JP4719177B2 - パンタグラフの接触力調整方法及びパンタグラフ - Google Patents
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本出願人らは、舟体とトロリ線との間の接触力を適正な範囲内に収めるために特許文献1において、舟体に噴流噴出しを設けて舟体周りの流れ場を変化させる技術を提案している。
摺り板を介してトロリ線に押し付けられる鈍頭型の舟体を備えたパンタグラフの接触力調整方法であって、
前記舟体の前縁部の上下に、可動式の凹凸手段を設け、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の気圧を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の気圧を低下させることを特徴とする。
摺り板を介してトロリ線に押し付けられる鈍頭型の舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、を備え、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の気圧を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の気圧を低下させることを特徴とする。
摺り板を介してトロリ線に押し付けられる流線型の舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、を備え、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の流速を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の流速を低下させることを特徴とする。
あるいは、前記舟体の表面に取り付けられた、厚み方向に屈曲可能な薄板と、該薄板を屈曲させる駆動源と、を有するものとしてもよい。この形態の場合、駆動源は、空圧式もしくは油圧式のアクチュエータ、又は、圧電素子を利用することができる。
摺り板を介してトロリ線に押し付けられる舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、
該凹凸手段を動作させる駆動機構と、
を備えるパンタグラフであって、
前記摺り板が、
前記舟体に弾性的に保持された、前記トロリ線との間の接触力に応じて前記舟体に対して上下移動するものであり、
前記駆動機構が、
前記摺り板と前記凹凸手段とを機械的に連結し、前記舟体に対する前記摺り板の上下移動に応じて前記凹凸手段を動作させるリンク機構であることを特徴とする。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、鈍頭型の舟体が流体中を移動する際の流れについて説明する。図1は、パンタグラフの舟体を模式的に示す縦断面図である。なお、図1の舟体は上下対称のものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、舟体5の支持方式は特に限定されるものではなく、シングルアーム形、菱形、下枠交差形等のいずれであってもよい。
なお、ラフネス7は、流れが剥離する位置(剥離点5a)よりも上流に設けられている。
図1(B)に示す例では、舟体5の下面にはラフネス7が配置されていないので、下面側の流れは、図1(A)の場合と同様、前縁部付近の剥離点5aで剥離する。剥離点5aよりも下流では、流れが剥離した領域Bが広がる。
なお、図1では示していないが、ラフネス7を舟体5の下面に配置すれば、上記とは逆に揚力を減少させることができる。ラフネス7の位置を舟体の形状等に応じて適宜変更し、舟体の上下の圧力バランスを調整することで、舟体に作用する揚力を適正な範囲内に収めることが可能となる。
図2に示すように、この舟体5は全体として鈍頭型であり、上部にはトロリ線(不図示)と接触する摺り板6が取り付けられている。摺り板6は、車体の幅方向に長く延びる(長さ例500〜600mm)鉄製の焼結合金などであり、トロリ線と接触して電気供給を受ける。
なお、前縁部とは、図2に示すように、摺り板6の前端部6aの上流であり、かつ、流れが物体から剥離する剥離点5a(図1も参照)よりも上流の領域をいう。
図3(A)は、トロリ線との接触力が所定の上限値を上回ったときの舟体の動作を示す模式図である。
接触力センサ11(図2参照)によって検出された接触力の値が所定の下限値を下回った場合、駆動源12が作動して上側のラフネス7Aを突出させる。このように上側のラフネス7Aが突出した場合、図1を参照して説明したように、舟体5の上面側ではラフネス7Aの作用により流れが舟体5に沿う一方、下面側では流れが剥離するため、上面側の圧力低下量が大きくなり、上面側の圧力が相対的に低下し、舟体5に作用する揚力が増す。その結果、トロリ線と舟体5との間の接触力を大きくすることができる。
本発明は、パンタグラフの舟体が流線型である場合にも適用することができる。図4は、パンタグラフの舟体(流線型)を模式的に示す図である。なお、図4の舟体は上下対称のものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
一方、図4(B)のように、舟体15の上面前縁部(一例)にラフネス7を配置すると、このラフネス7が、流速を減速させる障害物として働き、舟体15の上面側の流速が小さくなる。その結果、上面側の圧力低下量が小さくなり、下面側が相対的に低圧となって、舟体15に作用する揚力が減少する。
なお、図4では図示していないが、ラフネス7を下面前縁部に配置すれば、上記とは逆に、舟体15に作用する揚力を増加させることができる。
図5(A)は、トロリ線との接触力が所定の上限値を上回ったときの舟体の動作を示す模式図である。なお、図5の舟体15は、断面形状が流線型である点を除き、第1の実施形態と同様に構成されている。つまり、舟体15は、第1の実施形態同様、上部には摺り板16が取り付けられ、前縁部の上下には可動式のラフネス7A、7Bが設けられている。舟体15の内部には、摺り板16とトロリ線との間の接触力を検出する接触力センサと、該センサの検出結果に基づいてラフネス7A、7Bを動かす駆動源が収容されている。
この場合、舟体の下面側の流れはラフネスBの影響を受けることなく比較的高速で流れる一方、上面側の流れはラフネス7Aの影響を受けて低速となる。これにより、舟体15の下面が相対的に低圧となり、舟体に作用する揚力が減少する。
この場合、上面側の流れはラフネスAの影響を受けることなく比較的高速で流れる一方、下面側の流れはラフネス7Bの影響を受けて低速となる。これにより、舟体15の上面側が相対的に低圧となり、舟体に作用する揚力が増加する。
本発明は、舟体上部の摺り板が可動式であるパンタグラフにも適用することができる。図6は、その一例を示す縦断面図である。
図6に示す舟体25は、一例として鈍頭型である。舟体25の上部には、摺り板26がコイルバネ27を介して弾性的に保持されており、摺り板26はトロリ線との接触力に応じて上下移動する。つまり、トロリ線との接触力が大きい場合には、トロリ線によって下向きに押されてバネ27を押し縮めながら下方に移動し、接触力が小さい場合には、バネ27により上向きに押されて上方に移動する。
図7(A)は舟体5の上面の一部を拡大して示す断面図であり、舟体の表面に、厚み方向に屈曲可能な薄板からなるラフネス8を設けた例を示している。
ラフネス8は、舟体5内に設けられた、一端が舟体表面に開口する空気流路9の開口部を覆っている。空気流路9の基端側は図示しない空気溜に接続されている。空気流路9の途中には同流路を開閉するバルブBが設けられている。
7、8、8′・・・ラフネス
9・・・空気流路、11・・・接触力センサ、12・・・駆動原、22・・・リンク機構、27・・・コイルバネ
Claims (9)
- 摺り板を介してトロリ線に押し付けられる鈍頭型の舟体を備えたパンタグラフの接触力調整方法であって、
前記舟体の前縁部の上下に、可動式の凹凸手段を設け、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の気圧を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の気圧を低下させることを特徴とするパンタグラフの接触力調整方法。 - 摺り板を介してトロリ線に押し付けられる流線型の舟体を備えたパンタグラフの接触力調整方法であって、
前記舟体の前縁部の上下に、可動式の凹凸手段を設け、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の流速を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の流速を低下させることを特徴とするパンタグラフの接触力調整方法。 - 摺り板を介してトロリ線に押し付けられる鈍頭型の舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、を備え、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の気圧を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の気圧を低下させることを特徴とするパンタグラフ。 - 摺り板を介してトロリ線に押し付けられる流線型の舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、を備え、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の上限値を超えた場合には、上側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の上面側の流速を低下させ、
前記トロリ線と前記摺り板との間の接触力が所定の下限値を下回った場合には、下側の前記凹凸手段を動作させて前記舟体の下面側の流速を低下させることを特徴とするパンタグラフ。 - 前記接触力を検出する検出手段をさらに備え、該検出手段の検出結果に応じて前記凹凸手段が動作されることを特徴とする、請求項3又は4に記載のパンタグラフ。
- 前記凹凸手段が、
前記舟体表面に取り付けられた、棒状、線状、帯状又はメッシュ状のラフネスであることを特徴とする、請求項3〜5のいずれか1項に記載のパンタグラフ。 - 前記凹凸手段が、
前記舟体の表面に取り付けられた、厚み方向に屈曲可能な薄板と、
該薄板を屈曲させる駆動源と、を有することを特徴とする、請求項3〜6のいずれか1項に記載のパンタグラフ。 - 前記駆動源が、空圧式もしくは油圧式のアクチュエータ、又は、圧電素子であることを特徴とする請求項7に記載のパンタグラフ。
- 摺り板を介してトロリ線に押し付けられる舟体と、
前記舟体の前縁部の上下にそれぞれ設けられた可動式の凹凸手段と、
該凹凸手段を動作させる駆動機構と、
を備えるパンタグラフであって、
前記摺り板が、
前記舟体に弾性的に保持された、前記トロリ線との間の接触力に応じて前記舟体に対して上下移動するものであり、
前記駆動機構が、
前記摺り板と前記凹凸手段とを機械的に連結し、前記舟体に対する前記摺り板の上下移動に応じて前記凹凸手段を動作させるものであることを特徴とするパンタグラフ。
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