JPH1169502A - 集電舟装置 - Google Patents

集電舟装置

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JPH1169502A
JPH1169502A JP22461697A JP22461697A JPH1169502A JP H1169502 A JPH1169502 A JP H1169502A JP 22461697 A JP22461697 A JP 22461697A JP 22461697 A JP22461697 A JP 22461697A JP H1169502 A JPH1169502 A JP H1169502A
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boat body
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pantograph
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Isao Naruse
功 成瀬
Toshio Shikama
敏男 四釜
Junichi Fujiwara
潤一 藤原
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KOSHIN SEIKOSHO CO Ltd
Central Japan Railway Co
Koshin Seikosho Ltd
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KOSHIN SEIKOSHO CO Ltd
Central Japan Railway Co
Koshin Seikosho Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速運転時に発生する気流騒音の低減を図
る。 【解決手段】 パンタグラフを構成する上枠4aの上端
部に、天井管6aの中間部を支持する。この天井管6a
の周囲に中空の舟体9aを、この天井管6aに対する若
干の昇降自在に弾性支持する。この様に弾性支持する為
のリニアシャフト17、17及びばね11a、11a、
並びに通電の為の導線12a、12aを、上記舟体9a
内に設ける。高速運転時にも、天井管6a、リニアシャ
フト17、17、ばね11a、11a、導線12a、1
2aの周囲を空気が流れず、その分、気流騒音の低減を
図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係る集電舟装置
は、架線から電力を取り入れる為、新幹線等、高速で運
転する鉄道車両の屋根上に設置した状態で使用する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両の屋根の上方にはパンタグラフ
を介して集電舟を支持し、架線から電力を取り入れる様
にしている。即ち、上記集電舟の上面に支持した、燒結
金属等の導電材製の摺り板を架線の下縁に向け弾性的に
押し付け、この架線から車両に電気を取り入れる様にし
ている。この様なパンタグラフ及び集電舟装置のうち、
新幹線等の高速車両に使用するものは、運転時に発生す
る気流騒音の低減を考慮して、在来線に使用していたも
のとは異なる構造のものを使用している。図9〜12
は、この様な点を考慮した設計を行ない、従来から使用
されている、高速車両用のパンタグラフ及び集電舟装置
を示している。
【0003】先ず、図9〜10に示したパンタグラフ1
に就いて説明する。このパンタグラフ1は、鉄道車両の
屋根上に固定する台枠2を備える。この台枠2の上面で
車両の進行方向(図9、12の左右方向、図10〜11
の表裏方向)に離隔した2個所位置には、それぞれ下枠
3、3の下端部を枢支し、これら各下枠3、3の上端部
に、それぞれ上枠4、4の下端部を枢支している。これ
ら各下枠3、3と上枠4、4とには、図示しないばねに
より、上記各上枠4、4の上端部を上方に押圧する弾力
を付与し、次述する集電舟装置5の上面に支持した摺り
板10、10の上面を、架線の下縁に向け弾性的に押圧
自在としている。
【0004】上述の様なパンタグラフ1の上端部には、
図11〜12に略示する様な集電舟装置5を支持してい
る。この集電舟装置5を上記パンタグラフ1の上端部に
支持する為、上記各上枠4、4の上端部には天井管6
を、車両の幅方向(図9、12の表裏方向、図10〜1
1の左右方向)に亙って支持している。従来構造の場合
には、上記天井管6の両端部近傍部分に1対の支持板
7、7を、車両の進行方向に亙って設けている。そし
て、これら両支持板7、7の両端部上面にそれぞれリニ
アシャフト8、8を、上下方向に亙る変位自在に支持し
ている。そして、車両の進行方向に離隔してそれぞれ上
記車両の幅方向に亙り配設した1対の舟体9、9の両端
部を、それぞれ上記各リニアシャフト8、8の上端部に
結合支持している。そして、これら両舟体9、9の上面
にそれぞれ摺り板10、10を支持固定し、これら各摺
り板10、10を、架線の下縁と摺接自在としている。
又、上記天井管6の両端部に設けた各支持板7、7の両
端部上面と上記各舟体9、9の両端部下面との間には、
それぞればね11、11を設けて、上記各舟体9、9に
上方に向く弾力を付与している。更に、上記各舟体9、
9と前記各上枠4、4との間には、上記各摺り板10、
10が架線から受け入れた電気を流す為の導線12、1
2を配設している。
【0005】鉄道車両の運行時には、前述の様なパンタ
グラフ1の上端部に支持した、上述の様な集電舟装置5
を構成する上記各摺り板10、10の上面を、上記パン
タグラフ1に組み込んだばねと上記集電舟装置5に組み
込んだばね11、11との弾力により、架線の下縁に押
圧する。この架線の上下位置は微妙に変化するので、上
記鉄道車両の走行に伴って上記各舟体9、9が上下移動
し、上記各摺り板10、10の上面と上記架線の下縁と
の当接圧の変動を抑える。尚、この際、上記架線の大き
なうねり(ピッチの大きな上下方向の変位)に対して
は、上記パンタグラフ1を構成する下枠3、3及び上枠
4、4が変位する事により、上記集電舟装置5全体を上
下させて、上記各摺り板10、10を架線に追従させ
る。これに対して小さなうねり(ピッチの小さな上下方
向の変位)に対しては、上記各舟体9、9が前記天井管
6及び支持板7、7に対して昇降する事により、上記各
摺り板10、10を架線に追従させる。尚、上記各舟体
9、9及び摺り板10、10を車両の進行方向に関して
2列に配置している理由は、これら摺り板10、10の
上面と架線の下縁との接触面積を確保し、大きな電力の
取り入れを可能にする為である。又、前記天井管6の両
端から車両の幅方向両側下方に延びた丸棒状の枠棒1
3、13は、ポイントの通過時等、架線の位置が車両の
中心から大きくずれて舟体9の上方から外れる傾向にな
った場合に、この架線をこの舟体9の上方にすくい上げ
る役目を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述の様に構成され作
用する従来の集電舟装置5の場合、高速走行時に発生す
る気流騒音の低減が必ずしも十分とは言えない。即ち、
図11〜12に示した従来の集電舟装置5の場合、天井
管と舟体とリニアシャフトとばねとの4個の部品が、そ
れぞれ外部に露出しており、走行時にはこれら各部品の
後方でカルマン渦が発生し、このカルマン渦に基づく気
流騒音が発生する。時速200〜300km/hで走行する
高速車両の場合には、これら各部品が発生する気流騒音
が合わさって環境基準を上回る可能性があり、鉄道車両
の高速運転を阻害する原因となっている。本発明の集電
舟装置は、この様な事情に鑑みて、後方で発生するカル
マン渦並びにカルマン渦に基づく気流騒音を低減し、鉄
道車両の高速運転の可能性を高めるべく発明したもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の集電舟装置は、
前述した従来の集電舟装置と同様に、パンタグラフの上
端部に車両の幅方向に亙って結合固定される天井管と、
この天井管の両端部近傍部分に、それぞれ上下方向に亙
る変位自在に支持された複数本のリニアシャフトと、こ
れら各リニアシャフトの上端部にその両端部を結合支持
された状態で上記車両の幅方向に亙り配設された舟体
と、この舟体の上面に支持された状態で架線の下縁と摺
接する複数枚の摺り板と、上記天井管の両端部近傍部分
と上記舟体の両端部近傍部分との間に設けられ、この舟
体に上方に向く弾力を付与する複数のばねと、上記各摺
り板が架線から受け入れた電気を流す為の導線とを備え
る。
【0008】特に、本発明の集電舟装置に於いては、上
記舟体は中空箱状に形成されており、上記天井管は上記
舟体の内部にこの舟体に対する上下方向に亙る変位を自
在に支持されている。又、上記パンタグラフの上端部は
上記舟体の下面に形成した通孔をこの舟体に対する変位
を自在に挿通した状態でこの舟体内に挿入されている。
更に、上記複数のばねは、上記舟体の内部でこの舟体と
上記天井管との間に設けられている。
【0009】
【作用】上述の様に構成する本発明の集電舟装置によれ
ば、天井管とリニアシャフトとばねとが気流騒音の原因
とはならない。即ち、これら3個の部材は中空箱状の舟
体に内装されて外部に露出していないので、車両の走行
時にもこれら3個の部材の周囲に空気の流れが起きず、
これら3個の部材の後方にカルマン渦が発生する事もな
い。この様に走行時に気流騒音の原因となる部材の数が
減少する分、走行時に発生する気流騒音のレベルを低下
させて、鉄道車両の高速運転の可能性を高める事ができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜5は、請求項1〜5の要件
を総て備えた、本発明の集電舟装置の実施の形態の1例
を、図6〜8は本発明の集電舟装置を支持するパンタグ
ラフの1例を、それぞれ示している。本発明の集電舟装
置5aは、天井管6aを備え、この天井管6aに対して
舟体9aを、上下方向に亙る若干の変位自在に、弾性的
に支持している。上記天井管6aは、金属製で長矩形の
本体14の両端部にホルダ片15、15を結合固定して
成り、図6〜8に示したパンタグラフ1aの上端部に、
車両の幅方向に亙って結合固定される。この様な天井管
6aに対して上記舟体9aを支持する為、上記各ホルダ
片15、15には、それぞれ1対ずつ、合計4個のリニ
アブッシュ16、16を嵌合固定し、これら各リニアブ
ッシュ16、16の内側に、それぞれリニアシャフト1
7、17を摺動自在に挿通している。これら各リニアシ
ャフト17、17の上端部は、それぞれがT字形に形成
された上側支持ブラケット18、18と、それぞれが倒
立T字形に形成された下側支持ブラケット19、19と
の間に、上下方向に掛け渡した状態で支持している。上
記各上側、下側両支持ブラケット18、19同士は、そ
れぞれ1対ずつのリニアシャフト17、17を掛け渡し
た状態で、結合ねじ25、25により互いに結合固定し
ている。この状態で上記各リニアブッシュ16、16
は、上記各上側、下側両支持ブラケット18、19によ
り上下両側から挟まれた位置に存在し、上記各リニアシ
ャフト17、17の周囲に、若干(例えば中立位置を中
心として±7.5mm、合計15mm程度)の上下移動自在
に支持される。
【0011】一方、上記舟体9aは、全体をアルミニウ
ム合金等の軽金属により一体成形して成り、底板部20
と、車両の進行方向に関して前後両側縁から上方に折れ
曲がった1対の側板部21、21とを備え、全体の形状
を、上方が開口した船形としている。この様な舟体9a
の長さ方向両端部には、枠棒13、13の基端部をねじ
止め固定している。又、上記底板部20の中央部には、
上記パンタグラフ1aの上端部を挿通する為の中央透孔
22を、両端寄り部分で上記各ホルダ片15、15及び
上記各下側支持ブラケット19、19の下方位置には端
部透孔23、23を、それぞれ形成している。尚、図示
の例では、これら端部通孔23、23の下方を、膨出部
36、36により塞いでいる。そして、上記各側板部2
1、21の一部で上記各端部透孔23、23の上方位置
には、互いに整合する円形の挿通孔24、24を形成し
ている。そして、これら各挿通孔24、24に挿通した
結合ピン26、26を上記各上側支持ブラケット18、
18に、スリーブ27、27を介して挿通している。従
って、構成各部材を組み立てた状態で上記各リニアシャ
フト17、17は、上記舟体9aに結合固定された状態
となる。そして、前記天井管6aは上記舟体9aの内側
に、若干の上下移動自在に収納支持される。
【0012】又、上記舟体9aの上方開口部には摺り板
取付板28を、この舟体9aの両端部及び中間部2個所
位置、合計4個所位置を下方から挿通した結合ねじ2
9、29により結合している。尚、これら各結合ねじ2
9、29の上端部を螺合させる為、上記摺り板取付板2
8の下面4個所位置には、ナット片(図示せず)を固着
している。又、上記摺り板取付板28の前後両側縁部に
は、それぞれ下方に向け直角に折れ曲がった折り曲げ部
30、30を形成している。これら両折り曲げ部30、
30は、上記各結合ねじ29、29により上記摺り板取
付板28を上記舟体9aの上端開口部に結合固定した状
態で、この舟体9aの前後両側面の上部を覆う。又、前
記各結合ピン26、26の前後両端部を支持する為、上
記舟体9aを構成する前記両側板部21、21の両端部
近傍に形成した前記挿通孔24、24の外側面側開口
は、上記両折り曲げ部30、30により塞がれる。従っ
て、上記各挿通孔24、24にそれぞれの前後両端部を
嵌合した上記各結合ピン26、26が、上記各挿通孔2
4、24から抜け出る事はない。
【0013】又、上記摺り板取付板28の上面には、2
組の摺り板10a、10aを固定している。これら各摺
り板10a、10aは、それぞれ中央部2枚ずつの主摺
り板31、31と両端部2枚ずつの補助摺り板32、3
2とを、車両の幅方向に亙り直列に配置したもので、上
記摺り板取付板28を上記舟体9aに結合固定するのに
先立って、この摺り板取付板28の上面にねじ止め固定
している。
【0014】又、前記1対のホルダ片15、15の外半
部(車両の幅方向外側半部)の上面と上記摺り板取付板
28の両端部下面との間には、それぞれ2個ずつ、合計
4個のばね11a、11aを設けている。これら各ばね
11a、11aは、圧縮コイルばねの周囲を、ゴム等の
弾性材製のベローズにより覆ったもので、上記両ホルダ
片15、15を固定した前記天井管6aに対して、上記
摺り板取付板28を固定した上記舟体9aを上方に押し
上げる方向の弾力を有する。
【0015】更に、上記舟体9aを構成する前記底板部
20の上面の中間部2個所位置と、前記天井管6aの下
面の中間部2個所位置との間にはそれぞれ、シャント或
はコーベルと呼ばれる、導線12a、12aを設けてい
る。即ち、銅等の導電性の良好な金属線により造った導
線12a、12aの両端部に固着した、やはり導電性の
良好な金属板により造った端子金具33、33を、それ
ぞれ上記底板部20の上面及び天井管6aの下面の中間
部2個所位置ずつに、ねじ止め固定している。上記両導
線12a、12aは、相対変位する上記舟体9aと天井
管6aとの間で電気を流す事により、上記舟体9aに上
記摺り板取付板28を介して支持固定した前記各摺り板
10a、10aが架線から受け入れた電気を、上記天井
管6aを支持したパンタグラフ1a(図6〜8)側に設
けた別の導線に効率良く流せる様にしている。
【0016】上述の様に構成する本発明の集電舟装置5
aは、例えば図6〜8に示す様なパンタグラフ1aの上
端部に支持する。このパンタグラフ1aは、台枠2aに
車両の幅方向に亙って設けた揺動支持軸34の中間部
に、1本の下枠3aの基端部を固定し、この下枠3aの
先端部に上枠4aの基端部を結合している。そして、こ
の上枠4aの先端部に、上記集電舟装置5aを構成する
天井管6aの中間部を結合している。そして、上記揺動
支持軸34と上記台枠2aとの間に設けたばね35によ
り、上記下枠3aと上枠4aとを、図6に鎖線で示した
状態から同図に実線で示した状態にまで起立させる方向
の弾力を付与している。尚、上記下枠3aの先端部と上
記上枠4aとの連結部、並びにこの上枠4aと上記天井
管6aとの連結部には、適宜のリンク機構を設けて、上
記下枠3a及び上枠4aの起倒に拘らず、上記集電舟装
置5aの姿勢が変化しない様にしている。尚、上記パン
タグラフ1aは、前述した従来のパンタグラフ1(図9
〜10)に比べて気流騒音を低く抑えられる構造である
が、上記パンタグラフ1aの構造及び作用は、本発明の
要旨ではないので、詳しい説明は省略する。
【0017】前述の様に構成し、上述の様なパンタグラ
フ1aの上端部に支持する本発明の集電舟装置5aを備
えた車両の運行時には、上記パンタグラフ1aを図6に
実線で示した状態に起立させ、集電舟装置5aの上面に
設置した摺り板10a、10aの上面と架線の下縁とを
摺接させる。この様にして架線から摺り板10a、10
aに取り入れた電気は、前記摺り板取付板28、舟体9
a、導線12a、12aを介して上記天井管6aに送ら
れる。車両の走行時には、架線の微小うねりに伴って上
記舟体9aと天井管6aとの上下位置関係が変化する。
これら舟体9aと天井管6aとは、可撓性を有する上記
導線12a、12aにより電気的に接続されているの
で、上述の様に舟体9aと天井管6aとの上下位置関係
が変化した場合にも、これら舟体9aと天井管6aとの
間での通電は確実に行なわれる。逆に言えば、これら舟
体9aと天井管6aとの間での通電を確実に行なわせる
為に、これら舟体9aと天井管6aとの相対変位の円滑
性が損なわれる事はない。
【0018】特に、本発明の集電舟装置5aによれば、
高速走行時にも気流騒音を低く抑える事ができる。即
ち、前述した従来構造の場合には、それぞれが気流騒音
の原因となっていた、天井管6aとリニアシャフト1
7、17とばね11a、11aとが気流騒音の原因とは
ならない。何となれば、これら3個の部材6a、17、
11aは、何れも中空箱状の舟体9aとこの舟体9aの
上方開口部を塞ぐ摺り板取付板28とにより囲まれた空
間内に収納されて外部に露出していない。従って、車両
の走行時にも上記3個の部材6a、17、11aの周囲
に空気の流れが起きず、これら3個の部材6a、17、
11aの後方にカルマン渦が発生する事もない。この様
に走行時に気流騒音の原因となる部材の数が減少する
分、走行時に発生する気流騒音のレベルを低下させて、
鉄道車両の高速運転の可能性を高める事ができる。更
に、図示の例では、請求項2〜5に対応する、次の〜
の構成を採用する事により、次述する様な有用な作用
・効果を付け加える事ができる。
【0019】 パンタグラフ1aの上端部に舟体9a
を1個のみ設け、この1個の舟体9aの上面に2組の摺
り板10a、10aを、車両の進行方向に関して前後2
列に配置している。前述した様に、架線と摺り板10
a、10aとの摺接面積を広くして架線から取り入れる
電力量を確保する為には、摺り板10a、10aを車両
の進行方向に関して前後2列に配置する必要がある。こ
の為に、前述の図9〜12に示した従来構造の場合に
は、舟体9、9を車両の進行方向に関して前後2列に、
互いに離隔した状態で配置し、これら各舟体9、9の上
面にそれぞれ摺り板10、10を固定していた。この
為、上記各舟体9、9部分でそれぞれ気流騒音が発生
し、集電舟装置5全体としての気流騒音を大きくしてい
た。これに対して図示の例の場合には、前記天井管6a
とリニアシャフト17、17とばね11a、11aとを
舟体9aに内装するだけでなく、この舟体9aの数も1
個のみとした為、高速走行時に発生する気流騒音をより
一層低減できる。尚、この様に舟体の数を減らす事は、
天井管6aとリニアシャフト17、17とばね11a、
11aとを舟体9aに内装する事とは別に行なっても、
或る程度の気流騒音低減効果を得られる。但し、これら
3個の部材6a、17、11aを舟体9aに内装する事
と同時に実施する事が、大きな気流騒音低減効果を得る
為には好ましい。
【0020】 前記各導線12a、12aを舟体9a
の内部に配設している。パンタグラフ1aと摺り板10
a、10aを支持固定した舟体9aとの間には、摺り板
10a、10aにより取り入れた電気をパンタグラフ1
a側に設けた別の導線に円滑に流しつつ、上記パンタグ
ラフ1aの上端部に設けた天井管6aと舟体9aとの相
対変位を許容する為に、上記各導線12a、12aを設
ける必要がある。この為に、前述の図9〜12に示した
従来構造の場合には、舟体9、9とパンタグラフ1を構
成する上枠4、4との間に導線12、12を設けてい
た。この為、高速走行時にはこれら各導線12、12部
分でそれぞれ気流騒音が発生し、集電舟装置5全体とし
ての気流騒音を大きくしていた。これに対して図示の例
の場合には、前記天井管6aとリニアシャフト17、1
7とばね11a、11aとを舟体9aに内装するだけで
なく、上記各導線12a、12aを舟体9aの内部に配
設している為、高速走行時に発生する気流騒音をより一
層低減できる。
【0021】 上記舟体9aの上端部に前記摺り板取
付板28を装着固定し、この摺り板取付板28により上
記舟体9aの上面を構成する他、この摺り板取付板28
に形成した折り曲げ部30、30により、車両の進行方
向に関して上記舟体9aの前後両面の上部を覆ってい
る。車両の走行時には、上記各摺り板10a、10aの
上面と架線の下縁との摺接に基づいて火花が発生する。
この様にして発生した高温の火花が、アルミニウム合金
製の舟体9aに触れると、この舟体9aの寿命が損なわ
れる。図11〜12に示した従来構造の場合には、この
様な事に対しての対策が行なわれていなかった為、舟体
9の交換頻度が多くなる事が避けられない。これに対し
て図示の例の場合には、上記各折り曲げ部30、30に
より、最も火花がかかり易い、車両の進行方向に関して
上記舟体9aの前後両面の上部を覆っている為、上記舟
体9aが火花により傷む事を防止し、この舟体9aの交
換頻度を低く抑える事ができる。尚、上述の様に舟体9
aの前後両面の上部を覆う事は、天井管6aとリニアシ
ャフト17、17とばね11a、11aとを舟体9aに
内装する事とは別に行なっても、舟体の寿命延長を図れ
る。
【0022】 前記各リニアシャフト17、17の上
端部を支持する上側支持ブラケット18、18及び上記
舟体9aを構成する前記各側板部21、21の両端部近
傍部分に1対の結合ピン26、26を挿通し、上記舟体
9aの上端部に上記摺り板取付板28を装着した状態で
前記各折り曲げ部30、30が、上記各結合ピン26、
26の両端面に当接若しくは近接対向して、上記上側支
持ブラケット18、18及び上記各側板部21、21か
ら上記各結合ピン26、26が抜ける事を防止してい
る。上述の様な構成を採用する事により、前記天井管6
aと舟体9aとを、上下方向に亙る相対変位自在に組み
合わせたり、前記摺り板10a、10aを交換する為に
分解する作業を容易に行なえる。
【0023】
【発明の効果】本発明の集電舟装置は、以上に述べた通
り構成され作用するので、後方で発生するカルマン渦並
びにカルマン渦に基づく気流騒音を低減し、鉄道車両の
高速運転の可能性を高める事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す分解斜視図。
【図2】組み立てた状態で示す、図1の略A−A断面
図。
【図3】図2のB−B断面図。
【図4】図3と同じ断面部分を、舟体を省略した状態で
詳細に示す図。
【図5】図2のC−C断面図。
【図6】本発明の集電舟装置を支持したパンタグラフの
1例を示す側面図。
【図7】同じく平面図。
【図8】図6の右方から見た図。
【図9】従来の集電舟装置を支持したパンタグラフの側
面図。
【図10】図9の側方から見た図。
【図11】従来の集電舟装置を示す、図2と同様の図。
【図12】図11のD−D断面図。
【符号の説明】
1、1a パンタグラム 2、2a 台枠 3、3a 下枠 4、4a 上枠 5、5a 集電舟装置 6、6a 天井管 7 支持板 8 リニアシャフト 9、9a 舟体 10、10a 摺り板 11、11a ばね 12、12a 導線 13 枠棒 14 本体 15 ホルダ片 16 リニアブッシュ 17 リニアシャフト 18 上側支持ブラケット 19 下側支持ブラケット 20 底板部 21 側板部 22 中央透孔 23 端部透孔 24 挿通孔 25 結合ねじ 26 結合ピン 27 スリーブ 28 摺り板取付板 29 結合ねじ 30 折り曲げ部 31 主摺り板 32 補助摺り板 33 端子金具 34 揺動支持軸 35 ばね 36 膨出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 潤一 埼玉県狭山市新狭山1丁目1番12号 株式 会社工進精工所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パンタグラフの上端部に車両の幅方向に
    亙って結合固定される天井管と、この天井管の両端部近
    傍部分に、それぞれ上下方向に亙る変位自在に支持され
    た複数本のリニアシャフトと、これら各リニアシャフト
    の上端部にその両端部を結合支持された状態で上記車両
    の幅方向に亙り配設された舟体と、この舟体の上面に支
    持された状態で架線の下縁と摺接する複数枚の摺り板
    と、上記天井管の両端部近傍部分と上記舟体の両端部近
    傍部分との間に設けられ、この舟体に上方に向く弾力を
    付与する複数のばねと、上記各摺り板が架線から受け入
    れた電気を流す為の導線とを備えた集電舟装置に於い
    て、上記舟体は中空箱状に形成されており、上記天井管
    は上記舟体の内部にこの舟体に対する上下方向に亙る変
    位を自在に支持されており、上記パンタグラフの上端部
    は上記舟体の下面に形成した通孔をこの舟体に対する変
    位を自在に挿通した状態でこの舟体内に挿入されてお
    り、上記複数のばねは、上記舟体の内部でこの舟体と上
    記天井管との間に設けられている事を特徴とする集電舟
    装置。
  2. 【請求項2】 パンタグラフの上端部に舟体が1個のみ
    設けられており、この1個の舟体の上面に複数枚の摺り
    板が、車両の進行方向に関して前後2列に亙って配置さ
    れている、請求項1に記載した集電舟装置。
  3. 【請求項3】 導線が舟体の内部に配設されている、請
    求項1〜2の何れかに記載した集電舟装置。
  4. 【請求項4】 舟体の上端部に、この舟体に対して着脱
    自在な摺り板取付板を装着しており、この摺り板取付板
    が、上記舟体の上面を構成する他、車両の進行方向に関
    して上記舟体の前後両面の少なくとも上部を覆ってい
    る、請求項1〜3の何れかに記載した集電舟装置。
  5. 【請求項5】 各リニアシャフトの上端部を支持する部
    材及び舟体の両端部近傍部分に、上記各リニアシャフト
    の上端部に上記舟体を結合する為の1対の結合ピンが挿
    通されており、上記舟体の上端部に摺り板取付板を装着
    した状態でこの摺り板取付板の一部が、上記各結合ピン
    の両端面に当接若しくは近接対向して、上記各リニアシ
    ャフトの上端部及び舟体の両端部近傍部分から上記各結
    合ピンが抜ける事を防止する、請求項4に記載した集電
    舟装置。
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