JP2000119826A - 非晶質軟磁性合金射出成形体及び磁気部品及び非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法及び非晶質軟磁性合金射出成形体の成形金型 - Google Patents

非晶質軟磁性合金射出成形体及び磁気部品及び非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法及び非晶質軟磁性合金射出成形体の成形金型

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JP2000119826A
JP2000119826A JP1249099A JP1249099A JP2000119826A JP 2000119826 A JP2000119826 A JP 2000119826A JP 1249099 A JP1249099 A JP 1249099A JP 1249099 A JP1249099 A JP 1249099A JP 2000119826 A JP2000119826 A JP 2000119826A
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cavity
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amorphous soft
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Kazusato Igarashi
一聡 五十嵐
Shoji Yoshida
昌二 吉田
Takao Mizushima
隆夫 水嶋
Teruhiro Makino
彰宏 牧野
Akihisa Inoue
明久 井上
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟磁気特性に優れて形状が大きい非晶質軟磁
性合金射出成形体を提供し、また、非晶質軟磁性合金射
出成形体からなる磁性部品を提供し、更に、非晶質軟磁
性合金射出成形体の製造方法を提供する。 【解決手段】ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始
温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される
過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガ
ラス合金の溶湯が、成形金型21のキャビティ22に射
出されて成形されてなることを特徴とする非晶質軟磁性
合金射出成形体11及びその製造方法を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非晶質軟磁性合金
射出成形体及び磁気部品及び非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トランスやチョークコイル、磁気センサ
などに用いられる磁気部品として、コアロスが小さく角
形比が高いCo基非晶質軟磁性合金の薄帯、若しくは飽
和磁束密度と最大透磁率が高いFe基非晶質軟磁性合金
の薄帯を、トロイダル状に巻回してなる磁心本体や、所
定の形状に打ち抜いたものを積層してなる磁心本体を備
えた積層磁心が提案されている。
【0003】ところで、上述の薄帯を巻回、若しくは積
層してなる磁心においては、薄帯の表面の凹凸のため
に、隣り合う薄帯の間に3μm程度の隙間が生じて、こ
の隙間への漏れ磁束が大きいために、コアロスが大きく
なるという欠点があった。加えて、隙間の存在は磁心に
おける薄帯の占積率を低下させ、磁心が大型化してしま
うという問題を生じさせる。そこで、上述の欠点を解消
するために、薄帯を粉砕して得た原料粉末を焼結してバ
ルク状に固化成形する方法が開発されているが、焼結の
際に原料粉末が結晶化しないように比較的低温で焼結し
なければならないため、高密度の磁心が得られず、コア
ロスが大きくなるという欠点があった。
【0004】そこで、これら非晶質合金の溶湯を所定の
鋳型に充填して固化成形するいわゆる鋳造法により非晶
質軟磁性合金の鋳造体を製造することが検討されてい
る。図15には、従来の非晶質軟磁性合金鋳造体の製造
方法を示す。図15における符号1は非晶質軟磁性合金
の溶湯を射出する溶湯ノズルを示し、符号2は鋳型を示
し、符号3は鋳型2内に形成された略管状のキャビティ
を示し、符号4は鋳型2の表面に漏斗状に形成された湯
口を示す。この非晶質軟磁性合金鋳造体の製造方法は、
非晶質軟磁性合金の溶湯を溶湯ノズル1からキャビティ
4内に充填し、溶湯をキャビティ4内で固化成形するこ
とにより、棒状の非晶質鋳造体を製造するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の非晶質
軟磁性合金鋳造体の製造方法においては、鋳造体の組織
を非晶質相とするために、キャビティに充填した溶湯を
急冷する必要があるが、溶湯が急冷されると溶湯の粘度
が急激に増大して溶湯の流動性が低下し、キャビティへ
溶湯を充填する途中で溶湯が固化してしまい、充分な量
の溶湯をキャビティに充填できなくなって形状の大きな
鋳造体が製造できないという課題があった。上記課題を
解決する手段としては、キャビティの内容積を大きくし
てキャビティ内での溶湯の流れを円滑にすることにより
キャビティに溶湯を充填しやすくすることが有効である
が、この場合には溶湯の急冷が困難になって結晶質相が
析出し、非晶質相を形成することができないという課題
があった。
【0006】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであって、軟磁気特性に優れて形状が大きい
非晶質軟磁性合金射出成形体を提供し、また、非晶質軟
磁性合金射出成形体からなる磁性部品を提供し、更に、
非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は以下の構成を採用した。本発明の非晶質
軟磁性合金射出成形体は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTx
は結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の
式で表される過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上
である金属ガラス合金の溶湯が、成形金型のキャビティ
に射出されて成形されてなることを特徴とする。また、
本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体は、前記溶湯が前
記成形金型内で2以上の方向に分流されて前記キャビテ
ィに射出されて成形されてなることを特徴とする。
【0008】また、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体であっ
て、前記金属ガラス合金が、次の組成で表されるもので
あることを特徴とする。即ち、Al:1〜10原子%、
Ga:0.5〜4原子%、P:15原子%以下、C:7
原子%以下、B:2〜10原子%、Si:15原子%以
下、Fe:残部である。また、上記Siの添加量は、
1.5〜3.5原子%であることが好ましい。また、本
発明のおいて、原子%におけるSiとPの比率を0.1
1≦Si/(Si+P)≦0.28とすると比較的大き
な形状の射出成形体が得られる点で好ましい。また、上
記の組成に、Geが4原子%以下含有されていてもよ
く、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Zr及びCrのうち
少なくとも1種以上が0〜7原子%含有されていてもよ
く、0〜10原子%のNiと0〜30原子%のCoのう
ち少なくとも一方が含有されていてもよい。
【0009】更に、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体であっ
て、前記金属ガラス合金が、次の組成で表されるもので
あることを特徴とする。 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。上記のxは、8原子
%≦x≦30原子%であることが好ましく、14原子%
≦x≦21原子%でることがより好ましい。また、Mが
(M’1-cM''c)で表され、M’はZr、Hfのうちの
1種または2種、M''はTi、Nb、Ta、W、Moの
うちの1種または2種以上であり、cは0.2≦c≦1
であることが好ましい。
【0010】更に、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体であっ
て、前記金属ガラス合金が、次の組成で表されるもので
あることを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib
100-x-yxyなる組成式において、0.042≦a≦
0.29、0.042≦b≦0.43の関係にされてなる
ものであっても良い。
【0011】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体は、
先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体であって、前記
金属ガラス合金が、次の組成で表されるものであること
を特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。また、前記の(Fe1-a-bCoaNib100-x-y-z
xyzなる組成式において、0.042≦a≦0.2
9、0.042≦b≦0.43の関係にされてなるもので
あっても良い。
【0012】また、本発明の磁気部品は、円環状の成形
されて、上記に記載の特徴を具備してなるものである。
【0013】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラ
ス合金の溶湯を、溶湯ノズルから成形金型のキャビティ
に射出し、前記成形金型内で前記溶湯を少なくとも2方
向以上に分流して該キャビティに前記溶湯を充填し、前
記溶湯を冷却することを特徴とする。
【0014】また、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法であって、前記成形金型が、前記キャビテ
ィと前記キャビティに連通して前記溶湯を前記キャビテ
ィに導く湯道とを備え、前記キャビティが前記湯道の終
端から2以上の方向に分岐するようにして構成され、前
記溶湯は、前記湯道の終端において2以上の方向に分流
して前記キャビティに充填されることを特徴とする。
【0015】更に、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法であって、前記キャビティにより成形され
たキャビティ成形部と前記湯道により成形された湯道成
形部とを具備し、かつ前記キャビティ成形部が前記湯道
成形部から2以上の方向に分岐されてなる射出成形前駆
体を形成し、前記射出成形前駆体の前記湯道成形部を除
去してなることを特徴とする。更にまた、本発明の非晶
質軟磁性合金射出成形体の製造方法は、先に記載の非晶
質軟磁性合金射出成形体の製造方法であって、前記キャ
ビティが、円環状とされたことを特徴とする。本発明の
非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法は、先に記載の
非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法であって、前記
溶湯ノズルの先端を前記湯道の先端に当接して前記溶湯
ノズルにより前記成形金型を加熱した後に、前記キャビ
ティに前記溶湯を射出することを特徴とする。また、前
記溶湯ノズルから前記成形金型の前記キャビティに溶湯
を射出した後に、前記溶湯ノズルの先端を前記湯道の先
端に当接した状態で保持することが好ましい。
【0016】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法であって、前記金属ガラス合金が、下記の組成で
表されるものであることを特徴とする。即ち、Al:1
〜10原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:15原子
%以下、C:7原子%以下、B:2〜10原子%、S
i:15原子%以下、Fe:残部である。
【0017】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法であって、前記金属ガラス合金が、下記の組成で
表されるものであることを特徴とする。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。
【0018】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法であって、前記金属ガラス合金が、下記の組成で
表されるものであることを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。
【0019】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法であって、前記金属ガラス合金が、下記の組成で
表されるものであることを特徴とする。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。
【0020】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の成
形金型は、先に記載の非晶質軟磁性合金射出成形体を製
造する際に用いる成形金型であり、円環状のキャビティ
と、前記キャビティに連通する湯道とを少なくとも具備
してなり、少なくとも前記キャビティは、前記非晶質軟
磁性合金射出成形体の外周面及び内周面をそれぞれ成形
する外周型面及び内周型面により構成され、前記湯道が
前記外周型面から前記キャビティの放射方向に向けて延
在されていることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の非晶質軟磁性合金射出成
形体は、ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表される過
冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属ガラ
ス合金の溶湯が、成形金型のキャビティに射出されて成
形されてなるものである。本発明の非晶質軟磁性合金射
出成形体の形状としては、例えば図1、図6、図9及び
図12〜図14に示すように、円環状の射出成形体11
(図1)、棒状の射出成形体12(図6)、平面視略E
字状の射出成形体13(図9)、平面視略C字状の射出
成形体14(図12)、平面視略H字状の射出成形体1
5(図13)、いわゆるポット状の射出成形体16(図
14)等を例示できる。
【0022】これらの非晶質軟磁性合金射出成形体11
〜16は、いずれも過冷却液体の温度間隔ΔTxが20
K以上である金属ガラス合金からなるものであり、この
金属ガラス合金は、組成によってはΔTxが40K以
上、さらには50K以上という顕著な温度間隔を有し、
これまでの知見から知られる他の合金からは全く予期さ
れないものであり、軟磁性についても室温で優れた特性
を有しており、これまでの知見に見られない全く新規な
ものである。本発明に係る金属ガラス合金は、過冷却液
体の温度間隔ΔTxが大きいために、溶融状態から冷却
するとき、結晶化開始温度Txの低温側に広い過冷却液
体領域を有し、結晶化することなく温度の低下に伴って
この過冷却液体領域の温度幅ΔTxを経過したときに、
ガラス遷移温度Tgに至って非晶質相を容易に形成す
る。従って、冷却速度が比較的遅くても充分に非晶質相
を形成することが可能であり、溶湯を成形金型に射出し
て成形しても、非晶質相を主体とする射出成形体が得ら
れる。
【0023】上記の金属ガラス合金の一例として、Fe
を主成分とし、他の金属と半金属とを含有したものを挙
げることができる。このうち半金属元素としては、Pと
Siが必ず用いられ、しかもC、B、Geのうちの少な
くとも1種以上の元素が用いられる。このとき原子%に
おけるSiとPの比率は、0<Si/(Si+P)≦
0.4を満たしており、好ましくは0.1<Si/(S
i+P)≦0.35であり、より好ましくは0.11<
Si/(Si+P)≦0.28である。他の金属とは、
IIIB族及びIVB族の金属元素のうちの少なくとも
1種のものが好適に用いられる。例えば、Al、Ga、
In及びSnのうちの少なくとも1種以上の元素が用い
られる。
【0024】より具体的に例示すると、Al:1〜10
原子%、Ga:0.5〜4原子%、P:15原子%以
下、C:7原子%以下、B:2〜10原子%、Si:1
5原子%以下、Fe:残部であって、不可避不純物が含
有されていても良い金属ガラス合金が挙げられる。この
ようにFe−Al−Ga−P−C−B系の金属ガラスに
Siを添加し、しかもSiのPに対する添加比率が0<
Si/(Si+P)≦0.4を満たすようにすることに
より、過冷却液体の温度間隔ΔTxを向上させ 、非晶質
単相となるバルクの大きさを増大させることができる。
その結果、室温で優れた軟磁気特性を有してバルク状の
金属ガラス合金からなる軟磁性合金射出成形体の形状を
より大きくすることが可能となる。Siの含有量が多す
ぎると過冷却液体領域ΔTxが消滅するので、15%以
下が好ましい。上記Siの添加量は、原子%で1.5〜
3.5%であることが好ましい。
【0025】上記Pの添加量は、原子%で7〜9%が好
ましく、より好ましくは5〜8%である。また、上記C
の添加量は、原子%で2〜7%であることがより好まし
い。また、上記の組成に、Geが4原子%以下含有され
ていてもよく、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Zr及び
Crのうち少なくとも1種以上が0〜7原子%含有され
ていてもよく、0〜10原子%のNiと0〜30原子%
のCoのうち少なくとも一方が含有されていてもよい。
これらのいずれの場合の組成においても、本発明におい
ては、過冷却液体の温度間隔ΔTxは、35K以上、組
成によっては50K以上が得られる。
【0026】また、金属ガラス合金の他の例として、C
oを主成分とし、以下の組成式で表されるものを用いる
ことができる。即ち、 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。
【0027】上記の組成の金属ガラス合金の構成元素
は、上記の組成式で示されるように、一体となって非晶
質でかつ軟磁性を有する合金を形成し、それぞれの元素
群は下記の特性に寄与していると考えられる。 Co :合金の基となり磁性を担う。 T群 :これも磁性を担う元素であるが、特にFeが8
原子%以上配合されるとガラス遷移温度Tgが生ずるよ
うになり、過冷却液体状態が得易くなる。ただし30原
子%を越えると磁歪が1×10-6より大となり好ましく
ない。 M群 :過冷却液体領域の温度幅ΔTxを拡大する効果
があり、非晶質を形成し易くする。配合量が5原子%未
満ではガラス遷移温度Tgが出現しなくなり好ましくな
い。また、15原子%を越えると磁気特性が低下し、特
に、磁化が低下するため好ましくない。 L群:合金の耐食性を向上する効果がある。ただし、1
0原子%を越えて多量に配合すると磁気特性や非晶質形
成性を劣化させるので好ましくない。 B :高い非晶質形成能を有すると共に、15原子%
〜22原子%の配合によって比抵抗を増大させ、かつ熱
安定性を高める効果がある。配合量は、15原子%未満
では非晶質形成能が不十分でΔTxが減少または消滅す
る。また22原子%を越えると磁気特性を劣化させるの
で好ましくない。
【0028】この金属ガラス合金は、先の金属ガラス合
金と同様にガラス遷移温度Tgを有し、このガラス遷移
温度Tgと結晶化開始温度Txとの差、すなわち、ΔTx
=Tx−Tg(式中、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス
遷移温度である)の式で表される過冷却液体領域の温度
幅ΔTxが、20K以上とされていることが好ましい。
【0029】前記の組成式で示されるCoを主成分とす
る金属ガラス合金において、特に、xが14原子%≦x
≦21原子%であるとき、過冷却液体領域の温度幅ΔT
xが20K以上と広いものが好適に得られる。上記M群
元素のうちでもZrもしくはHfが好ましく、特にZr
が有効であり、その一部をTi、Nb、Ta、W、Mo
のうち1種または2種以上の元素と置換することがで
き、その場合の前記Mは、(M’1-cM''c)で表され
る。このとき、M’は、ZrもしくはHf、またはZr
とHfを両方含んでいる元素である。また、M''はT
i、Nb、Ta、W、Moのうちの1種または2種以上
の元素であり、この中でもNb、Ta、W、Moが好ま
しい。置換する場合の組成比cは、0.2≦c≦1の範
囲、より好ましくは0.2≦c≦0.8の範囲である
と、過冷却液体領域の温度幅ΔTxを拡大することがで
きる。このようにM’の一部をTi、Nb、Ta、W、
Moのうち1種または2種以上の元素と置換されている
場合は、Feの配合量xが8以下と少ない場合であって
もTgを有しており、ΔTxを認めることができる。
【0030】特に低磁歪性のCo基金属ガラス合金が求
められる場合には、前記の組成式においてT群(Feお
よび/またはNi)の配合量xを0原子%〜20原子%
の範囲内とすることが好ましい。これによってΔTx
広くすることができる。磁歪の絶対値を10×10-6
り小さくすることができる。また、T群の配合量xを0
原子%〜8原子%の範囲内とすることが好ましい。これ
によって、磁歪の絶対値を5×10-6より小さくするこ
とができる。さらに、T群の配合量xは、0原子%〜3
原子%の範囲内にされることがより好ましく。これによ
って磁歪の絶対値が1×10-6より小さくすることがで
きる。
【0031】更に、金属ガラス合金のその他の例とし
て、Feを主成分とし、以下の2つの組成式のいずれか
で表されるものを用いることができる。即ち、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。または、 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz但し、D
はZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vのうちの1
種または2種以上からなる元素であり、XはCr、W、
Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Si、G
e、C、Pのうちの1種または2種以上からなる元素で
あり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.29、0≦
b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、10原子%
≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%である。
【0032】上記の組成式において、主成分であるFe
とCoとNiは、磁性を担う元素であり、高い飽和磁束
密度と優れた軟磁気特性を得るために重要である。例え
ば、50K〜60KのΔTxを得るには、Coの組成比
を示すaの値を0≦a≦0.29、Niの組成比を示す
bの値を0≦b≦0.43の範囲、60K以上のΔTx
得るには、Coの組成比を示すaの値を0.042≦a
≦0.29、Niの組成比を示すbの値を0.042≦b
≦0.43の範囲とすることが好ましい。また、前記の
範囲内において、良好な軟磁気特性を得るためには、C
oの組成比を示すaの値を0.042≦a≦0.25の範
囲とすることが好ましく、高い飽和磁束密度を得るため
には、Niの組成比を示すbの値を0.042≦b≦0.
1の範囲とすることがより好ましい。
【0033】DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、T
i、Vのうちの1種又は2種以上からなる元素である。
これらは非晶質相を生成させるために有効な元素であ
り、5原子%以上、20原子%以下の範囲であると良
い。更に、高い磁気特性を得るためには、より好ましく
は5原子%以上、15原子%以下にすると良い。これら
元素Mのうち、特にZrが有効である。Zrは、その一
部をNb等の元素と置換することができるが、置換する
場合の組成比cは、0≦c≦0.6の範囲であると、高
いΔTxを得ることができるが、特にΔTxを80以上と
するには0.2≦c≦0.4の範囲が好ましい。
【0034】Bは、高い非晶質形成能があり、本発明で
は10原子%以上、22原子%以下の範囲で添加する。
Bが10原子%未満であると、ΔTxが消滅し、射出成
形体が得られなくなるので好ましくなく、22原子%よ
りも大きくなると合金が脆くなるために好ましくない。
より高い非晶質形成能と良好な磁気特性を得るために
は、16原子%以上、20原子%以下とすることがより
好ましい。
【0035】前記の組成系に更に、Xで示されるCr、
W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、S
i、Ge、C、Pのうちの1種又は2種以上の元素を添
加することもできる。本発明ではこれらの元素を0原子
%以上、5原子%以下の範囲で添加することができる。
これらの元素は主に耐食性を向上させる目的で添加する
もので、この範囲を外れると軟磁気特性が低下する。ま
た、この範囲を外れると非晶質形成能が劣化するために
好ましくない。
【0036】次に、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法について、円環状の射出成形体11の場合
を例にして説明する。この製造方法は、図2に示すよう
に、上述の組成からなる金属ガラス合金の溶湯を、溶湯
ノズル31から成形金型21のキャビティ22に射出
し、成形金型21内で溶湯を少なくとも2方向以上に分
流してキャビティ22に溶湯を射出し、溶湯を冷却する
というものである。
【0037】溶湯ノズル31は、図3に示すように、溶
湯を保持するるつぼ33の下端部に連接されており、溶
湯ノズル31及びるつぼ33の外周には加熱コイル34
が巻回されて溶湯ノズル31及びるつぼ33を所定の温
度に維持できるように構成されている。また、溶湯ノズ
ル31の先端には、溶湯射出口32が設けられている。
るつぼ33の上部は、供給管35を介してArガスなど
のガス供給源36に接続されると共に、供給管35に
は、圧力調整弁37と電磁弁380とが組み込まれ、供
給管35において圧力調整弁37と電磁弁38との間に
は圧力計39が組み込まれている。溶湯ノズル31の溶
湯射出口32は円形状を有するが、射出径は、0.2〜
1.0mm程度であることが望ましい。0.2mm未満であ
ると溶湯の組成によっては溶湯ノズル詰まりが生じやす
くなり、また、1.0mmを超えると溶湯の射出量が多く
なって成形金型の湯口24から溶湯が溢れてしまうこと
があるからである。
【0038】また、成形金型21は、図2及び図4に示
すように、上型25と下型26とからなり、上型25の
凸部27が下型26の切欠部28に嵌合して、上型25
と下型26の位置が互いにずれないように構成されてい
る。下型26の分割面28には、湯口24、湯道23及
びキャビティ22が形成されている。湯口24は下型2
6の側壁面に開口するように漏斗状に形成され、キャビ
ティ22は分割面29のほぼ中央に形成されており、キ
ャビティ22と湯口24は湯道23により連通されてい
る。図2及び図4におけるキャビティ22は略円環状に
形成されていて、少なくともこのキャビティ22は、非
晶質軟磁性合金射出成形体の外周面11a及び内周面1
1bをそれぞれ形成する外周型面22a及び内周型面2
2bにより構成されている。湯道23はキャビティ22
と連通して外周型面22aからキャビティ22の放射方
向に向けて延在するように形成されている。即ち、図2
及び図4に示すように、キャビティ22の所定の位置に
湯道23が連結されて、湯道23とキャビティ22との
接続部分29(湯道の終端)において図中矢印A及び矢
印Bに示すように湯道23から2方向に分岐してキャビ
ティ22が形成されている。
【0039】上述の成形金型21及び溶湯ノズル31を
用いて非晶質軟磁性合金射出成形体を製造するには、ま
ず上型25と下型26を嵌合し、湯口24に溶湯ノズル
2の溶湯射出口32を当接させる。次に図2及び図3に
示すように、ガス供給源36からるつぼ33に不活性ガ
スを供給して、るつぼ33内の溶湯を溶湯ノズル31の
溶湯射出口32から射出する。射出された溶湯は、湯口
24を経て湯道23の終端であるキャビティ22との接
続部分29に達する。接続部分29においてはキャビテ
ィ22が2方向に分岐しているので、射出された溶湯は
図中矢印A及び矢印Bの2方向に分流してキャビティ2
2内に充填される。充填された溶湯はキャビティ22内
及び湯道23内で冷却されて成形され、非晶質相を主体
とする射出成形前駆体が形成される。このように溶湯が
成形金型21内で少なくとも2方向以上に分流されてキ
ャビティ22に射出されて充填されるのであれば、溶湯
の流動性が低下する前に溶湯をキャビティ22の隅々に
まで充分に素早く充填することが可能になって形状が大
きい射出成形体が得られると共に、溶湯の分流によりキ
ャビティ22に流入する熱量が分散されて溶湯全体を同
時に冷却して均一な非晶質相を形成できる。
【0040】図5に示すように射出成形前駆体51は、
キャビティ22により成形された円環状のキャビティ成
形部52と、湯道23により成形された湯道成形部53
とからなり、湯道成形部53を除去して、円環状の非晶
質軟磁性合金射出成形体11が得られる。このようにし
て得られた円環状の非晶質軟磁性合金射出成形体11
は、例えばトランス用のコア等の磁気部品として用いる
ことができる。
【0041】また、溶湯の酸化による溶湯ノズル31の
溶湯詰まりの発生を防止するために、成形金型21への
溶湯の射出は酸素濃度の低い雰囲気で行うことが好まし
く、具体的には不活性ガス雰囲気若しくは真空雰囲気に
て行うことが好ましい。また、溶湯の温度は、溶湯の融
点をTmとしたときに、(Tm−100)℃〜(Tm+
300)℃の範囲であることが好ましく、Tm℃〜(T
m+100)℃の範囲であることがより好ましい。溶湯
の温度が(Tm−100)℃未満であると溶湯射出口3
2で溶湯が詰まるおそれがあり、また溶湯を(Tm+3
00)℃℃以上にしてもそれに見合う効果が得られない
からである。更に、溶湯ノズル31からの溶湯の射出圧
力は、0.3kg/cm2以上5.0kg/cm2以下であることが
好ましく、1.0kg/cm2以上3.0kg/cm2以下であるこ
とがより好ましい。溶湯の射出圧力が0.3kg/cm2未満
であるとキャビティ22に溶湯を充分に充填することが
できなくなり、溶湯の射出圧力が5.0kg/cm2を越える
と成形金型21の上型25と下型26の接合部分から溶
湯が漏出するおそれがあり、また射出成形体に応力が残
留するおそれがあるからである。
【0042】溶湯ノズル31は加熱コイル34により加
熱されて温度が高い状態にあり、この溶湯ノズル31を
湯道23の先端である湯口24に当接して溶湯ノズル3
1の熱により成形金型21を金属ガラス合金のガラス遷
移温度Tgまで加熱した後に、溶湯をキャビティ22に
射出することが好ましい。これは、成形金型21を予め
加熱することにより、溶湯が湯道23からキャビティ2
2に至るまでの間に固化することがなくキャビティ22
への溶湯の流れが円滑になってキャビティ22に溶湯を
充填しやすくなるからである。また、溶湯を冷却した後
の成形金型21の温度が、成形金型21を溶湯ノズル3
1により加熱しなかった場合に比して高くなるので、成
形された非晶質軟磁性合金射出成形体11の温度が比較
的高いまま維持され、射出成形体11の内部応力が緩和
されて歪みが小さくなり、割れの発生が防止される。特
に、円環状の射出成形体11とした場合には、割れ発生
の防止効果が高くなる。また、内部応力が緩和されるの
で、非晶質軟磁性合金射出成形体11の透磁率が高くな
り、他の軟磁気特性も向上する。この場合の成形金型2
1の温度は、25℃(室温)以上ガラス遷移温度Tg
下とするのが好ましく、50℃以上300℃以下とする
のがより好ましい。
【0043】また、溶湯ノズル31から湯口24を通じ
てキャビティ22に溶湯を射出した後に、溶湯ノズル3
1と湯口24とを当接させた状態で保持することが好ま
しい。溶湯をキャビティ22内で冷却すると、溶湯の体
積収縮が起こり割れの発生が懸念される。溶湯ノズル3
1から湯口24を通じてキャビティ22に溶湯を射出し
た後に、溶湯ノズル31と湯口24との当接の保持時間
を制御することにより、キャビティ22による冷却速度
を調整し、急激な体積収縮の発生を抑えて割れの発生を
防止できる。この場合の成形金型21の温度は、25℃
(室温)以上ガラス遷移温度Tg以下とするのが好まし
く、50℃以上300℃以下とするのがより好ましい。
【0044】また、溶湯をキャビティ22内で冷却する
と、溶湯の体積収縮が起こり、特に円環状の非晶質軟磁
性合金射出成形体11を作成しようとする場合には、こ
の体積収縮による割れの発生が懸念される。これを防ぐ
ためには、溶湯ノズル31を湯口24に当接してキャビ
ティ22に溶湯を射出した後にも溶湯ノズル31からキ
ャビティ22に溶湯を圧入することが好ましい。このよ
うにすれば、溶湯の冷却による体積収縮が生じても、新
たな溶湯が体積収縮により生じたキャビティ22の空隙
に圧入されて、射出成形体11の割れの発生が防止され
る。
【0045】以上のように、円環状の非晶質軟磁性合金
射出成形体11を例にして説明したが、棒状の射出成形
体12(図6)、平面視略E字状の射出成形体13(図
9)、平面視略C字状の射出成形体14(図12)、平
面視略H字状の射出成形体15(図13)、いわゆるポ
ット状の射出成形体16(図14)等についても上述の
製造方法により製造することが可能である。
【0046】図6に示すような棒状の非晶質軟磁性合金
射出成形体12を得るには、図7及び図8に示すような
成形金型71を用いることが好ましい。成形金型71
は、上型25と下型76とからなり、上型25の凸部2
7と下型76の切欠部78とが嵌合可能とされている。
下型76には、キャビティ72、湯道73及び湯口74
が形成されている。キャビティ72は断面が略矩形の溝
とされており、キャビティ72は湯道73と直交してキ
ャビティ72の長手方向のほぼ中央で湯道73と連通し
ている。このようにキャビティ72と湯道73を構成す
ることにより、湯道73から流入した溶湯が、図7中左
右方向(矢印C及び矢印D)に分流してキャビティ72
に充填されて、棒状の非晶質軟磁性合金射出成形体12
が得られる。
【0047】また、図9に示すような平面視略E字状の
非晶質軟磁性合金射出成形体13を得るには、図10及
び図11に示すような成形金型81を用いることが好ま
しい。成形金型81は、上型25と下型86とからな
り、上型25の凸部27と下型86の切欠部88とが嵌
合可能とされている。下型86には、キャビティ82、
湯道83及び湯口84が形成されている。キャビティ8
2は、3つの平行溝82a…と縦溝82bとからなり、
3つの平行溝82aが互いに離間して平行に形成され、
縦溝82bが平行溝82a…と直交する方向に延在しか
つ各平行溝82a…の端部と連通するように形成される
ことにより、平面視略E字状に形成されている。キャビ
ティ82は、縦溝82bのほぼ中央で湯道83と連通し
ており、湯道83と縦溝82bが直交するように構成さ
れている。このようにキャビティ82と湯道83を構成
することにより、湯道83から流入した溶湯が、図10
中左右方向(矢印E及び矢印F)及び直進方向(矢印
G)に分流してキャビティ82に充填され、平面視略E
字状の非晶質軟磁性合金射出成形体13が得られる。
【0048】更に、図12に示すように、平面視略C字
状の非晶質軟磁性合金射出成形体14を得るには、成形
金型91を用いることが好ましい。図12に示す成形金
型91の下型96には、キャビティ92、湯道93及び
湯口94が形成されている。キャビティ92は、2つの
平行溝92a…と縦溝92bとからなり、2つの平行溝
82aが互いに離間して平行に形成され、縦溝92bが
各平行溝92a…と直交する方向に延在しかつ各平行溝
92a…の端部と連通するように形成されることによ
り、平面視略C字状に形成されている。キャビティ92
は、縦溝92bのほぼ中央で湯道93と連通しており、
湯道93と縦溝92bが直交するように構成されてい
る。このようにキャビティ92と湯道93を構成するこ
とにより、湯道93から流入した溶湯が、図12中左右
方向(矢印H及び矢印I)に分流してキャビティ92に
充填され、平面視略C字状の非晶質軟磁性合金射出成形
体14が得られる。
【0049】更にまた、図13に示すように、平面視略
H字状の非晶質軟磁性合金射出成形体15を得るには、
成形金型101を用いることが好ましい。図13に示す
成形金型101の下型106には、キャビティ102、
湯道103及び湯口104が形成されている。キャビテ
ィ102は、2つの平行溝102a…と縦溝102bと
からなり、2つの平行溝92a…が互いに離間して平行
に形成され、縦溝102bが各平行溝102a…と直交
する方向に延在しかつ各平行溝102a…の中央部と連
通するように形成されることにより、平面視略H字状に
形成されている。キャビティ102は、一方の平行溝1
02aのほぼ中央で湯道103と連通しており、湯道1
03と平行溝102aが直交するように構成されてい
る。このようにキャビティ102と湯道103を構成す
ることにより、湯道103から流入した溶湯が、図13
中左右方向(矢印J及び矢印K)及び直進方向(矢印
L)に分流してキャビティ102に充填され、平面視略
H字状の非晶質軟磁性合金射出成形体15が得られる。
【0050】更に、図14に示すポット状の射出成形体
16を得るには、成形金型として、例えばこの射出成形
体16の底面16aから溶湯を供給するようにしてポッ
ト形状のキャビティと湯道を配置して構成したものを用
いることができる。このような成形金型を用いれば、溶
湯を分流させてキャビティに充填することが可能になっ
て、非晶質相を主相とした射出成形体16が得られる。
【0051】上述の非晶質軟磁性合金射出成形体11
は、過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上であって
非晶質形成能が高い金属ガラス合金の溶湯が、成形金型
21のキャビティ22に射出されて成形されてなるの
で、射出成形体11の相対密度が高くなって、射出成形
体の飽和磁化を向上することができる。また、溶湯が2
以上の方向に分流されてキャビティ22に充填されるの
で、溶湯の流動性が低下する前に溶湯がキャビティ22
の隅々まで素早く充填されて、射出成形体11の形状を
大きくすることができる。また、キャビティ22に流入
する熱量が分散されて溶湯全体が同時に冷却されるの
で、射出成形体11の組織の大半を非晶質相とすること
ができ、飽和磁化及び透磁率を向上させ、保磁力を小さ
くできる。
【0052】また、上述の非晶質軟磁性合金射出成形体
11は、下記の組成の金属ガラス合金からなるので、飽
和磁化及び透磁率を向上させ、保磁力を小さくでき、優
れた軟磁気特性を発揮することができる。即ち、Al:
1〜10原子%、Ga:0.5 〜4原子%、P:15
原子%以下、C:7原子%以下、B:2 〜10原子
%、Si:15原子%以下、Fe:残部である金属ガラ
ス合金。または、以下の組成の金属ガラス合金。 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。または、以下の組成
の金属ガラス合金。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。または、以下の組成の金属ガラス合金。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。
【0053】上述の磁気部品は、過冷却液体の温度間隔
ΔTxが20K以上であって非晶質形成能が高い金属ガ
ラス合金の溶湯が、成形金型21のキャビティ22に射
出されて成形されてなるので、磁気部品の組織の大半が
非晶質相となって、飽和磁化及び透磁率を向上させ、保
磁力を小さくでき、優れた軟磁気特性を発揮することが
できるため、特にトランスのコアとして用いた場合に
は、コアロスを小さくすることができる。
【0054】上述の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造
方法は、過冷却液体の温度間隔ΔT xが20K以上であ
って非晶質形成能が高い金属ガラス合金の溶湯を、成形
金型21のキャビティ22に射出して成形するので、バ
ルクであって組織の大半が非晶質相である射出成形体1
1を製造できる。また、溶湯を、2以上の方向に分流し
てキャビティ22に充填するので、溶湯の流動性が低下
する前に溶湯がキャビティ22の隅々まで素早く充填さ
れて、形状の大きな射出成形体11を製造できる。ま
た、キャビティ22に流入する熱量が分散して溶湯全体
が同時に冷却されるので、形状が大きいバルクであっ
て、組織が均一な非晶質相である射出成形体11を製造
できる。また、射出成形体11の占積率を、従来の積層
磁心または焼結磁心に比べて高くできるので、同体積に
おいて射出成形体11の飽和磁化を大きくすることがで
きる。
【0055】また、上述の非晶質軟磁性合金射出成形体
の製造方法は、溶湯ノズル31の先端を湯道23の先端
である湯口24に当接して溶湯ノズル31により成形金
型21を加熱した後に、キャビティ22に溶湯を射出す
るので、溶湯が湯道23からキャビティ22に至るまで
の間に固化することがなくキャビティ22への溶湯の流
れが円滑になってキャビティ22に溶湯を充填しやすく
なり、形状の大きな射出成形体11を製造できる。ま
た、溶湯を冷却した後の成形金型21の温度が、成形金
型21を溶湯ノズル31により加熱しなかった場合に比
して高くなるので、成形された非晶質軟磁性合金射出成
形体11の温度が比較的高いまま維持され、射出成形体
11の内部応力が緩和されて歪みが小さくなり、割れの
発生を防止できる。また、内部応力が緩和されるので、
非晶質軟磁性合金射出成形体11の透磁率を高くするこ
とができて、軟磁気特性を向上できる。
【0056】
【実施例】Fe、Al及びGaと、Fe-C合金、Fe-
P合金、B、Siを原料としてそれぞれ所定量秤量して
混合し、混合した原料を図3に示するつぼに投入して溶
湯とし、この溶湯を図2及び図4に示す成形金型のキャ
ビティに射出成形して冷却することにより、3つの円環
状の非晶質軟磁性合金射出成形体(実施例1、実施例
2、実施例3)を得た。得られた射出成形体(実施例
1、実施例2、実施例3)の形状は、外径10mm、内
径6mm、厚さ1mm(実施例3のみ厚さ0.5mm)
の円環状であった。また、この射出成形体(実施例1、
実施例2、実施例3)の組成はFe70Al5Ga29.65
5.754.6Si3であった。尚、るつぼに加える射出圧
力は3.0kg/cm2とし、射出成形を行う際の雰囲気は1
60〜660Torrのアルゴン雰囲気とした。この射
出成形体(実施例1)について、X線回折により結晶構
造解析を行い、示差走査熱量測定(DSC)により熱履
歴を調査した。更に、実施例1、実施例2及び実施例3
について、振動試料型磁力計(VSM)により磁気特性
を調査した。また、最大透磁率を直流の初磁化曲線より
求めた。結果を図16、図17及び表1に示す。
【0057】また、比較例として、Fe−Si−Al系
合金(センダスト)及び冷間圧延無配向ケイ素鋼板
(3.5%ケイ素鋼板)を加工して、外径10mm、内
径6mm、厚さ0.5mmの円環状のコア(比較例1
(センダスト)、比較例2(3.5%ケイ素鋼板))を
得た。比較例1及び比較例2の各コアの最大透磁率を上
述のように測定した。結果を表1に併せてに示す。
【0058】図16に示すX線回折分析の結果において
は、結晶相の存在を示す回折ピークは認められず、ブロ
ードなハローのみが検出されている。従って、得られた
射出成形体(実施例1)はその組織のほとんどが非晶質
相であると推定される。また、図17に示すDSC曲線
の結果においては、ガラス遷移が認められ、ガラス遷移
温度Tgは498℃であった。ガラス遷移温度Tgから更
に温度を上げてゆくと、結晶化による大きな発熱ピーク
が確認された。このときの結晶化温度T xは560℃で
あった。従って、この射出成形体(実施例1)の過冷却
液体の温度間隔ΔTxは62Kであった。更に、表1に
示すように、射出成形体(実施例1、実施例2、実施例
3)の飽和磁化及び最大透磁率はいずれも高く、良好な
軟磁気特性を示した。特に、最大透磁率に関しては、比
較例1及び比較例2の円環状のコア射出成形体よりも大
きな値を示しており、優れた軟磁気特性を示しているこ
とがわかる。
【0059】 「表1」 厚さ(mm) 飽和磁化(Wb・m/kg) 保磁力(A/m) 最大透磁率 実施例1 1.0 175.5×10-6 3.1 104000 実施例2 1.0 170.0×10-6 2.2 110000 実施例3 0.5 171.2×10-6 2.5 111000 比較例1 0.5 − − 88000 比較例2 0.5 − − 7200
【0060】次に、予め溶湯ノズルの溶湯射出口を成形
金型の湯口に当接させて成形金型の加熱を行ったこと以
外は実施例1等と同様にして射出成形を行い、射出成形
体(実施例4〜9)を得た。得られた射出成形体(実施
例4〜9)について、X線回折による結晶構造解析を行
った。また、射出成形体(実施例4〜9)に生じた割れ
の数を計数した。結果を図18に示す。
【0061】図18に示すX線回折パターンのうち、実
施例4及び実施例5は、溶湯ノズルを湯口に当接させて
射出成形して1秒間当接を保持して得たものであり、実
施例6及び実施例7は、溶湯ノズルを湯口に当接させて
射出成形して3秒間当接を保持して得たものであり、実
施例8及び実施例9は、溶湯ノズルを湯口に当接させて
射出成形して8秒間当接を保持して得たものである。ま
た、実施例5、実施例7及び実施例9は、キャビティと
湯道との接続部分に相当する場所の近傍、即ち、図5に
示すAの部分にX線を照射して得られた回折パターンで
あり、実施例4、実施例6及び実施例8は、キャビティ
と湯道との接続部分に相当する場所から最も離れた場
所、即ち図5に示すBの部分にX線を照射して得られた
回折パターンである。図18におけるX線回折パターン
はいずれもブロードなハローのみ検出されており、射出
成形した後、成形金型を加熱して得られた射出成形体
は、その組織のほとんどが非晶質相であることがわか
る。また、射出成形体の割れは、溶湯を1秒間接触させ
て得られた射出成形体(実施例4、実施例5)が4ヶ
所、3秒間接触させて得られた射出成形体(実施例6、
実施例7)が3ヶ所、8秒間接触させて得られた射出成
形体(実施例8、実施例9)が2ヶ所であった。従っ
て、射出成形後に成形金型を加熱することにより、射出
成形体の割れの発生を少なくすることが可能であること
が判明した。
【0062】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
非晶質軟磁性合金射出成形体は、過冷却液体の温度間隔
ΔTxが20K以上であって非晶質形成能が高い金属ガ
ラス合金の溶湯が、成形金型のキャビティに射出されて
成形されてなるので、射出成形体の相対密度が高くなっ
て、射出成形体の飽和磁化を向上することができる。ま
た、溶湯が2以上の方向に分流されてキャビティに充填
されるので、溶湯の流動性が低下する前に溶湯がキャビ
ティの隅々まで素早く充填されて、射出成形体の形状を
大きくすることができる。また、キャビティに流入する
熱量が分散されて溶湯全体が同時に冷却されるので、射
出成形体の組織の大半を非晶質相とすることができ、飽
和磁化及び透磁率を向上させ、保磁力を小さくできる。
【0063】また、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体は、下記の組成の金属ガラス合金からなるので、飽和
磁化及び透磁率を向上させ、保磁力を小さくでき、優れ
た軟磁気特性を発揮することができる。即ち、Al:1
〜10原子%、Ga:0.5 〜4原子%、P:15原
子%以下、C:7原子%以下、B:2 〜10原子%、
Si:15原子%以下、Fe:残部である金属ガラス合
金。または、以下の組成の金属ガラス合金。 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
5原子%≦w≦22原子%である。または、以下の組成
の金属ガラス合金。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
%である。または、以下の組成の金属ガラス合金。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
ある。
【0064】本発明の磁気部品は、過冷却液体の温度間
隔ΔTxが20K以上であって非晶質形成能が高い金属
ガラス合金の溶湯が、成形金型のキャビティに射出され
て成形されてなるので、磁気部品の組織の大半が非晶質
相となって、飽和磁化及び透磁率を向上させ、保磁力を
小さくでき、優れた軟磁気特性を発揮することができる
ため、特にトランスのコアとして用いた場合には、コア
ロスを小さくすることができる。また、磁気部品の占積
率を、従来の積層磁心または焼結磁心に比べて高くでき
るので、同体積において磁気部品の飽和磁化を大きくす
ることができる。
【0065】本発明の非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法は、過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上で
あって非晶質形成能が高い金属ガラス合金の溶湯を、成
形金型のキャビティに射出して成形するので、バルクで
あって組織の大半が非晶質相である射出成形体を製造で
きる。また、溶湯を、2以上の方向に分流してキャビテ
ィに充填するので、溶湯の流動性が低下する前に溶湯が
キャビティの隅々まで素早く充填されて、形状の大きな
射出成形体を製造できる。また、キャビティに流入する
熱量が分散して溶湯全体が同時に冷却されるので、形状
が大きいバルクであって、組織が均一な非晶質相である
射出成形体を製造できる。また、射出成形体の占積率
を、従来の積層磁心または焼結磁心に比べて高くできる
ので、同体積において射出成形体の飽和磁化を大きくす
ることができる。
【0066】また、本発明の非晶質軟磁性合金射出成形
体の製造方法は、溶湯ノズルの先端を湯道の先端に当接
して溶湯ノズルにより成形金型を加熱した後に、キャビ
ティに溶湯を射出するので、溶湯が湯道からキャビティ
に至るまでの間に固化することがなくキャビティへの溶
湯の流れが円滑になってキャビティに溶湯を充填しやす
くなり、形状の大きなバルク状の射出成形体を製造でき
る。また、溶湯を冷却した後の成形金型の温度が、成形
金型を溶湯ノズルにより加熱しなかった場合に比して高
くなるので、成形された非晶質軟磁性合金射出成形体の
温度が比較的高いまま維持され、射出成形体の内部応力
が緩和されて歪みが小さくなり、割れの発生を防止でき
る。また、内部応力が緩和されるので、非晶質軟磁性合
金射出成形体の透磁率を高くすることができて、軟磁気
特性を向上できる。
【0067】更に、本発明の成形金型は、円環状のキャ
ビティと、キャビティに連通してキャビティの放射方向
に延在する湯道とからなり、溶湯をキャビティに充填す
る際に、溶湯が湯道とキャビティとの接続部分で2方向
に分流するので、溶湯をすばやくキャビティに充填する
ことができ、形状の大きな射出成形体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合金
射出成形体の斜視図である。
【図2】 図1に示す非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法を説明するための模式図である。
【図3】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合金
射出成形体を製造する際に用いる溶湯ノズルの構成を示
す模式図である。
【図4】 図1に示す非晶質軟磁性合金射出成形体を製
造する際に用いる成形金型の斜視図である。
【図5】射出成形前駆体を示す斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合金
射出成形体の斜視図である。
【図7】 図6に示す非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法を説明するための模式図である。
【図8】 図6に示す非晶質軟磁性合金射出成形体を製
造する際に用いる成形金型の斜視図である。
【図9】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合金
射出成形体の斜視図である。
【図10】 図9に示す非晶質軟磁性合金射出成形体の
製造方法を説明するための模式図である。
【図11】 図9に示す非晶質軟磁性合金射出成形体を
製造する際に用いる成形金型の斜視図である。
【図12】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合
金射出成形体及びこの非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法を説明するための図である。
【図13】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合
金射出成形体及びこの非晶質軟磁性合金射出成形体の製
造方法を説明するための図である。
【図14】 本発明の実施の形態である非晶質軟磁性合
金射出成形体の斜視図である。
【図15】 従来の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造
方法を説明するための模式図である。
【図16】 Fe70Al5Ga29.655.754.6Si3
なる組成の非晶質軟磁性合金射出成形体(実施例1)の
X線回折パターンを示す図である。
【図17】 Fe70Al5Ga29.655.754.6Si3
なる組成の非晶質軟磁性合金射出成形体(実施例1)の
示差走査熱量測定の結果を示す図である。
【図18】 Fe70Al5Ga29.655.754.6Si3
なる組成の非晶質軟磁性合金射出成形体(実施例4〜実
施例9)のX線回折パターンを示す図である。
【符号の説明】
11 非晶質軟磁性合金射出成形体 11a 外周面 11b 内周面 21 成形金型 22 キャビティ 22a 外周型面 22b 内周型面 23 湯道 24 湯口(湯道の先端) 29 接続部分 31 溶湯ノズル 51 射出成形前駆体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 昌二 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 水嶋 隆夫 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 牧野 彰宏 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 井上 明久 宮城県仙台市青葉区川内元支倉35番地 川 内住宅11−806

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
    始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
    る過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属
    ガラス合金の溶湯が、成形金型のキャビティに射出され
    て成形されてなることを特徴とする非晶質軟磁性合金射
    出成形体。
  2. 【請求項2】 前記溶湯が、前記成形金型内で2以上の
    方向に分流されて前記キャビティに射出されて成形され
    てなることを特徴とする請求項1記載の非晶質軟磁性合
    金射出成形体。
  3. 【請求項3】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の非晶質軟磁性合金射出成形体。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5 〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2 〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部
  4. 【請求項4】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の非晶質軟磁性合金射出成形体。 Co100-x-y-z-wxyzw 但し、TはFeおよびNiのうちの1種または2種であ
    り、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wのう
    ちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
    i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
    x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、5原子
    %≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、15
    原子%≦w≦22原子%である。
  5. 【請求項5】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の非晶質軟磁性合金射出成形体。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
    b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
    5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
    %である。
  6. 【請求項6】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で表
    されるものであることを特徴とする請求項1または請求
    項2記載の非晶質軟磁性合金射出成形体。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
    r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
    Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
    る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
    9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
    0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
    ある。
  7. 【請求項7】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
    始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
    る過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属
    ガラス合金の溶湯が、成形金型のキャビティに射出され
    て円環状に成形されてなり、請求項1ないし請求項6の
    いずれかの構成を具備することを特徴とする磁気部品。
  8. 【請求項8】 ΔTx=Tx−Tg(ただしTxは結晶化開
    始温度、Tgはガラス遷移温度を示す。)の式で表され
    る過冷却液体の温度間隔ΔTxが20K以上である金属
    ガラス合金の溶湯を、溶湯ノズルから成形金型のキャビ
    ティに射出し、前記成形金型内で前記溶湯を少なくとも
    2方向以上に分流して該キャビティに前記溶湯を充填
    し、前記溶湯を冷却することを特徴とする非晶質軟磁性
    合金射出成形体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記成形金型は、前記キャビティと前記
    キャビティに連通して前記溶湯を前記キャビティに導く
    湯道とを備えて、前記キャビティが前記湯道の終端から
    2以上の方向に分岐するようにして構成され、 前記溶湯は、前記湯道の終端において2以上の方向に分
    流して前記キャビティに充填されることを特徴とする請
    求項8記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記キャビティにより成形されたキャ
    ビティ成形部と前記湯道により成形された湯道成形部と
    を具備し、かつ前記キャビティ成形部が前記湯道成形部
    から2以上の方向に分岐されてなる射出成形前駆体を形
    成し、 前記射出成形前駆体の前記湯道成形部を除去してなるこ
    とを特徴とする請求項9記載の非晶質軟磁性合金射出成
    形体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記キャビティは、円環状とされたこ
    とを特徴とする請求項8ないし請求項10のいずれかに
    記載の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記溶湯ノズルの先端を前記湯道の先
    端に当接して前記溶湯ノズルにより前記成形金型を加熱
    した後に、前記キャビティに前記溶湯を射出することを
    特徴とする請求項8ないし請求項11のいずれかに記載
    の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記溶湯ノズルから前記成形金型の前
    記キャビティに溶湯を射出した後に、前記溶湯ノズルの
    先端を前記湯道の先端に当接した状態で保持することを
    特徴とする請求項8ないし請求項12のいずれかに記載
    の非晶質軟磁性合金射出成形体の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項8ないし請
    求項13のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金射出成形
    体の製造方法。 Al: 1〜10原子% Ga: 0.5 〜4原子% P:15原子%以下 C: 7原子%以下 B: 2 〜10原子% Si:15原子%以下 Fe: 残部
  15. 【請求項15】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項8ないし請
    求項13のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金射出成形
    体の製造方法。 Co100-x-y-z-wxyzw ただし、TはFeおよびNiのうちの1種または2種で
    あり、MはTi、Zr、Nb、Ta、Hf、Mo、Wの
    うちの1種または2種以上であり、LはCr、Mn、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、Ga、S
    i、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上であり、
    x、y、z、wは、0原子%≦x≦30原子%、 5原
    子%≦y≦15原子%、0≦原子%z≦10原子%、1
    5原子%≦w≦22原子%である。
  16. 【請求項16】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項8ないし請
    求項13のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金射出成形
    体の製造方法。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-yxy 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、a、
    b、x、yは、0≦a≦0.29、0≦b≦0.43、
    5原子%≦x≦20原子%、10原子%≦y≦22原子
    %である。
  17. 【請求項17】 前記金属ガラス合金が、下記の組成で
    表されるものであることを特徴とする請求項8ないし請
    求項13のいずれかに記載の非晶質軟磁性合金射出成形
    体の製造方法。 (Fe1-a-bCoaNib100-x-y-zxyz 但し、DはZr、Nb、Ta、Hf、Mo、Ti、Vの
    うちの1種または2種以上からなる元素であり、XはC
    r、W、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Al、
    Si、Ge、C、Pのうちの1種または2種以上からな
    る元素であり、a、b、x、y、zは、0≦a≦0.2
    9、0≦b≦0.43、5原子%≦x≦20原子%、1
    0原子%≦y≦22原子%、0原子%≦z≦5原子%で
    ある。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし請求項6のいずれかに
    記載の非晶質軟磁性合金射出成形体を製造する際に用い
    る成形金型であり、円環状のキャビティと、前記キャビ
    ティに連通する湯道とを少なくとも具備してなり、少な
    くとも前記キャビティは、前記非晶質軟磁性合金射出成
    形体の外周面及び内周面をそれぞれ成形する外周型面及
    び内周型面により構成され、前記湯道が前記外周型面か
    ら前記キャビティの放射方向に向けて延在されているこ
    とを特徴とする非晶質軟磁性合金射出成形体の成形金
    型。
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