JPH1169671A - 電動機の固定子 - Google Patents

電動機の固定子

Info

Publication number
JPH1169671A
JPH1169671A JP22164497A JP22164497A JPH1169671A JP H1169671 A JPH1169671 A JP H1169671A JP 22164497 A JP22164497 A JP 22164497A JP 22164497 A JP22164497 A JP 22164497A JP H1169671 A JPH1169671 A JP H1169671A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
winding
crossover
stator
wire
magnetic pole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22164497A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiaki Inaba
好昭 稲葉
Yoshiharu Shinoda
義春 信太
Kiyotaka Kawamura
清隆 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP22164497A priority Critical patent/JPH1169671A/ja
Publication of JPH1169671A publication Critical patent/JPH1169671A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Insulation, Fastening Of Motor, Generator Windings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、巻線が巻装される絶縁部材をもって
巻線端末である渡り線などの相互の重なりや接触を防止
して、他の追加部材の不要化によるコストの低減と信頼
性の向上を図った電動機の固定子を提供する。 【解決手段】連結部50を介して連結され、巻線70が
施された複数の磁極歯30を備えた磁極部鉄心40と、
嵌合溝80が形成される継鉄鉄心60とを具備し、各磁
極歯に絶縁部材20を介して巻線を巻装し、各磁極歯端
部が継鉄鉄心の嵌合溝に嵌合され、上記絶縁部材は、巻
線が巻装される磁極歯に嵌合される嵌合部2と、この嵌
合部の内側および外側に設けられた鍔部3,4と、外側
鍔部の両側に設けられた襟部5a,5aとからなり、内
側鍔部と外側鍔部および両側の襟部の少なくともいずれ
か1つに、巻線の端末を係止し、もしくはガイドする巻
始め端末係止部6をはじめとする配線処理構造を備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多相巻線を形成し
た電動機の固定子に関する。
【0002】
【従来の技術】電動機は、回転軸に一体に取付けられる
回転子と、この回転子の外周面と狭小の間隙を存して配
置される固定子からなる。上記固定子は、回転子が挿通
される環状の連結部を介して連結され、外側に向けて放
射状にそれぞれ延びる複数の磁極歯を備えた磁極部鉄心
と、この磁極部鉄心cの外側を囲むように配置され、内
周部に上記各磁極歯端部が嵌合される複数の嵌合溝が形
成される継鉄鉄心とから構成される。
【0003】そして、巻線が巻装されたボビンとも呼ば
れる絶縁部材が各磁極歯に嵌合される。絶縁部材は枠状
に形成されて、この外周面に巻線が巻装されて巻線組立
てが形成される。
【0004】上記絶縁部材に巻装される巻線は、その巻
始め端末と巻終り端末が絶縁部材から延出されていて、
これらは渡り線と呼ばれ、あるいは接続位置に応じて中
性点接続線あるいは電源部接続線とも呼ばれ、所定の電
気回路を構成するよう接続配線される。
【0005】ところで、上記渡り線の接続をなすには、
従来、図15に示すように、ボビンと呼ばれる絶縁部材
a上に設けられた金属ピンb上に、巻線cの端末が接続
される。
【0006】そのあと、プリント基板などから構成され
る絶縁円盤dが上記金属ピンbに嵌め込まれ、半田など
で巻線cの絶縁被膜を溶融させて巻線cと基板内の電気
回路との接続が行なわれていた。絶縁円盤dの一部には
電源部接続器eが設けられ、図示しない別部材のリード
線を使用することにより、電源との接続がなされてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成では以下のような欠点がある。 1.絶縁部材aの他に、プリント基板などから構成され
る絶縁円盤dと、電源部接続器eおよび電源接続用リー
ド線が別途必要であって、高価である。
【0008】2.電流容量が大きくなると、金属ピンb
および巻線c直径が太くなり、金属ピンbへの巻付け作
業が困難化して接触信頼性が低下する。また、絶縁円盤
dとしては、安価なプリント基板を採用することができ
ず、銅板や太い銅線を直接基板に組み込んだものが必要
であり、この点についても絶縁上の問題から絶縁円盤d
の製作が困難で、大型化し高価になる。電源部接続器e
も大型、複雑になり、非常に高価になる。
【0009】3.耐熱性が高い被膜の巻線cの場合は、
半田による溶融では被膜の剥離が完全ではない。そのた
め、金属ピンbの代わりに、高価な被膜剥離機構を用い
なければならず、しかも接触信頼性は十分でない。
【0010】4.ボビンaからはみ出た巻線cと継鉄鉄
心fとの絶縁のために別ピースの絶縁部材gを巻線cと
継鉄鉄心fとの間に挿入する必要がある。この場合、単
に挿入しただけでは絶縁部材gを所定の位置に確実に係
止することが困難であり、巻線cと継鉄鉄心fとの間に
隙間が生じることもあり、絶縁上問題となる。また、巻
線cの巻かれたボビンaを各磁極歯に挿入し、継鉄鉄心
fに嵌合したあとに絶縁部材gを挿入する場合は、巻線
cに挿入による傷が発生する恐れがある。
【0011】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
その第1の目的とするところは、巻線が巻装される絶縁
部材をもって巻線端末である渡り線の相互の重なりや接
触を防止して、他の追加部材の不要化によるコストの低
減と信頼性の向上を図った電動機の固定子を提供しよう
とするものである。
【0012】第2の目的とするところは、第1の目的に
加えて、連続した渡り線の長さを自由に設定して、巻線
の連続巻装や、磁極歯への取付けを容易化して渡り線
処理作業の自動化を可能とした電動機の固定子を提供し
ようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を満足す
るため、第1の発明は、請求項1として、環状の連結部
を介して連結され、外側に向けて放射状にそれぞれ延び
るとともに、巻線が施された複数の磁極歯を備えた磁極
部鉄心と、この磁極部鉄心の外側を囲むように配置さ
れ、内周部に複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具
備し、上記各磁極歯に絶縁部材を介して巻線を巻装する
とともに、各磁極歯端部が上記継鉄鉄心に設けられる対
応する嵌合溝に嵌合される電動機の固定子において、上
記絶縁部材は、巻線が巻装されるとともに上記磁極歯に
嵌合される嵌合部と、この嵌合部の内側および外側に設
けられた鍔部と、外側鍔部の両側に設けられた襟部とか
らなり、内側鍔部と外側鍔部および両側の襟部の少なく
ともいずれか1つに、巻線の端末もしくは渡り線を係止
もしくはガイドする配線処理手段を備えたことを特徴と
する。
【0014】上記第2の目的を満足するため、第2の発
明は、請求項6として、環状の連結部を介して連結さ
れ、外側に向けて放射状にそれぞれ延びるとともに、巻
線が施された複数の磁極歯を備えた磁極部鉄心と、この
磁極部鉄心の外側を囲むように配置され、内周部に複数
の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具備し、上記相対す
る磁極歯に絶縁部材を介して互いに接続された1対の巻
線が巻装されるとともに、各磁極歯端部が上記継鉄鉄心
に設けられる対応する嵌合溝に嵌合される電動機の固定
子において、上記絶縁部材は、巻線が巻装されるととも
に上記磁極歯に嵌合される嵌合部と、この嵌合部の内側
および外側に設けられた鍔部と、外側鍔部の両側に設け
られた襟部とからなり、内側鍔部と外側鍔部および両側
の襟部の少なくともいずれか1つに、巻線の端末もしく
は渡り線を係止もしくはガイドする配線処理手段を備え
たことを特徴とする。
【0015】以上の課題を解決する手段を採用すること
により、第1の発明では、巻線が巻装される絶縁部材を
もって渡り線相互の重なりや接触を防止でき、他の追加
部材が不要化する。
【0016】第2の発明では、巻線が巻装される絶縁部
材をもって渡り線相互の重なりや接触を防止して、他の
追加部材を不要とし、連続した渡り線の長さを自由に設
定して、巻線の連続巻装や、磁極歯への取付けを容易化
して、渡り線処理作業の自動化を可能とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面にもとづいて説明する。図1および図2に示すよう
に、環状の連結部50を介して複数の磁極歯30が外側
に向けて放射状にそれぞれ延びて連結され、これらで磁
極部鉄心40が構成される。
【0018】この磁極部鉄心40のそれぞれの磁極歯3
0には、巻線70を巻装したボビンと呼ばれる絶縁部材
20が嵌合される。磁極歯30の外側端部は絶縁部材2
0の外側面から突出し、絶縁部材20の内側面は上記連
結部50周面に密着する。
【0019】このような継鉄鉄心40の外側を囲むよう
に継鉄鉄心60が配置される。すなわち、この継鉄鉄心
60は内周部に上記絶縁部材20から突出する磁極歯3
0端部が嵌合される複数の嵌合溝80が設けられる。
【0020】したがって、図3に順次模式的に示すよう
に、磁極部鉄心40を継鉄鉄心60に組み込むには、連
結部50で連結された磁極歯30端部を継鉄鉄心60の
嵌合溝80に圧入嵌合する。この状態で固定子が構成さ
れ、継鉄鉄心60端面から配線70の端末である渡り線
21が延出される。この内径側に、ここでは図示しない
回転子が挿通されることにより電動機が構成される。
【0021】図4は、絶縁部材20を示す。この絶縁部
材20は、縦長矩形状筒体をなす嵌合部2と、この嵌合
部2の外側に一体に設けられる外側鍔部3と、嵌合部2
の内側に一体に設けられる内側鍔部4とからなる。
【0022】上記外側鍔部3の両側端に沿って、薄肉部
からなる折返し用溝部15a,15bを介して第1,第
2の襟部5a,5bがそれぞれ一体に設けられる。これ
ら第1,第2の襟部5a,5bは、上記折返し用溝部1
5a,15bを境に所定の方向に容易に折り曲げ自在と
なっている。
【0023】また、外側鍔部3と第1,第2の襟部5
a,5bの上端には、後述する配線処理手段Sが設けら
れている。すなわち、上記外側鍔部3の上端中央部に
は、ストレート状とそれに連なる円形状の切欠きからな
る第1〜第3の渡り線係止部10a〜10cが、互いに
所定間隔を存して設けられている。
【0024】第1の渡り線係止部10aの図の左側部位
で外側鍔部3上端は一段と低く形成されていて、ここに
ストレート状とそれに連なる円形状の切欠きからなる巻
始め端末係止部6と、さらにこの外側に斜めのストレー
ト状切欠きからなる第1の渡り線折返し部7が並設され
ている。
【0025】また、第3の渡り線係止部10cの図の右
側部位で外側鍔部3上端は一段と低く形成されていて、
ここにストレート状とそれに連なる円形状の切欠きから
なる巻終り端末係止部8が設けられている。
【0026】上記第2の襟部5b上端一部は、外側鍔部
3の巻終り端末係止部8が設けられる部分の上端縁と同
一の高さに形成されていて、ここにはハの字状に切欠き
形成された第2の渡り線折返し部9a,9bが設けられ
る。
【0027】上記第1の襟部5a上端には、この側端縁
から折返し用溝部15a近傍まで、上端縁と並行な切欠
きである第1の渡り線ガイド部11が設けられている。
上記外側鍔部3における上端近傍部位には、その両側部
の折返し用溝部15a,15bに接続するよう溝状の電
源部接続線ガイド部12a,12bが設けられている。
【0028】一方、内側鍔部4の上端で図の左側部位に
は、この側端から中心部に向かって斜め上方向へ切欠さ
れる第2の渡り線ガイド部13aが設けられ、かつ図の
右側部位には、この側端から中心部に向かって斜め下方
向へ切欠される第3の渡り線ガイド部13bが設けられ
る。
【0029】そして、この絶縁部材20の側端に他の絶
縁部材20を密に隣接した状態で、一方の絶縁部材20
の第3の渡り線ガイド部13bの開口端が、隣接する他
の絶縁部材20の第2の渡り線ガイド13aの開口端に
連通するように、それぞれの位置が設定されている。
【0030】さらに、内側鍔部4の上端で、上記外側鍔
部3に設けられる第1〜第3の渡り線係止部10a〜1
0cと対向する部位には、凹状の切欠きである凹部14
が設けられ、このようにして外側鍔部3と内側鍔部4の
上端に設けられる配線処理手段Sが構成される。
【0031】しかして、各磁極歯30に絶縁部材20を
介して巻装される巻線70の端末である渡り線21を、
絶縁部材20に設けられる配線処理手段Sに係止し、か
つ必要な接続および結線を行なって固定子における電気
回路を構成する。
【0032】すなわち、各絶縁部材20に巻装される巻
線70から繰り出された渡り線21のうち、それぞれの
巻始め側端末を絶縁部材20の外側鍔部3に設けられる
巻始め端末係止部6に係止して渡り線となし、巻終り側
端末を巻終り端末係止部8に係止して渡り線となし、所
定の長さ位置で切断する。
【0033】以下、図5にもとづいて具体的な配線処理
を説明する。たとえば3相通電をなす場合の電動機で
は、UA 相巻線組立て20Aにおいて、巻線70の巻終
り端末であるところの渡り線21aは、巻終り端末係止
部8に係止される。この渡り線21aは、外側鍔部3に
設けられる第2の渡り線折返し部9bから、隣接するV
B 相巻線組立て20Bの内側鍔部4に設けられる第3の
渡り線ガイド部13bと、さらに隣接するWC 相巻線組
立て20Cの内側鍔部4に設けられる第2の渡り線ガイ
ド部13aを介して、この外側鍔部3に設けられる第1
の渡り線係止部10aに係止される。
【0034】そして、第2の渡り線折返し部9bは第1
の渡り線係止部10aよりも低い位置に設けられ、第3
の渡り線ガイド部13bと第2の渡り線ガイド部13a
も斜めに設けられる溝のため、渡り線21aは第2の渡
り線折返し部9bから第1の渡り線係止部10aまで斜
め上方向に導出配線されて位置ズレがない。
【0035】同様に、VB 相巻線組立て20Bにおい
て、巻終り端末係止部8に係止されている渡り線21b
は、外側鍔部3に設けられる第2の渡り線折返し部9b
から、隣接する巻線組立て20Cの第3の渡り線ガイド
部13aと、さらに隣接するUa 相巻線組立て20aの
第1の渡り線ガイド部13bを介して、この外側鍔部3
に設けられた第1の渡り線係止部10aに係止される。
【0036】同様に、WC 相巻線組立て20Cにおい
て、巻終り端末係止部8に係止されている渡り線21c
は、外側鍔部3に設けられる第2の渡り線折返し部9b
から、隣接するUa 相巻線組立て20aの第2の渡り線
ガイド部13aと、さらに隣接するVb 相巻線組立て2
0bの第3の渡り線ガイド部13bを介して、この外側
鍔部3に設けられた第1の渡り線係止部10aに係止さ
れる。
【0037】それぞれの渡り線21a〜21cに対する
絶縁部材20の係止位置およびガイド位置の設定は、配
線処理手段Sとして先に説明した通りであるので、これ
ら渡り線の位置ズレが全くない。
【0038】一方、上記巻線組立て20aにおいて、巻
線70の巻始め端末であるところの渡り線22aは、外
側鍔部3に設けられる巻始め端末係止部6に係止され
る。この渡り線22aは第1の渡り線折返し部7で折返
えされ、隣接する巻線組立て20Cの第2の渡り線係止
部10bに係止される。
【0039】ここでも渡り線22aは、第1の渡り線折
返し部7が第2の渡り線係止部10bよりも低い位置に
設けられているため、渡り線22aは上向きに配線され
て位置ズレがない。
【0040】同様に、巻線組立て20bの巻始め端末係
止部6に係止されている渡り線22bも隣接する巻線組
立て20aの渡り線係止部10bに位置ズレなく係止さ
れ、かつ巻線組立て20cの巻始め端末係止部6に係止
されている渡り線22cも、隣接する巻線組立て20b
の渡り線係止部10bに位置ズレなく係止される。
【0041】このように、配線処理手段Sを構成する巻
始め端末係止部6と、巻終り端末係止部8と、第2の渡
り線折返し部7,9bおよび第1〜第3の渡り線係止部
10a〜10cの上下位置関係を適切に設定したので、
全ての渡り線21a〜21c,22a〜22cは互いに
接触することなく、適切な絶縁距離を保持しながら最短
距離で配線される。
【0042】上記巻線組立て20Cの第1,第2の渡り
線係止部10a,10bに係止された渡り線21a,2
2aは、その先端部が最適な長さに切り揃えられ、熱的
もしくは機械的方法によって電線の被膜が剥離される。
そして、銅線が露出した互いの渡り線21a,22a端
部はよじられたあと、半田または溶着などで結線されて
極間接続部23aが形成される。
【0043】この極間接続部23aは、外側鍔部3近傍
に位置され、固定子組立ての外径にたとえば金属製フレ
ームなどが位置しても十分な絶縁距離を存することとな
り、またこの鉄心端面とも十分な絶縁距離を存している
ので、確実な絶縁をなす。
【0044】さらに、上記巻線組立て20aの渡り線係
止部10a,10bに係止された渡り線21b,22b
の先端部相互は結線されて極間接続部23bが形成さ
れ、上記巻線組立て20bの渡り線係止部10a,10
bに係止される渡り線21c,22cの先端部相互は結
線されて極間接続部23cが形成される。
【0045】これらの極間接続部23b,23cも外側
鍔部3近傍に位置され、固定子組立ての外径にたとえ金
属製フレームなどが位置しても十分な絶縁距離を存し、
かつ鉄心端面とも十分な絶縁距離を存しているので、確
実な絶縁をなす。
【0046】一方、上記巻線組立て20aにおいて、巻
線70の巻終り端末である渡り線21a1 が中性点接続
線として、外側鍔部3に設けられる巻終り端末係止部8
に係止される。
【0047】この渡り線21a1 は第2の渡り線折返し
部9bで折返され、隣接する巻線組立て20bの第2の
渡りガイド部13aと、さらに隣接する巻線組立て20
cの第3の渡り線ガイド部13bを介して右上がりに導
出され、この巻線組立て20cの外側鍔部3に設けられ
る第2の渡り線係止部10bに係止される。
【0048】同様に、巻線組立て20bにおいて、外側
鍔部3の巻終り端末係止部8に係止される渡り線21b
1 は中性点接続線として、隣接する巻線組立て20cの
第1の襟部5aに設けられた第1の渡り線ガイド部11
に通される。
【0049】したがって、この渡り線21b1 の位置が
高められ、交差する状態にある上記渡り線22cとの接
触が防止され、そのまま巻線組立て20cの外側鍔部3
に設けられる第1の渡り線係止部10aに係止される。
【0050】上記巻線組立て20cにおける外側鍔部3
の巻終り端末係止部8に係止されている渡り線21c1
も中性点接続線として、第1の渡り線折り返し部9aで
折り返され、そのままこの巻線組立ての第3の渡り線係
止部10cに係止される。
【0051】これら3本の渡り線21a1 〜21c1 は
所定の長さに切り揃えられたあと、先端部のみ露出する
よう熱的もしくは機械的方法によって被膜が剥離され、
その剥離端部相互が一括して束ねられ、かつ半田や溶着
などの手段で結線されて中性点接続部24が形成され
る。
【0052】一方、上記巻線組立て20Aにおいて、巻
線70の巻始め端末であるところの渡り線25aが電源
部接続線として、巻始め端末係止部6に係止される。こ
の渡り線25aは外側鍔部3側面に沿って延出され、第
2の電源部接続線ガイド部12bから第2の襟部5bに
導かれる。
【0053】さらに、隣接する巻線組立て20Bの第1
の襟部5a面に沿うとともに、第1の電源部接続線ガイ
ド部12aを介して直上方へ折返される。そして、巻線
組立て20B上に設けられた第2の渡り線係止部10b
に一旦係止され、そのあとさらに上方へ引き出される。
【0054】また、巻線組立て20Bの巻始め端末係止
部6に係止された渡り線25bである電源部接続線は、
そのままこの巻線組立て20Bに設けられた第1の渡り
線係止部10aに一旦係止され、そのあとさらに上方へ
引き出される。
【0055】上記巻線組立て20Cの巻始め端末係止部
6に係止された渡り線25cである電源部接続線は、第
1の電源部接続線ガイド部12aで折り返され、巻線組
立て20Cと20Bの第1の襟部5aと第2の襟部5b
面に沿って配線され、さらに巻線組立て20Bの第2の
電源部接続線ガイド部12bを通して折り返され、第3
の渡り線係止部10cに一旦係止されたあと、上方に引
き出される。
【0056】この状態で3本の電源部接続線25a〜2
5cは互いに十分な距離を確保して最短距離で配線され
るため、互いの接触による短絡不良の発生がない。そし
て、これら3本の電源部接続線25a〜25cは所定の
長さに切り揃えられたあと、先端部のみ露出するよう、
それぞれ絶縁スリーブ26a〜26cが介挿被覆され
る。
【0057】それぞれの絶縁スリーブ26a〜26cか
ら露出する電源部接続線25a〜25cの先端部は、熱
的もしくは機械的方法によって被膜が剥離され、その剥
離端部に電源部接続端子27a〜27cが圧着などの手
段によって取付けられる。
【0058】したがって、絶縁スリーブ26a〜26c
は電源部接続端子27a〜27cと第1〜第3の渡り線
係止部10a〜10cの両方から動きが規制され、別途
絶縁スリーブ26a〜26cを結束する必要がない。
【0059】結線が完了した固定子を所定場所に保管す
るのにあたって、電源部接続線25a〜25cを内側鍔
部4上端に設けられる凹部14を介して固定子組立ての
連結部50内径側に折り込むことによって、隣接する固
定子との接触による電源部接続線25a〜25cの損傷
を防止できる。
【0060】図6に示すように、完成された配線処理に
よって固定子の電気回路が構成される。以上の構成の絶
縁部材20を用いたことによる効果を再度総括すると、
以下のようになる。
【0061】1.従来のプリント基板などから構成され
る絶縁円盤や特殊な端子を必要とせず、最短距離で配線
するため材料費の低減を図れるとともに、移動や保管時
などにおける渡り線21aなど全ての配線端末の損傷を
防止でき、張力が生じて移動が規制されるため、相互間
の接触が防止されて信頼性の向上を図れる。
【0062】2.配線処理手段Sとして、巻始め端末係
止部6、巻終り端末係止部8、第1,第2の渡り線折り
返し部7,9a,9bおよび第1〜第3の渡り線係止部
10a〜10cを設けたことにより、渡り線21aなど
全ての配線端末の係止と引き回しガイドが容易に行な
え、別部品の係止用部材が不要となり経済的である。
【0063】また、これら各部の高さを変えたので、斜
めに配線されることになり、配線交差部でも高さ方向に
空間である絶縁距離が確保できて、渡り線21aなど全
ての配線端末相互間の接触が防止される。
【0064】3.内側鍔部4に第2,第3の渡り線ガイ
ド部13a,13bを設けたことにより、渡り線21a
など全ての配線端末が空中を這う距離を短くできるとと
もに渡り線の移動を規制して相互の接触を防止し、信頼
性の向上を得る。
【0065】また、これら渡り線ガイド部13a,13
bとしての溝を斜めに設け、その角度を最適に選択した
ので、渡り線21aなど全ての配線端末を最短距離に配
線でき、無理な力がかからずにすむ。
【0066】4.第2の渡り線折り返し部9a,9bを
ほぼハの字状に形成することにより、渡り線21aなど
全ての配線端末は左右どちらでも折り返しが可能とな
り、配線の自由度を高められる。
【0067】5.外側鍔部3の両側に設けた襟部5a,
5bによって、別部材を用いることなくボビンである絶
縁部材20からはみ出た巻線70と継鉄鉄心60との絶
縁を確実にすることができるとともに、この襟部5a,
5bにも配線処理手段Sを設けたことにより、渡り線2
1aなど全ての配線端末の係止と引き回しガイドが容易
に行なえる。
【0068】本発明は、以下に説明するような変形の実
施が可能である。図7に示すように、絶縁部材20X
は、嵌合部2と、この嵌合部2の外側に一体に設けられ
る外側鍔部3と、内側に一体に設けられる内側鍔部4と
から構成され、外側鍔部3の両端には、第1の襟部5a
と第2の襟部5bが折返し用溝部15a,15bを介し
て連結される基本構成は先に説明したものと同一であ
る。
【0069】このような絶縁部材20Xに設けられる配
線処理手段SXは、後述するようになっている。すなわ
ち、外側鍔部3の上端で、図の右側端にはU字状の切欠
き(先に説明したものとは形状が異なるが、機能的は同
じ。以下、同)からなる巻終り端末係止部8と、その左
側に第3の渡り線係止部10cが設けられている。
【0070】上記外側鍔部3の上端で、図の左側端は巻
終り端末係止部8が設けられる端縁よりも低く形成さ
れ、ここに巻始め端末係止部6と、その左側に第1の渡
り線折返し部7が設けられる。さらに巻始め端末係止部
6の右側には、第1の渡り線係止部10aと、第2の渡
り線係止部10bが並設される。
【0071】左右の第1,第2の襟部5a,5bの上端
で、かつそれぞれの折り返し用溝部15a,15bに接
する部分には第1の渡り線ガイド部11aと、第2の渡
り線ガイド部11bが設けられている。外側鍔部3の下
端で、この中央付近には第4の渡り線係止部10dと第
5の渡り線係止部10eが並設される。
【0072】一方、内側鍔部4の上端部には、磁極部鉄
心40の環状の連結部50周面の形状に沿うようリード
側段部4aが形成されるとともに、下端部には同様な反
リ−ド側段部4bが形成され、リード側段部4aには凹
状の切欠きである凹部14が設けられる。
【0073】つぎに、このような絶縁部材20Xを用い
た場合の、固定子の電気回路を構成する結線手段につい
て説明する。図8は、対向する同一相の絶縁部材20
X,20X相互に連続巻線を施した状態を示している。
すなわち、一方の絶縁部材20Xにおける外側鍔部3の
上端に形成された巻始め端末係止部6に、巻線70から
延出される巻始め端末である渡り線21を係止したあ
と、この絶縁部材20Xの嵌合部2周面に巻線70を所
定の巻数だけ巻装して、巻線組立て20Aを完成させ
る。
【0074】そして、この巻線を渡り線23として上記
巻線組立て20Aの下側からそのまま導出させ、対向す
る絶縁部材20Xの下側で外側鍔部3の内側まで延出し
て、この嵌合部2周面に巻線70を同数だけ巻装する。
この巻線における巻終り端末である渡り線22を外側鍔
部3上端に設けられた巻終り端末係止部8に係止して巻
線組立て20aを完成させる。
【0075】以上の操作をなすことによりUA −Ua
巻線組立て20A−20aが構成される。この操作を別
の対向する絶縁部材20X,20X相互になすことによ
り、先に説明したようなVB −Vb 相巻線組立て20B
−20bおよびWC −Wc 相巻線組立て20C−20c
が構成される。
【0076】図9に模式的に示すように、渡り線23で
連結される3対の巻線組立て22A〜20cのそれぞれ
を、たとえばリード側段部4aから見た場合、時計回り
に20a−20C−20b−20A−20c−20Bの
ように、巻終りと巻始めの巻線組立てが交互に配置され
るよう磁極部鉄心40を構成する磁極歯30に順次挿入
嵌合する。このとき、渡り線23は継鉄鉄心60の内周
よりはみ出ないように処理をしておく。
【0077】つぎに、先に説明した絶縁部材20Xの両
襟部5a,5bを折り返し用溝部15a,15bに沿っ
て内側に折り返しながら、磁極歯30の端部を継鉄鉄心
60の内周に設けられる嵌合溝80に嵌合して固定子を
外観的に完成させる。この時、上記襟部5a,5bが巻
線を保護するため、巻線に傷がつかない。
【0078】このような固定子の電気回路を構成するた
めの具体的な配線処理は、以下の通りである。図10は
反リ一ド部14b側から見た固定子平面を示しており、
固定子端面から3本の渡り線23a〜23cが露出して
いる。はじめに、最も内側の渡り線23、たとえばたと
えば巻線組立て20A−20a間の渡り線23の中途部
を掴み、固定子端面の外径方向へ引き出す。
【0079】このとき、渡り線23の引き出し方向は、
上記巻線組立て20A−20aを例にとった場合、巻線
組立て相互の中心を結ぶ直線Lに対して約60°(また
は120°)の方向がよく、しかも渡り線掴み部23a
xは各巻線組立て20A,20aからの引き出し部に対
して120°当配になる位置に引き出していく。
【0080】一方の巻線組立て20Aから引き出された
渡り線23は、この巻線組立て20Aに設けられた反リ
ード側段部4bと、隣接する巻線組立て20cの反リー
ド側段部4bの上を通る。
【0081】そして、円弧状に形成される絶縁部材周壁
に巻き付くようにして延出され、さらに隣接する巻線組
立て20Bの反リード側段部4bの上を通り、掴み部2
3axがこの巻線組立て20Bに設けられた第5の渡り
線係止部10eに係止される。
【0082】他方の巻線組立て20aから引き出された
渡り線23aは上述の角度をなして延出され、直接、掴
み部23axが巻線組立て20Bに設けられた第4の渡
り線係止部10dに係止される。
【0083】同様にして、対向する巻線組立て20B−
20bから引き出された渡り線23bは、その掴み部2
3bxが巻線組立て20Cに設けられた第4,第5の渡
り線係止部10d,10eに係止される。
【0084】さらに、対向する巻線組立て20C−20
cから引き出された渡り線23cは、その掴み部が巻線
組立て20Aに設けられた第4,第5の渡り線係止部1
0d,10eに係止される。
【0085】上記第4,第5の渡り線係止部10d,1
0eの位置は、絶縁部材20Xに巻装される巻線70の
上端より高い位置に形成されているため、上述した異相
間の渡り線23a〜23c相互が交差することがあって
も、高さ方向に空間距離が確保されるため接触する心配
はない。
【0086】つぎに、図11を参照してリード側段部4
a側の配線について説明する。はじめに、巻線組立て2
0aの巻始め端末である渡り線21aは中性点接続線と
して、外側鍔部3上に設けられた巻始め端末係止部6に
係止される。
【0087】上記巻線組立20cの巻始め端末係止部6
に係止された巻始め端末である渡り線21cは中性点接
続線として、渡り線折返し部7で折り返され、隣接する
巻線組立て20Bの内側鍔部4の円弧状内周壁面に巻き
付くようにして配線され、このリード側段部4aの上端
面に接してから、隣接する巻線組立て20aの第2の渡
り線係止部10bに係止される。
【0088】上記巻線組立20bの巻始め端末係止部6
に係止された巻始め端末である渡り線21bも中性点接
続線として、渡り線折返し部7で折り返され、内側鍔部
4の円弧状内壁に巻き付くようにして引き出される。
【0089】そして、渡り線21bは、巻線組立て20
bのリード側段部4aと、隣接する巻線組立て20Cの
リード側段部4aおよび、さらに隣接する巻線組立て2
0aのリード側段部4aの上端面に接しながら延出さ
れ、巻線組立て20aの第1の渡り線係止部10aに係
止される。
【0090】このとき、渡り線折返し部7とリード側段
部4aおよび第1,第2の渡り線係止部10a,10b
の高さを同一に形成されているため、各渡り線21c,
21bは水平に渡り線折返し部7からリード側段部14
上に導出され、なおかつ渡り線係止部10a,10bに
係止されるので、安定して強固に固定されるとともに、
後述する異相の渡り線(電源部接続線)と相互に接触す
ることがない。
【0091】このようにして巻線組立て20aの第2の
渡り線係止部10bに係止された渡り線21cと、第1
の渡り線係止部10aに係止された渡り線21bおよ
び、巻線組立て22aから延出され巻始め端末係止部7
に係止される渡り線21aのそれぞれ先端部は、適当な
長さに切り揃えられる。
【0092】そして、熱的または機械的方法によって被
膜が剥離されたあと、捩られ、かつ半田または溶着など
の手段によって互いに接続固定され、外側鍔部3の近傍
に配置される中性点接続部24となる。
【0093】つぎに、巻線組立て20Bの巻終り端末係
止部8に係止される巻終り端末である渡り線22bは電
源部接続線として、そのまま外側鍔部3および第2の襟
部5bの外周側面を渡り、隣接する巻線組立て20cの
第1の襟部5aの第1の渡り線ガイド部11aから外側
鍔部3の内側に入り、この内周側面を通って第2の襟部
5bの第2の渡り線ガイド部11bから外側に出て、隣
接する巻線組立て20Aの外側鍔部3に設けられる第1
の渡り線係止部10aに一旦係止されたあと、斜め上方
に導出される。
【0094】このとき、渡り線22bは巻線組立て20
cにおいて、巻始め端末である渡り線21cと交差する
が、第1の渡り線ガイド部11aおよび第2の渡り線ガ
イド部11bによって高さ方向に空問距離が確保されて
いるため、絶縁不良を生じることはない。
【0095】同様にして、巻線組立て20Cの巻終り端
末係止部8に係止される巻終り端末である渡り線22c
も電源部接続線として、隣接する巻線組立て20bの外
側鍔部3の内周側面を介して隣接する巻線組立20A外
周側周面に延出され、この第2の渡り線係止部10bに
一旦係止されたあと、さらに斜め上方に引き出される。
この渡り線22cも、途中で上記巻始め端末である渡り
線21bと交差するが、第1の渡り線ガイド部11aお
よび第2の渡り線ガイド部11bによって高さ方向に空
問距離を確保するために、絶縁不良を生じることはな
い。
【0096】さらに、巻線組立20Aの外側鍔部3上の
巻終り係止部8に係止される巻終り端末である渡り線2
2aは電源部接続線として、折り返されたあと第3の渡
り線係止部10cに一旦係止され、さらに斜め上方に導
出される。
【0097】この渡り線22aが係止される巻終り係止
部8および第3の渡り線係止部10cは、渡り線22c
が係止される第2の渡り線係止部10bよりも高い位置
に設定されているので、渡り線22cに対しては高さ方
向に空間距離が確保でき、絶縁不良を生じることはな
い。
【0098】これら斜め上方に引き出された3本の電源
部接続線22a〜22cは所定の長さに切りそろえら
れ、かつ絶縁強化のため絶縁チューブ26a〜26cが
先端部を残して挿入される。
【0099】そのあと、電源部接続線22a〜22cの
先端部分は熱的または機械的方法等によって被膜が剥離
され、それぞれに電源部接続端子27a〜27cが圧着
等の方法により取り付けられる。
【0100】以上の絶縁部材20Xを用いたことによる
効果を再度総括すると、以下のようになる。 1.上記渡り線23a〜23cを反リード側段部4b側
に、巻き始め端末である中性点接続電線21a〜21c
をリード側段部4a側に導出したことにより、異相間の
渡り線や巻線間の接触を最小限に押さえ信頼性を高める
ことができ、結線方法が単純化して結線上のミスを抑制
する。
【0101】2.渡り線23a〜23cを、引き出し方
向と反対(折り返す方向)に導出し、この中間部(掴み
部)23ax〜23cxを固定子外径方向に引き出して
2カ所を係止部に係止するだけで、渡り線のたるみ線処
理を容易に、かつ経済的にできる。
【0102】3.各電源接続線の出口と中性点接続部2
4とを反対側の位置に配置し、電源部接続線のうちの2
本(22b,22c)および中性点接続線のうちの2本
(21b,21c)を、残った電源部接続線22aおよ
び中性点接続線21a側に内外側鍔部3,4間あるいは
外部に導出することにより、互いの電線や巻線との接触
を極力防止できる。
【0103】4.第1,第2の渡り線係止部10a,1
0bを巻線より高い位置に設けたことにより、渡り線2
1a〜21c,22a〜22cは斜め上方に導出され、
異相の渡り線が交差する位置においても高さ方向に空間
距離が確保でき、互いの接触を防止できる。
【0104】5.巻始め端末係止部6と同じ高さの位置
にリード側段部4aを設け、中性点接続線21a〜21
cを導出させることにより、中性点接続線は異相の巻線
と確実に絶縁が保たれる。
【0105】6.電源部接続線22a〜22cは、外側
鍔部3の両端の第1および第2の襟部5a、5bに設け
られた第1および第2の渡り線ガイド部11a,11b
を通すことによって、外側鍔部3の外側と内側とに交互
に沿いながら渡り線係止部10a〜1cに係止されるの
で、異相巻線や渡り線、および固定子外径に隣接する金
属フレーム等から確実に絶縁することができる。
【0106】7.巻終り端末係止部8および第3の渡り
線係止部10cの高さを、巻始め端末係止部6および第
1,第2の渡り線係止部10a,10bの高さと違えた
ことにより、巻始め端末係止部から導出される中性点接
続線21a〜21cと、巻終り端末係止部8から導出さ
れる電源部接続線22a〜22cの高さ方向の位置が異
なり、各線が交差する位置でも高さ方向に空間距離が確
実に確保する。
【0107】上述の絶縁部材20Xを用いた固定子にお
ける他の実施の形態を、以下に説明する。図12に示す
ように、各渡り線23a〜23cの掴み部23ax〜2
3cxの2カ所を第4,第5の渡り線係止部10d,1
0eに係止したあと、この掴み部を若干長く突出させ、
数回捩って外側鍔部3の外周側近傍に固定する。
【0108】したがって、それぞれの渡り線23a〜2
3cの一部を数回捩じるという簡単な操作で、各渡り線
端部をより確実に、より強固に絶縁部材20Xに固定す
ることができる。
【0109】図13に示すように、絶縁部材20Xの外
側鍔部3下端の上記第4,第5の渡り線係止部10e,
10dを挟んで、この両側に複数の渡り線固定部である
渡り線先端係止用突起16…が設けられる。
【0110】渡り線23a〜23cの掴み部23ax〜
23cx先端を長めに出して数回捩ったあと、この捩り
部分を外側鍔部3の外周に沿わせてから上記渡り線先端
係止用突起16に挿入係止する。
【0111】したがって、作業改善のために渡り線23
a〜23c長さを長くした場合でも、確実にかつ安全に
係止できる。そして、渡り線先端係止用突起16を複数
設けたことにより、最適な位置に掴み部23ax〜23
cx先端を係止でき、線の垂みや突っ張りを防止でき
る。
【0112】図14に示すように、渡り線23a1 〜2
3c1 の長さを各々異ならせる。たとえば、巻線組立て
20Aと20aとの間の渡り線23a1 の長さを最も短
くし、これより巻線組立て20Bと20bとの間の渡り
線23b1 の長さを長くし、巻線組立て20Cと20c
との間の渡り線23c1 をさらに長く設定する。
【0113】この記載順序で、各巻線組立て20A〜2
0cを磁極部鉄心40の磁極歯30に嵌合する。このと
き、継鉄鉄心の内周より出っ張らないように渡り線23
a〜23cの処理を行うが、それぞれの長さが違ってい
るため、接触したり、絡むことなく簡単に処理できる。
【0114】さらに、上述のように渡り線23a1 〜2
3c1 の処理を行うが、このときも各渡り線の長さが違
うので容易に固定子の外径方向に分離でき、かつ掴み部
23ax〜23cxを捩って係止するが、上述の渡り線
先端係止部16が設けられているので、最適な位置に確
実に係止できる。また、掴み部23axのような長いも
のでも、隣接する巻線組立ての渡り線先端係止部16に
確実に係止することができる。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明によれ
ば、絶縁部材により渡り線相互の重なりや接触を防止で
き、他の追加絶縁部材などがいっさい不要化して、低価
格を得るとともに、信頼性の向上を図れるという効果を
奏する。
【0116】第2の発明によれば、絶縁部材により渡り
線相互の重なりや接触を防止して、他の追加部材が不要
化するとともに、連続した渡り線の長さを自由に設定し
て、巻線の連続巻装や、磁極歯への取付けを容易化で
き、渡り線処理作業の自動化を可能とするという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、電動機の固定子
の一部の平面図。
【図2】同実施の形態の、組立てられた固定子の平面
図。
【図3】同実施の形態の、固定子の組立てを順に、かつ
模式的に示した図。
【図4】同実施の形態の、絶縁部材を様々な面から示す
とともに、その一部を拡大した図。
【図5】同実施の形態の、固定子の電気配線を具体的に
示す図。
【図6】同実施の形態の、固定子の電気回路図。
【図7】他の実施の形態の、絶縁部材を様々な面から示
すとともに、その一部を拡大した図。
【図8】同実施の形態の、一対の巻線組立てを渡り線を
介して連続させた状態の図。
【図9】同実施の形態の、固定子の組立てを順に、かつ
模式的に示した図。
【図10】同実施の形態の、固定子の電気配線を反リー
ド部側から見た図。
【図11】同実施の形態の、固定子の電気配線をリード
部側から見た図。
【図12】さらに他の実施の形態の、配線処理を説明す
る図。
【図13】さらに他の実施の形態の、絶縁部材の一部
と、配線処理を説明する図。
【図14】さらに他の実施の形態の、固定子の外観斜視
と、配線処理を説明する図。
【図15】従来の固定子の平面と、側面図。
【符号の説明】
50…連結部、 70…巻線、 30…磁極歯、 40…磁極部鉄心、 80…嵌合溝、 60…継鉄鉄心、 20…絶縁部材、 2…嵌合部、 3…外側鍔部、 4…内側鍔部、 15a,15b…(第1,第2の)襟部、 S…配線処理手段、 6…巻始め端末係止部、 8…巻終り端末係止部、 7,9a,9b…(第1,第2の)渡り線折返し部、 10a,10b…(第1,第2の)渡り線係止部。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状の連結部を介して連結され、外側に向
    けて放射状にそれぞれ延びるとともに、巻線が施された
    複数の磁極歯を備えた磁極部鉄心と、 この磁極部鉄心の外側を囲むように配置され、内周部に
    複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具備し、上記各
    磁極歯に絶縁部材を介して巻線を巻装するとともに、各
    磁極歯端部が上記継鉄鉄心に設けられる対応する嵌合溝
    に嵌合される電動機の固定子において、 上記絶縁部材は、巻線が巻装されるとともに上記磁極歯
    に嵌合される嵌合部と、この嵌合部の内側および外側に
    設けられた鍔部と、外側鍔部の両側に設けられた襟部と
    からなり、 内側鍔部と外側鍔部および両側の襟部の少なくともいず
    れか1つに、巻線の端末もしくは渡り線を係止もしくは
    ガイドする配線処理手段を備えたことを特徴とする電動
    機の固定子。
  2. 【請求項2】上記配線処理手段は、外側鍔部の両側に形
    成された巻始め端末係止部および巻終り端末係止部と、
    これら巻始め端末係止部および巻終り端末係止部の外側
    に形成された渡り線折返し部および内側に設けられた渡
    り線係止部であることを特徴とする請求項1記載の電動
    機の固定子。
  3. 【請求項3】上記一方の渡り線折返し部は、ほぼハの字
    状に形成される切欠きであることを特徴とする請求項2
    記載の電動機の固定子。
  4. 【請求項4】上記巻始め端末係止部と巻終り端末係止部
    および渡り線折返し部は、上記渡り線係止部よりも低い
    位置に設けられることを特徴とする請求項2および請求
    項3のいずれかに記載の電動機の固定子。
  5. 【請求項5】隣接する一方の絶縁部材の渡り線折返し部
    と、他方の絶縁部材の巻始め端末係止部もしくは巻終り
    端末係止部とを結んだ線上の内側鍔部に、渡り線ガイド
    部が設けられることを特徴とする請求項4記載の電動機
    の固定子。
  6. 【請求項6】環状の連結部を介して連結され、外側に向
    けて放射状にそれぞれ延びるとともに、巻線が施された
    複数の磁極歯を備えた磁極部鉄心と、 この磁極部鉄心の外側を囲むように配置され、内周部に
    複数の嵌合溝が形成される継鉄鉄心とを具備し、上記相
    対する磁極歯に絶縁部材を介して互いに接続された1対
    の巻線が巻装されるとともに、各磁極歯端部が上記継鉄
    鉄心に設けられる対応する嵌合溝に嵌合される電動機の
    固定子において、 上記絶縁部材は、巻線が巻装されるとともに上記磁極歯
    に嵌合される嵌合部と、この嵌合部の内側および外側に
    設けられた鍔部と、外側鍔部の両側に設けられた襟部と
    からなり、 内側鍔部と外側鍔部および両側の襟部の少なくともいず
    れか1つに、巻線の端末もしくは渡り線を係止もしくは
    ガイドする配線処理手段を備えたことを特徴とする電動
    機の固定子。
  7. 【請求項7】上記対向する2つの巻線は渡り線によって
    接続され、上記絶縁部材の外側鍔部の下部には渡り線係
    止部が設けられることを特徴とする請求項6記載の電動
    機の固定子。
  8. 【請求項8】上記渡り線係止部の両側に、複数の突起状
    の渡り線固定部が設けられることを特徴とする請求項7
    記載の電動機の固定子。
  9. 【請求項9】上記内側鍔部の下部には渡り線引き回し用
    の段部が設けられることを特徴とする請求項6および請
    求項7のいずれかに記載の電動機の固定子。
  10. 【請求項10】上記配線処理手段は、外側鍔部の上部の
    一方側に設けられる巻終り端末係止部と、他方側で上記
    巻終り端末係止部よりも低い位置に設けられた巻始め端
    末係止部であることを特徴とする請求項6記載の電動機
    の固定子。
  11. 【請求項11】一対の巻線の巻終り端末は、巻終り端末
    係止部の高さのまま一部に束ねられ、巻始め端末は巻始
    め端末係止部の高さのまま巻終り端末とは反対側の一部
    に束ねられることを特徴とする請求項10記載の電動機
    の固定子。
  12. 【請求項12】内側鍔部の上部には、巻始め端末引き回
    し用の段部が設けられることを特徴とする請求項11記
    載の電動機の固定子。
JP22164497A 1997-08-18 1997-08-18 電動機の固定子 Pending JPH1169671A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22164497A JPH1169671A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 電動機の固定子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22164497A JPH1169671A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 電動機の固定子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1169671A true JPH1169671A (ja) 1999-03-09

Family

ID=16770019

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22164497A Pending JPH1169671A (ja) 1997-08-18 1997-08-18 電動機の固定子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1169671A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1276206A1 (en) * 2001-07-10 2003-01-15 Chun-Pu Hsu Winding support bobbin for a stator providing an annularly closed stable stator structure on the air-gap side
WO2004015844A1 (de) * 2002-07-12 2004-02-19 Robert Bosch Gmbh Elektrische maschine
JP2007202268A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Hitachi Appliances Inc 電動機
JP2008035603A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Showa Corp 回転電機
WO2009139067A1 (ja) * 2008-05-16 2009-11-19 三菱電機株式会社 回転電機
JP2011029299A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Mitsubishi Electric Corp 巻線用ボビン及び回転電機
JP2011193721A (ja) * 2009-07-17 2011-09-29 Daikin Industries Ltd 固定子、モータ及び圧縮機
WO2019004116A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ステータ、モータおよびステータの製造方法
JPWO2019004116A1 (ja) * 2017-06-29 2020-05-07 日本電産株式会社 ステータ、モータおよびステータの製造方法

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1276206A1 (en) * 2001-07-10 2003-01-15 Chun-Pu Hsu Winding support bobbin for a stator providing an annularly closed stable stator structure on the air-gap side
WO2004015844A1 (de) * 2002-07-12 2004-02-19 Robert Bosch Gmbh Elektrische maschine
JP2007202268A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Hitachi Appliances Inc 電動機
JP2008035603A (ja) * 2006-07-27 2008-02-14 Showa Corp 回転電機
JPWO2009139067A1 (ja) * 2008-05-16 2011-09-15 三菱電機株式会社 回転電機
WO2009139067A1 (ja) * 2008-05-16 2009-11-19 三菱電機株式会社 回転電機
US8519583B2 (en) 2008-05-16 2013-08-27 Mitsubishi Electric Corporation Rotary electric machine
JP2011193721A (ja) * 2009-07-17 2011-09-29 Daikin Industries Ltd 固定子、モータ及び圧縮機
JP2011029299A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Mitsubishi Electric Corp 巻線用ボビン及び回転電機
WO2019004116A1 (ja) * 2017-06-29 2019-01-03 日本電産株式会社 ステータ、モータおよびステータの製造方法
CN110692179A (zh) * 2017-06-29 2020-01-14 日本电产株式会社 定子、马达以及定子的制造方法
JPWO2019004116A1 (ja) * 2017-06-29 2020-05-07 日本電産株式会社 ステータ、モータおよびステータの製造方法
US11271448B2 (en) 2017-06-29 2022-03-08 Nidec Corporation Stator, motor, and method of manufacturing stator
CN110692179B (zh) * 2017-06-29 2022-06-07 日本电产株式会社 定子、马达以及定子的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3903922B2 (ja) 回転電機の集中巻きステータコイル
US8471419B2 (en) Stator for rotating electric machine and manufacturing method for the same
US8269387B2 (en) Coil for rotating electric machine having bent drawn-out ends
JP3741600B2 (ja) 電動機の固定子
US7936100B2 (en) Stator for rotating machine and rotating machine using the same
JP6033582B2 (ja) ステータおよびステータの製造方法
JP2006211810A (ja) セグメント連接型回転電機
US20110234031A1 (en) Stator for rotary electrical machine
EP2063516A2 (en) Stator for rotating machine and rotating machine using the same
US20150123503A1 (en) Stator
JP6339041B2 (ja) モータ用固定子、モータ、及びモータ用固定子の製造方法
US11557934B2 (en) Interior bus bar for electric machine winding
JP3673105B2 (ja) 圧縮機用電動機の固定子
JPH1169671A (ja) 電動機の固定子
JP2602829B2 (ja) 回転電機の電機子巻線
US11469637B2 (en) Stator comprising an insulator having a restriction portion and covering a tooth
JP4744718B2 (ja) 電動機の固定子とその製造方法
JP4147291B2 (ja) 電動機の固定子
JP2001275291A (ja) 電動機の固定子
JP6895326B2 (ja) 三相モータの結線構造、結線方法及び三相モータ
JP2000232746A (ja) 圧縮機用電動機の固定子および電動圧縮機
JP5622663B2 (ja) 回転電機の固定子及びその製造方法
CN114079343B (zh) 定子组件和具有其的电机
US20210384790A1 (en) Rotary electric machine
JPH04317534A (ja) ブラシレスモータ