制空冷等通常公知の冷却方法が適用可能である。
冷却速度は好ましくは10℃/sec 以上とするのが好まし
い。なお、本発明では、絞り圧延装置21の入側あるいは
絞り圧延装置21の途中に冷却装置26を設置し、温度調節
を行ってもよい。
【0026】
【実施例】
(実施例1)表1に示す化学組成を有する素材鋼管に、
表2に示す温度に誘導加熱コイルで加熱したのち、3ロ
ール構造の絞り圧延機で表2に示す圧延条件で製品管と
した。なお、素材鋼管は継目無鋼管および電縫鋼管とし
た。
【0027】継目無鋼管は、表1に示す組成の連続鋳造
製ビレットを加熱し、マンネスマンマンドレルミルで造
管し、φ110 ×t2.0mm の鋼管とした。電縫鋼管は、表
1に示す組成の鋼素材を、熱間圧延、冷間圧延により2.
0 mm厚の帯鋼としたのち、成形ロール群からなる成形加
工装置によりオープン管として、誘導加熱により、φ11
0 ×t2.0mm の電縫鋼管とした。
【0028】これら製品管の引張特性、疲労特性を調査
し、その結果を表2に示す。引張特性は、JIS 11号試験
片を用いた。なお、伸びの値は、試験片のサイズ効果を
考慮して、El=El0 ×(√(a0/a))0.4 (ここに、El
0 :実測伸び、a0:292mm2、a:試験片断面積(mm
2 ))を用いて求めた換算値を使用した。疲労試験は、
片持ち式両振り疲労試験(繰返し速度:20Hz)を実施
し、疲労強度を求めた。疲労強度は、耐久回数が106
になる応力とした。なお、試験片は製品管のままの実管
試験片を用いた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】表2から、本発明例(No.1、No.2、No.5、
No.6、No.8、No.11 、No.12 )は、引張強さ600MPa以上
であり、かつ強度と延性がバランスよく向上し、さらに
疲労強度も高くなっている。一方、比較例(No.3、No.
4、No.7、No.9、No.10 、No.13 )は、延性が低く、強
度と延性のバランスが悪く、また疲労強度も低下してい
る。
【0032】本発明例のNo.1と比較例のNo.4について、
疲労試験結果を図2に示す。本発明例のNo.1は、同一耐
久回数で比較して、比較例のNo.4に比べ高い強度を示し
ている。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、引張強さ600MPa以上を
有し、強度と延性がバランスよく向上するうえ、耐疲労
特性が向上し、構造部材としての信頼性がより向上する
という産業上格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に好適な設備列の一例を示す概念
図である。
【図2】疲労試験結果を比較するグラフである。
【符号の説明】
8 母鋼管 16 製品管 20 温度計 21 絞り圧延装置 23 デスケーリング装置 24 急冷装置 25 再加熱装置 26 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板谷 元晶 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 依藤 章 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 橋本 裕二 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 岡部 能知 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 金山 太郎 愛知県半田市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社知多製造所内 (72)発明者 森田 正彦 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 古君 修 千葉県千葉市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 比良 隆明 千葉県千葉市川崎町1丁目1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 松岡 才二 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、 C:0.30%超〜0.60%、 Si:1.5 %以下、 Mn:2.0 %以下、 Al:0.001 〜0.10% を含有し、残部Feおよび不可避的不純物よりなる組成の
    素材鋼管を加熱また均熱したのち、圧延温度:400 〜75
    0 ℃で累積縮径率:20%以上の絞り圧延を施すことを特
    徴とする引張強さ600MPa以上の高疲労強度鋼管の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記素材鋼管の加熱または均熱を400 〜
    750 ℃の温度範囲とすることを特徴とする請求項1に記
    載の鋼管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記絞り圧延が潤滑下での圧延であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の鋼管の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記組成に加えて、さらに重量%で、 Cu:1%以下、Ni:2%以下、Cr:2.0 %以下、Mo:1.
    0 %以下のうちから選ばれた1種または2種以上を含有
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の鋼管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記組成に加えて、さらに重量%で、 Nb:0.1 %以下、V:0.3 %以下、Ti:0.2 %以下、
    B:0.004 %以下のうちから選ばれた1種または2種以
    上を含有することを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れかに記載の鋼管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記組成に加えて、さらに重量%で、 REM:0.02%以下、Ca:0.01 %以下のうちから選ばれた1
    種または2種を含有することを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の鋼管の製造方法。
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