JPH1164916A - 光学素子保持装置および光学機器 - Google Patents

光学素子保持装置および光学機器

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JPH1164916A
JPH1164916A JP22956497A JP22956497A JPH1164916A JP H1164916 A JPH1164916 A JP H1164916A JP 22956497 A JP22956497 A JP 22956497A JP 22956497 A JP22956497 A JP 22956497A JP H1164916 A JPH1164916 A JP H1164916A
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ball
optical axis
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JP22956497A
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Inventor
Yasuhiro Toyoda
靖宏 豊田
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Canon Inc
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  • Adjustment Of Camera Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学素子保持装置中の各部材が磁気回路を乱
して、精度良く光学素子をシフト位置制御することがで
きない。 【解決手段】 光学素子9を保持し、転動部材2,6,
16により光軸に垂直な面内で移動可能に支持された可
動保持部材8を電磁駆動部材11,,12,13,14
によって駆動する光学素子保持装置において、上記転動
部材、可動保持部材の移動に伴って移動する部材4,
8、転動部材を転動可能に保持する部材1,4,17、
転動部材と可動保持部材とを圧接させる加圧部材18お
よび各部材を互いに組み付けるための締結部材19,2
0を非磁性体により形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズ等の光学素
子を光軸と垂直な面内でシフトさせる光学素子保持装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】撮影レンズを構成するレンズ群の一部を
光軸と垂直な面内でシフトさせる装置は、例えばカメラ
において、像ブレを抑制する防振光学系などに利用でき
る。この装置は、像ブレの原因であるカメラブレの加速
度を検知することで像ブレを予測し、この予測信号に基
づいてレンズを光軸と垂直な面内でシフトさせる。
【0003】このようなレンズのシフト装置としては、
特開平3−188430号公報にて提案されてるものが
ある。このものでは、カメラブレを、カメラを横方向に
振る方向(以下、ヨー方向という)と縦方向に振る方向
(以下、ピッチ方向という)のブレに分解し、ブレ補正
用シフトレンズ(以下、補正レンズという)をヨー方向
とピッチ方向のそれぞれ独立にシフトさせるものであ
る。なお、この装置では、補正レンズを光軸方向の移動
を生じずにシフトさせることができるように、ガイドバ
ーと軸受とを摺動させて又は滑り板等の面同士を摺動さ
せて補正レンズが移動するように構成されている。
【0004】但し、上記特開平3−188430号公報
提案の装置では、摩擦による摺動抵抗が大きく、電磁力
により補正レンズをシフト駆動するのに必要なエネルギ
ーが大きくなってしまうという不都合がある。また、ガ
イドバーと軸受間の嵌合による微小なガタにより厳密に
は光軸方向の移動を生じてしまうという不都合がある。
【0005】また、特開昭63−155038号公報に
は、補正レンズを平行4節リンクにより光軸周りの回転
を規制しつつ保持するとともに、平行4節リンクの光軸
方向の変位をガイドと付勢ばねで吸収するとともに、補
正レンズをボールを介在させて基準平面に上記ばねによ
り押し付ける構成が提案されている。
【0006】ところが、上記特開昭63−155038
号公報提案の装置では、レンズ鏡筒と環状部材とが緩く
嵌合しているため、少ないながらも光軸と垂直方向にガ
タを生じる。また、駆動の際に前記緩い嵌合部にて摩擦
による摺動抵抗が発生し、駆動抵抗の少ないリンクとボ
ールを用いたメリットが損なわれてしまう。更に、平行
4節リンクとボールによる併設支持により機構が複雑に
なり、部品点数が多くコストアップとなる。加えて、上
記公報には、一方向のシフト機構のみが提案されている
だけだが、同機構を前記方向と垂直方向にも設けたとし
ても、平行4節リンクの構造上簡単には斜め方向へのシ
フトはできないという不都合がある。
【0007】また、特開平5−297443号公報に
は、補正レンズの光軸周りの回転を規制する部材に加え
て、少なくとも3つのボール等の支持点を支持枠と補正
レンズの固定枠との間に設けるとともに与圧手段により
押し付け、補正レンズをシフトさせても確実に光軸に対
して垂直を保つ構成が提案されている。
【0008】但し、上記特開平5−297443号公報
提案の装置では、補正レンズの光軸周りの回転を規制す
る手段がガイドバーと軸受間の嵌合による摺動や長孔と
ピン等による摺動であり、まだ十分に摩擦による摺動抵
抗が小さいとは言えない。また、補正レンズの光軸周り
の回転を規制する手段に加えて、少なくとも3つのボー
ルと与圧手段をも有するため、機構が複雑になり、部品
点数が多くコストアップとなるという不都合がある。
【0009】また、特開平7−294975号公報に
は、X軸(ヨー)方向とY軸(ピッチ)方向に補正レン
ズを送りねじにより独立に進退させる装置において、互
いの駆動方向が干渉しないよう補正レンズ枠と可動部材
との間にローラを介在させて、全方向にシフト可能とし
た構成が提案されている。更に、シフト時に補正レンズ
が倒れないように、補正レンズ枠と基板の間にボールを
介在させ、ばねで付勢する構成が提案されている。
【0010】但し、上記特開平7−294975号公報
提案の装置では、摺動摩擦抵抗の発生部が可動部材のガ
イド部材とガイド軸との間にあり、補正レンズ枠と可動
部材間のローラによるころがり摩擦抵抗も加わり、やは
り補正レンズをシフト駆動する際の抵抗が大きい。ま
た、それらにボールによる支持機構も加わり、機構が複
雑になり部品点数が多くコストアップとなるという不都
合もある。
【0011】ところで、これら公知例とは別に、補正レ
ンズの光軸周りの回転を規制する手段としてばね部材
(引っ張りコイルばね)の復元力を用い、複数のばね部
材のバランスで補正レンズの初期位置復帰を行える形で
構成された装置も考えられている。
【0012】但し、この装置では、補正レンズをシフト
駆動する際に、必ずばね部材の負荷がかかるため電磁力
による駆動部に負担となる。しかも、補正レンズのシフ
ト量が大きくなるほどばね部材の変位が増えて負荷が増
えるので、電磁力によるシフト駆動部には大きな負担と
なる。従って、補正レンズを精度良くシフト位置制御す
るには、シフト駆動部が発生する電磁力を大きくしなけ
ればなれず、シフト駆動部の大型化やシフト駆動部に与
えるエネルギーの増大化を招くという不都合がある。
【0013】以上のような従来の装置を改善するため、
すなわち、補正レンズを簡単な構成で、かつ極力少ない
駆動抵抗しか生じないように支持し、しかも光軸方向の
ガタなく確実に光軸に対して垂直に保つことができるよ
うにするため、本出願人は、次のような装置を提案して
いる。この装置は、補正レンズを保持する可動枠を回転
可能なボール群(鋼球)を介して支持する際に、案内部
材を可動枠と支持枠との間に挟み、この案内部材にボー
ルを互いに直交する方向にガイドする溝部を形成して、
補正レンズをピッチ方向とヨー方向に可動枠の光軸周り
の回転を防止しつつ光軸に垂直な面内で移動可能とした
装置である。また、この装置では、可動枠とボール群
(鋼球)とを光軸方向に圧接させる加圧部材を設けてい
る。
【0014】一方、特開平9−61877号公報には、
ガイドバーと軸受との摺動関係による抵抗の大きさと、
嵌合によるガタ発生の不具合はあるものの、可動枠と共
にピッチ方向に移動可能な非磁性体(SUS)からなる
L字のガイドバーにより、可動枠を支持枠に対してピッ
チ方向とヨー方向へ独立にシフトさせることができる装
置が提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記出
願人提案の装置では、可動枠を支持する回転可能なボー
ル群(鋼球)が磁性体であり、しかも可動枠駆動用の電
磁駆動部材の磁気回路中に上記ボール群の一部が配置さ
れてしまうので、磁気回路が乱されてしまうと共に、ボ
ール群の一部が磁石方向に引っ張られ、また自転しにく
くもなり、可動枠のシフト駆動に抵抗が生じて高精度な
シフト位置制御ができなくなるという不都合がある。
【0016】更に、組立時にボール群を所定のボール保
持部に組み込もうとしても、ボールが磁石に吸着されて
うまく組み込めないという不都合がある。また、ボール
群と可動枠とを圧接させる加圧部材が、みがき特殊帯鋼
のような磁性体でできており、しかも電磁駆動部材の磁
気回路近傍に配置されると、電磁駆動部材から磁束が漏
れてシフト駆動力の低下を招き、高精度なシフト位置制
御ができなくなるという不都合がある。また、装置の各
構成要素を互いに組み付けるためにビスやワッシャ等の
締結部材が用いられるが、これら締結部材が磁性体であ
る鋼材により作られていて、電磁駆動部材の磁気回路中
或いは磁気回路近傍に存在しているため、磁気回路を乱
すと共に、組立時に磁石に吸着されて組み付けにくいと
いう不都合がある。
【0017】なお、特開平9−61877号公報提案の
装置では、L字のガイドバーが非磁性体(SUS)であ
り、しかもガイドバーを、可動枠駆動用の電磁駆動部材
の磁気回路から離して配置できるので、仮にL字のガイ
ドバーが磁性体であっても、磁気の影響を受けてシフト
位置制御に不具合が出ることはなかった。
【0018】しかしながら、前述のように、ガイドバー
と軸受の摺動関係による抵抗の大きさと、嵌合によるガ
タ発生の不具合が解決されているわけではない。
【0019】そこで、本発明は、補正レンズを簡単な構
成で、かつ極力駆動抵抗が少なくなるように支持でき、
しかも光軸方向のガタなく確実に光軸に対して垂直な状
態で補正レンズの高精度なシフト位置制御が可能であ
り、さらには、電磁駆動部材の磁気回路中又はその近傍
に配置される部材における磁気の影響を排除でき、組み
立ても容易な光学素子保持装置を提供することを目的と
している。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明では、補正レンズ等の光学素子を保持し、球
状部材等の転動部材により光軸に垂直な面内で移動可能
に支持された可動保持部材を電磁駆動部材によって駆動
する光学素子保持装置において、上記転動部材、可動保
持部材の移動に伴って移動する部材、転動部材を転動可
能に保持する部材、転動部材と可動保持部材とを圧接さ
せる加圧部材および各部材を互いに組み付けるための締
結部材を非磁性体により形成している。
【0021】すなわち、可動保持部材の可動支持を転動
部材により行うことで、光学素子を、簡単な構成で、か
つ極力駆動抵抗が少なくなるように支持でき、しかも光
軸方向のガタなく確実に光軸に対して垂直に保ってシフ
ト移動させることができるようにするとともに、電磁駆
動部材の磁気回路中又はその近傍に配置される上記各部
材を磁気による影響を受けない非磁性体とすることによ
り、磁気回路の乱れや電磁駆動部材の磁力によって上記
転動部材の回転に不必要な抵抗が生じるの回避して高精
度のシフト位置制御が可能で、しかも組み立て易い光学
素子保持装置を実現している。
【0022】なお、上記転動部材を保持する部材に、こ
の部材よりも高硬度を有して転動部材に当接する非磁性
体部材を取り付けて、転動部材との当接面の変形防止と
耐摩耗性を向上させるようにしてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)まず、図3には、本発明の第1実施形
態であるレンズ鏡筒(光学機器)における防振装置(光
学素子保持装置)の電気的構成を示している。この防振
装置は、振動センサーとして角変位検出装置を用いて、
カメラのブレ61(縦ブレ61p及び横ブレ61y)に
起因する像ブレを抑制する装置であり、特開平5−29
7443号公報等で詳しく述べられている防振装置と基
本的に同じものである。
【0024】同図中、62は撮影光学系を有するレンズ
鏡筒である。63p,63yはそれぞれ、縦ブレ角変
位、横ブレ角変位を検出する角変位検出装置で、図にお
いては、それぞれの角変位検出方向を64p,64yで
示している。
【0025】65p,65yは演算回路であり、角変位
検出装置63p,63yからの信号に基づいて演算を行
い、補正レンズ9を保持する可動枠8のシフト駆動目標
信号を出力する。13p,13yはそれぞれ可動枠8を
ピッチ方向およびヨー方向に駆動するための駆動コイル
であり、不図示の制御回路により上記目標信号に応じて
通電制御される。68p,68yは可動枠8(補正レン
ズ9)のピッチ方向およびヨー方向位置を検出するため
の位置検出センサーである。制御回路は、この位置セン
サー68p,68yからのフィードバック信号に基づい
て可動枠8を目標信号に対応するシフト位置まで移動さ
せ、安定した像面69を得る。
【0026】図1および図2には、上記第1実施形態で
あるレンズ鏡筒の機械的構成を示している。これらの図
において、1は支持枠(請求の範囲にいう転動部材を保
持する部材の1つ)で、非磁性体であるエンジニアリン
グプラスチックス材により形成されている。この支持枠
1は、図3に示したレンズ鏡筒62に対して、円筒外周
面1aを嵌合させて光軸方向のみ移動可能に取り付けら
れる。支持枠1の前側端面1bには、その中央に撮影光
束を通過させる開口部1cが形成されている。なお、2
1は撮影光学系および補正レンズ9の光軸である。
【0027】2は第1ボール(請求の範囲にいう転動部
材)であり、非磁性体のステンレススチール(SUS)
材により形成されている。なお、本実施形態では、3個
の第1ボール2が用いられている。
【0028】3は支持枠1の前側端面1bにおける開口
部1cの周りに、略120°の角度間隔でほぼ均等に3
つ形成された第1ボール保持部である。各第1ボール保
持部3は、2点で各第1ボール2に当接して、これら当
接点にて第1ボール2の光軸方向と光軸垂直方向の2方
向の位置規制が可能なV字型断面形状を有しており、第
1ボール2を回転可能に保持する。なお、本実施形態で
は、3個の第1ボール2の径は互いに等しく、各第1ボ
ール保持部3に保持されて前側端面1bから突出した3
個の第1ボール2の光軸方向前端(頂点部)の光軸方向
位置も互いに等しい。
【0029】4は板状の案内部材(請求の範囲にいう転
動部材を保持する部材の1つであるとともに、可動保持
部材の移動に伴って移動する部材の1つ)であり、非磁
性体であるエンジニアリングプラスチックス材により形
成されている。この案内部材4の中央には、撮影光束を
通過させる開口部4aが形成されている。また、案内部
材4の背面4bにおける第1ボール2と対向する位置に
は、第1ボール保持溝5が形成されている。各第1ボー
ル保持溝5は、2点で第1ボール2に当接してこれら当
接点にて第1ボール2の光軸方向と光軸垂直方向の2方
向の位置規制が可能なV字型断面形状を有しており、第
1ボール2を回転可能に保持するとともに、案内部材4
の支持枠1に対する最大ヨー方向シフト量より長くヨー
方向yに延びている。なお、3つの第1ボール保持溝5
における第1ボール2との当接点の光軸方向位置は互い
に等しいため、第1ボール2を介して支持枠1に支持さ
れた案内部材4は、光軸に対して垂直状態を維持したま
まヨー方向yにシフト可能である。
【0030】6は第2ボール(請求の範囲にいう転動部
材)であり、非磁性体のステンレススチール(SUS)
材により形成されている。7は案内部材4の前面4cに
おける開口部4aの周りに略120°の角度間隔でほぼ
均等に3つ形成された第2ボール保持部である。各第2
ボール保持部7は、2点で各第2ボール6に当接して、
これら当接点にて第2ボール6の光軸方向と光軸垂直方
向の2方向の位置規制が可能なV字型断面形状を有して
おり、第2ボール6を回転可能に保持する。なお、本実
施形態では、3個の第2ボール6の径は互いに等しく、
各第2ボール保持部7に保持されて前面4cから突出し
た3個の第2ボール6の光軸方向前端(頂点部)の光軸
方向位置も互いに等しい。
【0031】8は可動枠(請求の範囲にいう可動保持部
材)であり、非磁性体であるエンジニアリングプラスチ
ックス材により形成されている。この可動枠8の中央に
は、補正レンズ9を保持する開口部8aが形成されてお
り、背面8bにおける第2ボール6と対向する位置に
は、第2ボール保持溝10が形成されている。各第2ボ
ール保持溝10は、2点で第2ボール6に当接してこれ
ら当接点にて第2ボール6の光軸方向と光軸垂直方向の
2方向の位置規制が可能なV字型断面形状を有してお
り、第2ボール6を回転可能に保持するとともに、可動
枠8の案内部材4(および支持枠1)に対する最大ピッ
チ方向シフト量より長くピッチ方向pに延びている。な
お、3つの第2ボール保持溝10における第2ボール6
との当接点の光軸方向位置は互いに等しいため、第2ボ
ール6を介して案内部材4に支持された可動枠8は、光
軸に対して垂直状態を維持したままピッチ方向pにシフ
ト可能である。
【0032】11pはピッチマグネット、12pはピッ
チヨークで、これらはともに支持枠1の上側中央凹部1
pに固定されている。13pはピッチコイルで、可動枠
8の上端中央部に固定されている。11yはヨーマグネ
ット、12yはヨーヨークで、これらはともに支持枠1
の横側中央凹部1yに固定されている。13yはヨーコ
イルで、可動枠8の横端中央部に固定されている。14
は前側ヨークで、ピッチ用およびヨー用の共通部品とし
て構成されている。これらコイル13p,13yは、マ
グネット11p,11yと前側ヨーク14との間にわず
かなエアギャップを有し、マグネットとヨークにより形
成される磁気回路中に配置される。このため、コイル1
3pに電流を流すと可動枠8はピッチ方向に駆動され、
コイル13yに電流を流すと可動枠8はヨー方向に駆動
される。これらマグネット,ヨーク(前側ヨーク14も
含む)およびコイルにより請求の範囲にいう電磁駆動部
材が構成される。
【0033】また、可動枠8にはピッチスリット15p
とヨースリット15yとが形成されており、これらスリ
ット15p,15yに対向して図3に示した位置検出セ
ンサー68p,68yが配置されている。これら位置検
出センサー68p,68yは、赤外発光ダイオードiR
ED等からなる発光素子(但し、スリットの背後に隠れ
るため図示せず)と半導体位置検出素子PSD等からな
る受光素子により構成されており、発光素子から照射さ
れてスリット15p,15yを通って受光素子に入射し
た光の入射位置(受光素子に対するスリット15p,1
5yの位置)によって可動枠8のピッチ方向とヨー方向
の位置検出を行う。
【0034】8cは可動枠8の前面8dに、この前面8
dより僅かに前方に突出形成された3つのボール受面
(可動保持部材の移動に伴って移動する部材の1つ)で
ある。各ボール受面8cは、後述する押え用ボール16
(3個のうち1個は部品の背後に隠れるため図示せず)
の当接を受ける平滑で光軸と垂直な面として形成されて
おり、可動枠8の後述するリテーナ17や支持枠1に対
する最大ヨーおよびピッチ方向シフト範囲より広い面積
を有する。
【0035】押え用ボール(請求の範囲にいう転動部
材)16は、非磁性体のステンレススチール(SUS)
材により形成されている。リテーナ(請求の範囲にいう
転動部材を保持する部材の1つ)17は、非磁性体のス
テンレススチール(SUS)材により板状に形成されて
いる。このリテーナ17の中央には撮影光束を通過させ
る開口部17aが形成されている。また、リテーナ17
における開口部17aの周りには、略120°の角度間
隔でほぼ均等に押え用ボール16を回転可能に保持する
穴部17b(3個のうち1個は部品の背後に隠れるため
図示せず)が形成されている。なお、各穴部17bは、
各押え用ボール16の中心を含み光軸に垂直な面を包含
する位置にてボール16を保持する。ここで、3個の押
え用ボール16は径が等しく、各ボール16における穴
部17bから突出した光軸方向前端(前側頂点部)およ
び後端(後側頂点部)の光軸方向位置は互いに等しい。
また、リテーナ17の外周には、固定用の腕部17cが
形成されている。
【0036】18は板バネ(請求の範囲にいう加圧部材
の1つ)であり、非磁性体のばね用ステンレススチール
(SUS)板材やばね用リン青銅板材により形成されて
いる。この板バネ18の中央には撮影光束を通過させる
開口部18aが形成されている。また、板バネ18の外
周には、略120°の角度間隔でほぼ均等に固定用の腕
部18bが形成されている。
【0037】この板バネ18はその背面18cで3個の
押え用ボール16と当接し、可動枠8がシフト駆動され
る際に過大な負荷とならないよう、しかも可動枠8に搭
載される補正レンズ9やコイル13p,13y等を含む
可動枠ユニット8uと案内部材4及び各ボールを加えた
重さに打ち勝ち光軸方向にそれらを押え得る最小限の力
でこれらを押圧している。
【0038】19は押圧力調整ワッシャ(請求の範囲に
いう加圧部材および締結部材の1つ)であり、非磁性体
の黄銅材により形成されている。この押圧力調整ワッシ
ャ19は、板バネ18の押圧力を調節するためリテーナ
17と板バネ18との間隔を変化させて板バネ18の押
え用ボール16に当接して変位する量を調節する。
【0039】20は前側ヨーク14,リテーナ17,板
バネ18および押圧力調整ワッシャ19を支持枠1に固
定組み付けするとともに、可動枠8および案内部材4を
支持枠1に対して可動組み付けするための3本のビス
(請求の範囲にいう締結部材の1つ)であり、非磁性体
のステンレススチール(SUS)材や黄銅材により形成
されている。各ビス20は、前側ヨーク14,リテーナ
17および板バネ18に形成されたビス通し穴14a
(3個のうち1個は部品の背後に隠れるため図示せ
ず),17d,18dとワッシャ19自体の穴に挿入さ
れて、支持枠1に設けられたビス締め部1dに締め込ま
れる。
【0040】このようにして組み立てられた防振装置で
は、ヨーコイル13yに通電されると、ヨー方向駆動用
の電磁力が発生する。この際、第2ボール保持溝10の
側面(V溝形成面)、第2ボール6および第2ボール保
持部7の側面を介して可動枠8とヨー方向について係合
したかたちとなる案内部材4が、第1ボール保持溝5に
おいて第1ボール2により案内されながらヨー方向に駆
動され、結果として可動枠ユニット8uが所定量ヨー方
向へシフトする。
【0041】また、ピッチコイル13pに通電される
と、ピッチ方向駆動用の電磁力が発生する。この際、可
動枠8は、第1ボール保持部3の側面、第1ボール2お
よび第1ボール保持溝5の側面(V溝形成面)を介して
支持枠1にピッチ方向について固定保持されたかたちと
なる案内部材4に対して、第2ボール保持溝10におい
て第2ボール6により案内されながらピッチ方向に駆動
され、結果として可動枠ユニット8uが所定量ピッチ方
向へシフトする。
【0042】従って、ピッチ方向とヨー方向の合成によ
る位置に駆動目標信号が与えられると、ピッチコイル1
3pとヨーコイル13yにそれぞれ通電され、電磁力に
より可動枠ユニット8uは所定方向へシフトする。そし
て、ピッチスリット15pとヨースリット15yのそれ
ぞれに対応して設けられた位置検出センサ68p,68
yにより可動枠ユニット8uのピッチ方向とヨー方向の
位置検出が行われ、目標位置に可動枠ユニット8uがシ
フトしたかどうかを駆動目標信号にフィードバックす
る。
【0043】このように可動枠ユニット8uがシフトす
る際、可動枠ユニット8uは支持枠1に対し、ボール
2,6および案内部材4を介して板バネ18の光軸方向
への適切な押圧力により光軸方向のガタなく平行に支持
されるため、光軸に垂直な平面上でシフトすることがで
きる。従って、光軸に対する倒れや光軸方向のガタ等に
よる光学性能の劣化は生じ難い。
【0044】また、本実施形態では、電磁駆動部材の磁
気回路中又はその近傍に配置される各部材1,2,4,
6,8,16,17,18,,19,20が非磁性体に
より形成されているので、磁気回路が乱されず、また磁
気の影響により各ボール2,6,16の回転が阻害され
ることがなく、高精度の可動枠ユニット8uのシフト位
置制御を行うことができる。
【0045】さらに、各ボール2,6,16やビス2
0、ワッシャ19を非磁性体により形成しているため、
組立時にこれら部材が磁力により吸着されることがな
く、組立てを容易かつスムーズに行うことができる。
【0046】しかも、軸と軸受の摺動による摩擦抵抗に
比べ極めて抵抗の少ないボール2,6のころがり摩擦を
用いて支持されるので、電磁駆動によるシフト駆動力を
小さくすることができる。また、ばね部材による復元力
を用いず、案内部材4により可動枠8の光軸周りの回転
を防止しているので、シフト時のばね部材からの負荷が
可動枠ユニット8uに加わらない。よって、電磁駆動に
よるシフト駆動力を小さくするのに好都合である。
【0047】(第2実施形態)図4および図5には、本
発明の第2実施形態であるレンズ鏡筒の機械的構成を示
している。なお、本実施形態における電気的構成は、第
1実施形態にて図3を用いて説明したものと同様であ
る。
【0048】これらの図において、201は支持枠(請
求の範囲にいう転動部材を保持する部材の1つ)で、非
磁性体であるエンジニアリングプラスチックス材により
形成されている。この支持枠2011は、レンズ鏡筒に
対して、円筒外周面201aを嵌合させて光軸方向のみ
移動可能に取り付けられる。支持枠201の前側端面2
01bには、その中央に撮影光束を通過させる開口部2
01cが形成されている。なお、221は撮影光学系お
よび補正レンズ209の光軸である。
【0049】202は第1ボール(請求の範囲にいう転
動部材)であり、非磁性体のステンレススチール(SU
S)材により形成されている。なお、本実施形態では、
3個の第1ボール202が用いられている。
【0050】203は支持枠201の前側端面201b
における開口部201cの周りに接合された第1ボール
保持部材(請求の範囲にいう転動部材を保持する部材の
1つ)であり、略120°の角度間隔でほぼ均等に3つ
形成された第1ボール保持部203aを有している。こ
の第1ボール保持部材203は、支持枠201の材料よ
りも硬い非磁性体のステンレススチール(SUS)材や
セラミックス材により形成されている。各第1ボール保
持部203aは、2点で各第1ボール202に当接し
て、これら当接点にて第1ボール202の光軸方向と光
軸垂直方向の2方向の位置規制が可能なV字型断面形状
を有しており、第1ボール202を回転可能に保持す
る。なお、本実施形態では、3個の第1ボール202の
径は互いに等しく、各第1ボール保持部203aに保持
されて前側端面201bから突出した3個の第1ボール
202の光軸方向前端(頂点部)の光軸方向位置も互い
に等しい。
【0051】204は板状の案内部材(請求の範囲にい
う転動部材を保持する部材の1つであるとともに、可動
保持部材の移動に伴って移動する部材の1つ)であり、
非磁性体であるエンジニアリングプラスチックス材によ
り形成されている。この案内部材204の中央には、撮
影光束を通過させる開口部204aが形成されている。
また、案内部材204の背面204bには、第1ボール
保持溝部材(請求の範囲にいう転動部材を保持する部材
の1つであるとともに、可動保持部材の移動に伴って移
動する部材の1つ)205が接合されており、この第1
ボール保持溝部材205における第1ボール202と対
向する位置には、第1ボール保持溝205aが形成され
ている。
【0052】この第1ボール保持溝部材205は、案内
部材204の材料よりも硬い非磁性体のステンレススチ
ール(SUS)材やセラミックス材により形成されてい
る。各第1ボール保持溝205aは、2点で第1ボール
202に当接してこれら当接点にて第1ボール202の
光軸方向と光軸垂直方向の2方向の位置規制が可能なV
字型断面形状を有しており、第1ボール202を回転可
能に保持するとともに、案内部材204の支持枠201
に対する最大ヨー方向シフト量より長くヨー方向yに延
びている。なお、3つの第1ボール保持溝205aにお
ける第1ボール202との当接点の光軸方向位置は互い
に等しいため、第1ボール202を介して支持枠201
に支持された案内部材204は、光軸に対して垂直状態
を維持したままヨー方向yにシフト可能である。
【0053】206は第2ボール(請求の範囲にいう転
動部材)であり、非磁性体のステンレススチール(SU
S)材により形成されている。207は案内部材204
の前面204cに接合された第2ボール保持部材(請求
の範囲にいう転動部材を保持する部材の1つであるとと
もに、可動保持部材の移動に伴って移動する部材の1
つ)であり、開口部204aの周りに略120°の角度
間隔でほぼ均等に3つ形成された第2ボール保持部20
7aを有している。この第2ボール保持部材207は、
案内部材204の材料よりも硬い非磁性体のステンレス
スチール(SUS)材やセラミックス材により形成され
ている。
【0054】各第2ボール保持部207aは、2点で各
第2ボール206に当接して、これら当接点にて第2ボ
ール206の光軸方向と光軸垂直方向の2方向の位置規
制が可能なV字型断面形状を有しており、第2ボール2
06を回転可能に保持する。なお、本実施形態では、3
個の第2ボール206の径は互いに等しく、各第2ボー
ル保持部207aに保持されて前面204cから突出し
た3個の第2ボール206の光軸方向前端(頂点部)の
光軸方向位置も互いに等しい。
【0055】208は可動枠(請求の範囲にいう可動保
持部材)であり、非磁性体であるエンジニアリングプラ
スチックス材により形成されている。この可動枠208
の中央には、補正レンズ209を保持する開口部208
aが形成されている。また、可動枠208の背面208
bには、第2ボール保持溝部材(請求の範囲にいう転動
部材を保持する部材の1つであるとともに、可動保持部
材の移動に伴って移動する部材の1つ)210が接合さ
れており、この第2ボール保持溝部材210における第
2ボール206と対向する位置には、第2ボール保持溝
210aが形成されている。
【0056】この第2ボール保持溝部材210は、可動
枠208の材料よりも硬い非磁性体のステンレススチー
ル(SUS)材やセラミックス材により形成されてい
る。各第2ボール保持溝210aは、2点で第2ボール
206に当接してこれら当接点にて第2ボール206の
光軸方向と光軸垂直方向の2方向の位置規制が可能なV
字型断面形状を有しており、第2ボール206を回転可
能に保持するとともに、可動枠208の案内部材204
(および支持枠201)に対する最大ピッチ方向シフト
量より長くピッチ方向pに延びている。なお、3つの第
2ボール保持溝210における第2ボール206との当
接点の光軸方向位置は互いに等しいため、第2ボール2
06を介して案内部材204に支持された可動枠208
は、光軸に対して垂直状態を維持したままピッチ方向p
にシフト可能である。
【0057】211pはピッチマグネット、212pは
ピッチヨークで、これらはともに支持枠201の上側中
央凹部201pに固定されている。213pはピッチコ
イルで、可動枠208の上端中央部に固定されている。
211yはヨーマグネット、212yはヨーヨークで、
これらはともに支持枠201の横側中央凹部201yに
固定されている。213yはヨーコイルで、可動枠20
8の横端中央部に固定されている。214は前側ヨーク
で、ピッチ用およびヨー用の共通部品として構成されて
いる。これらコイル213p,213yは、マグネット
211p,211yと前側ヨーク214との間にわずか
なエアギャップを有し、マグネットとヨークにより形成
される磁気回路中に配置される。このため、コイル21
3pに電流を流すと可動枠208はピッチ方向に駆動さ
れ、コイル213yに電流を流すと可動枠208はヨー
方向に駆動される。これらマグネット,ヨーク(前側ヨ
ーク214も含む)およびコイルにより請求の範囲にい
う電磁駆動部材が構成される。
【0058】また、可動枠208にはピッチスリット2
15pとヨースリット215yとが形成されており、こ
れらスリット215p,215yに対向して、第1実施
形態にて説明したものと同様の位置検出センサーが配置
される。
【0059】208cは可動枠208の前面208d
に、この前面208dより僅かに前方に突出形成された
3つのボール受面(可動保持部材の移動に伴って移動す
る部材の1つ)である。各ボール受面208cは、後述
する押え用ボール216(3個のうち1個は部品の背後
に隠れるため図示せず)の当接を受ける平滑で光軸と垂
直な面として形成されており、可動枠208の後述する
リテーナ217や支持枠201に対する最大ヨーおよび
ピッチ方向シフト範囲より広い面積を有する。
【0060】押え用ボール(請求の範囲にいう転動部
材)216は、非磁性体のステンレススチール(SU
S)材により形成されている。リテーナ(請求の範囲に
いう転動部材を保持する部材の1つ)217は、非磁性
体のステンレススチール(SUS)材により板状に形成
されている。このリテーナ217の中央には撮影光束を
通過させる開口部217aが形成されている。また、リ
テーナ217における開口部217aの周りには、略1
20°の角度間隔でほぼ均等に押え用ボール216を回
転可能に保持する穴部217b(3個のうち1個は部品
の背後に隠れるため図示せず)が形成されている。な
お、各穴部217bは、各押え用ボール216の中心を
含み光軸に垂直な面を包含する位置にてボール216を
保持する。ここで、3個の押え用ボール216は径が等
しく、各ボール216における穴部217bから突出し
た光軸方向前端(前側頂点部)および後端(後側頂点
部)の光軸方向位置は互いに等しい。また、リテーナ2
17の外周には、固定用の腕部217cが形成されてい
る。
【0061】218は板バネ(請求の範囲にいう加圧部
材の1つ)であり、非磁性体のばね用ステンレススチー
ル(SUS)板材やばね用リン青銅板材により形成され
ている。この板バネ218の中央には撮影光束を通過さ
せる開口部218aが形成されている。また、板バネ2
18の外周には、略120°の角度間隔でほぼ均等に固
定用の腕部218bが形成されている。
【0062】この板バネ218はその背面218cで3
個の押え用ボール216と当接し、可動枠208がシフ
ト駆動される際に過大な負荷とならないよう、しかも可
動枠208に搭載される補正レンズ209やコイル21
3p,213y等を含む可動枠ユニット208uと案内
部材204及び各ボールを加えた重さに打ち勝ち光軸方
向にそれらを押え得る最小限の力でこれらを押圧してい
る。
【0063】219は押圧力調整ワッシャ(請求の範囲
にいう加圧部材および締結部材の1つ)であり、非磁性
体の黄銅材により形成されている。この押圧力調整ワッ
シャ219は、板バネ218の押圧力を調節するためリ
テーナ217と板バネ218との間隔を変化させて板バ
ネ218の押え用ボール216に当接して変位する量を
調節する。
【0064】220は前側ヨーク214,リテーナ21
7,板バネ218および押圧力調整ワッシャ219を支
持枠1に固定組み付けするとともに、可動枠208およ
び案内部材204を支持枠201に対して可動組み付け
するための3本のビス(請求の範囲にいう締結部材の1
つ)であり、非磁性体のステンレススチール(SUS)
材や黄銅材により形成されている。各ビス220は、前
側ヨーク214,リテーナ217および板バネ218に
形成されたビス通し穴214a(3個のうち1個は部品
の背後に隠れるため図示せず),217d,218dと
ワッシャ219自体の穴に挿入されて、支持枠201に
設けられたビス締め部201dに締め込まれる。
【0065】このようにして組み立てられた防振装置で
は、ヨーコイル213yに通電されると、ヨー方向駆動
用の電磁力が発生する。この際、第2ボール保持溝21
0aの側面(V溝形成面)、第2ボール206および第
2ボール保持部207aの側面を介して可動枠208と
ヨー方向について係合したかたちとなる案内部材204
が、第1ボール保持溝205aにおいて第1ボール20
2により案内されながらヨー方向に駆動され、結果とし
て可動枠ユニット208uが所定量ヨー方向へシフトす
る。
【0066】また、ピッチコイル213pに通電される
と、ピッチ方向駆動用の電磁力が発生する。この際、可
動枠208は、第1ボール保持部203aの側面、第1
ボール202および第1ボール保持溝205aの側面
(V溝形成面)を介して支持枠201にピッチ方向につ
いて固定保持されたかたちとなる案内部材204に対し
て、第2ボール保持溝210aにおいて第2ボール20
6により案内されながらピッチ方向に駆動され、結果と
して可動枠ユニット208uが所定量ピッチ方向へシフ
トする。
【0067】従って、ピッチ方向とヨー方向の合成によ
る位置に駆動目標信号が与えられると、ピッチコイル2
13pとヨーコイル213yにそれぞれ通電され、電磁
力により可動枠ユニット208uは所定方向へシフトす
る。そして、ピッチスリット215pとヨースリット2
15yのそれぞれに対応して設けられた位置検出センサ
68p,68yにより可動枠ユニット208uのピッチ
方向とヨー方向の位置検出が行われ、目標位置に可動枠
ユニット208uがシフトしたかどうかを駆動目標信号
にフィードバックする。
【0068】このように可動枠ユニット208uがシフ
トする際、可動枠ユニット208uは支持枠201に対
し、ボール202,206および案内部材204を介し
て板バネ218の光軸方向への適切な押圧力により光軸
方向のガタなく平行に支持されるため、光軸に垂直な平
面上でシフトすることができる。従って、光軸に対する
倒れや光軸方向のガタ等による光学性能の劣化は生じ難
い。
【0069】また、本実施形態では、電磁駆動部材の磁
気回路中又はその近傍に配置される各部材201,20
2,204,206,208,216,217,21
8,,219,220が非磁性体により形成されている
ので、磁気回路が乱されず、また磁気の影響により各ボ
ール202,206,216の回転が阻害されることが
なく、高精度の可動枠ユニット8uのシフト位置制御を
行うことができる。
【0070】しかも、本実施形態では、ボール202,
206が当接する保持部203a,205aや保持溝2
07a,210aの強度(硬度)を上げているので、こ
れら保持部や保持溝の衝撃等の外力による変形防止と耐
摩耗性の向上を図ることができ、信頼性の高い高精度な
シフト位置制御を行うことができる。なお、保持部や保
持溝の強度(硬度)を上げるために非磁性体の部材20
3,205,207,10を用いることで、前述のよう
に電磁駆動部材の磁気回路を乱さず、また磁気の影響も
受けない。
【0071】さらに、各ボール202,206,216
やビス220、ワッシャ219を非磁性体により形成し
ているため、組立時にこれら部材が磁力により吸着され
ることがなく、組立てを容易かつスムーズに行うことが
できる。
【0072】しかも、軸と軸受の摺動による摩擦抵抗に
比べ極めて抵抗の少ないボール202,206のころが
り摩擦を用いて支持されるので、電磁駆動によるシフト
駆動力を小さくすることができる。また、ばね部材によ
る復元力を用いず、案内部材204により可動枠208
の光軸周りの回転を防止しているので、シフト時のばね
部材からの負荷が可動枠ユニット208uに加わらな
い。よって、電磁駆動によるシフト駆動力を小さくする
のに好都合である。
【0073】なお、上記各実施形態では、第1ボール保
持部3,203aを支持枠1,201側に、第1ボール
保持溝5,205aを案内部材4,204側に設け、第
2ボール保持部7,207aを案内部材4,204側
に、第2ボール保持溝10,210aを可動枠8,20
8側に設けた場合について説明したが、逆に第1ボール
保持部を案内部材側に、第1ボール保持溝を支持枠側に
設け、第2ボール保持部を可動枠側に、第2ボール保持
溝を案内部材側に設けてもよい。
【0074】また、上記各実施形態では、押え用ボール
16,216およびリテーナ17,217を用いた場合
について説明したが、板バネ18,218に押え用ボー
ルに相当する半球状の突部を一体に設け、押え用ボール
とリテーナをなくしてコストダウンを図ってもよい。
【0075】また、上記各実施形態では、レンズを可動
保持する装置およびこれを備えたレンズ鏡筒について説
明したが、本発明は、レンズ以外の光学素子を保持する
装置にも適用することができ、またレンズ鏡筒以外の光
学機器にも適用することができる。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
可動保持部材の可動支持を転動部材により行っているの
で、光学素子を、簡単な構成で、光軸方向のガタなく確
実に光軸に対して垂直に保ってシフト移動させることが
できる。しかも、電磁駆動部材の磁気回路中又はその近
傍に配置される各部材を磁気による影響を受けない非磁
性体としているので、磁気回路の乱れや電磁駆動部材の
磁力によって転動部材の回転に不必要な抵抗が生じるの
回避でき、高精度のシフト位置制御が可能で、かつ組み
立て易い光学素子保持装置を実現することができる。
【0077】なお、上記転動部材を保持する部材に、こ
の部材よりも高硬度を有して転動部材に当接する非磁性
体部材を取り付ければ、転動部材との当接面の変形防止
と耐摩耗性の向上を図ることができ、信頼性の高い高精
度のシフト位置制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるレンズ鏡筒におけ
る防振装置の分解斜視図である。
【図2】上記防振装置の断面図(図1のA−A断面図)
である。
【図3】上記防振装置の電気的構成を示す概略斜視図で
ある。
【図4】本発明の第2実施形態であるレンズ鏡筒におけ
る防振装置の分解斜視図である。
【図5】上記防振装置の断面図(図4のB−B断面図)
である。
【符号の説明】
1,201 支持枠 2,202 第1ボール 4,204 案内部材 6,206 第2ボール 8,208 可動枠 9,209 補正レンズ 11p,11y,211p,211y マグネット 12p,12y,212p,212y,14,214
ヨーク 13p,13y,213p,213y コイル 16,216 押え用ボール 17,217 リテーナ 18,218 板バネ 19,219 押圧力調整ワッシャ 20,220 ビス

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を保持し、転動部材により光軸
    に垂直な面内で移動可能に支持された可動保持部材を、
    電磁駆動部材によって駆動する光学素子保持装置におい
    て、 前記転動部材が非磁性体により形成されていることを特
    徴とする光学素子保持装置。
  2. 【請求項2】 前記転動部材が球状部材であることを特
    徴とする請求項1に記載の光学素子保持装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁駆動部材以外に、前記可動保持
    部材の移動に伴って移動する部材を有しており、 この可動保持部材の移動に伴って移動する部材が非磁性
    体により形成されていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の光学素子保持装置。
  4. 【請求項4】 前記転動部材を転動可能に保持する部材
    を有しており、 この転動部材を保持する部材が非磁性体により形成され
    ていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載の光学素子保持装置。
  5. 【請求項5】 前記転動部材を保持する部材に、この部
    材よりも高硬度を有して前記転動部材に当接する非磁性
    体部材を取り付けたことを特徴とする請求項4に記載の
    光学素子保持装置。
  6. 【請求項6】 前記転動部材と前記可動保持部材とを圧
    接させる加圧部材を有しており、 前記加圧部材が非磁性体により形成されていることを特
    徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学素子保
    持装置。
  7. 【請求項7】 前記各部材を互いに組み付けるための締
    結部材を有しており、 前記締結部材が非磁性体により形成されていることを特
    徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光学素子保
    持装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれかに記載の光学
    素子保持装置を備えたことを特徴とする光学機器。
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