JPH1164063A - 流量センサ - Google Patents

流量センサ

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JPH1164063A
JPH1164063A JP9240230A JP24023097A JPH1164063A JP H1164063 A JPH1164063 A JP H1164063A JP 9240230 A JP9240230 A JP 9240230A JP 24023097 A JP24023097 A JP 24023097A JP H1164063 A JPH1164063 A JP H1164063A
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JP
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temperature
resistor
flow rate
fluid
heating resistor
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Application number
JP9240230A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamagishi
喜代志 山岸
Shinichi Inoue
眞一 井上
Atsushi Koike
淳 小池
Motohiro Yabusaki
素弘 薮崎
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マイクロコンピュータにおける処理量や、必
要なメモリ容量を減少させることができる流量検出出力
が得られるようにする。また流量に対する流量検出出力
の特性曲線の傾きを大きくする。 【解決手段】 流体の流量に応じて温度が変化する発熱
抵抗体1と、この発熱抵抗体に隣接して設けられた発熱
抵抗体温度検出用測温抵抗体2と、この発熱抵抗体温度
検出用測温抵抗体を含むブリッジ回路14とを備え、こ
のブリッジ回路の差電圧を前記流量に応じた流量検出出
力とする傍熱型の流量センサにおいて、前記ブリッジ回
路は流体の温度を検出するための水温補償用測温抵抗体
6を含み、前記流量センサはさらに前記差電圧を前記流
体の温度に実質的に依存しない流量検出出力とするため
の、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体と水温補償用測温
抵抗体間のサーミスタ定数の不一致を補正するための調
整手段13を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流量センサに関
し、特に民需(一般家庭)用に適しており、中でも特に
給湯器、ボイラ、温水器、24時間風呂等に用いるのに
適した傍熱型の流量センサに関する。
【0002】
【従来の技術】図5は従来の傍熱型の流量センサの回路
図である。この流量センサは、同図に示すように、流体
の流量に応じて温度が変化する発熱抵抗体1と、発熱抵
抗体1に隣接して設けられた発熱抵抗体温度検出用測温
抵抗体2とを有し、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2
を用いて分圧された電圧を前記流量に応じた流量検出出
力とするものである。4は定電圧電源であり、3は定電
圧電源4により印加される一定の電圧を、発熱抵抗体温
度検出用測温抵抗体2とで分圧している固定抵抗であ
る。5は発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2および固定
抵抗3によって分圧された電圧を測定するための電圧測
定装置である。
【0003】この構成において、発熱抵抗体1ならび
に、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2および分圧抵抗
3の直列回路に対し、定電圧電源4により一定の電圧を
印加すると、発熱抵抗体1は発熱するが、その温度は、
流体の温度が一定の場合、流体の流量に応じた値とな
る。ただし、流体温度が変化すると、流量が一定でも発
熱抵抗体1の温度は変化するので、これを考慮する必要
がある。発熱抵抗体1の温度に応じた前記分圧された電
圧を流量検出出力として電圧測定装置5によって測定す
ることができる。
【0004】図6は、このようにして測定される出力電
圧(流量検出出力)の流量に対する変化を示す。ただ
し、流体の温度が10℃、20℃、30℃、40℃、5
0℃の各場合について示している。このような出力電圧
−流量特性を示す測定データを流体の各温度について予
め得ておき、実際の流量測定にあたっては、測定される
流量検出出力および流体温度により対応する流量を、マ
イクロコンピュータにより前記データから補間すること
によって得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来技術によれば、とり得る流体の温度および流量
の範囲において、各流体温度についての出力電圧−流量
特性を表す膨大な量のデータを予め測定して記憶させて
おく必要がある。このため、メモリの容量を多く必要と
するとともに、マイクロコンピュータの処理量も多くて
測定に時間がかかるという問題がある。
【0006】また、民需用として広く用いられている8
ビットのマイクロコンピュータの場合、8ビット全部を
使用すると、0〜5Vの分圧出力を想定した場合、これ
をA/D変換したデータとして0.02V程度の分解能
で表現することができる。しかし、最近は低価格化の要
請がより大きくなってきており、また1つのマイクロコ
ンピュータに対して複数の処理が要求されるようになっ
てきている等のため、より少ないビットを使用した低い
分解能でも精度良く流量を測定できるのが好ましい。か
かる要請に対し、従来技術によれば、図6に示されるよ
うに、出力電圧−流量特性曲線の傾きが小さく、分解能
が低いと、流量測定精度が落ちるという問題がある。
【0007】また、図5の従来例において、流量検出出
力の流体温度依存性を補償するために、流体温度を検出
するためのサーミスタを用い、このサーミスタと、発熱
抵抗体温度検出用測温抵抗体2とを含むブリッジ回路を
設け、その差電圧を流量検出出力とすることも考えられ
るが、その場合は、前記サーミスタのサーミスタ定数
(B定数)や、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2のサ
ーミスタ定数のばらつき等に起因して、要求される補償
精度を満足するのは事実上困難であるという問題があ
る。
【0008】また、流量センサを構成する各部品の特性
のばらつきや、流量センサを流量計に実装するときの樹
脂の充填度合による熱伝導度のばらつきにより、流量セ
ンサの特性がばらつくという問題もある。
【0009】本発明の目的は、このような従来技術の問
題点に鑑み、流量センサにおいて、マイクロコンピュー
タにおける処理量や、必要なメモリ容量を減少させるこ
とができる流量検出出力が得られるようにすることにあ
る。また、流量に対する流量検出出力の特性曲線の傾き
を大きくすることにある。さらには、流量センサの部品
や実装状態のばらつきによる問題を解消することにあ
る。またさらに、流量検出出力の流体温度依存性を補償
するためのサーミスタを用いる場合に、サーミスタ定数
のばらつき等に起因する温度補償の困難性を解消し、要
求される補償精度を達成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明では、流体の流量に応じて温度が変化する発熱抵
抗体と、この発熱抵抗体に隣接して設けられた発熱抵抗
体温度検出用測温抵抗体と、この発熱抵抗体温度検出用
測温抵抗体を含むブリッジ回路とを備え、このブリッジ
回路の差電圧を前記流量に応じた流量検出出力とする傍
熱型の流量センサにおいて、前記ブリッジ回路は流体の
温度を検出するための水温補償用測温抵抗体を含み、前
記流量センサはさらに前記差電圧を前記流体の温度に実
質的に依存しない流量検出出力とするための、前記発熱
抵抗体温度検出用測温抵抗体と水温補償用測温抵抗体間
のサーミスタ定数の不一致を補正するための調整手段を
具備することを特徴とする。
【0011】また、前記ブリッジ回路はさらに、前記発
熱抵抗体温度検出用測温抵抗体および水温補償用測温抵
抗体間の抵抗温度特性に関するばらつきを補正するため
の調整手段(可変抵抗3,7,11,12)を具備する
ことを特徴とする。さらに、前記流量検出出力を反転
し、増幅する手段を有することを特徴とする。
【0012】この構成において、発熱抵抗体温度検出用
測温抵抗体は、流体の流量に応じてその抵抗値が変化す
るが、流体の温度によっても抵抗値が変化する。この流
体温度による抵抗値変化によりブリッジ回路の差電圧が
変化するのを、水温補償用測温抵抗体は、自身の流体温
度に応じた抵抗値の変化によって補償するように作用す
る。ただし、この温度補償が、要求される精度を満たす
ように行われるように発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体
や水温補償用抵抗体の特性を設定することは、それらの
サーミスタ定数のばらつき等から、非常に困難である。
しかし本発明では、これら測温抵抗体間のサーミスタ定
数(B定数)の不一致を補正するための調整手段を設け
ているため、これによってサーミスタ定数の不一致を補
正することにより、要求される精度を満たすように温度
補償が行われる。
【0013】具体的には、B定数の不一致を補正するた
めの調整手段は、発熱抵抗体の発熱量を調整することに
より、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体の見かけのB定
数を調整するものである。この見かけのB定数B′は、
真のB定数をB、流体の絶対温度TおよびTに対し発
熱により増加したときの発熱抵抗体の絶対温度(すなわ
ち発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体の絶対温度)を(T
+ΔT)および(T+ΔT)、そのときの発熱抵抗体
温度検出用測温抵抗体の抵抗値をRおよびRとすれ
ば、次式で定義される。
【0014】
【数1】 すなわち、見かけのB定数B′は、流体の絶対温度を基
準にしたときのB定数ということができ、その値はΔT
に応じて変化する。そして、水温補償用抵抗体による温
度補償は、流体温度を検出して行われるから、発熱抵抗
体温度検出用測温抵抗体の見かけのB定数が水温補償用
抵抗体のB定数に一致するように発熱抵抗体の発熱量を
調整すれば、温度補償が良好に行われる。
【0015】また、流量センサ間の特性や実装状態のば
らつきもそのような温度補償の妨げとなる。しかし、調
整手段(可変抵抗3,7,11,12)により、さらに
前記差電圧の流体温度依存性が排除されるように補正さ
れ、これにより、前記差電圧は、前記流体の温度に実質
的に依存しない流量検出出力とされる。
【0016】この流量検出出力は、予め得ておいた流量
検出出力と流量との対応関係を示すデータと比較するこ
とにより、流量に変換することができる。その際、流量
検出出力は温度に依存せず、流量にのみ依存するため、
前記対応関係を図2に示すような1本の曲線で示すこと
ができる。したがって、図6の従来例の場合に較べ、ほ
ぼ同じ出力電圧の範囲において、流量に対する流量検出
出力の特性曲線の傾きを大きくとることができる。ま
た、前記対応関係を示すデータの数は、従来に較べ、非
常に少なくて済む。したがって、流量測定精度の向上お
よびマイクロコンピュータにおける処理量や必要なメモ
リ容量の減少が図られる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態に係
る流量センサの構成を示す回路図である。この流量セン
サは、同図に示すように、流体の流量に応じて温度が変
化する発熱抵抗体1と、発熱抵抗体1に隣接して設けら
れた発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2と、発熱抵抗体
温度検出用測温抵抗体2を含むブリッジ回路14とを備
え、ブリッジ回路14の差電圧を前記流量に応じた流量
検出出力とするものである。ブリッジ回路14は流体の
温度を検出するための水温補償用測温抵抗体6を含み、
流量センサはさらに前記差電圧を流体の温度に実質的に
依存しない流量検出出力とする調整手段を具備し、その
流量検出出力を反転し、増幅する。
【0018】図1において、4は定電圧電源、3は発熱
抵抗体温度検出用測温抵抗体2と定電圧電源4との間に
挿入され、定電圧電源4の電圧を発熱抵抗体温度検出用
測温抵抗体2とによって分圧する可変抵抗、7は定電圧
電源4と水温補償用測温抵抗体6との間に挿入され、定
電圧電源4の電圧を水温補償用測温抵抗体6とによって
分圧する可変抵抗、8は、可変抵抗3と発熱抵抗体温度
検出用測温抵抗体2との接続点9および可変抵抗7と水
温補償用測温抵抗体6との接続点10を経て出力される
ブリッジ回路14の差電圧を反転して増幅する反転増幅
回路である。
【0019】前記調整手段は、可変抵抗13によって構
成される。なお、可変抵抗13を用いる代わりに、定電
圧電源4による印加電圧を可変とし、可変電圧源を調整
手段としてもよい。つまり、調整手段は、発熱抵抗体1
による発熱量を調整できるものであればよい。また、こ
こでは水温補償用測温抵抗体6は発熱抵抗体温度検出用
測温抵抗体2に並列に接続しているが、この代わりに、
図9に示すように、水温補償用測温抵抗体6を発熱抵抗
体温度検出用測温抵抗体2に直列に接続するようにして
もよい。
【0020】発熱抵抗体1および発熱抵抗体温度検出用
測温抵抗体2は、1チップとして構成されている。すな
わち、図7に示すように、基板(Al23)81上に厚
さ5μmの積層膜80を設けたものであり、積層膜80
は、下から、感温膜(酸化マンガン系サーミスタ;膜厚
1μm)82(発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2)、
感温膜82に接続した感温膜に密着した電極83(ニッ
ケル+金;膜厚0.3μm)、層間絶縁膜(Ta−Si
2等;膜厚1μm)84、発熱体(サーミット;膜厚
1μm)85(発熱抵抗体1)、発熱体85に接続した
発熱体上に密着した電極86(ニッケル+金;膜厚0.
3μm)、および保護膜(SiO2等;膜厚1μm)8
7を、この順に積層したものである。なお、基板の反対
側面には半田膜(1μm)88が形成されている。
【0021】この構成において、定電圧源4による一定
電圧の印加により発熱抵抗体1は発熱するが、その温度
は、流体の流量および流体温度に応じた一定の温度とな
る。また発熱抵抗体1の温度に応じた一定の出力が接続
点9を介して出力されるとともに、流体の温度に応じた
出力が接続点10を介して出力される。そしてこれらの
出力の差を、反転増幅した値が、流体の温度に実質的に
依存しない出力電圧(流量検出出力)として電圧測定装
置5により測定される。
【0022】図2は、このようにして測定される出力電
圧−流量特性を10℃、30℃および50℃の各温度に
ついて示すグラフである。同図に示されるように、各温
度での特性曲線はほぼ一致し、流体の温度に実質的に依
存しない特性となっていることがわかる。また、特性曲
線の傾きも、図6の従来例に比べて、大きくなっている
のがわかる。すなわち、このようにして測定される出力
電圧−流量特性を1つの特性曲線として、従来に比べ非
常に少ないデータで表すことができる。
【0023】実際の流量測定にあたっては、予め得てお
いたこのようなデータと、測定される出力電圧をA/D
変換したものとに基づき、マイクロコンピュータで処理
することにより、迅速かつ正確に流量を得ることができ
る。
【0024】水温補償用測温抵抗体6は、このように、
流体の温度に実質的に依存しない流量検出出力が得られ
るような抵抗−温度特性を有することが必要であるが、
この点について説明を加える。
【0025】ところで、水温補償用測温抵抗体6がサー
ミスタで構成されている場合、後述するようなサーミス
タ定数のばらつき等により、上述の温度依存性を排除し
た出力電圧を得るのに最適な特性を有するサーミスタを
入手するのは困難である。
【0026】そこで、可変抵抗13により、発熱抵抗体
温度検出用測温抵抗体2と水温補償用測温抵抗体2間の
サーミスタ定数の不一致をあらかじめ補正しておくこと
が必要になる。つまりあらかじめ、可変抵抗13の調整
により、発熱抵抗体1による発熱量を調整して、発熱抵
抗体温度検出用測温抵抗体2の特性(抵抗温度特性にお
ける傾きすなわち見かけのB定数)を変化させて補正す
る。これにより、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2の
特性を、水温補償用測温抵抗体6による補償特性に、よ
り適合させることができる。
【0027】次に、このような調整についての具体例を
示す。家庭用給湯器に用いられる流量センサに対して
は、±5%の測定精度が要求される。具体的には、例え
ば、4(l/min)の流量での平均流量検出出力は、
例えば中心値を2.1(V)とした場合、±0.105
(V)以内が要求される。これを実現するため、以下の
実験を行った。
【0028】図9においてまず、水温補償用測温抵抗体
6として、B定数の設計値Bcが3935(K)の薄膜
サーミスタ(補償センサ)を用意し、また、発熱抵抗体
温度検出用測温抵抗体2としては、発熱抵抗体(ヒー
タ)1による発熱が無いときのB定数の設計値Bfが4
150(K)であり、発熱抵抗体1に10(V)印加し
て0.55(W)発熱させたときの見かけのB定数B
f′が3935(K)であるサーミスタ(感熱膜)を用
意し、図9の回路構成を有する流量センサを作成した。
すなわち、測温抵抗体6および2の抵抗値RcおよびR
fが次式となるように設計した。
【0029】
【数2】 ここで、見かけのB定数とは、感熱膜にサーミスタを用
いた傍熱型の流量センサにおける感熱膜の、被測定流体
の温度を基準とするB定数B′として、次のように定義
したものである。
【0030】すなわち、傍熱型の流量センサにおいて、
ヒータ電圧が零(発熱させない場合)のとき、次式が成
り立つ。
【0031】
【数3】 また、被測定流体の流量を一定に保持し、ヒータを発熱
させたときは次式が成り立つ。
【0032】
【数4】 そしてこの式を、次のように置き換えたときのサーミス
タ定数Bf′を見かけのB定数と定義する。
【0033】
【数5】 本実施例の場合、水温補償用測温抵抗体6による温度補
償が水温を基準として行われるのであるから、補償が適
正に行われるためには、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗
体2の見かけのB定数Bf′が水温補償用測温抵抗体6
のB定数Bcにー致することが必要である。そこで両測
温抵抗体6、2
【数5】の関係式を用いてBc=Bf′となるように設
計したわけである。
【0034】すなわち、もし、設計通りであるとすれ
ば、両測温抵抗体6、2間の接続点9の電位V9 は、ブ
リッジ回路に印加される電圧をVとすれば、次式で表す
ことができ、流量が一定のときは、水温によらず、流量
検出出力は一定となることがわかる。
【0035】
【数6】 ところが、水温補償用測温抵抗体6として通常の薄膜サ
ーミスタを用いる場合、そのB定数のロット内ばらつき
は、最大±30(K)であり、また発熱抵抗体温度検出
用測温抵抗体2に用いる感熱膜のB定数のばらつきは初
期値で±30(K)であるが、流量センサを構成するた
めの接着剤や樹脂の付着分布により、さらにばらつきは
大きくなり、±50(K)にもなる。また、ロット間の
年間ばらつきはさらに大きくなり、もはや温度依存性が
無視できず、±5%のセンサ精度を保証することはでき
ない。
【0036】そこで、次に、発熱抵抗体(ヒータ)1へ
の印加電圧を変化させ、実効的な発熱量を変化させるこ
とにより、両測温抵抗体2、6のB定数のマッチングを
図った。このときのデータを表1に示す。表1中、Tw
は水温、Vhは発熱抵抗体1への印加電圧、Rh、Rf
およびRcはそれぞれ発熱抵抗体1、発熱抵抗体温度検
出用測温抵抗体2および水温補償用測温抵抗体6の抵抗
値である。また、発熱量は発熱抵抗体1 のジュール発熱
の値である。また、BfおよびBcはそれぞれ発熱抵抗
体温度検出用測温抵抗体2および水温補償用測温抵抗体
6のB定数である。このB定数は水温Twを基準にして
得た値である。
【0037】
【表1】 つまり、まず、初期の値で水温補償用測温抵抗体6のB
定数Bcを調べてみると、3924(K)であって、設
計値より既に10(K)ずれていた。
【0038】次に、0.55(W)発熱したとき(印加
電圧Vh=9.97)、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗
体2のB定数Bfは3944(K)であって、Bc値と
の差が20(K)あった。このとき、本回路の出力(電
圧測定装置5で測定される電圧)をみてみると、図8に
示すように、水温30℃を基準とした場合、10℃におい
て−0.307(V)、50℃において0.218
(V)基準からずれていた。このずれは、必要とされる
±5%の測定精度すなわち±0.105(V)の範囲を
超えており、これでは、家庭用給湯器用の流量センサと
して使用することはできない。
【0039】そこでさらに、印加電圧Vhを、10.4
5、10.96、11.46(V)と変化させながら、
両測温抵抗体2、6のB定数の変化を調べた。また、同
様に、水温30℃を基準とした場合の10℃および50
℃における出力のずれを調べた。その結果、表1および
図8に示されるように、印加電圧Vhが約10.45
(V)のときに、測定精度±0.105(V)以内を満
足し、温度依存性を無視できるところまで調整を図るこ
とができることがわかった。
【0040】一方、流量センサを構成する各部品のばら
つきや、流量センサを実装する際の樹脂の充填度合いに
よる熱伝導度のばらつき等による初期抵抗値のばらつき
は、可変抵抗3、7により調整することができる。ま
た、水温補償用測温抵抗体6の特性のばらつきや、配管
への取付け方法、センサが取り付けられる配管の径等に
応じて、水温補償用測温抵抗体6の特性を調整する必要
も生じる場合がある。
【0041】この点に鑑み、図3に示す実施形態では、
図1のものに加え、水温補償用測温抵抗体6に並列に接
続した抵抗温度係数の小さな可変抵抗11を有する。こ
の場合、水温補償用測温抵抗体6の特性が必ずしもマッ
チしていないときでも、可変抵抗11の抵抗値を調整す
ることにより、水温補償用測温抵抗体6の抵抗温度特性
を補正し、それにより、実質的に流体の温度への依存性
のない、図2に示されるような、流量検出出力を得るこ
とができる。
【0042】ただし、この可変抵抗11による調整は、
発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体2および水温補償用測
温抵抗体6がサーミスタで構成されている場合、水温補
償用測温抵抗体6のサーミスタとしての特性、すなわち
抵抗値変化の非直線性を損なうので好ましくはない。図
4は、同様の可変抵抗12を、水温補償用測温抵抗体6
に直列に接続した例を示す。これによっても図3のもの
と同様の効果を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、発
熱抵抗体温度検出用測温抵抗体および水温補償用測温抵
抗体間のサーミスタ定数の不一致を補正する手段を設け
るようにしたため、高い精度で温度補償を行うことがで
きる。
【0044】また、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体お
よび水温補償用測温抵抗体の抵抗温度特性に関するばら
つきを補正するための調整手段を設けるようにしたた
め、流量センサを構成する各部品のばらつき、流量セン
サ製造時の樹脂の充填度合いによる熱伝導のばらつき等
に起因する、発熱抵抗体温度検出用測温抵抗体および水
温補償用測温抵抗体間の抵抗温度特性に関するばらつき
を補正し、流体の温度に実質的に依存しない流量検出出
力を得ることができる。
【0045】またしたがって、マイクロコンピュータに
おける処理や、必要なメモリ容量を減少させることがで
きる。また、流量に対する流量検出出力の特性曲線の傾
きを大きくし、感度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る流量センサの構成
を示す回路図である。
【図2】 図1のセンサで測定される出力電圧−流量特
性を各温度について示すグラフである。
【図3】 図1のセンサに対し、水温補償用測温抵抗体
に並列に接続した抵抗温度係数の小さな可変抵抗を有す
る形態を示す回路図である。
【図4】 図1のセンサに対し、水温補償用測温抵抗体
に直列に接続した抵抗温度係数の小さな可変抵抗を有す
る形態を示す回路図である。
【図5】 従来の傍熱型の流量センサの回路図である。
【図6】 図5のセンサにより測定される出力電圧の流
量に対する変化を示すグラフである。
【図7】 図1のセンサにおける発熱抵抗体および発熱
抵抗体温度検出用測温抵抗体を構成するチップの構造を
示す図である。
【図8】 図9のセンサにおける、電圧Vh(V)の各
値において、水温30℃のときの比例出力値(電圧測定
装置5の出力値)を基準にした、水温が10℃および5
0℃のときの比例出力値の偏差を示すグラフである。
【図9】 本発明の他の実施形態に係る流量センサの構
成を示す回路図である。
【符号の説明】
1:発熱抵抗体、2:発熱抵抗体温度検出用測温抵抗
体、3,7:可変抵抗、4:定電圧電源、5:電圧測定
装置、6:水温補償用測温抵抗体、8:演算増幅器、
9,10:接続点、11,12,13:可変抵抗、1
4:ブリッジ回路。
フロントページの続き (72)発明者 薮崎 素弘 埼玉県上尾市原市1333−2三井金属鉱業株 式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の流量に応じて温度が変化する発熱
    抵抗体と、この発熱抵抗体に隣接して設けられた発熱抵
    抗体温度検出用測温抵抗体と、この発熱抵抗体温度検出
    用測温抵抗体を含むブリッジ回路とを備え、このブリッ
    ジ回路の差電圧を前記流量に応じた流量検出出力とする
    傍熱型の流量センサにおいて、前記ブリッジ回路は流体
    の温度を検出するための水温補償用測温抵抗体を含み、
    前記流量センサはさらに前記差電圧を前記流体の温度に
    実質的に依存しない流量検出出力とするための、前記発
    熱抵抗体温度検出用測温抵抗体と水温補償用測温抵抗体
    間サーミスタ定数の不一致を補正するための調整手段を
    具備することを特徴とする流量センサ。
  2. 【請求項2】 前記ブリッジ回路はさらに、前記発熱抵
    抗体温度検出用測温抵抗体および水温補償用測温抵抗体
    間の抵抗温度特性に関するばらつきを補正するための調
    整手段を具備することを特徴とする請求項1記載の流量
    センサ。
  3. 【請求項3】 前記流量検出出力を反転し、増幅する手
    段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の
    流量センサ。
JP9240230A 1997-08-22 1997-08-22 流量センサ Pending JPH1164063A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005233693A (ja) * 2004-02-17 2005-09-02 Smc Corp 流速センサ
JP5894925B2 (ja) * 2010-10-20 2016-03-30 パナソニックヘルスケアホールディングス株式会社 微生物数測定装置
CN107192471A (zh) * 2017-04-13 2017-09-22 南京史利姆电子科技有限公司 一种用于风动传感器的新型温度补偿电路及补偿方法
US10018493B2 (en) 2013-03-12 2018-07-10 General Electric Company Flow sensor circuit for monitoring a fluid flowpath

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