JP3486511B2 - フローセンサ - Google Patents

フローセンサ

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JP3486511B2
JP3486511B2 JP29842796A JP29842796A JP3486511B2 JP 3486511 B2 JP3486511 B2 JP 3486511B2 JP 29842796 A JP29842796 A JP 29842796A JP 29842796 A JP29842796 A JP 29842796A JP 3486511 B2 JP3486511 B2 JP 3486511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体の流速や流量
を測定するためのフローセンサに関し、より詳しくは熱
式のフローセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】熱式のフローセンサにあっては、サーミ
スタや白金等の感熱抵抗素子を流体の流路に配置すると
共に、該感熱抵抗素子を一定の温度で発熱させるように
(感熱抵抗素子の抵抗値が一定に維持されるように)ブ
リッジ回路や帰還回路を用いた検出回路により該感熱抵
抗素子に通電するものが一般的に知られている。このフ
ローセンサは、感熱抵抗素子の放熱量が、該素子に接触
する流体の流量によって変化して、該素子を一定の温度
に保持するための該素子への供給電力が流体の流量に応
じて変化することを利用し、その供給電力を印可電圧や
通電電流によって検出することで、流体の流量や流速
(流体の流路の単位断面積当たりの流量)を測定するも
のである。
【0003】さらに詳細には、感熱抵抗素子の単位時間
当たりの放熱量をQとしたとき、次の関係式(1)が一
般的に成り立つ。
【0004】Q=K・ΔT・ΦRe ……(1) ここで、Kは熱伝達関数で、基本的には流体の熱伝導率
や感熱抵抗素子の形状等に基づく定数である。また、Δ
Tは感熱抵抗素子の温度TH と流体の温度TLとの温度
差(TH −TL )である。また、ΦRe は感熱抵抗素子
に接触する流体のレイノルズ数の関数で、単位時間当た
りに感熱抵抗素子に接触する流体の質量に比例し、基本
的には流体の流量(単位時間当たりの体積流量)もしく
は流速に依存した関数である。以下、流体の流量もしく
は流速をVとして、ΦRe をΦ(V)と表し、式(1)
を次式(2)により表す。
【0005】Q=K・ΔT・Φ(V) ……(2) 一方、感熱抵抗素子への供給電力をWとしたとき、W=
Qであるから、これと式(2)とにより、 W=K・ΔT・Φ(V) ……(3) が得られる。
【0006】従って、前述の如く感熱抵抗素子の温度T
H を一定に保持したとき、流体の温度TL が一定であれ
ば、それらの温度差ΔTが一定となって、感熱抵抗素子
への供給電力Wは流体の流量あるいは流速Vに応じたも
のとなり、感熱抵抗素子への供給電力Wを測定すること
で、流体の流量又は流速Vを検出することができる。
【0007】しかるに、種々の状況において、流量や流
速を測定しようとする流体の温度TL は一般には、一定
温度に保持されているとは限らず、このように流体の温
度が変化する場合には、前記式(3)から明らかなよう
に、感熱抵抗素子への供給電力Wは流体の流速あるいは
流量のみならず、流体の温度TL にも依存する。
【0008】このような流体の温度変化の影響を排除す
るために、種々のフローセンサが提案されており、例え
ば特開平5−149768号公報や、特公昭59−48
341号公報に開示されたものが知られいる。
【0009】特開平5−149768号公報に開示され
ているものでは、二個の感熱抵抗素子を同一の一定温度
に保持するようにそれぞれの感熱抵抗素子に対応した定
抵抗回路により通電・加熱すると共に、一方の感熱抵抗
素子を流体の通路に配置し、他方の感熱抵抗素子を流体
の流れが遮断されたダミー流路に配置したものである。
そして、流体通路の感熱抵抗素子側の定抵抗回路の出力
(これは流体の流量と温度とに応じたものとなる)と、
ダミー通路の感熱抵抗素子側の定抵抗回路の出力(これ
は流体の温度に応じたものとなる)とを差動アンプに入
力して、それらの差分をとることで、流体の温度変化の
影響を排除したものである。
【0010】また、特公昭59−48341号公報のも
のでは、流体の流路中に配置した流速測定用の感熱抵抗
素子と定抵抗値の抵抗体とを直列に接続した直列回路に
通電して、感熱抵抗素子を加熱すると共に、該直列回路
の出力から、感熱抵抗素子への供給電力を測定してそれ
を流速値に変換する一方、流体の温度をサーミスタによ
り測定し、その流体温度と、前記感熱抵抗素子の抵抗値
により示される該感熱抵抗素子の温度との差を一定に保
持するように前記直列回路への通電電流をフィードバッ
ク制御するようにしたものである。そして、このように
流体温度と、感熱抵抗素子の温度との差を一定に保持す
る(これは前記式(3)のΔTを一定値にすることを意
味する)ことで、流体の温度変化の影響を排除するよう
にしたものである。
【0011】しかしながら、これらの従来のフローセン
サでは、流体の温度変化の影響を排除することは可能で
あるものの、次のような不都合を生じるものであった。
【0012】すなわち、特開平5−149768号公報
のものでは、流体の流れを遮断したダミー流路が必要と
なるため、流速あるいは流量測定のための装置構成が大
型化すると共に、部品点数が増大し、コスト的に不利な
ものとなっていた。
【0013】また、特公昭59−48341号公報のも
のでは、流体温度と感熱抵抗素子の温度との差を一定に
保つため、流体温度の変化に追従して感熱抵抗素子の温
度が変化することとなる。このため、流体温度の幅広い
範囲にわたって流量や流速を精度よく測定するために
は、感熱抵抗素子の温度−抵抗値特性を幅広い温度範囲
で高精度に保つ必要があるが、このような感熱抵抗素子
は高価なものとなりやすく、また、感熱抵抗素子の耐熱
性の面から、その加熱温度を高めることが難しい。従っ
て、同号公報のものでは、流体温度の幅広い範囲にわた
って流量や流速測定する上では、コスト的あるいは性能
的に不利なものとなりやすいという不都合があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、簡単且つ安価な構成で流体温度の幅広い温度範囲
にわたって流速あるいは流量の測定を精度よく行うこと
ができるフローセンサを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のフローセンサは
かかる目的を達成するために、流体の流速又は流量を測
定すべき流路に配置される一組の感熱抵抗素子と、各感
熱抵抗素子に対応してそれぞれ設けられ、各感熱抵抗素
子を互いに異なる一定温度に保持するよう各感熱抵抗素
子に電力を供給しつつ、そのそれぞれの供給電力値に応
じたレベルの信号を出力する一組の検出回路と、両検出
回路の出力のレベル差に応じたレベルの信号を前記流体
の流速又は流量の値を示す信号として出力する差動増幅
回路とから成り、前記各検出回路は、前記各感熱抵抗素
子をそのそれぞれに対応した前記一定温度に保持するよ
う各感熱抵抗素子に電圧を付与する電圧付与回路と、該
電圧付与回路の付与電圧を前記流体の温度変化に対して
直線的にレベルが変化する信号に直線化して各感熱抵抗
素子への供給電力値に応じたレベルの信号を前記差動増
幅回路に出力する直線化回路とから成り、前記各感熱抵
抗素子は、それぞれに対応した前記一定温度において、
同一の抵抗値を有する感熱抵抗素子であることを特徴と
する。
【0016】かかる本発明において、前記流体の流路に
配置した一組の感熱抵抗素子に前記各検出回路から供給
される電力をそれぞれW1 、W2 、各感熱抵抗素子に対
応した前記一定温度をそれぞれTH1、TH2(TH1≠TH
2)とすると、前記式(3)によって、 W1 =K・(TH1−TL )・Φ(V) ……(4) W2 =K・(TH2−TL )・Φ(V) ……(5) (但し、K:定数、TL :流体温度、V:流量又は流
速) 従って、各感熱抵抗素子への供給電力の差(W1 −W2
)は、 W1 −W2 =K・(TH1−TH2)・Φ(V) ……(6) となる。そして、各感熱抵抗素子の温度TH1,TH2は前
記検出回路によって、一定に保持されるので、各感熱抵
抗素子への供給電力の差(W1 −W2 )は、流体の温度
TL の影響を受けずに、流量又は流速Vに応じたものと
なる。
【0017】従って、各感熱抵抗素子に対応した各検出
回路から出力される各感熱抵抗素子への供給電力に応じ
たレベルの信号を前記差動増幅回路に入力してそれらの
レベル差に応じたレベルの信号を生成することで、該差
動増幅回路の出力レベルは、流体の温度TL の影響を受
けずに、流量又は流速Vに応じたものとなり、該差動増
幅回路の出力レベルにより、流体の流量又は流速Vを流
体の温度変化によらずに測定することができることとな
る。
【0018】この場合、本発明では、各感熱抵抗素子は
それぞれ一定温度TH1,TH2に保持するため、流体の流
量又は流速Vを前記差動増幅器の出力により精度よく測
定するためには、各感熱抵抗素子に対応した固定的な温
度TH1,TH2における抵抗値が高精度であればよく、従
って、各感熱抵抗素子の温度−抵抗値特性の精度は要求
されず、このような感熱抵抗素子は比較的安価なものを
使用することができる。また、測定に際しては、各感熱
抵抗素子を同じ流路内に配置すればよいため、ダミー流
路等の特別な構造物を設ける必要がない。
【0019】よって本発明のフローセンサによれば、簡
単且つ安価な構成で流体温度の幅広い温度範囲にわたっ
て流速あるいは流量の測定を精度よく行うことができ
る。
【0020】
【0021】 また、各検出回路の電圧付与回路によっ
て、前記各感熱抵抗素子をそのそれぞれに対応した前記
一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子に電圧を付与し
た場合、その付与電圧を基に、各感熱抵抗素子への供給
電力W1,W2に応じたレベルの信号を生成することが好
ましい。この場合、供給電力W1,W2は、前記式
(4)、(5)から明らかなように流体の温度TL の変
化に対して直線的に変化する特性をもつ一方、前記電圧
付与回路による各感熱抵抗素子への付与電圧は、供給電
力W1,W2の平方根に比例するため、流体の温度TL の
変化に対して非線形な変化(平方根関数的な変化)を有
する特性となる。従って、前記直線化回路によって、電
圧付与回路の付与電圧を前記流体の温度変化に対して直
線的にレベルが変化する信号に直線化することで、該付
与電圧から各感熱抵抗素子への供給電力値に応じたレベ
ルの信号を生成することができ、それを前記差動増幅器
に出力することで、該差動増幅器から前述の如く、流体
温度の影響を受けずに流速又は流量に応じたレベルの信
号を出力することができる。
【0022】 尚、電圧付与回路の付与電圧を直線化す
るためには、該付与電圧のレベルを自乗すればよい。さ
らに、本発明では、前記各感熱抵抗素子は、それぞれに
対応した前記一定温度において、同一の抵抗値を有する
感熱抵抗素子であるので、後述するように、各感熱抵抗
素子への付与電圧のレベル調整を行うための増幅回路や
分圧回路等の回路構成が不要となって、フローセンサを
より一層簡略で且つ安価なものとすることができる。
【0023】 また、本発明の他の態様のフローセンサ
は、流体の流速又は流量を測定すべき流路に配置される
一組の感熱抵抗素子と、各感熱抵抗素子に対応してそれ
ぞれ設けられ、各感熱抵抗素子を互いに異なる一定温度
に保持するよう各感熱抵抗素子に電力を供給しつつ、そ
のそれぞれの供給電力値に応じたレベルの信号を出力す
る一組の検出回路と、両検出回路の出力のレベル差に応
じたレベルの信号を前記流体の流速又は流量の値を示す
信号として出力する差動増幅回路とから成り、前記各検
出回路は、前記各感熱抵抗素子をそのそれぞれに対応し
た前記一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子に電圧を
付与する電圧付与回路を具備すると共に、前記各感熱抵
抗素子に対応した前記一定温度は、前記電圧付与回路の
付与電圧が前記流体の温度変化に対して略直線的に変化
する温度域に設定され、該電圧付与回路の付与電圧又は
該付与電圧に比例したレベルの信号を各感熱抵抗素子へ
の供給電力値に応じたレベルの信号として前記差動増幅
回路に出力することを特徴とする。
【0024】すなわち、各感熱抵抗素子への付与電圧を
それぞれE1 、E2 、各感熱抵抗素子のそれぞれの保持
温度における抵抗値をR1 、R2 とすると、W1 =E12
/R1 、W2 =E22/R2 であるので、前記式(4)、
(5)から、 E12/R1 =K・(TH1−TL )・Φ(V) ……(7) E22/R2 =K・(TH2−TL )・Φ(V) ……(8) が得られ、さらに、これらの式(7)、(8)の平方根
をとることで、 E1 /(R1 )1/2=(K・Φ(V))1/2 ・(TH1−TL )1/2 ……(9) E2 /(R2 )1/2=(K・Φ(V))1/2 ・(TH2−TL )1/2 ……(10) が得られる。ここで、各感熱抵抗素子の一定の保持温度
TH1,TH2を流体の温度TL よりも十分に高い温度に設
定し、TH1≫TL 、TH2≫TL とすると、近似的に(T
H1−TL )1/2 ≒TH1−TL /2、(TH2−TL )1/2
≒TH2−TL /2となるので、前記式(9)、(10)
は近似的に次式(11)、(12)により表される。
【0025】 E1 /(R1 )1/2≒(K・Φ(V))1/2 ・(TH1−TL /2) ……(11) E2 /(R2 )1/2≒(K・Φ(V))1/2 ・(TH2−TL /2) ……(12) 従って、各感熱抵抗素子の一定の保持温度TH1,TH2を
流体の温度TL よりも十分に高い温度に設定しておけ
ば、各感熱抵抗素子への付与電圧E1 ,E2 は流体の温
度TL の変化に対してほぼ直線的に変化し、このとき、
式(9)、(10)の各辺の差をとると、 E1 /(R1 )1/2−E2 /(R2 )1/2 =(K・Φ(V))1/2 ・(TH1−TH2) ……(13) となり、これは、流体の温度TL の影響を受けずに、流
量又は流速Vに応じたものとなる。
【0026】よって、各感熱抵抗素子に対応した一定の
保持温度TH1,TH2を、前記電圧付与回路の付与電圧E
1 ,E2 が流体の温度変化に対して略直線的に変化する
温度域に設定しておき、該電圧付与回路の付与電圧E1
,E2 あるいは該付与電圧に比例したレベルの信号を
各感熱抵抗素子への供給電力値に応じたレベルの信号と
して前記差動増幅回路に出力することで、該差動増幅回
路から、流体温度の影響を受けずに流速又は流量に応じ
たレベルの信号を出力することができる。そして、この
場合には、付与電圧E1 ,E2 を直線化する回路を省略
することができるため、フローセンサの構成をさらに簡
略で且つ安価なものとすることができる。
【0027】ところで、前述のように各感熱抵抗素子へ
の付与電圧E1 ,E2 を基に流速又は流量に応じたレベ
ルの信号を前記差動増幅回路から出力するためには、各
感熱抵抗素子のそれぞれの保持温度における抵抗値R1
,R2 が互いに異なるものである場合には、前記直線
化回路を備えたものでは、前記式(6)のW1 、W2 を
付与電圧E1 ,E2 により表してなる次式(14)を参
照して明らかなように、直線化回路の出力を差動増幅回
路に入力するに際して付与電圧E1 ,E2 のレベルを各
感熱抵抗素子の抵抗値R1 ,R2 に応じて調整する必要
がある。
【0028】 E12/R1 −E22/R2 =K・(TH1−TH2)・Φ(V) ……(14) 同様に、直線化回路を省略した場合にあっても、各感熱
抵抗素子のそれぞれの保持温度における抵抗値R1 ,R
2 が互いに異なるものである場合には、前記式(13)
を参照して明らかなように、付与電圧E1 ,E2 のレベ
ルを各感熱抵抗素子の抵抗値R1 ,R2 に応じて調整す
る必要がある。
【0029】一方、各感熱抵抗素子のそれぞれの保持温
度における抵抗値R1 ,R2 を同じにして、R1 =R2
=R(一定値)とした場合には、直線化回路を備えたも
のに対応する前記式(14)は、 E12−E22=R・K・(TH1−TH2)・Φ(V) ……(15) となり、この式(15)から明らかなように、付与電圧
E1 ,E2 をそのまま直線化した信号を差動増幅回路に
入力することで、流体の温度TL の影響を受けずに流速
又は流量に応じた出力を得ることができることが判る。
【0030】同様に、R1 =R2 =R(一定値)とした
場合、直線化回路を省略したものに対応する前記式(1
3)は、 E1 −E2 =(R・K・Φ(V))1/2 ・(TH1−TH2) ……(16) となり、この式(16)から明らかなように、付与電圧
E1 ,E2 をそのまま差動増幅回路に入力することで、
流体の温度TL の影響を受けずに流速又は流量に応じた
出力を得ることができることが判る。
【0031】そこで、本発明ではさらに、前記各感熱抵
抗素子は、それぞれに対応した前記一定温度において、
同一の抵抗値を有する感熱抵抗素子を用いる。
【0032】このようにすることで、前述の如く、各感
熱抵抗素子への付与電圧のレベル調整を行うための増幅
回路や分圧回路等の回路構成が不要となって、フローセ
ンサをより一層簡略で且つ安価なものとすることができ
る。特に、直線化回路を省略したものでは、前記電圧付
与回路の出力をそのまま差動増幅回路に入力するだけ
で、流体の流速又は流量に応じたレベルの信号を流体の
温度の影響を受けずに出力することができるので、極め
て簡略且つ安価なフローセンサを提供できる。
【0033】
【発明の実施の形態】まず、本発明に関連する参考実施
形態を図1乃至図4を参照して説明する。図1は本実施
形態のフローセンサの回路ブロック図、図2は図1の要
部の回路図、図3及び図4は図1のフローセンサの作動
を説明するための実測データを示す線図である。
【0034】図1を参照して、このフローセンサは、例
えばサーミスタからなる二つの感熱抵抗素子1,2と、
これらの感熱抵抗素子1,2にそれぞれ接続された検出
回路3,4と、これらの検出回路3,4の出力を入力す
る差動増幅回路5とにより構成されている。両感熱抵抗
素子1,2は、その形状や熱伝導率がほぼ同一のものを
使用し、流体の流量又は流速(以下、これらを総称的に
流量と称する)を測定しようとする流路中の測定箇所に
固定・配置される。
【0035】各検出回路3,4は、それぞれに対応する
感熱抵抗素子1,2を一定の温度に保持するように各感
熱抵抗素子1,2に電圧を付与する電圧付与回路6,7
と、この各電圧付与回路6,7の出力電圧を直線化し
て、各電圧付与回路6,7による各感熱抵抗素子1,2
への供給電力に応じたレベルの信号を生成し、それを前
記差動増幅回路5に出力する直線化回路8,9とにより
構成されている。
【0036】電圧付与回路6,7は、それらの基本的回
路構成が同一のものであり、図2に示すような回路構成
を有している。
【0037】すなわち、図2を参照して、各電圧付与回
路6(7)は、感熱抵抗素子1(2)に固定抵抗値の抵
抗体10を直列に接続してなる直列回路11と、二つの
固定抵抗値の抵抗体12,13を直列に接続してなる直
列回路14とを並列に接続してブリッジ回路15を構成
している。そして、このブリッジ回路15の直列回路1
1の中点の電位を負入力、直列回路14の中点の電位を
正入力として該ブリジ回路15に接続されたオペアンプ
16を備え、このオペアンプ16の出力電圧をブリッジ
回路15に付与して、該ブリッジ回路15の両直列回路
11,14に通電すると共に、該オペアンプ16の出力
電圧を感熱抵抗素子1(2)への付与電圧を示すものと
して前記直線化回路8(9)に出力するようにしてい
る。
【0038】このような構成の電圧付与回路6(7)で
は、オペアンプ16に電源電圧Vccを与えると、オペア
ンプ16の出力電圧は、直列回路11の中点の電位と直
列回路14の中点の電位とが等しくなるように、換言す
れば、直列回路11の感熱抵抗素子1(2)の温度に応
じた抵抗値と抵抗体10の固定抵抗値との比が、直列回
路14の抵抗体12の固定抵抗値と抵抗体13の固定抵
抗値との比(一定値)に等しくなるように調整され、こ
れにより、感熱抵抗素子1(2)が一定温度に保持され
るように通電・加熱される。
【0039】この場合、本実施形態では、例えば直列回
路14の抵抗体12,13の固定抵抗値を同一とし、感
熱抵抗素子1(2)の抵抗値が抵抗体10の固定抵抗値
に等しくなる温度に該感熱抵抗素子1(2)を加熱する
ようにしている。そして、感熱抵抗素子1に対応する電
圧付与回路6と、感熱抵抗素子2に対応する電圧付与回
路7とでは、各感熱抵抗素子1,2をそれぞれ互いに異
なる温度に保持するように抵抗体10の固定抵抗値を設
定し、例えば、感熱抵抗素子1を250°Cの一定温度
に保持し、感熱抵抗素子2を200°Cの一定温度に保
持するようにしている。
【0040】尚、これらの電圧付与回路6,7におい
て、各オペアンプ16の出力電圧は、各感熱抵抗素子1
(2)への付与電圧に比例し、例えば前述のように各感
熱抵抗素子1(2)をその抵抗値が抵抗体10の固定抵
抗値に等しくなる温度に保持したときには、各オペアン
プ16の出力電圧は、各感熱抵抗素子1(2)への付与
電圧の2倍となる。そして、各オペアンプ16の出力電
圧は、各感熱抵抗素子1(2)に接触する流体の温度変
化に対して平方根関数的に変化する特性となると同時
に、各感熱抵抗素子1(2)に接触する流体の流量に応
じたものとなる(前記式(11)、(12)を参照)。
【0041】前記各直線化回路8(9)は、図1に示す
ように各電圧付与回路6(7)のオペアンプ16の出力
電圧を自乗する自乗回路17と、この自乗回路17の出
力を増幅もしくは分圧してレベル調整を行うレベル調整
回路18とを具備し、該レベル調整回路18の出力を差
動増幅回路5に出力する。
【0042】この場合、自乗回路18に入力するオペア
ンプ16の出力電圧は、各感熱抵抗素子1(2)への供
給電力の平方根に比例するため、該出力電圧を自乗回路
17により自乗することで、各感熱抵抗素子1(2)へ
の供給電力に比例したレベルの信号が生成される。そし
て、各感熱抵抗素子1(2)への供給電力は、前記式
(4)、(5)から明らかなように、流体の温度変化に
対して直線的に変化するため、自乗回路17の出力レベ
ルも、流体の温度変化に対して直線的に変化するものと
なる。
【0043】実際、感熱抵抗素子1,2としてサーミス
タを用い、それぞれの保持温度を250°C(30
Ω)、200°C(60Ω)としたとき、図3に示すよ
うに、自乗回路17の出力レベルは、流体(この場合、
空気)の温度変化に対して直線的に変化するものとなっ
た。
【0044】レベル調整回路18は、次のように自乗回
路17の出力レベルを調整する。すなわち、本実施形態
のフローセンサは、各直線化回路8,9の出力を差動増
幅回路5に入力して、該差動増幅回路5から流体の温度
によらずに、流量に応じたレベルの信号を出力させるよ
うにするものであるが、この場合、前記式(6)を参照
して明らかなように、基本的には、各直線化回路8,9
の出力レベルの差を各感熱抵抗素子1,2への供給電力
の差に比例したものとする必要がある。
【0045】ここで、各感熱抵抗素子1,2に対応する
自乗回路17の出力レベルは、各感熱抵抗素子1,2へ
の付与電圧の自乗に比例するため、各感熱抵抗素子1,
2への付与電圧をそれぞれ前述の如くE1 ,E2 とし、
各感熱抵抗素子1,2に対応する自乗回路17の出力レ
ベルをL1 、L2 とすると、 E12=k・L1 、E22=k・L2 ……(17) (但し、kは定数) となる。また、各感熱抵抗素子1,2への供給電力をW
1 ,W2 とし、各感熱抵抗素子1,2のそれぞれの保持
温度における抵抗値をR1 ,R2 とすると、W1−W2
=E12/R1 −E22/R2 であるから、この式と前記式
(17)とから、 W1 −W2 =k(L1 /R1 −L2 /R2 ) ……(18) が得られる。さらに、各レベル調整回路18による各自
乗回路17の出力レベルL1 ,L2 の変換倍率をそれぞ
れA,Bとし、各レベル調整回路18の出力レベルをL
1',L2' とすると、L1 =L1'/A、L2 =L2'/B
であるから、これと式(18)とから W1 −W2 =k[L1'/(A・R1 )−L2'/(B・R2 )] ……(19) が得られる。従って、この式(19)から明らかなよう
に、A・R1 =B・R2(A/B=R2 /R1 )となる
ように、各レベル調整回路18の変換倍率を設定すれ
ば、各レベル調整回路18の出力レベルの差(L1'−L
2')が、各感熱抵抗素子1,2への供給電力の差(W1
−W2 )に比例したものとなることが判る。
【0046】本実施形態における各レベル調整回路18
は、このようなレベル調整を行うものである。
【0047】尚、上記のようなレベル調整は理論上のも
ので、実際には、各自乗回路17の実際の出力レベル
が、流体の温度変化に対して同じ比率で変化するように
(図3の各自乗回路18の出力特性を示す直線が同じ傾
きになるように)各レベル調整回路18の変換倍率を調
整しておくことでなされる。また、本実施形態では、各
直線化回路8,9にレベル調整回路18を備えたが、上
記のようなレベル調整は、必ずしも直線化回路8,9の
両者について行う必要はなく、いずれか一方の直線化回
路8,9についてのみ行うようにしてもよく(これは、
前記変換倍率A,Bの一方を「1」とする場合に相当す
る)、さらには、各自乗回路18のゲイン調整により行
うようにしてもよい。また、レベル調整回路18を省く
こともできるのであるが、これについては後述する。
【0048】以上のように構成された本実施形態のフロ
ーセンサでは、各感熱抵抗素子1,2を流量を測定しよ
うとする流体の流路中に配置したとき、各電圧付与回路
6,7から、流体の流量と温度とに応じたレベルの電圧
が出力され、さらに、これらの出力電圧を入力する各直
線化回路8,9から、各感熱抵抗素子1,2への供給電
力に相当するレベルの信号が出力され、それらの信号の
レベル差は、各感熱抵抗素子1,2への供給電力の差に
比例したものとなる。そして、この各直線化回路8,9
の出力を差動増幅回路5に入力することで、該差動増幅
回路5から、各直線化回路8,9の出力のレベル差、換
言すれば、各感熱抵抗素子1,2への供給電力の差に応
じたレベルの信号が出力される。このとき、該差動増幅
回路5の出力レベルは、各感熱抵抗素子1,2への供給
電力の差に応じたものであり、また、各感熱抵抗素子
1,2は互いに異なる一定温度に保持されているので、
前記式(6)を参照して明らかなように、流体の流量に
応じたものとなり、且つ、流体の温度には依存しないも
のとなる。従って、差動増幅回路5の出力により流体の
流量を流体の温度の影響を受けずに測定することができ
る。実際、感熱抵抗素子1,2としてサーミスタを用
い、それぞれの温度を250°C、200°Cに保持し
た状態で、該感熱抵抗素子1,2に種々の温度の空気を
送風ファン(図示せず)によって、送風したとき、図4
に示すような差動増幅回路5の出力特性が得られた。同
図4に見られるように、送風ファンの同じ回転数(同じ
送風量)では、流体(空気)の温度によらずに、差動増
幅回路5の出力レベルは高精度で一定となり、また、該
出力レベルは、送風量に応じたレベルとなる。
【0049】また、かかるフローセンサでは、各感熱抵
抗素子1,2はそれぞれ一定温度に保持するため、その
それぞれの温度における各感熱抵抗素子1,2の抵抗値
が高精度なものとしておくことで、差動増幅回路5の出
力により流体の幅広い温度範囲にわたって精度よく流体
の流量を測定できる。そして、各感熱抵抗素子1,2
は、その保持温度のみにおける抵抗値が高精度なもので
あればよいので、そのような感熱抵抗素子1,2は安価
なものを採用することができる。また、測定に際して
は、各感熱抵抗素子1,2を同じ流路内に配置すればよ
いため、ダミー流路等の特別な構造物を設ける必要がな
い。
【0050】従って、本実施形態のフローセンサによれ
ば、簡単且つ安価な構成で流体温度の幅広い温度範囲に
わたって流量の測定を精度よく行うことができる。
【0051】 次に、本発明の第1の実施形態を図5を
参照して説明する。図5は本実施形態のフローセンサの
回路ブロック図である。尚、本実施形態の基本構成は図
1のものと同一であり、同一部分については図1のもの
と同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0052】図5を参照して、本実施形態のフローセン
サが図1のものと相違する点は、感熱抵抗素子1,2と
して、そのそれぞれの保持温度(例えば250°C、2
00°C)における抵抗値R1 ,R2 が同一の抵抗値R
となる感熱抵抗素子を採用すると共に、図1のものに備
えたレベル調整回路18を省略し、各感熱抵抗素子1,
2に対応する自乗回路17の出力をそのまま差動増幅回
路5に入力する構成とした点である。他の構成は、図1
のものと同一である。
【0053】かかる構成のフローセンサでは、感熱抵抗
素子1,2のそれぞれの保持温度における抵抗値R1 ,
R2 が同一の抵抗値Rであるため、前記式(18)を参
照して明らかなように、各感熱抵抗素子1,2に対応す
る自乗回路17の出力レベルの差(L1 −L2 )は、各
感熱抵抗素子1,2への供給電力の差(W1 −W2 )に
比例したものとなる。従って、自乗回路17の出力をそ
のまま差動増幅回路5に入力することで、該差動増幅回
路5から、前記図1のものと同様に、流体の温度によら
ずに、流体の流量に応じたレベルの出力を得ることがで
きる。
【0054】そして、かかるフローセンサでは、図1の
ものと同様の作用効果を奏することはもちろん、さら
に、レベル調整回路を設ける必要がなくなるため、回路
構成がさらに簡単なものとなると同時に安価なものとす
ることができる。
【0055】 次に、本発明の第2の実施形態を図6及
び図7を参照して説明する。図6は本実施形態のフロー
センサの回路ブロック図、図7は図6のフローセンサの
作動を説明するための実測データを示す線図である。
尚、本実施形態の説明においても、図1のものと同一構
成部分については同一の参照符号を付して説明を省略す
る。
【0056】図6を参照して、本実施形態のフローセン
サでは、各感熱抵抗素子1,2の保持温度を後述の如く
設定した上で、各感熱抵抗素子1,2に対応する電圧付
与回路6,7の出力電圧(∝各感熱抵抗素子1,2への
付与電圧)を図1のものと同様のレベル調整回路18’
を介して差動増幅回路5に入力する構成とし、図1のも
のに備えた自乗回路17を省略した構成としている。
【0057】この場合、各感熱抵抗素子1,2の保持温
度は、流量を測定しようとする流体の温度よりも十分に
高い温度に設定され、例えば流体の温度範囲が、−30
°C〜90°Cとした場合、各感熱抵抗素子1,2の保
持温度はそれぞれ250°C、200°Cに設定されて
いる。このように各感熱抵抗素子1,2の保持温度を設
定すると、前記式(11)、(12)により示したよう
に、各感熱抵抗素子1,2への付与電圧、さらには、こ
れに比例する各電圧付与回路6,7の出力電圧は、流体
の温度変化に対してほぼ直線的に変化する特性をもつ。
【0058】実際、感熱抵抗素子1,2として例えばサ
ーミスタを用い、それぞれの温度を各電圧付与回路6,
7により250°C、200°Cに保持した状態で、感
熱抵抗素子1,2を例えば風量「0」(無風状態)の空
気中に配置したとき、各電圧付与回路6,7の出力電圧
は、図7に示すように、少なくとも−30°C〜90°
Cの温度範囲で、温度に対して直線的に変化する特性と
なった。
【0059】尚、本願発明者等の各種検討によれば、各
電圧付与回路6,7の出力電圧が、流体温度に対して直
線的に変化する特性を得るためには、感熱抵抗素子1,
2の保持温度を流体温度よりも、100°C以上、高く
することが好ましい。
【0060】このように、各電圧付与回路6,7の出力
電圧が流体温度に対して直線的に変化するような温度域
に各感熱抵抗素子1,2の保持温度を設定すると、前述
したように前記式(13)の関係式が成り立ち、従っ
て、各電圧付与回路6,7の出力電圧を、図1のもので
レベル調整を行った場合と同様に、各感熱抵抗素子1,
2の保持温度における抵抗値に応じて各レベル調整回路
18’によりレベル調整して、それを差動増幅回路5に
入力することで、該差動増幅回路5から、流体の温度に
よらずに流量に応じたレベルの信号を得ることができ
る。
【0061】この場合、各感熱抵抗素子1,2に対応す
るレベル調整回路18’の変換倍率をそれぞれA’、
B’としたとき、理論上は、前記式(13)から明らか
なように、 A’・R11/2=B’・R21/2 ……(20) となるように、各レベル調整回路18’の変換倍率を設
定することで、各レベル調整回路18の出力レベルの差
が、流体の温度によらずに流量に応じたものとなる。す
なわち、各レベル調整回路18’の出力レベルをLa、
Lbとし、各感熱抵抗素子1,2への付与電圧をE1 、
E2 、各感熱抵抗素子1,2のそれぞれの保持温度にお
ける抵抗値をR1 、R2 とすると、前記式(20)のよ
うに各レベル調整回路18’の変換倍率A’,B’を設
定したとき、各レベル調整回路18の出力レベルをL
a、Lbの差(La−Lb)は[E1 /(R1 )1/2−E
2 /(R2 )1/2](=各感熱抵抗素子1,2への供給電
力の平方根の差)に比例し、このことと、前記式(1
3)とから、各レベル調整回路18の出力レベルの差
(La−Lb)が流体の温度によらずに流量に応じたも
のとなることが判る。
【0062】本実施形態のフローセンサにおける各レベ
ル調整回路18’はこのようなレベル調整を行うもので
ある。
【0063】尚、実際上は、各電圧付与回路6,7の実
際の出力電圧が、流体の温度変化に対して同じ比率で変
化するように(図7の各電圧付与回路6,7の出力特性
を示す直線が同じ傾きになるように)各レベル調整回路
18’の変換倍率を調整しておくことで、上記のような
レベル調整がなされる。また、図1のものと同様に、こ
のようなレベル調整は、各電圧付与回路6,7の出力電
圧のいずれか一方のみに対して行うようにしてもよい。
【0064】かかる本実施形態のフローセンサでは、前
述したことから明らかなように、各感熱抵抗素子1,2
の保持温度を流体の温度よりも十分に高い温度に設定し
た上で、各電圧付与回路6,7の出力電圧を直線化する
ことなく、レベル調整回路18’によりレベル調整を行
って、差動増幅回路5に入力することで、図1のものと
同様に、流体の幅広い温度範囲において、流体の温度に
よらずに、流体の流量の応じたレベルの出力を精度よく
得ることができる。そして、この場合、図1のものに備
えた直線化回路を設ける必要がないため、フローセンサ
の構成を極めて安価で簡単な構成とすることができる。
【0065】 次に、本発明の第3の実施形態を図8を
参照して説明する。図8は本実施形態のフローセンサの
回路ブロック図である。尚、本実施形態のものは、図6
のものと基本構成が同一のものであるので、同一構成部
分については、図6のものと同一の参照符号を付して説
明を省略する。
【0066】図8を参照して、本実施形態のフローセン
サが図6のものと相違する点は、感熱抵抗素子1,2と
して、前記図5のものと同様に、それぞれの保持温度
(例えば250°C、200°C)における抵抗値R1
,R2 が同一の抵抗値Rとなる感熱抵抗素子を採用す
ると共に、図6のものに備えたレベル調整回路18’を
省略し、各感熱抵抗素子1,2に対応する電圧付与回路
6,7の出力をそのまま差動増幅回路5に入力する構成
とした点である。他の構成は、図6のものと同一であ
る。
【0067】かかる構成のフローセンサでは、感熱抵抗
素子1,2のそれぞれの保持温度における抵抗値R1 ,
R2 が同一の抵抗値Rであるため、前記式(16)を参
照して明らかなように、各感熱抵抗素子1,2に対応す
る電圧付与回路6,7の出力電圧の差(∝E1 −E2 )
が、流体の温度によらずに、流体の流量の応じたものと
なる。従って、電圧付与回路6,7の出力電圧をそのま
ま差動増幅回路5に入力することで、図6のものと同様
に、該差動増幅回路5から、流体の温度によらずに、流
体の流量の応じたレベルの信号を得ることができ、その
レベルにより流体の流量を測定することができる。
【0068】そして、かかるフローセンサでは、図6の
ものと同様の作用効果を奏することはもちろん、さら
に、レベル調整回路を設ける必要がなくなるため、回路
構成がさらに簡単なものとなると同時に安価なものとす
ることができる。尚、前記第1及び第2の実施形態で
は、電圧付与回路6,7の出力電圧を直線化すること
で、各感熱抵抗素子1,2への供給電力に応じたレベル
の信号を生成して、それを差動増幅回路5に入力するよ
うにしたが、例えば電圧付与回路6,7の抵抗体10
(図2参照)の電圧により感熱抵抗素子1(2)に流れ
る電流を把握し、それと電圧付与回路6,7のの出力電
圧とを乗算することで、各感熱抵抗素子1,2への供給
電力に応じたレベルの信号を生成するようにしてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローセンサに関連する参考実施形態
回路ブロック図。
【図2】図1の要部の回路図。
【図3】図1のフローセンサの作動を説明するための実
測データを示す線図。
【図4】図1のフローセンサの作動を説明するための実
測データを示す線図。
【図5】本発明のフローセンサの第1の実施形態の回路
ブロック図。
【図6】本発明のフローセンサの第2の実施形態の回路
ブロック図。
【図7】図6のフローセンサの作動を説明するための実
測データを示す線図。
【図8】本発明のフローセンサの第3の実施形態の回路
ブロック図。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体の流速又は流量を測定すべき流路に配
    置される一組の感熱抵抗素子と、各感熱抵抗素子に対応
    してそれぞれ設けられ、各感熱抵抗素子を互いに異なる
    一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子に電力を供給し
    つつ、そのそれぞれの供給電力値に応じたレベルの信号
    を出力する一組の検出回路と、両検出回路の出力のレベ
    ル差に応じたレベルの信号を前記流体の流速又は流量の
    値を示す信号として出力する差動増幅回路とから成り、 前記各検出回路は、前記各感熱抵抗素子をそのそれぞれ
    に対応した前記一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子
    に電圧を付与する電圧付与回路と、該電圧付与回路の付
    与電圧を前記流体の温度変化に対して直線的にレベルが
    変化する信号に直線化して各感熱抵抗素子への供給電力
    値に応じたレベルの信号を前記差動増幅回路に出力する
    直線化回路とから成り、 前記各感熱抵抗素子は、それぞれに対応した前記一定温
    度において、同一の抵抗値を有する感熱抵抗素子である
    ことを特徴とするフローセンサ。
  2. 【請求項2】流体の流速又は流量を測定すべき流路に配
    置される一組の感熱抵抗素子と、各感熱抵抗素子に対応
    してそれぞれ設けられ、各感熱抵抗素子を互いに異なる
    一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子に電力を供給し
    つつ、そのそれぞれの供給電力値に応じたレベルの信号
    を出力する一組の検出回路と、両検出回路の出力のレベ
    ル差に応じたレベルの信号を前記流体の流速又は流量の
    値を示す信号として出力する差動増幅回路とから成り、 前記各検出回路は、前記各感熱抵抗素子をそのそれぞれ
    に対応した前記一定温度に保持するよう各感熱抵抗素子
    に電圧を付与する電圧付与回路を具備すると共に、前記
    各感熱抵抗素子に対応した前記一定温度は、前記電圧付
    与回路の付与電圧が前記流体の温度変化に対して略直線
    的に変化する温度域に設定され、該電圧付与回路の付与
    電圧又は該付与電圧に比例したレベルの信号を各感熱抵
    抗素子への供給電力値に応じたレベルの信号として前記
    差動増幅回路に出力することを特徴とする フローセン
    サ。 【請求項3】前記各感熱抵抗素子は、それぞれに対応し
    た前記一定温度において、同一の抵抗値を有する感熱抵
    抗素子であることを特徴とする請求項2記載のフローセ
    ンサ。
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