JPH1161527A - 着脱性に優れたゴム製手袋及びその製造方法 - Google Patents

着脱性に優れたゴム製手袋及びその製造方法

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JPH1161527A
JPH1161527A JP9241690A JP24169097A JPH1161527A JP H1161527 A JPH1161527 A JP H1161527A JP 9241690 A JP9241690 A JP 9241690A JP 24169097 A JP24169097 A JP 24169097A JP H1161527 A JPH1161527 A JP H1161527A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手袋本体との密着性が良好であり、ゴムに追
従する伸びを有し、衛生的で着脱性に優れた内面滑性樹
脂層を設けた実用性に富むゴム製手袋及び外観が均一な
滑性樹脂層を内面に形成できると共に、安定した連続生
産が可能であり、簡単かつ安価なゴム製手袋の製造方法
を提供する。 【解決手段】 ゴム製手袋本体の内面に滑性樹脂層を設
けたゴム製手袋において、その滑性樹脂層が、手袋本体
に含まれる凝固剤により凝固又は凝集しない合成ゴムラ
テックス及び有機充填剤を含む水性分散液により形成さ
れたものである。上記の合成ゴムラテックスには、ブタ
ジエン系ラテックスを用いることが好ましい。又、有機
充填剤には、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド
樹脂、オレフィン系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、澱粉系及びそ
れらの架橋物から選ばれた有機微粉体の単独又はそれら
の混合物を用いることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ゴム又はNB
Rからなるゴム製手袋及びその製造方法に関し、さらに
詳しくは、衛生的で着脱性に優れた家庭用、検査用、手
術用及び作業用ゴム製手袋及びそれを容易に安定して連
続生産できるゴム製手袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、天然ゴム又は合成ゴムから製造
されたゴム製手袋は、その内側表面が粘着性を有してい
るため、滑性に乏しく、着脱させ難いものである。そこ
で、この種のゴム製手袋には、従来より滑性を向上させ
て着脱を容易にできるようにするために、下記(1)〜
(5)に示すような様々な工夫が施されている。 (1)澱粉等の粉末付着、(2)ゴム表面の塩素化、
(3)シリコーンオイル又はフッ素系界面活性剤の塗
布、(4)ゴム製手袋本体の成分変更及び(5)滑性樹
脂のコーティング ところが、上記した方法の中では、経済性、着脱性及び
生産安定面からみて、特に(1)及び(2)の方法が有
用であり、これらがゴム製手袋を製造する際の主流とな
っていた。
【0003】近年、天然ゴム又は合成ゴムのラテックス
からゴム製手袋を製造する際、衛生面、着脱性、生産
性、環境面及びアレルギー問題等について考慮されて、
粉末粒子を使用することなく、内面に滑性樹脂層を設け
たゴム製手袋に関する数多くの提案がなされている。そ
の例としては、ゴム製手袋内面の滑性樹脂層が、カルボ
キシル化されたスチレン−ブタジエンラテックスに澱粉
を分散させたものを主成分とするもの(特公昭60−6
655号公報、アーブルック特許)及び同じく滑性樹脂
層が、天然ゴム、ポリウレタン、アクリルアミド−アク
リル酸共重合体及びポリエチレンオキシドからなる層と
アクリルポリマー及びフルオロカーボンテロマー樹脂の
積層体からなるもの(特開平6−70942号公報)が
知られている。また、ゴムラテックス、熱可塑性樹脂微
粒子及びブロックイソシアネートを主成分とする内面滑
性樹脂組成物(特開平8−294930号公報)及びシ
リカ等の無機材料の微粒子と、ポリアミド又は酢酸セル
ロースのような合成ポリマーの微粒子とバインダーを含
む内面滑性樹脂組成物(特表平8−509134号公
報)も知られている。
【0004】しかしながら、上記のゴムラテックス及び
合成樹脂エマルジョンからなる水性分散液を用いてゴム
手袋の内面に滑性樹脂層を設けた場合、ゴム手袋の現実
の製造工程では、温水による凝固剤の抽出が不十分であ
るから、いずれもゴム手袋本体の製造に凝固剤として使
用された微量の金属塩等が、依然としてその内部及び/
又は表面に存在している。そのため、上記の水性分散液
がゴム手袋本体の内部又は表面に存在する金属塩等と接
触したり、水性分散液中に金属塩等が混入したりして凝
固物又は凝集物が発生し、また、シリカ等の無機物も、
金属塩の凝集剤として作用し凝集物を発生させる。その
結果、均一な外観を有する滑性樹脂層が形成されなくな
り、安定したゴム製手袋を連続的に生産することができ
ない。
【0005】また、米国特許第4575476号明細書
には、ヒドロゲル重合体として、例えば、ポリビニルピ
ロリドン、ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、
ポリ(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等又はこれ
らの共重合体を用いて形成される表面層を有するゴム製
品が開示されている。そのなかで、好ましいヒドロゲル
重合体としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルと
メタクリル酸との共重合体又はアクリル酸2−エチルヒ
ドロキシエチル、メタクリル酸及びアクリル酸2−エチ
ルヘキシルの三元共重合体が挙げられている。これらの
合成樹脂エマルジョンは、通常アニオン性であるために
凝固剤の影響を受けることから、上記したと同様に工業
的な生産は困難であり、また仮に、ノニオン性又はカチ
オン性で凝固剤の影響を受けないものであっても、天然
ゴム手袋本体との密着性が不十分であったり、ゴムの伸
びに追従できないものであるために実用性に乏しい。
【0006】また、特公平6−92495号公報には、
ゴム製品本体表面に表面処理液Aとして変性ウレタンエ
マルジョンを予め塗布し、次に、表面に微量存在する凝
固剤のカルシウムイオンをキレート剤水溶液に浸漬させ
てカルシウムイオンを除去した後、ウレタン樹脂とフッ
素系界面活性剤からなる表面処理液Bを塗布する処理方
法が記載されているが、この方法は、製造工程数が増加
して生産性が低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ゴム製手袋を
製造するには、手型表面に配合ラテックスをゲル沈着さ
せるために、予め、手型は前処理として金属塩等の凝固
剤溶液に浸漬される。この凝固剤がゴム製手袋本体に残
存すると、ゴムの老化が促進されるという問題があるた
め、沈着ゲルから金属塩等を温水で抽出除去する工程が
設けられている。この抽出に要する時間は、ゴム製手袋
本体の厚さによっても異なり画一的ではないが、例え
ば、工業生産されている極薄手の検査用ゴム手袋では2
0〜30秒の範囲、中手の家庭用及び手術用ゴム手袋で
は5〜10分の範囲が一般的である。その抽出槽として
は、通常2槽が直列に配置されており、その中で30〜
70℃の温水により抽出される。
【0008】ところが、この抽出工程による処理後にお
いても、上記の極薄手ゴム手袋本体の内部及び表面層に
は、凝固剤が残留しており、また、上記の中手ゴム手袋
本体でも十分に除去できていない。一般に、これらの凝
固剤を完全に除去するには、30分ないし1時間が必要
とされている。しかし、凝固剤を除去する抽出工程にこ
のような多大の時間をかけることは、手袋の生産性が大
幅に低下すること、その処理設備に大きなスペースが必
要であること及び一般的な処理時間でも実用上問題がな
いこと等の理由から現実には殆ど実施されていない。従
って、ゴム製手袋の本体の内部及び表面層には、少なく
とも微量の凝固剤が残存しているのが現状である。この
微量の凝固剤は、着脱性及び脱型を容易にするために澱
粉等の粉体を付着させる、いわゆる従来のパウダータイ
プのゴム製手袋を製造する際には障害とはならないが、
ゴムラテックス及び合成樹脂エマルジョンを含む水性分
散液を用いて滑性樹脂層を設ける際には、上記した望ま
しくない凝固物又は凝集物を発生させるという問題があ
る。
【0009】本発明は、従来の技術における上記した実
情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目
的は、ゴム製手袋本体と密着性が良好であり、ゴムに追
従する伸びを有すると共に、衛生的であり着脱性に優れ
た内面滑性樹脂層を設けた実用性に富むゴム製手袋を提
供することにある。本発明の他の目的は、ゴム製手袋本
体の内部及び表面層に存在する凝固剤の悪影響を受ける
ことなく、外観が均一な滑性樹脂層を内面に形成できる
と共に、安定した連続生産が可能な水性分散液を使用
し、簡単かつ安価にゴム製手袋を製造する方法を提供す
ることにある。また、本発明の他の目的は、内面に滑性
樹脂層を設けて、皮膚接触によるアレルギーを軽減する
可能性を有する天然ゴム製手袋を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、内面に滑性樹脂層を設け
ることにより、手袋本体の内外面を塩素化処理する際に
反転工程を削減して、生産性の向上及びコスト低減を計
ることができるゴム製手袋の製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
課題を解決するべく鋭意検討した結果、ゴム製手袋の内
面に、特定の水性分散液を用いて滑性樹脂層を形成させ
ることにより、凝固剤による凝固物及び凝集物の生成を
防止できるとともに、ゴム手袋に要望される着脱性、衛
生性等の優れたゴム製手袋が、簡単にかつ安定して連続
生産できる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、ゴム製手袋本体の内
面に滑性樹脂層を設けてなるゴム製手袋において、該滑
性樹脂層が、ゴム製手袋本体に含まれる凝固剤により凝
固又は凝集しない合成ゴムラテックス及び有機充填剤を
含む水性分散液により形成されたことを特徴とする。そ
の合成ゴムラテックスとしては、スチレン−ブタジエン
系、メチルメタクリレート−ブタジエン系、アクリロニ
トリル−ブタジエン系、ブタジエンゴム及びイソプレン
ゴムから選ばれたラテックスの単独又はそれらの混合物
を使用することが好ましい。また、その有機充填剤とし
ては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、
オレフィン系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、澱粉系及びそれらの
架橋物から選ばれた有機微粉体の単独又はそれらの混合
物を使用することが好ましい。さらに、上記の水性分散
液には、硬化剤として、アミノ樹脂、ブロックイソシア
ネート又はエポキシ樹脂の水溶液又はそれらの水分散体
を添加することが好ましい。
【0012】本発明におけるゴム製手袋の製造方法は、
手型を凝固剤のアルコール溶液に浸漬し、引き上げて乾
燥させる工程、凝固剤が付着した手型を天然ゴムラテッ
クス又はNBRラテックスに浸漬して手型表面に付着し
た前記ラテックスをゲル化させ、これを製膜してゴム製
手袋本体を形成させる工程、その手袋本体が形成された
手型をゴム製手袋本体に含まれる凝固剤により凝固又は
凝集しない合成ゴムラテックス及び有機充填剤を含む水
性分散液に浸漬し、引き上げて加熱乾燥させた後、加硫
して滑性樹脂層を形成させる工程及びその滑性樹脂層が
形成された手袋本体を反転させて脱型する工程を有する
ことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のゴム製手袋は、その手袋本体の内面に水
性分散液を用いて滑性樹脂層を設けるものであり、その
水性分散液としては、ゴム製手袋本体の製造に使用され
る硝酸カルシウム等の金属塩からなる凝固剤と接触して
も凝固又は凝集しない合成ゴムラテックス及び有機充填
剤が含まれているものを使用する。本発明において、水
性分散液に使用される合成ゴムラテックスとしては、上
記の凝固剤と接触しても凝固物又は凝集物が発生しない
ものであり、具体的には、スチレン−ブタジエン系ラテ
ックス、メチルメタクリレート−ブタジエン系ラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエン系ラテックス、ブタ
ジエンゴムラテックス及びイソプレンゴムラテックス等
が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して用
いられる。
【0014】また、水性分散液に使用される有機充填剤
としては、上記の凝固剤と接触しても凝固物又は凝集物
が発生しないものであり、具体的には、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂、ホ
ルムアルデヒド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、澱粉系及びそれらの架橋物等の有機微粉体
が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を混合して用
いられる。
【0015】本発明においては、上記の水性分散液を使
用することにより、従来の問題点であったゴム製手袋本
体の表面層に微量存在する硝酸カルシウム等の凝固剤と
接触しても、部分ゲル又は白点等の外観不良が発生する
ことなく、均一な外観の滑性樹脂層が形成される。ま
た、その水性分散液に手袋本体の凝固剤が混入しても、
凝固物又は凝集物が発生しないから、従来の設備を大幅
に変更することなく簡単な工程によりゴム手袋を安定し
て連続的に生産することができる。さらに、滑性樹脂層
は、合成ゴムラテックスを用いて形成されているから、
ゴム製手袋本体との密着性が良好であると共に、手袋本
体の伸びに追従することができるものであり、また、有
機充填剤の微粒子を配合しているから、表面に凹凸が形
成されて滑性を有するために有機充填剤の脱落がなく、
したがって、衛生的で着脱性に優れたゴム製手袋を得る
ことができる。
【0016】本発明に係るゴム製手袋の好適な製造方法
について、例を挙げて説明する。 (1)まず、手型を硝酸カルシウム、塩化カルシウム、
シクロヘキシルアミン酢酸塩又は塩化亜鉛等の5〜50
重量%のメタノール溶液に浸漬し、これを引き上げて乾
燥させた後、その手型を天然ゴム又はNBRが30〜5
0重量%含まれる配合ラテックスに浸漬して手型表面に
ゲルを沈着させ、これを乾燥させてゴム製手袋本体(第
1層)を形成する工程 (2)次いで、ゲル沈着した手袋の内部又は表面層に含
まれる配合ラテックス中の水可溶性物質及び凝固剤を3
0〜90℃の温水中で抽出させる工程 (3)合成ゴムラテックス及び有機充填剤を主成分とす
る水性分散液に、表面に第1層が形成された手型を浸漬
し、これを引き上げて乾燥させることにより、第1層の
上に、有機充填剤の微粒子が分散した凹凸を有する滑性
樹脂層(第2層)を形成させる工程 (4)必要に応じてビーディング(袖口のへり巻き)を
行う工程 (5)第1層及び第2層を90〜130℃において加硫
硬化させる工程 (6)ゴム製手袋を反転させ、第1層が外面側に第2層
が内面側となるように脱型させる工程 (7)さらに、必要に応じて常法によりゴム製手袋の外
面側を塩素化する工程の各工程を経ることにより、本発
明のゴム製手袋が得られる。
【0017】本発明において、金属塩等の凝固剤が接触
又は混入しても凝固物又は凝集物の発生しない水性分散
液に使用される材料を選択するには、上記した製造方法
の工程中から凝固物を温水中で抽出する工程[上記の工
程(2)]を除いて、ゴム手袋本体の表面層に多量の凝
固物を存在させた状態で試験した結果、次に示す金属安
定性試験を行い、その結果、凝固物又は凝集物の発生が
なければ、実用上問題が無いことが判明した。 <金属塩安定性試験>イオン交換水により不揮発分1重
量%に調製したラテックス又は調合した水性分散液(A
液)100重量部と1重量%の硝酸カルシウム4水塩の
水溶液(B液)100重量部との混合液を調製して、凝
固物又は凝集物の発生の有無を目視観察により確認す
る。また、それらの発生の有無が不明確な場合には、そ
の混合液をガラス板にその混合液を塗布し、これを実体
顕微鏡により40〜100倍に拡大させて観察した。
【0018】水性分散液に用いる合成ゴムラテックスか
ら、金属塩に安定なカチオン系のラテックスは除外し
た。その理由は、カチオン系ラテックスは溶液を安定化
させるために、酸性領域においてpH調整を必要とする
から、天然ゴムラテックス又はNBRラテックスから製
造されるゴム製手袋本体の加硫を遅らせることになり不
適当である。なお、本発明者等が実施した上記の<金属
塩安定性試験>によれば、市販の合成ゴムラテックス中
には、安定な合成ゴムラテックスは見出せなかった。金
属塩に安定な合成ゴムラテックスを得るには、アニオン
系界面活性剤等を用いて安定化させたラテックスに、ノ
ニオン系界面活性剤又はポリビニルアルコールに代表さ
れる高分子保護コロイドを後添加することが知られてい
る。
【0019】本発明に用いる合成ゴムラテックスとして
は、市販の合成ゴムラテックスに、ノニオン系界面活性
剤を添加混合して用いればよく、また、合成ゴムラテッ
クスには、カルボキシル基を有するものも使用可能であ
る。合成ゴムラテックスを選択するには、特に限定され
るものではないが、未加硫フィルムを形成した時の伸び
が300%以上、抗張力3Mpa以上のものが望まし
い。合成ゴムラテックスに後添加されるノニオン系界面
活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、
ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物
等が挙げられる。その添加量は、ノニオン系界面活性剤
の種類により異なるが、合成ゴムラテックスの不揮発分
100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲であ
り、好ましくは1〜5重量部である。
【0020】次に、本発明に使用する有機充填剤とし
て、摩擦係数を減少させる有機充填剤微粒子を選択する
ために、滑性樹脂層のベース樹脂に、凝固剤に安定な合
成ゴムラテックスを用いて、上記と同様の金属塩安定性
試験を行った。すなわち、凝固剤に、安定化した合成ゴ
ムラテックス:有機充填剤=2:1(不揮発分比)の不
揮発分1重量%の水性分散液をA液として前述のB液を
混合した。その試験結果によると、有機充填剤として
は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、オ
レフィン系樹脂、ホルムアルデヒド系樹脂、塩化ビニル
系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、澱粉系等又はそれらの
架橋物等の微粒子は特に問題なく、これらの単独又は混
合物が使用できる。また、この微粒子は、良好な滑性を
得るには平均粒径1〜50μmの範囲のものであり、好
ましくは3〜30μmの範囲である。平均粒径が1μm
未満では凹凸による滑性が乏しく、他方、50μmを越
えると、ざらつき感があり、使用感が悪い。また、その
添加量は、合成ゴムラテックスの不揮発分100重量部
に対し、10〜100重量部であり、好ましくは30〜
70重量部である。添加量が10重量部未満では、粘着
感が感じられて滑性に乏しい。他方、100重量部を越
えると滑性樹脂層の塗膜の伸びが短く、ゴム製手袋本体
の伸びに追従することができず、密着性も不十分となる
ため不適当である。また、微粒子の形状は特に限定され
ないが、滑性の点で真球状が好ましい。
【0021】本発明における水性分散液には、上記の合
成ゴムラテックス及び有機充填剤の微粒子に加えて、滑
性樹脂層のゴム製手袋本体との密着性、強度及び耐水性
を向上させる目的で、硬化剤として、アミノ樹脂、ブロ
ックイソシアネート又はエポキシ樹脂の水溶液又は水分
散体を添加することができる。そのアミノ樹脂として
は、水溶性のメチル化メラミン樹脂、メチル化尿素樹脂
等が用いられる。また、ブロックイソシアネートとして
は、フェノール、ラクタム、オキシム等の公知のブロッ
ク剤でブロック化されたイソシアネート化合物のノニオ
ン系の水分散体等が用いられる。また、エポキシ樹脂と
しては、水溶性のソルビトールポリグリシジルエーテ
ル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ポリグリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が
用いられる。これらの硬化剤の添加量は、合成ゴムラテ
ックスの不揮発分100重量部に1〜50重量部の範囲
であり、好ましくは5〜30重量部である。また、硬化
を促進するために水性分散液の安定性を損なわない範囲
において公知の触媒を添加してもよい。
【0022】本発明に使用される水性分散液には、その
性能を十分に発揮させる目的で、増粘剤、湿潤剤、消泡
剤、pH調整剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、
抗菌剤、帯電防止剤、着色剤等を適宜添加することがで
きる。さらに、滑性を向上させる目的で、シリコーンエ
マルジョンを添加してもよい。これらの添加剤は、金属
塩安定性試験により問題がないことを確認した後、採択
することが必要である。使用される増粘剤としては、メ
チルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリル酸ア
ンモニウム塩等が好ましく、また、湿潤剤及び消泡剤と
しては、ノニオン系のフッ素系界面滑性剤、ノニオン系
シリコーン系エマルジョン、アセチレンアルコール誘導
体等が好ましい。さらに、シリコーンエマルジョンとし
ては、特に限定されるものではないが、その粘度が1万
〜100万mPa・sのジメチルポリシロキサンのエマ
ルジョンが好ましい。その添加量は、合成ゴムラテック
スの不揮発分100重量部に対し、1〜50重量部(不
揮発分)の範囲であり、好ましくは5〜30重量部であ
る。
【0023】次に、ゴム製手袋の製造工程に順じて、本
発明によりゴム製手袋を製造する際の主な技術的事項に
ついて、さらに詳細に説明する。まず、手型を、予め金
属塩からなる凝固剤のアルコール又は水とアルコールの
混合液に浸漬する。手型は、人の手の形状を有している
ものであり、ゴム製手袋の使用目的に応じて、手首から
指先までの形状のもの、肘から指先までの形状のもの等
の種々の形状のものが用いられる。さらに、手型の表面
には、鏡面又は滑り止め付与を目的として、微細な凹凸
を形成させたものを用いることができる。これらの手型
の材質としては、磁器、プラスチック又は金属等が用い
られる。手袋本体を形成させるために、ラテックスの凝
固剤として、金属塩が使用される。この金属塩として
は、通常、カルシウム塩、特に硝酸カルシウムの溶液が
用いられるが、その他に、塩化カルシウム、シクロヘキ
シルアミン酢酸塩又は塩化亜鉛等が使用できる。また、
その凝固剤は、溶液状で使用され、その溶剤としては、
水又はメチルアルコール、エチルアルコール等のアルコ
ール類又は両者の混合物が用いられる。その凝固剤溶液
中の凝固剤濃度は、5〜50重量%の範囲であり、必要
な付着物の厚さによって適宜変更される。
【0024】次に、表面に凝固剤層が形成された手型
は、手袋本体を形成する天然ゴムラテックス又はNBR
ラテックスの配合ラテックス溶液に浸漬し、それにより
手型表面上にゴム手袋本体層が形成され、これを70〜
100℃で30秒〜3分間乾燥することにより製膜され
る。手袋本体の材料としては、従来公知の天然ゴムラテ
ックス又はNBRラテックスの配合ラテックスが使用さ
れ、特に限定されるものではなく、また、通常、ゴムラ
テックスに添加される加硫促進剤、酸化防止剤、増粘
剤、湿潤剤及び消泡剤等を適宜添加してもよい。その配
合ラテックスの濃度は、通常30〜50重量%の範囲の
ものを用いることが好ましい。また、脱型を容易にする
ために凝固剤に微粉炭酸カルシウム等を分散させてもよ
い。本発明において、ゴム手袋本体(第1層)の厚さ
は、通常50〜300μmの範囲に設定することが好ま
しい。
【0025】手袋本体が形成された手型は、ゴム中の蛋
白質等の水可溶性物質及び凝固剤を除去するために、3
0〜90℃の温水中で20秒〜10分間抽出処理された
後、70〜100℃にて30秒〜2分間加熱乾燥され
る。
【0026】次に、その抽出処理された手型は、上記し
た水性分散液に浸漬されることにより、その手袋本体の
上に滑性樹脂層(第2層)が形成される。この水性分散
液としては、不揮発分の濃度が0.5〜10重量%の範
囲であり、その粘度が1〜300mPa・sの範囲のも
のが使用される。特に、着脱性に優れた滑性樹脂層を得
るためには、その濃度は2〜5重量%の範囲、また粘度
は3〜50mPa・sの範囲が適当である。上記した水
性分散液を用いることにより、第1層の上に有機充填剤
が合成ゴム中に分散した凹凸を有する第2層が形成され
る。これを70〜100℃において30秒〜2分間加熱
乾燥させた後、必要に応じて、ビーディング装置にてビ
ーディングを行う。次に、90〜130℃にて10〜3
0分間加熱乾燥させて、手袋本体層及び滑性樹脂層を加
硫して硬化させる。この加硫を終えた後、ゴム製手袋を
手型より反転して脱型し、手袋本体層が外面側となり、
滑性樹脂層を内面側となる本発明のゴム製手袋が得られ
る。さらに、本発明の内面に滑性樹脂層を設けたゴム製
手袋は、必要に応じて、外側を常法により塩素濃度50
〜500ppmの溶液に1〜20分間浸漬し、塩素化処
理した後、水洗する。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、「部」及び「%」は、それぞれ重量部及び重量%を
意味する。 実施例1 まず、磁器製の手型を、硝酸カルシウム・4水塩10重
量部、湿潤剤としてジアルキルスルホコハク酸エステル
塩(商品名:ペレックスOT−P、花王アトラス社製)
1重量部及びメタノール89重量部からなる凝固液に5
秒間浸漬して、その手型の表面に凝固液を付着させて乾
燥させた。それを、表1に示す天然ゴムラテックスを主
成分とする配合ラテックス液中に10秒間浸漬して、手
型の表面に厚さ150μmの天然ゴムラテックス層を形
成させた。さらに、そのラテックス層が形成された手型
を90℃において2分間予備乾燥させた後、60℃の温
水中に10秒間浸漬し、さらに別に配置した60℃の温
水中に10秒間浸漬し、これを引き上げて乾燥させるこ
とによりゴム手袋本体(第1層)を形成させた。次に、
その第1層が得られた手型を、表3に示す組成の水性分
散液に10秒間浸漬して第1層の上に水性分散液層を形
成させ、これを120℃で20分加硫硬化させることに
より塗膜厚が約1μmの滑性樹脂層(第2層)を得た。
次に、手型よりゴム製手袋を反転させて、滑性樹脂層を
内面に設けた天然ゴム製手袋が得られた。得られた天然
ゴム製手袋について、滑性樹脂層の外観、装着性、動摩
擦係数及び塗膜伸張時の密着性についての性能評価を行
った。また、使用した水性分散液の凝固剤混入時の安定
性については前述の金属塩安定性試験により確認した。
それらの結果を表3に示す。
【0028】
【表1】 天然ゴムラテックスDCR−60:HAタイプ、不揮発
分60重量%、輸入元野村貿易社 ノクラックNS−6:2,2′−メチレンビス(4−メ
チル−6−t−ブチルフェノール) ZMBT:メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩 ZDEC:ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 ZDBC:ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛
【0029】実施例2〜9 実施例1において、滑性樹脂層(第2層)の形成に表3
に示す組成の水性分散液を用いたこと以外は実施例1と
同様にして、それぞれ天然ゴム製手袋を得た。得られた
天然ゴム製手袋及び使用した水性分散液の安定性につい
て同様の評価を行った。
【0030】実施例10 まず、磁器製の手型を、硝酸カルシウム・4水塩35重
量部、湿潤剤としてジアルキルスルホコハク酸エステル
塩(商品名:ペレックスOT−P、花王アトラス社製)
1重量部及びメタノール64重量部からなる凝固液に5
秒間浸漬して、その手型の表面に凝固液を付着させて乾
燥させた。それを、表2に示すアクリロニトリル−ブタ
ジエンゴム(NBR)ラテックスを主成分とする配合ラ
テックス液中に10秒間浸漬して、手型の表面に厚さ1
50μmのNBRラテックス層を形成させた。さらに、
そのラテックス層が形成された手型を90℃において2
分間予備乾燥させた後、60℃の温水中に10秒間浸漬
し、さらに別に配置した60℃の温水中に10秒間浸漬
し、これを引き上げて乾燥させることによりNBR手袋
本体(第1層)を形成させた。次に、その第1層が形成
された手型の上に、表4に示す組成の水性分散液を用い
て滑性樹脂層(第2層)を形成したこと以外は、実施例
1と同様にして、NBR製手袋を得た。得られたNBR
製手袋及び使用した水性分散液の安定性について同様の
評価を行った。
【0031】
【表2】 ニポールLX−550:アクリロニトル−ブタジエンゴ
ムラテックス、不揮発分45重量%、日本ゼオン社製
【0032】実施例11〜18 実施例10において、それぞれ表4に示す水性分散液を
用いたこと以外は、実施例10と同様にしてNBR製手
袋を得た。得られたNBR製手袋及び使用した水性分散
液の安定性について同様の評価を行った。
【0033】比較例1〜2 実施例1において、それぞれ表5に示す水性分散液を用
いたこと以外は、実施例1と同様にして天然ゴム製手袋
を得た。得られた天然ゴム製手袋及び使用した水性分散
液の安定性について同様の評価を行った。 比較例3〜4 実施例10において、それぞれ表5に示す水性分散液を
用いたこと以外は、実施例10と同様にしてNBR製手
袋を得た。得られたNBR製手袋及び使用した水性分散
液の安定性について同様の評価を行った。
【0034】上記の各実施例及び比較例により得られた
ゴム製手袋の試験及び評価としては、下記により行っ
た。 [金属塩安定性試験の評価方法]イオン交換水にて不揮
発分1重量%に調製した水性分散液100重量部とイオ
ン交換水にて不揮発分1重量%の硝酸カルシウム・4水
塩水溶液100重量部の混合液200重量部について、
凝固物又は凝集物の発生の有無を目視観察した。また、
この観察が十分にできない場合には、ガラス板に混合液
を塗布し、これを実体顕微鏡で40〜100倍に拡大さ
せて観察した。この評価基準は、○…全く凝固物又は凝
集物の発生は見られないもの、△…凝固物又は凝集物の
発生が少し見られたもの、×…凝固物又は凝集物の発生
が見られたもの、である。
【0035】[内面滑性樹脂層の外観評価方法]ゴム製
手袋の内面側の滑性樹脂層の塗膜外観を目視判定した。
この評価基準は、○…凝固物又は凝集物が全く発生せず
均一な外観を有するもの、△…凝固物又は凝集物が少し
発生し白点が見えるもの、×…凝固物又は凝集物が発生
し著しく白点が見えるもの、である。 [装着性の評価方法]得られたゴム製手袋を装着し、脱
着性の難易度について判定した。この評価基準:◎…非
常に良好なもの、○…良好なもの、△…やや困難なも
の、×…困難なもの、である。
【0036】[内面滑性樹脂層の動摩擦係数の測定方
法]得られたゴム製手袋について、その袖口付近の極力
平面部の5cm×10cmを切り取り、これを表面性測
定機(HEIDON−4S/D型、新東科学機器社製)
にて下記の条件で測定した。 使用圧子:30×30mm金属平板圧子、荷重:100
g 移動距離:100mm、移動速度:50mm/分 [塗膜の伸張時の密着性]内面滑性樹脂層を外面側とし
て300%伸張時に塗膜面を指でこすり塗膜の密着性を
判定した。この評価基準:◎…非常に良好なもの、○…
良好なもの、△…やや不良のもの、×…不良のもの。
【0037】上記の各実施例で得られたゴム製手袋につ
いて測定し、評価した結果を表3及び表4に示す。ま
た、各比較例で得られたゴム製手袋について測定し、評
価した結果を表5に示す。なお、表3〜表5において、
水性分散液の数値は不揮発分の重量部である。
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【表5】
【0040】上記表3〜5において、各略号は、下記の
通りである。 SB:スチレン−ブタジエン、 MAB:メチルメタクリレート−ブタジエン、 NBR:アクリロニトリル−ブタジエン、 KMMA:架橋ポリメチルメタクリレート、 HMDI:ヘキサメチレンジイソシアネート、 EGDGE:ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル、 DMPSi:ジメチルポリシロキサン水分散体 POE−POP:ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、ゴム製手袋の内面に、
特定の水性分散液を用いて滑性樹脂層を形成するから、
ゴム製手袋の内部又は表面層に金属塩等の凝固剤が存在
しても、部分ゲル及び白点等の発生による外観不良がな
く、着脱性に優れた実用性に富むゴム製手袋が得られ
る。また、その凝固剤が水性分散液槽に混入しても凝固
物又は凝集物が発生しないから、従来の設備を大幅に変
更することなく簡単な工程で安価に滑性樹脂層を設けた
ゴム製手袋を安定して生産することができる。また、本
発明のゴム製手袋は、内面に形成される滑性樹脂層が、
合成ゴムラテックスを使用しているからゴム製手袋本体
との密着性が良好であり、手袋本体の伸びに追従するこ
とができるとともに、有機充填剤の微粒子を配合してい
るから表面に凹凸が形成でき、また、滑性を有するため
に有機充填剤の脱落がないから衛生的で着脱性に優れた
ものである。さらに、本発明は、手袋の内面に滑性樹脂
層を設けているから、手袋を塩素化する際は、手袋本体
の外面側のみを処理すればよく、従来のように手袋本体
の内外面を処理する際の反転工程を必要としないから、
生産性向上及びコスト低減を計ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 名倉 太郎 兵庫県神戸市長田区日吉町3丁目1番33号 ハニー化成株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム製手袋本体の内面に滑性樹脂層を設
    けてなるゴム製手袋において、該滑性樹脂層が、手袋本
    体に含まれる凝固剤により凝固又は凝集しない合成ゴム
    ラテックス及び有機充填剤を含む水性分散液により形成
    されたことを特徴とするゴム製手袋。
  2. 【請求項2】 合成ゴムラテックスが、スチレン−ブタ
    ジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系、アク
    リロニトリル−ブタジエン系,ブタジエンゴム及びイソ
    プレンゴムから選ばれたラテックスの単独又はそれらの
    混合物であることを特徴とする請求項1に記載のゴム製
    手袋。
  3. 【請求項3】 有機充填剤が、アクリル樹脂、ウレタン
    樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂、ホルムアル
    デヒド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹
    脂、澱粉系及びそれらの架橋物から選ばれた有機微粉体
    の単独又はそれらの混合物であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のゴム製手袋。
  4. 【請求項4】 水性分散液が、硬化剤として、アミノ樹
    脂、ブロックイソシアネート又はエポキシ樹脂の水溶液
    又はそれらの水分散体を含有することを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のゴム製手袋。
  5. 【請求項5】 手型を凝固剤のアルコール溶液に浸漬
    し、引き上げて乾燥させる工程、凝固剤が付着した手型
    を天然ゴムラテックス又はNBRラテックスに浸漬して
    手型表面に付着した前記ラテックスをゲル化させ、これ
    を製膜してゴム製手袋本体を形成させる工程、その手袋
    本体が形成された手型を、手袋本体に含まれる凝固剤に
    より凝固又は凝集しない合成ゴムラテックス及び有機充
    填剤を含む水性分散液に浸漬し、引き上げて加熱乾燥さ
    せた後、加硫して滑性樹脂層を形成させる工程及びその
    滑性樹脂層が形成された手袋本体を反転させて脱型する
    工程を有することを特徴とするゴム製手袋の製造方法。
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