JPH1166600A - 受発光素子と光学ピックアップ装置 - Google Patents

受発光素子と光学ピックアップ装置

Info

Publication number
JPH1166600A
JPH1166600A JP9214594A JP21459497A JPH1166600A JP H1166600 A JPH1166600 A JP H1166600A JP 9214594 A JP9214594 A JP 9214594A JP 21459497 A JP21459497 A JP 21459497A JP H1166600 A JPH1166600 A JP H1166600A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light receiving
receiving element
birefringent plate
optical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP9214594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Yokota
英明 横田
Mitsuru Kinouchi
充 木ノ内
Naoki Hanajima
直樹 花島
Tooru Kineri
透 木練
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP9214594A priority Critical patent/JPH1166600A/ja
Publication of JPH1166600A publication Critical patent/JPH1166600A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Head (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プリズム使用の従来の集積化光学ピックアップ
装置に比較して安価に製造でき、かつ読み取り精度の高
い受発光素子と光学ピックアップ装置を提供する。 【解決手段】光ビーム源1と、複屈折板2と、受光素子
4と、これらを搭載する台6とを有する。台6には、光
ビーム源1からの光ビーム9に対して傾斜した複屈折板
搭載面6aを形成する。複屈折板2には、光ビーム源1
からの光ビーム9および記録媒体8からの反射ビームを
受ける光学面に偏光ビームスプリッタ膜3を形成する。
複屈折板2の光学面に平行をなす他方の面側に受光素子
4を固定する。複屈折板2の受光素子4を固定した面側
を台6の複屈折板搭載面6aに固定する。。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、受発光素子に係り、よ
り詳しくは、光学記録媒体の再生に好適な受発光素子お
よびその受発光素子を利用した光学記録媒体再生用の光
学ピックアップ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学記録媒体に記録された内容を再生す
るための光学ピックアップ装置として代表的なものは、
図3に示すように、複数の硝材部品を組み立てて構成さ
れる。図3において、半導体レーザダイオード50から
出射した光ビームは回折格子51によって3本の光ビー
ムに分離される。3本の光ビームのうちの2本の一次光
は光学記録媒体のトラッキング誤差信号を生成するため
の副ビームの形成に用いられる。残りの1本の0次光は
情報信号を読み取るための主ビームとなる。ビームスプ
リッタ52はこれらの光ビームを対物レンズ53の方向
に偏向し、光学記録媒体54の記録表面上にスポットを
形成する。光学記録媒体の記録信号により変調された光
ビームはここで反射されて対物レンズ53に入射し、今
度はビームスプリッタ52を透過し、このとき、焦点誤
差検出のために非点収差を付与され、受光素子56にお
いて情報再生信号、トラッキング誤差信号、焦点誤差信
号を生成する。トラッキング誤差信号は3ビーム法、焦
点誤差信号は非点収差法により検出される。
【0003】ウォラストンプリズム55は光磁気記録媒
体を再生するときにのみ必要な部品(すなわち変調光の
カー回転角度を検出するときのみに必要)、通過する光
をその偏波成分にしたがって2本以上に分離するもので
あり、位相変調型(ピット型)や振幅変調型(追記型、
相変化型)の光学記録媒体の再生には不要な部品であ
る。光磁気記録の再生信号はこれらの分離光のp偏光成
分のビーム角度とs偏光成分のビーム強度の差動をとる
ことにより得ることができる。受光素子56により出力
された誤差信号は、図3中に図示されていないサーボ回
路などで演算され、対物レンズ53の位置制御装置にフ
ィードバックされることにより、対物レンズ53の位置
修正に利用される。
【0004】近年、このような硝材部品を組み合わせて
なる光学ピックアップ装置に代わり、小型化のために集
積化ピックアップ装置と称するものが用いられるように
なってきている。以下この集積化ピックアップ装置を図
4により説明する。図4(A)は特公平7−28085
号公報、特許第2571037号公報、特許第2586
496号公報等に記載の集積化光学ピックアップ装置に
例をとったものである。
【0005】図4(A)において、半導体レーザダイオ
ードのチップ60は半導体基板61上に固定されてお
り、該チップ60より出射した光ビームは光学ガラスよ
りなるプリズム62の斜面で反射されて対物レンズ63
の方向に進行する。光学記録媒体64の表面で変調、反
射された光ビームは対物レンズ63を経てプリズム62
の斜面に至るが、今度はこれを透過し、半導体基板上に
形成された受光部65aまたは65bで電気信号に変換
される。受光部65aまたは65bにおけるトラッキン
グ誤差信号はプッシュプル法で検出され、焦点誤差信号
は非点収差法またはスポットサイズ法により検出され
る。
【0006】以上の説明は、位相変調型(記録面の各ビ
ットにおける凹部の有無により情報を記録した方式)あ
るいは振幅変調型(記録面の各ビットにおける反射率の
大小により情報を記録した方式)の光学記録媒体に適用
するものであるが、光磁気記録媒体再生用のものは、図
4(B)に示した特許第2586496号公報に記載の
もののように、プリズム62として2個のもの66、6
7を貼り合わせたものとして接着面68に偏光ビームス
プリッタを形成し、受光部65aまたは65bの出力の
和および受光部65cの出力の差動を検出することによ
り再生信号を得る。
【0007】図4(A)および図4(B)に記載の従来
の光学ピックアップ装置は、図3に記載の従来の光学ピ
ックアップ装置に比較して部品点数の削減といった観点
からは進歩が見られるものであり、同時に小型化が図れ
るものであるが、その改良の本質的な点は信頼性の向上
である。この信頼性の向上について次に説明する。
【0008】図5(A)は集積化光学ピックアップ装置
の技術思想を説明するための説明図であって、理解を容
易にするために光学ピックアップ装置を簡略化して描い
たものである。図5(A)に示すように、半導体レーザ
60は受光素子65と光学的に共役な位置にあり、換言
すると、ビームスプリッタ面62aに対して光学的に面
対称に位置している(すなわち鏡映位置にある)。この
ときの半導体レーザからビームスプリッタ62aまでの
距離、あるいは受光素子65とビームスプリッタ62a
までの距離をLとする。
【0009】図5(B)はこの光学ピックアップ装置が
例えば高温下で使用され、ビームスプリッタ62aを固
定する手段が劣化し、反射面が角度θだけ動いてビーム
スプリッタ62xのようになってしまったときの様子で
ある。この時は、半導体レーザ60と受光素子65はも
はやビームスプリッタ62xに対して面対称ではなく、
したがって光学的共役関係は破綻してしまっている。つ
まり半導体レーザ60から出射した光ビームは受光素子
65には到達せず、点70に戻ってくるということであ
る。この時、受光素子65と点70との間の距離dは、
d=2・L・tanθで与えられる。
【0010】これらのことから、同じ角度θだけビーム
スプリッタ62aが動いたとき、前記距離dの変化量は
前記距離Lが小さい程小さいことが分かる。すなわち、
光学系を小さく設計した方がより角度ずれに強い(すな
わち信頼性の高い)光学ピックアップ装置となる。
【0011】図3記載の光学ピックアップ装置の場合に
は前記距離Lは十数mm程度であるのに対し、図4
(A)、(B)に記載の集積化光学ピックアップ装置の
場合には、前記距離Lは十数μmないし数十μm程度で
あり、信頼性が大幅に向上することが理解される。
【0012】もちろん集積化ピックアップ装置の利点は
これにとどまらず、小型化を行うことにより光学部品を
単一の筐体に嵌合手段等で密閉封入でき、その結果、筐
体外部の温度、湿度等の影響を受けにくく、環境劣化し
にくいという利点もある。
【0013】図5(C)は図4(A)に示した集積化光
学ピックアップ装置に使用されているプリズムの製造工
程図である。このプリズムを製造する場合は、まず光学
ガラス80の両面を研磨し、その両面に反射率調節用の
光学薄膜を被着する(工程(a))。次にこの光学ガラ
スを一方向に短冊状に切断する(工程(b))。切断さ
れた短冊81を研磨加工して不要な部分82を摩滅さ
せ、斜面を設ける(工程(c))。この工程(c)は短
冊1本ごとに行わなければならない。次に工程(c)で
設けた斜面83にビームスプリッタ膜を被着させる(工
程(d))。そして短冊を小さなプリズムに切り出し、
プリズム84を得る(工程(e))。
【0014】このように、従来の集積化光学ピックアッ
プ装置においては、プリズムを製造するために、成膜工
程を表裏面および斜面の合計3回、研磨工程を2回行
う。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の集積化光学ピッ
クアップ装置は、硝材部品を組み合わせたものに比較
し、部品点数の低減、小型化、信頼性の向上という利点
を有するものの、以下の問題点がある。 1.集積化光学ピックアップ装置は、プリズム62、す
なわち非平行な光学面を有する光学素子を用いなければ
ならないが、このプリズム62は高価である。この光学
部品は寸法が小さいために切断、研磨装置に高精度なも
のを用いなければならない。また、このプリズム62は
3面の光学面を有しており、バッチ処理等で一度に多数
個を製造することは不可能であって、1個を製造する時
間が長くなるばかりでなく、製造歩留りも低かった。従
って、集積化光学ピックアップ装置は、従来の硝材部品
を組み立てるタイプの光学ピックアップ装置より値段の
高いものとなった。 2.光磁気記録媒体を再生する場合は、図4(B)のよ
うなプリズム62を用いる必要があるが、これは2個の
微小なプリズム66、67を接合したものであり、さら
に製造が困難なものとなる。 3.プリズム62の斜面のような微小な斜面を研磨する
と、その平面精度は大きな面を研磨するときよりも悪化
する。従って、光学記録媒体の情報信号を再生するため
の光ビームに波面収差が発生し、読み取り精度が劣るも
のとなる。
【0016】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点に鑑み、前記集積化光学ピックアップ装置と同様の部
品点数の低減、小型化、信頼性の向上が図れるのみなら
ず、プリズムに比較して安価に製造でき、かつ読み取り
精度の高い受発光素子と光学ピックアップ装置を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の受発光素子は、光ビーム源と、複屈折板
と、受光素子と、これらを搭載する台とを有し、前記台
には、前記光ビーム源からの光ビームに対して傾斜した
複屈折板搭載面が形成され、前記複屈折板は、前記光ビ
ーム源からの光ビームおよび記録媒体からの反射ビーム
を受ける光学面に偏光ビームスプリッタ膜が形成され、
前記複屈折板の光学面に平行をなす他方の面側に前記受
光素子が固定されており、かつ複屈折板の受光素子を固
定した面側が前記台の複屈折板搭載面に固定されてな
り、前記光ビーム源より発生した光ビームが前記偏光ビ
ームスプリッタ膜で反射された後、受発光素子外へ出射
し、該光ビームが受発光素子外の物体により反射されて
来た光ビームが前記偏光ビームスプリッタ膜を透過して
前記受光素子の受光面上に少なくとも2つのスポットを
形成するように機能することを特徴とする(請求項
1)。
【0018】また、本発明の受発光素子は、前記受光素
子からの出力を用いて前記受発光素子外の物体の距離と
位置とを検出する手段を有することを特徴とする(請求
項2)。
【0019】また、本発明の光学ピックアップ装置は、
前記請求項1または2の受発光素子を利用してなること
を特徴とする(請求項3)。
【0020】
【作用】本発明による受発光素子および光学ピックアッ
プ装置において、光ビーム源より出射した光ビームは、
光軸上に斜めに設置された光学異方性結晶の板材である
複屈折板の表面に被着された偏光ビームスプリッタ膜に
より反射され、対物レンズ等の補助手段と通して光学記
録媒体等の被検物体に照射される。
【0021】被検物体より反射された光ビームは、複屈
折板の表面の偏光ビームスプリッタ膜を透過し、複屈折
板の作用で複数の光ビームに分離する。これらの複数の
光ビームを、受光素子上に複数設けられた受光部により
光電変換することで、光学記録媒体の距離と位置を検出
する。
【0022】
【発明の実施の形態】図1(A)は本発明による受発光
素子の一実施例を示す構成図である。1は光ビーム源で
ある半導体レーザ、2は複屈折板、3は該複屈折板の表
面に被着された偏光ビームスプリッタ膜、4は複屈折板
2の裏面に固着された受光素子(シリコン基板)であ
り、5a、5bは該受光素子4上の複屈折板2の裏面側
に当接するように形成された受光部であり、PINホト
ダイオードによりなる。6はこれらの部品1〜5を搭載
した台である。7は対物レンズ、8は被検物体である光
学記録媒体である。
【0023】前記台6としては製造および価格の面で鋳
造等により製造される鉄、銅等を用いることが好ましい
が、他の材料を用いることができる。半導体レーザ1の
搭載面は平面精度を得る上で研磨等を行い、低融点金属
を用いたロウ付け等により半導体レーザ1を固定する。
半導体レーザ1の設置は、光ビーム9の偏波面が紙面と
垂直となるように行う。
【0024】複屈折板2は、台6に形成された傾斜面6
aに受光素子4を介して接着剤(必要に応じて導電性接
着剤を用いる)により固定される。そして、半導体レー
ザ1より出射した光ビーム9の光軸に対し、複屈折板2
の互いに平行をなす表裏面は斜めに設置される。
【0025】複屈折板2として、実施例においては、方
解石(CaCO3)を用いた。方解石は、光学異方性結
晶体の中では非常に複屈折が大きく(常光線の屈折率n
o=1.658、異常光線の屈折率ne=1.48
6)、本発明の受発光素子に利用するには好適である。
このほか、ルチル(TiO2)、ニオブ酸リチウム(L
iNbO3)、バナジウム酸イットリウム(YVO4)等
が好適な材料であるが、複屈折を有する光学異方性結晶
体であれば、他の結晶体であっても本発明の効果を得る
ことができる。
【0026】なお、偏光ビームスプリッタ膜3はs波
(紙面と垂直な偏波成分)の反射率を50%、p波(紙
面と平行な偏波成分)の反射率を5%とした。この理由
は後述する。
【0027】偏光ビームスプリッタ膜3は誘電体膜(例
えばSiO2やTiO2等)を2層ないし数層蒸着等によ
り複屈折板2の表面に積層して形成したものからなる。
【0028】次にこの受発光素子の作用を、光学記録媒
体8が光磁気記録媒体である場合について説明する。半
導体レーザ1により出射した光ビーム9は偏光ビームス
プリッタ膜3において一部対物レンズ7の方向に反射さ
れ、一部透過する。対物レンズ7に入射した光ビームは
光磁気記録媒体8の記録面上で回折限界相当のビーム径
のスポットを形成する。光磁気記録媒体8は記録膜とし
て磁気カー効果を有する薄膜が被着されており、膜の磁
化の方向が情報信号によって変調される。従って光磁気
記録媒体8で反射された光ビームの偏波方向は往路と異
なり、紙面に平行な成分(p波)を含むものとなる。
【0029】光磁気記録媒体8で反射し、対物レンズ7
を通過した光ビームは、再び偏光ビームスプリッタ膜3
に到達する。ここで、本実施例においては、偏光ビーム
スプリッタ膜3における紙面に垂直なs波の反射率は5
0%に設定され、紙面に平行なp波の反射率は5%に設
定されているから、紙面に垂直な偏波成分は50%が反
射され、一方、平行な偏波成分はほとんど反射されな
い。すなわち光磁気記録媒体8で磁気カー効果により生
じた紙面に平行な偏波成分が透過率が高いということで
あって、結果として透過光のカー回転角は強調されるこ
とになる。
【0030】本実施例においては、s波の反射率を50
%、p波の反射率を5%としたが、これは結果として得
られる情報再生信号の信号雑音比率が最もよくなる条件
であって、光磁気記録媒体8の設計いかんによるものな
ので、適応する光学記録媒体の種類によって最適な組み
合わせを選定することが望ましい。通常であれば、s波
の反射率が25%ないし85%、p波の反射率0%ない
し20%の範囲が望ましく、さらにはs波が50%ない
し65%、p波が3%ないし6%の範囲が望ましい。
【0031】偏光ビームスプリッタ膜3を透過した光は
複屈折板2により2本の光ビームに分離される。複屈折
板2はカー回転角が0度(すなわち位相変調型、振幅変
調型の記録媒体のとき)に2本の光ビームの強度が等し
くなるように光学軸の方向を選ぶ。このようにすること
で、2本の光ビームは、受光素子4上に形成された受光
部5a、5bに等しい強度でスポットを形成する。カー
回転角度を検出する光磁気記録媒体の場合は、受光部5
aと受光部5bの光強度を差動演算することにより情報
信号を再生することができる。位相変調型、振幅変調型
の場合は、単純に受光部5aと受光部5bの光強度の和
をとることで情報信号を再生することができる。
【0032】PINホトダイオードでなる受光部5a、
5bは、光が照射されたときに電流源として作用する
が、ここから得られた電流信号は、受光素子4上に形成
された電流電圧変換回路で電圧信号に変換された後、素
子外から取り出される。
【0033】図1(B)は受光素子4の形状、作用を説
明するための図である。図1(B)において、受光部5
a、5bは矩形の受光部をそれぞれ十文字の形状に4分
割したもので、合計8個の受光部からなる。焦点誤差信
号は、受光部5aの各分割出力信号A〜Dを利用し、複
屈折板2で生じた非点収差を利用して、 焦点誤差信号=(A+C)−(B+D) を差動検出することにより得られる。図1(B)のa、
b、cは、それぞれ光学記録媒体8の記録面が焦点より
遠い場合、近い場合、および焦点に等しい(合焦)の場
合をそれぞれ示しており、合焦の場合、焦点誤差信号は
ゼロとなり、他の場合はそれぞれ正、負となる。
【0034】トラッキング誤差信号は、受光部5bの各
領域の出力信号E〜Hを利用して、 トラッキング誤差信号=(E+G)−(F+H) を差動検出することにより得られる。
【0035】また、情報再生信号は光磁気記録媒体の場
合は、受光部5aと受光部5bの各出力の差動をとるこ
とにより、 情報再生信号=(A+B+C+D)−(E+F+G+
H) で得られる。
【0036】光磁気記録媒体以外の他の光学記録媒体の
場合は、 情報再生信号=A+B+C+D+E+F+G+H により得られる。本実施例の受光部5a、5bの各分割
形状は、受光部5aと5bで対称であるため、差動検出
を行う光磁気記録媒体の再生に特に好適な分割形状であ
る。
【0037】このように、本実施例の分割形状は、受光
部の出力信号の演算方法を変えるだけで光磁気記録媒体
にも他の光学記録媒体にも適用できる。
【0038】図1(C)は本発明における受光部5a、
5bの他の分割例を示す図であり、分割形状以外は図1
(B)の実施例と同様のものとしている。図1(C)の
実施例においては、受光部5aを十文字の分割形状と
し、受光部6bは平行線による3分割形状としている。
この実施例においては、焦点誤差信号は受光部5bでス
ポットサイズ法を利用して 焦点誤差信号=(I+J)−K を差動検出することにより得られる。
【0039】トラッキング誤差信号は、プッシュプル法
を利用して、 トラッキング誤差信号=(A+D)−(B+C) を差動検出することにより得られる。
【0040】また、情報再生信号は、光磁気記録媒体の
場合は、受光部5aと受光部5bの差動をとることによ
り、 情報再生信号=(A+B+C+D)−(I+J+K) により得られる。
【0041】光磁気記録媒体以外の他の光磁気記録媒体
の場合には、 情報再生信号=A+B+C+D+I+J+K により得られる。この実施例は、複屈折板2の厚みを十
分に取れないとき、非点収差量が小さくなるために非点
収差法の適用が困難な場合に好適な分割形状である。こ
の図1(C)の分割形状の場合にも、演算方法を変える
だけで光磁気記録媒体にも他の光学記録媒体にも適用で
きる。
【0042】また、近年、特に大容量の光学記録媒体の
再生において、高精度なトラッキング誤差信号が必要な
場合、位相差法が用いられるようになってきたが、これ
もこれも図1(B)、(C)の分割形状のいずれの場合
でも適用が可能な誤差検出方法(プッシュプル法も位相
差法も、演算アルゴリズムが異なるだけで受光部の分割
形状は同じである)なので、光学記録媒体(光ディス
ク)の偏心による信号劣化が大きい場合に好適な方法で
ある。
【0043】図2(A)、(B)は上記の受発光素子の
実装構造例を示す図であり、図2(A)の実施例におい
ては、リード線11を固定した底板10上に前記台6上
の半導体1、複屈折板2、受光素子4を固定してなる受
発光素子12を樹脂接着剤で固定し、その上に窓13を
有するキャップ14を被せて内部に窒素を封入してい
る。偏光ビームスプリッタ膜3による反射光は窓13よ
り外部に出射する。リード線11は筐体底板10と絶縁
されており、金の線材15によって受発光素子12と接
続されている。
【0044】図2(B)はセラミック製パッケージ16
に受発光素子12を封入したものである。このようなセ
ラミックパッケージ16は図2(A)の缶構造の筐体よ
りも容易に小型化でき、端子17が筐体外部に露出して
いるので、プリント配線基板への表面実装が可能とな
る。
【0045】図2(C)は本発明に係る受発光素子に使
用する複屈折板2の製造方法を説明する図である。図2
(C)に示すように、まず光学異方性結晶体からなる板
材20の両面を研磨し、表面に偏光ビームスプリッタ膜
3、裏面に反射防止膜を設ける。次にワイヤーソー等を
用いて板材20を縦横の切断線21、22に沿って切断
する。
【0046】このような製造方法により、複屈折板2
は、成膜を板材20の表裏面それぞれ1回ずつ合計2
回、板材20の表裏面の同時研磨を1回、切断を1回で
製造できる。また、複屈折板は、大きな板材に研磨加工
し、その後に小さな寸法に切り出すため、研磨装置とし
て小型チップ用の特殊な研磨装置ではなく、通常のもの
を用いることができる。また、この複屈折板2は2面の
光学面しか有していないため、バッチ処理で一度に多数
個を製造することが可能であって、1個を製造するのに
要する時間が短くなるばかりでなく、製造歩留りも高く
なる。従って、本発明に係る光学ピックアップ装置は従
来の硝材部品の組み合わせによるもの、あるいは集積化
したもののいずれのものよりも廉価に提供可能となる。
【0047】また、前述のように、複屈折板を用い、表
面に偏光ビームスプリッタ膜3を設けたので、光磁気記
録媒体を再生する場合であっても、従来のように2個の
プリズムの接合面にビームスプリッタを形成する必要が
なく、演算方法を変えるだけですべての光学記録媒体に
適用できる。
【0048】図1(D)は従来の集積化光学ピックアッ
プ装置に使用したプリズム62と、本発明に係る光学ピ
ックアップ装置に使用した複屈折板2の反射面に関し
て、波面収差量をフィゾー型干渉計で測定した結果であ
る。24はプリズム62の等高線26を、あるデフォー
カス条件下で示したものであり、25は複屈折板2の反
射面の波面収差を同様に測定したものである。
【0049】従来のプリズム62の場合、プリズムのエ
ッジ付近に相当する部分24aで面の波面収差量が大と
なることが分かる。この場合の波面収差量は0.025
λRMSであった。一方、本発明に用いる複屈折板2の
場合、波面の歪みがほとんど見られず、波面収差量は
0.005λRMSであり、許容される最大波面収差量
0.05λRMSよりはるかに小さな値である。このよ
うに、従来のプリズム62と本発明に係る複屈折板2と
で波面収差量に大差が現れるのは、従来のプリズム62
の場合、短冊状のガラスを精度良く研磨することが難し
いことによる。
【0050】このように、本発明によれば、板材20の
状態の大きな面を研磨することにより、平滑面を形成で
きるので、従来のような短冊状の小さなチップに斜面を
設ける場合に比較して、平面精度が良好となる。従っ
て、光学記録媒体の情報信号を再生するための光ビーム
の波面収差が減少し、読み取り精度が向上する。
【0051】本発明において、複屈折板2として2枚以
上の複屈折板を貼り合わせてなるサバール板を用いて受
光素子4に3以上の受光部に分離されたスポットを形成
しそれぞれ検出するようにしても良い。また、本発明の
受発光素子は、例えば平面上の傷の検出等、物体の凹凸
の検出等にも用いることができる。
【0052】
【発明の効果】本発明による受発光素子および光学ピッ
クアップ装置によれば、光ビーム源と、偏光ビームスプ
リッタ膜を表面に形成し裏面に受光素子を設けた複屈折
板とを台上に搭載し、複屈折板および受光素子は、光ビ
ーム源からの光ビームの光軸に対して傾斜した面に固定
したので、従来の集積化光学ピックアップ装置のように
斜面を有するプリズムを用いる必要がない。
【0053】このため、微小な材料から斜面を切り出す
作業が不要となり、バッチ処理により比較的大きな板材
の研磨により同時に多数個分の光学面を形成でき、製造
歩留りが向上し、複屈折板を廉価に製造でき、その結
果、小型化された光学ピックアップ装置を廉価に提供す
ることが可能となる。
【0054】また、大きな面を研磨することにより光学
面を形成するので、平面精度が向上し、光学記録媒体の
情報信号を再生するための光ビームに対する波面収差が
減少し、読み取り精度を向上させることができる。
【0055】また、複屈折板の表面に偏光ビームスプリ
ッタ膜を設けたことにより、2個の微小なプリズムを接
合したものを用いることなく、演算方法を変えるだけで
すべての光学ピックアップ装置に適用することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明による受発光素子の一実施例を
示す構成図、(B)、(C)は受光素子の分割形状を説
明する図、(C)は従来のプリズムと本発明に用いる複
屈折板の反射面に関して波面収差量をフィゾー型干渉計
で測定した結果を示す図である。
【図2】(A)、(B)は本実施例の受発光素子の封入
構造を示す図、(C)は本実施例の受発光素子の製造工
程図である。
【図3】従来の硝材部品組み合わせ式光学ピックアップ
装置の構成図である。
【図4】(A)、(B)はそれぞれ従来の集積化光学ピ
ックアップ装置を示す構成図である。
【図5】(A)、(B)は従来の光学ピックアップ装置
の問題点を説明する説明図、(C)は従来の集積化光学
ピックアップ装置に使用するプリズムの製造工程図であ
る。
【符号の説明】
1:半導体レーザ(光ビーム源)、2:複屈折板、3:
偏光ビームスプリッタ膜、4:受光素子、5a、5b:
受光部、6:台、6a:搭載面、7:対物レンズ、8:
光学記録媒体、9:光ビーム、10:底板、11:リー
ド線、12:受発光素子、13:窓、15:線材、1
6:パッケージ、17:端子、20:光学異方性結晶体
からなる板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木練 透 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ −ディ−ケイ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビーム源と、複屈折板と、受光素子と、
    これらを搭載する台とを有し、 前記台には、前記光ビーム源からの光ビームに対して傾
    斜した複屈折板搭載面が形成され、 前記複屈折板は、前記光ビーム源からの光ビームおよび
    記録媒体からの反射ビームを受ける光学面に偏光ビーム
    スプリッタ膜が形成され、 前記複屈折板の光学面に平行をなす他方の面側に前記受
    光素子が固定されており、かつ複屈折板の受光素子を固
    定した面側が前記台の複屈折板搭載面に固定されてな
    り、 前記光ビーム源より発生した光ビームが前記偏光ビーム
    スプリッタ膜で反射された後、受発光素子外へ出射し、
    該光ビームが受発光素子外の物体により反射されて来た
    光ビームが前記偏光ビームスプリッタ膜を透過して前記
    受光素子の受光面上に少なくとも2つのスポットを形成
    するように機能することを特徴とする受発光素子。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記受光素子からの出力を用いて前記受発光素子外の物
    体の距離と位置とを検出する手段を有することを特徴と
    する受発光素子。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の受発光素子を利用
    してなることを特徴とする光学ピックアップ装置。
JP9214594A 1997-08-08 1997-08-08 受発光素子と光学ピックアップ装置 Withdrawn JPH1166600A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9214594A JPH1166600A (ja) 1997-08-08 1997-08-08 受発光素子と光学ピックアップ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9214594A JPH1166600A (ja) 1997-08-08 1997-08-08 受発光素子と光学ピックアップ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1166600A true JPH1166600A (ja) 1999-03-09

Family

ID=16658311

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9214594A Withdrawn JPH1166600A (ja) 1997-08-08 1997-08-08 受発光素子と光学ピックアップ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1166600A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110141479A1 (en) * 2009-12-14 2011-06-16 Canon Kabushiki Kaisha Interferometer

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110141479A1 (en) * 2009-12-14 2011-06-16 Canon Kabushiki Kaisha Interferometer
US9372066B2 (en) * 2009-12-14 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Interferometer

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100477275B1 (ko) 광학픽업장치및디스크플레이어장치
US5541906A (en) Optical head for magneto-optical record medium
JP3083834B2 (ja) 光学ピックアップ装置
JP2001056952A (ja) 光ヘッド装置およびその製造方法
JPS6316449A (ja) 光磁気デイスク装置
JPH1166600A (ja) 受発光素子と光学ピックアップ装置
JPH10340471A (ja) 光ピックアップ
JP2001143297A (ja) 3レーザモジュールおよびそれを用いた光ヘッドまたは光学的情報媒体記録再生装置
JP2869318B2 (ja) 光ピックアップ装置
JP2856980B2 (ja) 光ヘッド
JP3355607B2 (ja) 光磁気記録用偏光光学系
JP4123217B2 (ja) 光学ピックアップ装置、光ディスク装置及びフォーカスエラー信号検出方法
JP3740777B2 (ja) 受発光素子、光学ピックアップ装置及び光ディスク装置
JP3477214B2 (ja) 光磁気用光学ユニット
JP2001110082A (ja) 光学ピックアップ及び光ディスク装置
JPH11242828A (ja) 光学装置および光学ピックアップ装置
JP2878510B2 (ja) 光ヘッド
JP2002074697A (ja) 光ピックアップ装置とその光学的調整方法ならびに製造方法。
JPH05198030A (ja) 光磁気記録用レーザカプラ
JPH07244879A (ja) 光ヘッド
JPH07272337A (ja) 光ヘッド
JPH07272310A (ja) 光集積回路及び光ピックアップ
JPH09297935A (ja) 光ピックアップ装置
JPH10124922A (ja) 光学ピックアップ装置及びディスクプレーヤ装置
JPH0822647A (ja) 光磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20041102