JPH1175907A - 運動靴 - Google Patents

運動靴

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JPH1175907A
JPH1175907A JP24885097A JP24885097A JPH1175907A JP H1175907 A JPH1175907 A JP H1175907A JP 24885097 A JP24885097 A JP 24885097A JP 24885097 A JP24885097 A JP 24885097A JP H1175907 A JPH1175907 A JP H1175907A
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JP
Japan
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bag
shoe
insole
foot
user
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JP24885097A
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English (en)
Inventor
Saburo Tsubushi
三郎 津布子
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Okamoto Industries Inc
Original Assignee
Okamoto Industries Inc
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Publication date
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の運動靴に対し、甲皮内面の形状を全
ての使用者の足に合わせて調整し得る機能を具備せしめ
ることにより、全ての使用者が良好なフィット感を得る
ことのできる運動靴を提供する。 【解決手段】 靴本体aの甲皮1の内側、及び中底2
の上、及び舌片8、の何れか2箇所以上の部位に沿っ
て、袋体61,67,68を設け、上記各袋体の注入口
10a,70a,80aから発泡樹脂剤を注入し、該発
泡樹脂剤が硬化する前に靴本体aの内部に使用者の足を
入れ、上記各袋体61,67,68に使用者の足を当接
しつつ、同袋体61,67,68内の発泡樹脂剤を硬化
せしめることにより、靴本体a各部位の内面の形状を、
使用者の足を写す形で成形し、使用時のフィット感を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、運動靴に関し、
さらに詳しくは、使用者の足に対する靴本体のフィット
感を高めた運動靴に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、激しい動きを伴うスポーツに使用
する運動靴にあっては、使用者の足に運動靴ができるだ
けぴったりとフィットし、足と靴とがずれずに、一体感
のある動きが望まれる。特に、サッカーのように、足に
よるボールコントロールを要求される競技では、靴を履
いた状態でのフィット感は大変重要視される。このた
め、従来のサッカーシューズの内部、例えばフィット感
を左右する靴本体の甲皮内面には、感触の良い内装布を
被覆したり、クッション材等を適所に内設することによ
り、使用者の足に対して甲皮の内側が自然な状態で密着
するように構成してある。
【0003】また、使用者の体重を支える靴本体内の中
底上面には、感触の良い内装布を被覆したり、肉厚状の
クッション材等により構成した中敷きを敷設するなどし
て、使用者の足の裏が靴本体内の中底上面に自然な状態
で密着するように工夫が施してある。さらに、ボールコ
ントロールを左右する甲部、即ち開き部の内側には、感
触の良い舌片を被覆したり、クッション材等を適所に内
設することにより、使用者の足に対して上記舌片が自然
な状態で密着するような工夫がみられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のサッカ
ーシューズにあっては、平均化されたプレーヤーの足に
基づいて、甲皮の内面、中敷き、舌片等を規格化したク
ッション材や内装布により構成することにより、靴本体
内面と使用者の足の間に生じる間隙を埋めているため、
靴本体内部の形状が全て同じ形状となる。しかし、従来
のサッカーシューズは、甲皮やクッション材、内装布
等、平面的に裁断される部材を立体的に組み合わせて縫
着することにより靴本体の内部形状を使用者の足に近似
させていたため、実際の足形に合わせて立体化するのに
は限界があった。
【0005】さらに、使用者の足の形は千差万別であ
り、上記したように規格化して製造されたサッカーシュ
ーズにあっては、多くの人が「大体合う」程度のフィッ
ト感でシューズを使用しており、規格化されたサッカー
シューズにぴったりとフィットする使用者はむしろ少な
いといえる。
【0006】例えば、従来のサッカーシューズの甲皮
は、靴紐部分の締め付けにより、使用者の足に対してフ
ィットさせているが、靴紐部分より後方の履き口周囲の
甲皮後半部にあっては、使用者の足を締め付ける手段が
ないため、使用者の足との間に隙間を生じ易く、この隙
間の存在により靴と足とがずれる場合が多かった。
【0007】中底上に敷設する中敷きの形状が使用者の
足の裏の形状と合わない場合、土踏まず部分の突出が使
用者の土踏まずを必要以上に圧迫したり、指先の収まり
位置が合わない等、フィット感が非常に悪くなる。上記
した如く中底上面のフィット感が悪いと、必要以上に疲
れたり、足の裏に痛みを生じたりすることがある。靴本
体内における足の親指の接地位置はふんばりや方向転換
の動きを左右する重要な要素でもある。また、使用者の
中には、X脚やO脚等の矯正を行うために、中敷の肉厚
を外側と内側とで傾斜させたり、詰め物を入れることに
より、足の傾斜を補正する場合があるが、詰め物の影響
により中底上面の形状が不自然に変形してしまう等の不
具合があった。
【0008】さらに、従来のサッカーシューズの舌片
は、靴紐の締め付けにより、使用者の足の甲に圧着され
るが、従来の舌片自体は柔らかで均等肉厚なクッション
材から構成してあるので、靴紐による締め付け張力が使
用者の足の甲に直接的に作用する。よって、従来の運動
靴の靴紐部分のフィット感は、締め付け力が強いだけ
で、甲を硬く不自然に圧迫している場合が多く、サッカ
ーシューズにおいては、甲部分の感触を低下させ、正確
なボールコントロールを行うことが難しかった。また、
靴紐の縒れや偏りによって靴紐の締め付けが均等に行な
われない状態では、上記した靴紐部分のフィット感はさ
らに悪くなり、靴自体の履き心地自体が低下する原因と
なっている。
【0009】上記した如き理由から、特に、プレー中の
ボールさばきが厳しく要求されるサッカーシューズにお
いては、フィット感の良し悪しがプレーの結果を左右す
るため、プレーヤーからは靴と足とにずれが生じること
なく、よりフィット感のある靴が求められている。
【0010】本発明の課題は、従来の運動靴に対して、
甲皮の内側、及び中底の上、及び舌片、の各部位におけ
る当接面の形状を全ての使用者の足に合わせて調整する
ことのできる機能を具備せしめることにより、全ての使
用者が良好なフィット感を得ると共に、X脚やO脚等の
矯正機能を具備する運動靴を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の運動靴は、靴本体を、甲皮と、該甲皮
の底面を塞ぐ中底と、上記甲皮の甲部に設けた靴紐付き
開き部の内側に沿って設ける舌片とにより構成し、前記
靴本体における甲皮の内側、及び中底の上、及び舌片、
の何れか2箇所以上の部位に沿って、気密構造の袋体を
設け、上記袋体に、樹脂を注入する注入口と、余剰樹脂
を排出する排出口とを設け、上記注入口から発泡樹脂剤
を注入して各袋体に充填し、該発泡樹脂剤が硬化する前
に上記靴本体の内部に使用者の足を入れ、上記各袋体に
使用者の足を当接しつつ、同袋体内の発泡樹脂剤を硬化
せしめて成るものである。
【0012】上記した手段によれば、靴本体の甲皮内
側、及び中底の上、及び舌片の何れか2箇所以上の部位
に沿って、注入口と排出口とを設けた袋体が設けてあ
る。上記袋体の注入口から発泡樹脂剤を注入すると、発
泡樹脂剤が各袋体内に充填され、余剰樹脂が排出口を通
過して袋体の外に流出する。各袋体に注入した発泡樹脂
剤が硬化する前に、上記靴本体の内部に使用者の足を入
れ、上記各袋体に使用者の足を当接すると、袋体は、靴
本体と使用者の足との間に挟まれて使用者の足の甲、及
び足の裏の形状を写す形に成形され、足の周囲に生じる
隙間を埋める。
【0013】例えば、甲皮の内面に設けた袋体は、発泡
樹脂剤の充填圧力により膨張した状態となり、使用者の
足を当接することにより、この足の甲の外形を写しなが
ら、足と甲皮内面との間に生じる隙間を埋める。中底の
上に沿って設けた袋体は、発泡樹脂剤の充填圧力により
膨張し、使用者の足の裏が当接することにより、この足
の裏の外形を写す形で膨張して、足の裏の凹凸にぴった
りと合致した状態となる。また、舌片に沿って設けた袋
体は、発泡樹脂剤の充填圧力により膨張し、使用者の足
を当接することにより、足の甲と靴紐との間に挟まれた
状態となり、使用者の足の甲、及び開き部の外形を写し
た形状に成形される。
【0014】そして、上記した各袋体内に注入せしめた
発泡樹脂剤が硬化することにより、靴本体の各部位に沿
って設けた袋体が使用者の足の各部の外形に合わせて正
確に形成される。尚、袋体を設ける範囲は、甲皮の内
側、及び中底の上、及び舌片、の各部位の一部分であっ
ても、若しくは全面であってもよい。
【0015】請求項2記載の運動靴は、靴本体を、甲皮
と、該甲皮の底面を塞ぐ中底と、上記甲皮の甲部に設け
た靴紐付き開き部の内側に沿って設ける舌片とにより構
成し、前記靴本体における甲皮の内側、及び中底の上、
及び舌片、の何れか2箇所以上の部位に沿って、気密構
造の袋体を設け、上記袋体に、樹脂を注入する注入口
と、余剰樹脂を排出する排出口とを設け、上記靴本体内
に使用者の足を入れた状態にて、上記注入口から発泡樹
脂剤を注入して各袋体に充填し、これら袋体を使用者の
足との間で膨張させつつ、同袋体内の発泡樹脂剤を硬化
せしめて成るものである。
【0016】上記した手段によれば、靴本体の甲皮内
側、及び中底の上、及び舌片の何れか2箇所以上の部位
に沿って、注入口と排出口とを設けた袋体が設けてあ
る。上記靴本体の内部に使用者の足を入れ、上記袋体の
注入口から発泡樹脂剤を注入すると、発泡樹脂剤が各袋
体内に充填され、余剰樹脂が排出口から袋体の外に流出
する。上記袋体は、発泡樹脂剤の充填圧力により靴本体
内の各部位と使用者の足との間で使用者の足の外形を写
す形で膨張し、足の周囲に生じる隙間を埋める。
【0017】例えば、甲皮の内面に設けた袋体は、発泡
樹脂剤の充填圧力により甲皮内面と使用者の足との間で
膨張し、足の甲の外形を写しながら、足と甲皮内面との
間に生じる隙間を埋める。中底の上に沿って設けた袋体
は、発泡樹脂剤の充填圧力により中底と使用者の足の裏
との間で使用者の足の裏の外形を写す形で膨張して、足
の裏の凹凸にぴったりと合致した状態となる。また、舌
片に沿って設けた袋体は、発泡樹脂剤の充填圧力により
靴紐と使用者の足の甲との間で膨張し、使用者の足の甲
の外形を写した形状となる。
【0018】そして、上記した各袋体内に注入せしめた
発泡樹脂剤が硬化することにより、靴本体の各部位に沿
って設けた袋体は使用者の足の各部の外形に正確に合致
した形状に形成される。尚、袋体を設ける範囲は、甲皮
の内側、及び中底の上、及び舌片の各部位の一部分であ
っても、若しくは全面であってもよい。
【0019】上記した運動靴は、袋体の中の一つを、甲
皮内面と、該甲皮の内側に被装した内装布との間に設け
るとよい。この場合、上記袋体が甲皮内面と内装布との
間にて保持され、発泡樹脂剤の注入により、使用者の足
形に合った形状に膨張する。また、上記袋体の内面は内
装布にて覆われた状態となる。
【0020】上記運動靴は、袋体の中の一つを、中底上
に敷設する中敷の内部、若しくは同中敷と中底との間に
装着するとよい。これにより、袋体が中敷の内部若しく
は中敷きと中底との間にて保持される。上記袋体は、発
泡樹脂剤の注入により、使用者の足の裏を写す形状に膨
張する。また、袋体の上面は中敷にて覆われた状態とな
る。
【0021】上記運動靴は、袋体の中の一つを、舌片の
内部に装着するとよい。この場合、袋体が舌片の内部に
て保持される。よって、上記舌片は袋体と共に膨張し、
発泡樹脂剤の注入により、その内側面が使用者の足の裏
を写す形状に成形される。また、舌片及び袋体の外側面
には、靴紐及び開き部の口縁部が圧着し、これらが食い
込む形にて成形される。
【0022】また、上記運動靴の袋体は、熱可塑性合成
樹脂製シートを2枚重ね合わせ、これらの外周部を熱溶
着するとよい。この場合、重ね合わせた2枚の合成樹脂
シートの外周部を熱溶着することにより、両シート外周
縁部同士が溶着し、その内部に気密室が形成される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて説明する。図1乃至図3にて示す靴は、本考案
を実施したサッカーシューズであり、革製甲皮1と、該
甲皮1の底面開口を塞ぐ中底2と、上記甲皮1の甲部a
1に設けた靴紐付きの開き部a3の内側に沿って設けた
舌片8とにより靴本体aを構成し、該靴本体aの底面、
即ち、甲皮1及び中底2の底面に合成樹脂製の靴底3を
設けて構成してある。また、上記靴本体aを構成する甲
皮1の内側、及び甲皮1の底面を塞ぐ中底2の上面に沿
って敷設する中敷7、及び開き部a3の舌片8には、使
用者の足と靴本体aとの間に生じる隙間を埋める袋体6
1,67,68を内設してある。尚、上記袋体61,6
7,68は、使用者の足の形状に合わせて成形するため
に、発泡ウレタン剤を注入して膨張させるが、その詳細
は後述する。
【0024】靴本体aの表面を構成する甲皮1は、牛若
しくはカンガルー等の革材を靴各部の形状に対応して裁
断し、これら各部分の革を縫製し、靴底部分が開口する
甲皮1として構成してある。上記した如く縫製した甲皮
1は、靴底側の周縁部を内側に吊り込んだ状態で癖付け
して、略靴形の形状に整形した後、上記した甲皮吊り込
み部1b内側に形成される開口部に、中底2を嵌め込
み、該中底2の底面周縁部に沿って上記甲皮吊り込み部
1bを接着する(図1)。尚、上記甲皮1の内面には、
薄手の裏地布(図示せず)を当てがって縫製により止着
してもよい。
【0025】上記した如く構成した靴本体aの底面部、
即ち、甲皮1,中底2には、布からなる目止めシート4
を貼着し、さらに、スパイク付きの合成樹脂製靴底3を
一体的に成形してある。尚、上記した目止めシート4
は、中底2の一部分に貼着するだでけでもよい。また、
同目止めシート4は省略することもできる。また、上記
中底2の上面には中敷7を敷設してある。上記した甲皮
1の甲部a1には、履き口a2を爪先へ向けて切り開い
た形で開き部a3を開設し、該開き部a3の周縁部に沿
って靴紐挿通部5を設けてある。
【0026】靴紐挿通部5は、上記開き部a3の周縁部
に沿って、略U字形に形成した帯状の補強皮5bを縫着
すると共に、該周縁部の右側及び左側に沿って靴紐11
を挿通する挿通孔5aを一定間隔をおいて穿設すること
により構成してある。即ち、挿通孔5aは開き部a3を
挟んで左右両側に2列形成されることになり、靴紐11
は、これら挿通孔5aにジグザグ状に挿通する(図
3)。また、上記開き部a3の内側には舌片8を付設
し、同開き部a3を内側から塞ぐように構成してある。
【0027】上記した如く構成した靴本体aは、上記靴
紐11の締め付けにより、甲皮1の甲部a1を締め付
け、使用者の足の甲部に対して適度に圧着することによ
り、同甲部a1における靴と足との一体感を得る。ま
た、上記靴本体aは、甲部a1と同時に、上記甲部a1
から甲皮1の履き口部a2左右側面のフィット感を向上
せしめるために、履き口部a2内外両側面部における甲
皮1の内側に袋体61を内設してある。
【0028】袋体61は、甲皮1の内面と内装布9との
間に設けてある。上記内装布9は、履き口a2周囲甲皮
1内面に貼着した比較的厚手の布地であり、袋体61
は、上記内装布9と甲皮1内面との間に挟む形で内設し
てある。袋体61は、軟質ウレタン樹脂シート等の熱可
塑性合成樹脂シートを、所定の外形に切断した上で2枚
重ね合わせ、これら両シートの外周縁に沿って熱溶着す
ることにより、所定外形の密封袋として構成してある。
尚、上記袋体61は、重ね合わせたウレタン樹脂シート
の周囲を所定形状に熱溶着した上で、その熱用着部の外
周を切断して構成してもよい。また、上記袋体61は、
ウレタン樹脂シート以外の熱可塑性合成樹脂シート、例
えば塩化ビニルシート等を用いて構成してもよい。
【0029】上記袋体61の場合、甲皮1の履き口部a
2の内側面及び外側面よりも一回り小さな形状の、側面
部61aと側面部61bとを形成し、これら両側面部6
1a,61bの間を、踵上部を迂回するように形成した
連結部61cにて連結することにより構成してある(図
4)。上記袋体61両側面部61a,61bの表面側の
端部には、それぞれ注入口10aと排出口10bとを突
出形成してある。上記注入口10a及び排出口10b
は、浮き輪やビーチボール等に用いられている空気注入
口と同様なものであるが、逆止弁は設けておらず、自由
に通気できるように構成してある。
【0030】上記袋体61外周部の溶着代61dの幅
は、幾分余裕を持って広く形成して、甲皮1及び内装布
9に対する縫い代として構成してある。即ち、上記袋体
61は、甲皮1と内装布9との間の所定位置に挟み込
み、甲皮1,内装布9,溶着代61dの3部材を上記溶
着代61dに沿って縫着することにより、上記袋体61
を甲皮1の内側に確実に固定してある。尚、上記した袋
体61は、甲皮1と内装布9との間に接着して固定して
もよい。上記した如く甲皮1の両側に固定した袋体61
の注入口10aと排出口10bとは、それぞれ甲皮1の
左右両側面に開設した挿通孔11a,11bに挿通して
甲皮1の外側に突出させてある(図2)。
【0031】上記した如く構成した靴本体a内の中底2
上面には、略靴底形の中敷7を敷設してある。中敷7
は、裏布7aと表布7bを後述する袋体67を挟んで重
ね合わせ、その周縁部を縫着することにより構成してあ
る(図1,図2)。
【0032】袋体67は、軟質ウレタン樹脂シート等の
熱可塑性合成樹脂シートを、中敷7と略同じ外形に切断
した上で2枚重ね合わせ、これら両シートの外周縁に沿
って熱溶着することにより、略靴底形外形の気密袋とし
て構成してある。
【0033】尚、上記袋体67は、重ね合わせたウレタ
ン樹脂シートの周囲を所定形状に熱溶着した上で、その
熱溶着部の外周を切断して構成してもよい。また、上記
袋体67は、ウレタン樹脂シート以外の熱可塑性合成樹
脂シート、例えば塩化ビニルシート等を用いて構成して
もよい。上記したように略靴底形に構成した袋体67の
爪先側外周部及び踵側外周部には、注入口70aと排出
口70bとを突出形成してある(図5)。
【0034】上記袋体67は、中敷7の裏布7aと表布
7bとの間に挟み込んで外周縁の溶着代部分に沿って縫
着することにより、中敷7と一体化してある。また、袋
体67に設けた注入口70aと排出口70bとは、中敷
7の踵側外周部及び爪先側外周部から突出させてある。
尚、上記した袋体67は、表裏両面を中敷7の表裏両布
7a,7bに対して全面的に接着しても良い。また、上
記した実施例においては、袋体67を中敷7の間に内設
したが、袋体67は、中敷7と中底2との間に挟む形で
設置してもよい。この場合、袋体67を中底2と中敷7
との間に接着して固定するとよい。
【0035】前述したように、上記した甲皮1の上記開
き部a3の内側には、舌片8を付設し、同開き部a3を
内側から塞ぐように構成してある。舌片8は、表皮8a
の裏面にスポンジ材8bを重ね合わせ、これら8a,8
bの周囲を縫着することにより構成し、その先端部を甲
皮1の爪先寄りの部分に縫着することにより、上記開き
部a3の内側に当てがった状態で取付支持してある。
【0036】上記舌片8の表皮8aとスポンジ材8bと
の間には、袋体68を内設してある。袋体68は、前記
した袋板61,67と同様、軟質ウレタン樹脂シート等
の熱可塑性合成樹脂シートを、舌片8と略同じ外形に切
断した上で2枚重ね合わせ、これら両シートの外周縁に
沿って熱溶着することにより、略靴底形外形の密閉構造
の袋体として構成してある。尚、上記袋体68は、重ね
合わせたウレタン樹脂シートの周囲を所定形状に熱溶着
した上で、その熱用着部の外周を切断して構成してもよ
い。また、上記袋体68は、ウレタン樹脂シート以外の
熱可塑性合成樹脂シート、例えば塩化ビニルシート等を
用いて構成してもよい。上記したように構成した袋体6
8表面の履き口側端部、及び爪先側端部には、注入口8
0aと排出口80bとを突出形成してある。尚、袋体6
8は靴紐11にて締め付けられる範囲に相当する大きさ
68’としてもよい(図6)。
【0037】上記袋体68は、舌片8の表皮8aとスポ
ンジ材8bとの間に挟み込み込んで表裏両面を接着する
ことにより、舌片8と一体化してある。また、袋体68
に設けた注入口80aと排出口80bとは、舌片8の表
皮8aの爪先側端部、及び同表皮8aの履き口側端部か
ら外部へ向けて突出させてある。尚、上記した袋体68
は、表皮8aとスポンジ材8bとの間に挟んだ状態に
て、外周の溶着縁部に沿って縫着することにより舌片8
と一体化してもよい。
【0038】上記したサッカーシューズは、上記した状
態にて流通が可能な状態となるが、使用の前には、使用
者の足に合わせた各袋体61,67,68のセットアッ
プが必要となる。セットアップは、袋体61の注入口1
0a、及び袋体67,68の注入口70a,80aに接
続したパイプc2から発泡ウレタン剤を注入するこによ
り行なう(図8)。また、セットアップ時には、上記し
た各袋体61,67,68の注入口10a,70a,8
0aと排出口10b,70b,80bとに、それぞれウ
レタン樹脂注入用及び排出用のパイプc2を接続してお
く。
【0039】発泡ウレタン剤の注入は、同発泡剤の収容
ボンベから引き出される注入パイプcを、上記注入口1
0a、及び注入口70a,80aに連結したパイプc2
に接続し、その後、液状に流動する発泡ウレタン剤の注
入を行なう。発泡ウレタン剤は、硬化剤と共に、前以て
設定しておいた量を注入する。ちなみに、本実施例で用
いた発泡ウレタン剤は、硬化時間が3分〜5分程度のも
のを使用している。発泡ウレタン剤の注入量は、各袋体
61,67,68を適度に膨張せしめるのに必要な量を
若干上回る程度が適当である。また、発泡ウレタン剤の
注入は、各袋体61,67,68に対して同時に行なっ
ても、若しくは一個ずつ別々に行なってもよいが、どち
らの場合も、発泡ウレタンの硬化が開始されるまでの
間、例えば本実施例の場合、1〜2分の間に注入作業を
済ませる必要がある。
【0040】甲皮1の袋体61の場合、注入口10aか
ら同袋体61内に注入された発泡ウレタン剤は、まず側
面部61aの内部に充填され、該側面部61a内を満た
した後に、連結部61cを通過して反対側の側面部61
bに流れ込む。そして、発泡による体積増加により、発
泡ウレタン剤が側面部61bを隙間なく満たした後、側
面部61b端部の排出口10bから余分な発泡ウレタン
が若干流出する(図9)。
【0041】また、中敷7の袋体67の場合は、中敷7
を靴本体aの外に取り出した状態において、発砲ウレタ
ン剤の注入を行なう(図8)。注入口70aから袋体6
7内に注入された発泡ウレタン剤は、袋体67内部の爪
先側に充填され、徐々に袋体67内を満たした後に、履
き口a2側の排出口70bから余分な発泡ウレタンが若
干流出する。排出口70bから流出した発泡ウレタン
は、パイプc2を通過して外部へ排出される。上記した
如く、発泡ウレタン剤を注入した後、パイプc2を取り
外し、注入口70a及び排出口70bに栓12を装着し
た状態で、中敷7を靴本体a内に入れて、中底2上に装
着する。尚、中敷7を靴本体内a内に入れた状態で発泡
ウレタン剤を注入してもよい。さらに、舌片8の袋体6
8は、注入口80aから袋体68内に注入された発泡ウ
レタン剤は、袋体68内部の爪先部側に充填され、徐々
に袋体68内を満たした後に、履き口部a2側の排出口
80bから余分な発泡ウレタンが若干流出する。排出口
70bから流出した発泡ウレタンは、パイプc2を通過
して外部へ排出される。
【0042】上記した如く、各袋体61,67,68内
に夫々所定量の発泡ウレタン剤を注入たならば、各排出
口10b,70b,80bからの発泡ウレタン剤の流出
が落ち着き、袋体61,67,68内の圧力が適度に保
たれたれる。この時点で、注入口10a,70a,80
a及び排出口10b,70b,80bの先端口に栓12
をして発泡ウレタン剤の流出を防止する。また、外部に
流出した発泡ウレタン剤はウエス等で受けて綺麗にふき
取っておく。この状態にて袋体61,67,68は、そ
れぞれ靴本体a内へ向けて若干膨出した状態となる(図
9)。尚、発泡ウレタン剤の注入後の発泡により、袋体
61,67,68の膨張圧力が高すぎる場合は、排出口
10b,70b,80bの先端口に装着した栓12を一
旦引き抜き、発泡ウレタン剤の排出により適度な圧力調
整を行なった後、排出口10b,70b,80bを栓1
2により再び塞いでおく。
【0043】上記した様に各袋体61,67,68内に
注入した発泡ウレタン剤は硬化剤との混合により徐々に
硬化し、注入後約3分〜5分程度かけて徐々に硬化する
が、注入した発泡ウレタン剤が硬化する前に、上記靴本
体a内に足を入れ、開き部a3に対する舌片8の位置、
及び靴紐11の締め付け状態を整えてから、椅子等に座
った状態で靴底に適度な体重をかける。これにより、各
袋体61,67,68に使用者の甲部と足の裏が当接
し、これら袋体61,67,68の当接面を、足の各部
位の外形を写す形で成形する(図10,図11)。
【0044】上記した作業を行なう際、使用者は、実際
にサッカーシューズを履く場合と同様に、靴下を履いた
状態で靴本体a内に足を入れるのがよい。上記したよう
に、靴本体a内に足を入れてから、発泡ウレタン剤が硬
化するまでの間、使用者はなにもしなくともよいが、好
ましくは、靴本体aの甲部a1,舌片8の上から満遍な
く手を押し当てて、発泡ウレタン剤が各袋体61,6
7,68内の隅々まで充填され、且つ均等に発泡するよ
うに調整しながら、発泡ウレタンの硬化を待つとよい。
【0045】発泡ウレタン剤が完全に硬化したならば、
使用者は靴紐11を緩め、靴本体a内から足を引き抜
く。履き口部a2の甲皮1内面の左右両側部は、袋体6
1内に注入された発泡ウレタン剤の硬化により、微妙に
変化する使用者の足の形態を写した形で成形されている
(図10,図11)。また、靴本体aの中底2上面に敷
設した中敷7は、袋体67内に注入された発泡ウレタン
剤の硬化により、使用者の足の裏の形態、即ち、指や土
踏まずの形態を写した形で凹凸状に成形される(図1
2,図13,図14)舌片8の内側の面は、袋体67内
に注入された発泡ウレタン剤の硬化により、使用者の足
の甲の形態、即ち、甲部の形態を写した形で凹凸状に成
形される。
【0046】さらに、上記舌片8の外側の面は、靴紐1
1と開き部a3口縁部補強皮5bとが食い込んで凹んだ
状態となり、その凹みに靴紐11と開き部a3の口縁部
が嵌合した状態となる。即ち、上記した如く、舌片8の
外側の面に形成された凹部の存在により、開き部a3に
架け渡した靴紐11と舌片8相互、及び舌片8と開き部
a3相互とを、整った位置関係にて安定させることがで
き、これにより、靴紐の捩れや舌片のずれを防止し得
る。
【0047】上記した如く構成したサッカーシューズ
は、各袋体61,67,68により形成された靴本体a
内面の凹凸形状が使用者の足にぴったりとフィットし、
今までのサッカーシューズとは比較にならない程良好な
フィット感が得られる。ちなみに、上記したようにセッ
トアップしたシューズでは、使用者の足を写す形で甲皮
1内面が成形されるため、使用者以外の者が履いても良
好なフィット感を得ることはできない。また、上記した
如く発泡ウレタン剤が硬化する際に、靴本体a内におけ
る足の左右方向の傾き具合を意識的に調整することによ
り、発泡ウレタン剤の硬化後における足の接地具合を矯
正することが可能であり、X脚やO脚に対して調整が可
能となる。また、足の前後方向の傾きを調節することに
より、前傾姿勢を自然と保つ効果、ウエッジ効果を向上
せしめることも可能である。尚、上記したセットアップ
作業は、左右両方のシューズを同時に行なっても、片方
ずつ行なってもよい。
【0048】本発明の運動靴は、以下に説明するように
セットアップしてもよい。このセットアップは、靴本体
a内に使用者の足を入れ(図15)、各袋体61,6
7,68の注入口10a,70a,80aから発泡ウレ
タン剤を注入した後、靴紐11を適度に締め、立ち上が
って体重をかける(図16)。
【0049】発泡ウレタン剤の注入は、同発泡剤の収容
ボンベから引き出される注入パイプ(図示せず)を、上
記注入口10a,70a,80aに連結したパイプc2
に接続し、その後、液状に流動する発泡ウレタン剤の注
入を行なう。発泡ウレタン剤は、硬化剤と共に、前以て
設定しておいた量を注入する。ちなみに、本実施例で用
いた発泡ウレタン剤は、硬化時間が3分程度のものを使
用している。また、発泡ウレタン剤の注入量は、袋体6
1,67,68を適度に膨張せしめるのに必要な量を若
干上回る程度が適当である。
【0050】各袋体61,67,68内に所定量の発泡
ウレタン剤を注入たならば、排出口10b,70b,8
0bからの発泡ウレタン剤の流出が落ち着き、袋体61
内の圧力が適度に保たれた時点で、図10,図11にて
示す場合と同様に、注入口10a,70a,80a及び
排出口10b,70b,80bを栓12により塞いで発
泡ウレタン剤の流出を防止する。
【0051】また、外部に流出した発泡ウレタン剤はウ
エス等で受けて綺麗にふき取っておく。この状態にて袋
体61,67,68は、靴本体a内面と使用者の足との
間で膨張し、靴本体a内面と使用者の足との間に生じる
隙間を略完全に埋める。尚、発泡ウレタン剤の注入後の
発泡により、袋体61,67,68の膨張圧力が高すぎ
る場合は、排出口10b,70b,80bに装着した栓
12を一旦引き抜き、発泡ウレタン剤の排出により適度
な圧力調整を行なった後、排出口10b,70b,80
bを栓12により再び塞いでおく。
【0052】上記した様に袋体61内に注入した発泡ウ
レタン剤は硬化剤との混合により徐々に硬化し、注入後
約3分〜5分程度で完全硬化する。発泡ウレタン剤が硬
化するまでの間、使用者はなにもしなくともよいが、好
ましくは、甲皮1の外側から満遍なく手を押し当てて、
発泡ウレタン剤が各袋体61,67,68内の隅々まで
充填され、且つ均等に発泡するように調整したほうがよ
い。
【0053】発泡ウレタン剤が完全に硬化したならば、
使用者は靴紐11を緩め、靴本体a内から足を引き抜
く。靴本体a履き口部a2の内部は、袋体61,67,
68内に注入された発泡ウレタン剤の硬化により、使用
者の足の形態を写した形で成形される(図12の状
態)。
【0054】尚、上記した実施例において、発泡ウレタ
ン剤を注入した後は、注入口10a,70a,80aと
排出口10b,70b,80bとは必要なくなるので、
夫々付け根付近にて綺麗に切断する(図示せず)。ま
た、上記注入口10a,70a,80aと排出口10
b,70b,80bの付け根部分には、切り取りを簡単
に行なえるように切り溝を周設してもよい。上記実施例
において各袋体61,67,68に設けた注入口10
a,70a,80a及び排出口10b,70b,80b
は、各々の袋体に対して1個ずつ設けたが、これらは、
複数個設けて、注入箇所と排出箇所を任意に選択できる
ように構成してもよい。また、上記実施例は、各袋体6
1,67,68をそれぞれ1気室の気密袋として構成し
たが、上記袋体は複数の気室に分割してもよい。この場
合、各々の袋体に注入口と排出口とを設け、個々の袋体
毎に発泡ウレタン剤の注入を行なうことになる(図示せ
ず)。
【0055】次ぎに、図18乃至図20にて示すサッカ
ーシューズについて説明する。このサッカーシューズ
は、前記したものと同様に構成してあるが、各袋体6
1,67,68を連通部60a,60bにより連通せし
めて構成してある。具体的に、舌片8の袋体68と中敷
7の袋体67とは、甲部中央から爪先部を通過する連通
部60aにより連通せしめてある。また、中敷7の袋体
67と、袋体61の両側面部61a,61bとの間は、
甲皮1と中底2との接合部に設けた連通部60b,60
b’を介して夫々連通してある。即ち、各袋体61,6
7,68は1気室状に連通する。上記した各袋体61,
67,68には、共通する注入口100aと排出口10
0bとを設けてある。注入口100aは、袋体68の履
き口a側の端部に設け、舌片8の表面に突出せしめてあ
る。また、排出口100bは、袋体61の連結部61c
中央に設け、甲皮1踵部中央の上部に突出せしめてあ
る。尚、上記した注入口及び排出口の個数、及び設置箇
所は、発泡ウレタン剤の注入と排出を支障なく行えるな
らば、任意に変更してもよい。
【0056】上記した如く構成したサッカーシューズを
セットアップする際には、注入口100aから発泡ウレ
タン剤を注入するこにより行なう(図19,図20)。
また、セットアップ時には、上記注入口100a,10
0bに、それぞれ発泡ウレタン剤注入用及び排出用のパ
イプc2を接続しておく注入口100aから注入した発
泡ウレタン剤は、舌片8の袋体68を満たした後、連通
部60aを通過して中敷7の袋体67の爪先部に流入
し、該袋体67内に充填される。
【0057】また、袋体67内に充填された発泡ウレタ
ン剤は、左右両側の連通部60b,60b’を通過して
甲皮1の袋体61の両側面部61a,61bに流入す
る。両側面部61a,61bに流入した発泡ウレタン剤
は、連結部61cを通過し、排出口100bから外部へ
流出する(図20)。各袋体61,67,68内に発泡
ウレタン剤が充填されたならば、図10にて示す場合と
同様に、注入口100a及び排出口100bを栓12に
より塞いで発泡ウレタン剤の流出を防止する。
【0058】そして、上記した如く充填した発泡ウレタ
ン剤が硬化する前に、上記靴本体a内に足を入れ、開き
部a3に対する舌片8の位置、及び靴紐11の締め付け
状態を整えてから、椅子等に座った状態で靴底に適度な
体重をかける。これにより、各袋体61,67,68に
使用者の甲部と足の裏が当接し、これら袋体61,6
7,68の当接面は、図10にて示す場合と同様に、足
の各部位の外形を写す形で成形する。即ち、セットアッ
プ作業は、前記した図9,図10にて示したサッカーシ
ューズの場合と同様である。
【0059】各袋体61,67,68内の発泡ウレタン
剤が完全に硬化したならば、靴紐11を緩め、靴本体a
内から足を引き抜く。靴本体a履き口部a2の内部は、
袋体61,67,68内に注入された発泡ウレタン剤の
硬化により、使用者の足の形態を写した形で成形される
(図12の状態)。また、上記注入口100aと排出口
100bとは、付け根付近にて綺麗に切断する。
【0060】上記したサッカーシューズのように、各袋
体61,67,68を連通部60a,60b,60b’
により連通せしめたものにおいては、各袋体61,6
7,68に対する樹脂の注入を一度に行うことができる
と共に、注入口と排出口とを夫々1個ずつ設けるだけで
よいので、手間のかかる注入口,排出口の取付作業を削
減することができる。尚、上記した連通部60a,60
b,60b’は、各袋体61,67,68と同じウレタ
ンシートを用いて構成したが、各連通部60a,60
b,60b’は、パイプ等により構成してもよい(図示
せず)。また、各袋体61,67,68を連通する連通
部の位置や形状等は任意に変更してもよい。さらに、上
記連通部60a,60b,60b’は何れか2つを用い
ることにより、3個中2個の袋体61,67,68同士
を連通せしめてもよい。
【0061】図18,図19にて示したサッカーシュー
ズのセットアップは、図15にて示したものと同様に、
靴本体a内に足を入れてから、発泡ウレタン樹脂剤の注
入を行ってもよい。即ち、このセットアップ作業は、靴
本体a内に使用者の足を入れ、さらに靴紐11を適度に
締めてから、立ち上がって体重をかける(図21)。そ
して、この状態を維持しつつ、注入口101aから発泡
ウレタン剤を注入するこにより行なう。注入口100a
から注入した発泡ウレタン剤は、前述した経路を通過し
て各袋体61,67,68内に隙間なく充填され、余剰
分が排出口100bから流出する。
【0062】各袋体61,67,68内に発泡ウレタン
剤を注入たならば、図10にて示す場合と同様に、注入
口100a及び排出口100bを栓12により塞いで発
泡ウレタン剤の流出を防止する。上記状態にて袋体6
1,67,68は、靴本体a内面と使用者の足との間で
膨張し、靴本体a内面と使用者の足との間に生じる隙間
を略完全に埋める。発泡ウレタン剤が完全に硬化したな
らば、使用者は靴紐11を緩め、靴本体a内から足を引
き抜く。靴本体a履き口部a2の内部は、袋体61,6
7,68内に注入された発泡ウレタン剤の硬化により、
使用者の足の形態を写した形で成形される(図12の状
態)。また、上記注入口100aと排出口100bは、
不要となるので、付け根付近にて綺麗に切断する。
【0063】上記した各実施例は、甲皮1と中敷7と舌
片8の各部位に、夫々袋体61,67,68を設けるこ
とにより構成した。しかし、本発明の主旨によれば、上
記袋体は、靴本体aを構成する甲皮1の内側、及び中底
2の上、及び舌片8、の何れか2箇所以上の部位に沿っ
て設ければよい。例えば、図17にて示すように、舌片
8と中敷7の2箇所に、袋体68,67を設けて構成し
ても、若しくは、甲皮1と舌片8の2箇所に袋体61,
68を設けて構成してもよい(図示せず)。
【0064】尚、上記袋体61,67,68の配置箇所
や形状は上記したものに限定するものではなく、甲皮の
内側、中底の上側、舌片に沿う形であれば任意に変更し
てもよい。上記袋体内に注入する発泡樹脂剤は、適度な
硬化特性を有するものであれば、発泡ウレタン剤以外の
ものを用いてもよい。また、本発明はサッカーシューズ
以外の運動靴、例えばバスケットシューズやテニスシュ
ーズ等に対しても同様に実施することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の運動靴
は、靴本体における甲皮の内側、及び中底の上、及び舌
片、の何れか2箇所以上の部位に沿って、気密構造の袋
体を設け、各袋体の注入口から発泡樹脂剤を注入し、該
発泡樹脂剤が硬化する前に上記靴本体の内部に使用者の
足を入れ、上記各袋体に使用者の足を当接しつつ、同袋
体内の発泡樹脂剤を硬化せしめるように構成したもので
あるから、靴本体の甲皮内面、及び中底、及び舌片、の
何れか2箇所以上の形状を、使用者自身の足の形状にぴ
ったりと一致させて正確に成形することができる。これ
により、上記靴本体内部の複数部位と、足との間に生じ
る隙間を過不足無く、広く且つ完全に埋めることが可能
となり、全ての使用者に対して、今までにない、良質な
フィット感を実現することができる。また、激しい動き
であっても、靴と足との間にずれが生じることがなくな
る。例えば、サッカーシューズに採用した場合などは、
急激な方向転換等も足に無理な負荷をかけることなく自
然と行なうことができ、さらに、より正確なボールコン
トロールも可能となる。さらに、袋体内に注入した発砲
ウレタン剤が硬化する際において、靴本体a内における
足の左右方向の傾き具合を意識的に調整することによれ
ば、足の接地具合を矯正してX脚やO脚に対する調整が
可能となる。また、同様な方法により、足の前後方向の
傾きを調節することにより、前傾姿勢を自然と保つよう
な効果、所謂ウエッジ効果を向上せしめることも可能で
ある。
【0066】請求項2記載の運動靴は、靴本体における
甲皮の内側、及び中底の上、及び舌片、の何れか2箇所
以上の部位に沿って、気密構造の袋体を設け、上記靴本
体内に使用者の足を入れた状態にて、各袋体の注入口か
ら発泡樹脂剤を注入し、各部位の袋体を使用者の足との
間で膨張せしめた状態にて、上記発泡樹脂剤を硬化する
ように構成したものであるから、前記した請求項1記載
の運動靴と同様に、靴本体の甲皮内面、及び中底、及び
舌片、の何れか2箇所以上の形状を、使用者の足の形状
にぴったりと一致させて正確に成形することができる。
これにより、上記靴本体内部の複数部位と、足との間に
生じる隙間を過不足無く、広く且つ完全に埋めることが
可能となり、靴を履いた際に、今までにない、良質なフ
ィット感を実現することができる。また、激しい動きで
あっても、靴と足との間にずれを生じることがなく、例
えば、サッカーシューズに採用した場合などは、急激な
方向転換等も足に無理な負荷をかけることなく自然と行
なうことができ、さらに、より正確なボールコントロー
ルも可能となる。さらに、袋体内に注入した発砲ウレタ
ン剤が硬化する際において、靴本体a内における足の左
右方向の傾き具合を意識的に調整することによれば、足
の接地具合を矯正してX脚やO脚に対する調整が可能と
なる。また、同様な方法により、足の前後方向の傾きを
調節することにより、前傾姿勢を自然と保つような効
果、所謂ウエッジ効果を向上せしめることも可能であ
る。
【0067】請求項3記載の運動靴にあっては、袋体の
中の一つを、甲皮内面と、該甲皮の内側に被装した内装
布との間に設けて成るものであるから、甲皮内面と内装
布との間にて袋体を確実に保持することができ、さら
に、使用者の足に触れる袋体の内面や、袋体と甲皮内面
との境目等を内装布にて覆うことができるので、靴本体
内に足を入れた際の感触もよい。
【0068】請求項4記載の運動靴にあっては、袋体の
中の一つを、中底上に敷設する中敷の内部、若しくは同
中敷と中底との間に装着して成るものであるから、中敷
を利用して袋体の保持を確実に行なえると共に、中敷に
て袋体表面を覆うことができるので、靴本体内に足を入
れた際の感触もよい。
【0069】請求項5記載の運動靴にあっては、上記運
動靴の袋体の中の一つを、舌片の内部に装着したもので
あるから、舌片を利用して袋体を確実に保持することが
できる共に、袋体を舌片により完全に被覆することがで
きるので、見た目もよく、靴本体内に足を入れた際の感
触もよい。
【0070】請求項6記載の運動靴にあっては、上記袋
体を、2枚の熱可塑性合成樹脂製シートを重ね合わせ、
これらの外周部を熱溶着して構成したものであるから、
外形が複雑な形状の袋体であっても簡単に製造すること
ができ、さらに成形型を用いて袋体を製造する場合と比
較すると、形状の変更にも容易に対応することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施したサッカーシューズを示す
縦断側面図。
【図2】 同サッカーシューズの履き口部を示す縦断
面正面図。
【図3】 同サッカーシューズを一部切欠して示す斜
視図。
【図4】 展開状態の甲皮部袋体を示す正面図。
【図5】 展開状態の中底部袋体を示す正面図。
【図6】 展開状態の舌片部袋体を示す正面図。
【図7】 (a)は図6におけるVII-VII 線断面図、
(b)は舌片部袋体の排気口部分を示す縦断面図。
【図8】 発泡剤の充填を開始した状態のサッカーシ
ューズを示す斜視図。
【図9】 発泡剤の充填を開始した状態のサッカーシ
ューズを示す縦断面図。
【図10】 発泡剤の充填が終了した状態のサッカー
シューズを示す縦断側面面図。
【図11】 同サッカーシューズの縦断正面図。
【図12】 各袋体の注入口と排出口とを切断した状
態のサッカーシューズを一部切欠して示す斜視図。
【図13】 発泡剤が効果した状態の中敷を示す斜視
図。
【図14】 同中敷の平面図。
【図15】 発泡剤の注入前に足を入れた状態のサッ
カーシューズを示す縦断面図。
【図16】 靴本体内に足を入れた後に発泡剤を注入
した状態のサッカーシューズを示す縦断面図。
【図17】 舌片と中敷の2箇所に袋体を設けたサッ
カーシューズを示す縦断面図。
【図18】 各袋体を連通して構成したサッカーシュ
ーズを一部切欠して示す斜視図。
【図19】 同サッカーシューズに発泡ウレタン樹脂
剤を注入している状態を示す斜視図。
【図20】 各袋体に発泡ウレタン樹脂剤を充填した
状態のサッカーシューズを示す縦断面図。
【図21】 発泡ウレタン樹脂剤を注入する前に靴本
体内に足を入れた状態のサッカーシューズを示す縦断面
図。
【符号の説明】
a・・・靴本体 1・・・甲皮 2・・・中底 3・・・靴底 7・・・中敷 8・・・舌片 61,67,68・・・袋体 10a,70a,80a,100a・・・注入口 10b,70b,80b,100b・・・排出口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 靴本体を、甲皮と、該甲皮の底面を塞
    ぐ中底と、上記甲皮の甲部に設けた靴紐付き開き部の内
    側に沿って設ける舌片とにより構成し、前記靴本体にお
    ける甲皮の内側、及び中底の上、及び舌片、の何れか2
    箇所以上の部位に沿って、気密構造の袋体を設け、上記
    袋体に、樹脂を注入する注入口と、余剰樹脂を排出する
    排出口とを設け、上記注入口から発泡樹脂剤を注入して
    各袋体に充填し、該発泡樹脂剤が硬化する前に上記靴本
    体の内部に使用者の足を入れ、上記各袋体に使用者の足
    を当接しつつ、同袋体内の発泡樹脂剤を硬化せしめて成
    る運動靴。
  2. 【請求項2】 靴本体を、甲皮と、該甲皮の底面を塞
    ぐ中底と、上記甲皮の甲部に設けた靴紐付き開き部の内
    側に沿って設ける舌片とにより構成し、前記靴本体にお
    ける甲皮の内側、及び中底の上、及び舌片、の何れか2
    箇所以上の部位に沿って、気密構造の袋体を設け、上記
    袋体に、樹脂を注入する注入口と、余剰樹脂を排出する
    排出口とを設け、上記靴本体内に使用者の足を入れた状
    態にて、上記注入口から発泡樹脂剤を注入して各袋体に
    充填し、これら袋体を使用者の足との間で膨張させつ
    つ、同袋体内の発泡樹脂剤を硬化せしめて成る運動靴。
  3. 【請求項3】 袋体の中の一つを、甲皮内面と、該甲
    皮の内側に被装した内装布との間に設けて成る請求項1
    又は2記載の運動靴。
  4. 【請求項4】 袋体の中の一つを、中底上に敷設する
    中敷の内部、若しくは同中敷と中底との間に装着して成
    る請求項1又は2記載の運動靴。
  5. 【請求項5】 袋体の中の一つを、舌片の内部に装着
    して成る請求項1又は2記載の運動靴。
  6. 【請求項6】 上記袋体は、熱可塑性合成樹脂製シー
    トを2枚重ね合わせ、これらの外周部を熱溶着して構成
    した請求項1乃至5の何れか一項記載の運動靴。
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JP2017521187A (ja) * 2014-07-22 2017-08-03 サロモン エス.エー.エス. 改善された構造を有する履物製品

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