JPH1174111A - バルク磁心 - Google Patents

バルク磁心

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JPH1174111A
JPH1174111A JP9233071A JP23307197A JPH1174111A JP H1174111 A JPH1174111 A JP H1174111A JP 9233071 A JP9233071 A JP 9233071A JP 23307197 A JP23307197 A JP 23307197A JP H1174111 A JPH1174111 A JP H1174111A
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bulk
atomic
core
metallic glass
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寿人 小柴
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彰宏 牧野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアロスが小さいバルク磁心を提供する。 【解決手段】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
る過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であり、F
e、Co、Niのうちの1種または2種以上を主成分と
し、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの
1種または2種以上の元素とBを含む軟磁性金属ガラス
合金の粉末を焼結してなる磁心本体3、若しくは前記軟
磁性金属ガラス合金の溶湯を所定の型に流し込んで冷却
固化してなる磁心本体3を備えるバルク磁心1を採用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランス、チョー
クコイル、磁気センサ等に使用される軟磁性金属ガラス
合金を備えたバルク磁心に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、トランスやチョークコイル、磁気
センサなどの磁心材料として、50%Ni−Feパーマ
ロイ磁心や、80%Ni−Feパーマロイ磁心、ケイ素
鋼が用いられてきた。しかし、これらの磁性材料からな
る磁心は、特に高周波帯域におけるコアロスが大きく、
数10kHz以上の周波数帯域では磁心の温度上昇が激
しく、使用が困難であるという課題があった。
【0003】そこで最近では、コアロスが小さく角形比
が高いCo基アモルファス合金の薄帯、若しくは飽和磁
束密度と最大透磁率が高いFe基アモルファス合金の薄
帯を、トロイダル状に巻回してなる磁心本体や、所定の
形状に打ち抜いたものを積層してなる磁心本体を備えた
積層磁心が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の薄帯
を巻回、若しくは積層する際には、薄帯の表面の凹凸の
ために、隣り合う薄帯の間に3μm程度の隙間が生じ
る。このようにアモルファス合金の薄帯を積層してなる
磁心においては、薄帯間の隙間への漏れ磁束が大きいた
めに、コアロスが大きくなるという課題があった。ま
た、上述の薄帯を粉砕して得た原料粉末を焼結してバル
ク状に固化形成する方法が開発されているが、焼結の際
に原料粉末が結晶化しないように比較的低温で焼結しな
ければならないため、高密度の磁心が得られず、コアロ
スが大きくなってしまうという課題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、コアロスが小さいバルク磁心を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明のバルク
磁心は、Fe、Co、Niのうちの1種または2種以上
の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、
Ti、Vのうちの1種または2種以上の元素とBを含
み、ΔTx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表される過冷
却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁性金属
ガラス合金の粉末が焼結されてなる磁心本体を備えるこ
とを特徴とする。また、本発明のバルク磁心は、先に記
載のバルク磁心であって、前記軟磁性金属ガラス合金の
粉末が、放電プラズマ焼結法により、昇温速度10℃/
分以上で昇温して焼結されてなる磁心本体を備えること
を特徴とする。更に、本発明において、前記組成に対し
てZrまたはHfを必ず含み、ΔTxが25K以上であ
ることを特徴とするものであっても良い。更にまた、本
発明のバルク磁心は、先に記載の軟磁性金属ガラス合金
の溶湯が冷却固化されてなる磁心本体を備えることを特
徴とする。
【0007】本発明のバルク磁心は、先に記載のバルク
磁心であって、前記軟磁性金属ガラス合金が、ΔTxが
60K以上であり、下記の組成で表されるものであるこ
とを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であ
り、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのう
ちの1種または2種以上からなる元素である。また、本
発明は、前記(Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy
る組成式において0.042≦a≦0.29、0.042
≦b≦0.43の関係にされてなることを特徴とするも
のでも良い。
【0008】また、本発明のバルク磁心は、先に記載の
バルク磁心であって、前記軟磁性金属ガラス合金が、Δ
Txが60K以上であり、下記の組成で表されるもので
あることを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原
子%≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、H
f、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上からな
る元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種また
は2種以上からなる元素である。また、本発明は、前記
(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyzなる組成
式において0.042≦a≦0.29、0.042≦b≦
0.43の関係にされてなるものでも良い。
【0009】次に、本発明のバルク磁心は、前記元素M
が(M'1-cM"c)で表され、M'はZrまたはHfのう
ちの1種または2種であり、M"はNb、Ta、Mo、
Ti、Vのうちの1種または2種以上からなる元素であ
り、0≦c≦0.6であることを特徴とするものでも良
い。更に、前記軟磁性金属ガラス合金の前記組成におい
て、cが0.2≦c≦0.4の範囲であることを特徴とす
るものでも良く、前記cが0≦c≦0.2の範囲である
ことを特徴としても良い。更に、本発明のバルク磁心
は、前記軟磁性金属ガラス合金の前記組成において、a
が0.042≦a≦0.25、bが0.042≦b≦0.1
であることを特徴としても良い。本発明のバルク磁心
は、前記軟磁性金属ガラス合金に427〜627℃で熱
処理が施されてなることを特徴とするものでも良い。更
に、前記軟磁性金属ガラス合金の前記組成において元素
Bの50%以下をCで置換しても良い。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明に係るバルク磁心は、例え
ば円環形状で実現される。このような円環形状のバルク
磁心は、後述する軟磁性金属ガラス合金の粉末を焼結し
て成形することにより磁心本体を形成するか、または、
軟磁性金属ガラス合金の溶湯を所定の型に流し込み、冷
却固化して磁心本体を形成し、これら磁心本体を例えば
エポキシ系の樹脂で樹脂被覆するか樹脂ケースに封入し
て絶縁保護することにより、バルク磁心が得られる。
【0011】また、EIコア型のバルク磁心を実現する
ためには、軟磁性金属ガラス合金の粉末を焼結して成形
することによりE型コアとI型コアとを作成し、それら
を接合することで磁心本体を形成する。このような磁心
本体を、例えばエポキシ系の樹脂で必要部分を樹脂被覆
するか樹脂ケースに封入して必要部分を絶縁保護するこ
とにより、EIコア型のバルク磁心が得られる。
【0012】図1は、円環形状のバルク磁心の一例を示
すもので、このバルク磁心1は、樹脂製の中空円環状の
磁心本体収納ケース2の内部に、後述する軟磁性金属ガ
ラス合金の粉末を焼結、若しくは、軟磁性金属ガラス合
金の溶湯を所定の型に流し込んで冷却固化して得られた
磁心本体3が収納されてなる。磁心本体収納ケース2
は、例えばポリアセタール樹脂、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂等の樹脂を好ましく用いて形成される。ま
た、磁心本体収納ケース2の底面2a上の2カ所には、
磁心本体3と磁心本体収納ケース2とを安定して固定す
るための接着部材4が塗布されている。接着部材を塗布
する位置の数は2〜4カ所の範囲とするのが好ましい。
接着部材4としては、エポキシ樹脂、シリコンゴム等が
用いられる。
【0013】次に、本発明に係るバルク磁心1をプラズ
マ焼結法によって製造する方法を説明する。図2は本発
明に係るバルク磁心1を製造するために用いて好適な放
電プラズマ焼結装置の一例の要部を示すもので、この例
の放電プラズマ焼結装置は、筒型のダイ11と、このダ
イ11の内部に挿入される上パンチ12および下パンチ
13と、下パンチ13を支え、後述するパルス電流を流
す際の一方の電極ともなるパンチ電極14と、上パンチ
12を下側に押圧し、パルス電流を流す他方の電極とな
るパンチ電極15と、上下のパンチ12、13に挟まれ
た原料粉末16の温度を測定する熱電対17を主体とし
て構成されている。上述の上パンチ12及び下パンチ1
3のそれぞれが相互に対向する面には、得ようとする磁
心本体の形状に対応した型が形成されている。更に、上
述の放電プラズマ焼結装置の要部は、図示しないチャン
バ内に収納されている。このチャンバは図示略の真空排
気装置および雰囲気ガスの供給装置に接続されていて、
上下のパンチ12、13の間に充填される原料粉末(粉
粒体)16を不活性ガス雰囲気などの所望の雰囲気下に
保持できるように構成されている。
【0014】前記構成の放電プラズマ焼結装置を用いて
バルク磁心1を製造するには、成型用の原料粉末を用意
する。この原料粉末16は、後述する所定組成の軟磁性
金属ガラス合金を、溶製してから鋳造法により、あるい
は単ロールもしくは双ロールによる急冷法によって、さ
らには液中紡糸法や溶液抽出法によって、あるいは高圧
ガス噴霧法によって、バルク状、リボン状、線状体、粉
末等の種々の形状として製造する工程と、粉末状以外の
ものは粉砕して粉末化する工程により得られる。
【0015】本発明において用いる軟磁性金属ガラス合
金は、合金の過冷却液体の温度間隔ΔTxが、20K以
上、組成によっては40K以上、さらには50K以上と
いう顕著な温度間隔を有し、これまでの知見から知られ
る他の合金からは全く予期されないものである。しか
も、軟磁性についても室温で優れた特性を有しており、
これまでの知見に見られない全く新規なものである。
【0016】本発明に係る軟磁性金属ガラス合金の1つ
は、Fe、Co、Niのうちの1種又は2種以上を主成
分とし、これにZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、
Vのうちの1種または2種以上とBを所定量添加した成
分系で実現される。本発明に係る軟磁性金属ガラス合金
の1つは、一般式においては、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy で表記することができ、この一般式において、0≦a≦
0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子
%、10原子%≦y≦22原子%なる関係が好ましく、
MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの
1種又は2種以上からなる元素である。更に前記の成分
系において、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは、結晶化開
始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
る過冷却液体領域の温度間隔ΔTxが20K以上である
ことを必要とする。前記の組成系において、Zrまたは
Hfを必ず含み、ΔTxが25K以上であることが好ま
しい。また、前記の組成系において、ΔTxが60K以
上であることがより好ましい。 更に、前記(Fe
1-a-bCoaNib100-x-yxyなる組成式において
0.042≦a≦0.29、0.042≦b≦0.43の関
係にされてなることが好ましい。
【0017】次に本発明に係る他の軟磁性金属ガラス合
金は、一般式においては、(Fe1-a-bCoaNib
100-x-y-zxyzで表記され、この一般式において、
0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦2
0原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦
5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、
Ti、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素、Tは
Cr、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、A
l、Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の元
素である。また、本発明は、前記(Fe1-a-bCoaNi
b100-x -y-zxyzなる組成式において0.042≦
a≦0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされて
なるものでも良い。
【0018】次に、前記元素Mが(M'1-cM"c)で表さ
れ、M'はZrまたはHfの1種または2種であり、M"
はNb、Ta、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種
以上からなる元素であり、0≦c≦0.6であることを
特徴とするものでも良い。更に、前記組成においてcが
0.2≦c≦0.4の範囲であることを特徴とするもので
も良く、前記cが0≦c≦0.2の範囲であることを特
徴としても良い。更に本発明において、0.042≦a
≦0.25、0.042≦b≦0.1であることを特徴と
しても良い。本発明において、軟磁性金属ガラス合金に
427℃(700K)〜627℃(900K)で熱処理
が施されてなることを特徴とするものでも良い。この範
囲の温度で熱処理がなされたものは、高い透磁率を示
す。また、前記の組成において原子Bの50%以下をC
で置換しても良い。
【0019】「組成限定理由」本発明組成系において、
主成分であるFeとCoとNiは、磁性を担う元素であ
り、高い飽和磁束密度と優れた軟磁気特性を得るために
重要である。具体的には、50K〜60KのΔTxを確
実に得るためには、Coの組成比を示すaの値を0≦a
≦0.29、Niの組成比を示すbの値を0≦b≦0.4
3の範囲、60K以上のΔTxを確実に得るためには、
Coの組成比を示すaの値を0.042≦a≦0.29、
Niの組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.43の
範囲とすることが好ましい。また、前記の範囲内におい
て、良好な軟磁気特性を得るためには、Coの組成比を
示すaの値を0.042≦a≦0.25の範囲とすること
が好ましく、高い飽和磁束密度を得るためには、Niの
組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.1の範囲とす
ることがより好ましい。
【0020】MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、T
i、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
これらはアモルファスを生成させるために有効な元素で
あり、5原子%以上、20原子%以下の範囲であると良
い。更に、高い磁気特性を得るためには、より好ましく
は5原子%以上、15原子%以下にすると良い。これら
元素Mのうち、特にZrが有効である。Zrは、その一
部をNb等の元素と置換することができるが、置換する
場合の組成比cは、0≦c≦0.6の範囲であると、高
いΔTxを得ることができるが、特にΔTxを80以上と
するには0.2≦c≦0.4の範囲が好ましい。
【0021】Bは、高いアモルファス形成能があり、本
発明では10原子%以上、22原子%以下の範囲で添加
する。Bが10原子%未満であると、ΔTxが消滅し、
高密度な磁心本体3が得られなくなるので好ましくな
く、22原子%よりも大きくなると脆くなるために好ま
しくない。より高いアモルファス形成能と良好な磁気特
性を得るためには、16原子%以上、20原子%以下と
することがより好ましい。
【0022】前記の組成系に更に、Tで示される、C
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の元素を
添加することもできる。本発明ではこれらの元素を0原
子%以上、5原子%以下の範囲で添加することができ
る。これらの元素は主に耐食性を向上させる目的で添加
するもので、この範囲を外れると、軟磁気特性が低下す
る。また、この範囲を外れるとアモルファス形成能が劣
化するために好ましくない。
【0023】本発明で用いられる前記の組成の軟磁性金
属ガラス合金は、室温において磁性を有し、また、熱処
理により、より良好な磁性を示すものである。なお、軟
磁性金属ガラス合金の製造方法について付言すると、合
金の組成、そして製造のための手段と製品の大きさ、形
状等によって、好適な冷却速度が決まるが、通常は10
2〜106K/s程度の範囲を目安とすることができる。
【0024】次に、前記組成の原料粉末16を用意した
ならばこれを図2に示す放電プラズマ焼結装置の上下の
パンチ12、13の間に投入し、チャンバの内部を真空
引きするとともに、パンチ12、13で上下から圧力を
加えて成形すると同時に、例えば図3に示すようなパル
ス電流を原料粉末に印加して加熱し、所望の形状の磁心
本体3に形成する。この放電プラズマ焼結処理において
は、通電電流により原料粉末16を所定の速度で素早く
昇温することができ、また、通電電流の値に応じて原料
粉末16の温度を厳格に管理できるので、ヒータによる
加熱などよりも遥かに正確に温度管理ができ、これによ
り予め設計した通りの理想に近い条件で焼結ができる。
【0025】本発明において、焼結温度は、原料粉末1
6を固化成形するために300℃以上とすることが必要
であるが、原料粉末16として用いられる軟磁性金属ガ
ラス合金は、大きな過冷却液体の温度間隔ΔTx(Tx
g)を有しているので、この温度領域で加圧焼結する
ことによって、高密度の磁心本体3を好ましく得ること
ができる。ただし、焼結温度が結晶化開始温度に近い
と、結晶核の生成開始(構造的短範囲秩序化)や結晶析
出開始による磁気異方性を生じるので軟磁性特性が劣化
するおそれがある。また、放電プラズマ焼結装置の機構
上、モニターされる焼結温度はダイ11に設置されてい
る熱電対17の温度であるため、原料粉末16にかかる
温度よりも低い温度である。したがって、本発明におけ
る焼結温度は、結晶化開始温度をTx、焼結温度をTと
した場合、好ましくはT≦Txの範囲とされる。
【0026】本発明において、焼結を行う際の昇温速度
は、ゆっくりとした昇温速度では結晶相が生成するた
め、10℃/分以上とするのが好ましい。また焼結の際
の圧力については、加圧力が低すぎると磁心本体を形成
できないため、3t/cm2以上とするのが好ましい。
さらに、得られた磁心本体3に熱処理を施してもよく、
これにより磁気特性を高めることができる。このときの
熱処理温度はキュリー温度以上であり、かつ磁気特性を
劣化させる結晶が析出する温度以下とされ、具体的には
427〜627℃の範囲が好ましく、より好ましくは4
77〜527℃とされる。
【0027】このようにして得られた磁心本体3は、原
料粉末16として用いられた軟磁性金属ガラス合金と同
じ組成を有するものであるから、室温で優れた軟磁性特
性を有し、また熱処理により、より良好な磁性を示すも
のである。このため、この磁心本体3からなるバルク磁
心1は、優れたSoft magnetic特性(軟磁気特性)を有
するので、トランスの磁心、チョークコイルの磁心、更
には、磁気センサの磁心等に広く適用することができ、
従来材に比べて優れた特性の磁心を得ることができる。
【0028】尚、上記説明では、軟磁性金属ガラス合金
からなる原料粉末16を放電プラズマ焼結により成形す
る方法を用いたが、これに限らず、押し出し法などの方
法により加圧焼結することによってもバルク状の磁心本
体3を得ることができる。
【0029】更に、本発明のバルク磁心1は、前記軟磁
性金属ガラス合金の溶湯を、所定の型に流し込み、冷却
固化することによって得られた磁心本体3を備えること
によっても得ることができる。軟磁性金属ガラス合金の
溶湯は、Fe、Co、Ni、Zrの単体純金属と、純ボ
ロン結晶等を原料としてそれぞれ所定量秤量した後、減
圧Ar雰囲気下においてこれらの原料を例えば高周波誘
導加熱装置、アーク炉、るつぼ炉、反射炉等によって溶
解することにより得られる。次に、得られた合金溶湯
を、所定の形状の型に流し込んで徐冷して固化すること
により、所望の形状の磁心本体3が得られる。このよう
にして得られた磁心本体3は、合金粉末を焼結して得ら
れた磁心本体と同様に、高い密度と優れた軟磁気特性を
有するので、トランス、チョークコイル、磁気センサ等
の磁心として用いることができる。
【0030】上述のバルク磁心1は、ΔTx=Tx−Tg
(ただしTxは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を
示す。)の式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTx
20K以上である軟磁性金属ガラス合金の粉末が、プラ
ズマ焼結法によって焼結されることにより、密度の高い
バルク状の磁心本体3を得ることができるので、コアロ
スを小さくすることができる。また、上述のバルク磁心
1においては、焼結温度が、結晶化開始温度をTx、焼
結温度をTとした場合にT≦Txの関係を満足する温度
範囲の中で任意に選ばれ、原料である軟磁性金属ガラス
合金と同じ組成を有し、高い飽和磁束密度を有し、優れ
た透磁率を有する磁心本体3を得ることができるので、
コアロスを小さくすることができる。更に、焼結して成
形された磁心本体3を熱処理することにより、更に高い
飽和磁束密度と、優れた透磁率を発揮させることができ
る。
【0031】また、上述のバルク磁心1においては、プ
ラズマ焼結法のみならず、合金溶湯を冷却固化するいわ
ゆる鋳造法によっても磁心本体3が得られるので、バル
ク磁心1の製造コストを低くすることができる。
【0032】また、本発明の軟磁性金属ガラス合金は、
Fe、Co、Niのうちの1種または2種以上の元素を
主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、V
のうちの1種または2種以上の元素とBを含み、過冷却
液体の温度間隔ΔTxを大きくすることができるので、
合金粉末を焼結する際に焼結温度を高くすることが可能
となり、より高密度の磁心本体3が得られるので、バル
ク磁心1のコアロスを小さくすることができる。
【0033】また、本発明のバルク磁心1は、ΔTxが
60K以上であり、その組成が以下の一般式で表される
ものであり、透磁率に優れ、保磁力が小さく、軟磁気特
性に優れた軟磁性金属ガラス合金からなる磁心本体3を
備えているので、コアロスを小さくすることができる。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であ
り、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのう
ちの1種または2種以上からなる元素である。または、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原
子%≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、H
f、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上からな
る元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種また
は2種以上からなる元素である。
【0034】
【実施例】
(実施例1)FeとCoとNiとZrの単体純金属と純
ボロン結晶をArガス雰囲気中において混合しアーク溶
解して母合金を製造した。次に、この母合金を石英ノズ
ルで溶解し、アルゴンガス雰囲気中において40m/S
で回転している銅ロールにノズル下端の0.4mm径の
穴から射出圧力0.39×105Paで吹き出して急冷す
る単ロール法を実施することにより、幅0.4〜1m
m、厚さ13〜22μmの金属ガラス合金薄帯の試料を
製造した。得られた試料は、示差走査熱量測定(DS
C)により分析した。
【0035】図4には、各々Fe60Co3Ni7Zr10
20、Fe56Co7Ni7Zr1020、Fe49Co14Ni7
Zr1020、Fe46Co17Ni7Zr1020なる組成の
金属ガラス合金薄帯試料のDSC曲線を示す。これらの
いずれの試料においても、温度を上昇させてゆくことで
広い過冷却液体領域が存在することを確認でき、その過
冷却液体領域を超えて加熱することで結晶化することが
明らかになった。過冷却液体領域の温度間隔ΔTxは、
ΔTx=Tx−Tgの式で表されるが、図4に示すTx−T
gの値はいずれの試料でも60Kを超え、64〜68K
の範囲になっている。過冷却液体領域を示す実質的な平
衡状態は、発熱ピークによる結晶化を示す温度より少し
低い596℃(869K)〜632℃(905K)の広
い範囲で得られた。
【0036】図5は(Fe1-a-bCoaNib70Zr10
20なる組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に対
するFeとCoとNiのそれぞれの含有量依存性を示す
三角組成図である。図5に示す結果から明らかなよう
に、(Fe1-a-bCoaNib70Zr1020なる組成系
の全ての範囲においてΔTxの値は25Kを超えてい
る。また、Tgの値に関し、Coを7原子%程度から5
0原子%程度の範囲で増加させることでTgが単調に増
加することも明らかになった。一方、ΔTxに関し、図
5に示すようにFeを多く含む組成系において大きな値
になっていることがわかり、ΔTxを60K以上にする
には、Co含有量を3原子%以上、20原子%以下、N
i含有量を3原子%以上、30原子%以下にすることが
好ましいことがわかる。なお、(Fe1-a-bCoa
b70Zr1020なる組成式においてCo含有量を3
原子%以上にするには、(Fe1-a-bCoaNib)を7
0原子%とするので、Coの組成比aが0.042以
上、Co含有量を20原子%以下にするには、Coの組
成比aが0.29以下となる。また、同様にNi含有量
を3原子%以上にするにはNiの組成比bが0.042
以上、30原子%以下にするには、Niの組成比bが
0.43以下となる。
【0037】(実施例2)FeとCoとNiとZrとN
bの単体純金属と純ボロン結晶をArガス雰囲気中にお
いて混合しアーク溶解してFe56Co7Ni7Zr4Nb6
20なる組成の母合金を製造した。次に、この母合金を
石英ノズル中で溶解し、アルゴンガス雰囲気中において
回転している銅ロールに合金溶湯を吹き出して急冷する
単ロール法を実施することにより、金属ガラス合金薄帯
の試料を製造した。このとき、ノズル口径、ノズル先端
とロール表面との距離(ギャップ)、ロールの回転数、
射出圧力及び雰囲気圧力等を適当に調整することによ
り、板厚が20〜195μmの合金薄帯が得られた。各
々の試料について、X線回折により分析を行った。結果
を図6に示す。図6から、いずれの試料についても、2
θ=38〜52゜にハローなパターンを有しており、ア
モルファス単相組織を有していることがわかる。
【0038】(実施例3)原子組成比が、Fe56Co7
Ni7Zr10-xNbx20(x=0,2,4,6,8,10原子
%)であること以外は実施例1と同様にして、金属ガラ
ス合金薄帯の試料を製造した。次に、得られた試料を、
527℃(800K)の温度で5分間の熱処理を行っ
た。図7には、作製した試料の飽和磁束密度(Bs)、
保磁力(Hc)、1kHzにおける透磁率(μe)、磁
歪(λs)のNb含有量依存性を示す。飽和磁束密度
(Bs)は、急冷状態および熱処理後の試料ともに、N
bを添加するに従い低下し、Nbを含まない試料が0.
9(T)以上、Nbを2原子%含む試料では約0.75
(T)であった。透磁率(μe)の値は、急冷状態の試
料にあっては、Nbを含まない試料が5031、Nbを
2原子%含む試料が2228であり、Nbを10原子%
含む試料においては906に低下した。しかし、熱処理
を施すことにより透磁率(μe)は格段に向上し、特に
Nbを2原子%含む試料においては、25000程度の
透磁率(μe)を得ることができる。保磁力(Hc)に
関し、急冷状態の試料にあっては、Nbを含まない試料
とNbを2原子%含む試料はいずれも50A/m(=
0.625 Oe)と低い値であった。特にNbが2原子
%以下の試料は、5A/m(=0.0625 Oe)と非
常に良好な値を示している。熱処理を施すと、Nbを4
原子%以上含む試料においても優れた保磁力(Hc)を
得ることが可能となる。以上のように、この系の合金試
料にあっては、良好な軟磁気特性を得るためには、Nb
は0以上、2原子%以下の範囲がより好ましいことがわ
かる。従って、飽和磁束密度が大きく、保磁力が小さ
く、更に透磁率が高い軟磁性金属ガラス合金を備えたバ
ルク磁心を得ることが可能となり、このバルク磁心を用
いてトランスを作製した場合には、コアロスが小さく、
電力伝達効率に優れたトランスを得ることが可能とな
る。
【0039】(実施例4)原子組成比がFe56Co7
7Zr8Nb220であること以外は実施例1と同様に
して金属ガラス合金の薄帯を得た。次に、得られた薄帯
をローターミルを用いて大気中で粉砕することで粉末化
した。得られた粉末の中で粒径53〜105μmのもの
を選別して後の工程に原料粉末として使用した。約2g
の前記原料粉末をWC製のダイスの内部にハンドプレス
を用いて充填した後、図2に示すダイの内部に装填し、
チャンバの内部を3×10-5torrの雰囲気中で上下
のパンチで加圧するとともに、通電装置から原料粉末に
パルス波を通電して加熱した。パルス波形は図3に示す
ように12パルス流した後で2パルス休止するものと
し、最高4700〜4800Aの電流で原料粉末を加熱
した。焼結は、試料に6.5t/cm2の圧力をかけた
状態で室温から焼結温度まで試料を加熱させ、約5分間
保持することにより焼結を行った。昇温速度は100℃
/minとした。得られた焼結体より、図1に示すよう
な、外径10mm、内径6mm、厚さ2mmの中空円筒
状の試料をワイヤー放電加工により作製し、磁心本体を
得た。この磁心本体を、図1に示すようなポリアセター
ル樹脂製の中空円環状の磁心本体収納ケースに収納し
た。このとき、磁心本体収納ケースの底面の2カ所にエ
ポキシ樹脂を塗布して、磁心本体収納ケースと磁心本体
とを固定した。このようにして同様な処理を施した3つ
のバルク磁心を得た。
【0040】本実施例のバルク磁心のコアロスの測定結
果を図8に示す。また、比較例としてケイ素鋼板(Si
3.5%)を積層して得た磁心の動作磁束密度とコアロ
スと関係を図8に示す。図8から明らかなように、本実
施例及び比較例の磁心は、動作磁束密度の上昇とともに
コアロスが増加するが、3つの実施例のバルク磁心は、
いずれも比較例の磁心よりも測定した動作磁束密度の範
囲内において常にコアロスが小さいことがわかる。
【0041】なお、この発明は、以上の例によって何ら
限定されるものではなく、その組成、製造方法、熱処理
条件、形状等について様々な態様が可能であることは勿
論である。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
バルク磁心1は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化
開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表さ
れる過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である軟
磁性金属ガラス合金の粉末が、プラズマ焼結法によって
焼結されることにより、密度の高いバルク状の磁心本体
を得ることができるので、コアロスを小さくすることが
できる。また、本発明のバルク磁心においては、プラズ
マ焼結法のみならず、合金溶湯を冷却固化するいわゆる
鋳造法によっても磁心本体が得られるので、磁心本体の
密度を高くしてコアロスを小さくすると共に、バルク磁
心の製造コストを低くすることができる。
【0043】また、本発明の軟磁性金属ガラス合金は、
Fe、Co、Niのうちの1種または2種以上の元素を
主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、V
のうちの1種または2種以上の元素とBを含み、過冷却
液体の温度間隔ΔTxを大きくすることができるので、
合金粉末を焼結する際に焼結温度を高くすることが可能
となり、より高密度の磁心本体が得られるので、バルク
磁心のコアロスを小さくすることができる。また、本発
明のバルク磁心は、ΔTxが60K以上であり、その組
成が以下の一般式で表されるものであり、透磁率に優
れ、保磁力が小さく、飽和磁束密度が高く、軟磁気特性
に優れた軟磁性金属ガラス合金からなる磁心本体を備え
ているので、コアロスを小さくすることができる。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であ
り、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのう
ちの1種または2種以上からなる元素である。または、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原
子%≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、H
f、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上からな
る元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、I
r、Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種また
は2種以上からなる元素である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態であるバルク磁心を示す
分解図である。
【図2】 本発明の実施の形態であるバルク磁心を製造
するために用いる放電プラズマ焼結装置の一例の要部構
造を示す断面図である。
【図3】 図2に示す放電プラズマ焼結装置で原料粉末
に印加するパルス電流波形の一例を示す図である。
【図4】 Fe60Co3Ni7Zr1020、Fe56Co7
Ni7Zr1020、Fe49Co14Ni7Zr1020、Fe
46Co17Ni7Zr1020なる各組成の金属ガラス合金
薄帯試料のDSC曲線を示す図である。
【図5】 (Fe1-a-bCoaNib70Zr1020なる
組成系におけるΔTx(=Tx−Tg)の値に対するFe
とCoとNiのそれぞれの含有量依存性を示す三角組成
図である。
【図6】 Fe56Co7Ni7Zr4Nb620なる組成の
急冷薄帯の種々の板厚におけるX線回折パターンを示す
図である。
【図7】 Fe56Co7Ni7Zr10-xNbx20(x=
0,2,4,6,8,10原子%)なる組成の試料の飽和磁
束密度(Bs)、保磁力(Hc)、1kHzにおける透
磁率(μe)、磁歪(λs)のNb含有量依存性を示す
図である。
【図8】 Fe56Co7Ni7Zr8Nb220なる組成の
磁心本体から作製したバルク磁心のコアロスを示す図で
ある。
【符号の説明】
1 バルク磁心 2 磁心本体収納ケース 3 磁心本体 4 接着部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01F 27/24 H01F 27/24 C (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe、Co、Niのうちの1種または2
    種以上の元素を主成分とし、Zr、Nb、Ta、Hf、
    Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上の元素とB
    を含み、ΔTx=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始
    温度、Tgはガラス遷移温度を示す)の式で表される過
    冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である軟磁性金
    属ガラス合金の粉末が焼結されてなる磁心本体を備える
    ことを特徴とするバルク磁心。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のバルク磁心であって、
    前記Fe基軟磁性金属ガラス合金の粉末が、放電プラズ
    マ焼結法により、昇温速度10℃/分以上で昇温して焼
    結されてなる磁心本体を備えることを特徴とするバルク
    磁心。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の軟磁性金属ガラス合金
    の溶湯が冷却固化されてなる磁心本体を備えることを特
    徴とするバルク磁心。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のバルク
    磁心であって、前記軟磁性金属ガラス合金が、ΔTxが
    60K以上であり、下記の組成で表されるものであるこ
    とを特徴とするバルク磁心。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
    ≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%であ
    り、MはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのう
    ちの1種または2種以上からなる元素である。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のバルク
    磁心であって、前記軟磁性金属ガラス合金が、ΔTxが
    60K以上であり、下記の組成で表されるものであるこ
    とを特徴とするバルク磁心。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、5原子%
    ≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子%、0原
    子%≦z≦5原子%であり、MはZr、Nb、Ta、H
    f、Mo、Ti、Vのうちの1種または2種以上からな
    る元素、TはCr、W、Ru、Rh、Pd、Os、I
    r、Pt、Al、Si、Ge、C、Pのうちの1種また
    は2種以上からなる元素である。
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EP98306516A EP0899753B1 (en) 1997-08-28 1998-08-14 Magnetic cores of bulky and laminated types
DE69810551T DE69810551T2 (de) 1997-08-28 1998-08-14 Magnetkerne von körper oder laminiertes Typ
KR1019980034419A KR100311922B1 (ko) 1997-08-28 1998-08-25 벌크자심및적층자심

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007281217A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Seiko Epson Corp 磁心
US7622011B2 (en) 2002-12-25 2009-11-24 Japan Science And Technology Agency Spherical particles of Fe base metallic glass alloy, Fe base sintered alloy soft magnetic material in bulk form produced by sintering the same, and method for their production

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