JPH116905A - 光拡散フィルムおよびその製法 - Google Patents

光拡散フィルムおよびその製法

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JPH116905A
JPH116905A JP9158437A JP15843797A JPH116905A JP H116905 A JPH116905 A JP H116905A JP 9158437 A JP9158437 A JP 9158437A JP 15843797 A JP15843797 A JP 15843797A JP H116905 A JPH116905 A JP H116905A
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light
film
light diffusion
light diffusing
fine particles
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JP9158437A
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English (en)
Inventor
Eizo Kawano
栄三 川野
Koji Kouchi
浩二 古内
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光拡散性が強く、高い光透過率を有することに
より、面光源装置等の正面輝度を高くすることができる
光拡散フィルムおよびその製法を提供する。 【解決手段】透明な基材フィルム7の片面に、微粒子9
を有する樹脂バインダー8からなる光拡散層10が形成
されてなる光拡散フィルム12であって、上記光拡散層
10に空隙部11が分散状態で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
のバックライト、照明装置等に用いられる光拡散フィル
ムおよびその製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、パソコン、ワープロ、液晶テ
レビ等のような液晶を使用する液晶表示装置には、液晶
自体に発光性がないため、この液晶表示装置を裏面側か
ら照射するバックライトが使用されている。そして、こ
のバックライトは、液晶表示画面全体に均一に照射させ
なければならないという要求に応えるため、例えば、NI
KKEI MATERIALS & TECHNOLOGY 1993.12,No.136 第34頁
〜第38頁に示されているような、サイドライト型、直下
型もしくは楔型の面光源装置が採用されている。なかで
も、薄型化、小型化が望まれているノート型パソコン等
の薄型の液晶表示装置には、液晶表示画面に対して側面
より光を入射させるサイドライト型の面光源装置が汎用
されつつある。そして、このサイドライト型面光源装置
には、一般に、光を均一に伝播・拡散させることのでき
る導光板を使用して液晶表示画面全体を均一に照射する
導光板方式が採用されている。
【0003】上記導光板方式を採用したサイドライト型
の面光源装置は、図3に示すように、導光板1と、この
導光板1の両側の光入射端面に配設される光源2と、上
記導光板1の裏面側に配設されこの導光板1の裏面から
出射しようとする光を反射させる反射板3と、上記導光
板1の光出射面から出射される光を散乱・拡散させ、照
射面の輝度を均一にする光拡散フィルム4と、この光拡
散フィルム4を通過した光(透過光)を正面方向に集め
るための集光シート5とを備えている。この装置では、
光源2の光を導光板1の光入射端面から入射させ、この
入射光を導光板1の全体に均一に伝播させて光出射さ
せ、光拡散フィルム4による拡散と集光シート5による
集光ののち、集光シート5の上側に配設される液晶表示
画面(図示せず)を均一に照射することが行われる。な
お、図において、6は光源2の光を導光板1側に反射さ
せる反射カバーである。
【0004】上記面光源装置に用いられる光拡散フィル
ム4としては、例えば、透明樹脂フィルムからなる基材
フィルムの片面に、透明樹脂バインダーに有機もしくは
無機の微粒子を分散させた光拡散層を積層形成したもの
等が使用されている。この光拡散フィルム4により、上
記光拡散層を通過する光を拡散・散乱させ、光出射面の
輝度を均一にするようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
上記液晶表示装置がモニタ用途にも使用されてきてお
り、モニタはその機能から広視野角であることが要求さ
れるため、上記面光源装置を備えた液晶表示装置ではこ
の要求を満足できないという問題が生じている。すなわ
ち、上記面光源装置では、正面輝度を向上させるため集
光シート5を用いているが、この集光シート5により正
面輝度を向上させようとすればするほど、液晶表示画面
を照射するときの視野角が狭くなってしまうからであ
る。そこで、モニタ用途に利用できるよう集光シート5
を外し、光拡散フィルム4を複数枚積層した構成の面光
源装置を用いることも考えられるが、この方法では、視
野角が狭くなることはないものの、正面輝度が不足して
しまう。そのため、正面輝度を向上させようとすると光
源2の電力をあげなければならず、その結果、低消費電
力化を図ることができないという新たな問題が生じる。
【0006】そこで、上記問題を解決すべく、上記広視
野角の用途にも適用できる面光源装置に関する研究が進
められており、なかでも光拡散フィルム4の光透過率を
高めるとともに、この光透過率と相反する特性である光
拡散性を強くすることについて研究が行われている。例
えば、上記光拡散フィルム4の光透過率を向上させるた
め、この光拡散フィルム4の表面に真空蒸着やスパッタ
蒸着等の物理的処理により反射防止層を形成して、光の
損失を低減させることが行われている。しかしながら、
上記物理的処理は、コストが高いため、光拡散フィルム
4の低コスト化を図ることができず、ひいては液晶表示
装置の低コスト化をも図れないという問題がある。ま
た、上記光拡散フィルム4の光拡散性を向上させるた
め、光拡散層中に含有している微粒子の配合量を増やす
ことが提案されている。しかしながら、上記微粒子の配
合量を増やしすぎると入射光を前方散乱させて出射光を
均一にするとともに正面輝度を向上させるという効果を
奏することができず、後方散乱してしまう確率が高くな
ってしまい、その結果、光拡散フィルム4から出射する
光量が減少し、かえって正面輝度を低減させてしまうと
いう問題が生じる。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、光拡散性が強く、高い光透過率を有することに
より、面光源装置等の正面輝度を高くすることができる
光拡散フィルムおよびその製法の提供をその目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、透明な基材フィルムの片面に、微粒子を
有する樹脂バインダーからなる光拡散層が形成されてな
る光拡散フィルムであって、上記光拡散層に空隙部が分
散状態で形成されている光拡散フィルムを第1の要旨と
する。また、透明な基材フィルムを準備するとともに、
樹脂バインダーの溶剤溶液に微粒子を分散させた混合分
散溶液を準備し、上記基材フィルムの片面に、上記混合
分散溶液を塗工して液膜を形成し、ついで乾燥工程を経
由して上記液膜から溶剤を揮散させて光拡散層を形成す
る光拡散フィルムの製法であって、上記混合分散溶液の
粘度を1〜500ポイズの範囲に設定することにより、
上記微粒子の移動を制限し、溶剤の揮散をこの移動が制
限された微粒子の間から行わせて、上記光拡散層の外側
に連通した空隙部を分散状態で形成する光拡散フィルム
の製法を第2の要旨とする。
【0009】すなわち、本発明の光拡散フィルムは、透
明な基材フィルムの片面に、微粒子を有する樹脂バイン
ダーからなる光拡散層が形成されており、この光拡散層
に空隙部が分散して形成されている。このため、微粒子
と樹脂バインダーの界面での光の屈折による光拡散効果
に加えて、空隙部と樹脂バインダーの界面での光の屈折
による光拡散効果が得られるようになる。また、空隙部
に存在する空気は、光の透過性にも優れているため、光
拡散層の光透過率を低減させることがない。したがっ
て、本発明の光拡散フィルムは、面光源装置等の正面輝
度を向上させるものとなる。
【0010】特に、上記空隙部を溶剤の揮散跡により形
成した場合には、空隙部が適度な分散状態で形成される
ため、光拡散効果をより高めることができるという利点
を有する。
【0011】そして、上記光拡散フィルムの少なくとも
片面に反射防止層を形成した場合には、反射による光の
損失を抑制できるため、光の利用効率が向上するという
利点を有する。
【0012】また、本発明の光拡散フィルムの製法は、
混合分散溶液の粘度を特定の範囲に設定することによ
り、液膜中の微粒子の移動を制限し、溶剤の揮散をこの
移動が制限された微粒子の間から行わせて、光拡散層に
空隙部を形成するようにしている。このように、溶剤の
揮散と同時に空隙部を形成することができるため、空隙
部形成工程といった余分な工程を経ることなく、優れた
光拡散性を備えた光拡散フィルムを得ることができる。
また、光拡散フィルムは、長時間の使用によって発熱し
やすいが、この製法により得られた光拡散フィルムは、
光拡散層の外側に連通した空隙部からスムーズに除冷が
行われるため、上記発熱が抑制されるという利点を有す
る。
【0013】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】本発明の光拡散フィルムは、例えば、図1
に示すように、透明な基材フィルム7の片面に、樹脂バ
インダー8と微粒子9を含有する光拡散層10が設けら
れている。そして、上記光拡散層10には、外側に連通
する空隙部11が、分散状態で形成されている。
【0015】上記光拡散フィルム12において、基材フ
ィルム7の材質としては、光学的透明性を有するものが
好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ
カーボネート、ポリスチレン等があげられるが、これら
に限定されるものではなく、各種のものが用いられる。
なかでも、ポリエチレンテレフタレートは、不純物が少
なく透明性も高いうえ安価であるため、最も好適に用い
られる。
【0016】また、上記基材フィルム7の厚みは、特に
限定するものではないが、用途や作業性を考慮して、5
0〜200μmの範囲に設定されていることが好まし
い。また、この基材フィルム7の片面には、光拡散層1
0との密着性を向上させるために従来公知の密着性向上
処理が施されていてもよい。逆に、上記光拡散層10形
成面と反対側の基材フィルム7の片面には、面光源装置
等に組み込んだ際導光板等との密着を防ぐため、従来公
知の密着防止処理が施されていてもよい。
【0017】上記光拡散層10の形成材料として用いら
れる樹脂バインダー8としては、光学的透明性を有する
ものが好適に用いられる。例えば、アクリル系樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、シリ
コーン樹脂等各種の樹脂が用いられるが、特に限定する
ものではない。
【0018】上記樹脂バインダー8とともに用いられる
微粒子9としては、透明なものが好適に用いられ、シリ
コーン樹脂粒子、アクリル樹脂粒子、ナイロン樹脂粒
子、ウレタン樹脂粒子、スチレン樹脂粒子、ポリエチレ
ン樹脂粒子、シリカ粒子、ポリエステル樹脂粒子等各種
のものが用いられる。これらの粒子は、単独で用いても
よいし、二種以上併用してもよい。また、上記微粒子9
は、その表面もしくは全体が架橋されたものであっても
よい。上記樹脂バインダー8に対する配合割合は、特に
限定するものではないが、光透過率を確保しつつ光拡散
性を高めるという観点から、樹脂バインダー100重量
部(以下「部」と略す)に対して、150〜300部程
度が好ましい。
【0019】また、上記微粒子9の粒径は、特に限定す
るものではないが、通常、平均粒径1〜70μm、好ま
しくは5〜50μmである。そして、上記微粒子9とし
て、球状の微粒子を使用した場合には、それぞれの球状
粒子が一種のレンズとして作用し、一層効果的な光拡散
効果を持たせることができる。また、上記球状粒子は、
真球状のものが特に効果的である。
【0020】上記樹脂バインダー8を溶解させる溶剤と
しては、トルエン、メチルエチルケトン、キシレン、シ
クロヘキサン、酢酸エチル等があげられる。これらは単
独で用いてもよいし、二種以上併用してもよい。
【0021】なお、上記光拡散層10の形成材料に含有
させるものとして、樹脂バインダー8および微粒子9以
外に、イソシアネート、エポキシ樹脂、メチロール化メ
ラミン樹脂、メチロール化尿素樹脂、金属塩、金属水酸
化物等の架橋剤、グアニジン誘導体、含リン酸陰イオン
活性剤、スルホン酸類、第四アンモニウム塩、ピリジニ
ウム塩、イミダゾリン誘導体、モルホリン誘導体、ポリ
オキシエチレン−アルキルフェノール、アルキルアミド
エーテル、ソルビタン脂肪酸エステル等の帯電防止剤、
シランカップリング剤等の副成分を配合することができ
る。これらは、単独または二種以上配合させてもよい。
【0022】本発明の光拡散フィルム12は、上記各形
成材料を用い、例えばつぎのようにして製造することが
できる。すなわち、まず、上記樹脂バインダー8を所定
の配合割合となるよう溶剤中に溶解し、この溶解液に微
粒子9と、必要に応じてその他の副成分とを所定の配合
割合となるよう分散させて混合分散溶液を得る。この混
合分散溶液の粘度は、1〜500ポイズの範囲に設定さ
れていることが好ましい。すなわち、この範囲に設定さ
れておれば、空隙部11を形成できるからである。な
お、上記粘度は、ブルックフィールド粘度計(B形粘度
計)によって測定される。
【0023】ついで、上記混合分散溶液を上記基材フィ
ルム7の片面に適宜の塗工方法で塗工して、液膜を形成
する。上記塗工方法としては、特に限定するものではな
く、溶液の粘度や目的とする塗工の厚み等によって適宜
に選択される。具体的には、コンマダイレクト法、ロー
ルコート法、ディッピング法、ナイフコート法、カーテ
ンフロー法、スプレーコーティング法、スピンコーティ
ング法、ラミネート法等各種の塗工方法が用いられる。
【0024】そして、上記基材フィルム7片面上の液膜
を、自然乾燥、熱風加熱乾燥、真空乾燥等の適宜の乾燥
方法によって乾燥硬化させる。このとき、液膜自体の粘
度が高いため、微粒子9の移動が制限されており、液膜
内部の溶剤は微粒子9間を通過して外部へ揮散する。そ
して、この揮散の進行に伴い、さらに微粒子9の移動が
制限されて、液膜内部の溶剤の揮散は微粒子9間の、外
側に通じる揮散しやすい部分のみから行われるようにな
る。その結果、その部分の樹脂バインダー8が量的に少
なくなり、最終的に、溶剤の揮散跡である空隙部11が
それぞれの微粒子9間に分散して形成される。このよう
にして、外側に連通した空隙部11を有する光拡散層1
0が基材フィルム7の片面に形成された、図1に示す光
拡散フィルム12が得られる。
【0025】なお、このようにして得られた光拡散フィ
ルム12の光拡散層10における空隙部11は、光拡散
層10の断面を電子顕微鏡にて観察することにより、そ
の存在を確認することができる。
【0026】上記光拡散フィルム12は、透明な基材フ
ィルム7の片面に、微粒子9を有する樹脂バインダー8
からなる光拡散層10が形成され、かつこの光拡散層1
0に空隙部11が形成されている。このため、上記光拡
散層10中に入射した光は、樹脂バインダー8と微粒子
9の界面で進行方向がずれるとともに、樹脂バインダー
8と空隙部11の界面でも進行方向がずれる。その結
果、光拡散層10の中を透過する光は拡散・散乱が頻発
し、光拡散性が強くなる。しかも、光拡散層10の形成
材料である樹脂バインダー8および微粒子9は光透過性
に優れるものであり、空隙部11に存在する空気も光を
透過するものであるため、光拡散層10は、優れた光透
過性を損なわない。したがって、上記光拡散フィルム1
2は、面光源装置等の正面輝度を高めることができるも
のとなる。
【0027】なお、上記基材フィルム7片面への混合分
散溶液の塗工は、通常、塗工精度を高めるため、液膜
(混合分散溶液層)に空気を抱き込まないようにして行
われるが、意図的に液膜に気泡を含ませたのち、乾燥硬
化して、光拡散層10の内部に気泡からなる空隙部11
を形成させてもよい。この場合も、光拡散層10におけ
る光拡散性を向上でき、また充分な光透過率を確保でき
る。
【0028】また、上記光拡散フィルム12における光
拡散層10の厚みは、光拡散性と光透過性のバランス、
その他装置全体の厚み規制、塗工精度という観点から、
10〜100μmの範囲に設定されていることが好まし
く、より好ましくは30〜75μmの範囲である。
【0029】本発明の光拡散フィルム12においては、
光の反射損失を抑制して光利用効率をより向上させるた
め、図2に示すように、上記光拡散層10の形成面と反
対の面に、反射防止層13を形成してもよい。そして、
この反射防止層13の形成方法としては、製造コストが
安価であるという点から、上記基材フィルム7より屈折
率の低い有機物や無機物を溶剤に溶解し、これを従来公
知の方法により塗工し、その後乾燥硬化させて形成する
方法が好適に用いられる。上記塗工方法としては、特に
限定されるものではないが、ロールコート法、ディッピ
ング法、ナイフコート法、カーテンフロー法、スプレー
コーティング法、スピンコーティング法等の方法があげ
られる。
【0030】上記基材フィルム7より屈折率の低い有機
物としては、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹
脂等があげられる。
【0031】上記基材フィルム7より屈折率の低い無機
物としては、酸化珪素、酸化亜鉛等があげられる。無機
物を用いた場合は、この無機物を含有するゾル溶液を用
い、これを脱水縮合させて反射防止層13を形成する方
法(ゾル−ゲル法)が好適に用いられる。
【0032】そして、上記反射防止層13の厚みは、特
に限定するものではないが、入射光の波長および反射防
止層13の屈折率との関係を考慮して、下記の式(1)
を満たすものが好ましい。
【0033】
【数1】T=(λ/4n)×k ……(1)
【0034】上記式(1)において、λは反射を防止し
たい光の特定波長であり、kは正の奇数(1、3、5、
7……)であり、nは反射防止層13の屈折率である。
このように、反射防止層13の厚み(T)を、上記式
(1)を満たすよう設定することにより、反射防止層1
3表面における光の反射損失を効率良く抑制することが
できる。したがって、このような反射防止層13を備え
た光拡散フィルム12は、光の利用効率が向上し、ひい
ては面光源装置等の正面輝度が一層向上する。
【0035】なお、本発明の光拡散フィルム12は、モ
ニタ用には、通常、二枚以上積層して用いるが、一枚の
みで使用してもよい。そして、上記光拡散フィルム12
は、広視野角が要求されるモニタ用の液晶表示装置に使
用されるだけでなく、従来の液晶表示装置に使用しても
よい。さらに、これら液晶表示装置以外にも、照明装置
等各種の機器の光拡散フィルムとして使用できる。いず
れの場合においても、高光透過率および充分な光拡散性
を兼ね備えるため、高輝度が得られ、電力消費の低減を
実現できる。
【0036】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0037】
【実施例1】まず、基材フィルムとして、厚み100μ
mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(屈折率:1.64、東レ社製のルミラー#100T5
6)を準備した。一方、樹脂バインダーとしてポリエス
テル樹脂(東洋紡績社製のバイロン200)100部
と、微粒子としてアクリル樹脂(平均粒径20μm、積
水化成品工業社製のテクポリマーMBX−20)200
部とを準備し、これらをトルエン/メチルエチルケトン
混合溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=4/1)に
混合させて、混合分散溶液(粘度:20ポイズ)を得
た。そして、上記基材フィルムの片面に、上記混合分散
溶液をコンマダイレクト法により塗工し、120℃で1
分間熱風加熱乾燥させて厚み40μmの光拡散層を形成
して、光拡散フィルムを得た。そして、電子顕微鏡に
て、空隙部が存在するかどうかを確認したところ、分散
状態で存在する空隙部を確認することができた。
【0038】
【実施例2】実施例1で得られた光拡散フィルムの光拡
散層を形成した反対の面に、シリコンアルコキシドのゾ
ル溶液(コルコート社製のコルコートP)をロールコー
ト法により塗工し、120℃で1分間熱風加熱乾燥させ
て厚み0.1μmの反射防止層(屈折率:1.45)を
形成して光拡散フィルムを得た。
【0039】
【実施例3】混合分散溶液の粘度を1ポイズにしたこと
以外は、実施例1と同様にして光拡散フィルムを得た。
そして、電子顕微鏡にて、空隙部が存在するかどうかを
確認したところ、分散状態で存在する空隙部を確認する
ことができた。
【0040】
【実施例4】混合分散溶液の粘度を500ポイズにした
こと以外は、実施例1と同様にして光拡散フィルムを得
た。そして、電子顕微鏡にて、空隙部が存在するかどう
かを確認したところ、分散状態で存在する空隙部を確認
することができた。
【0041】
【比較例】トルエン/メチルエチルケトン混合溶剤(ト
ルエン/メチルエチルケトン=10/1)を用い、混合
分散溶液の粘度を0.1ポイズにしたこと以外は実施例
1と同様にして光拡散フィルムを得た。そして、電子顕
微鏡にて、空隙部が存在するかどうかを確認したが、空
隙部は存在していなかった。
【0042】このようにして得られた光拡散フィルムを
光の出射方向が、正面方向に対して85°のところに出
射光のピークを持つ導光板の上に2枚または3枚配設
し、これらの場合について、それぞれ正面輝度を測定し
た。そして、その結果を、下記の表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】上記結果から、実施例品は、比較例品と比
較して、正面輝度が高くなっていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明の光拡散フィルム
は、透明な基材フィルムの片面に、微粒子を有する樹脂
バインダーからなる光拡散層が形成され、この光拡散層
に空隙部が分散状態で形成されている。したがって、上
記微粒子と空隙部の存在により、得られる光拡散フィル
ムの光拡散性が強くなるとともに、光透過性が良好とな
る。このため、この光拡散フィルムを組み込んだ面光源
装置等の高輝度化を実現できる。また、本発明の光拡散
フィルムは、それ自体で高輝度化を図ることができるた
め、集光シートが不要で、広視野角が要求されるモニタ
用に適したものとなる。さらに、本発明の光拡散フィル
ムは、光拡散層に後方散乱のおそれがある微粒子を大量
に配合させなくても、光拡散性を向上させることができ
るという利点を有する。そして、本発明の光拡散フィル
ムであれば、液晶表示装置等の装置自体の低消費電力化
を達成することができる。
【0046】特に、上記空隙部を溶剤の揮散跡により形
成した場合には、空隙部が適度に形成された状態となっ
て、光拡散効果をより高めることができるという利点を
有する。
【0047】そして、上記光拡散フィルムの少なくとも
片面に反射防止層を形成した場合は、反射防止層により
光利用効率が高くなって、より面光源装置等の正面輝度
を高めることができるとともに、消費電力の低減に一層
寄与できるという利点を有する。
【0048】また、本発明の光拡散フィルムの製法によ
れば、混合分散溶液の粘度を特定の範囲に設定し、液膜
中の微粒子の移動を制限しているため、溶剤の揮散が微
粒子の間から行われて、光拡散層に空隙部が形成され
る。したがって、溶剤の揮散と同時に空隙部を形成する
ことができるため、空隙部形成工程といった余分な工程
を経ることなく、優れた光拡散性を備えた光拡散フィル
ムを得ることができる。また、この光拡散フィルムは、
長期使用によって発熱しやすいが、この製法により得ら
れた光拡散フィルムは、光拡散層の外側に連通した空隙
部からスムーズに除冷が行われるため、上記発熱が抑制
されるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光拡散フィルムの一例を示す模式的な
断面図である。
【図2】本発明の光拡散フィルムの他の例を示す模式的
な断面図である。
【図3】サイドライト型の面光源装置の一例を示す説明
図である。
【符号の簡単な説明】
7 基材フィルム 8 樹脂バインダー 9 微粒子 10 光拡散層 11 空隙部 12 光拡散フィルム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基材フィルムの片面に、微粒子を
    有する樹脂バインダーからなる光拡散層が形成されてな
    る光拡散フィルムであって、上記光拡散層に空隙部が分
    散状態で形成されていることを特徴とする光拡散フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 上記空隙部が、溶剤の揮散跡により形成
    されている請求項1記載の光拡散フィルム。
  3. 【請求項3】 上記光拡散フィルムの少なくとも片面
    に、反射防止層が形成されている請求項1または2記載
    の光拡散フィルム。
  4. 【請求項4】 透明な基材フィルムを準備するととも
    に、樹脂バインダーの溶剤溶液に微粒子を分散させた混
    合分散溶液を準備し、上記基材フィルムの片面に、上記
    混合分散溶液を塗工して液膜を形成し、ついで乾燥工程
    を経由して上記液膜から溶剤を揮散させて光拡散層を形
    成する光拡散フィルムの製法であって、上記混合分散溶
    液の粘度を1〜500ポイズの範囲に設定することによ
    り、上記微粒子の移動を制限し、溶剤の揮散をこの移動
    が制限された微粒子の間から行わせて、上記光拡散層の
    外側に連通した空隙部を分散状態で形成することを特徴
    とする光拡散フィルムの製法。
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