JPH1168445A - アダプティブアレイアンテナ - Google Patents

アダプティブアレイアンテナ

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Publication number
JPH1168445A
JPH1168445A JP22614797A JP22614797A JPH1168445A JP H1168445 A JPH1168445 A JP H1168445A JP 22614797 A JP22614797 A JP 22614797A JP 22614797 A JP22614797 A JP 22614797A JP H1168445 A JPH1168445 A JP H1168445A
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JP
Japan
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antenna
weight
antenna weight
adaptive
ideal
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP22614797A
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English (en)
Inventor
Shinichi Fujikawa
信一 藤川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1168445A publication Critical patent/JPH1168445A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Variable-Direction Aerials And Aerial Arrays (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振幅及び位相を制御して最適のアンテナ指向
パターンを得るようにするアダプティブアレイアンテナ
に関し、ハードウェアの規模を大きくすることなく、設
定誤差の十分な補正を行うことを課題とする。 【解決手段】 初期アンテナウェイト選択手段3が、ア
ンテナ素子毎に、アダプティブウェイト出力手段2から
の理想アンテナウェイトに応じて、アンテナウェイト記
憶手段1に記憶されたアンテナウェイトから1つを選択
する。この選択されたアンテナウェイトに基づき、評価
パラメータ算出手段4が、アンテナ指向パターンを求
め、理想アンテナウェイトに基づくアンテナ指向パター
ンに比べた評価パラメータを算出する。この評価パラメ
ータを基に、ファジィ推論手段5がファジィ推論を行
い、重み係数を算出する。この重み係数を用いて、最適
アンテナウェイト選択手段6が、アンテナ素子毎に、ア
ンテナウェイト記憶手段1に記憶されたアンテナウェイ
トから最適な1つのアンテナウェイトを選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アダプティブアレ
イアンテナに関し、特に、複数のアンテナ素子と、各々
のアンテナ素子で送受信される各信号の振幅及び位相を
制御して最適のアンテナ指向パターンを得るようにする
ビーム制御装置とからなるアダプティブアレイアンテナ
に関する。
【0002】多くのアンテナ素子から構成されるアレイ
アンテナでは、各々のアンテナ素子にそれぞれ入力され
る信号、または各々のアンテナ素子からそれぞれ出力さ
れる信号に、個別の位相及び振幅を与え、それらの信号
をパワー合成することにより、結果的に所望のアンテナ
パターンを形成するようにしている。
【0003】近年、周波数の使用範囲が拡大する傾向に
あり、アレイアンテナでも、今まで利用されていなかっ
たミリ波帯等、高い周波数の利用が要求されつつある。
ところが、ミリ波帯等高い周波数での使用においては、
アンテナ素子、ディジタル移相器、ディジタル減衰器
(ATT)等から構成されるアレイアンテナにおける位
相及び振幅の制御精度が十分でなく設定誤差が発生し、
そのため、この設定誤差を原因とするアンテナパターン
の劣化が問題となる。アンテナパターンの劣化には、ア
ンテナゲインの低下、サイドローブレベルの上昇、ビー
ムポインティング精度の低下、ビーム幅の拡大等があ
る。
【0004】設定誤差とは、各アンテナ素子にそれぞれ
入力される信号、または各アンテナ素子からそれぞれ出
力される信号に設定したい位相及び振幅と、実際に設定
された位相及び振幅との間に生じる各偏差を指す。
【0005】そこで、アンテナ素子の設定誤差を低減
し、アンテナパターンの劣化を最小限に止めるためのビ
ーム制御アルゴリズムを開発する必要がある。一方、ア
レイアンテナよりも一歩進んで、予め設定された少数の
固定のアンテナパターンではなく、状況等に応じ、適
宜、アンテナパターンを変化させることが可能なアダプ
ティブアレイアンテナの研究、開発が盛んに行われつつ
ある。アダプティブアレイアンテナでは、送受信の目的
方向にメインローブを形成し、これによって、最大のゲ
インにて送受信を行うだけでなく、例えば、ある方向か
ら妨害波や干渉波が到来している状況下で、その方向に
対して、アンテナパターンのヌル点(ゲインが零である
点)を形成し、これによって、妨害波や干渉波の受信を
キャンセルするようなことも行うようにしている。
【0006】こうしたアダプティブアレイアンテナにお
いては、特に、位相及び振幅の設定精度がアンテナパタ
ーンの性能に重要な役割を果たすため、設定誤差が性能
劣化に繋がりやすく、よって、特に、この設定誤差を低
減するビーム制御アルゴリズムが重要となる。
【0007】
【従来の技術】図16は、従来のアレイアンテナを含む
無線装置の一部を示す構成図である。すなわち、通常の
無線装置と同様に、アンテナ部101、送信/受信部1
02、信号処理部103から構成されるが、アンテナ部
101は複数のアンテナ素子、ディジタル移相器、ディ
ジタルATTからなり、アンテナ部101にビーム制御
部104が接続される。ビーム制御部104は、アンテ
ナウェイト変換テーブル104aと、アンテナ制御部1
04bとから構成される。
【0008】アンテナウェイト変換テーブル104a
は、アンテナ素子の設定誤差を低減するためのものであ
り、入力側に、発生させたいアンテナパターンに対応し
て決まる、個々のアンテナ素子の理想的な振幅値及び位
相値からなるウェイト値が入力され、出力側より、個々
のアンテナ素子に設定可能な離散的な位相値及び振幅値
のうちから、設定誤差を最小化できる値が選択されて出
力される。アンテナウェイト変換テーブル104aは、
予め各々のアンテナ素子において設定可能な全ての位相
値及び振幅値の組み合わせにより多数のアンテナパター
ンを合成し、それらの中で、目的とする各アンテナパタ
ーンに最も近似された合成パターンを選択し、それを得
るのに必要な位相値及び振幅値を理想位相値及び振幅値
と対応付けて記憶するものである。
【0009】運用時には、ビームを形成したい方向と、
アンテナパターンのゲイン幅とからなる制御パラメータ
をアンテナ制御部104bへ入力し、アンテナ制御部1
04bは、アンテナ素子毎の理想的な振幅値及び位相値
からなる理想アンテナウェイトWを出力する。ただし、
この段階では、アンテナ素子の設定誤差は全く考慮され
ていない。
【0010】次に、理想アンテナウェイトWは、アンテ
ナウェイト変換テーブル104aにおいて設定アンテナ
ウェイトW* に変換され、アンテナ部101へ送られ
る。設定アンテナウェイトW* は、実際に設定可能な振
幅値及び位相値のうちから、アンテナ素子の設定誤差を
最小化する振幅値及び位相値として選択されたものであ
る。これにより、各アンテナ素子における信号はそれぞ
れ、位相及び振幅が制御され、所望のアンテナパターン
に最も近似されたアンテナパターンを形成できる。
【0011】図17は、従来のアダプティブアレイアン
テナを示す構成図である。ここでも、通常の無線装置と
同様に、アンテナ部105、送信/受信部106、信号
処理部107から構成され、アンテナ部105は複数の
アンテナ素子、ディジタル移相器、ディジタルATTか
らなり、アンテナ部105にビーム制御部108が接続
される。ビーム制御部108は、アンテナウェイト変換
テーブル108aと、アダプティブウェイト演算部10
8bとから構成される。
【0012】アダプティブウェイト演算部108bに
は、アンテナ素子毎の受信データと、メインローブの方
向等の制御パラメータとが入力される。アダプティブウ
ェイト演算部108bは、これらの入力値を基にして最
適なアンテナパターンを作成し、このアンテナパターン
を発生させるための理想アンテナウェイト値Wを算出し
て、アンテナウェイト変換テーブル108aへ出力す
る。理想アンテナウェイト値Wは、個々のアンテナ素子
に与えたい理想的な位相値及び振幅値であるが、図16
に示したアレイアンテナの場合と同様に、このままでは
アンテナ素子に設定不可能なので、アンテナウェイト変
換テーブル108aを通してアンテナ素子への設定値W
* を得るようにする。アンテナウェイト変換テーブル1
08aは、図16に示したアンテナウェイト変換テーブ
ル104aと同様に、予め各々のアンテナ素子において
設定可能な全ての位相値及び振幅値の組み合わせにより
多数のアンテナパターンを合成し、それらの中で、目的
とする各アンテナパターンに最も近似された合成パター
ンを選択し、それを得るのに必要な位相値及び振幅値を
理想振幅値及び位相値と対応付けて記憶するものであ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図16及び図17に示
した従来のアンテナウェイト変換テーブルは、設定可能
な全ての振幅値及び位相値の組み合わせに基づき、予め
アンテナパターンを合成し、その中で最適な近似が行わ
れ得る振幅値及び位相値を変換テーブルとして記憶して
おくわけだが、これらのアンテナウェイト変換テーブル
は、欲しいアンテナパターンが固定された少数のものに
限定されているようなアレイアンテナの場合には有効で
ある。しかし、このアンテナウェイト変換テーブルをア
ダプティブアレイアンテナに適用した場合には、つぎの
ような問題が発生する。
【0014】すなわち、一般にアダプティブアレイアン
テナでは無数のアンテナパターンが必要になるが、従来
のアンテナウェイト変換テーブル108aでは、無数の
アンテナパターンに応じた変換が可能なデータを用意す
ることはできない。そのため、図18(A)に示すよう
に、欲しいアンテナパターンによく近似したアンテナパ
ターンに関わる変換データが偶然用意されていれば、ヌ
ル点の上昇やアンテナゲインの低下、サイドローブレベ
ルの上昇を抑えられる。しかし、図18(B)に示すよ
うに、アンテナウェイト変換テーブル108aに近似デ
ータがない場合には、ヌル点の上昇やアンテナゲインの
低下、サイドローブレベルの上昇等によるアンテナパタ
ーンの劣化が激しくなる。図18(A)は、アンテナウ
ェイト変換テーブル108aに、欲しいアンテナパター
ンによく近似したアンテナパターンが用意されている場
合の実際に設定されるアンテナパターンを示し、図18
(B)は、アンテナウェイト変換テーブル108aに、
欲しいアンテナパターンに近似したアンテナパターンが
用意されていない場合の実際に設定されるアンテナパタ
ーンを示す。図中の破線は、欲しいアンテナパターンを
示し、実線は実際に設定されるアンテナパターンを示
す。
【0015】すなわち、アダプティブアレイアンテナ
は、アレイアンテナのような少数の固定のアンテナパタ
ーンを形成するものではなく、環境や状況に応じて、欲
しいアンテナパターンを随時無数に設定し得るものであ
る。従って、設定の可能性のあるアンテナパターンに全
て対応しようとすると、用意しなければならない変換デ
ータの数は膨大なものとなる。
【0016】従って、膨大な数のアンテナパターンに対
応するためには、膨大なデータからなる変換テーブルを
用意するするか、または、最低限の数のデータからなる
変換テーブルを用い、粗い補正を行うかのいずれかの方
法を採らざるを得なかった。つまり、膨大なデータから
なる変換テーブルを用意すると、ハードウェア規模の拡
大や、変換テーブル内のデータを選択するのに要する処
理時間の増大が予想され、一方、粗い補正を行う場合に
は、アンテナパターンの形状によっては、設定誤差が補
正しきれずアンテナ特性の大きな劣化が問題となる。
【0017】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、ハードウェアの規模を大きくすることなく、
設定誤差の十分な補正を行い、適切なビーム制御を実現
することを図ったアダプティブアレイアンテナを提供す
ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明では上記目的を達
成するために、図1に示すように、複数のアンテナ素子
で送受信される各信号に対して設定可能な離散的な位相
調整値及び振幅調整値を、当該両値の組み合わせである
アンテナウェイトとしてアンテナ素子毎に記憶したアン
テナウェイト記憶手段1と、電波の受信状況及び所望の
アンテナ指向パターンに応じて決まる各アンテナ素子毎
の位相値及び振幅値を、当該両値の組み合わせである理
想アンテナウェイトとして出力するアダプティブウェイ
ト出力手段2と、アンテナ素子毎に、アダプティブウェ
イト出力手段2から出力された理想アンテナウェイトに
応じて、アンテナウェイト記憶手段1に記憶されたアン
テナウェイトから1つを、初期アンテナウェイトとして
選択する初期アンテナウェイト選択手段3と、初期アン
テナウェイト選択手段3で選択されたアンテナ素子毎の
アンテナウェイトに基づくアンテナ指向パターンを求
め、当該アンテナ指向パターンについての、理想アンテ
ナウェイトに基づくアンテナ指向パターンに比べた評価
パラメータを算出する評価パラメータ算出手段4と、評
価パラメータ算出手段4で算出された評価パラメータを
基にファジィ推論を行い、重み係数を算出するファジィ
推論手段5と、ファジィ推論手段5で算出された重み係
数を用いて、アンテナ素子毎に、アンテナウェイト記憶
手段1に記憶されたアンテナウェイトから最適な1つの
アンテナウェイトを選択する最適アンテナウェイト選択
手段6とを有することを特徴とするアダプティブアレイ
アンテナが提供される。
【0019】以上のような構成において、アダプティブ
ウェイト出力手段2が出力する理想アンテナウェイトを
基に、実際に各アンテナ素子に設定される最適アンテナ
ウェイトをいかにして得るかが、本発明の狙いとすると
ころである。アダプティブウェイト出力手段2における
演算アルゴリズムについては、従来の一般的なアダプテ
ィブウェイト演算部で実施されるアルゴリズムと同じで
ある。
【0020】予め、アンテナウェイト記憶手段1が、複
数のアンテナ素子に入力される各信号、または複数のア
ンテナ素子から出力される各信号に対して設定可能な離
散的な位相調整値及び振幅調整値を、当該両値の組み合
わせであるアンテナウェイトとしてアンテナ素子毎に記
憶する。そして先ず第1段階として、初期アンテナウェ
イト選択手段3が、アンテナ素子毎に、アダプティブウ
ェイト出力手段2から出力された理想アンテナウェイト
に応じて、アンテナウェイト記憶手段1に記憶されたア
ンテナウェイトから1つを、初期アンテナウェイトとし
て選択する。評価パラメータ算出手段4では、初期アン
テナウェイト選択手段3で選択されたアンテナ素子毎の
アンテナウェイトに基づくアンテナ指向パターンを求
め、当該アンテナ指向パターンについての、理想アンテ
ナウェイトに基づくアンテナ指向パターンに比べた評価
パラメータを算出する。評価パラメータ算出手段4で算
出された評価パラメータを基に、ファジィ推論手段5が
ファジィ推論を行い、重み係数を算出する。
【0021】こうしてファジィ推論手段5で算出された
重み係数を用いて、次に第2段階として、最適アンテナ
ウェイト選択手段6が、アンテナ素子毎に、アンテナウ
ェイト記憶手段1に記憶されたアンテナウェイトから最
適な1つのアンテナウェイトを選択する。
【0022】これら一連の処理により、アダプティブウ
ェイト出力手段2が出力するどんな値の理想アンテナウ
ェイトに対しても、常に最も近似されたアンテナパター
ンを得ることが可能となる。従って、アンテナウェイト
記憶手段1等のハードウェアの規模を大きくすることな
く、設定誤差の十分な補正が行われ、かくして適切なビ
ーム制御が実現する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。まず、第1の実施の形態の原理
構成を、図1を参照して説明する。第1の実施の形態
は、複数のアンテナ素子で送受信される各信号に対して
設定可能な離散的な位相調整値及び振幅調整値を、当該
両値の組み合わせであるアンテナウェイトとしてアンテ
ナ素子毎に記憶したアンテナウェイト記憶手段1と、電
波の受信状況及び所望のアンテナ指向パターンに応じて
決まる各アンテナ素子毎の位相値及び振幅値を、当該両
値の組み合わせである理想アンテナウェイトとして出力
するアダプティブウェイト出力手段2と、アンテナ素子
毎に、アダプティブウェイト出力手段2から出力された
理想アンテナウェイトに応じて、アンテナウェイト記憶
手段1に記憶されたアンテナウェイトから1つを、初期
アンテナウェイトとして選択する初期アンテナウェイト
選択手段3と、初期アンテナウェイト選択手段3で選択
されたアンテナ素子毎のアンテナウェイトに基づくアン
テナ指向パターンを求め、当該アンテナ指向パターンに
ついての、理想アンテナウェイトに基づくアンテナ指向
パターンに比べた評価パラメータを算出する評価パラメ
ータ算出手段4と、評価パラメータ算出手段4で算出さ
れた評価パラメータを基にファジィ推論を行い、重み係
数を算出するファジィ推論手段5と、ファジィ推論手段
5で算出された重み係数を用いて、アンテナ素子毎に、
アンテナウェイト記憶手段1に記憶されたアンテナウェ
イトから最適な1つのアンテナウェイトを選択する最適
アンテナウェイト選択手段6とから構成される。
【0024】以上のような構成において、アダプティブ
ウェイト出力手段2が出力する理想アンテナウェイトを
基に、実際に各アンテナ素子に設定される最適アンテナ
ウェイトをいかにして得るかが、本発明の狙いとすると
ころである。アダプティブウェイト出力手段2における
演算アルゴリズムについては、従来の一般的なアダプテ
ィブウェイト演算部で実施されるアルゴリズムと同じで
ある。
【0025】予め、アンテナウェイト記憶手段1が、複
数のアンテナ素子に入力される各信号、または複数のア
ンテナ素子から出力される各信号に対して設定可能な離
散的な位相調整値及び振幅調整値を、当該両値の組み合
わせであるアンテナウェイトとしてアンテナ素子毎に記
憶する。そして先ず第1段階として、初期アンテナウェ
イト選択手段3が、アンテナ素子毎に、アダプティブウ
ェイト出力手段2から出力された理想アンテナウェイト
に応じて、アンテナウェイト記憶手段1に記憶されたア
ンテナウェイトから1つを、初期アンテナウェイトとし
て選択する。評価パラメータ算出手段4では、初期アン
テナウェイト選択手段3で選択されたアンテナ素子毎の
アンテナウェイトに基づくアンテナ指向パターンを求
め、当該アンテナ指向パターンについての、理想アンテ
ナウェイトに基づくアンテナ指向パターンに比べた評価
パラメータを算出する。評価パラメータ算出手段4で算
出された評価パラメータを基に、ファジィ推論手段5が
ファジィ推論を行い、重み係数を算出する。
【0026】こうしてファジィ推論手段5で算出された
重み係数を用いて、次に第2段階として、最適アンテナ
ウェイト選択手段6が、アンテナ素子毎に、アンテナウ
ェイト記憶手段1に記憶されたアンテナウェイトから最
適な1つのアンテナウェイトを選択する。
【0027】これら一連の処理により、アダプティブウ
ェイト出力手段2が出力するどんな値の理想アンテナウ
ェイトに対しても、常に最も近似されたアンテナパター
ンを得ることが可能となる。従って、アンテナウェイト
記憶手段1等のハードウェアの規模を大きくすることな
く、設定誤差の十分な補正が行われ、かくして適切なビ
ーム制御が実現する。
【0028】次に、第1の実施の形態を詳しく説明す
る。図2は、第1の実施の形態の全体構成を示すブロッ
ク図である。図中、アンテナ部11は、N個のアレイア
ンテナ素子、ディジタル移相器、ディジタルATTから
なり、各アンテナ素子での受信信号が送信/受信部12
へそれぞれ送られる。なお、ここでは、受信信号に対す
るアンテナパターンの制御を説明するが、送信信号に対
するアンテナパターンの制御も同様に行われ得る。
【0029】送信/受信部12から信号処理部13へ送
られるアンテナ素子毎の受信信号がビーム制御部14へ
も送られる。ビーム制御部14はコンピュータで構成さ
れ、図2に示すビーム制御部14の各構成要素は、コン
ピュータの動作によって実現される機能を示している。
ビーム制御部14において、アダプティブウェイト演算
部15が、入力されたアンテナ素子毎の受信信号及びメ
インローブの方向等の制御パラメータに基づいて、最適
なアンテナパターンを作成し、このアンテナパターンを
発生させるための理想アンテナウェイト値Wを算出し、
初期アンテナウェイト選択部17へ出力する。アダプテ
ィブウェイト演算部15で作成される上記のアンテナパ
ターンは電波の伝搬経路の状況に応じて無数に変化する
ものである。
【0030】初期アンテナウェイト選択部17は、位相
・振幅マップ16を参照し、理想アンテナウェイト値W
に対応する初期アンテナウェイトWRを選択する。この
選択方法については、図4を参照して詳しく後述する。
【0031】図3は、位相・振幅マップ16の構成を示
す図である。位相・振幅マップ16はアンテナ素子毎に
構成され、各アンテナ素子に入力される信号、または各
アンテナ素子から出力される信号に対してアンテナパタ
ーンの制御のために加えられる位相θ及び振幅Gを示し
ている。これらの位相値及び振幅値は、連続した値では
なく離散的な値であると共に、図に示す格子点の位相値
及び振幅値を与えたとしても、実際には図に点で示すよ
うな格子点からずれた位置に設定される。すなわち、図
の右側に拡大した図を示すが、ここで、アンテナ素子n
の理想アンテナウェイト値をWn としたときに、この理
想アンテナウェイト値Wn に最も近い点p4 に相当する
右下の格子点(θ=4,G=1の白丸)のアンテナウェ
イト値を設定すれば、設定誤差が最も少なくなるはずで
ある。なお、アンテナウェイト値とは、位相値と振幅値
との組み合わせを指し、位相値及び振幅値による2次元
マップにおけるマップ上の1点に相当する。
【0032】ただし、理想アンテナウェイト値Wn に点
4 が最も近いという判断を、図3に示す2次元の位相
・振幅マップ16の上での幾何学的距離に基づいて行っ
ているが、本発明では、点p1 〜p4 のうちで、アンテ
ナゲイン、サイドローブレベル、ビームポインティング
エラー、ビーム幅といったアンテナ諸特性の劣化が最も
小さくなるような点を、理想アンテナウェイト値Wn
最も近い点と判断するようにしている。こうした処理
を、アンテナパターン評価部18,ファジィ推論部1
9,最適設定点選択部20において行っている。詳しく
は、図5,図6を参照して説明する。
【0033】こうした処理の結果得られた最適設定アン
テナウェイトW * がアンテナ部11へ送られ、各アンテ
ナ素子へ入力される信号、または各アンテナ素子から出
力される信号に対して、ディジタル移相器及びディジタ
ルATTにより位相及び振幅の調整が行われる。
【0034】図4〜図6は、ビーム制御部14の各部の
処理手順を示すフローチャートである。以下、図中のス
テップに沿って説明する。 〔S1〕アダプティブウェイト演算部15は、N個のア
ンテナ素子の各々に対する理想アンテナウェイト値W1
〜WN を算出し、初期アンテナウェイト選択部17へ出
力する。ここで、アンテナウェイト値とは、位相値及び
振幅値の組み合わせであるので、Wn =[WGn , Wθ
n ]とする。
【0035】〔S2〕初期アンテナウェイト選択部17
では、位相・振幅マップ16のアンテナ素子n用のマッ
プを参照し、理想アンテナウェイト値Wn の近傍の限定
した領域をサーチして所定数の近傍点Pn1〜PnMを見つ
ける。図3に示す例で言えば、点p1 〜p4 を見つけ
る。近傍点Pn1〜PnMはアンテナウェイト値であるの
で、Pnm=[PGnm,Pθnm]とする。
【0036】〔S3〕近傍点Pnmと理想アンテナウェイ
ト値Wn との距離Rnmo を、図4のステップS3に示す
数式に基づき算出する。ここで、K0 =[KG0,K
θ0 ]は、初期の距離重みである。
【0037】ステップS3を、m=1,2,・・M(図
3の例ではM=4)に亘って繰り返して実行し、距離R
n1o 〜距離RnMo を算出する。 〔S4〕距離Rn1o 〜距離RnMo のうちで最小となって
いる距離を取りだし、その距離に関わる近傍点を初期ア
ンテナウェイトWRn とする。
【0038】ステップS2〜ステップS4をアンテナ素
子全てに亘って実行する(n=1,2,・・N)。 〔S5〕こうして得られたアンテナ素子毎の初期アンテ
ナウェイトWR1 〜WRN をアンテナパターン評価部1
8へ出力する。
【0039】ステップS2〜ステップS5の処理では、
取り敢えず、図3に示す2次元の位相・振幅マップ16
の上での幾何学的距離に基づいて、近傍点を決めてい
る。 〔S6〕アンテナパターン評価部18は、アンテナ素子
毎の初期アンテナウェイトWR1 〜WRN を基にして、
図5のステップS6に示す数式に基づきアンテナパター
ンEo ( φ) を算出する。また、アンテナ素子毎の理想
アンテナウェイト値W1 〜WN を基にして、図5のステ
ップS6に示す数式に基づきアンテナパターンEi (
φ) を算出する。なお、φは方位角、Nはアンテナの素
子数、λは送信波長、Aはアンテナ素子の長さを表す。
【0040】〔S7〕アンテナパターン評価部18は、
初期アンテナウェイトWR1 〜WR N を基にして算出さ
れたアンテナパターンEo ( φ) について、アンテナ諸
特性を算出する。具体的には、アンテナゲイン、サイド
ローブレベル、ビームポインティングエラー、ビーム幅
を算出する。また同様に、理想アンテナウェイト値W 1
〜WN を基にして算出されたアンテナパターンEi (
φ) について、アンテナ諸特性を算出する。そして、初
期アンテナウェイトWR1 〜WRN に基づくアンテナパ
ターンのアンテナ諸特性を、理想アンテナウェイト値W
1 〜WN に基づくアンテナパターンのアンテナ諸特性で
それぞれ正規化して評価パラメータPR1〜PR4を
得、ファジィ推論部19へ出力する。すなわち、初期ア
ンテナウェイトWR1 〜WRN に基づくアンテナパター
ンのアンテナゲインの、理想アンテナウェイト値W1
N に基づくアンテナパターンのアンテナゲインに対す
る比を、評価パラメータPR1とし、初期アンテナウェ
イトWR1 〜WRN に基づくアンテナパターンのサイド
ローブレベルの、理想アンテナウェイト値W1 〜WN
基づくアンテナパターンのサイドローブレベルに対する
比を、評価パラメータPR2とし、初期アンテナウェイ
トWR1 〜WRN に基づくアンテナパターンのビームポ
インティングエラーの、理想アンテナウェイト値W1
N に基づくアンテナパターンのビームポインティング
エラーに対する比を、評価パラメータPR3とし、初期
アンテナウェイトWR1 〜WRN に基づくアンテナパタ
ーンのビーム幅の、理想アンテナウェイト値W1 〜WN
に基づくアンテナパターンのビーム幅に対する比を、評
価パラメータPR4とする。
【0041】〔S8〕ファジィ推論部19は、評価パラ
メータPRk(k=1,2,3,4)の前件部命題に対
する適合度hjkを算出する。これを、図7を参照して説
明する。
【0042】図7は、ファジィ推論部19の前半の動作
を示す図である。図中、ルール1〜Lは、入力値である
評価パラメータPRk(k=1,2,3,4)に対し
て、出力値となる振幅重み及び位相重みをいかに決定す
るかを定義したものである。例えば、ルール1は、評価
パラメータPR1が大体、値α位であり、評価パラメー
タPR2が値αよりかなり大きく、評価パラメータPR
3が値αよりかなり小さく、評価パラメータPR4が値
αよりかなり小さい場合は(これらの条件を前件部命題
という)、振幅重みを少し小さく、かつ位相重みも少し
小さくする(これらを後件部命題という)という定義に
なっている。ここで、入力値が「大体、値α位である」
とか、「値αよりかなり小さい」とかの表現は、メンバ
ーシップ関数(図中のグラフ)として表され、これに対
して、実際の入力値がどの程度、その前件部命題に適合
しているかを適合度という。図7に示すルール1の例で
は、評価パラメータPR1,PR2,PR3,PR4に
対する各適合度h11,h12,h13,h14は、それぞれ
0.75,0.5,0.25,0.25である。
【0043】〔S9〕ルールjにおいて算出された、評
価パラメータPR1,PR2,PR3,PR4に対する
各適合度hj1,hj2,hj3,hj4において、最小の値と
なっているものを検出し、これを適合度ωj とする。図
7に示すルール1の例では、ω1 =0.25となる。
【0044】〔S10〕後件部命題の振幅重み及び位相
重みの制御量を意味するメンバーシップ関数Hj =[H
Gj, Hθj ]に対して、図5のステップS10に示すよ
うに、適合度ωj を掛け算して重み付けを行い、メンバ
ーシップ関数HGj * , Hθj * を得る。図7に示すルー
ル1の例では、HG1 * =ω1 ・HGj,Hθ1 * =ω1
Hθj を得る。
【0045】ステップS8〜ステップS10を、ルール
1〜Lの全てに亘って実行する。 〔S11〕こうして得られたメンバーシップ関数HG1 *
〜HGL * 及びHθ1 *〜HθL * に対して、MAX演算
をそれぞれ行い、図6のステップS11に示すように、
出力メンバーシップ関数HG * ,Hθ* を得るようにす
る。MAX演算は、メンバーシップ関数HG1 * 〜HGL *
を重ね合わせ、包絡線をとることに相当する。メンバー
シップ関数Hθ1 * 〜HθL * についても同様である。
【0046】〔S12〕出力メンバーシップ関数
G * ,Hθ* の面積重心点ΔKG,ΔKθをそれぞれ
求め、図4のステップS3で示した初期の距離重みKG
0,Kθ0 に加算し、図6のステップS12に示すよう
に、距離重みKG, Kθを得るようにする。
【0047】図8は、ステップS11及びステップS1
2について補足説明を行う図である。すなわち、評価パ
ラメータPRk(k=1,2,3,4)の特徴に最も近
い前件部命題を有するルールほど、後件部命題のメンバ
ーシップ関数HG1 * 〜HGL *及びHθ1 * 〜HθL *
面積が大きくなる。そこで、出力メンバーシップ関数H
G * ,Hθ* の面積重心点ΔKG,ΔKθの各位置をそ
れぞれ求めると、これらは、評価パラメータPRk(k
=1,2,3,4)の特徴をよく表したものとなる。こ
れを、更に図9を参照して説明する。
【0048】図9は、図3に例示する位置p1 〜p4
うちで1つを選択する場合に、距離重みKG, Kθの各
値の相互関係によって、選択される点がどう変わるかを
示す図である。図中の楕円は重み付き等距離線を表し、
最短距離にあるとして選択される点が(b)では点p4
であり、(c)では点p3 であり、(d)では点p1
ある。
【0049】図6に戻って、 〔S13〕距離重みK=[KG, Kθ]を最適設定点選
択部20へ出力する。最適設定点選択部20は、位相・
振幅マップ16を参照できるようになっている。
【0050】〔S14〕近傍点Pnmと理想アンテナウェ
イト値Wn との距離Rnmを、図6のステップS14に示
す数式に基づき算出する。ステップS3の処理と類似す
るが、初期の距離重みKG0,Kθ0 に代わって、距離重
みKG, Kθを係数に使用している点が異なっている。
【0051】ステップS14を、m=1,2,・・M
(図3の例ではM=4)に亘って繰り返して実行し、距
離Rn1〜距離RnMを算出する。 〔S15〕距離Rn1〜距離RnMのうちで最小となってい
る距離を取りだし、その距離に関わる近傍点を最適設定
アンテナウェイトW* n とする。
【0052】ステップS14〜ステップS15をアンテ
ナ素子全てに亘って実行する(n=1,2,・・N)。 〔S16〕こうして得られたアンテナ素子毎の最適設定
アンテナウェイトW* 1 〜W* N をアンテナ部11へ出
力する。アンテナ部11では、これらの最適設定アンテ
ナウェイトW* 1 〜W* N を基にして、各アンテナ素子
へ入力される信号、または各アンテナ素子から出力され
る信号に対して、ディジタル移相器及びディジタルAT
Tにより位相及び振幅の調整が行われる。
【0053】以上のように、第1の実施の形態では、ア
ダプティブウェイト演算部15の出力する理想アンテナ
ウェイトW=[W1,W2,・・WN ]の要素であるアンテ
ナ素子nの理想アンテナウェイトWn について、位相・
振幅マップ16を参照して理想アンテナウェイトWn
周囲のm個の近傍点Pnm(m=1,2,・・M)を検出
し、理想アンテナウェイトWn と近傍点Pnm(m=1,
2,・・M)との間の重み付き距離Rn1〜距離RnMを算
出し、それらの中で最短となる距離の近傍点を検出し、
それを最適設定アンテナウェイトW* n とする。すべて
のアンテナ素子に対して同様な処理を行い、最適設定ア
ンテナウェイトW* 1 〜W* N を得るようにする。これ
によって、アンテナ諸特性の上で、理想のアンテナパタ
ーンに最も近似したアンテナパターンを作成することが
できる。第1の実施の形態は、後述の第2及び第3の実
施の形態に比べ、ビーム制御アルゴリズムが単純であ
り、ハードウェアの小型化及び高速化を最も実現し易
い。
【0054】次に、第2の実施の形態を説明する。図1
0は、第2の実施の形態の全体構成を示すブロック図で
ある。第2の実施の形態の構成は、基本的に第1の実施
の形態の構成と同じである。そのため、図10におい
て、第1の実施の形態の構成と同じ部分には同じ参照符
号を付して、その説明を省略し、相違する部分だけを説
明する。
【0055】第2の実施の形態では、ファジィ推論部2
1において、アンテナ素子毎に推論動作を行い、アンテ
ナ素子毎に別々の距離重みK1,K2,・・KN を最適設定
点選択部22へ出力する。最適設定点選択部22は、こ
うしたアンテナ素子毎の距離重みK1,K2,・・KN を使
用して最適設定アンテナウェイトW* 1 〜W* N を算出
する。
【0056】図11及び図12は、第2の実施の形態の
各部の処理手順を示すフローチャートである。なお、図
4及び図5に示す第1の実施の形態のステップS1〜S
7の処理手順が、第2の実施の形態においても全く同一
に実行されるので、それらの図示は省略する。ステップ
S28は、第1の実施の形態のステップS7に続くもの
である。図中のステップに沿って説明する。
【0057】〔S28〕ステップS28の処理は、図5
に示す第1の実施の形態のステップS8と同じ内容であ
る。ただし、ステップS28の処理が、アンテナ素子毎
に行われる点が異なっている。
【0058】〔S29〕ステップS29の処理は、図5
に示す第1の実施の形態のステップS9と同じ内容であ
る。ただし、ステップS29の処理が、アンテナ素子毎
に行われる点が異なっている。
【0059】〔S30〕アンテナ素子nにおいて、後件
部命題の振幅重み及び位相重みの制御量を意味するメン
バーシップ関数Hj (n) =[HGj(n),Hθj (n) ]に対
して、図11のステップS30に示すように、適合度ω
j を掛け算して重み付けを行い、メンバーシップ関数H
Gj * , Hθj * を得る。
【0060】アンテナ素子nに対するステップS28〜
ステップS30の処理を、ルール1〜Lの全てに亘って
実行する。 〔S31〕こうして得られたアンテナ素子nにおけるメ
ンバーシップ関数HG1 * 〜HGL * 及びHθ1 * 〜HθL
* に対して、MAX演算をそれぞれ行い、図11のステ
ップS31に示すように、アンテナ素子nにおける出力
メンバーシップ関数HG * ,Hθ* を得るようにする。
【0061】〔S32〕アンテナ素子nにおける出力メ
ンバーシップ関数HG * ,Hθ* の面積重心点ΔK
n ,ΔKθn をそれぞれ求め、図4のステップS3で
示した初期の距離重みKG0,Kθ0 に加算し、図11の
ステップS32に示すように、アンテナ素子nにおける
距離重みKGn , Kθn を得るようにする。
【0062】〔S33〕アンテナ素子毎の距離重みKn
=[KGn , Kθn ]を最適設定点選択部22へ出力す
る。最適設定点選択部22は、位相・振幅マップ16を
参照できるようになっている。
【0063】〔S34〕アンテナ素子nにおいて、近傍
点Pnmと理想アンテナウェイト値W n との距離Rnmを、
図12のステップS34に示す数式に基づき算出する。
ステップS3の処理と類似するが、初期の距離重みKG
0,Kθ0 に代わって、アンテナ素子毎の距離重みK
n , Kθn を係数に使用している点が異なっている。
【0064】ステップS34を、m=1,2,・・M
(図3の例ではM=4)に亘って繰り返して実行し、距
離Rn1〜距離RnMを算出する。 〔S35〕距離Rn1〜距離RnMのうちで最小となってい
る距離を取りだし、その距離に関わる近傍点を最適設定
アンテナウェイトW* n とする。
【0065】以上のステップS28〜ステップS35を
アンテナ素子全てに亘って実行する(n=1,2,・・
N)。 〔S36〕こうして得られたアンテナ素子毎の最適設定
アンテナウェイトW* 1 〜W* N をアンテナ部11へ出
力する。アンテナ部11では、これらの最適設定アンテ
ナウェイトW* 1 〜W* N を基にして、各アンテナ素子
へ入力される信号、または各アンテナ素子から出力され
る信号に対して、ディジタル移相器及びディジタルAT
Tにより位相及び振幅の調整が行われる。
【0066】以上のように、第2の実施の形態では、ア
ンテナ素子毎に異なるファジィ推論を行うため、距離重
みKG=[KG1,KG2,・・KGN ]の各要素を互いに
異なる値に設定することが可能である。Kθ=[Kθ1,
Kθ2,・・KθN ]についても同様である。この設定
は、アンテナ素子の位置、配列と、アンテナウェイトと
の間に相関がある場合に有効である。すなわち、アンテ
ナ素子毎に最適な距離重みを設定することが可能とな
る。第2の実施の形態は、第1の実施の形態に比べ、ハ
ードウェア規模が大きくなり、またビーム制御アルゴリ
ズムの処理に時間がかかる虞があるが、より優れたアン
テナパターンの補正が可能である。
【0067】次に、第3の実施の形態を説明する。図1
3は、第3の実施の形態の全体構成を示すブロック図で
ある。第3の実施の形態の構成は、基本的に第2の実施
の形態の構成と同じである。そのため、図13におい
て、第2の実施の形態の構成と同じ部分には同じ同じ参
照符号を付して、その説明を省略し、相違する部分だけ
を説明する。
【0068】第3の実施の形態では、パラメータ重み付
け部23が、アンテナパターン評価部18とファジィ推
論部21との間に設けられる。そして、パラメータ重み
付け部23には、アンテナパターン評価部18から評価
パラメータ(アンテナゲイン評価値、サイドローブレベ
ル評価値、ビームポインティングエラー評価値、ビーム
幅評価値)が入力されると共に、それらの重要度を示す
アンテナ特性重要度WPk (k=1,2,3,4)が入
力される。パラメータ重み付け部23は、評価パラメー
タの各評価値に対して、アンテナ特性重要度WPk に応
じて重み付けを行う。図14及び図15は、第3の実施
の形態の各部の処理手順を示すフローチャートである。
なお、第3の実施の形態の場合も、第2の実施の形態の
場合と同様に、図4及び図5に示す第1の実施の形態の
ステップS1〜S7の処理手順が、第3の実施の形態に
おいて同一に実行されるので、それらの図示は省略す
る。ステップS41は、第1の実施の形態のステップS
7に続くものである。
【0069】第3の実施の形態では、ステップS41に
続く各ステップは、第2の実施の形態と全く同じである
ので、図11及び図12に示す第2の実施の形態のステ
ップ番号をそのまま流用し、それらの説明を省略する。
【0070】〔S41〕アンテナ特性重要度WP1,WP
2,WP3,WP4 が、評価パラメータPR1,PR2,P
R3,PR4にそれぞれ対応して外部から設定される。
アンテナ特性重要度WP1,WP2,WP3,WP4 の合計値
は4である。これらのアンテナ特性重要度WPk (k=
1,2,3,4)を用いて、図14のステップS41に
示す数式に基づき、評価パラメータPRk* (k=1,
2,3,4)を算出し、ファジィ推論部21へ送る。
【0071】これにより、運用時に、アンテナ特性が変
化した場合に、アンテナ特性の重要度に応じたアンテナ
パターンの補正が可能となる。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、アダプ
ティブウェイトをアンテナ素子に設定する際に、アンテ
ナパターンに基づくアンテナ諸特性を入力してファジィ
推論を行い、それによって導き出された距離重みを基
に、アンテナ素子へ設定する位相及び振幅を選択する。
【0073】これにより、少ない計算時間で、より精度
の高いアンテナパターンの補正が可能となる。特に、ア
ダプティブアレイアンテナのようにリアルタイムに最適
な近似パターンの発生を必要とする場合において、ハー
ドウェアの規模を大きくすることなく、設定誤差を十分
に補正でき、適切なビーム制御が実現される。
【0074】また、アンテナ素子毎にファジィ推論を行
うようにする。これにより、アンテナパターンのより正
確な補正が可能となる。更に、アンテナ諸特性の重要度
を任意に設定できるようにする。これにより、運用時に
アンテナ特性が変化する場合に、重要度に応じたアンテ
ナパターンの補正が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】第1の実施の形態の全体構成を示すブロック図
である。
【図3】位相・振幅マップの構成を示す図である。
【図4】ビーム制御部の各部の処理手順のうちの第1番
目の手順を示すフローチャートである。
【図5】ビーム制御部の各部の処理手順のうちの第2番
目の手順を示すフローチャートである。
【図6】ビーム制御部の各部の処理手順のうちの第3番
目の手順を示すフローチャートである。
【図7】ファジィ推論部の前半の動作を示す図である。
【図8】ファジィ推論部の後半の動作を示す図である。
【図9】図3に例示する位置p1 〜p4 のうちで1つを
選択する場合に、距離重みKG, Kθの各値の相互関係
によって、選択される点がどう変わるかを示す図であ
る。
【図10】第2の実施の形態の全体構成を示すブロック
図である。
【図11】第2の実施の形態の各部の処理手順のうちの
第1番目の手順を示すフローチャートである。
【図12】第2の実施の形態の各部の処理手順のうちの
第2番目の手順を示すフローチャートである。
【図13】第3の実施の形態の全体構成を示すブロック
図である。
【図14】第3の実施の形態の各部の処理手順のうちの
第1番目の手順を示すフローチャートである。
【図15】第3の実施の形態の各部の処理手順のうちの
第2番目の手順を示すフローチャートである。
【図16】従来のアレイアンテナを含む無線装置の一部
を示す構成図である。
【図17】従来のアダプティブアレイアンテナを示す構
成図である。
【図18】従来の欲しいアンテナパターンと近似アンテ
ナパターンとを示す図である。
【符号の説明】
1 アンテナウェイト記憶手段 2 アダプティブウェイト出力手段 3 初期アンテナウェイト選択手段 4 評価パラメータ算出手段 5 ファジィ推論手段 6 最適アンテナウェイト選択手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のアンテナ素子と、各々のアンテナ
    素子で送受信される各信号の振幅及び位相を制御して最
    適のアンテナ指向パターンを得るようにするビーム制御
    装置とからなるアダプティブアレイアンテナにおいて、 前記複数のアンテナ素子で送受信される各信号に対して
    設定可能な離散的な位相調整値及び振幅調整値を、当該
    両値の組み合わせであるアンテナウェイトとしてアンテ
    ナ素子毎に記憶したアンテナウェイト記憶手段と、 電波の受信状況及び所望のアンテナ指向パターンに応じ
    て決まる各アンテナ素子毎の位相値及び振幅値を、当該
    両値の組み合わせである理想アンテナウェイトとして出
    力するアダプティブウェイト出力手段と、 アンテナ素子毎に、前記アダプティブウェイト出力手段
    から出力された理想アンテナウェイトに応じて、前記ア
    ンテナウェイト記憶手段に記憶されたアンテナウェイト
    から1つを、初期アンテナウェイトとして選択する初期
    アンテナウェイト選択手段と、 前記初期アンテナウェイト選択手段で選択されたアンテ
    ナ素子毎のアンテナウェイトに基づくアンテナ指向パタ
    ーンを求め、当該アンテナ指向パターンについての、前
    記理想アンテナウェイトに基づくアンテナ指向パターン
    に比べた評価パラメータを算出する評価パラメータ算出
    手段と、 前記評価パラメータ算出手段で算出された評価パラメー
    タを基にファジィ推論を行い、重み係数を算出するファ
    ジィ推論手段と、 前記ファジィ推論手段で算出された重み係数を用いて、
    アンテナ素子毎に、前記アンテナウェイト記憶手段に記
    憶されたアンテナウェイトから最適な1つのアンテナウ
    ェイトを選択する最適アンテナウェイト選択手段と、 を有することを特徴とするアダプティブアレイアンテ
    ナ。
  2. 【請求項2】 前記初期アンテナウェイト選択手段は、 前記アダプティブウェイト出力手段から出力された理想
    アンテナウェイトと、前記アンテナウェイト記憶手段に
    記憶されたアンテナウェイトのうちで、前記アダプティ
    ブウェイト出力手段から出力された理想アンテナウェイ
    トに近い所定数のアンテナウェイトとの各距離を、初期
    距離重み係数を用いて、アンテナ素子毎に求める距離算
    出手段と、 前記距離算出手段で算出された各距離のうちで、最小の
    値を示している距離を検出し、当該距離に関わるアンテ
    ナウェイトを、初期アンテナウェイトとして特定する初
    期アンテナウェイト特定手段と、 を含むことを特徴とする請求項1記載のアダプティブア
    レイアンテナ。
  3. 【請求項3】 前記最適アンテナウェイト選択手段は、 前記アダプティブウェイト出力手段から出力された理想
    アンテナウェイトと、前記アンテナウェイト記憶手段に
    記憶されたアンテナウェイトのうちで、前記アダプティ
    ブウェイト出力手段から出力された理想アンテナウェイ
    トに近い所定数のアンテナウェイトとの各距離を、前記
    ファジィ推論手段で算出された重み係数を用いて、アン
    テナ素子毎に求める距離算出手段と、 前記距離算出手段で算出された各距離のうちで、最小の
    値を示している距離を検出し、当該距離に関わるアンテ
    ナウェイトを、最適アンテナウェイトとして特定する最
    適アンテナウェイト特定手段と、 を含むことを特徴とする請求項1記載のアダプティブア
    レイアンテナ。
  4. 【請求項4】 前記評価パラメータ算出手段で算出され
    る評価パラメータは、アンテナゲイン、サイドローブレ
    ベル、ビームポインティングエラー、ビーム幅のうちの
    少なくとも1つであることを特徴とする請求項1記載の
    アダプティブアレイアンテナ。
  5. 【請求項5】 前記ファジィ推論手段は、前記評価パラ
    メータ算出手段で算出された評価パラメータを基にファ
    ジィ推論を行い、アンテナ素子毎の重み係数を算出し、 前記最適アンテナウェイト選択手段は、前記ファジィ推
    論手段で算出されたアンテナ素子毎の重み係数を用い
    て、アンテナ素子毎に、前記アンテナウェイト記憶手段
    に記憶されたアンテナウェイトから最適な1つのアンテ
    ナウェイトを選択する、 ことを特徴とする請求項1記載のアダプティブアレイア
    ンテナ。
  6. 【請求項6】 前記評価パラメータ算出手段は、複数の
    評価パラメータを算出すると共に、当該算出された複数
    の評価パラメータの相互間に重要度に応じた重み付けを
    行って前記ファジィ推論手段に出力することを特徴とす
    る請求項1記載のアダプティブアレイアンテナ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100381812B1 (ko) * 1998-11-19 2003-04-30 니폰 덴신 덴와 가부시끼가이샤 적응 어레이 안테나 장치
KR100705504B1 (ko) 2005-12-09 2007-04-09 한국전자통신연구원 직교 주파수 분할 다중화 시스템에서 기지국 스마트 안테나무선 송신 장치의 캘리브레이션 장치 및 방법

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