JPH1170375A - 重金属含有廃棄物の処理方法及び該方法から得られた機械的強度の高い固化体 - Google Patents

重金属含有廃棄物の処理方法及び該方法から得られた機械的強度の高い固化体

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JPH1170375A
JPH1170375A JP9290659A JP29065997A JPH1170375A JP H1170375 A JPH1170375 A JP H1170375A JP 9290659 A JP9290659 A JP 9290659A JP 29065997 A JP29065997 A JP 29065997A JP H1170375 A JPH1170375 A JP H1170375A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重金属含有廃棄物中の重金属の効率的な
固定化と該廃棄物の固体化を同時にできる重金属含有廃
棄物の処理方法及び該方法から得られた機械的強度の高
い固化体を提供する。 【解決手段】 ()(A)重金属含有廃棄物、(B)
アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物、及び
(C)硫黄を非水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷
却固化することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理方
法。()(A)重金属含有廃棄物、及び(D)硫化物
を非水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷却固化する
ことを特徴とする重金属含有廃棄物の処理方法。(
(1)又は(2)の方法で得られた機械的強度の高い固
化体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重金属含有廃棄物
中の鉛,カドミウム,クロムなどの重金属を不溶化し、
安定化するための処理方法と該処理方法から得られた機
械的強度の高い固化体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、都市あるいは工場等から発生する
ごみ、廃棄物が著しく増大するなか、それらの焼却によ
り排出される焼却灰や飛灰の中には重金属が含まれてお
り、環境対策上より安全な無害化処理対策が望まれてい
る。従来、セメントを用いて固化する方法が提案されて
いるが、重金属の固定化と廃棄物の固形化を同時に行え
る反面、重金属の固定化を完全に行うことが困難で廃棄
物中からの重金属の溶出を完全に抑えることが難しいば
かりでなく、セメントの養生に時間がかかるといった不
都合があった。また、鉱酸により溶出する方法が提案さ
れているが、酸を用いた溶出作業が煩雑であるばかりで
なく、廃棄物の固定化を別個に行わなければならないと
いう不都合があった。
【0003】更に、一般の焼却炉から排出される焼却炉
灰中の鉛,カドミウムなどの重金属を不溶化し無害化す
る処理方法としては、例えば、特開昭53−39262
号公報,特開昭55−1830号公報,特開昭59−7
3091号公報,特開昭63−111990号公報,特
開平9−24355号公報などに開示されている。これ
らは、焼却灰等に硫化ナトリウム,硫化カルシウムなど
の水溶性硫化物を混合し、混練するもので、焼却灰中の
重金属は硫化鉛などの不溶性の硫化物として無害化され
るものである。しかし、一般に重金属の硫化物の水への
溶解度は非常に小さいために生成した重金属の硫化物の
沈殿粒子が0.01ミクロン前後と極めて小さくなり、
しかも水への分散性が比較的良好なものが多いため、環
境庁告示13号に基づく試験において1ミクロンの平均
孔径の濾紙を通ってしまうという問題があった。また、
特開平2−203981号公報には、この問題を解決す
るために有機カルボン酸を含む高分子を用いる方法が開
示されているが、経済的に不利であるという問題点があ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたもので、本発明の第一の目的は、重金属廃棄
物中の重金属の効率的な固定化と該廃棄物の固体化を同
時にできる重金属含有廃棄物の処理方法を提供する。本
発明は、また、本発明の前記処理方法で得られた機械的
強度の高い固化体を提供することも目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、廃棄物と硫化剤を非
水系媒体の存在下で溶融状態で混練することにより、本
発明の目的を効果的に達成しうることを見出し本発明を
完成したものである。すなわち、本発明の要旨は下記の
通りである。 (1)(A)重金属含有廃棄物、(B)アルカリ金属化
合物又はアルカリ土類金属化合物、及び(C)硫黄を非
水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷却固化すること
を特徴とする重金属含有廃棄物の処理方法。 (2)(A)重金属含有廃棄物、及び(D)硫化物を非
水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷却固化すること
を特徴とする重金属含有廃棄物の処理方法。 (3)非水系媒体が、硫黄、アスファルト、熱可塑性樹
脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一種である
請求項1又は2記載の重金属含有廃棄物の処理方法。 (4)(B)成分及び(C)成分をそれぞれ非水系媒体
(硫黄を除く)のマスターバッチペレットとして使用す
るものである請求項1記載の重金属含有廃棄物の処理方
法。 (5)(1)〜(4)のいずれかの方法で得られた機械
的強度の高い固化体。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。先ず、処理に供する重金属含有廃棄物とは、ク
ロム,銅,カドミウム,水銀,鉛などの重金属を含有し
た、ごみ焼却灰,飛灰,汚泥,スラグ,石炭灰(フライ
アッシュ),スラッジ等の廃棄物をいう。水分を含んで
いる場合には、処理する前に乾燥させた方が好ましい。
【0007】第一の発明は、(A)重金属含有廃棄物、
(B)アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合
物、及び(C)硫黄を非水系媒体の存在下で溶融混練し
た後、冷却固化することを特徴とする重金属含有廃棄物
の処理方法である。(B)成分としては、例えば、Na
OH,Na2 O,Na2 CO3 ,KOH,K2 O,Ca
(OH)2 ,CaO,Mg(OH)2 ,MgOが挙げら
れ、一種又は二種以上使用できる。中でも、NaOH,
CaO,KOHが好適である。石炭灰のように(B)成
分を多量に含んでいる場合には、新たに添加する必要は
ない。石炭灰中の(B)成分の量は、水による懸濁液を
調製し、その懸濁液のpHを測定することによりおおよ
その数値がわかり、pHが10以上、好ましくは11以
上であれば新たに添加する必要はないが、より溶出防止
を完全にするためには添加してもよい。また、セメント
も(B)成分として使用できる。
【0008】(B)成分の量は重金属含有廃棄物中の重
金属の量によって異なるが、重金属の等モル程度であれ
ばよい。例えば、飛灰の場合、重金属含有量は0.01
〜5重量%であるので、(B)成分としては飛灰(乾燥
状態)100重量部に対して0.1〜10重量部程度あ
ればよい。(B)成分が少なすぎると、重金属の固定化
の効果が十分でない場合があり、多すぎると、量に見合
う効果がなく経済的に不利な場合がある。
【0009】次に、(C)成分の硫黄としては、特に制
限はなく、例えば、通常の硫黄単体で、天然産のもの、
天然ガスや石油留分の脱硫に伴い生産されるものなどを
挙げることができ、純度は特に高いものを使用する必要
はない。(C)成分としての硫黄の量は、(B)成分の
等モル以上であれば重金属の固定化には十分である。例
えば、飛灰の場合、硫黄としては飛灰(乾燥状態)10
0重量部に対して0.1〜10重量部程度あればよい。
硫黄が少なすぎると、重金属の固定化の効果が十分でな
い場合があり、多すぎると、量に見合う効果がなく経済
的に不利な場合がある。
【0010】(A)〜(C)成分を分散させる非水系媒
体としては、硫黄、アスファルト、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂等が好適に使用され、廃棄物の固体化に必要で
ある。なお、硫黄は硫化剤と同時に分散媒体として作用
する。硫黄は前記記載のものである。アスファルトとし
ては、種々のものがあり、天然アスファルトや、ストレ
ートアスファルト,ブローンアスファルト,溶剤脱瀝ア
スファルトなどの石油アスファルトなどを挙げることが
でき、特に使用に制限はないが、針入度0.1〜100
のアスファルトを用いた場合、固化体を難燃化するとい
う優れた性状を十分に保持しつつ、より高い強度を持た
せることができ、製品の利用範囲が飛躍的に拡大して好
ましい。なお、脱瀝用の溶剤としては、プロパン,ブタ
ン及びこれらの混合物が好ましい。熱可塑性樹脂として
は、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポ
リカーボネート,ナイロン,ポリ塩化ビニル,石油樹脂
等を挙げることができる。熱硬化性樹脂としては、エポ
キシ樹脂,キシレン樹脂,ジアリルフタレート樹脂,フ
ェノール樹脂,不飽和ポリエステル樹脂等を挙げること
ができる。
【0011】非水系媒体の量は、重金属含有廃棄物(乾
燥状態)100重量部に対して10〜1000重量部で
あるのが好ましい。溶融混練する温度は50℃以上が好
ましく、60〜300℃が更に好ましい。50℃未満で
あると硫黄とアルカリ金属類との反応が進まず、重金属
の硫化が不十分である場合がある。混練時間は1〜40
分間程度が好ましい。混練には粉体と液体の混練,捏和
に用いられる通常の混練機が使用可能であり、例えばホ
イール型,ブレード型,ロール型の混練機が挙げられ
る。
【0012】ここで、(B)成分は強アルカリであり潮
解性があるので取扱い,貯蔵には注意が必要である。ま
た、(C)成分は消防法上の危険物であり、その運搬貯
蔵について厳しい制約がある。そこで、(B)成分と
(C)成分は非水系媒体(硫黄を除く)とのマスターバ
ッチペレットとして使用した方が安全性およびハンドリ
ング上好ましい。(B)成分のマスターバッチの組成
は、非水系媒体としてアスファルトを用いる場合、アス
ファルト100重量部に対して、通常、(B)成分1〜
1000重量部、好ましくは10〜500重量部であ
る。(B)成分が少なすぎるとマスターバッチの意味が
なくなり、多すぎるとアスファルトで表面を十分覆うこ
とができなくなる。(B)成分とアスファルトを60〜
200℃で、0.1〜10分間攪拌後冷却して1〜10
mm程度に粉砕してマスターバッチペレットとする。
【0013】(C)成分のマスターバッチの組成は、非
水系媒体としてアスファルトを用いる場合、アスファル
ト100重量部に対して、通常、(C)成分0.1〜1
000重量部、好ましくは1〜700重量部である。
(C)成分が少なすぎると重金属の固定効果を発現する
のが好ましく、多すぎると室温で着火し燃焼が継続し
て、消防法上の危険物となる。(C)成分とアスファル
トを60〜150℃で、0.1〜10分間攪拌後冷却し
て1〜10mm程度に粉砕してマスターバッチペレット
とする。なお、マスターバッチのペレット化は溶融状態
から液滴として冷却する成形方法も可能である。また、
マスターバッチペレットを使用した場合の(A)〜
(C)成分及び非水系媒体の量は、前記のとおりマスタ
ーバッチペレットを使用しない場合と同じである。
【0014】以上非水系媒体の存在下(A)〜(C)成
分を混練後、冷却して固化することによって重金属を固
定化し、溶出を防ぐことができる。また、生成した固化
体は第三の発明となる。混練後そのまま放置しても数十
分で固化するが、空気冷却または水で冷却することによ
り早く固形化物を得ることができる。また、容易に成形
可能であるので、所定の型枠に充填して冷却することに
よって成形し、ブロックなどのコンクリート二次製品の
代替とすることができる。
【0015】第二の発明は、(A)重金属含有廃棄物、
及び(D)硫化物を非水系媒体の存在下で溶融混練した
後、冷却固化することを特徴とする重金属含有廃棄物の
処理方法である。(D)成分としては、硫化ナトリウ
ム,ポリ硫化ナトリウム,硫化カルシウム,ポリ硫化カ
ルシウム,硫化カリウム,ポリ硫化カリウム,硫化バリ
ウム,ポリ硫化バリウム,硫化アンモニウム,水硫化ナ
トリウム,水硫化カリウム等が挙げられ、一種又は二種
以上使用できる。中でも、ポリ硫化ナトリウム,ポリ硫
化カルシウムが好適である。
【0016】(D)成分の量は重金属含有廃棄物中の重
金属の量によって異なるが、重金属と等モル程度であれ
ばよい。例えば、飛灰の場合、重金属含有量は0.01
〜5重量%であるので、(D)成分としては飛灰(乾燥
状態)100重量部に対して0.1〜10重量部程度あ
ればよい。(D)成分が少なすぎると、重金属の固定化
の効果が十分でない場合があり、多すぎると、量に見合
う効果がなく経済的に不利な場合がある。
【0017】(A),(D)成分を分散させる非水系媒
体としては、硫黄、アスファルト、熱可塑性樹脂、熱硬
化性樹脂等が好適に使用され、廃棄物の固体化に必要で
ある。非水系媒体の種類、混練条件等の記載は第一の発
明と同様である。以上第一と第二の発明の処理方法によ
り、重金属含有廃棄物中の重金属を固定し、溶出を防ぐ
ことができるだけでなく、ダイオキシンをも封止するこ
ともできる。
【0018】第三の発明は、第一と第二の発明の処理方
法で得られた固化体のうち、機械的強度の高い固化体で
あり、ブロックなどのコンクリート二次製品の代替とす
ることができる。固化させる際に、必要に応じ充填材
(骨材)として、通常のセメントやコンクリートを調製
する場合と同様に、砂利、砕石などを配合してもよい。
【0019】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限さ
れるものではない。 実施例1〜10,比較例1及び参考例1〜5 〔参考例1〕テフロンコートした金属製バットに試薬の
粉体硫黄50g採り、そのテフロンバットをホットプレ
ートに置き、硫黄を130℃に昇温した。その硫黄をス
パーテルで混練しながら、これに粉状水酸化ナトリウム
を5g加えたところ褐色に変化した。次に、塩化鉛を1
5g添加したところ、たちどころ黒色に変化した。混練
をさらに30分間続けた後冷却し、固化体を得た。この
固化体の鉛の溶出試験を下記のとおり行った。即ち、固
化体を5mm以下に粉砕し、50gを採り、pH6.0
に調整した水を500cc加え、振とう機で6時間連続
して振とうした。次いで、1ミクロンのガラスフィルタ
ーペーパーで濾過した溶液中の鉛濃度を測定した。その
鉛濃度は0.1ppm以下であり、埋立基準以下であっ
た。なお、この参考例においては、廃棄物の代わりに塩
化鉛を使用したものである。
【0020】〔実施例1〕ごみ焼却炉の電気集塵機から
採取した乾燥した飛灰A(pH=5.5)を60g採
り、乳鉢で粉砕した水酸化ナトリウム3gとともにミキ
サーで混合した。この混合物をホットプレート上のテフ
ロンコートバット上で、石油精製装置からの粉体回収硫
黄240gとともにスパーテルで溶融状態で混練した。
混合物の温度は140℃であった。30分間混練後、一
部を10×10×40mmのステンレス製型枠の中に充
填し、自然冷却し固化させた。この固化体の圧縮強度を
(株)島津製作所製オートグラフAG5000Bを使用
し、圧縮速度5mm/分の条件で測定した。その結果を
第1表に示す。また、この固化体の重金属溶出試験を参
考例1と同様に行った。その結果を第1表に示すが、埋
立基準以下であった。なお、試料に用いた焼却飛灰のp
Hの測定は次のとおりである。試料10g採り、これに
100ccのイオン交換水を加えて3分間攪拌した。こ
の懸濁液のpHを簡易pHメーターで測定した。
【0021】〔実施例2〕飛灰A(実施例1と同じ)を
60g採り、乳鉢で粉砕した粉状水酸化ナトリウム3g
とともにミキサーで混合した。この混合物をホットプレ
ート上のテフロンコートバット上で、試薬の粉体硫黄4
0gとプロパン脱瀝アスファルト(針入度5)100g
ともにスパーテルで溶融状態で混練した。混合物の温度
は140℃であった。30分間混練後、一部を10×1
0×40mmのステンレス製型枠の中に充填し、自然冷
却し固化させた。この固化体の圧縮強度を実施例1と同
様に測定した。その結果を第1表に示す。また、この固
化体の重金属溶出試験を参考例1と同様に行った。その
結果を第1表に示すが、埋立基準以下であった。
【0022】〔実施例3〕試薬の粉体硫黄6gと乳鉢で
粉砕した粉状水酸化ナトリウム3gを80℃に加温した
テフロンバット上でスパーテルで混合したところ、褐色
状の溶液が生成した。これにプロパン脱瀝アスファルト
(針入度5)60gを混合し、温度160℃まで上げ
た。その後、飛灰A(実施例1と同じ)60gを混合
し、スパーテルで溶融状態で混練した。混合物の温度は
140℃であった。30分間混練後、一部を10×10
×40mmのステンレス製型枠の中に充填し、自然冷却
し固化させた。この固化体の圧縮強度を実施例1と同様
に測定した。その結果を第1表に示す。また、この固化
体の重金属溶出試験を参考例1と同様に行った。その結
果を第1表に示すが、埋立基準以下であった。
【0023】〔実施例4〕水12ccに石炭灰(CaO
量=25重量%)10gを懸濁させ、その懸濁液を飛灰
A(実施例1と同じ)60gに添加し、ミキサーで攪拌
混合した。これを乾燥機(120℃)で2時間乾燥させ
た。試薬の粉体硫黄90gとプロパン脱瀝アスファルト
(針入度5)60gをテフロンコートバット上で140
℃で溶解させた後、先に乾燥した飛灰Aを混合しスパー
テルで混練した。混合物の温度は140℃であった。3
0分間混練後、一部を10×10×40mmのステンレ
ス製型枠の中に充填し、自然冷却し固化させた。この固
化体の圧縮強度を実施例1と同様に測定した。その結果
を第1表に示す。また、この固化体の重金属溶出試験を
参考例1と同様に行った。その結果を第1表に示すが、
埋立基準以下であった。
【0024】〔参考例2〕飛灰A(実施例1と同じ)5
0gを採り、pH6.0に調整した水を500c
え、振とう機で6時間連続して振とうした。次いで、1
ミクロンのガラスフィルターペーパーで濾過した溶液中
の重金属の濃度を測定した。その結果を第1表に示す
が、埋立基準を大きく上回る重金属の溶出が認められ
た。
【0025】〔比較例1〕飛灰A(実施例1と同じ)を
60g採り、ホットプレート上のテフロンコートバット
上で、石油精製装置からの粉体回収硫黄240gととも
にスパーテルで溶融状態で混練した。混合物の温度は1
40℃であった。30分間混練後、一部を10×10×
40mmのステンレス製型枠の中に充填し、自然冷却し
固化させた。この固化体の圧縮強度を参考例1と同様に
測定した。その結果を第1表に示す。また、この固化体
の重金属溶出試験を実施例1と同様に行った。その結果
を第1表に示すが、埋立基準を大きく上回る重金属の溶
出が認められた。
【0026】〔実施例5〕ごみ焼却炉の電気集塵機から
採取した飛灰B(pH=11.9:測定法は実施例1と
同じ)を60g採り、ホットプレート上のテフロンコー
トバット上で、試薬の粉体硫黄180gとともにスパー
テルで溶融状態で混練した。混合物の温度は140℃で
あった。30分間混練後、一部を10×10×40mm
のステンレス製型枠の中に充填し、自然冷却し固化させ
た。この固化体の圧縮強度を実施例1と同様に測定し
た。その結果を第1表に示す。また、この固化体の重金
属溶出試験を参考例1と同様に行った。その結果を第1
表に示すが、埋立基準以下であった。なお、この実施例
は、飛灰B中にアルカリ金属化合物が含まれているの
で、(B)成分を添加しなかった例である。
【0027】〔参考例3〕飛灰B(実施例5と同じ)5
0gを採り、pH6.0に調整した水を500cc加
え、振とう機で6時間連続して振とうした。次いで、1
ミクロンのガラスフィルターペーパーで濾過した溶液中
の重金属の濃度を測定した。その結果を第1表に示す
が、埋立基準は満足するものの、かなりの重金属の溶出
が認められた。
【0028】〔実施例6〕ごみ焼却灰から採取したごみ
焼却灰(主灰)を5mm目のふるいで大きな粒径のもの
を除き、乾燥機にて120℃で3時間乾燥後、90g計
り採った。これを石炭灰(CaO量=25重量%)10
gとともにミキサーで混合した。この混合物をホットプ
レート上のテフロンコートバット上で、試薬の粉体硫黄
75gとプロパン脱瀝アスファルト(針入度15)25
gともにスパーテルで溶融状態で混練した。混合物の温
度は140℃であった。30分間混練後、一部を10×
10×40mmの真鍮製型枠の中に充填し、自然冷却し
固化させた。この固化体の圧縮強度を実施例1と同様に
測定した。その結果を第1表に示す。また、この固化体
の重金属溶出試験を参考例1と同様に行った。その結果
を第1表に示すが、埋立基準以下であった。
【0029】〔実施例7〕実施例6と同じごみ焼却灰
(主灰)を5mm目のふるいで大きな粒径のものを除
き、乾燥機にて120℃で3時間乾燥後、90g計り採
った。これを乳鉢で粉砕した水酸化ナトリウム3gとと
もにミキサーで混合した。この混合物をホットプレート
上のテフロンコートバット上で、試薬の粉体硫黄180
gとともにスパーテルで溶融状態で混練した。混合物の
温度は140℃であった。30分間混練後、一部を10
×10×40mmのステンレス製型枠の中に充填し、自
然冷却し固化させた。この固化体の圧縮強度を実施例1
と同様に測定した。その結果を第1表に示す。また、こ
の固化体の重金属溶出試験を参考例1と同様に行った。
その結果を第1表に示すが、埋立基準以下であった。
【0030】〔実施例8〕実施例6と同じごみ焼却灰
(主灰)を5mm目のふるいで大きな粒径のものを除
き、乾燥機にて120℃で3時間乾燥後、90g計り採
った。これを石炭灰(CaO量=25重量%)10gと
ともにミキサーで混合した。この混合物をホットプレー
ト上のテフロンコートバット上で、試薬の粉体硫黄75
gと低密度ポリエチレンペレット(メルトインデック
ス;55g/10分)25gともにスパーテルで溶融状
態で混練した。混合物の温度は140℃であった。30
分間混練後、一部を10×10×40mmのステンレス
製型枠の中に充填し、自然冷却し固化させた。この固化
体の圧縮強度を実施例1と同様に測定した。その結果を
第1表に示す。また、この固化体の重金属溶出試験を比
較例1と同様に行った。その結果を第1表に示すが、埋
立基準以下であった。
【0031】〔実施例9〕試薬の硫化ナトリウム6g
を、粉体硫黄10gとともにストレートアスファルト
(針入度60)60gに加え、110℃にてテフロンバ
ット上でスパーテルで混合した。その後、飛灰A(実施
例1と同じ)60gを混合し、スパーテルで溶融状態で
混練した。30分間混練後、一部を10×10×40m
mのステンレス製型枠の中に充填し、自然冷却し固化さ
せた。この固化体の圧縮強度を実施例1と同様に測定し
た。その結果を第1表に示す。また、この固化体の重金
属溶出試験を参考例1と同様に行った。その結果を第1
表に示すが、埋立基準以下であった。
【0032】〔参考例4〕実施例6と同じごみ焼却灰
(主灰)50gを採り、pH6.0に調整した水を50
0cc加え、振とう機で6時間連続して振とうした。次
いで、1ミクロンのガラスフィルターペーパーで濾過し
た溶液中の重金属の濃度を測定した。その結果を第1表
に示すが、埋立基準は満足するものの、かなりの重金属
の溶出が認められた。
【0033】〔実施例10〕ステンレス製容器にプロパ
ン脱瀝アスファルト(針入度5)を100g、試薬の粉
体硫黄100gを採り140℃に加温し10分間攪拌混
練した。混練後冷却して5mm程度に粉砕し試料Aとし
た。次いで別のステンレス容器にプロパン脱瀝アスファ
ルト(針入度5)100gを採り140℃に加温し、こ
れに粉状水酸化ナトリウム100gを加え攪拌混練し、
3分間攪拌後冷却し5mm程度に粉砕し試料Bとした。
1リットルのステンレス製容器を140℃に加温してお
き、これに飛灰C(pH=12.5:測定法は実施例1
と同じ)100gを投入した。30分間攪拌昇温した
後、プロパン脱瀝アスファルト(針入度5)を44g添
加した。次いで試料Aを20g添加し、攪拌混練した。
攪拌を続け、30分後に試料Bを12g添加し、さらに
15分間攪拌を続けた。その後室温に冷却し、固化体を
得た。この固化体の圧縮強度を実施例1と同様に測定し
た。その結果を第1表に示す。また、この固化体の重金
属溶出試験を参考例1と同様に行った。その結果を第1
表に示すが、埋立基準以下であった。
【0034】〔参考例5〕飛灰C(実施例10と同じ)
50gを採り、pH6.0に調整した水を500cc加
え、振とう機で6時間連続して振とうした。次いで、1
ミクロンのガラスフィルターペーパーで濾過した溶液中
の重金属の濃度を測定した。その結果を第1表に示す
が、埋立基準を大きく上回る重金属の溶出が認められ
た。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、重金属含有廃棄物中の
重金属を効率的に固定することによって溶出を防ぐこと
ができ、また、生成した固化体は機械的強度が高く、道
路路盤材,路床材等の土木材料や建築用構造材料などと
して好適に使用される。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)重金属含有廃棄物、(B)アルカ
    リ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物、及び(C)
    硫黄を非水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷却固化
    することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理方法。
  2. 【請求項2】 (A)重金属含有廃棄物、及び(D)硫
    化物を非水系媒体の存在下で溶融混練した後、冷却固化
    することを特徴とする重金属含有廃棄物の処理方法。
  3. 【請求項3】 非水系媒体が、硫黄、アスファルト、熱
    可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂から選ばれる少なくとも一
    種である請求項1又は2記載の重金属含有廃棄物の処理
    方法。
  4. 【請求項4】 (B)成分及び(C)成分を、それぞれ
    非水系媒体(硫黄を除く)のマスターバッチペレットと
    して使用するものである請求項1記載の重金属含有廃棄
    物の処理方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの方法で得られ
    た機械的強度の高い固化体。
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