JPH1163429A - 水管群燃焼型加熱装置 - Google Patents

水管群燃焼型加熱装置

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JPH1163429A
JPH1163429A JP9224898A JP22489897A JPH1163429A JP H1163429 A JPH1163429 A JP H1163429A JP 9224898 A JP9224898 A JP 9224898A JP 22489897 A JP22489897 A JP 22489897A JP H1163429 A JPH1163429 A JP H1163429A
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JP
Japan
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combustion
water tube
group
burner
tube group
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Application number
JP9224898A
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English (en)
Inventor
Shingo Yakushiji
新吾 薬師寺
Koji Moriya
浩二 守家
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水管群燃焼をおこなう加熱装置にあって、従
来よりもさらにNOxの発生量を低減化することができ
る水管群燃焼型加熱装置を得る。 【解決手段】 バーナより噴出される燃焼用ガスが水管
群間で燃焼する水管群燃焼を行い、燃焼用ガスの噴出方
向Vにおいてバーナの燃焼面15に対して最も近接した
位置にある第1水管群2aと、第1水管群2aよりも離
間した位置にある第2水管群2bとを備えた水管群燃焼
型加熱装置を構成するに、バーナの燃焼面15が、燃焼
用ガスの噴出方向Vにあって第1水管群2aに対向する
位置にある第1燃焼面区画部と、第1燃焼面区画部とは
異なる位置にある第2燃焼面区画部とに区画形成され、
第2燃焼面区画部に於ける燃焼量が、第1燃焼面区画部
に於ける燃焼量より小さく設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バーナより噴出さ
れる燃焼用ガスが水管群間で燃焼する水管群燃焼を行う
水管群燃焼型加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】このような水管群燃焼型の加熱装置の一
例としては、水管群燃焼ボイラを例示することができ、
このボイラは、水管内を流れる水を水管外の空間で複数
備えられる水管群間の空間に燃焼炎を形成して、加熱を
おこない、所定量の蒸気を得ることができる。このよう
な水管群燃焼型のボイラにあっては、複数の水管が、燃
焼炎の形成方向(燃焼用ガスの噴出方向)に複数配設さ
れるとともに、この燃焼炎の形成方向に対して直交する
方向にも、複数の水管が複数配設される。さらに、この
ような水管群内に燃焼用火炎を形成するためのバーナと
しては、平面形状の燃焼面を有する平面バーナが使用さ
れるとともに、平面バーナの代わりに、複数のバーナを
使用して、前記平面バーナの燃焼面の代わりとするもの
もある。図7に平面バーナを備えた、従来型の水管群燃
焼型ボイラの構成を示した。このボイラにあっては、図
7(イ)に示すように図面上下方向(実際は燃焼室を形
成する缶体長手方向))の筒状に形成される燃焼室内
に、複数の水管を、紙面表裏方向(実際は燃焼室を形成
する缶体幅方向)に備えて構成されている。ここで、複
数の水管は、千鳥状に配設されており、平面バーナは、
その燃焼面を紙面表裏方向に備えている。従って、この
平面バーナからの燃焼用ガスの噴出方向は上下方向とさ
れる。従って、この平面バーナに対して、その燃焼用ガ
スの噴出方向で最も近接した位置にある第1水管群と、
この第1水管群より離間した位置にある第2水管群とを
備えて、燃焼室が構成されている。これらの第1水管群
間には、開き空間が形成されている。さて、従来、この
ような水管群燃焼を行うボイラでは、バーナ直前の水管
の配置に関係なく、図7(ロ)に示すバーナ燃焼面の平
面視図の様に缶体幅方向に対してほぼ全面が均等な燃焼
面を有する平面バーナが使用されていた。複数のバーナ
を使用して、面状の燃焼面を得る場合にあっても、各バ
ーナ間で、その燃焼量は均等とされていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、水管群燃焼で
は、燃焼により発生するNOxの量を下げること、燃焼
室を小さくすることによりボイラをコンパクト化するこ
とが可能である。しかしながら、燃焼により発生するN
Oxの量を下げるためには、水管により火炎の温度を低
下させることが必要であるが、水管が火炎の近くにある
ことが必要であり、水管がない場合には、NOxの低減
効果は小さい。従って、この点に関して、従来型の装置
は、缶体幅方向(図7(イ)の左右方向)で均等な燃焼
面を有していたため、第1水管に接触する状態で形成さ
れる火炎、及び、第1水管間の隙間に形成される火炎が
共に均等に存在し、後者の部位で形成される火炎が、N
Ox発生を起こしやすく、改良の余地があった。この状
況は、平面バーナを備えるもの、さらに複数のバーナを
備えるものともに同様である。
【0004】本発明の目的は、水管群燃焼をおこなう加
熱装置にあって、従来よりもさらにNOxの発生量を低
減化することができる水管群燃焼型加熱装置を得ること
にある。
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による、バーナより噴出される燃焼用ガスが水
管群間で燃焼する水管群燃焼を行い、燃焼用ガスの噴出
方向においてバーナの燃焼面に対して最も近接した位置
にある第1水管群と、この第1水管群よりも離間した位
置にある第2水管群とを備えた水管群燃焼型加熱装置の
特徴構成は、以下の通りである。即ち、バーナの燃焼面
が、燃焼用ガスの噴出方向にあって第1水管群に対向す
る位置にある第1燃焼面区画部と、第1燃焼面区画部と
は異なる位置にある第2燃焼面区画部とに区画形成さ
れ、第2燃焼面区画部に於ける燃焼量が、第1燃焼面区
画部に於ける燃焼量より小さく設定されていることにあ
る。この構成のバーナにあっては、その燃焼面が、第1
燃焼面区画部と第2燃焼面区画部との2群の区画部に区
分けされて、これらの区画部間で、その燃焼量が異なる
構成とされる。第1燃焼面区画部は第1水管群に対向し
た位置に配設され、第2燃焼面区画部が、この第1燃焼
面区画部とは異なった位置、即ち、第1水管群に対し
て、これらと対向しない位置に配設される。少なくと
も、先に説明したような第1水管群間に備えられる隙間
部に対向する位置が、この第2燃焼面区画部の存する位
置となる。さて、各区画部間に於ける燃焼量に関して説
明すると、第2燃焼面区画部に於ける燃焼量が、第1燃
焼面区画部のそれよりも小さいものとされる。この状態
で、第1燃焼面区画部からの燃焼炎は、その第1水管群
との位置関係から、第1水管群に当接するか第1水管群
近傍に形成される炎となり、この水管群によって温度低
下を起こされ、NOx発生量があるレベルまで低下され
る。一方、第2燃焼面区画部からの燃焼炎は、第1水管
群から比較的遠い位置(例えば、水管群間の隙間)に形
成される炎となり、比較的自由な燃焼状態を保証される
が、その燃焼量自体が制限されているため、この部位か
らの燃焼炎に関しても、NOx発生量があるレベルまで
抑制される。結果、全体としてのNOx発生量を従来よ
りも抑えることができ、燃焼室の小型化等に寄与するこ
とができる。また、このように、バーナ面を区画するこ
とにより第1燃焼面区画部と第2燃焼面区画部との境界
部分ではガスの流れが乱されるために保炎性が増し、リ
フト限界が高くなりより高い空気比でも燃焼可能とな
る。
【0005】さて、上に説明したように、燃焼面を2群
の区画部に分割し、一方の区画部群を燃焼状態に、他方
の区画部群をこの燃焼状態より燃焼量を小さい状態に維
持して、低NOx燃焼をおこなう水管群燃焼型加熱装置
にあって、第2燃焼面区画部が、複数備えられる第1燃
焼面区画部間に渡って設けられている火移り用燃焼面区
画部とされていることが好ましい。この場合は、火移り
用燃焼面区画部において燃焼炎を形成して、第1燃焼面
区画部間に於ける火移りを保証して、複数の第1燃焼面
区画部間で安定した燃焼状態を維持することができる。
【0006】上記の手段にあっては、第2燃焼面区画部
の燃焼量を第1燃焼面区画部の燃焼量より小さくした
が、極端な場合にあっては、第2燃焼面区画部の燃焼量
を皆無とすることもできる。このような構成を提案する
のが、以下の例である。即ち、上記と同様に、バーナよ
り噴出される燃焼用ガスが水管群間に燃焼火炎を形成す
る水管群燃焼を行い、前記燃焼用ガスの噴出方向におい
て前記バーナの燃焼面に対して最も近接した位置にある
第1水管群と、前記第1水管群よりも離間した位置にあ
る第2水管群とを備えた水管群燃焼型加熱装置におい
て、バーナの燃焼面が、燃焼用ガスの噴出方向にあって
第1水管群に対向する位置にある第1燃焼面区画部と、
第1燃焼面区画部とは異なる位置にある第2燃焼面区画
部とに区画形成され、第1燃焼面区画部のみにおいて燃
焼するものとする。この構成の場合は、第1燃焼面区画
部からのみ燃焼炎が形成されることとなり、この燃焼炎
は、その第1水管群との位置関係から、第1水管群に当
接するか第1水管群近傍に形成される炎となる。結果、
水管群によって温度低下を起こされ、NOx発生量を抑
えることができる。また、第1水管群間の隙間で燃焼す
る燃焼炎が少なくなるため、この部位から発生するNO
xも低い状態となり、全体としてのNOx発生量を抑え
ることができる。
【0007】以上説明してきた例は、所謂、面状の燃焼
面を有するバーナを水管群に対して備える構成に関する
説明であるが、上記の技術思想は、水管群に対して、一
定の燃焼面を形成するように、複数のバーナを備えた装
置にあっても通用する。以下、このような例に関して説
明する。
【0008】即ち、複数のバーナより噴出される燃焼用
ガスが水管群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行
い、これら複数のバーナに対して燃焼用ガスの噴出方向
において最も近接した位置にある第1水管群と、この第
1水管群よりも離間した位置にある第2水管群とを備え
た水管群燃焼型加熱装置の本願の特徴構成は、以下の通
りである。即ち、燃焼用ガスの噴出方向にあって第1水
管群に対向する位置にある第1バーナ群と、この第1バ
ーナ群とは異なる位置にある第2バーナ群とに、複数の
バーナが分けられ、第2バーナ群に於ける燃焼量が、第
1バーナ群に於ける燃焼量より小さく設定されている。
この場合、第1バーナ群は先に説明した第1燃焼面区画
部に対応し、第2バーナ群は、第2燃焼面区画部に対応
する。そして、第1バーナ群からの燃焼炎は、第1水管
群に接触するか、その近傍に形成され、温度が低下され
てNOxの発生が抑えられる。一方、第2バーナ群から
の燃焼炎に関しては、その燃焼量が抑えられるため、発
生するNOxの量が抑えられることとなる。結果、全体
としてのNOxの発生量を抑えて、装置の小型化に寄与
できる。さらに、この構成例にあっても、第1バーナ群
間の火移りを実現するため、第2バーナ群として、燃焼
用ガスが噴出する火移り用バーナ群が、第1バーナ群間
に渡って設けられていることが好ましい。この構成を採
用することにより、第1バーナ群間に渡る火移り状態を
確保して、この群に属するバーナに於ける燃焼を安定し
たものとすることができる。
【0009】さらに、第1バーナ群のみを燃焼状態と
し、第2バーナ群に関しては、これを燃焼をおこなわな
い状態とすることも、好ましい。この構成は、先に対応
して、複数のバーナより噴出される燃焼用ガスが水管群
間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前記複数の
バーナに対して前記燃焼用ガスの噴出方向において最も
近接した位置にある第1水管群と、前記第1水管群より
も離間した位置にある第2水管群とを備えた水管群燃焼
型加熱装置において、燃焼用ガスの噴出方向にあって前
記第1水管群に対向する位置に第1バーナ群のみを備え
ることで、低NOx燃焼をおこなうものとすることがで
きる。
【0010】
【発明の実施の形態】本願の水管群燃焼型加熱装置1の
実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、この水
管群燃焼型加熱装置1の基本構成を示した。水管群燃焼
型加熱装置1は、多数の水管2を備えた缶体3を燃焼室
4として備えるものであり、この燃焼室4の基端側にバ
ーナ(単一の平面状の燃焼面を備えたバーナ)5を、そ
の下手側に煙道6を備えて構成されている。上記のバー
ナ5の上流側には、このバーナ5に燃焼用ガスを構成す
る予混合気を供給するための機構が備えられている。即
ち、このバーナ5の供給側には、都市ガス13Aといっ
た燃料ガス供給管7と、燃焼用空気を供給するための空
気供給管8とを備えたベンチュリーミキサー9が備えら
れており、このベンチュリーミキサー9においては、燃
焼用空気の噴出により、都市ガスが吸引され、予混合気
が形成される。さらに、各供給管7、8には、流量調整
用の流量調節弁10が備えられており、混合気の空気比
を調節することができる。ベンチュリーミキサー9を経
て得られた予混合気は、バーナ5に供給される。前記バ
ーナ5は、図1に示されるように、バーナプレート11
の背面に燃焼用ガス室(バーナウインドボックス)12
を備えたものであり、その予混合気供給側から、分散板
13、整流板14を室内に備えて構成されている。従っ
て、この室内に供給された予混合気は、分散されるとと
もに、整流板14で整流されて、バーナフレート11に
均等に供給される。即ち、図1に示す左右方向で、ほぼ
一定のガス流速の混合気が供給される。
【0011】以上がバーナ5及び、本願の装置の周辺機
器の構成説明であるが、以下に缶体内に配設される水管
2(複数あるため水管群と呼ぶ)について説明する。こ
れらの水管群は、図1に示すように、紙面表裏方向であ
る水平方向に複数個千鳥状に配設される構成とされてお
り、これらの水管群内を加熱対象の水が流通することに
より、蒸気を形成することができる。先にも説明したよ
うに、これらの水管群に関して、本願においては、バー
ナの燃焼面15からの燃焼用ガスの噴出方向V(図1に
おける上下方向)において、バーナの燃焼面15に対し
て最も近接した位置にある第1水管群2aと、この第1
水管群2aよりも離間した位置にある第2水管群2bと
を、別の群に属するものとして取り扱う。図示する例に
あっては、第1水管群2aに属する水管2はバーナの燃
焼面15に対向する位置に2個ある。第2水管群2bに
関しては、この第1水管群2aよりも下手側に、複数段
備えられている。図示する様にバーナの燃焼面15は、
第1水管群2aの複数配設方向と平行となっており、上
記噴出方向Vとは直交している。
【0012】次に、本願の水管群燃焼型ボイラの特徴構
成であるバーナの燃焼面15の構成(具体的には,燃焼
面15を燃焼用ガスの通過方向の下手側表面に形成する
バーナプレート11の構成)について説明する。このバ
ーナにあっては、バーナの燃焼面15が、燃焼用ガスの
噴出方向Vにあって第1水管群2aに対向する位置にあ
る第1燃焼面区画部15aと、第1燃焼面区画部15a
とは異なる位置にある第2燃焼面区画部15bとに区画
形成されている。当然、第1燃焼面区画部15aの燃焼
用ガスの噴出方向に於ける下手側には、第1水管群2a
が配設されている。一方、第2燃焼面区画部15bの燃
焼用ガスの噴出方向に於ける下手側は、第1水管群間に
位置する間隙16が位置するものとなっており、この部
位16よりさらに下手側に第2水管群2bが配設される
構成となっている。
【0013】次に、第1、第2燃焼面区画部15a、1
5bに於ける燃焼量の制御状態について説明する。図1
に示す例にあっては、図2に示す第1燃焼面区画部15
aのみにおいて燃焼する構成とされている。即ち、図2
に示すように、バーナプレート11の中央側部位(第2
燃焼面区画部15bに対応)には、盲板17が介装され
ており、この盲板17によって、第2燃焼面区画部15
bから燃焼用ガスである混合気が噴出せず、その下流側
では、燃焼が発生しにくい状態となっている。一方、第
1燃焼面区画部15aからの燃焼用ガスは、燃焼炎を形
成することとなるが、この燃焼炎は、第1水管群2aに
接触するか、この水管群2aの近傍に形成される。
【0014】燃焼面の別構成に関して述べると、図3に
示す例にあっては、図1に示す例と同様に、盲板17が
設けられている構成に関しては同様であり、第1燃焼面
区画部15aにおいて燃焼する構成は、先に説明した図
1、2に示す例と同様である。さらに、この例にあって
は、燃焼用ガスが噴出する火移り用燃焼面区画部15c
が、複数備えられる第1燃焼面区画部15a間に渡って
設けられている。従って、この火移り用燃焼面区画部1
5cの下手側にも燃焼炎が形成され、複数の第1燃焼面
区画部15a間に渡る火移りが容易に発生する。
【0015】図4に示す例にあっては、第1燃焼面区画
部15a及び第2燃焼面区画部15bともに、燃焼状態
に維持されるのであるが、前者の区画部15aに於ける
燃焼量が、後者の区画部15bに於ける燃焼量より大き
くなるように構成されている。従って、同図に示すよう
に、両者の区画部間で、対応して形成される燃焼炎の先
端部は、前者の方が後者より下手側に位置することとな
る。このような第1燃焼面区画部15aと第2燃焼面区
画部15bとの間に於ける燃焼量の差は、各区画部間か
ら噴出される燃焼用ガスの量に差を付けることで、この
実施例では、この構造を達成している。即ち、燃焼面1
5を形成するバーナプレート11の表裏面間に渡って貫
通される連通孔18の単位面積当たりの密度が、前者の
場合は大きく、後者の場合は、小さく選択されている。
従って、燃焼量の差が両区画部間で発生することとな
る。燃焼量を制御するにあたっては、孔開きプレートと
して、この孔の径を、前者の場合は大きく、後者の場合
は小さく選択する構成としてもよい。この場合も、第1
燃焼面区画部15aからの燃焼用ガスは、第1水管群2
aに接触するか、この水管群2aの近傍に燃焼炎を形成
する。結果、低NOx化が図れる。一方、第2燃焼面区
画部15bから形成される燃焼用ガスは、元来少なく制
御されるため、その燃焼量が少なく同様に低NOx化を
図ることができる。
【0016】上記の図1、2に示す水管群燃焼型ボイラ
において、加熱燃焼を行った場合のNOx低減効果につ
いて、実験例を参照しながら、説明する。この実験は、
図1、2に示す本願に係わるボイラで、燃焼面を複数の
区画部に分割して燃焼を行うバーナと、従来型の燃焼面
において均一な燃焼をおこなうバーナとを使用したボイ
ラに於けるNOx発生量を比較したものである。
【0017】燃焼条件は、以下のようにした。 バーナに対するインプット量 60×104kcal/
h 空気比は1.2程度とした。
【0018】従来型の全面において均等な燃焼をおこな
う場合と、各区画部を設けて燃焼をおこなう場合との間
において、発生するNOx量を概略、均等燃焼の場合の
60〜90%とでき、大きなNOx低減効果であった。
この状況で、元来、水管群燃焼にあっては、発生するN
Ox量が、ほぼ限界まで低減されていることを考える
と、大きな低減効果である。
【0019】〔別実施の形態例〕本願の別実施の形態例
に関して以下説明する。 (1) 複数のバーナを使用する形態例 上記の実施の形態例においては、装置に備えられるバー
ナとしては、単一の燃焼面を備えた平面バーナを使用す
るものを対象としたが、本願の発明思想は、このような
単一の燃焼面を形成する平面バーナを使用する代わり
に、複数のバーナを使用して、疑似的に平面状の燃焼面
を構成するバーナにあっても、これを使用することがで
きる。即ち、この場合は、上述の図1に示す実施例に対
しては、図5のような構成を採用することとなる。即
ち、複数のバーナ40より噴出される燃焼用ガスが水管
群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前記複数
のバーナに対して前記燃焼用ガスの噴出方向Vにおいて
最も近接した位置にある第1水管群2aと、前記第1水
管群2aよりも離間した位置にある第2水管群2bとを
備えた水管群燃焼型加熱装置を構成するに、燃焼用ガス
の噴出方向にあって第1水管群2aに対向する位置に第
1バーナ群40aのみを備えて、これを構成するのであ
る。図5に示す例にあっては、同一能力のバーナ40
が、第1水管群の配設方向(この方向は燃焼用ガスの噴
出方向とは直交している)に、並列して複数設けられ
る。これらの並設されるバーナ40は、第1水管群2a
に燃焼用ガスの噴出方向において対向する位置にあるも
ののみとされる。従って、これらのバーナ40から形成
される火炎は、水管に接触するか、その近傍に形成され
るのみとなり、この場合も、先に示した例の原理で、低
NOx燃焼をおこなうことができる。
【0020】このように、第1水管群に対向する位置関
係で第1バーナ群を設ける場合にあっても、燃焼用ガス
が噴出する火移り用バーナ群が、これらの第1バーナ群
間に渡って(即ち、第1バーナ群間の中間位置に、火移
り用バーナ群により形成される火炎が、第1バーナ群間
により形成される火炎と干渉する状態で)設けられてい
ることが好ましい。
【0021】さらに、上述の図4に示す実施形態の例に
対しては、図6のような構成を採用することとなる。即
ち、複数のバーナ50より噴出される燃焼用ガスが水管
群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前記複数
のバーナ50に対して前記燃焼用ガスの噴出方向Vにお
いて最も近接した位置にある第1水管群2aと、前記第
1水管群2aよりも離間した位置にある第2水管群2b
とを備えた水管群燃焼型加熱装置を構成するに、複数の
バーナ50を、燃焼用ガスの噴出方向にあって第1水管
群2aに対向する位置にある第1バーナ群50aと、第
1バーナ群50aとは異なる位置にある第2バーナ群5
0bとに分割し、第2バーナ群50bに於ける燃焼量
を、第1バーナ群50aに於ける燃焼量より小さく設定
するのである。図6に示す例にあっては、同一能力のバ
ーナ50が、第1水管群2aの配設方向(この方向は燃
焼用噴出方向と直交している)に、並列して複数、設け
られ。これなお並設バーナ50が、第1水管群2aに対
向するもの50aと、しないもの50bとに群分けされ
る。そして、それぞれのバーナ50に別個に燃焼用ガス
が(流量制御弁51による)供給量制御を伴って供給で
きる構成とされる。ここで、第1バーナ群50aに対す
るガス供給量は、第2バーナ群50bに対するそれより
大きなものとされる。このようにすることにより、先に
示した例の原理で、低NOx燃焼をおこなうことができ
る。
【0022】(2) これまでに説明してきた実施の形
態にあっては、第1燃焼面区画部15aと第2燃焼面区
画部15bとの間に於ける燃焼量の差をつける手段とし
て、あるいは、第1バーナ群50aと第2バーナ群50
bとの間に於ける燃焼量の差を付ける手段として、バー
ナプレート11に備えられる連通孔18の密度を変え
る、バーナプレートに於ける炎孔の開口量を変える、さ
らには、それぞれの部位に供給される燃焼用ガス(予混
合気)の量を変える等の手段を示したが、このように燃
焼量に差を持たせる手段としては、任意、公知のものを
採用することができ、上記の他、通気性マットバーナプ
レートの通気率に差を持たせる等の手法がある。 (3) 本願は単一の燃焼面を有する平面バーナを使用
すること、複数のバーナを使用すること等の点で、その
NOx低減能を共に発揮できるが、単一の燃焼面を有す
る平面バーナに、燃焼量の異なる2区画、あるいは、そ
れ以上の区画部を区画形成するものの方が、装置系が簡
略となり(実質上バーナプレートを当初の目的に合致す
るように製作するだけで目的を達成できる)、簡便であ
る。 (4) 上記の実施の形態例では、第1燃焼面区画部と
第2燃焼面区画部間に於ける燃焼量が、段差を有して変
化するものに関して説明したが、このような段差は、必
ずしも必要とされるものではない。例えば、バーナプレ
ートを、多孔性セラミックや難燃性繊維の焼結体として
構成する場合に、基本的には、第1水管群に対向する位
置にある部位ほど、これらのセラミック、繊維の充填密
度を低くし、燃焼用ガスが多く供給されるものとし、第
1水管群間にある隙間部に対向する位置にある部位ほ
ど、これらのセラミック、繊維繊維の充填密度を高く
し、その燃焼量を抑えることが好ましい。この場合、充
填密度の低い部分を、第1燃焼面区画部と、充填密度高
い部分を第2燃焼面区画部と呼ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の水管群燃焼型ボイラの側面概略構成図
【図2】図1に示す本願の水管群燃焼型ボイラの燃焼面
の平面視図
【図3】火移り用燃焼面区画部を備えたバーナの燃焼面
平面視図
【図4】燃焼面区画部間においてその燃焼量を変えたバ
ーナの燃焼面平面視図
【図5】第1バーナ群のみを備えた本願の水管群燃焼型
ボイラの側面概略構成図
【図6】第1バーナ群、第2バーナ群間で、その燃焼量
を変えた本願の水管群燃焼型ボイラの側面概略構成図
【図7】従来型の平面的に均一な燃焼面を備えた水管群
燃焼型ボイラの概略構成図
【符号の説明】
1 水管群燃焼型加熱装置 2 水管 2a 第1水管群 2b 第2水管群 15a 第1燃焼面区画部 15b 第2燃焼面区画部 15c 火移り用燃焼面区画部 40 バーナ 40a 第1バーナ群 50 バーナ 50a 第1バーナ群 50b 第2バーナ群

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バーナより噴出される燃焼用ガスが水管
    群間で燃焼する水管群燃焼を行い、前記燃焼用ガスの噴
    出方向において前記バーナの燃焼面に対して最も近接し
    た位置にある第1水管群と、前記第1水管群よりも離間
    した位置にある第2水管群とを備えた水管群燃焼型加熱
    装置であって、 前記バーナの燃焼面が、前記燃焼用ガスの噴出方向にあ
    って前記第1水管群に対向する位置にある第1燃焼面区
    画部と、前記第1燃焼面区画部とは異なる位置にある第
    2燃焼面区画部とに区画形成され、前記第2燃焼面区画
    部に於ける燃焼量が、前記第1燃焼面区画部に於ける燃
    焼量より小さく設定されている水管群燃焼型加熱装置。
  2. 【請求項2】 前記第2燃焼面区画部が、複数備えられ
    る前記第1燃焼面区画部間に渡って設けられる火移り用
    燃焼面区画部である請求項1記載の水管群燃焼型加熱装
    置。
  3. 【請求項3】 バーナより噴出される燃焼用ガスが水管
    群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前記燃焼
    用ガスの噴出方向において前記バーナの燃焼面に対して
    最も近接した位置にある第1水管群と、前記第1水管群
    よりも離間した位置にある第2水管群とを備えた水管群
    燃焼型加熱装置であって、 前記バーナの燃焼面が、前記燃焼用ガスの噴出方向にあ
    って前記第1水管群に対向する位置にある第1燃焼面区
    画部と、前記第1燃焼面区画部とは異なる位置にある第
    2燃焼面区画部とに区画形成され、前記第1燃焼面区画
    部のみにおいて燃焼する水管群燃焼型加熱装置。
  4. 【請求項4】 複数のバーナより噴出される燃焼用ガス
    が水管群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前
    記複数のバーナに対して前記燃焼用ガスの噴出方向にお
    いて最も近接した位置にある第1水管群と、前記第1水
    管群よりも離間した位置にある第2水管群とを備えた水
    管群燃焼型加熱装置であって、 前記複数のバーナが、前記燃焼用ガスの噴出方向にあっ
    て前記第1水管群に対向する位置にある第1バーナ群
    と、前記第1バーナ群とは異なる位置にある第2バーナ
    群とに分けられ、前記第2バーナ群に於ける燃焼量が、
    前記第1バーナ群に於ける燃焼量より小さく設定されて
    いる水管群燃焼型加熱装置。
  5. 【請求項5】 前記第2バーナ群が、複数の前記第1バ
    ーナ群間に渡って設けられている火移り用バーナ群であ
    る請求項4記載の水管群燃焼型加熱装置。
  6. 【請求項6】 複数のバーナより噴出される燃焼用ガス
    が水管群間に燃焼火炎を形成する水管群燃焼を行い、前
    記複数のバーナに対して前記燃焼用ガスの噴出方向にお
    いて最も近接した位置にある第1水管群と、前記第1水
    管群よりも離間した位置にある第2水管群とを備えた水
    管群燃焼型加熱装置であって、 前記燃焼用ガスの噴出方向にあって前記第1水管群に対
    向する位置に第1バーナ群のみを備えた水管群燃焼型加
    熱装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6494169B1 (en) 1999-05-21 2002-12-17 Aisin Seiki Kabushiki Kaisha Evaporator and method for manufacturing same
JP2011226679A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Kawasaki Thermal Engineering Co Ltd 流体加熱装置
JP2017067409A (ja) * 2015-10-01 2017-04-06 リンナイ株式会社 複合熱源機

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JP2011226679A (ja) * 2010-04-16 2011-11-10 Kawasaki Thermal Engineering Co Ltd 流体加熱装置
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