JPH116659A - 振動型圧縮機 - Google Patents

振動型圧縮機

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Publication number
JPH116659A
JPH116659A JP15699397A JP15699397A JPH116659A JP H116659 A JPH116659 A JP H116659A JP 15699397 A JP15699397 A JP 15699397A JP 15699397 A JP15699397 A JP 15699397A JP H116659 A JPH116659 A JP H116659A
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JP
Japan
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movable
neutral position
magnet
movable part
drive
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Application number
JP15699397A
Other languages
English (en)
Inventor
Chikahide Fujiyama
周秀 藤山
Ryuzo Sotojima
隆造 外島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH116659A publication Critical patent/JPH116659A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

Landscapes

  • Reciprocating, Oscillating Or Vibrating Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダ3内のピストン7をリニアモータ1
5に連結し、リニアモータ15の駆動コイル18への交
流の供給によりピストン7を圧縮空間8でガスが周期的
に圧縮されるように往復駆動する振動型圧縮機に対し、
ピストン7やリニアモータ15のボビン17からなる可
動部20がコイルばねによってハウジング1に支持され
ていない構造でも、可動部20の往復動中立位置を基準
位置に常に安定して保持し、中立位置の基準位置からの
ずれに伴う可動部20の衝突を防いで圧縮機Aの圧縮性
能や信頼性を向上する。 【解決手段】 リニアモータ15のボビン17に駆動コ
イル18と並んで補助コイル28,28を巻き付け、こ
の補助コイル28,28に直流電源30,31から電流
を供給して磁力を発生させ、この補助コイル28,28
の発生磁力をリニアモータ15の駆動磁石16による磁
力と作用させて可動部20を往復動中立位置の基準位置
に付勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスプレーサの
往復動により極低温レベルの寒冷を発生させる膨張機を
有するスターリング冷凍機等において、膨張機に供給す
るガスを可動部の往復動によって圧縮する振動型圧縮機
に関し、特に、その可動部の往復動の中立位置を基準位
置に保つための技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、このフリーディスプレーサ型
スターリング冷凍機は、極低温レベルの寒冷を発生させ
る小型冷凍機の一種として知られている。この冷凍機
は、ガスを圧縮する振動型圧縮機と、該圧縮機から吐出
されたガスを膨張させる膨張機とを組み合わせたもので
ある。
【0003】上記振動型圧縮機として、例えば特開平6
―174321号公報に示されるように対向ピストン式
(ダブルピストン式)のものが知られている。この対向
ピストン式の圧縮機は、図7に示すように、密閉状のハ
ウジング(101)と、該ハウジング(101)内に配
置されたシリンダ(103)と、該シリンダ(103)
内に往復動可能に嵌装され、シリンダ(103)の長さ
方向中央部内に圧縮空間(108)を区画する1対のピ
ストン(107),(107)と、該各ピストン(10
7)を往復駆動する駆動源としてのリニアモータ(11
5),(115)とを備え、上記圧縮空間(108)は
ガス通路(109)及び連結管(図示せず)を介して膨
張機に接続されている。上記各リニアモータ(115)
はシリンダ(103)周りに配置された環状の永久磁石
からなる駆動磁石(116)を有し、この磁石(11
6)により、シリンダ(103)の中心と同心の円筒状
の空間に磁界を発生させる。この空間には中心部にて上
記ピストン(107)に一体的に固定されたボビン(1
17)が配設され、該ボビン(117)の外周には電磁
コイルからなる駆動コイル(118)が巻き付けられて
いる。また、上記各ピストン(107)の背面側と、シ
リンダ(103)の開口端に対向するハウジング(10
1)内壁面との間には、それぞれピストン(107)を
往復動可能に弾性支持するためのコイルばね(125)
が架設されており、リニアモータ(115)の駆動コイ
ル(118)に所定周波数の交流を供給することで、そ
の駆動コイル(118)に流れる電流と磁石(116)
による空間内を通る磁界との間で作用する電磁力により
ボビン(117)及びそれと一体のピストン(107)
を駆動して両ピストン(107),(107)をシリン
ダ(103)内で互いに接離するように往復移動させ、
このことにより圧縮空間(108)で所定周期のガス圧
を発生させるようになされている。
【0004】また、この他、図8に示す如く(図7と同
じ部分については同じ符号を付して説明する)、ハウジ
ング(101)内に1つのシリンダ(103)、ピスト
ン(107)及びリニアモータ(115)を収容したシ
ングルピストン式の圧縮機も知られており、その圧縮空
間(108)はハウジング(101)、シリンダ(10
3)及びピストン(107)に囲まれた部分に区画さ
れ、ピストン(107)はその背面にてコイルばね(1
25)によりハウジング(101)に往復動可能に弾性
支持される。
【0005】一方、図示しないが、膨張機は円筒状シリ
ンダを有し、このシリンダ内にはシリンダ内を膨張空間
と作動空間とに区画するフリーディスプレーサが往復動
可能に嵌装されている。このディスプレーサは、内部に
蓄冷器(再生式熱交換器)を充填したもので、該蓄冷器
は膨張空間及び作動空間にそれぞれ連通されている。上
記作動空間内には、ディスプレーサを往復動可能に弾性
支持するコイルばねが配設されている。さらに、作動空
間は上記連結管を介して上記圧縮機の圧縮空間(10
8)に接続されており、圧縮機からのガス圧によりディ
スプレーサを往復動させてガスを膨張空間で膨張させる
ことにより、シリンダ先端のコールドヘッドに寒冷を発
生させるようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な振動型圧縮機においては、ピストン(107)はボビ
ン(117)(詳しくは駆動コイル(118)等も含
む)と一体化されて可動部をなし、この可動部がコイル
ばね(125)によって中立位置を基準に往復動するよ
うに懸架されており、上記コイルばね(125)は、通
常、上記可動部の往復動を効率的に行う目的で共振ばね
として用いられる。すなわち、コイルばね(125)の
ばね定数を(Kp)、圧縮空間(108)内のガスによ
るガスばね定数を(Kg)、可動部の質量を(Mp)と
すると、共振周波数(f)は、 f=(1/2π)・{(Kp+Kg)/Mp}1/2 で決定され、この共振周波数が電源周波数に一致するよ
うに各パラメータ(Kp),(Kg),(Mp)が決定
される。
【0007】そして、圧縮空間(108)内のガスによ
るガスばねをコイルばね(125)よりも支配的とする
ことで、そのコイルばね(125)を共振ばねとして用
いない場合、そのばね力を低くしたり、コイルばね(1
25)自体をなくしたりすることが考えられるが、そう
すると、可動部のハウジング(101)に対する保持が
不十分となって、可動部は往復動時は勿論のこと、静止
時であっても往復動中立位置を所定の基準位置に確保で
きなくなり、この可動部の中立位置の基準位置からのず
れに起因して、圧縮機の圧縮性能が低下したり、可動部
がハウジング(101)に衝突したりする等の問題が生
じる。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記のような振動型圧縮機における
可動部の支持構造を改良することで、可動部の支持力が
低く、或いはその支持自体がなくても、その可動部の往
復動中立位置を所定の基準位置に常に安定して保持でき
るようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成のた
め、この発明では、可動部を磁力又は電磁力によって中
立位置に付勢して保持するようにした。
【0010】具体的には、請求項1の発明では、図1、
図3〜図6に示すように、シリンダ(3)と該シリンダ
(3)内に圧縮空間(8)を区画するように嵌装された
ピストン(7)とを備え、シリンダ(3)又はピストン
(7)の一方が固定部とされている一方、他方は、リニ
アモータ(15)の駆動部(17)に連結されていて該
駆動部(17)とで上記固定部に対し相対移動可能な可
動部(20)を構成しており、上記リニアモータ(1
5)により可動部(20)を固定部に対し往復動させて
上記圧縮空間(8)でガスを周期的に圧縮するようにし
た振動型圧縮機が対象である。この圧縮機に対し、上記
可動部(20)をその固定部に対する往復動中立位置が
所定の基準位置に保持されるように磁力又は電磁力によ
って付勢する中立位置付勢手段(27)を設ける。
【0011】この構成により、リニアモータ(15)に
所定周波数の交流が供給されると、可動部(20)が固
定部に対し所定の周期で往復動し、シリンダ(3)内の
圧縮空間(8)でガスが周期的に圧縮される。
【0012】そのとき、中立位置付勢手段(27)によ
り、可動部(20)は常に往復動の中立位置が基準位置
になるように磁力又は電磁力によって付勢される。この
ため、可動部(20)を固定部側に支持する弾性部材の
支持力が低く、或いはその弾性部材自体がなくても、そ
のことに起因して可動部(20)の往復動中立位置が基
準位置からずれるのを抑制でき、可動部(20)の往復
動中立位置を安定して確保することができる。
【0013】請求項2の発明では、図1及び図3に示す
ように、上記リニアモータ(15)は、固定部側に設け
られた駆動磁石(16)と、可動部(20)側に設けら
れ、給電による電流を上記駆動磁石(16)による磁力
と作用させて可動部(20)を往復駆動する駆動コイル
(18)とを備えたものとする。そして、上記中立位置
付勢手段(27)は、可動部(20)側に設けられた補
助コイル(28)と、この補助コイル(28)に対し、
その電流が上記駆動磁石(16)による磁力と作用して
可動部(20)が往復動中立位置の基準位置に駆動され
るように電流を供給する電源手段(30),(31)と
を備えている構成とする。
【0014】このことで、中立位置付勢手段(27)の
補助コイル(28)に電源手段(30),(31)から
電流が供給されると、この補助コイル(28)に流れる
電流がリニアモータの駆動磁石(16)による磁力と作
用し、この電磁力の作用により可動部(20)が往復動
中立位置の基準位置に駆動される。従って、既存のリニ
アモータ(15)の駆動磁石(16)を利用しつつ、可
動部(20)を中立位置の基準位置に付勢して保持する
ことができる。
【0015】請求項3の発明では、図1及び図3に示す
ように、上記補助コイル(28)は駆動コイル(18)
の側部に並設する。また、請求項4の発明では、図4に
示す如く、補助コイル(28)は駆動コイル(18)に
重なった状態で配設する。これらの発明によると、補助
コイル(28)の配置構造を具体化することができる。
【0016】請求項5の発明では、図1に示すように、
可動部(20)を1対設けて、これら両可動部(2
0),(20)同士を弾性部材(25)によって往復動
可能に連結する。そして、補助コイル(28)は、各可
動部(20)にそれぞれ1つずつ設ける。
【0017】こうすれば、1対の可動部(20),(2
0)が互いに弾性部材(25)により連結されているの
みで固定部側に支持されていない構造であっても、補助
コイル(28)の電流と各リニアモータ(15)の駆動
磁石(16)の磁力との作用により各可動部(20)を
その中立位置の基準位置に保持することができる。しか
も、両可動部(20),(20)及びそれらを連結する
弾性部材(25)の全体を1つの可動部と見做すこと
で、各可動部(20)にそれぞれ補助コイル(28)を
1つ設けるのみでよく、各可動部(20)の往復動方向
の両側にそれぞれ補助コイルを配設する場合に比べ、補
助コイル(28)の必要数を半減することができる。
【0018】請求項6の発明では、図1に示すように、
上記可動部(20)の往復動中立位置が往復動中立位置
からずれたことを検出するずれ検出手段(32),(3
3)を設け、電源手段(30),(31)は、このずれ
検出手段(32),(33)が可動部(20)の往復動
中立位置の基準位置からのずれを検出したときのみに補
助コイル(28)に電流を供給するように構成する。こ
うすると、ずれ検出手段(32),(33)が実際に可
動部(20)の中立位置のずれを検出したときのみに限
定して電源手段(30),(31)から補助コイル(2
8)に電流が供給されるので、補助コイル(28)に常
時給電する場合に比べ、電力の消費量を低減することが
できる。
【0019】請求項7の発明では、図5に示す如く、中
立位置付勢手段(27)は、固定部側に設けられた固定
側磁石(43)と、可動部(20)側に設けられ、磁力
を上記固定側磁石(43)による磁力と作用させて可動
部(20)を往復動中立位置の基準位置に付勢する可動
側磁石(44)とを備えているものとする。このこと
で、両磁石(43),(44)間の磁力の作用により可
動部(20)が中立位置の基準位置に付勢され、中立位
置付勢手段(27)の構造を具体化することができる。
【0020】請求項8の発明では、図6に示すように、
リニアモータ(15)は、固定部側に設けられた駆動磁
石(16)と、可動部(20)側に設けられ、給電によ
る電流を上記駆動磁石(16)による磁力と作用させて
可動部(20)を往復駆動する駆動コイル(18)とを
備えたものとする。また、中立位置付勢手段(27)
は、可動部(20)側に設けられかつ磁力を上記駆動磁
石(16)による磁力と作用させて可動部(20)を往
復動中立位置の基準位置に付勢する可動側磁石(44)
を備えているものとする。
【0021】このことで、可動側磁石(44)による磁
力がリニアモータ(15)の駆動磁石(16)による磁
力と作用し、この双方の磁力間の作用により可動部(2
0)が往復動中立位置の基準位置に駆動される。従っ
て、上記請求項2の発明と同様に、リニアモータ(1
5)の駆動磁石(16)を利用しながら、可動部(2
0)を中立位置の基準位置に付勢保持することができ
る。
【0022】請求項9の発明によると、図1及び図2に
示すように、可動部(20)が固定部に対し軸心回りに
回動するのを規制する回り止め手段(36)を設ける。
この構成により、可動部(20)を固定部側に支持する
弾性部材の支持力が低く、或いはその弾性部材がなくて
も、そのことに起因して可動部(20)が回動するのを
回り止め手段(36)により規制することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は本発明の実施形態1に係るスター
リング冷凍機用の振動型圧縮機(A)を示し、この圧縮
機(A)は図示しない従来公知のフリーディスプレーサ
型膨張機と組み合わされて冷凍機を構成する。
【0024】上記圧縮機(A)は水平左右方向に延びる
密閉円筒状のハウジング(1)を有する。このハウジン
グ(1)は、左右方向の中心線を有する円筒壁部(1
a)と、この円筒壁部(1a)の両端開口部を気密状に
閉塞する円板壁部(1b),(1b)とからなる。ハウ
ジング(1)内には、両端が開放された左右方向に延び
る1つの円筒状のシリンダ(3)がハウジング(1)の
円筒壁部(1a)と同心状に配置されて収容されてい
る。このシリンダ(3)の長さ方向中央の外周にはシリ
ンダ(3)の中心線と直交する方向に延びる円板状のフ
ランジ(4)が一体に形成され、このフランジ(4)の
外周端には、シリンダ(3)と同心に左右方向に延びる
円筒状の嵌合部(5)が一体に形成されており、このシ
リンダ(3)、フランジ(4)及び嵌合部(5)は純鉄
等の磁性材料からなっていてヨーク(継鉄)を構成して
いる。上記嵌合部(5)はハウジング(1)の円筒壁部
(1a)内周に移動不能に嵌合されて固定されており、
よってシリンダ(3)はハウジング(1)に一体的に固
定された固定部とされている。
【0025】上記シリンダ(3)内には円柱状の左右1
対のピストン(7),(7)がそれぞれ先端側を対向さ
せた状態で摺動可能に嵌装され、この両ピストン
(7),(7)間のシリンダ(3)により囲まれた部分
が圧縮空間(8)とされている。上記シリンダ(3)、
フランジ(4)及び嵌合部(5)にはシリンダ(3)内
周面から嵌合部(5)外周面まで半径方向に貫通するガ
ス通路(9)が形成されている。このガス通路(9)の
内端は圧縮空間(8)に常時連通されている一方、外端
はハウジング(1)の円筒壁部(1a)に開口した貫通
孔(10)、及び該貫通孔(10)に連結した連結管
(11)を介して図外の膨張機に接続されている。
【0026】上記左右のピストン(7),(7)はそれ
ぞれ各ピストン(7)を往復駆動する駆動源としてのリ
ニアモータ(15),(15)に駆動連結されている。
この各リニアモータ(15)は、シリンダ(3)の外周
に嵌合部(5)内周面と円環状の空間をあけた状態で嵌
合固定された環状の永久磁石からなる駆動磁石(16)
を有し、この駆動磁石(16)により、シリンダ
(3)、フランジ(4)及び嵌合部(5)をヨークとし
て駆動磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との間
の空間に所定強度の磁界(静止磁場)を発生させる。
【0027】上記各ピストン(7)はその背面側つまり
シリンダ(3)中央と反対側端部から半径方向外側に延
びるフランジ部(7a)を有する。このフランジ部(7
a)の外周には、リニアモータ(15)の駆動部として
の円筒状ボビン(17)が基端側にて移動一体に結合さ
れている。このボビン(17)は、ピストン(7)と同
心状にシリンダ(3)中央側に延びかつ先端部が上記駆
動磁石(16)外周面と嵌合部(5)内周面との間の空
間に左右方向に往復動可能に配置されている。ボビン
(17)の先端寄り外周には上記駆動磁石(16)と対
応した位置に電磁コイルからなる駆動コイル(18)が
巻回されている。そして、上記ボビン(17)及びピス
トン(7)(詳細には駆動コイル(18)や後述の補助
コイル(28)等の可動部分全体を含む)で可動部(2
0)が構成され、この可動部(20)は固定部としての
シリンダ(3)に対し相対移動可能とされている。ま
た、駆動コイル(18)の両端部は、それぞれハウジン
グ(1)の各円板壁部(1b)に絶縁状態で貫通支持し
た1対の駆動電流導入端子(22),(22)を介して
駆動電源(23)に接続されており、この駆動電源(2
3)から両リニアモータ(15),(15)の駆動コイ
ル(18),(18)に同期して所定周波数の交流を各
々の駆動電流導入端子(22),(22)を経て供給す
ることにより、両ピストン(7),(7)を後述のコイ
ルばね(25)のばね定数等で決まる共振周波数で互い
に接離するように逆方向に往復動させて、圧縮空間
(8)で所定周期のガス圧を発生させるように構成され
ている。
【0028】さらに、上記各ピストン(7)の先端面中
心にはそれぞればね取付部(7b)が一体形成され、こ
のばね取付部(7b)の外周には螺旋状のばね取付溝
(7c)が形成されている。そして、一方のピストン
(7)のばね取付部(7b)には、ピストン(7),
(7)間の圧縮空間(8)に位置する弾性部材としての
コイルばね(25)の一端部がばね取付溝(7c)への
螺合により移動不能に取り付けられ、このコイルばね
(25)の他端部は他方のピストン(7)のばね取付部
(7b)にばね取付溝(7c)への同様の螺合状態で移
動不能に取り付けられている。従って、両可動部(2
0),(20)同士は、ピストン(7),(7)の対向
部にてシリンダ(3)内の圧縮空間(8)のコイルばね
(25)によって往復動可能に連結されている。
【0029】また、上記各可動部(20)をシリンダ
(3)(固定部)に対する往復動中立位置が所定の基準
位置に保持されるように磁力によって付勢する中立位置
付勢機構(27)と、各可動部(20)がシリンダ
(3)に対し軸心回りに回動するのを規制する回り止め
機構(36)とが設けられている。上記中立位置付勢機
構(27)は、上記各リニアモータ(15)におけるボ
ビン(17)基端部の外周の所定位置に上記駆動コイル
(18)と隣接して巻き付けられた電磁コイルからなる
補助コイル(28)を有する。左側の補助コイル(2
8)の両端部はハウジング(1)の左側円板壁部(1
b)に絶縁状態で貫通支持した1対の位置決め電流導入
端子(29),(29)を介して第1直流電源(30)
に、また右側の補助コイル(28)の両端部は右側円板
壁部(1b)に同様に貫通支持した位置決め電流導入端
子(29),(29)を介して第2直流電源(31)に
それぞれ接続されている。さらに、ハウジング(1)の
円筒壁部(1a)内周にはその右端部寄りに右側可動部
(20)(右側ピストン(7)等)が近接したことを検
出する右側位置センサ(32)が、また円筒壁部(1
a)内周の左端部寄りに左側可動部(20)(左側ピス
トン(7)等)が近接したことを検出する左側位置セン
サ(33)がそれぞれ取り付けられ、右側位置センサ
(32)は上記第1直流電源(30)に、また左側位置
センサ(33)は第2直流電源(31)にそれぞれ接続
されている。そして、例えば両可動部(20),(2
0)が各々の往復動の中立位置の基準位置から全体的に
左側(右側)に移動して左側可動部(20)(右側可動
部(20))が左側位置センサ(33)(右側位置セン
サ(32))の位置に近接したとき、そのセンサ(3
3)(又は(32))の検出信号により第2直流電源
(31)(第1直流電源(30))から右側リニアモー
タ(15)(左側リニアモータ(15))のボビン(1
7)上における補助コイル(28)に直流を供給して、
その補助コイル(28)による電流とリニアモータ(1
5)の駆動磁石(16)による磁界との間の磁力により
両可動部(20),(20)全体を右側(左側)に移動
させることにより、各可動部(20)を往復動中立位置
の基準位置に保持するようにしている。
【0030】一方、回り止め機構(36)は、ハウジン
グ(1)における各円板壁部(1b)の内壁面にその内
壁面と所定間隔をあけた状態で取付固定された磁石固定
板(37)を備えている。この磁石固定板(37)の中
心部には上記各ピストン(7)(シリンダ(3))と同
心の円形状の開口(38)が貫通形成され、この開口
(38)の周縁部にはリング状の回り止め固定磁石(3
9)が取付固定されている。この回り止め固定磁石(3
9)は、図2に示すように、内周側がN極とされかつ外
周側がS極とされた2つの4半円弧状の分割磁石(39
a),(39a)と、逆に内周側がS極とされかつ外周
側がN極とされた2つの同様の分割磁石(39b),
(39b)とを、隣接する分割磁石(39a),(39
b)の内周側磁極が互いに異なるようにリング状に繋ぎ
合わせたものである。一方、各ピストン(7)の背面中
心には円柱状の磁石取付部(7d)が一体に突設され、
この磁石取付部(7d)の外周面には上記回り止め固定
磁石(39)内に挿通される円筒状の回り止め可動磁石
(40)が取付固定されている。この回り止め可動磁石
(40)は、図2に示す如く、内周側がN極とされかつ
外周側がS極とされた2つの断面4半円弧状の分割磁石
(40a),(40a)と、内周側がS極とされかつ外
周側がN極とされた2つの同様の分割磁石(40b),
(40b)とを、隣接する分割磁石(40a),(40
b)の外周側磁極が互いに異なるように円筒状に繋ぎ合
わせたものである。そして、回り止め固定磁石(39)
内周側の交互に異なる4つの磁極と、回り止め可動磁石
(40)外周側の交互に異なるの4つの磁極との間の磁
力(吸引力又は反発力)により、各可動部(20)が往
復動中でもシリンダ(3)に対し軸心回りに回動するの
を規制している。
【0031】次に、上記実施形態の作動について説明す
る。冷凍機の運転開始に伴い、圧縮機(A)における両
リニアモータ(15),(15)の駆動コイル(1
8),(18)に駆動電源(23)から所定周波数の交
流が同期して通電される。この通電に伴い、駆動コイル
(18)及び駆動磁石(16)による電磁力の作用によ
り、ボビン(17)及びピストン(7)からなる両可動
部(20),(20)が両ピストン(7),(7)間の
コイルばね(25)を伸縮させながら中立位置から互い
に接離するように逆向きに往復動し、両ピストン
(7),(7)の接離により圧縮空間(8)の容積が増
減変化し、この圧縮空間(8)内に所定周期の圧力波が
生じる。この圧縮空間(8)は連結管(11)を介して
膨張機に連通しているため、膨張機ではディスプレーサ
が上記圧縮空間(8)の圧力波と同じ周期で往復動して
その膨張空間でのガスの膨張により寒冷が生じ、このデ
ィスプレーサの往復動の繰返しによりシリンダ先端のコ
ールドヘッドが極低温レベルに冷却される。
【0032】そのとき、上記圧縮機(A)の左右1対の
可動部(20),(20)同士がシリンダ(3)内にお
いてピストン(7),(7)先端部にて1つの共用した
コイルばね(25)により互いに連結されているので、
コイルばね(25)に固体差によるばね定数のばらつき
があっても、そのばらつきの影響は両可動部(20),
(20)に同じように働くことなる。このため、各可動
部をそれぞれコイルばねによりハウジングに弾性支持す
る場合(図7参照)のように、両可動部の共振周波数が
ばね定数の差によって不一致状態になることはなく、圧
縮機(A)の振動の発生を低減することができる。
【0033】しかも、各可動部(20)は相対する他の
可動部(20)のみにコイルばね(25)により連結さ
れ、ハウジング(1)には直接に連結されていないフリ
ー状態であるので、仮に振動が発生したとしても、その
振動がコイルばね(25)を経てハウジング(1)に伝
わることはない。その結果、これらの相乗効果により圧
縮機(A)の振動を有効に低減することができ、圧縮機
(A)の寿命を延ばすことができるとともに、低振動の
仕様が要求される冷却対象機器についても差し障りなく
安定して使用することができる。
【0034】また、1つのコイルばね(25)を両可動
部(20),(20)の連結支持のために共用している
ので、従来例に比べてコイルばね(25)の数が減少
し、その少なくなったコイルばね(25)のスペースの
分だけ、圧縮機(A)の大きさを小さくすることができ
る。
【0035】さらに、この実施形態では、上記各可動部
(20)はハウジング(1)に連結されていないために
往復動の中立位置が所定の基準位置からずれようとす
る。しかし、この可動部(20)のずれは中立位置付勢
機構(27)により絶え間なく修正され、可動部(2
0)はその往復動の中立位置が常に基準位置に付勢され
て保持される。具体的には、例えば両可動部(20),
(20)が各々の往復動中立位置の基準位置から全体的
に左側に移動して左側可動部(20)が左側位置センサ
(33)の位置に近接すると、そのセンサ(33)の検
出信号を受けた第2直流電源(31)から右側リニアモ
ータ(15)におけるボビン(17)上の補助コイル
(28)に直流が供給され、その補助コイル(28)に
よる電流とリニアモータ(15)の駆動磁石(16)に
よる磁界との間の電磁力を受けて両可動部(20),
(20)が右側に押されて移動する。また逆に、両可動
部(20),(20)が中立位置の基準位置から右側に
移動して右側可動部(20)が右側位置センサ(32)
の位置に近接したとき、そのセンサ(32)の検出信号
を受けた第1直流電源(30)から左側リニアモータ
(15)のボビン(17)上の補助コイル(28)に直
流が供給され、その補助コイル(28)による電流とリ
ニアモータ(15)の駆動磁石(16)による磁界との
間の電磁力を受けて両可動部(20),(20)が左側
に押される。このようにして各可動部(20)を往復動
中立位置の基準位置に安定して保持することができ、圧
縮機(A)の運転中に可動部(20)が中立位置の基準
位置からずれてハウジング(1)と衝突すること等を防
いで、圧縮機(A)の信頼性や性能を確保することがで
きる。
【0036】しかも、上記両可動部(20),(20)
が実際に中立位置の基準位置からずれて各位置センサ
(32),(33)が各可動部(20)の近接を検出し
たときのみに限定して、直流電源(30),(31)か
ら補助コイル(28),(28)に直流を流すので、直
流電源(30),(31)の電力消費量を低減すること
ができる。尚、上記位置センサ(32),(33)を設
けず、各補助コイル(28)に直流電流を常時供給し続
けるようにしても、同様に可動部(20)を中立位置の
基準位置に付勢できるが、電力消費量を低減する観点か
らは、上記のようにセンサ(32),(33)の検出時
のみに直流を供給するのが好ましい。
【0037】また、上記と同様の理由により、両可動部
(20),(20)がシリンダ(3)に対し回動しよう
としても、その回動は回り止め機構(36)によって規
制される。すなわち、回り止め機構(36)は、ハウジ
ング(1)の各円板壁部(1b)に取付固定された回り
止め固定磁石(39)と、各可動部(20)のピストン
(7)背面側に取り付けられた回り止め可動磁石(4
0)とからなり、ハウジング(1)側の回り止め固定磁
石(39)の内周側の4つの磁極と、可動部(20)側
の回り止め可動磁石(40)の外周側の4つの磁極とが
互いに逆の極性となって円周方向に一致していれば安定
している。そして、この安定状態において、外力等によ
り可動部(20)がシリンダ(3)に対し相対的にいず
れか一方向に回動して、回り止め固定磁石(39)の内
周側の磁極と回り止め可動磁石(40)の外周側の磁極
との極性がずれたとき、各磁石(39),(40)の磁
極は円周方向に交互に異なっているので、回り止め固定
磁石(39)内周部の磁極が回り止め可動磁石(40)
外周の異なる磁極を吸引しかつ同じ磁極を反発すること
となり、この磁石(39),(40)間の吸引力及び反
発力により可動部(20)が上記安定状態に戻される。
よって、各可動部(20)がシリンダ(3)に対し軸心
回りに回動するのは阻止され、回動によってコイルばね
(25)の各ピストン(7)の先端部に対する螺合固定
状態が緩んだり、駆動コイル(18)や補助コイル(2
8)のリード線が周りの部分に巻き付いて損傷したりす
るのを防いで、圧縮機(A)の性能の安定化、高寿命化
を図ることができる。
【0038】尚、上記実施形態では、回り止め機構(3
6)の各磁石(39),(40)の磁極の数をそれぞれ
4つとしているが、2つ又は6つ以上の偶数個にしさえ
すればよい。また、その各磁石(39),(40)は永
久磁石に代えて電磁石を用いることもでき、さらには磁
力以外の手段を用いてもよい。また、上記実施形態は、
両可動部(20),(20)を水平方向に移動させる水
平型の圧縮機(A)の場合であるが、本発明は両可動部
(20),(20)を垂直上下方向に移動させるように
した垂直型の振動圧縮機に対しても適用できる。また、
上記実施形態では、弾性部材をコイルばね(25)で構
成しているが、コイルばね(25)以外の弾性部材を用
いてもよい。
【0039】(実施形態2)図3は本発明の実施形態2
を概略的に示し(尚、以下の各実施形態では図1と同じ
部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略
する)、可動部が上下方向に移動するシングルピストン
式の振動型圧縮機に適用したものである。
【0040】すなわち、この実施形態では、ハウジング
(1)は上下方向の中心線を有し、このハウジング
(1)内の下部に固定部としてのシリンダ(3)が上下
方向の中心線を持って同心状に配置固定され、このシリ
ンダ(3)のハウジング(1)底部側の外周にはフラン
ジ(4)を介して嵌合部(5)が一体形成され、このシ
リンダ(3)、フランジ(4)及び嵌合部(5)で囲ま
れた円筒状の空間はハウジング(1)内で上側に開口し
ている。また、シリンダ(3)内にはピストン(7)が
上側から嵌装され、このピストン(7)の先端部(下端
部)とハウジング(1)の底壁としての一方の円板壁部
(1b)との間に圧縮空間(8)が形成されている。こ
の圧縮空間(8)はハウジング(1)の円板壁部(1
b)に貫通形成した貫通孔(10)に連通され、この貫
通孔(10)に連結された連結管(図示せず)は膨張機
に接続されている。
【0041】また、リニアモータ(15)の駆動磁石
(16)はシリンダ(3)の上端部外周に取り付けら
れ、ボビン(17)は駆動磁石(16)と嵌合部(5)
との間の空間内に上側から挿通され、このボビン(1
7)の基端部(上端部)はハウジング(1)内上側に位
置するピストン(7)背面側のフランジ部(7a)に連
結されている。
【0042】さらに、上記ボビン(17)の外周には、
駆動コイル(18)の上下両側に隣接してそれぞれ上下
1対の補助コイル(28),(28)が巻き付けられて
おり、可動部(20)が中立位置の基準位置から例えば
上側(下側)にずれて下側(上側)の補助コイル(2
8)がリニアモータの駆動磁石(16)の磁界内に入っ
たときに、この補助コイル(28)に直流電流を流して
その電流と駆動磁石(16)の磁界との作用により可動
部(20)に図で矢印にて示す下向き(上向き)の力を
加えてそれを下側(上側)に移動させるようにしてい
る。
【0043】尚、この実施形態2以下の各実施形態で
は、上記実施形態1と同様に、ピストン(7)はリニア
モータ(15)に連結されているのみで、ハウジング
(1)には連結されていない。その他の構成は上記実施
形態1と同様であり、図示しないが回り止め機構(3
6)も設けられている。
【0044】したがって、この実施形態の場合、ピスト
ン(7)がリニアモータ(15)の駆動によりシリンダ
(3)内で上下方向に往復動し、このシリンダ(3)内
の圧縮空間(8)内のガスが圧縮される。そして、この
実施形態でも、上下の補助コイル(28),(28)の
各々とリニアモータ(15)の駆動磁石(16)との間
の磁力の作用により、可動部(20)を中立位置の基準
位置に付勢でき、上記実施形態1と同様の作用効果が得
られる。
【0045】(実施形態3)図4は実施形態3を示す。
すなわち、上記実施形態2では、上下の補助コイル(2
8),(28)をリニアモータ(15)のボビン(1
7)外周において駆動コイル(18)の上下両側に隣接
状態で並べて巻き付けているのに対し、この実施形態3
では、上下の補助コイル(28),(28)を駆動コイ
ル(18)上側(外周側)からそれと重なった状態でか
つ互いに上下に隣接して巻き付けたものである。その他
は実施形態2と同じ構成である。
【0046】この実施形態でも上記実施形態2と同様の
効果が得られる。尚、この両補助コイル(28),(2
8)は駆動コイル(18)の下側(内周側)にそれと重
なった状態でボビン(17)に巻くこともできる。
【0047】(実施形態4)図5は実施形態4を示し、
上記各実施形態では、補助コイル(28)による電流を
リニアモータ(15)の駆動磁石(16)による磁力と
作用させて可動部(20)を中立位置の基準位置に付勢
するようにしているのに対し、永久磁石同士の吸引力に
より可動部(20)を中立位置の基準位置に付勢するよ
うにしたものである。
【0048】すなわち、この実施形態では、中立位置付
勢機構(27)は、シリンダ(3)側に設けられた固定
側磁石(43)と、可動部(20)側に設けられた可動
側磁石(44)とを備えている。上記固定側磁石(4
3)は、シリンダ(3)と一体的なハウジング(1)に
おける円筒壁部(1a)内周の所定位置に取付固定され
た環状の永久磁石からなる。一方、可動側磁石(44)
は、ピストン(7)背面側のフランジ部(7a)外周に
外周が固定側磁石(43)内周と対向するように移動一
体に取付固定された環状の永久磁石からなり、この可動
側磁石(44)外周の磁極は上記固定側磁石(43)内
周の磁極と異なる磁極とされている。そして、上記固定
側磁石(43)は、可動部(20)の往復動中立位置が
基準位置にあるときに可動側磁石(44)と水平方向に
対応するように位置付けられており、固定側磁石(4
3)内周の磁極と可動側磁石(44)外周の磁極との間
で働く吸引磁力により可動部(20)を往復動中立位置
の基準位置に付勢するようにしている。
【0049】したがって、この実施形態においては、可
動部(20)におけるピストン(7)のフランジ部(7
a)に取付固定された可動側磁石(44)の内周部と、
シリンダ(3)と一体的なハウジング(1)内周に取付
固定された固定側磁石(43)の外周部との各磁極が異
なっているので、これら両磁石(43),(44)間の
吸引磁力により可動部(20)がシリンダ(3)に対し
往復動中立位置の基準位置に付勢される。よって、可動
部(20)の往復動中立位置が基準位置からずれるのを
防止することができる。尚、上記固定側磁石(43)及
び可動側磁石(44)は、永久磁石に代えて電磁石を用
いてもよく、同様の作用効果を奏することができる。
【0050】(実施形態5)図6は実施形態5を示し、
上記実施形態4において固定側磁石(43)をリニアモ
ータ(15)の駆動磁石(16)で兼用させたものであ
る。すなわち、この実施形態では、リニアモータ(1
5)のボビン(17)外周における駆動コイル(18)
の両側にそれぞれ環状の永久磁石(電磁石であってもよ
い)からなる1対の可動側磁石(44),(44)が取
付固定され、この各可動側磁石(44)内周の磁極はリ
ニアモータ(15)の駆動磁石(16)外周の磁極と同
じ磁極とされており、この各可動側磁石(44)と駆動
磁石(16)との間の反発磁力により、可動部(20)
を往復動中立位置の基準位置に付勢するようにしてい
る。
【0051】したがって、この実施形態では、リニアモ
ータ(15)のボビン(17)に設けられた各可動側磁
石(44)内周の磁極が、リニアモータ(15)の駆動
磁石(16)外周の磁極と異なっているので、可動部
(20)が往復動中立位置の基準位置からずれる方向
(例えば下側)に移動すると、この移動方向後側(同上
側)の可動側磁石(44)と駆動磁石(16)との反発
磁力により可動部(20)が往復動中立位置の基準位置
に戻される。よって、上記実施形態1と同様に、リニア
モータ(15)の駆動磁石(16)を利用しながら、可
動部(20)を中立位置の基準位置に付勢保持すること
ができる。
【0052】尚、上記各実施形態では、ピストン(7)
をリニアモータ(15)に駆動連結して可動部(20)
を構成しているが、このピストンをハウジング(1)と
一体の固定部とする一方、シリンダをピストンに対し相
対移動可能とし、このシリンダをリニアモータ(15)
に駆動連結して可動部を構成するようにしてもよい。
【0053】また、上記各実施形態では、可動部(2
0)をハウジング(1)に連結支持しない構造である
が、本発明は、可動部(20)が中立位置を保持できな
い程度の弱い弾性部材でハウジング(1)に支持されて
いる構造に対しても適用することができる。
【0054】さらに、上記実施形態2〜5は、可動部
(20)を垂直上下方向に移動させる垂直型の圧縮機
(A)の場合であるが、本発明は可動部(20)を水平
方向に移動させるようにした水平型の振動圧縮機に対し
ても適用できる。また、ダブルピストンタイプにおいて
も適用することができる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、シリンダ又はピストンの一方を固定部とし、他
方を固定部に対し相対移動可能な可動部として、リニア
モータにより可動部を固定部に対し往復動させてシリン
ダ内の圧縮空間でガスを周期的に圧縮するようにした振
動型圧縮機について、可動部を固定部に対し磁力又は電
磁力によって往復動中立位置の基準位置に付勢して保持
するようにしたことにより、可動部を固定部側に支持す
る支持力が低く或いはなくても可動部の中立位置を基準
位置に安定して確保でき、よって圧縮機の性能の安定
化、可動部の衝突回避による信頼性の向上、圧縮機の長
寿命化を図ることができる。
【0056】請求項2の発明では、可動部に補助コイル
を設け、この補助コイルに流れる電流をリニアモータの
駆動磁石による磁力と作用させて可動部を往復動中立位
置の基準位置に駆動するようにした。また、請求項8の
発明では、可動部側に、磁力をリニアモータの駆動磁石
による磁力と作用させて可動部を往復動中立位置の基準
位置に付勢する可動側磁石を設けた。従って、これらの
発明によれば、リニアモータの駆動磁石を利用して可動
部を中立位置の基準位置に付勢保持でき、中立位置付勢
手段の具体化及びそのコストダウン化を図ることができ
る。
【0057】請求項3の発明では、補助コイルは駆動コ
イルの側部に並設した。また、請求項4の発明では、補
助コイルは駆動コイルに重なった状態で配設した。これ
らの発明によると、補助コイルの配置構造を容易に具体
化できる。
【0058】請求項5の発明によると、1対の可動部同
士を弾性部材によって往復動可能に連結し、補助コイル
を各可動部にそれぞれ1つずつ設けたことにより、両可
動部が固定部側に支持されていない構造であっても各可
動部を中立位置の基準位置に保持できるとともに、各可
動部の往復動方向の両側にそれぞれ補助コイルを配設す
る場合に比べ、補助コイルの必要数を半減してコストダ
ウン化を図ることができる。
【0059】請求項6の発明によると、可動部の中立位
置が基準位置からずれたことを検出し、このずれの検出
時のみに補助コイルに電流を供給するようにしたことに
より、電力消費量の低減を図ることができる。
【0060】請求項7の発明によると、固定部側に固定
側磁石を、また可動部側に同様の可動側磁石をそれぞれ
設け、両磁石間の磁力の作用により可動部を往復動中立
位置の基準位置に付勢するようにしたことにより、中立
位置付勢手段の具体化を図ることができる。
【0061】請求項9の発明によると、可動部が固定部
に対し軸心回りに回動するのを規制する回り止め手段を
設けたことにより、可動部を固定部側に支持する支持力
が低く或いはなくて可動部が回動するのを規制でき、圧
縮機の性能の安定化、信頼性の向上及び長寿命化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る振動型圧縮機を示す
断面図である。
【図2】図1のII−II線拡大断面図である。
【図3】本発明の実施形態2に係る振動型圧縮機を示す
概略断面図である。
【図4】本発明の実施形態3に係る振動型圧縮機を示す
図3相当図である。
【図5】本発明の実施形態4に係る振動型圧縮機を示す
図3相当図である。
【図6】本発明の実施形態5に係る振動型圧縮機を示す
図3相当図である。
【図7】振動型圧縮機の従来例を示す断面図である。
【図8】振動型圧縮機の他の従来例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
(A) 振動圧縮機 (1) ハウジング (3) シリンダ (7) ピストン (8) 圧縮空間 (15) リニアモータ (16) 駆動磁石 (17) ボビン(駆動部) (18) 駆動コイル (20) 可動部 (25) コイルばね(弾性部材) (27) 中立位置付勢機構(中立位置付勢手段) (28) 補助コイル (30),(31) 直流電源(電源手段) (32),(33) 位置センサ(ずれ検出手段) (36) 回り止め機構(回り止め手段) (43) 固定側磁石 (44) 可動側磁石

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ(3)と該シリンダ(3)内に
    圧縮空間(8)を区画するように嵌装されたピストン
    (7)とを備え、 上記シリンダ(3)又はピストン(7)の一方が固定部
    とされている一方、他方は、リニアモータ(15)の駆
    動部(17)に連結されていて該駆動部(17)とで上
    記固定部に対し相対移動可能な可動部(20)を構成し
    ており、 上記リニアモータ(15)により可動部(20)を固定
    部に対し往復動させて上記圧縮空間(8)でガスを周期
    的に圧縮するようにした振動型圧縮機であって、 上記可動部(20)をその固定部に対する往復動中立位
    置が所定の基準位置に保持されるように磁力又は電磁力
    によって付勢する中立位置付勢手段(27)を設けたこ
    とを特徴とする振動型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1の振動型圧縮機において、 リニアモータ(15)は、固定部側に設けられた駆動磁
    石(16)と、可動部(20)側に設けられ、給電によ
    る電流を上記駆動磁石(16)による磁力と作用させて
    可動部(20)を往復駆動する駆動コイル(18)とを
    備えており、 中立位置付勢手段(27)は、可動部(20)に設けら
    れた補助コイル(28)と、 上記補助コイル(28)に対し、電流が上記駆動磁石
    (16)による磁力と作用して可動部(20)が往復動
    中立位置の基準位置に駆動されるように電流を供給する
    電源手段(30),(31)とを備えていることを特徴
    とする振動型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項2の振動型圧縮機において、 補助コイル(28)は、駆動コイル(18)の側部に並
    設されていることを特徴とする振動型圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項2の振動型圧縮機において、 補助コイル(28)は、駆動コイル(18)に重なった
    状態で配設されていることを特徴とする振動型圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれかの振動型圧縮機
    において、 可動部(20)は1対設けられ、 上記両可動部(20),(20)同士が弾性部材(2
    5)によって往復動可能に連結されており、 補助コイル(28)は、各可動部(20)にそれぞれ1
    つずつ設けられていることを特徴とする振動型圧縮機。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれかの振動型圧縮機
    において、 可動部(20)の往復動中立位置が基準位置からずれた
    ことを検出するずれ検出手段(32),(33)を設
    け、 電源手段(30),(31)は、上記ずれ検出手段(3
    2),(33)が可動部(20)の往復動中立位置の基
    準位置からのずれを検出したときのみに補助コイル(2
    8)に電流を供給するように構成されていることを特徴
    とする振動型圧縮機。
  7. 【請求項7】 請求項1の振動型圧縮機において、 中立位置付勢手段(27)は、固定部側に設けられた固
    定側磁石(43)と、 可動部(20)側に設けられ、磁力を上記固定側磁石
    (43)による磁力と作用させて可動部(20)を往復
    動中立位置の基準位置に付勢する可動側磁石(44)と
    を備えていることを特徴とする振動型圧縮機。
  8. 【請求項8】 請求項1の振動型圧縮機において、 リニアモータ(15)は、固定部側に設けられた駆動磁
    石(16)と、可動部(20)側に設けられ、給電によ
    る電流を上記駆動磁石(16)による磁力と作用させて
    可動部(20)を往復駆動する駆動コイル(18)とを
    備えており、 中立位置付勢手段(27)は、可動部(20)側に設け
    られかつ磁力を上記駆動磁石(16)による磁力と作用
    させて可動部(20)を往復動中立位置の基準位置に付
    勢する可動側磁石(44)を備えていることを特徴とす
    る振動型圧縮機。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかの振動型圧縮機
    において、 可動部(20)が固定部に対し軸心回りに回動するのを
    規制する回り止め手段(36)を設けたことを特徴とす
    る振動型圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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