JPH1167612A - 保安装置付コンデンサ - Google Patents

保安装置付コンデンサ

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JPH1167612A
JPH1167612A JP24332497A JP24332497A JPH1167612A JP H1167612 A JPH1167612 A JP H1167612A JP 24332497 A JP24332497 A JP 24332497A JP 24332497 A JP24332497 A JP 24332497A JP H1167612 A JPH1167612 A JP H1167612A
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lid
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capacitor
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Seiji Yamaguchi
清治 山口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動化し易く、製造を容易にでき、製造時間
を短縮できるとともに、製造コストを低下でき、安価
で、かつ、保安装置が作動後等の含浸液の漏出を防止で
き、保安機能を向上できる保安装置付コンデンサを提供
すること。 【解決手段】 コンデンサ素子1をケース3に収納して
外側用蓋10により密閉し、この外側用蓋10と前記コ
ンデンサ素子1との間に内側用蓋11を配置するととも
に、この内側用蓋11と前記外側用蓋10との間に機械
的な弱点部8a,8bを有する引出用端子7a,7bを
設け、前記ケース3内の圧力が増加して前記内側用蓋1
1と前記外側用蓋10との間隔が長くなることにより前
記引出用端子7a,7bを切断する保安装置付コンデン
サ26において、外部用端子15a,15bに溶接又は
リベット止めして接続する棒状の引出用端子7a,7b
と、内側用蓋11と外側用蓋10との間のケース3の側
面に設けた第1の突起4及びこの第1の突起4よりも高
さが低く外側用蓋10を支持する第2の突起5とを有す
ることを特徴とする保安装置付コンデンサ26。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は保安装置付コンデン
サに関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサや金属化紙コンデ
ンサ、含浸型の金属化フィルムコンデンサ等のコンデン
サは、含浸液とともにコンデンサ素子をケースに収納
し、蓋を取付けて密閉した構造になっている。ところ
で、これらのコンデンサは、使用中に発生したガスによ
り内圧が上昇すると、発煙したり破壊し、さらに、含浸
液が漏出して、コンデンサを取付けた基板や周囲の他の
電子部品を損傷し、発火や感電等の事故を生じる恐れが
ある。
【0003】このような破壊等を防止するために、従
来、図19に示す通りの保安装置付コンデンサ60があ
る。この保安装置付コンデンサ60は、コンデンサ素子
61をケース62に収納し、外側用蓋63を取付けて密
閉するとともに、コンデンサ素子61と外側用蓋63と
の間に貫通孔64を有する内側用蓋65を設けている。
そして外側用蓋63と内側用蓋65との間に、アルミ製
の細いリード線66とリベット67とを溶接して一体化
した引出用端子68を接続している。この引出用端子6
8は、リード線66を外側用蓋63の表面で、はと目端
子板からなる外部用端子69に半田70接続するととも
に、リベット67を加工してコンデンサ素子61から引
き出された内部端子71に接続している。また、外側用
蓋63と内側用蓋65との間のケース62の側面に蛇腹
状の突起72を設け、引出用端子68と合せて保安装置
を形成している。そしてケース62内の圧力が上昇する
と、突起72がケース62の側面方向に伸びて外側用蓋
63と内側用蓋65との間の距離が長くなり、ケース6
2の蛇腹状の突起72が伸びる。このため、引出用端子
68は、これを引き伸ばす方向の力が加わり、リード線
66とリベット67の溶接箇所で切断する。引出用端子
68が切断すると、保安装置付コンデンサ60は、組み
込まれた回路から電気的に開放され、通電が遮断される
ため破壊等から免れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の保安装
置付コンデンサ60では、リード線66が1.5mm程度
の径であり細いため外部用端子69に溶接等することが
非常に困難であり、かつはと目端子板である外部用端子
69を密封する目的のため、リード線66を外部用端子
69に半田70接続しなければならない。そして、この
半田70付け作業は自動化が非常に困難であり、手作業
にしてもコストが高くなり、作業時間も長くなる等の欠
点がある。また、保安装置付コンデンサ60は、ケース
62内の圧力が上昇して蛇腹状の突起72が伸び、引出
用端子68が切断してケース62内の温度が下がり圧力
が低下すると、外側用蓋63が、突起72や引出用端子
68による支えがなくなり、ケース62内に落ち傾斜し
たりする。このため、ケース62と外側用蓋63との間
に隙間ができケース62内の含浸液が蒸気等になってこ
の隙間からケース62外に漏出する欠点がある。さら
に、保安装置付コンデンサ60は、蛇腹状の突起72を
ケース62の側面に対して垂直に突出して設けている。
この蛇腹状の突起72はケース62内の圧力の増加に伴
って徐々に伸びる。従って、引出用端子68は、引き伸
ばす力が徐々に加わり、急には切断しない。このため、
リード線66とリベット67とが溶接箇所で途中まで切
断された状態や、切断してもリード線66とリベット6
7とが接近している状態が発生する。これらの状態の場
合、大電流が流れたり、アークが発生して異常に発熱す
る。そして引出用端子68やコンデンサ素子61が燃え
たり、発煙したりする恐れがある。
【0005】本発明は、以上の欠点を改良し、自動化し
易く、製造を容易にでき、製造時間を短縮できるととも
に、製造コストを低下でき、安価で、かつ、保安装置が
作動後等の含浸液の漏出を防止でき、保安機能を向上で
きる保安装置付コンデンサを提供することを課題とする
ものである。
【0006】また、本発明は、安全性をより向上できる
保安装置付コンデンサを提供することを課題とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
の課題を解決するために、コンデンサ素子をケースに収
納して外側用蓋により密閉し、この外側用蓋と前記コン
デンサ素子との間に内側用蓋を配置し、この内側用蓋と
前記外側用蓋との間に機械的な弱点部を有する引出用端
子を設けるとともに、この引出用端子を前記外側用蓋の
箇所で外部用端子に接続し、前記ケース内の圧力が増加
して前記内側用蓋と前記外側用蓋との間隔が長くなるこ
とにより前記引出用端子を切断する保安装置付コンデン
サにおいて、外部用端子に溶接又はリベット止めして接
続する棒状の引出用端子と、内側用蓋と外側用蓋との間
のケースの側面に設けた第1の突起及びこの第1の突起
よりも高さが低く前記外側用蓋を支持する第2の突起と
を有することを特徴とする保安装置付コンデンサを提供
するものである。
【0008】この請求項1の発明は、引出用端子を棒状
にして、外側用蓋の箇所で外部用端子に溶接したりリベ
ット止めして接続している。すなわち、引出用端子が棒
状で太いため、これを外部用端子に半田接続する代わり
に容易に溶接等できる。そしてこの溶接等による接続作
業は容易に自動化できる。また、製造作業時に比較的に
屈曲し難く、外部用端子との接続作業が容易になる。
【0009】また、請求項1の発明は、内側用蓋と外側
用蓋との間のケースの側面に、比較的高さの高い第1の
突起を設けている。従って、ケース内の圧力が増加する
と、この第1の突起の部分がケースの側面方向に伸びて
内側用蓋と外側用蓋との間隔が長くなる。これにより引
出用端子は、伸ばそうとする力が加わり、機械的な弱点
部で切断する。その結果、保安装置付コンデンサは破壊
を免れる。
【0010】そして、内側用蓋と外側用蓋との間のケー
スの側面には外側用蓋の裏面に接する位置に第1の突起
よりも高さの低い第2の突起を設けている。この第2の
突起は外側用蓋の位置を決め、これを支持している。そ
してケース内の圧力が増加した場合に、第2の突起の高
さが第1の突起の高さよりも低いため、第2の突起を伸
ばそうとする応力は、第1の突起を伸ばそうとする応力
よりも小さい。従って、第1の突起が伸びて引出用端子
が切断した場合にも、第2の突起はほとんど伸びること
なく外側用蓋を支持できる。すなわち、引出用端子が切
断して保安装置が働いた状態になっても、外側用蓋は第
2の突起に支持されて、ケース内に落ちたり傾いたりす
ることがない。このため、保安装置の作動後も、外側用
蓋によりケースを密閉した状態を維持でき、含浸液がケ
ースから漏出する等の不良を防止できる。
【0011】また、請求項2の発明は、引出用端子の弱
点部以外の箇所をほぼ2.5mm以上の径としている。こ
れにより、外側用蓋やスペーサ、内側用蓋に取付ける際
や、外部用端子に接続する際等において、引出用端子を
屈曲し難くでき、各作業を容易に出来る。
【0012】さらに、請求項3の発明は、内側用蓋と外
側用蓋との間のケース側面に設けた第1の突起をこの側
面に対して斜めに突出している。この突出部は、ケース
内の圧力の増加に対して、圧力が所定値に達した際に急
に伸びる。そして、この突出部の急激な伸びに対して、
引出用端子は、機械的な弱点部で短時間に切断し、切断
箇所に十分な空隙を生じる。従って、大電流が流れたり
等して異常に発熱することなく、コンデンサ素子の発煙
や発火等をより防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1において、1はコンデンサ素
子であり電解液等を含浸している。このコンデンサ素子
1は、例えば、陽極箔と陰極箔とを電解紙を介して積層
し、巻回し、陽極内部端子2aと陰極内部端子2bとを
引き出した構造になっている。陽極箔は、エッチングし
た高純度のアルミ箔等の弁作用金属箔に酸化皮膜を形成
し陽極内部端子2aを接続したものである。陰極箔は、
エッチングしたアルミ箔等の弁作用金属箔に陰極内部端
子2bを接続したものを用いる。電解紙はマニラ紙やク
ラフト紙等を用いる。また、コンデンサ素子1として
は、他に、コンデンサ紙やプラスチックフィルムに亜鉛
等を真空蒸着等した金属化紙や金属化フィルムを巻回
し、巻回後、両端面にメタリコンを設け、このメタリコ
ンにリード線を接続する構造のものを用いてもよい。
【0014】そして電解液等の含浸液を含浸したコンデ
ンサ素子1をケース3に互いに底面を接触し収納してい
る。ケース3は、ほぼ円筒形に形成してあり、アルミ等
の金属からなり、150〜200℃程度の温度で焼なま
し処理してある。そしてこのケース3には内面を一周し
て各々内側に突出した第1の突起4、第2の突起5及び
第3の突起6の3種類の突起を設けている。
【0015】すなわち、第1の突起4は、断面が台形状
やR状の突起を押しつぶした形状であり、蛇腹状等にな
っていて、ケース3の側面に対して斜めに突出してい
る。なお、押しつぶす前の突起の形状はR状よりも台形
状の方がよい。すなわち、R状の突起を押しつぶすと第
1の突起4がケース3の内周に沿って波状に形成され易
い。これに対して、台形状の突起を押しつぶした場合に
は、第1の突起4は波状になり難く、その先端がケース
3の側面方向に対してほぼ同じ高さに形成できる。ま
た、第1の突起4は、ケース3の側面の上下に沿って2
以上設けてもよく、ケース3の大きさ等に合わせて任意
数だけ設けてもよい。さらに、第1の突起4はケース3
の側面に対して垂直である90度以外の角度、すなわち
斜めに突出している。この場合、ケース3内の圧力の増
加に対して、圧力が所定値に達した際に、この第1の突
起4はケース3の側面方向に急に伸びて広がる作用を有
している。そして第1の突起4が急激に伸びると、引出
用端子7a及び7bは、弱点部8a及び8bの箇所で短
時間のうちに切断する。従って、弱点部8a及び8bに
大電流が流れたり等して異常に発熱したりすることな
く、コンデンサの発煙や発火等をより効果的に防止でき
る。そして第1の突起4は蛇腹状でなくてもよく、第2
の突起5よりも高さが高い形状であればよい。
【0016】また、第2の突起5は、第1の突起4より
もケース3の口9に近い方に設けられていて、断面が台
形状で、高さが第1の突起4よりも低くなっている。な
お、この第2の突起5の断面はR状等の他の任意の形状
であってもよい。そしてこの第2の突起5に外側用蓋1
0を載せて、第2の突起5により外側用蓋10を支持し
ている。
【0017】さらに、第3の突起6は、ケース3の側面
に沿って第1の突起4よりもケース3の口9からより離
れた位置に設けてあり、断面が台形状で、第2の突起5
とほぼ同一の高さになっている。この場合も、断面はR
状等の他の形状であってもよい。そしてこの第3の突起
6に内側用蓋11を載せて、第1の突起4と合せてこの
内側用蓋11を表面と裏面とから挟んで固定している。
【0018】外側用蓋10は、第2の突起5に支持さ
れ、ケース3の口9を折り曲げて第2の突起5に押し付
けられ、ケース3に固定されている。そして外側用蓋1
0は、ベークやエポキシ樹脂、紙フェノール樹脂等の円
板状の絶縁基板に、同径のエチレン・プロピレン・ター
ポリマーゴム等のゴムやポリプロピレンシート等を張付
けた円板状の積層体からなり、陽極用の引出用端子7a
及び陰極用の引出用端子7bが貫通する貫通孔12a及
び12bを設けてある。なお、紙フェノール樹脂板等に
はギ酸等の有害な不純物が含まれていて、この不純物が
含浸液中に混入すると、コンデンサ素子1は腐食する。
そして外側用蓋10には含浸液に接する面にポリプロピ
レンシート等を張付けているため、不純物が含浸液中に
混入するのを防止できる。また、ポリプロピレンシート
等を張付けているためトラッキング電圧CTIが高く、
含浸液が付着してもトラッキングを発生し難くできる。
【0019】また、内側用蓋11は、ベークやエポキシ
樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド、紙フェノール
樹脂等の円板状の絶縁基板に周径のポリプロピレンシー
ト等の高分子シート等を積層した積層体からなり、ガス
透過用の貫通孔13と、引出用端子7a及び7bを貫通
して取付けるための貫通孔14a及び14bとを設けて
いる。この内側用蓋11も、ポリプロピレンシート等を
張付けているため、不純物が含浸液中に混入するのを防
止でき、トラッキングを発生し難くできる。さらに、引
出用端子7a及び7bの貫通する貫通孔14a及び14
bから離れた周辺にガス透過用の貫通孔13を設けた場
合には、含浸液は内側用蓋11の周辺に溜り、引出用端
子7a及び7bの貫通箇所には溜り難くなる。従ってト
ラッキングの発生を防止し易くなる。
【0020】引出用端子7a及び7bは、外部用端子1
5a及び15b、外側用蓋10、内側用蓋11並びに外
側用蓋10と内側用蓋11との間に配置したスペーサ1
6を貫通している。そして引出用端子7a及び7bの一
端を外側用蓋10の表面で外部用端子15a及び15b
に超音波や電気等により溶接している。また、その他端
を内側用蓋11の裏面でコンデンサ素子1から引き出し
た陽極内部端子2a及び陰極内部端子2bにリベット止
めしている。なお、引出用端子7a及び7bに外部用端
子15a及び15bをリベット止めする構造にしてもよ
い。また、引出用端子7a及び7bにコンデンサ素子1
の陽極内部端子2a及び陰極内部端子2bを溶接しても
よい。引出用端子7a及び7bは、通常の純度のアルミ
金属等からなる各々2個の棒状の金属部材7a−1及び
7a−2並びに7b−1及び7b−2どうしを超音波や
電気等により溶接して一体化したものである。そしてそ
の一方の金属部材7a−1及び7b−1は、一端にツバ
17a及び17bを有し、このツバ17a及び17bの
箇所で外部用端子15a及び15bに溶接しまたはリベ
ット止めし、他端を先細りのテーパー状に形成してい
る。また、他方の金属部材7a−2及び7b−2は、一
端を陽極内部端子2a及び陰極内部端子2bにリベット
止めして接続し、途中にツバ18a及び18bを設けて
内側用蓋11の裏面に接触し、他端を先細りのテーパー
状に形成している。そして金属部材7a−1及び7b−
1と金属部材7a−2及び7b−2とをテーパー状の端
部で互いに溶接して一体化している。なお、引出用端子
7a及び7bは溶接部がテーパー状になっているが、テ
ーパー状に先細りにしないで途中の太い径の箇所と同径
等の棒状にして形成してもよい。そして溶接部をテーパ
ー状としない金属部材を用いる場合、溶接部に孔が形成
される構造にしてもよい。さらに、引出用端子7a及び
7bを一個の棒状の金属部材で形成してもよく、この場
合、一部を細くしたり、孔を設けたり、あるいはこれら
を組合せることにより機械的な弱点部とする。
【0021】なお、この溶接部は、ほぼ内側用蓋11の
貫通孔14a及び14bの箇所に位置している。また、
溶接部は引出用端子7a及び7bの機械的な弱点部8a
及び8bとなる箇所であり、どの位置に設けてもよい。
そして特に溶接部を内側用蓋11や外側用蓋10の位置
等に設けることにより、製造時に、引出用端子7a及び
7bがこの弱点部8a及び8bで変形したり、誤って切
断する等の不良を防止できる。しかし、引出用端子7a
及び7bが弱点部8a及び8bで切断したとき、外側用
蓋10の方を貫通する金属部材7a−1及び7b−1の
先端が内側用蓋11の貫通孔14a及び14b内やその
近傍に位置した状態にあると貫通孔14a及び14b内
壁に付着している含浸液を通って、金属部材7a−1及
び7a−2並びに7b−1及び7b−2間に電流が流れ
たり、トラッキングを生じる恐れがある。従って、第1
の突起4の高さを十分高くしたり等してその伸びが長く
なるようにし、切断後、金属部材7a−1及び7b−1
の先端が内側用蓋11の貫通孔14a及び14bから十
分離隔できるようにする方が好ましい。
【0022】そして外側用蓋10と内側用蓋11との間
に配置したスペーサ16は、図2にも示す通り、フェノ
ール樹脂やエポキシ樹脂等の絶縁性の材質からなり、厚
さの厚い円板状で、中央部に一方の端から他方の端に至
る幅の広い溝19を有し、かつその溝19の位置に引出
用端子7a及び7bが貫通する貫通孔20a及び20b
と、貫通孔20a及び20bの間に位置し溝19の幅方
向に向って延長した長方形状のスリット21とを設けた
形状になっている。この場合、スリット21は、引出用
端子7a及び7b間の絶縁性を向上するために、浴面距
離を長くするものである。なお、スペーサ16は、その
側面にケース3の第1の突起4が接触する程度の外径に
なっているが、第1の突起4との間に空隙を生じる程度
の小さい外径であってもよい。
【0023】そして引出用端子7a及び7bを貫通孔2
0a及び20bに貫通するとともに、その両端を外部用
端子15a及び15b並びに陽極内部端子2a及び陰極
内部端子2bに接続することにより、スペーサ16を外
側用蓋10と内側用蓋11との間に挟んで固定する。
【0024】また、ワッシャ22a及び22bを引出用
端子7a及び7bにはめ込み、スペーサ16の内面に押
し付けている。このワッシャ22a及び22bは、アル
ミ等の金属製で、図3に示す通り、中央部に向って円錐
状に突出した形状であり、スペーサ16に押し付けるこ
とによって偏平化する。そしてこのワッシャ22a及び
22bにより、引出用端子7a及び7bの一端を外部用
端子15a及び15bごと外部用蓋10の表面に食込ま
せてケース3の密閉性を向上し、かつ、引出用端子7a
及び7bが切断後に外側用蓋10から抜けるのを防止し
ている。
【0025】外部用端子15a及び15bは、CE69
2形等のほぼL字形で、互いに逆向きに配置してあり、
基部15a’及び15b’に貫通孔23a及び23bを
設け、この貫通孔23a及び23bに引出用端子7a及
び7bを貫通する構造になっている。なお、CE693
形等のブランク端子等を合せて設けてもよい。
【0026】そしてケース3の外周の底面には絶縁性の
プレート24を当てている。また、ケース3の側面全部
と外側用蓋10及び底面の一部とを絶縁性のチューブ2
5により被覆している。
【0027】なお、引出用端子及びスペーサとしては、
他に図4〜図9に示す通りの構造のものを用いてもよ
い。この場合、図1と同一のものは同一の符号で表す。
すなわち、図4(イ)に示す棒状の引出用端子30は、
2個の金属部材30―1及び30―2を溶接して一体化
したものである。そして、一方の金属部材30―1は、
外側用蓋10の貫通孔12aと、スペーサ31に設けた
貫通孔32とを貫通し、一端を外部用端子15aに溶接
やリベット止めして接続するとともに、他端にツバ33
を設け、このツバ33をスペーサ31の内面に接触して
いる。また、他方の金属部材30―2は、内側用蓋11
に設けた貫通孔14aを貫通し、一端を先細りのテーパ
ー状にして前記の金属部材30―1のツバ33を有する
端に溶接するとともに、途中に内側用蓋11の裏面に接
するツバ34を設け、他端を陽極リード線2a等にリベ
ット止め等して接続できるように先細りのテーパー状に
している。また、スペーサ31は、図4(ロ)に示す通
り、円板状で、溝やスリットがなく、貫通孔32が大径
部32―1と小径部32―2の2段になっている。そし
て金属部材30―1が小径部32―2を貫通するととも
に、ツバ33が大径部32―1の上面に接触している。
【0028】また、図5に示す引出用端子35も2個の
金属部材35―1及び35―2を溶接して一体化したも
のである。そして一方の金属部材35―1は、外側用蓋
10の貫通孔12aと、スペーサ36の貫通孔37とを
貫通し、一端を外部用端子15aに溶接やリベット止め
して接続し、途中にスペーサ36の内面に接触するツバ
38を設け、他端を先細りのテーパー状にし内側用蓋1
1の近傍まで延長している。また、他方の金属部材35
―2は、内側用蓋11の貫通孔14aを貫通し、一端を
先細りのテーパー状にしてもう一方の金属部材35―1
の端に溶接し、他端にツバ39を設け内側用蓋11の裏
面に接触している。なお、スペーサ36はスペーサ31
と同形になっている。
【0029】さらに、図6に示す引出用端子40は、1
個の金属部材からなり、一端を外部用端子15aに溶接
やリベット止めして接続するとともに、途中にスペーサ
41の内面に接触するツバ42と、このツバ42の下方
に位置する貫通孔43とを各々設け、他端を先細りのテ
ーパー状にして陽極内部端子2a等にリベット止め等し
て接続する形状にしている。また、ワッシャ44をこの
引出用端子40のテーパー状の端からはめ込んで、内側
用蓋11の裏面に接触し、押しつけ、引出用端子40を
固定している。この引出用端子40はツバ42の下方に
設けた貫通孔43の箇所が機械的な弱点部となる。この
場合も、スペーサ41はスペーサ31と同形になってい
る。
【0030】そして図7に示す引出用端子45は、図1
の引出用端子7aと類似した形状であり、途中に溶接箇
所が無く、1個の金属部材からなり、一部を細くして機
械的な弱点部46としている点が異なっている。この引
出用端子45は、引出用端子7aと比較して、溶接箇所
がないため、製造し難く、切断し難い。
【0031】また、図8に示す引出用端子47も、図1
の引出用端子7aと類似した形状であり、外側用蓋10
を貫通する方の金属部材47―1は、金属部材7a―1
と同形である。しかし、内側用蓋11を貫通する方の金
属部材47―2は、金属部材7a―2と異なり、両端が
テーパー状で、途中にツバ18が無く、ワッシャ48を
はめ込んでいる。この引出用端子47は、予め2個の金
属部材47―1及び47―2を溶接して一体化し、その
後、外部用端子15aに溶接又はリベット止めして接続
し、外側用蓋10、スペーサ16及び内側用蓋11を貫
通してワッシャ48をはめ込んで固定でき、図1の保安
装置付コンデンサ26に比較して製造が容易になる。
【0032】なお、各引出用端子7a,7b,30,3
5,40,45及び47は、弱点部以外の箇所をほぼ
2.5mm以上の径とする方がよく、折り曲げに対する強
度を大きくでき、取付作業時において屈曲したり、切断
するなどの不良を防止できる。
【0033】そして、スペーサ50は、図9に示す通
り、中央部に溝を設けず、ストレートな貫通孔51を設
けた構造のものを用いてもよい。この場合、このスペー
サ50を、図1に示す通り、外側用蓋10と内側用蓋1
1とを貫通する前に予め2個の金属部材7a―1及び7
a―2並びに7b―1及び7b―2を溶接して一体化で
きない。また、金属部材7a―1及び7b―1を外側用
蓋10に貫通してワッシャ22a及び22bをはめ込ん
で固定する引出用端子7a及び7bと組み合わせて用い
るとき、溶接部は内側用蓋11の貫通孔14a及び14
bの箇所に位置する。従って、引出用端子7a及び7b
が切断後、金属部材7a―1及び7b―1の先端を内側
用蓋11から十分に離隔させ、それにより内側用蓋11
に付着した電解液によって導通したり、トラッキングが
生じるのを防止するため、ケース3に設ける第1の突起
4の高さをより高くするなどの構造にする必要がある。
【0034】次に、本発明の実施の形態の保安装置付コ
ンデンサ26の製造方法を説明する。先ず、例えばアル
ミ等の弁作用金属をエッチングし、陽極酸化処理をして
酸化皮膜を形成した陽極箔に、陽極内部端子2aをコー
ルドウェルド法やかしめつけ法等により接続する。ま
た、陰極箔に陰極内部端子2bをコールドウェルド法等
により接続する。そしてこの陽極箔と陰極箔とを電解紙
を介して重ね合せて巻回し、コンデンサ素子1を形成す
る。次に、コンデンサ素子1に真空含浸法や真空加圧含
浸法等により電解液を含浸する。
【0035】また、金属部材7a−1及び7b−1を、
外部用端子15a及び15bの貫通孔22a及び22b
に貫通し、超音波溶接や電気溶接等の溶接又はリベット
止めにより互いに接続する。
【0036】そしてこの接続後の金属部材7a−1及び
7b−1のテーパー状の端を外側用蓋10の貫通孔12
a及び12b並びにスペーサ11の貫通孔20a及び2
0bに貫通する。貫通後、金属部材7a−1及び7b−
1にワッシャ22a及び22bを偏平化するほどきつく
はめ込んでスペーサ16の内面に押し付けるとともに、
外部用端子15a及び15bの基部15a’及び15
b’を外側用蓋10の表面にくい込ませる。これによ
り、図10に示す通り、金属部材7a−1及び7b−
1、外部用端子15a及び15b、外部用蓋10、スペ
ーサ16を一体化する。また、図11に示す通り、他方
の金属部材7a−2及び7b−2の端を内側用蓋11の
貫通孔14a及び14bに貫通する。そして、金属部材
7a−1及び7b−1の端と、金属部材7a−2及び7
b−2の端とを接触して超音波溶接等して互いに溶接す
る。これにより、図12に示す通り、引出用端子7a及
び7b、外部用端子15a及び15b、外側用蓋10、
スペーサ16及び内側用蓋11を一体化する。
【0037】一体化した後、内側用蓋11から突出して
いる引出用端子7a及び7bの端に、コンデンサ素子1
の陽極内部端子2a及び陰極内部端子2bをリベット止
め等して接続する。
【0038】また、アルミ等の金属板を用い、有底円筒
状のケースを形成する。ケース3を形成後、必要に応じ
てアニール処理をする。このアニール処理によりケース
3は伸びに対する抵抗力が低下する。このため、ケース
3内の圧力が増加した場合に、内側用蓋11と外側用蓋
10との間のケース3の側面に設ける蛇腹状等の第1の
突起4が伸び易くなり、引出用端子7a及び7bが切断
し易くなる。しかし、外側用蓋10を支持し、密閉性を
維持するために設ける第2の突起5も伸び易くなり、外
側用蓋10を支持し難くなる。また、ケース3の口9の
部分を折り曲げて外側用蓋10を取付ける場合に、この
外側用蓋10を保持する強度が低下する。従って、第1
の突起4の伸び易さと、第2の突起5及びケース3の口
9により外側用蓋10を支持等できる程度にその形状を
維持する強度のバランスを考慮してアニール条件を決め
る必要がある。このようなアニール温度としては、15
0〜200℃の範囲が好ましく、特に170℃程度が好
ましい。
【0039】そして図13に示す通り、円周状の面の中
央部に突起52を設けた円板状の治具53を有底円筒状
のケース54の外周に押し付け、回転させながら外周に
沿って移動させることにより、ケース54に内側用蓋1
1を支持するための第3の突起6を形成する。この際、
第3の突起6の肉厚が薄くなるのを防止するために、ケ
ース54の口55の部分に押し治具56を当て、これを
ケース54の底の方に押しながら、形成作業を行った方
が好ましい。
【0040】第3の突起6を形成後、図14に示す通
り、コンデンサ素子1をケース54に挿入し、外側用蓋
10等と一体化された内側用蓋11をこの第3の突起6
の上に載せる。
【0041】そして内側用蓋11を第3の突起6の上に
配置した後、この第3の突起6を形成したのと同様な方
法で、図15に示す通り、内側用蓋11と外側用蓋10
との間のケース54の側面に突起57を形成する。そし
て図16に示す通り、この突起57を押しつぶして蛇腹
状等の第1の突起4を形成する。
【0042】第1の突起4を形成した後、高温雰囲気中
において、段階的に昇圧しながら最終的に定格電圧以上
の電圧をコンデンサ素子1に印加して、これをエージン
グ処理する。
【0043】エージング処理後、第3の突起6を形成し
たのと同様な方法で、図17に示す通り、外側用蓋10
の裏面に接触して第2の突起5を形成する。この第2の
突起5は、その高さが第1の突起4よりも低く、そのた
め第1の突起4よりも伸び難くなっている。
【0044】第2の突起5を形成した後、図1に示す通
り、ケース3の口9を折り曲げて、外側用蓋10の表面
に食込ませ、外側用蓋10をケース3に固定し、ケース
3を密閉する。ケース3を密閉後、ケース3の底面にプ
レート24を当て、チューブ25を被覆して、保安装置
付コンデンサ26を形成する。
【0045】上記の通りに形成した保安装置付コンデン
サ26は、コンデンサ素子1から水素ガス等が発生する
と、内側用蓋11に設けたガス透過用の貫通孔13を通
して内側用蓋11と外側用蓋10との間の空間にそのガ
スが拡散し、空間の圧力が高くなる。そして図18に示
す通り、このガス圧が所定値に達すると、第1の突起4
がケース3の側面方向に急に伸びて、引出用端子7a及
び7bが弱点部8a及び8bの箇所で切断する。引出用
端子7a及び7bが切断すると、保安装置付コンデンサ
26は、回路から開放され、電流が流れなくなり、ケー
ス3内の圧力の増加が止む。すなわち、主としてケース
3に設けた第1の突起4と、機械的な弱点部8a及び8
bを設けた引出用端子7a及び7bとからなる保安装置
が作動することによって、保安装置付コンデンサ26は
破壊を免れることができる。
【0046】また、ケース3に設けた第2の突起5は、
第1の突起4よりも高さが低いため、第1の突起4が変
形して伸びた状態になっても、ほとんど変形しない。こ
のため、外側用蓋10は、引出用端子7a及び7bが切
断しても、第2の突起5により支持され、ケース3内で
傾斜等することがない。従って、保安装置が作動後も、
外側用蓋10によってケース3の密閉性を維持でき、含
浸液が漏出する等の不良を防止できる。
【0047】なお、引出用端子7a及び7bを棒状にし
ているため、外部用端子15a及び15bに接続し易
い。そして溶接やリベット止めして接続することにより
その接続作業を容易に自動化できる。さらに、第1の突
起4は、ケース3の側面に対して斜めに突出しているた
め、ケース3内の圧力が増加し、所定値に達した際に急
に伸びる。このため、引出用端子7a及び7bは、弱点
部8a及び8bで短時間に切断し、この切断箇所に十分
な空隙を生じる。従って、この弱点部8a及び8bに大
電流が流れたり等して異常に発熱したりすることなく、
コンデンサ素子1の発煙や発火等を防止できる。そし
て、外側用蓋10と内側用蓋11との間に両者の間隔を
保持するスペーサ16を設けているため、引出用端子7
a及び7bを外側用蓋10、スペーサ16及び内側用蓋
11に貫通して取付けた後に、コンデンサ素子1から引
き出した陽極内部端子2a及び陰極内部端子2bに溶接
したりリベット止めして接続する際に、引出用端子7a
及び7bに機械的な力が加わっても、引出用端子7a及
び7bが屈曲するのをスペーサ16により防止できる。
【0048】
【実施例】次に、定格400WV,220μFで、大き
さが径30mm、長さ37mmのアルミ電解コンデンサの実
施例について、保安装置の動作状況及び密閉状態を測定
した。
【0049】なお、実施例は図1に示す通りの構造とす
る。そしてケース3は、径30mm、側壁の肉厚が0.4
mm、底面の肉厚が1mmの有底円筒状で、アルミ材からな
り、温度170℃でアニール処理をしている。そしてこ
のケース3に突起を押しつぶして形成した高さ2.6mm
の蛇腹状の第1の突起4を設ける。また、外側用蓋10
を支持する第2の突起5は巾4mm、高さ1mmとする。さ
らに、内側用蓋11を支持する第3の突起6も巾4mm、
高さ1mmとする。
【0050】また、外側用蓋10は、径29mm、厚さ3
mmの円板状で、紙基材フェノール樹脂板の表面にエチレ
ン・プロピレン・ター・ポリマーゴムを積層し、裏面に
薄いポリプロピレンシートを積層した積層体からなり、
引出用端子7a及び7bが貫通する径2.6mmの貫通孔
12a及び12bを有している。
【0051】内側用蓋11は、径29mm、厚さ2mmの円
板状で、紙基材フェノール樹脂板の両面に薄いポリプロ
ピレンシートを積層した積層体からなり、引出用端子7
a及び7bが貫通する径2.6mmの貫通孔14a及び1
4bを有するとともに、中心から13mm離れた3箇所の
位置にガス抜き用の径1mmの貫通孔13を有している。
【0052】引出用端子7a及び7bは、2個のアルミ
製の棒状の金属部材7a−1及び7a−2並びに7b−
1及び7b−2を超音波溶接して一体化したものとす
る。そして一方の金属部材7a−1及び7b−1は、中
心部分が径2.5mmの円筒状で、溶接部の先端が径1.
5mmの形状になっている。また、他方の金属部材7a−
2及び7b−2は、中心部分が径2.5mmの円筒状で、
一端の溶接部の先端が径1.5mmになっている。
【0053】外部用端子15a及び15bは、鉄材を半
田メッキした、CE692形の端子板を用いる。
【0054】スペーサ16は、径24mm、厚さ5mmのフ
ェノール樹脂製の円板状で、中央部を横断する溝19の
巾を9mm、この溝19の箇所に設けた貫通孔20a及び
20bを径2.6mm、長さ2mmの大きさとし、互いに中
心から8mm離して2ケ設け、この2ケの貫通孔20a及
び20bの間に巾3mmのスリットを溝19の巾方向に設
けている。
【0055】ワッシャ22a及び22bは、引出用端子
7a及び7bにはめ込んだ状態において、外径が5mm、
内径が2.3mm、厚さが1mmで、引出用端子に0.1mm
食込んでいる。
【0056】そして各試料に600VDC,7Aの直流
電源を接続して過電圧を印加し、引出用端子が切断し、
保安装置が動作しても、そのまま10時間印加する。測
定結果を表1に示した。なお、保安装置が作動すると
は、引出用端子が切断した状態を表わす。また、作動時
間とは過電圧を印加してから引出用端子が切断するまで
の時間を表わす。そして、切断距離とは、引出用端子が
切断した後の離隔した金属部材間の距離を表わす。さら
に、密閉状態は過電圧を10時間印加後の密閉性を測定
した。
【0057】以下余白
【表1】
【0058】表1から明らかな通り、過電圧を印加後、
保安装置は正常に作動する。そしてケースの口の折り曲
げ状態が緩んで外側用蓋の取付け状態が不十分になった
り、ケースに亀裂や貫通孔が生じたり、発煙したり、通
電を遮断できなかったりする等の異常は認められなかっ
た。また、切断距離も内側用蓋の厚さ以上あり、かつ、
空隙での絶縁耐圧が11KV/mm程度であることを考慮
すると、トラッキング等の恐れもない。さらに、密閉状
態も正常であり、密閉不良は発生しなかった。
【0059】
【発明の効果】以上の通り、請求孔1の発明によれば、
コンデンサ素子をケースに収納して外側用蓋により密閉
し、この外側用蓋とコンデンサ素子との間に内側用蓋を
配置するとともに、この内側用蓋と外側用蓋との間に機
械的な弱点部を有する引出用端子を設け、ケース内の圧
力が増加して内側用蓋と外側用蓋との間隔が長くなるこ
とにより引出用端子を切断する保安装置を設けたコンデ
ンサにおいて、引出用端子を棒状にし、外部用端子に溶
接またはリベット止めして接続するとともに、内側用蓋
と外側用蓋との間にケースの側面に第1の突起及び第1
の突起よりも高さが低く外側用蓋を支持する第2の突起
を設けているため、引出用端子と外部用端子との接続作
業が容易になり、自動化し易く、製造時間を短縮でき、
安価で、保安装置が作動した後の含浸液の漏出を防止で
き、保安機能を向上できる保安装置付コンデンサが得ら
れる。
【0060】また、請求項2の発明によれば、引出用端
子をその弱点部以外の箇所が2.5mm以上の径からなる
棒状としているため、製造が容易になり、製造時の不良
をを低減できる保安装置付コンデンサが得られる。
【0058】さらに、請求項3の発明は、第1の突起を
ケース側面に対して斜めに突出しているため、発煙や発
火等をより防止し易く、安全性のより優れた保安装置付
コンデンサが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の断面図を示す。
【図2】スペーサの斜視図を示す。
【図3】ワッシャの断面図を示す。
【図4】本発明の他の実施の形態に用いる外部用端子、
引出用端子、外側用蓋、スペーサ及び内側用蓋を一体化
した状態の半断面図及びスペーサの斜視図を示す。
【図5】本発明の他の実施の形態に用いる外部用端子、
引出用端子、外側用蓋、スペーサ及び内側用蓋を一体化
した状態の半断面図を示す。
【図6】本発明の他の実施の形態に用いる外部用端子、
引出用端子、外側用蓋、スペーサ及び内側用蓋を一体化
した状態の半断面図を示す。
【図7】本発明の他の実施の形態に用いる外部用端子、
引出用端子、外側用蓋、スペーサ及び内側用蓋を一体化
した状態の半断面図を示す。
【図8】本発明の他の実施の形態に用いる外部用端子、
引出用端子、外側用蓋、スペーサ及び内側用蓋を一体化
した状態の半断面図を示す。
【図9】本発明の他の実施の形態に用いるスペーサの斜
視図を示す。
【図10】外部用端子、一方の金属部材、外側用蓋及び
スペーサを一体化した状態の半断面図を示す。
【図11】内側用蓋に金属部材を取付けた状態の半断面
図を示す。
【図12】外部用端子、引出用端子、外側用蓋、スペー
サ及び内側用蓋を一体化した状態の半断面図を示す。
【図13】ケースに第3の突起を形成する状態の正面図
を示す。
【図14】第3の突起を形成したケースにコンデンサ素
子及び一体化された外側用蓋及び内側用蓋を収納した半
断面図を示す。
【図15】ケースに第1の突起とする前の突起を形成し
た状態の半断面図を示す。
【図16】ケースに第1の突起を形成した状態の半断面
図を示す。
【図17】ケースに第2の突起を形成した状態の半断面
図を示す。
【図18】保安装置が作動した後の本発明の実施の形態
の半断面図を示す。
【図19】従来の保安装置付コンデンサの半断面図を示
す。
【符号の説明】
1…コンデンサ素子、 3…ケース、 4…第1の突
起、 5…第2の突起、7a,7b,30,35,4
0,45,47…引出用端子、8a,8b,46…弱点
部,10…外側用蓋、 11…内側用蓋、15a,15
b…外部用端子、 16,31,36,41,50…ス
ペーサ、26…保安装置付コンデンサ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサ素子をケースに収納して外側
    用蓋により密閉し、この外側用蓋と前記コンデンサ素子
    との間に内側用蓋を配置し、この内側用蓋と前記外側用
    蓋との間に機械的な弱点部を有する引出用端子を設ける
    とともに、この引出用端子を前記外側用蓋の箇所で外部
    用端子に接続し、前記ケース内の圧力が増加して前記内
    側用蓋と前記外側用蓋との間隔が長くなることにより前
    記引出用端子を切断する保安装置付コンデンサにおい
    て、外部用端子に溶接又はリベット止めして接続する棒
    状の引出用端子と、内側用蓋と外側用蓋との間のケース
    の側面に設けた第1の突起及びこの第1の突起よりも高
    さが低く前記外側用蓋を支持する第2の突起とを有する
    ことを特徴とする保安装置付コンデンサ。
  2. 【請求項2】 弱点部以外の箇所が2.5mm以上の径か
    らなる引出用端子を有する請求項1記載の保安装置付コ
    ンデンサ。
  3. 【請求項3】第1の突起がケースの側面に対して斜めに
    突出している請求項1又は請求項2記載の保安装置付コ
    ンデンサ。
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