JPH1162584A - 自動車エンジン用冷却装置 - Google Patents

自動車エンジン用冷却装置

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JPH1162584A JP10147858A JP14785898A JPH1162584A JP H1162584 A JPH1162584 A JP H1162584A JP 10147858 A JP10147858 A JP 10147858A JP 14785898 A JP14785898 A JP 14785898A JP H1162584 A JPH1162584 A JP H1162584A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車エンジン用冷却装置のファン運転制御
の改良。 【解決手段】 自動車エンジン(10)および、または、自
動車の運転パラメータおよび、または、環境パラメータ
を評価する制御器を使ってクーラント温度のさまざまな
調節レベルに合わせてサーモスタットバルブ(16)を調整
する自動車エンジン用冷却装置において、制御器が運転
パラメータおよび、または、周辺パラメータに応じてフ
ァン(19)のファン制御器(21)に入力される情報信号を形
成し、この情報信号に応じてファン制御器がファン出力
を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイパス管およ
び、または、クーラント冷却器を通ってエンジン出口か
らエンジン入口へ流れるクーラントの流量を調節し、エ
ンジンおよび、または、自動車の運転パラメータおよ
び、または、環境パラメータを評価する制御器を使って
クーラント温度のさまざまな調節レベルに合わせて調整
できるサーモスタットバルブ、およびクーラント冷却器
に組み付けられ、ファン制御器によって制御されるファ
ンを具備する自動車エンジン用冷却装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】冒頭に挙げた種類の従来公知の冷却装置
(DE 44 09 547 A)では、クーラント温度をより低い調節
レベルへ移行する際、そのより低い調節レベルにより迅
速に到達するためにファンを直接制御する。そのため、
ファンを、サーモスタットバルブの制御によって、始動
あるいは、より高い回転数に、すなわち、より高い出力
への切り替えをおこなう。ファンの作動時間、または回
転数上昇運転を、タイマー回路を使って制限する。
【0003】また、冒頭に挙げた種類の従来公知の冷却
装置において、クーラントの実際温度を目標値と比較
し、その目標値を超えた場合に AND回路の一方の入力に
向かう温度信号を形成する温度比較ステップを持つファ
ン回路を設けることも知られている(DE 195 00 648
A)。 AND回路の他方の入力に、サーモスタットバルブ
をより低い調節レベルに切り替えるスイッチング信号が
向けられた時は、ファン投入信号が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の基礎にある課
題は、ファン運転制御器に改良を加えた、冒頭に挙げた
種類の冷却装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題は、制御器が運
転パラメータおよび(または)環境パラメータに応じて
ファン制御器に入力される情報信号を形成し、この情報
信号に応じてファン出力を決定することによって解決さ
れる。
【0006】本発明による構成では、サーモスタットバ
ルブの制御器は、クーラント温度の設定された調節レベ
ルに関する情報信号を発し、これについて適切な方法で
ファン出力を決定するのは、それ自体公知のファン制御
器に委ねる。すると、例えば従来公知のモータ制御器に
内蔵可能なファン制御器は従来公知の方法で作動し、そ
こで、運転状態および、または、環境状態に応じてエン
ジンから要求される総冷却能力に自ら貢献する。
【0007】本発明の態様では、サーモスタットバルブ
の制御のために、エンジンの始動とともに実行すべきセ
ットアッププログラムを持つフローチャートを具備し、
それは、クーラント温度の高い調節レベルに対応する情
報信号をファン制御器に送出するステップを含んでい
る。これで、エンジンの始動の際、ファン制御器は、ク
ーラント温度の高い調節レベルが望まれることを知らさ
れ、それに応じてファン出力を決定することになる。
【0008】本発明のさらなる態様では、セットアップ
プログラムが、メインプログラムの比較ステップのため
の閾値をメモリから呼び出し、次いで繰返し実行すべき
メインプログラムの比較ステップに入力する実行ステッ
プを含む様にされている。かかる比較ステップの閾値
は、例えば識別フィールドとしてメモリに保存すること
ができる。
【0009】本発明のさらなる態様では、メインプログ
ラムが、実際のクーラント温度を閾値と比較し、これに
達した時にファン制御器を解除する信号をファン制御器
に送出する比較ステップを含むようにされている。これ
で確実に、クーラント温度が閾値に達する前はファンが
運転されないことになる。
【0010】本発明のさらなる態様では、メインプログ
ラムが複数の実行すべき比較ステップを含み、これら
は、それぞれエンジンまたは自動車の運転パラメータま
たは環境パラメータの実際値と閾値を比較し、この閾値
に達した時、クーラント温度の調節レベルをクーラント
温度のより低い方に移す信号をその先のメインプログラ
ムのステップに導き、ひとつも閾値に達していない限
り、この様な信号をメインプログラムの始まりに戻すよ
うにされている。運転パラメータおよび(または)環境
パラメータの閾値は、これが現れた時にエンジンのため
に高い冷却出力が要求されるように決められる。これ
で、この様な場合にしかクーラント温度がより低い方の
調節レベルに設定されず、高い冷却能力が必要でないそ
の他の運転条件の場合にはクーラント温度が高い調節レ
ベルに設定されることになり、その結果、エンジンはそ
れ相当に都合よく高い温度レベルにおいて運転されるこ
とになる。
【0011】本発明のさらなる態様では、比較ステップ
が、実際のクーラント温度を閾値として定められた最大
クーラント温度と比較し、そして、この閾値を超えた時
にクーラント温度の調節レベルをクーラント温度の低い
方、特に最も低いクーラント温度の方に移す信号が転送
され、これが、低い調節レベルの設定をもたらすステッ
プと、ファン制御器のための情報信号を形成するステッ
プとを辿るようにされている。これをもってすれば、何
らかの理由から、例えばクーラント冷却器が汚れたこと
から過熱の危険が存在する時に、制御プログラムを短絡
させ、常に低い調節レベルまたは最も低い調節レベルを
働かせる安全機能が導入される。
【0012】本発明のさらなる態様では、サーモスタッ
トバルブがサーモスタット型動作エレメントを内蔵し、
これに、クーラント温度の調節レベルを調整する電熱エ
レメントが割り当てられて、そして、制御器が加熱出力
を制御する手段を内蔵するようにされている。加熱出力
の制御により、サーモスタット型動作エレメントの過熱
を招くことなくダイナミック挙動を実現させることが可
能である。そこで特にここでは、電源投入時にサーモス
タット型動作エレメントの迅速な反応を引き起こす高い
加熱出力が作り出される一方、所与の時間の経過後にそ
の加熱出力が減じられ、それで、サーモスタット型動作
エレメントが過負荷されなくなるようにされている。こ
の構成は、本発明による以外の方法でファン制御器を起
動することを見込んだすべてのケースにおいて有利であ
る。
【0013】この構成では、制御器が、高い加熱出力で
働く電熱エレメントの作動時間を制限するタイマー回路
を内蔵し、これでその後加熱出力が減じられるようにす
れば、さらに有利である。その場合、制御器が、電熱エ
レメントに電流をパルスの形で、また、間にパルス休止
の入った形で送るパルス送信器を内蔵すれば、特に有利
である。パルス持続時間および、または、パルス休止時
間を設定することにより、加熱出力は単純な方法で所望
の値に減じることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を用いて本発明の
実施の形態を説明する。本発明のさらなる特徴および利
点は、図面に描かれた実施例の下記説明から明らかとな
る。図1に示された自動車の液冷エンジン10は、クーラ
ント冷却器11とともにクーラント循環系の中に配置され
ている。エンジン10からはエンジン出口管12がクーラン
ト冷却器に通じ、そこからは、内部にクーラントポンプ
14を配置したエンジン入口管13がエンジン10に戻る。エ
ンジン出口管12とエンジン入口管13の間に、クーラント
冷却器11を迂回するバイパス管15が配置されている。バ
イパス管15は、バイパス管15および(または)クーラン
ト冷却器11を通ってエンジン出口管12からエンジン入口
管13へ流れるクーラントの流量を調節するサーモスタッ
トバルブ16を介してエンジン入口管13と連結されてい
る。
【0015】優先的にDE 42 33 913 Aに応じて形作られ
たサーモスタットバルブ16は、サーモスタット型動作エ
レメントを内蔵し、これに、スイッチング素子17を介し
て電源18と接続できる電熱エレメントが組み込まれてい
る。
【0016】クーラント冷却器11にはファン19が組み付
けられていて、その電気駆動モータ20がファン制御器21
によって制御されている。図解上の理由から別々に描か
れただけのファン制御器21は普通、例えば Robert Bosc
h GmbH社がMotronicの商品名で販売しているような電子
式モータ制御器22の構成部分である。このモータ制御器
22は、ここには詳細に描かれていないが、エンジンとこ
れを搭載した自動車の運転パラメータ、および識別フィ
ールド内にファイルされた運転条件とともに評価される
環境パラメータを把握し、そこで、モータ制御器22から
エンジン10に関する、特にエンジンへの燃料供給に関す
る制御コマンドが作り出される。特にモータ制御器によ
って把握される運転パラメータは、吸気(エンジンの吸
気管内の空気) の温度、負荷、エンジン回転数および車
速である。モータ制御器22は、特に上記運転パラメータ
に対応する信号を出力するのにも適している。
【0017】サーモスタットバルブ16のために、すなわ
ちサーモスタットバルブ16の熱応動要素の加熱のために
制御器23が設けられている。サーモスタットバルブ16の
熱応動要素の加熱エレメントへの通電により、クーラン
ト温度の調節レベルを変えることができ、これに合わせ
てサーモスタットバルブ16がクーラント温度を加減す
る。以下、このクーラント温度の調節レベルの変え方
を、二通りだけ調節レベルを設定する例に則して説明す
る。但し、クーラント温度の調節レベルを数通り設定す
る、特に、後述するサーモスタットバルブ16の熱応動要
素の電熱エレメントの起動を使って設定することも、も
ちろん可能である。
【0018】制御器23にはメモリ24が組み込まれてい
て、この中に、エンジン10およびこれを搭載した自動車
の運転パラメータの閾値ならびに環境パラメータの閾値
が特に識別フィールドの形で記憶され、これが制御器23
に後述の方法で入力され、該制御器によって処理され
る。制御器23にはさらに、例えばエンジン出口管12の中
に配置された温度センサ25によって把握された実際クー
ラント温度が入力される。
【0019】図2,3には、制御器23の追跡プログラム
のための信号流れ図が描かれていて、これから、制御器
23の構造は専門家にとってたちどころに明らかとなる。
追跡プログラムは、エンジン始動後に実行されるセット
アッププログラム、ならびに始動後に絶えず繰り返し実
行されるメインプログラムを含んでいる。エンジン10の
始動とともに先ずステップ30において、既存の診断シス
テムが正しく働いているかどうかの判定がされる。答え
が否定的であると、信号はステップ31に向かい、そこで
この情報が診断システムのエラーメモリの中に記憶され
ることになる。信号はそこからさらに、ファン制御器21
のための情報信号を作るステップ32に向かい、そこでそ
の情報信号が、クーラント温度の高い調節レベルが要求
されることをファン制御器21に知らせることになる。図
2から分かる通り、ステップ30の答えが肯定的である場
合、信号はステップ31を飛び越え、直接、ステップ32に
向かう。
【0020】ステップ32から信号はセットアッププログ
ラムのステップ33に向かい、そこで後述される閾値が、
これを優先的に識別フィールドの形で記憶しているメモ
リ24から突き止められ、相応のメインプログラムステッ
プに入力されることになる。このセットアッププログラ
ムの後、メインプログラムは絶えず繰り返し実行され
る。
【0021】メインプログラムは、クーラント温度の閾
値を実際のクーラント温度と比較する比較ステップ34を
含む。例えば95℃である閾値にまだ達していない時、信
号はステップ35に向かい、そこで、ファン機能停止の信
号が形成され、ファン制御器21に送られる。これで、フ
ァン19が早期に作動させられて運転温度に達するのが遅
れるしまう事態は無くなる。実際のクーラント温度が閾
値を超えた時、信号はステップ36に進み、そこで、ファ
ン機能遮断解除の信号が形成され、ファン制御器21に送
られる。
【0022】その後、信号は、所与のクーラント上限温
度、例えば 115℃を実際のクーラント温度と比較する比
較ステップ37に向かう。クーラント上限温度に達するか
これを超えるかした時、信号はステップ38に向かい、そ
こで、調節レベルを低いクーラント温度に合わせるため
に、サーモスタットバルブ16の熱応動要素を加熱するよ
う促される。これで、例えばクーラント冷却器11の汚れ
による誤動作が存在する時に応答する安全機能が実現さ
せられる。ステップ38の後、信号はステップ39に進み、
そこで、冷却装置からクーラント温度について低い調節
レベルが要求される旨の情報信号が形成され、ファン制
御器21に送られる。これで、ファン制御器21は、ファン
19を相応の出力で運転するよう促すことになる。この
後、信号はメインプログラムの入力に戻る。
【0023】クーラント温度が閾値と指定された最大ク
ーラント温度より低いことを比較ステップ37が確認した
時、信号はさらにその先の、運転パラメータまたは周辺
パラメータの閾値をこの運転パラメータまたは周辺パラ
メータの実際値と比較する比較ステップ40、41、42、43
に向かう。比較ステップ40では、吸気温度の閾値が、モ
ータ制御器22から送られてきた吸気温度の実際値と比較
される。吸気温度がその閾値に達していない時、信号は
さらに比較ステップ41に向かい、そこで、負荷の閾値
が、モータ制御器22から送られてきた負荷信号と比較さ
れる。この閾値に達していない時、信号はさらに比較ス
テップ42に向かい、そこで、車速の閾値が、モータ制御
器22から送られてきた車速の実際値と比較される。車速
が閾値より低い時、信号はさらに比較ステップ43に向か
い、そこで、エンジン回転数の閾値が、モータ制御器22
から送られてきたエンジン回転数の実際値と比較され
る。実際のエンジン回転数がその閾値より低い時、信号
はさらにステップ44に向かう。ここでは、サーモスタッ
トバルブ16の熱応動要素が加熱されない、すなわちクー
ラント温度の高い調節レベルのままであることを示す信
号が出力される。この後、信号はステップ45に進み、そ
こで、タイマー回路をリセットするよう促す。その意味
については、なお後に解説する。信号は、メインプログ
ラムの始まりに戻る前になおステップ46を通過し、そこ
で、情報信号が形成されてファン制御器21に転送され、
その信号に応じて、エンジン10およびこれを搭載した自
動車が運転状態にある瞬間にクーラント温度の高い調節
レベル、例えば 108℃の調節レベルが要求される。
【0024】比較ステップ40〜43の内の一つが肯定的な
答えをした時、すなわち、そこで確かめられた運転パラ
メータまたは環境パラメータの実際値がその閾値に達す
るかこれを超えるかしたことか確認されると、信号は、
調節レベルをより低いクーラント温度の方へ変えるため
に分岐される。但し、より低い調節レベルへの変移が行
われる前に、この変移が不可欠であるのか、はたして意
味があるのかが吟味される。例えばまだ低いクーラント
温度においてエンジンが冷態始動した後に比較ステップ
のひとつ、特に比較ステップ41、42または43が、それぞ
れの実際値がその閾値をそれぞれ超えたことを確認した
場合は、クーラント温度のより低い調節レベルへの切替
えは得策でないように思われる。なぜなら、そうなった
時、運転温度に達するのが遅れてしまうことになるから
である。この理由から、比較ステップ40〜43のひとつが
肯定的な答えをした時、信号は先ず、実際のクーラント
温度をその閾値と比較する比較ステップ47に送られる。
この閾値、例えば90℃を超えた時に初めて、信号はクー
ラント温度の調節レベルを変更する方へ転送される。閾
値にまだ達していない時、信号はメインプログラムの始
まりに戻っていく。
【0025】比較ステップ47の信号が肯定的である時、
すなわちクーラント温度の実際値がこれと比較された閾
値に達するかこれを超えるかした時、サーモスタットバ
ルブ16の熱応動要素の加熱が行われる。その前に信号は
ステップ48に進み、そこで、クーラント温度のより低い
調節レベルが要求されることをファン制御器21に知らせ
る情報信号が形成される。例えば加熱エレメントとして
PTC抵抗を使用すると、信号は、この加熱エレメントを
加熱する旨の信号を発する段階を通過するので、その先
の流れは実に単純である。その後、信号はメインプログ
ラムの始まりに戻っていく。
【0026】図2,3に描かれた熱応動要素の加熱のプ
ログラム推移は、しかしながら、制御器23が加熱エレメ
ントの加熱出力を変えることがあるので、この単純な解
決から逸脱する。そこで、加熱エレメントが投入ととも
に高い出力を限られた時間だけ起こし、それから加熱出
力を低い方に切り替えるようにされている。これで、ク
ーラント温度の調節レベルを変更された方(低い方)に
切り替えることは高い加熱出力のゆえに速やかにできる
ようになるが、その後、このクーラント温度の調節レベ
ルが保持される間は、より低い加熱出力しか起こされ
ず、その結果確実に、熱応動要素は要求された位置に留
まり、過負荷されることは無くなる。かかるエレメント
はできれば伸張材エレメントであるのが望ましい。
【0027】電気抵抗加熱体である加熱エレメントを投
入する信号とともにタイマー回路が始動せしめられ、こ
れにより、その所与の最大投入時間、例えば30秒間の経
過の後にパルス送信器が活動させられ、その結果、かか
る最大投入時間の後に、間にパルス休止を入れたパルス
の形で加熱エレメントに電流が送られることになる。こ
れで、加熱出力は、間にパルス休止を入れたパルスの形
で加熱エレメントに電流を送ることによって変えられる
ことになる。これは、電流を送るために加熱エレメント
に常に同じ高さの電圧をかけても、加熱エレメントの加
熱出力が変えられることを意味する。こうして加熱出力
を変えることは、加熱エレメントにその都度電圧をかけ
て加熱出力を変えるより簡単に実現できる。しかし、そ
のようにすることも可能ではある。
【0028】図2,3に描かれたフローチャートは、加
熱エレメントにパルス式または非パルス式で電流を送る
ことを考慮している。ステップ48の後に、いかなる仕方
で加熱エレメントに電流を送るか決定する3つのセクシ
ョン49、50、51からなる決定ステップが設けられてい
る。パルス式通電は、例えば、比較ステップ40〜43のひ
とつにおいて閾値に達するかこれを超えるかしたことが
確認された時すでにその比較ステップがサーモスタット
バルブ16の熱応動要素の加熱エレメントへの通電を促し
終わっているので、すでに行われている可能性がある。
それで、決定ステップの第1のセクション49の答えが肯
定的であれば、信号はメインプログラムの始まりに戻っ
ていき、何かその先のことを促さなければならないとい
う事態にはならない。
【0029】決定ステップの第1のセクション49の答え
が否定的であると、信号は決定ステップの第2のセクシ
ョン50に向かい、そこで、瞬間的にサーモスタットバル
ブ16の熱応動要素の非パルス式加熱が行われるかどうか
吟味される。セクション50の答えが否定的であると、す
なわち、サーモスタットバルブ16の熱応動要素の加熱エ
レメントが瞬間的に非パルス式で加熱されないと、信号
はさらにステップ52に向かい、これで、タイマー回路が
非パルス式加熱の最大投入時間、例えば30秒の間だけ活
動させられる。信号はステップ53に向かい、これで、加
熱エレメントの非パルス式通電が引き起こされる。その
後、信号はメインプログラムの始まりに戻っていく。
【0030】電熱エレメントが瞬間的に非パルス式で加
熱されることを決定段階のセクション50が確認すると、
信号は決定ステップのセクション51に向かい、そこで、
非パルス式通電の投入時間がタイマー回路に前もって与
えられた最大投入時間に達したかどうか吟味される。こ
の最大投入時間がまだ経過していない時、信号はメイン
プログラムの始まりに戻っていく。ところが、答えが肯
定的であると、すなわち、最大投入時間に達したことを
セクション51が確認すると、信号はステップ54に向か
い、そこでパルス送信器が活動せしめられ、その結果、
サーモスタットバルブ16の熱応動要素の加熱エレメント
のパルス式通電またはパルス幅変調通電が行われること
になる。その後、信号はステップ55に進み、そこで、タ
イマー回路が非パルス式通電の最大投入時間の間リセッ
トされることになる。すると、信号はメインプログラム
の始まりに戻っていく。パルス式通電は、比較ステップ
40〜43のひとつで考慮された実際値が閾値に達するかこ
れを超えるかしたのであるから、その比較ステップがこ
れを必要とする限り、行われる。
【0031】前にすでに述べたことだが、ステップ45
も、非パルス式通電の最大投入時間を決定するタイマー
回路をリセットする。これは、タイマー回路から前もっ
て与えられた最大投入時間が経過し終わる前に例えばエ
ンジンを止めることができるわけであるから、目的にか
なっている。
【0032】前にすでに述べたことだが、メインプログ
ラムステップ38も、安全機能としてクーラント温度の調
節レベルを低い方に切り替えるのを促すことができる。
大抵の場合、その切り替えがきわめて迅速に行われる必
要はなく、ステップ38がサーモスタットバルブ16のサー
モスタット型動作エレメントの電熱エレメントのパルス
式通電またはパルス幅変調通電を引き起こせば足りるで
あろう。
【0033】以上、本発明を、二通りだけの調節レベ
ル、すなわちサーモスタットバルブ16の熱応動要素の加
熱エレメントが通電していないクーラント温度の高い調
節レベルと、サーモスタットバルブ16の熱応動要素の加
熱エレメントが非パルス式またはパルス式で通電してい
るクーラント温度の低い調節レベルを設定する一実施例
に則して説明した。本発明はしかし、自明のことなが
ら、他の実施態様、特にエンジンまたは自動車の運転パ
ラメータおよび、または、環境パラメータに基づいて作
られた識別フィールドの中に記憶されていて、その時々
の運転パラメータに関連して呼び出される多数の調節レ
ベルを扱う実施態様においても使用可能である。これに
適しているのが、特にサーモスタットバルブ16の熱応動
要素の加熱エレメントのパルス幅変調通電である。なぜ
なら、その時は、制御器からパルス幅変調の変更によっ
て加熱出力を、従ってまたサーモスタットバルブ16の調
節レベルをさまざまな中間位置に設定できるからであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による自動車エンジン用冷却装置の概略
図である。
【図2】冷却装置の制御のフローチャートである。
【図3】冷却装置の制御のフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン 11…クーラント冷却器 12…エンジン出口管 13…エンジン入口管 14…ポンプ 15…バイパス管 16…サーモスタットバルブ 17…スイッチング回路 18…電源 19…ファン 20…モータ 21…ファン制御器 22…モータ制御器 23…(サーモスタットの熱応動要素の加熱の)制御器 24…メモリ 25…温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペーター ロイ ドイツ連邦共和国,73760 オストフィル デルン−ネリンゲン,コイペルンベク 2 /1 (72)発明者 ギュンター カルムバッハ ドイツ連邦共和国,71577 グロッサーラ ッハ,ガルテンシュトラーセ 21

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バイパス管および、または、クーラント
    冷却器を通ってエンジン出口からエンジン入口へ流れる
    クーラントの流量を調節し、エンジンおよび、または、
    自動車の運転パラメータおよび、または、周辺パラメー
    タを評価する制御器を使ってクーラント温度のさまざま
    な調節レベルに合わせて調整できるサーモスタットバル
    ブ、およびクーラント冷却器に割り当てられていて、フ
    ァン制御器によって制御されるファンを具備する自動車
    エンジン用冷却装置であって、制御器(23)が運転パラメ
    ータおよび、または、周辺パラメータに応じてファン制
    御器(21)に入力される情報信号を形成し、この情報信号
    に応じてファン出力が決定されることを特徴とする自動
    車エンジン用冷却装置。
  2. 【請求項2】 制御のために、エンジン(10)の始動とと
    もに実行すべきセットアッププログラムを持つフローチ
    ャートを具備し、これが、クーラント温度の高い調節レ
    ベルに対応する情報信号をファン制御器に送出するステ
    ップを含むことを特徴とする請求項1に記載の冷却装
    置。
  3. 【請求項3】 セットアッププログラムが、メインプロ
    グラムの比較ステップ(34、37、40、41、42、43、47)
    のための閾値をメモリ(24)から呼び出し、次いで繰返し
    実行すべきメインプログラムの比較ステップに入力する
    実行ステップを含むことを特徴とする請求項2に記載の
    冷却装置。
  4. 【請求項4】 メインプログラムが、実際のクーラント
    温度を閾値と比較し、これに達した時にファン制御器(2
    1)を解除する信号をファン制御器に送出する比較ステッ
    プを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか1
    項に記載の冷却装置。
  5. 【請求項5】 メインプログラムが複数の実行すべき比
    較ステップ(37、40、41、42、43)を含み、これらが、
    それぞれエンジンまたは自動車の運転パラメータまたは
    周辺パラメータの実際値と閾値を比較し、この閾値に達
    した時、クーラント温度の調節レベルをクーラント温度
    のより低い方に移す信号をその先のメインプログラムの
    ステップ(47〜55)に導き、ひとつも閾値に達していな
    い限り、かかる信号をメインプログラムの始まりに戻す
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載
    の冷却装置。
  6. 【請求項6】 比較ステップ(37)が、実際のクーラント
    温度を閾値として定められた最大クーラント温度と比較
    し、この閾値を超えた時にクーラント温度の調節レベル
    をクーラント温度の低い方、特に最も低いクーラント温
    度の方に移す信号が転送され、これが、低い調節レベル
    の設定をもたらす段階(38)と、ファン制御器(21)のため
    の情報信号を形成するステップ(39)とを通過することを
    特徴とする請求項5に記載の冷却装置。
  7. 【請求項7】 戻された信号が、クーラント温度の高い
    調節レベルを設定するステップ(44)を通過することを特
    徴とする請求項5または6のいずれか1項に記載の冷却
    装置。
  8. 【請求項8】 戻された信号が、ファン制御器(21)のた
    めの情報信号を形成するステップ(46)を通過することを
    特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の冷却
    装置。
  9. 【請求項9】 運転パラメータまたは周辺パラメータの
    実際値をその閾値と比較するメインプログラムの比較ス
    テップ(40〜43)が肯定的な答えをした後に続いて、転
    送された信号は比較ステップ(47)に送られ、そこで、実
    際のクーラント温度がクーラント温度の閾値と比較さ
    れ、この閾値に達した時に初めて信号はその先のステッ
    プ(48〜55)に転送され、閾値にまだ達していない時は
    メインプログラムの始まりに戻っていくことを特徴とす
    る請求項1から8のいずれか1項に記載の冷却装置。
  10. 【請求項10】 実際のクーラント温度をその閾値と比
    較する比較ステップ(47)の後に、転送されてきた信号を
    受け取った時、要求されたクーラント温度の調節レベル
    の変更に関する情報信号をファン制御器(21)に送るステ
    ップ(48)が設けられていることを特徴とする請求項9に
    記載の冷却装置。
  11. 【請求項11】 サーモスタットバルブ(16)がサーモス
    タット型動作エレメントを内蔵し、これに、クーラント
    温度の調節レベルを加減する電熱エレメントが組み付け
    られており、制御器(22)が加熱出力を制御する手段を内
    蔵することを特徴とする請求項1から10のいずれか1
    項に記載の冷却装置。
  12. 【請求項12】 制御器が、高い加熱出力で働く電熱エ
    レメントの投入時間を制限するタイマー回路を内蔵し、
    投入時間後に制御器が加熱出力を減じることを特徴とす
    る請求項11に記載の冷却装置。
  13. 【請求項13】 制御器(22)が、電熱エレメントに電圧
    をパルスの形で、また、間にパルス休止の入った形でか
    けるパルス送信器を内蔵することを特徴とする請求項1
    2に記載の冷却装置。
  14. 【請求項14】 パルス送信器のパルス持続時間および
    (または)パルス休止時間が加減できることを特徴とす
    る請求項13に記載の冷却装置。
  15. 【請求項15】 サーモスタットバルブ(16)のサーモス
    タット型動作エレメントの加熱によってクーラント温度
    の調節レベルを調整する転送信号が、メインプログラム
    の決定ステップの第1のセクション(49)に送られ、そこ
    で、電熱エレメントのパルス式通電が行われているかど
    うか照会され、そこで肯定的な答えがある場合、信号は
    メインプログラムの始まりに戻っていき、否定的な答え
    の場合、信号は決定ステップの第2のセクション(50)に
    送られ、そこで、瞬間的に電熱エレメントの非パルス式
    加熱が行われるかどうか照会され、そこで肯定的な答え
    がある場合、信号は決定ステップの第3のセクション(5
    1)に向かい、否定的な答えの場合、信号は、非パルス式
    通電のための最大投入時間の間、タイマー回路を始動さ
    せるステップ(52)と、動作エレメントの加熱を開始させ
    るステップ(53)とに転送され、また、決定ステップの第
    3のセクション(51)は、最大投入時間が経過したかどう
    か照会し、肯定的な答えの場合はパルス送信器を活動さ
    せ、否定的な答えの場合は信号をメインプログラムの始
    まりに戻す働きをすることを特徴とする請求項11から
    14のいずれか1項に記載の冷却装置。
  16. 【請求項16】 信号は、パルス送信器を活動させた
    後、タイマー回路をリセットするステップ(55)に送ら
    れ、その後、メインプログラムの始まりに戻されること
    を特徴とする請求項15に記載の冷却装置。
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