JP3794784B2 - 振動型圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレーサの往復動により極低温レベルの寒冷を発生させる膨張機を有するスターリング冷凍機等において、膨張機に供給するガスを圧縮する振動型圧縮機に関し、特に、ピストンを支持するコイルばねのピストンへの取付構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、このフリーディスプレーサ型スターリング冷凍機は、極低温レベルの寒冷を発生させる小型冷凍機の一種として知られている。この冷凍機は、例えば特開平8―303892号公報に示さているように、ガスを圧縮する振動型圧縮機と、該圧縮機から吐出されたガスを膨張させる膨張機とを組み合わせたものである。
【0003】
上記振動型圧縮機は、例えば図3に示すように、密閉状のハウジング(101)と、該ハウジング(101)内に配置されたシリンダ(105)と、該シリンダ(105)内に往復動可能に嵌装され、シリンダ(105)の長さ方向中央部内に圧縮空間(111)を区画する有底円筒状の1対のピストン(109),(109)と、該各ピストン(109)を往復駆動する駆動源としてのリニアモータ(116),(116)とを備え、上記圧縮空間(111)はガス通路(109)及び連結管(114)を介して膨張機に接続されている。上記各リニアモータ(116)はシリンダ(105)周りに配置された環状の永久磁石(118)を有し、この磁石(118)により、シリンダ(105)の中心と同心の円筒状の空間に磁界を発生させる。この空間には中心部にて上記ピストン(109)に一体的に固定されたボビン(119)が配設され、該ボビン(119)の外周には電磁コイル(120)が巻き付けられている。また、上記各ピストン(109)の背面側と、シリンダ(105)の開口端に対向するハウジング(101)内壁面との間には、それぞれピストン(109)を往復動可能に弾性支持するためのコイルばね(131)が架設されており、リニアモータ(116)の電磁コイル(120)に所定周波数の交流を供給することで、その電磁コイル(120)に流れる電流と磁石(118)による空間内を通る磁界との間で作用する電磁力によりボビン(119)及びそれと一体のピストン(109)を駆動して両ピストン(109),(109)をシリンダ(105)内で互いに接離するように往復移動させ、このことにより圧縮空間(111)で所定周期のガス圧を発生させるようになされている。
【0004】
一方、図示しないが、膨張機は円筒状シリンダを有し、このシリンダ内にはシリンダ内を膨張空間と作動空間とに区画するフリーディスプレーサが往復動可能に嵌装されている。このディスプレーサは、内部に蓄冷器(再生式熱交換器)を充填したもので、該蓄冷器は膨張空間及び作動空間にそれぞれ連通されている。上記作動空間内には、ディスプレーサを往復動可能に弾性支持するコイルばねが配設されている。さらに、作動空間は上記連結管(114)を介して上記圧縮機の圧縮空間(111)に接続されており、圧縮機からのガス圧によりディスプレーサを往復動させてガスを膨張空間で膨張させることにより、シリンダ先端のコールドヘッドに寒冷を発生させるようになされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記コイルばね(131)は、通常、その両端部において円筒状のばね支持部材(124),(127)にそれぞれ連結されており、このばね支持部材(124),(127)がそれぞれハウジング(101)内壁面及びピストン(109)の内底部に取付固定されてコイルばね(131)がピストン(109)及びハウジング(101)間に架設されるようになっている。このとき、コイルばね(131)の中心軸はピストン(109)と略一致するようになされている。そして、ピストン(109)側のばね支持部材(127)は、ピストン(109)の中心軸上における1つの締結ねじ(128)によりピストン(109)の内底部に取付固定されるようになっている。
【0006】
しかし、このようにばね支持部材(127)とピストン(109)とがその中心軸上に設けた締結ねじ(128)により取付固定された構造では、その締結ねじ(128)の締付力を大きくすることができないという問題がある。すなわち、締結ねじ(128)を締め付ける際にばね支持部材(127)がピストン(109)に対して締結ねじ(128)の軸心(つまりピストン(109)の軸心)回りに回転するのを防止しておく必要があるが、ばね支持部材(127)が、上述の如く、ピストン(109)の内底部に取り付けられている場合、ばね支持部材(127)とコイルばね(131)との連結を容易にすべくばね支持部材(127)をピストン(109)に取り付ける前にコイルばね(131)と連結しておく必要があるため、ピストン(109)の開口側からばね支持部材(127)の回転を直接止めておくことはコイルばね(131)が障害となって困難である。また、コイルばね(131)を介してばね支持部材(126)の回転を止めておくと、コイルばね(131)を変形させてそのばね定数を変化させてしまう虞れがある。
【0007】
この結果、締結ねじ(128)の締付力は不足する傾向にあり、途中で緩んでそのねじ部から圧縮空間(111)の冷媒ガスがシリンダ外部に漏れたり、ピストン(109)の作動に不具合が生じたりするという問題がある。また、たとえ締結ねじ(128)が緩まなくても、締付力が小さいためにそのねじ部から冷媒ガスが漏れ易いことに変わりはない。
【0008】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記のように、ばね支持部材が締結ねじによりピストンに取付固定されている場合に、その締結ねじの位置を工夫することによって、締結時のコイルばねの変形を防止しつつ、締結ねじの締付力の増大化を図り、ピストン及びばね支持部材のねじ部から冷媒ガスが漏れるのを防止して圧縮機の能力を安定維持させようとすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、ばね支持部材とピストンとを締結する締結ねじを、そのピストンの中心軸に対して偏心して設けるようにした。
【0010】
具体的には、請求項1の発明では、振動型圧縮機として、シリンダ(5)と、上記シリンダ(5)内に往復動可能に嵌装され、シリンダ(5)内部に圧縮空間(11)を区画形成するピストン(9)と、上記ピストン(9)をシリンダ(5)に対しシリンダ(5)内で往復動可能に弾性支持するコイルばね(31)と、上記コイルばね(31)の一端部と連結され、上記ピストン(9)にコイルばね(31)の中心軸が該ピストン(9)と略一致するように締結ねじ(28)により取付固定されたばね支持部材(27)と、上記ピストン(9)を圧縮空間(11)で冷媒ガスが周期的に圧縮されるように往復駆動させるリニアモータ(16)とを備え、上記締結ねじ(28)は、ピストン(9)の中心軸に対して偏心して設けられているものとする。
【0011】
このことにより、締結ねじ(28)を締め付ける際に、締結ねじ(28)が複数の場合には、締め付ける締結ねじ(28)を除く他の締結ねじ(28)によりばね支持部材(27)がその締め付ける締結ねじ(28)の軸心回りに回転するのを防止することができる。また、締結ねじ(28)が1つの場合であっても、例えばばね支持部材(27)を有底円筒状としたピストン(9)内に略嵌合させるようにすることで、ばね支持部材(27)がその締結ねじ(28)の軸心回りに回転するのを防止することができる。このため、コイルばね(31)を介してばね支持部材(27)の回転を止めておく必要はなくなるので、コイルばね(31)を変形させることなく締結ねじ(28)の締付力を大きくすることができる。よって、ピストン(9)及びばね支持部材(27)のねじ部から圧縮空間(11)の冷媒ガスがシリンダ(5)外部に漏れるのを防止して圧縮機の能力を安定維持させることができ、延いては圧縮機を高寿命にすることができる。
【0012】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、複数の締結ねじ(28),(28),…が、ピストン(9)の中心軸と同心状に略等間隔に設けられているものとする。
【0013】
この発明により、コイルばね(31)の中心軸をピストン(9)と精度良く一致させることができると共に、ばね支持部材(27)をその一部がピストン(9)の取付面から浮かないように確実に取り付けることができる。よって、ピストン(9)の作動を安定化させ、圧縮機の能力をより一層安定化させることができる。
【0014】
請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、締結ねじ(28)はピストン(9)を貫通していて、その先端部にばね支持部材(27)が螺合され、上記締結ねじ(28)の頭部のねじ側に先細りテーパ面(28a)が設けられている一方、ピストン(9)のねじ挿通孔周りに上記締結ねじ(28)のテーパ面(28a)に当接するテーパ状のざぐり面(9b)が形成されているものとする。
【0015】
このことで、締結ねじ(28)のテーパ面(28a)とピストン(9)のざぐり面(9b)とを面接触させることができるので、ピストン(9)及びばね支持部材(28a)のねじ孔から圧縮空間(11)の冷媒ガスがシリンダ(5)外部に漏れるのを有効に防止することができる。よって、締結ねじ(28)の締付力を極端に大きくしなくても済むと共に、締付力をいくら大きくしてもガス漏れを防止することができない場合に、極めて有利な構造とすることができる。
【0016】
請求項4の発明では、請求項1、2又は3の発明において、締結ねじ(28)はピストン(9)を貫通していて、その先端部にばね支持部材(27)が螺合され、上記締結ねじ(28)の頭部とピストン(9)のねじ挿通孔周りとの間にシール部材(35)が設けられているものとする。
【0017】
このようにすることで、シール部材(35)によりピストン(9)及びばね支持部材(27)のねじ孔からのガス漏れを確実に防ぐことができる。よって、請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0018】
請求項5の発明では、請求項1、2、3又は4の発明において、ピストン(9)は、有底筒状であり、ばね支持部材(27)は、上記ピストン(9)内の底部に取付固定され、締結ねじ(28)は、上記ピストン(9)の先端側から該ピストン(9)の底部に貫通されてばね支持部材(27)に螺合されているものとする。
【0019】
すなわち、ばね支持部材(27)をピストン(9)内の底部に締結ねじ(28)で取付固定する場合には、ばね支持部材(27)とコイルばね(31)との連結を容易にすべくばね支持部材(27)をピストン(9)に取り付ける前にコイルばね(31)と連結しておくため、締結ねじ(28)を締め付ける際にコイルばね(31)を変形させることなくばね支持部材(27)の締結ねじ(28)軸心回りにおける回転を防止しかつ締結ねじ(28)の締付力を向上させることが特に要求されている。よって、請求項1、2、3又は4の発明の有効な利用を図ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に係るスターリング冷凍機用の振動型圧縮機(A)を示し、この圧縮機(A)は図示しない従来公知のフリーディスプレーサ型膨張機と組み合わされて冷凍機を構成する。
【0021】
上記圧縮機(A)は図で左右方向に延びる密閉円筒状のケーシング(1)を有し、このケーシング(1)は、図で左右方向の中心を有する円筒壁部(2)と、この円筒壁部(2)の両端開口部を気密状に閉塞する円板壁部(3),(3)とからなる。ケーシング(1)内には、両端が開放された図で左右方向に延びる純鉄等の磁性材料からなる円筒状のシリンダ(5)がケーシング(1)の円筒壁部(2)と同心状に配置収容されている。このシリンダ(5)の長さ方向中央の外周にはシリンダ(5)軸心と直交方向に延びる円板状のフランジ(6)が一体に形成され、このフランジ(6)の外周端には、シリンダ(5)と同心に図で左右方向に延びる円筒状の嵌合部(7)が一体に形成されており、このシリンダ(5)、フランジ(6)及び嵌合部(7)は純鉄等の磁性材料からなっていてヨーク(継鉄)を構成している。上記嵌合部(7)はその外周面がケーシング(1)の円筒壁部(2)の内周面に移動不能に嵌合されて接合されている。よって、シリンダ(5)はケーシング(1)内に収容されかつ該ケーシング(1)に一体的に固定されている。
【0022】
上記シリンダ(5)内には有底円筒状の左右1対のピストン(9),(9)がそれぞれ底部側(ピストン(9)の先端側)を対向させた状態で摺動可能に嵌装されており、この両ピストン(9),(9)間でシリンダ(5)により囲まれた部分が圧縮空間(11)とされている。上記シリンダ(5)、フランジ(6)及び嵌合部(7)にはシリンダ(5)内周面から嵌合部(7)外周面まで半径方向に貫通するガス通路(12)が形成されている。このガス通路(12)の内端は上記シリンダ(5)内の圧縮空間(11)に常時連通されている一方、ガス通路(12)の外端はケーシング(1)の円筒壁部(2)に開口した貫通孔(13)、及び該貫通孔(13)に連結した結合配管(14)を介して図外の膨張機に接続されている。
【0023】
上記左右のピストン(9),(9)はそれぞれピストン(9),(9)を往復駆動する駆動源としてのリニアモータ(16),(16)に駆動連結されている。すなわち、この各リニアモータ(16)は、上記シリンダ(5)の外周に嵌合部(7)内周面と円環状の空間をあけた状態で嵌合固定された環状の永久磁石(18)を有し、この磁石(18)によりシリンダ(5)、フランジ(6)及び嵌合部(7)をヨークとして磁石(18)外周面と嵌合部(7)内周面との間の空間に所定強度の磁界(静止磁場)を発生させるようにしている。
【0024】
そして、上記各ピストン(9)はその背面側つまりシリンダ(5)中央と反対側端部から半径方向外側に延びるフランジ部(9a)を有し、該フランジ部(9a)の外周には、ピストン(9)と同心状にシリンダ(5)中央側に延びかつ先端部が上記磁石(18)と嵌合部(7)内周面との間の空間に図で左右方向に往復動可能に配置された円筒状のボビン(19)が移動一体に連結され、このボビン(19)の先端部外周には上記磁石(18)と対向した位置に電磁コイル(20)が巻回され、この電磁コイル(20)の両端部はそれぞれケーシング(1)の円板壁部(3)に絶縁部材(図示せず)を介して貫通支持した1対の電流導入端子(22),(22)に接続されている。そして、両リニアモータ(16),(16)の電磁コイル(20),(20)に同期して所定周波数の交流を各々の電流導入端子(22),(22)から通電することにより、両ピストン(9),(9)を後述のコイルばね(31)のばね定数で決まる周期で互いに接離するように逆方向に往復動させて、圧縮空間(11)で所定周期のガス圧を発生させるように構成されている。
【0025】
上記ケーシング(1)の円板壁部(3)内壁面にはシリンダ(5)の軸線上の位置にそれぞれケーシング側ばね支持部材(24)が取付固定され、このばね支持部材(24)の円柱突起状先端部の外周には螺旋状のばね取付溝(25)が形成されている。一方、上記各ピストン(9)の内底部中心にはピストン側ばね支持部材(27)が後述の如く取付固定され、このばね支持部材(27)の先端側(ピストン(9)背面側)における円柱突起状先端部の外周には螺旋状のばね取付溝(30)が形成されている。そして、上記ケーシング側ばね支持部材(24)のばね取付溝(25)にはコイルばね(31)の一端部が取付溝(25)へのばね端部の螺合により移動不能に連結され、このコイルばね(31)の他端はピストン側ばね支持部材(27)のばね取付溝(30)に同様の螺合状態で移動不能に連結されている。従って、ケーシング(1)の内壁面と各ピストン(9)背面側との間にそれぞれコイルばね(31)が、その中心軸がピストン(9)と略一致するように掛け渡されており、このコイルばね(31)により、ピストン(9)をケーシング(1)に、つまり該ケーシング(1)と一体的に固定されているシリンダ(5)に対し間接的に図で左右方向に往復動可能に弾性支持している。
【0026】
そして、本発明の特徴として、各ピストン側ばね支持部材(27)は、図2にも示すように、ピストン(9)の先端側から該ピストン(9)の底部に貫通された3つの締付ねじ(28),(28),…によりピストン(9)の内底部にコイルばね(31)の中心軸がピストン(9)と略一致するように螺合締結されている。これら3つの締結ねじ(28),(28),…は、ピストン(9)の中心軸と同心状に略等間隔に設けられ、各締結ねじ(28)はピストン(9)の中心軸に対して偏心して配置されている。
【0027】
また、各締結ねじ(28)は、その頭部のねじ側に先細りテーパ面(28a)が設けられた皿ねじとされている一方、各ピストン(9)のねじ挿通孔周りには上記各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)に当接するテーパ状のざぐり面(9b),(9b),…が形成されている。
【0028】
さらに、各締結ねじ(28)の頭部と各ピストン(9)のねじ挿通孔周りとの間、つまり各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)と各ピストン(9)のざぐり面(9b)との間にはシール部材としてのシールテープ(35)が設けられ、このシールテープ(35)により各ピストン(9)及びばね支持部材(27)のねじ孔から圧縮空間(11)の冷媒ガスがシリンダ(5)外部に漏れないようになされている。
【0029】
次に、上記実施形態の作動について説明する。冷凍機の運転開始に伴い、圧縮機(A)における両リニアモータ(16),(16)の電磁コイル(20),(20)に所定周波数の交流電源が同期して通電される。この通電に伴い、電磁コイル(20),(20)に流れる電流と磁石(18),(18)により発生する磁界との作用により電磁力が生じて電磁コイル(20),(20)及びピストン(9),(9)がコイルばね(31),(31)を伸縮させながら中立位置から互いに接離するように逆向きに往復動し、この両ピストン(9),(9)がシリンダ(5)内で互いに接離することで圧縮空間(11)の容積が増減変化し、圧縮空間(11)内に所定周期の圧力波が生じる。この圧縮空間(11)は結合配管(14)を介して膨張機に連通しているため、膨張機ではディスプレーサが上記圧縮空間(11)の圧力波と同じ周期で往復動してその膨張空間でのガスの膨張により寒冷が生じ、このディスプレーサの往復動の繰返しによりシリンダ先端のコールドヘッドが極低温レベルに冷却される。
【0030】
この実施形態では、上記圧縮機(A)において各ピストン側ばね支持部材(27)が、各ピストン(9)の中心軸と同心状に略等間隔に設けられて各ピストン(9)の中心軸に対して偏心した3つの締結ねじ(28),(28),…によりピストン(9)に取付固定されているので、各締結ねじ(28)を締め付ける際に、締め付ける締結ねじ(28)を除く他の2つの締結ねじ(28),(28)によりばね支持部材(27)がその締め付ける締結ねじ(28)の軸心回りに回転するのを防止することができる。このため、コイルばね(31)を介してばね支持部材(27)の回転を止めておく必要はなく、コイルばね(31)を変形させることはない。この結果、このように各ばね支持部材(27)をピストン(9)の内底部に締結ねじ(28)で取付固定する場合に、各ばね支持部材(27)と各コイルばね(31)との連結を容易にすべく各ばね支持部材(27)を各ピストン(9)に取り付ける前に各コイルばね(31)と連結しておくので、この締結構造は特に有効なものとすることができる。そして、各締結ねじ(28)の締付力を大きくすることができるので、圧縮機(A)の運転途中に各締結ねじ(28)の締付力が緩むことはない。また、3つの締結ねじ(28),(28),…は、各ピストン(9)の中心軸と同心状に略等間隔に設けられているので、各コイルばね(31)の中心軸をピストン(9)と精度良く一致させることができると共に、各ばね支持部材(27)をその一部がピストン(9)の内底面から浮かないように確実にピストン(9)に取付固定することができる。したがって、各ピストン(9)及びばね支持部材(27)のねじ孔から圧縮空間(11)の冷媒ガスがシリンダ(5)外部に漏れるのを防止することができると共に、各ピストン(9)の作動を安定化させることができる。よって、圧縮機(A)の能力を安定維持させることができ、延いては圧縮機(A)を高寿命にすることができる。
【0031】
さらに、各締結ねじ(28)はその頭部にピストン(9)とばね支持部材(27)とを締結したときに各ピストン(9)のざぐり面(9b)に当接するテーパ面(28a)を有し、その各ピストン(9)のざぐり面(9b)と各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)との間にはシールテープ(35)が設けられているので、各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)とピストン(9)のざぐり面(9b)とを面接触させることができると共に、シールテープ(35)により各ピストン(9)及びばね支持部材(27)のねじ部から圧縮空間(11)の冷媒ガスがシリンダ(5)外部に漏れるのを確実に防止することができる。よって、各締結ねじ(28)の締付力を極端に大きくしなくても済み、締付力をいくら大きくしてもガス漏れを防止することができない場合に、極めて有利な構造とすることができる。
【0032】
尚、上記実施形態では、各ピストン(9)のざぐり面(9b)と各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)との間にシールテープ(35)を設けたが、このシールテープ(35)は必ずしも必要でなく、各ピストン(9)のざぐり面(9b)と各締結ねじ(28)のテーパ面(28a)との面接触により有効にガス漏れを防止することができる。また、シール部材は、シールテープ(35)以外のどのようなものであってもよい。
【0033】
さらに、上記実施形態では、各締結ねじを皿ねじとしたが、皿ねじ以外の頭部が平らであるねじであっても本発明を適用することができ、この場合でも、そのねじの頭部とピストン(9)のねじ挿通孔周りとの間にシールテープ等のシール部材を設けることでガス漏れを効果的に防止することができる。
【0034】
また、上記実施形態では、各ピストン側ばね支持部材(27)を3つの締結ねじ(28),(28),…によりピストン(9)に取付固定したが、各ばね支持部材(27)をピストン(9)の中心軸に対して偏心して設けた1つの締結ねじ(28)によりピストン(9)に取付固定するようにしても本発明を適用することができる。この場合、各ばね支持部材(27)を有底円筒状としたピストン(9)内に略嵌合させるようにすることで、各ばね支持部材(27)がその締結ねじ(28)の軸心回りに回転するのを防止することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、ピストンをシリンダに対しシリンダ内で往復動可能に弾性支持するコイルばねと、このコイルばねの一端部と連結され、ピストンにコイルばねの中心軸が該ピストンと略一致するように締結ねじにより取付固定されたばね支持部材とを備えた振動型圧縮機に対して、上記締結ねじをピストンの中心軸に対して偏心して設けたことにより、圧縮機の能力の安定化を図ることができ、圧縮機の高寿命化を図ることができる。
【0036】
請求項2の発明によると、複数の締結ねじをピストンの中心軸と同心状に略等間隔に設けたことにより、ピストンの作動を安定化させ、圧縮機の能力のさらなる安定化を図ることができる。
【0037】
請求項3の発明では、締結ねじはピストンを貫通していて、その先端部にばね支持部材を螺合し、その締結ねじの頭部のねじ側に先細りテーパ面を設ける一方、ピストンのねじ挿通孔周りに上記締結ねじのテーパ面に当接するテーパ状のざぐり面を形成した。また、請求項4の発明では、締結ねじの頭部とピストンのねじ挿通孔周りとの間にシール部材を設けた。したがって、これらの発明によると、ピストン及びばね支持部材のねじ孔からのガス漏れを有効に防止することができる。
【0038】
請求項5の発明によると、ピストンは有底筒状であり、ばね支持部材をそのピストン内の底部に取付固定し、締結ねじを、そのピストンの先端側から該ピストンの底部に貫通してばね支持部材に螺合したことにより、請求項1、2、3又は4の発明の有効な利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る振動型圧縮機の断面図である。
【図2】図1のII方向矢視図である。
【図3】振動型圧縮機の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
(A) 圧縮機
(5) シリンダ
(9) ピストン
(9b) ざぐり面
(11) 圧縮空間
(16) リニアモータ
(27) ピストン側ばね支持部材
(28) 締結ねじ
(28a) テーパ面
(31) コイルばね
(35) シールテープ(シール部材)
Claims (5)
- シリンダ(5)と、
上記シリンダ(5)内に往復動可能に嵌装され、シリンダ(5)内部に圧縮空間(11)を区画形成するピストン(9)と、
上記ピストン(9)をシリンダ(5)に対しシリンダ(5)内で往復動可能に弾性支持するコイルばね(31)と、
上記コイルばね(31)の一端部と連結され、上記ピストン(9)にコイルばね(31)の中心軸が該ピストン(9)と略一致するように締結ねじ(28)により取付固定されたばね支持部材(27)と、
上記ピストン(9)を圧縮空間(11)で冷媒ガスが周期的に圧縮されるように往復駆動させるリニアモータ(16)とを備え、
上記締結ねじ(28)は、ピストン(9)の中心軸に対して偏心して設けられていることを特徴とする振動型圧縮機。 - 請求項1記載の振動型圧縮機において、
複数の締結ねじ(28),(28),…が、ピストン(9)の中心軸と同心状に略等間隔に設けられていることを特徴とする振動型圧縮機。 - 請求項1又は2記載の振動型圧縮機において、
締結ねじ(28)はピストン(9)を貫通していて、その先端部にばね支持部材(27)が螺合され、
上記締結ねじ(28)の頭部のねじ側に先細りテーパ面(28a)が設けられている一方、ピストン(9)のねじ挿通孔周りに上記締結ねじ(28)のテーパ面(28a)に当接するテーパ状のざぐり面(9b)が形成されていることを特徴とする振動型圧縮機。 - 請求項1、2又は3記載の振動型圧縮機において、
締結ねじ(28)はピストン(9)を貫通していて、その先端部にばね支持部材(27)が螺合され、
上記締結ねじ(28)の頭部とピストン(9)のねじ挿通孔周りとの間にシール部材(35)が設けられていることを特徴とする振動型圧縮機。 - 請求項1、2、3又は4記載の振動型圧縮機において、
ピストン(9)は、有底筒状であり、
ばね支持部材(27)は、上記ピストン(9)内の底部に取付固定され、
締結ねじ(28)は、上記ピストン(9)の先端側から該ピストン(9)の底部に貫通されてばね支持部材(27)に螺合されていることを特徴とする振動型圧縮機。
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JPH112467A JPH112467A (ja) | 1999-01-06 |
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-
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- 1997-06-13 JP JP15628497A patent/JP3794784B2/ja not_active Expired - Fee Related
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