JP4087811B2 - アレイアンテナ通信装置及び制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アレイアンテナ通信装置、特に複数の単位アンテナを用いて送受信アンテナ・パターンを制御する通信装置に関する。
空間的に離間させて配列された複数の単位アンテナで受信された各信号を適切に加算合成することにより、希望波の到来方向にビームを有し、かつ干渉波の到来方向にヌルを有する受信アンテナ・パターンを形成して、希望信号を選択的に受信するアダプティブ・アレイ・アンテナを備えた通信装置が知られている。
図14は、従来のアダプティブアレイ通信装置を示すブロック図である。従来アダプティブ・アレイ・アンテナにおいて、所望の送受信アンテナ・パターンを得るため、送受信信号の振幅及び位相に適切な重み付け処理が施される。ところが、こうした制御に際して各アンテナ素子に対応した受信回路において、結合器、分配器及び増幅器のアナログ素子の経年劣化による時間的な変動が発生する。そのため、それぞれ独立して位相や振幅の特性のばらつきにより受信信号(RX)とモニタ信号(モニタRX)の位相や振幅の特性差が生じ、さらに未知の振幅変動や位相回転が加わることにより、指向性パターンが希望するものとは異なって形成されてしまう。このような各受信回路の特性差は、受信利得の低下を引き起こし、通信品質の劣化を招くことになる。
そこで、特許文献1に示すような技術が公開されており、アダプティブ・アレイ・アンテナ受信装置では、各受信回路の位相や振幅の特性を計算してキャリブレーション係数を求め、受信された通信信号の位相や振幅に算出されたキャリブレーション係数の位相成分及び振幅成分をそれぞれ乗算することで受信回路間の特性差を補償している。
さらに、本願出願人は、特願2003−49556及び特願2003−96091として改良されたアレイアンテナ装置を出願した。この先願発明によれば、送信側と受信側との振幅及び位相調整が容易に行うことができる。
特開2002−300086号公報 「アレーアンテナによる適応信号処理」,初版,株式会社科学技術出版,1998年11月
しかし、上記に示したキャリブレーション係数による受信回路間の特性差の補償は可能であるが、アダプティブ処理を高速化するには別の問題があった。
前述した先願発明においては、受信部からの受信信号(RX)と単位アンテナモニタ受信部からの単位モニタ信号(モニタRX)との位相差を、双方向ベクトル変調器にて調整するが、受信信号(RX)とモニタ信号(モニタRX)の振幅及び位相差が大きい場合には、適切なアンテナ・パターンを得るための収束時間が大きくなってしまうという問題があった。
従来方式では受信器からの受信信号(RX)と単位アンテナモニタ用受信器からのモニタ信号(モニタRX)の相互の位相差を重み付け回路の移相量を零とした場合±90度以下にすることが、最適なアンテナ・パターンを得るための重み付け値を正しく収束させる条件であるとし、なおかつ位相差や振幅差が小さいほど収束に要する時間を短縮できるとして、振幅及び位相の差を検出し補正を行っている。
しかし、その補正は重み付け回路の位相量を零とした場合に限られており、重み付け回路を理想的に扱っている。すなわち、アダプティブアレイ制御部が出力する重み付け設定値が表す振幅及び位相の変化量と、それが重み付け回路に入力されて実際に受信信号(RX)が受ける振幅及び位相変化量との差については考慮されていない。
一方、重み付け回路はRF信号を取り扱うアナログ回路であるから、設定したい振幅及び位相変化量と実際の振幅及び位相変化量との差を小さく保とうとすると、著しく複雑で高精度な回路が必要となり、高価になるという問題があった。
また費用を抑えて精度を犠牲にすると、設定したい振幅及び位相変化量と実際に受信信号が受ける振幅及び位相変化量との差は無視できないものになり、最適なアンテナ・パターンを得るための収束時間を増大させるという問題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するため、重み付け回路とその周辺回路等を比較的簡単な構成でかつ安価にしながら、最適な重み付け値に短時間で収束することが出来る改良されたアレイアンテナ通信装置を提供することにある。
上記問題を解決するために、本発明に係るアレイアンテナ通信装置は、複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いるアレイアンテナ通信装置において、単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅部と、単位アンテナ毎に前記RF送信増幅部と並列に設けられるRF受信増幅部と、前記RF送信増幅部と前記RF受信増幅部とを切り換える切換器を介して共通に接続された重み付け部と、複数の重み付け部に接続され、送信信号を分配し、受信信号を合成する分配合成部と、分配合成部に接続された送信部(TX)及び受信部(RX)と、重み付け部へ補正された重み付け設定値を出力する補正テーブルと、補正された重み付け設定値により前記重み付け部を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御部と、前記RF受信増幅部から分岐した受信信号をモニタするモニタ受信部(モニタRX)と、校正時、かつ、参照信号入力時において、前記受信部(RX)の出力と前記モニタ受信部(モニタRX)の出力とを比較して前記単位アンテナ毎に校正された校正値を前記アダプティブアレイ制御部へ供給する振幅位相補正部と、を備え、前記アダプティブアレイ制御部が希望する重み付け値を補正テーブルで補正し、アダプティブ・アレイ・アンテナを動作させることを特徴とする。
また、本発明に係るアレイアンテナ通信装置において、前記振幅位相補正部は、前記受信部(RX)の受信信号とモニタ受信部(モニタRX)のモニタ受信信号との振幅差と位相差とを検出し、この差がゼロ又は一定値となるように前記アダプティブアレイ制御部に前記単位アンテナ毎に校正値を供給することを特徴とする。
さらに、本発明に係るアレイアンテナ通信装置において、前記重み付けは、重み付け設定値により振幅を調整する振幅調整手段と、当該重み付け設定値により位相を調整する位相調整手段と、を有し、前記アダプティブアレイ制御部は、前記振幅位相補正部の校正値に基づき、前記振幅調整手段と前記位相調整手段とに希望する重み付け値を送り、受信信号と、希望重み付け値に対する前記振幅位相補正部のモニタ受信信号との振幅差と位相差を検出する誤差検出手段と、前記アダプティブアレイ制御部が制御したい振幅と位相をもたらす補正値を前記補正テーブルに記憶更新させる補正テーブル更新手段と、を有することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るアレイアンテナ通信装置において、前記アダプティブアレイ制御部は、さらに、前記振幅調整手段と前記位相調整手段の重み付け設定値の組み合わせにより制御したい振幅位相が得られない補正テーブルの空欄を近似補完するテーブル補完手段を有することを特徴とする。
本発明に係る制御方法は、複数の単位アンテナで受信されたモニタ受信信号の振幅位相を補正する振幅位相補正工程と、補正された振幅と位相信号とに基づいて、各受信信号に重み付けを振幅調整手段と位相調整手段とにて行う重み付け工程と、これらの処理を制御するアダプティブアレイ制御部によって重み付けられた受信信号を加算合成することにより希望波の到来方向にビームを設け、希望波を選択的に受信する受信工程と、を含むアレイアンテナ通信装置の制御方法において、前記アダプティブアレイ制御部は、校正時、かつ、参照信号入力時において、校正された前記振幅位相補正部の校正値に基づき、前記振幅調整手段と前記位相調整手段に希望する重み付け値を補正テーブル経由で送り、受信信号(RX)及び振幅位相補正部のモニタ受信信号(モニタRX)との振幅差と位相差とを検出する誤差検出工程と、前記アダプティブアレイ制御部が制御したい振幅位相をもたらす重み付け補正値を補正テーブルに記憶更新させる補正テーブル更新工程と、を処理することを特徴とする。
また、本発明に係るアレイアンテナ通信装置の制御方法において、前記アダプティブアレイ制御部は、さらに、前記振幅調整工程と前記位相調整工程の重み付け設定値の組み合わせにより、制御したい振幅位相が得られない補正テーブルの空欄を近似補完するテーブル補完工程を、実行することを特徴とする。
さらに、本発明に係るアレイアンテナ通信装置の制御方法であって、補正テーブルの補完方法において、前記テーブル補完工程は、極座標平面上に展開された重み付け設定値の元の値に対して、座標を直線で結んだ距離であるユークリッド距離により補正テーブルの空欄を近似補完することを特徴とする。
上述のように本発明では、アダプティブアレイ制御部が出力する希望する重み付け値を補正テーブルの入力とし、希望する重み付け値が示す振幅及び位相の変化量と実際に重み付け回路から受信信号が受ける振幅及び位相の変化量との差が最小となるよう補正された重み付け設定値を出力とする補正テーブルを追加する。
また、補正テーブルの作成にあたっては、すでに備えられている振幅位相補正機能を利用する。すなわち、重み付け回路の重み付け設定値を変化させて得られた振幅位相補正値の変化量は、重み付け回路の振幅及び位相の変化量と等価であることに着目し、全ての重み付け設定値に対する振幅位相補正値を測定によって求め、量子化を行い重み付け設定値とする。次に得られた重み付け値を入力とし、それをもたらした重み付け設定値を出力とするようなマッピングを行う。対応する重み付け値が存在しない重み付け設定値については、対応する重み付け設定値を持つ重み付け値の中から誤差が最小となる重み付け設定値を選んで補完することを特徴とする。
また、演算時間を短縮する為、補完処理では、対応する重み付け設定値を持つ重み付け値が、近傍の対応する重み付け設定値を持たない重み付け値を取り込む方式を適用する。
また、その際に極座標形式で表現された重み付け値の量子化単位と座標軸の量子化単位を合わせて整数化し、数値演算プロセッサ等での計算を容易ならしめる。
また、対応する重み付け設定値を持つ重み付け値が近傍の重み付け設定値を持たない重み付け値を取り込む際に、予め取り込む順位と座標を取り決めておいて、一つずつ順に取り込んでいくことで、複雑な境界の演算を省略し、演算時間を短縮することを特徴とする。
こうして得られた補正テーブルを用いてアダプティブアレイ制御部が出力する希望する重み付け値により重み付け設定値を補正することで、精度が低い安価な重み付け回路を用いたとしても、希望する重み付け値が表す振幅及び位相の変化量と実際に受信信号が受ける振幅及び位相の変化量との差を常に小さく保つことができ、最適な重み付け値に短時間で収束することが可能となる。さらに、補正テーブルを作成する手段として既存の振幅位相補正機能を用いることで新たに生じる費用を低く抑えることが可能なことを特徴とする。
本発明を用いることにより、補正テーブルを用いてアダプティブアレイ制御部の希望する重み付け値により重み付け設定値を補正することで、精度が低い安価な重み付け回路を用いたとしても、希望する重み付け値が表す振幅及び位相の変化量と実際に受信信号が受ける振幅及び位相の変化量との差を常に小さく保つことができ、従来方式と比べて最適な重み付け値に短時間で収束することが可能となる。
さらに、補正テーブルを作成する手段として既存の振幅位相補正機能を用いることで新たに生じる費用を低く抑えることが可能となる効果がある。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るアダプティブアレイ通信装置の全体的な構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、4個のアンテナでアダプティブ・アレイ・アンテナが構成される例について説明する。
アダプティブ・アレイ・アンテナは4個の単位アンテナを含み、各アンテナ1に入力された信号は、送受切換器4により受信側に接続されている状態で、低雑音増幅器3(LNA)を通過し、重み付け回路5に入力される。ここで、送受切換器4の間では、送信系と受信系とでそれぞれ別個独立した回路(すなわちRF送信系回路及びRF受信系回路)を有しており、RF送信系回路には、送信電力増幅器2(PA)が設けられている。
受信信号は重み付け回路5において、それぞれ振幅及び位相に対して重み付けされ、各単位アンテナの信号が分配合成部6において加算され、受信器8を通ってベースバンド処理部9へ供給される。
一方、送信信号はベースバンド処理部9から送信器7を介して送受切換器18から分配合成部へ送られる。前記重み付け回路5による重み付けを最適値に制御するために、アダプティブアレイ制御部10が設けられており、このアダプティブアレイ制御部10には前述した受信器8からの受信信号と後述する振幅・位相補正部13からの単位アンテナモニタ信号が供給され、これによって得られた所望の重み付け値が補正テーブル11を介して単位アンテナ毎の重み付け回路5へ供給される。なお、補正テーブル11のテーブル内容の更新は制御部12が処理する。
振幅位相補正値を測定によって求める際に参照信号とするため、アンテナ端から受信信号が入力される。これは本物の受信信号であっても良いし、それに準ずる測定用の擬似的な受信信号でも良い。導入の形態はアンテナ外から無線で入力しても良いし、アンテナ端から同軸ケーブル等を用いて有線で入力しても良い。また、RF受信系回路内に参照信号を挿入する装置を備えても良い。
そのようにしてアンテナ端から入力された参照信号は、各重み付け回路5を介して受信信号として分配合成部6へ送られると共にモニタ信号用の受信器であるモニタ受信器14に送られる。そして受信器8からの受信信号(RX)とモニタ受信器14からのモニタ受信信号(モニタRX)は振幅・位相補正部において比較され両者の振幅あるいは位相の差をゼロとなるよう補正された校正信号がアダプティブアレイ制御部10へ供給される。
1 数学的モデルの説明
図2は、本発明の実施形態に係る重み付け回路の数学的モデルを示す模式図である。本発明の実施形態は図1の構成からなり、補正テーブルの意味を図2に示した数学的モデルを用いて説明を行う。図中に示された記号は全て複素数であり、振幅と位相の変化量を表している。
図中、r(t)はアンテナからの受信信号を表す複素数であり、時間によって変化する関数である。Wはアダプティブアレイ制御部10が重み付けを最適化する演算を行った結果得られた希望する重み付け値であり、振幅及び位相変化量を表す複素数である。Wは量子化されていて特定の分解能を有するので有限集合の元(要素)である。Vは補正テーブルにW(希望する重み付け値)が入力された場合の補正テーブル11の出力値(重み付け設定値)であり、Wと同様に有限集合の元(要素)である。Vは重み付け設定値として重み付け回路5に供給される。
はV(重み付け設定値)が重み付け回路5に入力された場合に実際に受信信号が受ける振幅及び位相の変化量を表す複素数であり、非線形な誤差要因(分解能に起因する量子化誤差など)によってVが表す振幅及び位相に対して誤差を加える。この誤差は一定ではなくVによって非線形に変化する。ここで、Zは、実際の振幅位相値(受信信号が重み付け回路5から受ける振幅位相値)を量子化して得られる集合の元(要素)である。
は受信信号が受信器8から受ける振幅及び位相の変化量を表す複素数であり定数として扱う。Yはアンテナからのモニタ信号がモニタ受信器14から受ける振幅及び位相の変化量を表す複素数であり定数として扱う。
及びCは振幅・位相補正部がモニタ受信信号に対して施す振幅及び位相の変化量を表す複素数である。Cは特に基準補正値と呼び、後述する補正テーブル作成時に繰り返される測定の度に変化する振幅位相補正値Cとは異なり、測定によって得られる振幅及び位相変化量の基準となる点を定める補正値である。
なお、図2においては説明を簡素化するため4系統存在するモニタ受信信号系の中の1系統のみについて書かれており、残りの3系統についても同じモデルが適用できるが、受信器の振幅及び位相の変化量Xとモニタ受信器の振幅及び位相の変化量Yは異なる値となる。各部の振幅及び位相の変化量を以上のように定義すると、受信信号はZr(t)となり、モニタ受信信号はYCr(t)と表される。
図3は、本発明の実施形態に係る補正テーブル作成の概念を示す概念図である。図3の右方向への矢印は測定で得られる方向であり、左方向への矢印は補正テーブル11の索引方向を示している。
図3左側のV(重み付け設定値)の集合は、重み付け回路5に入力される振幅及び位相の設定値の集合である。また、Z(W)(重み付け値)の集合は、受信信号が重み付け回路5から受ける振幅及び位相の変化量を特定の分解能により量子化を行い有限個の重み付け値を元(要素)とする集合であり、(1)測定で得られる方向において、Z(W)は、V(重み付け設定値)を重み付け回路5に設定して受信信号を測定した測定値である。
さらに、(2)補正テーブルの索引方向において、アダプティブアレイ制御部10が補正テーブル11に出力するW(希望する重み付け値)の集合も、Z(W)(重み付け値)の元(要素)を共有し、Z(W)(重み付け値)は、補正テーブル11で補正された値がV(重み付け設定値)となる。
ここで、補正テーブル11はW(希望する重み付け値)を入力とするV(重み付け設定値)であるが、後述する量子化誤差などの理由により2つの集合は大きさが異なり、測定結果をより正確に反映するためにWより重み付け値Vの集合の方が小さい。この為、測定で得られるZ(W)(重み付け値)は、対応するV(重み付け設定値)と1対1で関係付けられず(3)補正テーブルの索引方向において、Z(W)(重み付け値)は特定のV(重み付け設定値)に近似させる必要がある。以下同様に対応付けられている。
2 補正テーブルの作成手順
図4は、本発明の実施形態に係る重み付け回路5の簡易モデルを示すブロック図である。本発明を説明する上で単位アンテナ1本の簡易モデルにおいて、重み付け回路5を構成する振幅調整手段としてアッテネータ17(ATT)を用い、位相調整手段として位相器16を用い、図4のモデルにより補正テーブルの作成手順を説明する。説明を簡略化するために、補正テーブル11はアダプティブアレイ制御部10に内蔵されているが処理開始前なので、機能していなものとする。よって希望する重み付け値をそのまま重み付け設定値として重み付け回路5に入力する。
アンテナから受信された受信信号(RX)はRF受信器15から重み付け回路5へ入力される。重み付け回路5は、アッテネータ17と位相器16で構成され、重み付け処理された受信信号(RX)は受信器8で受信され、アダプティブアレイ制御部10に入力される。さらに、受信信号(RX)は分岐されモニタ受信器14,振幅・位相補正部13を通り、モニタ信号(モニタRX)として同様にアダプティブアレイ制御部10に入力される。アダプティブアレイ制御部10はアンテナ・パターンを制御する為に、単位アンテナに振幅設定値と位相設定値を与え、制御を行う。
このように、アダプティブアレイ制御部10は、重み付け回路5に設定を希望する振幅及び位相情報を出力し内蔵する補正テーブルは重み付け設定値(振幅値,位相値)を出力する。従来技術である振幅位相補正(キャリブレーション)を行うと、受信信号とモニタ信号の振幅及び位相が同じになるよう振幅・位相補正部13がモニタ信号の振幅及び位相の補正を行うので、振幅位相補正を行う際にアダプティブアレイ制御部10が振幅値として0dB、位相値として0度を設定しておけば、後でその値を重み付け回路5に入力した場合に、受信信号とモニタ信号振幅及び位相は同じになる。
図5は、本発明の実施形態に係る簡易モデルにおける振幅位相補正(キャリブレーション)直後のモデルである。アダプティブアレイ制御部10が重み付け設定値“0dB”,“0deg”(degは角度の単位である“度 °”を意味する)を重み付け回路5に入力したときに、受信信号とモニタ信号の振幅及び位相が同相同振幅になるのであるから、アダプティブアレイ制御部10が正しく重み付け回路5を制御するためには、設定した振幅及び位相の分だけ、受信信号の振幅及び位相がモニタ信号に対して変化していなければならない。
図6は、本発明の実施形態に係る簡易モデルにおける誤差を示す模式図である。たとえば、図6に示すように、振幅位相“−1dB”,“10deg”を設定したのなら、受信信号(RX)の振幅はモニタ信号(モニタRX)の振幅に対して“−1dB”、位相は“+10deg”となっていなければならない。しかし、現実には重み付け回路5がアナログ回路であるため、設定した値と同じだけの振幅差、位相差が得られるとは限らない。振幅位相“−1dB”,“10deg”を設定したにも関わらず、実際の受信信号の振幅及び位相がモニタ信号(モニタRX)に対して振幅差“−2dB”,位相差“20deg”であったのなら振幅“−1dB”,位相“10deg”の誤差が重み付け回路5によって生じたことになる。
この誤差がアダプティブアレイ制御10の演算収束時間に与える悪影響は、振幅位相補正(キャリブレーション)の誤差とほぼ等価であるから、先ほど示したような大きさの誤差は無視することはできず、もし、位相誤差が90度以上あった場合には、アダプティブアレイ制御の演算が収束しないという最悪の結果ともなる。
この誤差を無くすためには、アダプティブアレイ制御部10が希望する重み付け値と実際の振幅位相値が一致するような重み付け設定値を重み付け回路5に入力する必要があり、実際の振幅位相値を入力として、それをもたらす重み付け設定値を出力とするような補正テーブル11による補正が必要となる。
図7は、本発明の実施形態に係る補正テーブル11の構成を示す模式図である。図7の上段に示す流れ図は、補正テーブル11による補正処理である。アダプティブアレイ制御部10は希望する重み付け値Wを補正テーブルに出力すると、Wに対応する重み付け設定値Vが求まり、重み付け回路5に入力され、実際の振幅位相値が出力される。この際、アダプティブアレイ制御部10が望む振幅位相値と実際の振幅位相値は等しくなる。
図7の下段に示す流れ図は、測定で得られる補正前のデータを取得する処理である。補正テーブル11を作成する制御部12は、重み付け設定値Vを重み付け回路5に与え、実際の振幅位相値を測定する。次に、制御部12は、特定の分解能による量子化を行い、重み付け値Z(W)を得る。
この際、重み付け設定値Vは0dB,10degと設定しても、測定による振幅位相値は−0.9dB,12degとなるが、量子化により−1dB,10degに置き換えられる。
実際に補正値を得るために行えるのは、重み付け設定値毎に実際の振幅位相を測定によって求めることであり、得られた測定結果でデータベースを構築しても、重み付け設定値を入力として、実際の振幅位相を量子化して得られる重み付け値を出力とするテーブルなので、目的の補正テーブルを得るためには、この入出力の関係を逆転させる必要があり、Z(W)からVを求めて希望する重み付けW入力−重み付け設定値Vのテーブルへの変換が不可欠となる。
図8は、本発明の実施形態に係る測定結果の索引方向を逆転した補正テーブル11の構成を示す模式図である。また、図9は、本発明の実施形態に係る近似補正前の補正テーブル11の構成を示す模式図である。以下、重み付け設定値を変えながら、実際の振幅位相を測定して得られるテーブルを図8と図9を用いて説明する。
ただし、この表を含め以下に示す表中の数値は実際の測定値とは異なり、あくまで説明の為のモデルである。振幅設定は0dBと−1dBの2段階しかなく、位相設定は0度と10度の2段階しかないものと仮定している。よって、測定によって得られる測定値である実際の振幅位相も4つしかないが、測定によって得られた値であるために実際には図8の表中に書かれているようなキリの良い値ではないが後に作成する補正テーブル11に利用するため量子化を行っている。その際、量子化誤差を小さく抑えるために、振幅位相の設定より分解能を小さくしてもよいが、ここでは説明を簡素化するため分解能を同じにしている。
アダプティブアレイ制御部10が希望する重み付け値をもたらす重み付け設定値を知るには、前述したように、このテーブルの索引方向を逆にする必要があるので、単純に逆にすると図8のようになる。実際の振幅位相値を元にして希望する重み付け値Wをテーブルに挿入する。次に、重み付け設定値Vとの対応を取る。
これを基にしてアダプティブアレイ制御部10が使えるような形式の補正テーブルにすると図9のようになる。希望する重み付け値Wを基準にして重み付け設定値Vをテーブルに挿入する。さらに、近似を行って空欄を埋めれば補正テーブル11が完成する。この近似に伴う演算を近似補完処理と呼び、以下、近似補完処理について説明する。
図10は、本発明の実施形態に係る補正テーブル作成処理の流れを示すフローチャートである。以下にフローチャートに示された手順に従って説明する。
ステップS11から補正テーブル作成が開始される。次に、ステップS12において、重み付け回路に基準設定値(0dB,0deg)を与えて、受信信号(RX)とモニタ信号(モニタRX)の振幅位相を同じにする為の基準補正値Cを決める。
振幅位相補正機能を用いて測定できるのは相対的な差のみなので、最初に重み付け設定値の集合の中から基準点とする元を一つ任意に選ぶ必要がある。ここでは基準点となる重み付け設定値をVとする。また基準補正値が決定するまでのCの暫定的な値は“1”とする。
振幅・位相補正部13は受信信号とモニタ受信信号の振幅及び位相が等しくなるように振幅位相補正値Cを決定するから、測定を行った後振幅位相補正部から得られる振幅位相補正値を(式1)に示す。これを以後の測定では基準補正値Cとして用いる。
Figure 0004087811
ステップS13において、全ての“重み付け設定値”に対して受信信号(RX)とモニタ信号(モニタRX)の“振幅位相差”を求める。基準値として選んだVも含めて、重み付け設定値の集合に所属する全ての元(要素)について、それを重み付け回路に入力した場合の振幅位相補正値を求めて表にする。測定の順番は任意でよい。重み付け設定値のi番目の元であるVを重み付け回路に入力した場合に得られる振幅位相補正値は(式2)のようになり、基準補正値で正規化された振幅及び位相の変化量が得られる。
Figure 0004087811
Figure 0004087811
ステップS14において、測定の結果得られた振幅位相補正値(表1)を量子化して、アダプティブアレイ制御部10が出力する重み付け値で置き換えて(表2)を作成する。(表2)は、重み付け設定値で測定の結果得られた(希望する)重み付け値を索引する測定のテーブルである。
Figure 0004087811
重み付け回路設定値は全ての値に対して測定を行ったので、表の中に全ての元が含まれるが、重み付け値は全ての測定結果が重み付け値の元のどれかと一致するよう量子化を行っているだけなので、集合に所属する全ての元が表の中に含まれているわけではない。
ただし、表の中で対応するペアは測定によって結びつけられているので、例えば重み付け設定値としてVを重み付け回路5に入力すると受信信号はWの振幅及び位相の変化を受ける。これはぎゃくに受信信号にWの振幅位相の変化を与えたければ、重み付け設定値をVにすれば良いとも読めるので、測定テーブル(表2)を逆引きするような補正テーブルを作成し、希望する重み付け値で補正テーブルを索引し得られた重み付け設定値を重み付け回路5に入力すれば、アダプティブアレイ制御部10が出力する重み付け値Wと実際に受信信号が受ける振幅及び位相の変化量との誤差を最小にすることができる。
ステップS15において、測定テーブル(表2)の欄を入れ換えて、重み付け値で重み付け設定値を検索するテーブル(表3)を作成する。重み付け設定値がない場合は、空欄とする処理を行う。表2に基づき重み付け値を手がかりにして対応する重み付け設定値を引き出せるようなテーブルを作成する為、重み付け値の全ての元を含む表を作成し、(表3)を得る。(表3)は、全ての重み付け値の元を含んだテーブルである。ただし、測定によって選ばれていない重み付け値は対応する重み付け設定値を持たないため、空欄となっている。
Figure 0004087811
ステップS16において、表3の空欄を埋めるため、補完処理を行うため、ユークリッド距離の初期設定を行い以後、補完の処理を実行するが、その前に、補完処理の概念を図3に示す概念図を用いて説明する。
始めに重み付け設定値の集合に所属する全ての元に対して測定により重み付け値の集合に所属するいずれか一つの元にマッピングする(ステップ1:図中の実線矢印)。次に、重み付け値の集合に所属する全ての元に対して、重み付け設定値の集合に所属するいずれか一つの元にマッピングする。(ステップ2:図中の点線矢印)その際、測定によって結びつけられたペアを持っている元はそれを、持っていない元は自分が所属する集合の中でペアを持っている元の中から、最も振幅及び位相の差が小さい元と同じ相手にマッピングする。
以上の処理を実行する具体的な方法について述べる。(表3)を得た段階ですでにステップ2の操作まで完了しているから、ステップ3の手順について以下に詳述する。重み付け値の集合に所属する元(要素)は振幅及び位相の変化量を表す複素数である為、実数部と虚数部をそれぞれ直交するIQ軸に投影した極座標平面上の点で表現することが出来る。
その極座標平面上では、座標を直線で結んだ距離(ユークリッド距離)の大きさは、元が表す振幅及び位相の差に等しいので、ステップ2の操作はこの極座標平面上に展開された重み付け値の元(要素)に対して、ペアを持たない元がペアを持つ元の中から最も自分とユークリッド距離の小さい元を見つけ出して結びつけていく操作に置き換えることが出来る。
ところで、図3に示した2つの集合は大きさが異なり、測定結果をより正確に反映するためにWより重み付け値Vの集合の方が小さい。その場合重み付け値の集合の中では、ペアを持つ元よりペアを持たない元の方が数倍多いことになる。
そこで演算時間を短縮するために発想を逆転して、ペアを持たない元がペアを持つ元を捜索するのではなく、ペアを持つ元が自分からユークリッド距離の小さいペアを持たない元を取り込んでいく方法に置き換える。
さらに演算を簡単にするため図11に示すようにユークリッド距離を重み付け値と同じ単位で量子化すると、ユークリッド距離毎に座標点を分類することが出来る。また、座標軸も重み付け値と同じ単位で量子化すると、座標軸の目盛りで表現される格子の全ての交点(座標)がそれぞれ一つの重み付け値と1対1に結びつく。
ステップS17において、距離別座標リストを作成する。ユークリッド距離の基準となる元からの相対的な位置関係を表すオフセット値[実軸相対座標,虚軸相対座標]を用いて、ユークリッド距離毎にグループ分けを行うと
(距離0群)[0,0]
(距離1群)[1,0][0,1][-1,0][0,-1]
(距離2群)[1,1][-1,1][-1,-1][1,-1][2,0][0,2][-2,0][0,-2]
(距離3群)[2,1][1,2][-1,2][-2,1][-2,-1][-1,-2][1,-2][2,-1][2,2][-2,2][-2,-2][2,-2][3,0][0,3][-3,0][0,-3]
となり、これらのオフセット値をユークリッド距離毎に予めリストアップしておくと演算時間は更に短縮される。
次に、ステップS18において、“重み付け設定値”の振幅位相順に測定テーブルで“重み付け値”を検索して、その値の近傍の座標(距離別座標リスト参照)をアドレスとして、補正テーブルにまだ何も書かれていない場合に限り“重み付け設定値”を書き込む。
さらに、ステップS19において、ペアを持つ全ての元がユークリッド距離の小さい座標から順に自分のグループとして取り込んでいく操作を繰り返し、ペアを持たない全ての元がペアを持つ元のいずれか一つと結びついたとき、補完が出来る。
さらに補正テーブル11の“重み付け設定値”欄が全て埋まっていない場合は、“No”となり、距離変数を“1”増やしてステップS17以降を実行する。全ての空欄が埋まったと判断すると“Yes”となり、ステップS21において補正テーブル作成が終了する。
図12は、本発明の実施形態に係る補正テーブルの近似補完処理の実行例を示す模式図である。図12を用いて説明する。
極座標空間に測定によって結びつけられた重み付け設定値のペアを持つ重み付け値の元が3つ存在しているとする。横方向を実軸、縦方向は虚軸とする。印の番号はペアの相手である重み付け設定値を示す番号で、番号が異なれば重み付け設定値も異なる。
第1ステップ:先ず自分自身が存在する座標点を取得する。この時に座標をアドレスとしたメモリに、データとして重み付け設定値を書き込む。
第2ステップ:予め作成されたオフセット値リストに従って、ペアを持つ元が周辺の座標(ペアを持たない元)に対して取得を試みる。この時、すでに取得された座標点を新たに取得することはできない。最初のオフセット値が[+1,0]であるから、1番から順に自分が存在する座標にオフセット値を加算した座標点を取得する。第1ステップと同様に取得に成功した座標点をアドレスとするメモリに、重み付け設定値を書き込む。
第3ステップ:オフセット値が[0,+1]であるから、同様に座標点を取得し、取得に成功した座標点をアドレスとするメモリに、重み付け設定値を書き込む。
第4ステップ:オフセット値が[-1,0],[0,-1]であるから、同様に座標点を取得し、取得に成功した座標点をアドレスとするメモリに、重み付け設定値を書き込む。
第5ステップ:オフセット値が[1,1]については、問題なく取得が行われるが、オフセット値[-1,1]については、3番はすでに取得希望先が1番によって取得されており、新たに取得することはできないので、3番はそのオフセット値に対する取得に失敗する。
第6ステップ:今度は、オフセット値[1,-1]について、1番が取得に失敗する。あるオフセット値について取得に失敗しても、次のオフセット値に対して優先的に取得することはできない。
図13は、本発明の実施形態に係る補正テーブル11の近似補完処理終了後の結果を示す模式図である。同様にして処理を進めると最終的には図13の様になる。3つ区分けされた各座標点をアドレスとするメモリには、3つの重み付け設定値の何れかが区分けに従って書き込まれているので補正テーブル11が完成する。
以上のように、本発明に係る近似補完方式を使用すると、境界を何処に定めるかを決めるための複雑な計算が省略でき演算時間がさらに短縮されるという効果がある。なお、近似方式は、ユークリッド距離による補完としたが、この他の補完方法を使用できることはいうまでもない。
本発明の実施形態に係るアダプティブアレイ通信装置の全体的な構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る重み付け回路の数学的モデルを示す模式図である。 本発明の実施形態に係る補正テーブル作成の概念を示す概念図である。 本発明の実施形態に係る重み付け回路の簡易モデルを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る簡易モデルにおける振幅位相補正(キャリブレーション)後のモデルを示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る簡易モデルにおける誤差を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る補正テーブルの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る測定結果の索引方向を逆転した補正テーブルの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る近似補正前の補正テーブルの構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る補正テーブル作成処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る補正テーブル作成処理におけるユークリッド距離による量子化方法を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る補正テーブルの近似補完処理の実行例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る補正テーブルの近似補完処理終了後の結果を示す模式図である。 従来のアダプティブアレイ通信装置を示すブロック図である。
符号の説明
1 アンテナ、2 PA、3 LNA、4,18 送受切換器、5 重み付け回路、6 分配合成部、7 送信器、8 受信器、9 ベースバンド処理部、10 アダプティブアレイ制御部、11 補正テーブル、12 制御部、13 振幅・位相補正部、14 モニタ受信器、15 RF受信器、16 位相器、17 アッテネータ。

Claims (7)

  1. 複数の単位アンテナを含むアダプティブ・アレイ・アンテナを用いるアレイアンテナ通信装置において、
    単位アンテナ毎に設けられたRF送信増幅部と、
    単位アンテナ毎に前記RF送信増幅部と並列に設けられるRF受信増幅部と、
    前記RF送信増幅部と前記RF受信増幅部とを切り換える切換器を介して共通に接続された重み付け部と、
    複数の重み付けに接続され、送信信号を分配し、受信信号を合成する分配合成部と、
    分配合成部に接続された送信部(TX)及び受信部(RX)と、
    重み付け部へ補正された重み付け設定値を出力する補正テーブルと、
    補正された重み付け設定値により前記重み付け部を制御して複数の単位アンテナをアダプティブ・アレイ・アンテナとして機能させるアダプティブアレイ制御部と、
    前記RF受信増幅部から分岐した受信信号をモニタするモニタ受信部(モニタRX)と、
    校正時、かつ、参照信号入力時において、前記受信部(RX)の出力と前記モニタ受信部(モニタRX)の出力とを比較して前記単位アンテナ毎に校正された校正値を前記アダプティブアレイ制御部へ供給する振幅位相補正部と、
    を備え、
    前記アダプティブアレイ制御部が希望する重み付け値を補正テーブルで補正し、アダプティブ・アレイ・アンテナを動作させることを特徴とするアレイアンテナ通信装置。
  2. 請求項1に記載のアレイアンテナ通信装置において、
    前記振幅位相補正部は、前記受信部(RX)の受信信号と、モニタ受信部(モニタRX)のモニタ受信信号と、の振幅差と位相差とを検出し、この差がゼロ又は一定値となるように前記アダプティブアレイ制御部に前記単位アンテナ毎に校正値を供給することを特徴とするアレイアンテナ通信装置。
  3. 請求項1又は2に記載のアレイアンテナ通信装置において、
    前記重み付け部は、
    重み付け設定値により振幅を調整する振幅調整手段と、
    当該重み付け設定値により位相を調整する位相調整手段と、を有し、
    前記アダプティブアレイ制御部は、
    前記振幅位相補正部の校正値に基づき、前記振幅調整手段と前記位相調整手段とに希望する重み付け値を送り、受信信号と、希望重み付け値に対する前記振幅位相補正部のモニタ受信信号と、の振幅差と位相差とを検出する誤差検出手段と、
    前記アダプティブアレイ制御部が、制御したい振幅と位相とをもたらす補正値を前記補正テーブルに記憶更新させる補正テーブル更新手段と、
    を有することを特徴とするアレイアンテナ通信装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のアレイアンテナ通信装置において、
    前記アダプティブアレイ制御部は、さらに、
    前記振幅調整手段と前記位相調整手段の重み付け設定値の組み合わせにより制御したい振幅位相が得られない補正テーブルの空欄を近似補完するテーブル補完手段を有することを特徴とするアレイアンテナ通信装置。
  5. 複数の単位アンテナで受信されたモニタ受信信号の振幅位相を補正する振幅位相補正工程と、補正された振幅と位相信号とに基づいて、各受信信号に重み付けを振幅調整手段と位相調整手段とにて行う重み付け工程と、これらの処理を制御するアダプティブアレイ制御部によって重み付けられた受信信号を加算合成することにより希望波の到来方向にビームを設け、希望波を選択的に受信する受信工程と、を含むアレイアンテナ通信装置の制御方法において、
    前記アダプティブアレイ制御部は、
    校正時、かつ、参照信号入力時において、校正された前記振幅位相補正部の校正値に基づき、前記振幅調整手段と前記位相調整手段に希望する重み付け値を補正テーブル経由で送り、受信信号(RX)及び振幅位相補正部のモニタ受信信号(モニタRX)との振幅差と位相差とを検出する誤差検出工程と、
    前記アダプティブアレイ制御部が制御したい振幅位相をもたらす重み付け補正値を補正テーブルに記憶更新させる補正テーブル更新工程と、
    を処理することを特徴とするアレイアンテナ通信装置の制御方法。
  6. 請求項5に記載のアレイアンテナ通信装置の制御方法において、
    前記アダプティブアレイ制御部は、さらに、
    前記振幅調整工程と前記位相調整工程の重み付け設定値の組み合わせにより、制御したい振幅位相が得られない補正テーブルの空欄を近似補完するテーブル補完工程を、実行することを特徴とするアレイアンテナ通信装置の制御方法。
  7. 請求項6に記載のアレイアンテナ通信装置の制御方法であって、補正テーブルの補完方法において、
    前記テーブル補完工程は、
    極座標平面上に展開された重み付け設定値の元の値に対して、座標を直線で結んだ距離であるユークリッド距離により補正テーブルの空欄を近似補完することを特徴とする補正テーブルの補完方法。
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