JPH1169225A - オートフォーカス装置 - Google Patents

オートフォーカス装置

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JPH1169225A
JPH1169225A JP9241972A JP24197297A JPH1169225A JP H1169225 A JPH1169225 A JP H1169225A JP 9241972 A JP9241972 A JP 9241972A JP 24197297 A JP24197297 A JP 24197297A JP H1169225 A JPH1169225 A JP H1169225A
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moving
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Toshiaki Yoshioka
俊明 吉岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カメラの焦点を自動的に、かつ高速に調節す
る。 【解決手段】 最初に、光学系をFAR方向に向けて所
定量Nだけ移動させて、このときの高周波成分のレベル
変化の増減傾向を基に、これ以降の光学系の移動方向を
決定する(O−Q区間)。次に、光学系を高速移動させ
て、上記高周波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に
転じて、所定のレベルαだけ低下する地点Rで、今度
は、光学系を反対方向に低速移動させる。そして、この
低速移動により、上記高周波成分のレベルが最大となる
位置、即ち合焦位置Pを通過したことを確認した後(S
地点に到達した後)、光学系を上記合焦位置Pに高速で
戻す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば監視カメラ
やビデオカメラ等の各種撮像機器において、被写体の焦
点を自動的に調節するオートフォーカス装置に関し、特
に光学系を介して得られる被写体像を基に焦点を自動調
節する所謂受動(パッシブ)式のオートフォーカス装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような受動式のオートフォーカス
装置として、例えば、撮像素子から得られる映像信号の
中から高周波成分を抽出して、この抽出した高周波成分
のレベル(大きさ)が最大になるように光学系を駆動す
るものが知られている。これは、上記高周波成分のレベ
ルが、光学系により結像される被写体像の先鋭度に相関
することを利用したもので、即ち、上記高周波成分のレ
ベルが最大となる位置が、光学系の合焦位置となる。
【0003】ここで、一般の被写体を撮影した場合(例
えばカメラの視野全体にわたって一様な壁面等の特殊な
被写体を撮影した場合を除く)の光学系の位置(例えば
フォーカスレンズの繰出量)と、この光学系の位置に対
する上記高周波成分のレベルとの関係の一例を、図7に
示す。この場合、上記高周波成分のレベルは、同図に実
線のグラフで示すように、光学系の位置に対して概略山
状に変化する。そして、この山状のグラフの頂上Pに対
応する位置が、合焦位置となる。従って、被写体に焦点
を合わせるには、上記グラフの頂上Pを見つけて、そこ
に光学系を移動させればよい。これを実現するために、
従来、一般によく知られている山登り方式により、上記
頂上Pを見つけている。
【0004】即ち、同図において、光学系が例えばO地
点にあるとすると、まず、最初に、光学系を予め定めた
方向、例えばFAR(遠距離)方向に所定量Nだけ(Q
地点まで)移動させて、このときの高周波成分のレベル
変化を監視する。そして、このレベル変化が増加傾向に
あるときには、光学系が上記頂上Pに向かって、即ち合
焦方向に向かって移動しているものと見なして、更に光
学系を同一方向に移動させる。一方、上記レベル変化が
同図に示すように減少傾向にあるときには、光学系が上
記頂上Pとは反対の方向に向かって、即ち所謂ピンぼけ
方向に向かって移動しているものと見なす。従って、こ
の場合には、上記方向とは反対のNEAR(近接)方向
に向けて光学系を移動させる。
【0005】そして、上記のように頂上Pに向けて光学
系を移動させながら高周波成分のレベルを監視し、この
高周波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に転じて所
定のレベルαだけ減少するまで(R地点まで)光学系を
移動させて、上記頂上Pの位置を確認する。そして、こ
のように頂上Pの位置を確認した後、この確認して得た
頂上Pの位置に光学系を戻せば、一連の合焦動作を実現
できる。
【0006】ところで、この従来の山登り方式によれ
ば、上記頂上Pを正確に見つけ出すために、比較的に遅
い速度で光学系を移動させている。従って、合焦動作
に、比較的に長い時間を要するという問題がある。
【0007】また、上記高周波成分のレベルの絶対値
は、一般に、被写体の照度(明るさ)に応じて変化する
ことが知られている。例えば、被写体の照度が低い場合
には、上記高周波成分のレベルは、同図に点線のグラフ
で示すように、実線のグラフよりも小さくなる。これに
対して、上記従来の山登り方式によれば、上述した頂上
PからR地点に至るレベルの減少量αは、被写体の照度
に関係なく、常に一定とされている。従って、上記のよ
うに被写体の照度が低くなると、上記頂上PからR地点
までの距離が長くなり、その分、光学系の移動量が増加
して、より合焦動作に時間が掛かるという問題もある。
【0008】更に、光学系の性能や品質によっては、例
えば図8に示すように、上記頂上(合焦位置)P以外の
所謂ピンぼけ位置において、比較的に小さいピーク
P’、P’が生じる場合がある。これらのピークP’、
P’は、一般に、偽解像(或いは擬似解像:spurious r
esolution )と呼ばれているもので、もし、この偽解像
P’、P’の頂点部分に光学系を移動させた場合、被写
体像に、例えば2線ぼけや黒白反転等の好ましくない現
象が生じることが知られている。ところが、このような
偽解像P’、P’が発生した場合、従来の山登り方式に
よる合焦動作では、この偽解像P’、P’と合焦位置P
とを間違って認識してしまうことがある。例えば、光学
系の最初の位置(O地点)が、同図に示すように、合焦
位置PとFAR側(同図の左側)の偽解像P’との間の
谷間にあるとする。この場合、最初に所定量Nだけ光学
系をFAR側に移動させる時点で、このFAR側の偽解
像P’を合焦位置Pとして誤認識してしまうという不具
合が生じる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち、本発明が解決し
ようとする問題点は、上記従来の山登り方式による合焦
動作では、合焦位置Pを見つけ出すのに時間が掛かると
いう点と、上記偽解像P’、P’を合焦位置として誤認
識してしまうという点である。
【0010】そこで、本発明は、上記従来の山登り方式
よりも短時間で合焦位置Pを見つけ出すことのできるオ
ートフォーカス装置を提供することを目的とする。ま
た、上記偽解像P’、P’が発生したとしても、これら
の影響を受けることなく、正しい合焦位置Pを見つけ出
すことも、本発明の目的とするところである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、結像
機能を備えた光学系と、この光学系によって結像された
被写体像を映像信号に変換する撮像手段と、上記映像信
号の中から高周波成分を抽出する抽出手段と、上記抽出
された高周波成分のレベルを検出しその検出レベルに基
づいて制御信号を生成する制御手段と、上記制御信号に
基づいて上記光学系をその光軸方向に沿って移動させて
該光学系と上記撮像手段の結像面との間の距離を変化さ
せる駆動手段と、を具備し、上記制御手段は、上記光学
系を所定の方向に移動させる初期動作と、この初期動作
において上記高周波成分のレベルが増加傾向にあるとき
上記光学系を上記所定の方向に高速で移動させ、上記高
周波成分のレベルが減少傾向にあるとき上記光学系を上
記所定の方向とは反対の方向に高速で移動させる高速動
作と、この高速動作において上記高周波成分のレベルが
増加傾向から減少傾向に転じてこの転じた時点から或る
第1のレベル量だけ低下したとき、上記光学系を、上記
高速動作における上記光学系の移動方向とは反対方向に
上記高速動作における移動速度よりも遅い速度で移動さ
せる低速動作と、この低速動作において上記高周波成分
のレベルが増加傾向から減少傾向に再度転じたことを確
認した後、このレベルが転じた時点に対応する位置に、
上記光学系を移動させる微調節動作と、を上記駆動手段
に実行させるよう上記制御信号を生成する状態に構成さ
れたものである。
【0012】なお、ここでは、光学系を移動させたと
き、この光学系の移動位置に対して、上記高周波成分の
レベルが、例えば上述した図7に示すように概略山状に
変化し、この山の頂上Pが、合焦位置となることを前提
とする。
【0013】即ち、本請求項1に記載の発明によれば、
光学系は、初期動作において、所定の方向に移動する。
そして、この初期動作において、高周波成分のレベルが
増加傾向にあるときには、光学系が合焦位置に向かって
移動しているものと見なすことができるので、光学系
は、高速動作において、上記初期動作と同一の方向に向
かって更に高速で移動する。一方、上記初期動作におい
て、高周波成分のレベルが減少傾向にあるときは、光学
系が合焦位置とは反対の方向に向かって、即ちピンぼけ
方向に向かって移動しているものと見なすことができる
ので、この場合には、光学系は、高速動作において、上
記初期動作とは反対の方向に向かって高速で移動する。
【0014】そして、光学系は、上記高速動作におい
て、高周波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に転じ
てこの転じた時点から或る第1のレベル量だけ低下する
まで移動した後、低速動作に入る。この低速動作におい
て、光学系は、上記高速動作における移動方向とは反対
方向に向けて低速で移動して、上記高周波成分のレベル
が増加傾向から減少傾向に再度転じる位置、即ち合焦位
置を確認する。そして、光学系は、上記合焦位置を確認
した後、微調節動作において、上記低速動作で確認して
得た合焦位置に、例えば高速で移動して、一連の合焦動
作を終了する。
【0015】つまり、本請求項1に記載の発明も、上述
した従来技術と同様に、山登り方式により合焦位置を求
めるものであるが、本請求項1に記載の発明によれば、
上記一連の合焦動作のうち、光学系が低速で動作するの
は、低速動作時(詳しくは、高周波成分のレベルが、合
焦位置におけるレベルから上記第1のレベル量だけ低下
したところから、合焦位置を確認するまでの間)のみで
ある。また、この低速動作時に、合焦位置を確認するの
で、正確な焦点調節を実現できる。
【0016】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明のオートフォーカス装置において、上記映像信号
が入力され、この入力された映像信号の信号レベル、即
ち被写体の照度(或いは輝度、コントラスト)に応じて
上記第1のレベル量を変化させる第1のレベル可変手段
を設けたものである。
【0017】即ち、上述したように、上記高周波成分の
レベル変化は、被写体の照度が高い(明るい)ほど、合
焦位置付近において急峻となり、被写体の照度が低い
(暗い)ほど、上記レベル変化は緩やかになる。従っ
て、例えば、被写体の照度に関係なく、上記第1のレベ
ル量を一定とすると、合焦位置と、高周波成分のレベル
が最大値から上記第1のレベル量だけ低下する位置(光
学系が高速動作から低速動作に変移する位置)と、の間
の距離は、被写体の照度が低くなるほど長くなる。即
ち、被写体の照度が低いほど、光学系の移動量が多くな
り、その分、合焦動作に時間が掛かる。
【0018】これに対して、本請求項2に記載の発明に
よれば、被写体の照度が低いほど、上記第1のレベル量
は、第1のレベル可変手段によって、小さく設定される
(言い換えると、被写体の照度が高いほど、上記第1の
レベル量は、第1のレベル可変手段によって、大きく設
定される)。従って、被写体の照度が低くても、上記第
1のレベルが一定(不変)である場合に比べて、光学系
の移動距離(即ち、合焦位置と、高周波成分のレベルが
最大値から上記第1のレベル分だけ低下する位置と、の
間の距離)が長くなることはない。即ち、特に被写体の
照度が低いときに、上記第1のレベルを不変(一定)と
する場合(請求項1に記載の発明)よりも、合焦動作に
要する時間を短縮できる。
【0019】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載の発明のオートフォーカス装置において、上記
制御手段が、上記高速動作及び上記低速動作のいずれか
一方または両方における上記時点、即ち合焦位置での上
記高周波成分のレベルが或る第2のレベルよりも小さい
とき、上記微調節動作において、上記光学系が移動可能
な全範囲にわたって該光学系を例えば低速で移動させる
と共に、この移動期間中に上記高周波成分のレベルが最
大となる位置を検出し、この検出して得た位置に上記光
学系を移動させるよう上記制御信号を生成する状態に構
成されたものである。
【0020】なお、ここで言う第2のレベルとは、例え
ば上述した図8に示す偽解像P’、P’のピーク値より
も大きく、かつ合焦位置Pにおける高周波成分のレベル
(最大値)よりも小さいレベルのことを言う。
【0021】即ち、上記図8に示すように偽解像P’、
P’が発生した場合、上記高速動作及び低速動作におい
て、この偽解像P’、P’のピークを、合焦位置Pとし
て誤認識する場合がある。
【0022】これに対して、本請求項3に記載の発明に
よれば、上記高速動作及び低速動作における高周波成分
のレベルの最大値(光学系を移動させたときに高周波成
分のレベルが増加傾向から減少傾向に転じる時点でのレ
ベル)が、上記第2のレベル以上であるか否かを比較し
ている。ここで、上記レベルの最大値が、第2のレベル
以上である場合は、このレベルの最大値に対応する位置
が、合焦位置Pであると見なすことができる。一方、上
記レベルの最大値が、第2のレベルよりも小さい場合に
は、この最大値は偽解像P’、P’のピークであると見
なすことができる。従って、この場合には、微調節動作
において、光学系を、それが移動可能な全範囲にわたっ
て、例えばFAR側端部とNEAR側端部との間を、低
速移動させて、この移動期間中に高周波成分のレベルが
最大となる位置を合焦位置Pと見なす。そして、最終的
に、この合焦位置Pとみなした位置に、光学系を移動さ
せる。
【0023】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
のオートフォーカス装置において、上記映像信号が入力
され、この入力された映像信号の信号レベルに応じて上
記第2のレベルを変化させる第2のレベル可変手段を設
けたものである。
【0024】なお、上述したように、被写体の照度に応
じて高周波成分のレベルが変化するのと同様に、一般
に、被写体の照度に応じて上記偽解像P’、P’のピー
ク値が変化することも知られている。即ち、被写体の照
度が高い(明るい)ときには上記偽解像P’、P’のピ
ーク値が高くなり、被写体の照度が低い(暗い)ときに
は上記偽解像P’、P’のピーク値は低くなる。
【0025】ここで、例えば、上記第2のレベルが、被
写体の照度に関係なく一定で、かつ比較的に低いレベル
であるとする。この場合、被写体の照度が高くなると、
上記偽解像P’、P’のピーク値が、上記第2のレベル
を越えてしまうことがある。このように、偽解像P’、
P’のピーク値が第2のレベルを越えてしまうと、上記
高速動作及び低速動作において高周波成分のレベルが最
大となる位置が、真の合焦位置Pであるのか、それとも
偽解像P’、P’のピークであるのかを、見極めること
ができなくなるという不具合を生じる。
【0026】また、上記とは逆に、第2のレベルが、被
写体の照度に関係なく比較的に高いレベルで一定である
とする。この場合、被写体の照度が極端に低くなると、
高周波成分のレベルの最大値、即ち合焦位置Pにおける
高周波成分のレベルまでもが、上記第2のレベルよりも
低くなることがある。従って、例えば上記高速動作及び
低速動作において合焦位置Pを見つけ出したとしても、
これを偽解像P’、P’のピークであると誤認識してし
まうことがある。そして、このように誤認識した場合に
は、光学系は、上述したように、FAR側端部からNE
AR側端部までの全移動範囲を低速移動することになる
ので、合焦動作に長い時間が掛かることになる。
【0027】これに対して、本請求項4に記載の発明に
よれば、被写体の照度に応じて、即ち上記偽解像P’、
P’及び高周波成分全体のピーク値に応じて、上記第2
のレベルが変化する(詳しくは、被写体の照度が高いと
きは、第2のレベルが高く設定され、被写体の照度が低
いときには、第2のレベルは低く設定される)。従っ
て、高速動作及び低速動作において高周波成分のレベル
が最大となる位置が、真の合焦位置Pであるのか、それ
とも偽解像P’、P’のピークであるのかを、被写体の
照度に関係なく、正しく判定できる。
【0028】請求項5に記載の発明は、請求項1、2、
3又は4に記載のオートフォーカス装置において、上記
制御手段が、上記初期動作において、上記高周波成分の
レベルが第3のレベル差以上変化したときに、上記高速
動作において、上記高周波成分のレベルの増減傾向に応
じた方向に上記光学系を高速移動させ、上記初期動作に
おいて、上記高周波成分のレベルが上記第3のレベル差
以上変化することなく上記光学系がその移動可能な範囲
の一端まで移動したとき、上記高速動作において、上記
所定の方向とは反対の方向に上記光学系を高速移動させ
るよう上記制御信号を生成する状態に構成されたもので
ある。
【0029】なお、ここで言う第3のレベル差とは、例
えば上述した偽解像P’、P’のピーク・トゥー・ピー
ク(Peak to Peak)値よりも大きく、かつ光学系の全移
動範囲における高周波成分のピーク・トゥー・ピーク値
よりも小さい値(レベル差)のことを言う。
【0030】例えば、今、上記偽解像P’、P’が発生
しており、この偽解像P’、P’上に光学系が位置して
いるものとする。この状態で、上記合焦動作を開始する
と、光学系は、初期動作において、上記偽解像P’、
P’上を移動することになる。この場合、上記偽解像
P’、P’上を移動することによる高周波成分のレベル
の増減傾向に基づいて、高速動作における光学系の移動
方向が決定されるので、結果的に、誤った移動方向が決
定されることになる。
【0031】これに対して、本請求項5に記載の発明に
よれば、上記初期動作において、高周波成分のレベル
が、少なくとも偽解像P’、P’のピーク・トゥー・ピ
ーク値よりも大きい第3のレベル差以上変化したときに
初めて、そのレベル変化の増減傾向に基づいて、高速動
作における光学系の移動方向を決定する。なお、初期動
作において、高周波成分のレベルが上記第3のレベル差
以上変化する以前に、光学系がその移動可能範囲の一端
(例えばFAR側端部またはNEAR側端部)まで移動
した場合には、光学系が、偽解像P’、P’上を移動し
ているものと見なすことができる。従って、この場合
は、この初期動作における移動方向とは反対の方向を、
高速動作における光学系の移動方向とする。
【0032】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
のオートフォーカス装置において、上記映像信号が入力
され、この入力された映像信号の信号レベルに応じて上
記第3のレベル差を変化させる第3のレベル可変手段を
設けたものである。
【0033】例えば、上記第3のレベル差を、被写体の
照度に関係なく一定とした場合、被写体の照度が高くな
ると、上記偽解像P’、P’のピーク・トゥー・ピーク
値が、上記第3のレベル差よりも大きくなることがあ
る。このように、偽解像P’、P’のピーク・トゥー・
ピーク値が第3のレベル差よりも大きくなると、上記初
期動作において、光学系が偽解像P’、P’上を移動し
ているか否かを見極めることができなくなるという不具
合を生じる。
【0034】また、上記とは逆に、被写体の照度が極端
に低くなると、高周波成分全体のピーク・トゥー・ピー
ク値までもが、上記第3のレベル差よりも小さくなるこ
とがある。この場合、初期動作において、光学系が偽解
像P’、P’上を移動しているか否かに係わらず、高周
波成分のレベルが上記第3のレベル差以上変化すること
はない。従って、全ての場合において、初期動作におけ
る移動方向とは反対の方向を、高速動作における光学系
の移動方向としてしまうため、間違った移動方向を決定
してしまうことがある。
【0035】これに対して、本請求項6に記載の発明に
よれば、被写体の照度が高いときには、上記第3のレベ
ル差が大きく設定され、被写体の照度が低いときには、
第3のレベル差が小さく設定される。従って、高速動作
における光学系の移動方向を、正確に求めることができ
る。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明に係るオートフォーカス装
置の一実施の形態について、図1から図6を参照して説
明する。なお、本実施の形態のオートフォーカス装置
も、上述した従来の受動式のオートフォーカス装置と同
様に、被写体を撮像して得た映像信号の中から高周波成
分を抽出して、この抽出した高周波成分のレベルが最大
となる位置を、基本的には山登り方式により見つけ出す
というものである。
【0037】図2に、本実施の形態の概略構成を表わす
ブロック図を示す。同図において、1は、例えばフォー
カスレンズ等の結像(集光)機能を備えた光学系で、こ
の光学系1によって写し出される図示しない被写体の被
写体像は、例えばCCD型の撮像素子2の受光面2a上
に結像され、ここで映像信号に変換される。そして、こ
の撮像素子2によって変換された映像信号は、前置増幅
器3によって増幅された後、図示しないビデオ信号処理
回路によって各種信号処理が施される。
【0038】また、上記前置増幅器3によって増幅され
た映像信号は、照度検出回路4及びハイ・パス・フィル
タ(以下、HPFと言う。)5にも、それぞれ入力され
る。このうち、照度検出回路4は、上記映像信号の振幅
から、被写体の照度を間接的に検出するもので、その検
出結果を、例えば図示しないCPU(中央演算処理装
置)を備えた制御回路6に入力する。一方、HPF5
は、上記映像信号の中から高周波成分を抽出するもの
で、このHPF5によって抽出された高周波成分もま
た、上記制御回路6に入力される。
【0039】制御回路6は、入力された上記被写体の照
度情報及び高周波成分に基づいて制御信号を生成し、こ
の制御信号を駆動回路7に供給する。駆動回路7は、こ
の供給された制御信号に従って、フォーカス駆動用モー
タ(以下、単にモータと言う。)8を駆動し、これによ
って、光学系1と撮像素子2の受光面2aとの距離を調
節する。
【0040】なお、制御回路6は、これに入力される上
記照度情報及び高周波成分のうち、焦点調節の対象とす
る領域として予め設定された所謂測距領域内の成分に基
づいて、上記制御信号を生成する。また、上記モータ8
は、例えばステッピング・モータ構成とされている。そ
して、図示しないが、光学系1の移動範囲の端部、即ち
NEAR側端部及びFAR側端部には、これら各端部に
光学系1が到達したことを検出するための端部検出手段
が設けられており、この端部検出手段の出力信号も上記
制御回路6に入力される。なお、端部検出手段は、例え
ばフォト・インタラプタ等の光発受光素子により構成さ
れている。
【0041】ところで、上記図2の構成により一般の被
写体を撮影した場合(例えばカメラの視野全体にわたっ
て一様な壁面等の特殊な被写体を撮影した場合を除
く)、光学系1の位置(即ち光学系1と撮像素子2の受
光面2aとの距離)と、この光学系1の位置に対する上
記高周波成分のレベルとの関係は、上述した図7と同様
に、例えば図1のようになる。即ち、上記高周波成分の
レベルは、同図に実線のグラフで示すように、光学系1
の位置に対して概略山状に変化し、この山状のグラフの
頂上Pに対応する位置が、合焦位置となる。
【0042】そこで、本実施の形態においては、光学系
1が例えばO地点にあるとすると、まず、最初に、光学
系1を予め定めた方向、例えばFAR方向に一定距離、
例えばNパルス分だけ(Q地点まで)比較的に遅い速度
で移動させて、このときの高周波成分のレベル変化を監
視する。そして、このレベル変化が増加傾向にあるとき
には、光学系1が上記合焦位置Pに向かって移動してい
るものと見なして、更に光学系1を同一方向に向けて、
今度は比較的に速い速度で移動させる。一方、上記レベ
ル変化が同図に示すように減少傾向にあるときには、光
学系1が上記合焦位置Pとは反対の方向に向かって、即
ち所謂ピンぼけ方向に向かって移動しているものと見な
す。従って、この場合には、上記方向とは反対のNEA
R(近接)方向に向けて光学系1を比較的に速い速度で
移動させる。
【0043】そして、上記のように頂上Pに向けて光学
系1を高速移動させながら高周波成分のレベルを監視す
る。そして、この高周波成分のレベルが増加傾向から減
少傾向に転じて所定のレベルαだけ減少するまで、即ち
同図に示すR地点まで、光学系1を高速移動させて、上
記合焦位置Pを通過したことを確認する。そして、今度
は、上記R地点から反対方向に向けて光学系1を比較的
に遅い速度で移動させて、再度、上記高周波成分のレベ
ルが増加傾向から減少傾向に転じる合焦位置Pを確認し
た後(即ち同図におけるS地点に達した後)、この確認
して得た合焦位置Pに光学系1を比較的に速い速度で移
動させて、一連の合焦動作を終了する。
【0044】なお、上記図1において、光学系1を、最
初のO地点からQ地点に移動させることが、特許請求の
範囲に記載の初期動作に対応し、Q地点からR地点に向
けて比較的に速い速度で移動させることが、高速動作に
対応する。そして、光学系1を、R地点からS地点まで
比較的に遅い速度で移動させることが、特許請求の範囲
に記載の低速動作に対応し、S地点から合焦位置Pまで
比較的に速い速度で移動させることが、微調節動作に対
応する。
【0045】このように、本実施の形態においても、上
述した従来技術と同様に、山登り方式により合焦位置P
を見つけている。しかし、本実施の形態によれば、最初
から光学系を低速で移動させるという上述した従来技術
とは異なり、図1におけるR地点からS地点までの区間
のみ(若しくは、このR−S区間と初期動作時のO−Q
区間のみ)、光学系1を低速で移動させている。従っ
て、上記従来技術に比べて、短時間で合焦位置Pを見つ
け出すことができる。また、光学系1を低速移動させる
上記P−S区間において、合焦位置Pを確認するので、
合焦精度は保たれる。
【0046】また、上述したように、被写体の照度が低
下すると、これに応じて高周波成分のレベルも、例えば
図1に点線のグラフで示すように全体的に小さくなり、
合焦位置P付近での変化が緩やかになる。ここで、例え
ば、上記合焦位置Pにおける高周波成分のレベルとR地
点における高周波成分のレベルとの相対差αを一定とす
ると、被写体の照度が低いほど、上記合焦位置PとR地
点との距離が長くなり、その結果、合焦動作が長時間化
することは、図1からも明らかである。そこで、本実施
の形態においては、上述した照度検出回路4によって検
出して得た被写体の照度に応じて上記相対差αを変化さ
せており、例えば図1に示すように被写体の照度が低い
ときには上記相対差αを小さくすることによって、上記
合焦位置PとR地点との距離が長くならないようにして
いる。なお、上記相対差αが、特許請求の範囲に記載の
第1のレベル量に対応する。
【0047】更に、上述したように、光学系1の性能や
品質によっては、例えば図3に示すように、合焦位置P
以外の所謂ピンぼけ位置に、偽解像P’、P’が生じる
ことがある。そこで、本実施の形態においては、上記偽
解像P’、P’のピークを合焦位置Pと間違えて認識す
るのを防ぐために、同図に示すように、偽解像P’、
P’のピーク値よりも大きく、かつ合焦位置Pにおける
高周波成分のレベル(最大値)よりも小さいレベルβ
を、予め設定している。そして、上述した一連の合焦動
作により見つけた高周波成分のレベルの最大値と、上記
レベルβとを比較して、上記最大値が上記レベルβ以上
の場合に、上記最大値を、真の合焦位置Pとして認識す
る。
【0048】一方、上記最大値が上記レベルβよりも小
さい場合には、上記最大値は、偽解像P’、P’のピー
クであると見なす。そして、光学系1を、全移動範囲に
わたって、例えばFAR側端部とNEAR側端部との間
を低速で移動させて、この移動期間中に上記高周波成分
のレベルが最大となる位置を合焦位置Pとする。
【0049】なお、一般には、上記偽解像P’、P’に
ついても、被写体の照度に応じて変化することが知られ
ている。従って、例えば、被写体の照度に関係なく、上
記レベルβを一定とすると、被写体の照度によっては、
偽解像P’、P’のピークが上記レベルβよりも大きく
なったり、或いは、合焦位置Pにおける高周波成分のレ
ベルが上記レベルβよりも小さくなったりすることがあ
る。この場合、上記一連の合焦動作により見つけた高周
波成分のレベルの最大値が、真の合焦位置Pであるの
か、それとも偽解像P’、P’のピークであるのかを、
見極めることができなくなる。
【0050】このような不具合を解消するために、本実
施の形態においては、上述した照度検出回路4によって
検出して得た被写体の照度に応じて、上記レベルβが、
常に、偽解像P’、P’のピークよりも大きく、かつ光
学系1の全移動領域における高周波成分のレベルの最大
値よりも小さい値となるように、上記レベルβを調整し
ている。なお、このレベルβをどれくらいの値に設定す
るのか、また被写体の照度に応じてどれくらいの割合で
上記レベルβを変化させるのかについては、実験により
求める。そして、このレベルβが、特許請求の範囲に記
載の第2のレベル量に対応する。
【0051】上記一連の合焦動作は、上述した制御回路
6内のCPUによって制御されるが、このCPUは、例
えば図4に示すフローチャートに従って駆動回路7を制
御する(制御信号を生成する)ことによって、上記一連
の合焦動作を実現する。なお、この図4のフローチャー
トに従って上記CPUを動作させるプログラムは、制御
回路6内に設けられている図示しないROMやRAM構
成の記憶部に記憶されている。
【0052】即ち、CPU(制御回路6)は、まず、照
度検出器4から得られる被写体の照度情報に応じて、上
述した各レベルα及びβを決定する(ステップS2)。
なお、このステップS2において、CPUが上記各レベ
ルα及びβを決定することが、特許請求の範囲に記載の
第1のレベル可変手段及び第2のレベル可変手段に対応
する。
【0053】そして、CPUは、HPF5から得られる
高周波成分のレベルを監視しながら、FAR方向に向け
て、光学系1をNパルス分だけ低速で移動させ(ステッ
プS4)、この移動により高周波成分のレベルが増加し
たか否かを確認する(ステップS6)。なお、このステ
ップS4及びS6の動作が、特許請求の範囲に記載の初
期動作に対応する。
【0054】CPUは、上記ステップS6において、高
周波成分のレベルが増加したことを確認したとき(ステ
ップS6においてYESのとき)、光学系1が合焦位置
Pに向かって移動しているものと見なして、そのまま同
じ方向に向けて、今度は高速で光学系1を移動させる
(ステップ8)。一方、上記ステップS6において、高
周波成分のレベルが減少したことを確認したとき(ステ
ップS6においてNOのとき)は、光学系1が合焦位置
Pとは反対方向に移動しているものと見なして、上記と
は反対の方向に向けて、高速で光学系1を移動させる
(ステップ10)。なお、これらステップS8及びS1
0の動作が、特許請求の範囲に記載の高速動作に対応す
る。
【0055】そして、上記ステップS8またはS10に
より光学系1を高速移動させた状態において、光学系1
がFAR側端部またはNEAR側端部に到達するまでの
間に、高周波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に転
じて、そのピーク値から上記レベルαだけ減少したか否
かを確認する(ステップS12及びS14)。ここで、
上記高周波成分のレベルが、ピーク値から上記レベルα
だけ低下したことを確認した場合(ステップS12にお
いてYESの場合)には、今度は、上記高速移動とは反
対の方向に向けて、光学系1を低速移動させる(ステッ
プS16)。なお、上記ステップS12及びS14から
成るループを抜けた後、このステップS16において光
学系1を低速で移動させるという動作が、特許請求の範
囲に記載の低速動作に対応する。
【0056】そして、上記ステップS16により光学系
1を低速移動させた状態において、光学系1がFAR側
端部またはNEAR側端部に到達するまでの間に、高周
波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に転じたか否
か、即ちピーク値を通過したか否かを確認する(ステッ
プS18及びS20)。ここで、上記高周波成分のレベ
ルが、ピーク値を通過したことを確認した場合(ステッ
プS18においてYESの場合)、次に、上記ピーク値
が上述したレベルβよりも大きいか否かを確認する(ス
テップ22)。
【0057】上記ステップS22において、上記ピーク
値が上記レベルβよりも大きい場合(ステップS22に
おいてYESの場合)、CPUは、上記ピーク値に対応
する位置が合焦位置Pであると認識して、その位置に高
速で移動して(ステップS24)、一連の合焦動作を終
了する。なお、上記ステップS18及びS20から成る
ループと、ステップS22とを抜けた後、このステップ
S24において光学系1を合焦位置Pに高速で移動させ
るという動作が、特許請求の範囲に記載の微調節動作に
対応する。
【0058】一方、上記ステップS22において、上記
ピーク値が上記レベルβよりも小さい場合(ステップS
22においてNOの場合)、CPUは、上記ピーク値に
対応する位置が合焦位置P以外の例えば偽解像P’、
P’のピークであると見なして、ステップS26に進
む。このステップS26においては、CPUは、光学系
1を、その全移動範囲にわたって、即ちFAR側端部と
NEAR側端部との間を、例えば低速で移動させて、こ
の移動中における高周波成分のレベルの最大値を見つけ
て、上記ステップS24に進む。
【0059】なお、上記ステップS12及びS14にお
いて、高周波成分のレベルがそのピーク値から上記レベ
ルαだけ減少するまでの間に、光学系1がFAR側端部
またはNEAR側端部に到達した場合(ステップS14
においてYESの場合)には、CPUは、上記ステップ
26に進む。また、上記ステップS18及びS20にお
いて、高周波成分のレベルが増加傾向から減少傾向に転
じる以前に、光学系1がFAR側端部またはNEAR側
端部に到達した場合(ステップS20においてYESの
場合)にも、CPUは、上記ステップ26に進む。
【0060】ところで、上記においては、偽解像P’、
P’のピークを合焦位置Pのピークと間違えないように
するために、上記図3に示すようにレベルβを設定した
が、これ以外の方法によっても、偽解像P’、P’の影
響を回避することができる。これについて、図5を参照
して説明する。
【0061】これは、図5に示すように、初期動作にお
けるO−Q区間での高周波成分のレベル変化量Δが、所
定のレベル差γよりも大きいか否かを確認するものであ
る。即ち、この所定のレベル差γとして、偽解像P’、
P’のピーク・トゥー・ピーク値(同図におけるA)よ
りも大きく、かつ高周波成分全体におけるピーク・トゥ
ー・ピーク値(同図におけるB)よりも小さい値を設定
する。そして、上記O−Q区間での高周波成分のレベル
変化量Δが、上記レベル差γよりも大きい場合に、この
レベル変化Δの増減傾向に基づいて、それ以降の光学系
1の移動方向を決定する。
【0062】一方、上記O−Q区間での高周波成分のレ
ベル変化量Δが、上記レベル差γに満たない場合には、
同じ方向に向けて光学系1を更に移動させる。そして、
この移動による高周波成分のレベル変化量Δが、上記レ
ベルγに達した時点で、上記レベル変化量Δの増減傾向
に基づいて、それ以降の光学系1の移動方向を決定す
る。ただし、上記レベル変化量Δが、上記レベルγに満
たないうちに、光学系1がFAR側端部またはNEAR
側端部に到達した場合には、光学系1を、その全移動範
囲にわたって、即ちFAR側端部とNEAR側端部との
間を、低速移動させて、この移動中に高周波成分のレベ
ルが最大となる位置を合焦位置Pとする。なお、ここで
言う上記レベルγが、特許請求の範囲に記載の第3のレ
ベル差に対応する。
【0063】そして、この図5の動作を実現するために
は、上述した図4のフローチャートにおけるステップS
6を、図6に示すようなフローチャートに変更すればよ
い。
【0064】即ち、図4のステップS4において、光学
系1をFAR方向に向けてNパルス分だけ移動させた
後、この移動により、高周波成分のレベルが上記レベル
γ以上変化したか否かを確認する(ステップS60)。
ここで、上記高周波成分のレベル変化が上記レベルγ以
上である場合(YESの場合)には、そのレベル変化
が、増加傾向にあるのか、或いは減少傾向にあるのかを
確認する(ステップS62)。そして、このステップS
62において、上記レベル変化が増加傾向にあると判断
した場合には、図4におけるステップS8に進み、上記
レベル変化が減少傾向にあると判断した場合には、ステ
ップS10に進む。
【0065】一方、上記ステップS60において、上記
高周波成分のレベルが上記レベルγ以上変化していない
場合(NOの場合)には、光学系1を更に同一方向に低
速移動させる(ステップS64)。そして、光学系1が
FAR側端部またはNEAR側端部に到達するまでの間
に、高周波成分のレベルが上記レベルγだけ変化したか
否かを確認する(ステップS66及びS68)。ここ
で、上記高周波成分のレベルが、上記レベル差γ以上変
化したことを確認した場合(ステップS66においてY
ESの場合)には、上記ステップS62に進む。ただ
し、上記高周波成分のレベルが上記レベル差γ以上変化
することなく、光学系1がFAR側端部またはNEAR
側端部に到達した場合(ステップS68においてYES
の場合)には、図4のステップS10に進む。
【0066】なお、上記レベルγについても、これを被
写体の照度に応じて、即ち照度検出回路4から得られる
照度情報に応じて、このレベルγが、常に、偽解像
P’、P’のピーク・トゥー・ピーク値Aよりも大き
く、かつ高周波成分全体におけるピーク・トゥー・ピー
ク値Bよりも小さい値となるように変化させてもよい。
この場合、図4のフローチャートにおけるステップS2
をにおいて、照度に応じてα、β及びγの各レベルを決
定するようプログラムすればよい。なお、このステップ
S2において、CPUが上記各レベルγを決定すること
が、特許請求の範囲に記載の第3のレベル可変手段及び
第2のレベル可変手段に対応する。
【0067】また、このように初期動作における高周波
成分のレベル変化量Δと、上記所定のレベルγとを比較
することによって、偽解像P’、P’の影響を回避する
場合には、上述したレベルβを用いて、このレベルβと
高周波成分のピーク値とを比較するという手順は、必須
要件とはならない。即ち、図4のフローチャートにおけ
るステップS6を、図6のフローチャートに替えた場合
には、図4のフローチャートにおけるステップS22は
省略してもよい。勿論、このステップS22を省略した
場合には、図4のフローチャートにおけるステップS2
において、レベルβを決定する必要もなくなる。
【0068】なお、本実施の形態においては、合焦動作
を開始する際、最初に光学系1をFAR方向に移動させ
たが、これとは反対のNEAR方向に移動させてもよ
い。なお、本実施の形態を、例えば監視カメラ等の比較
的に遠方側に焦点を合わせるカメラに応用する場合に
は、上記のようにFAR側に移動させた方が短時間で合
焦できる可能性が高い。
【0069】また、本実施の形態においては、光学系1
を駆動するモータ8をステッピング・モータとしたが、
これに限らない。また、光学系1については、レンズ等
の透過系のものに限らず、反射鏡等の反射系のものを用
いてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明の
オートフォーカス装置においても、上述した従来技術と
同様に、山登り方式により合焦位置を見つけているが、
その際、光学系を低速度で移動させるのは、低速動作時
(詳しくは、高周波成分のレベルが、合焦位置における
レベルから第1のレベル量だけ低下したところから、合
焦位置を確認するまでの間)のみである。従って、最初
から光学系を低速で移動させるという上述した従来技術
に比べて、短時間で合焦位置を見つけ出すことができる
という効果がある。また、このように合焦動作の時間短
縮を実現しながらも、合焦位置を確認する際には、光学
系は低速動作状態にあるので、高い合焦精度を確保でき
るという効果がある。
【0071】請求項2に記載の発明のオートフォーカス
装置によれば、被写体の照度に応じて、上記第1のレベ
ル量を変化させている。従って、高周波成分のレベル変
化が緩やかとなる低照度状態において、例えば上記第1
のレベル量を不変(一定)とする場合よりも、合焦動作
を高速化できるという効果がある。
【0072】請求項3に記載の発明のオートフォーカス
装置によれば、偽解像のピーク値よりも大きく、かつ合
焦位置における高周波成分のレベル(最大値)よりも小
さいという第2のレベルを、予め設定している。そし
て、高速動作及び低速動作における高周波成分のレベル
の最大値と、上記第2のレベルとを比較することによっ
て、上記レベルの最大値が、真の合焦位置であるのか、
或いは偽解像のピークであるのかを、見極めている。従
って、上述した従来技術とは異なり、上記偽解像を合焦
位置として誤認識することはないという効果がある。
【0073】請求項4に記載の発明のオートフォーカス
装置によれば、被写体の照度に応じて、即ち上記偽解像
及び高周波成分全体のピーク値に応じて、上記第2のレ
ベルを変化させている。従って、高速動作及び低速動作
において高周波成分のレベルが最大となる位置が、真の
合焦位置であるのか、それとも偽解像のピークであるの
かを、被写体の照度に関係なく、正しく判定できる。よ
って、被写体の照度が変化しても、偽解像像の影響を受
けることなく、正確な合焦動作を実現できるという効果
がある。
【0074】請求項5に記載の発明のオートフォーカス
装置によれば、少なくとも偽解像のピーク・トゥー・ピ
ーク値よりも大きいという第3のレベル差を、予め設定
している。そして、初期動作において、高周波成分のレ
ベルが、上記第3のレベル差以上変化したときに初め
て、そのレベル変化の増減傾向に基づいて、高速動作に
おける光学系の移動方向を決定する。従って、初期動作
により、高速動作における光学系の移動方向を決定する
際、上記偽解像の影響を受けることなく正しい上記移動
方向を決定できるという効果がある。
【0075】請求項6に記載の発明のオートフォーカス
装置によれば、被写体の照度に応じて、即ち上記偽解像
及び高周波成分全体のピーク・トゥー・ピーク値に応じ
て、上記第3のレベル差を変化させている。従って、初
期動作において被写体の照度が変化し、これによって上
記偽解像及び高周波成分全体のピーク・トゥー・ピーク
値が変化したとしても、これらの影響を受けることな
く、高速動作における光学系の移動方向を、正確に決定
できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るオートフォーカス
装置の合焦動作を概念的に表わす図である。
【図2】同実施の形態の概略構成を表わすブロック図で
ある。
【図3】同実施の形態において、被写体像に偽解像が生
じたときの対処法を概念的に表わした図である。
【図4】同実施の形態における制御回路の動作を表わす
フローチャートである。
【図5】同実施の形態において、被写体像に偽解像が生
じたときの図3とは異なる対処法を概念的に表わした図
である。
【図6】図5の動作を実現するための制御回路のフロー
チャートである。
【図7】従来の山登り方式のオートフォーカス装置にお
ける合焦動作を概念的に表わした図である。
【図8】図7において、被写体像に偽解像が生じた状態
を表わす図である。
【符号の説明】
1 光学系 2 撮像素子(撮像手段) 4 照度検出回路 5 ハイ・パス・フィルタ(抽出手段) 6 制御回路(制御手段、第1のレベル可変手段、第2
のレベル可変手段、第3のレベル可変手段) 7 駆動回路 8 モータ(駆動手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結像機能を備えた光学系と、この光学系
    によって結像された被写体像を映像信号に変換する撮像
    手段と、上記映像信号の中から高周波成分を抽出する抽
    出手段と、上記抽出された高周波成分のレベルを検出し
    その検出レベルに基づいて制御信号を生成する制御手段
    と、上記制御信号に基づいて上記光学系をその光軸方向
    に沿って移動させて該光学系と上記撮像手段の結像面と
    の間の距離を変化させる駆動手段と、を具備し、 上記制御手段は、 上記光学系を所定の方向に移動させる初期動作と、 この初期動作において上記高周波成分のレベルが増加傾
    向にあるとき上記光学系を上記所定の方向に高速で移動
    させ、上記高周波成分のレベルが減少傾向にあるとき上
    記光学系を上記所定の方向とは反対の方向に高速で移動
    させる高速動作と、 この高速動作において上記高周波成分のレベルが増加傾
    向から減少傾向に転じてこの転じた時点から或る第1の
    レベル量だけ低下したとき、上記光学系を、上記高速動
    作における上記光学系の移動方向とは反対方向に上記高
    速動作における移動速度よりも遅い速度で移動させる低
    速動作と、 この低速動作において上記高周波成分のレベルが増加傾
    向から減少傾向に再度転じたことを確認した後、このレ
    ベルが転じた時点に対応する位置に、上記光学系を移動
    させる微調節動作と、を上記駆動手段に実行させるよう
    上記制御信号を生成する状態に構成されたオートフォー
    カス装置。
  2. 【請求項2】 上記映像信号が入力され、この入力され
    た映像信号の信号レベルに応じて上記第1のレベル量を
    変化させる第1のレベル可変手段を設けた請求項1に記
    載のオートフォーカス装置。
  3. 【請求項3】 上記制御手段が、 上記高速動作及び上記低速動作のいずれか一方または両
    方における上記時点での上記高周波成分のレベルが或る
    第2のレベルよりも小さいとき、上記微調節動作におい
    て、上記光学系が移動可能な全範囲にわたって該光学系
    を移動させると共に、この移動期間中に上記高周波成分
    のレベルが最大となる位置を検出し、この検出して得た
    位置に上記光学系を移動させるよう上記制御信号を生成
    する状態に構成された請求項1または2に記載のオート
    フォーカス装置。
  4. 【請求項4】 上記映像信号が入力され、この入力され
    た映像信号の信号レベルに応じて上記第2のレベルを変
    化させる第2のレベル可変手段を設けた請求項3に記載
    のオートフォーカス装置。
  5. 【請求項5】 上記制御手段が、 上記初期動作において、上記高周波成分のレベルが或る
    第3のレベル差以上変化したときに、上記高速動作にお
    いて、上記高周波成分のレベルの増減傾向に応じた方向
    に上記光学系を高速移動させ、上記初期動作において、
    上記高周波成分のレベルが上記第3のレベル差以上変化
    することなく上記光学系がその移動可能な範囲の一端ま
    で移動したとき、上記高速動作において、上記所定の方
    向とは反対の方向に上記光学系を高速移動させるよう上
    記制御信号を生成する状態に構成された請求項1、2、
    3または4に記載のオートフォーカス装置。
  6. 【請求項6】 上記映像信号が入力され、この入力され
    た映像信号の信号レベルに応じて上記第3のレベル差を
    変化させる第3のレベル可変手段を設けた請求項5に記
    載のオートフォーカス装置。
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