JPH1161446A - エッチング廃液の再生方法 - Google Patents

エッチング廃液の再生方法

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JPH1161446A
JPH1161446A JP22567797A JP22567797A JPH1161446A JP H1161446 A JPH1161446 A JP H1161446A JP 22567797 A JP22567797 A JP 22567797A JP 22567797 A JP22567797 A JP 22567797A JP H1161446 A JPH1161446 A JP H1161446A
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JP
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cathode
waste liquid
ions
anode
etching waste
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JP22567797A
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Inventor
Tsutomu Ishita
力 井下
Takaaki Asakuma
孝昭 朝隈
Hiroyuki Matsumoto
博行 松本
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Astec Irie Co Ltd
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Astec Irie Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エッチング廃液から腐食された金属を除去
し、塩化第2鉄の濃度を回復させてエッチング液として
再生する際に、その再生処理を効率化して処理コストを
低減させることのできるエッチング廃液の再生方法を提
供する。 【解決手段】 電気分解槽を含む電気分解装置14のカ
ソード処理部13にエッチング廃液60を供給し、エッ
チング廃液60中の第2鉄イオンの一部又は全部を第1
鉄イオンに還元してカソード処理部13から還元処理液
61を取り出す第1工程と、第1工程で処理された還元
処理液61から、腐食金属のイオンを還元除去する還元
装置15、16を用いて腐食金属イオンを除去して精製
処理液62とする第2工程と、第2工程で処理された精
製処理液62を、電気分解装置14のアノード処理部1
2に供給し精製処理液62の第1鉄イオンを第2鉄イオ
ンに酸化してアノード処理部12から再生液63を抜き
出す第3工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はIC、LSI用のリ
ードフレームやテレビのシャドウマスク等を塩化第2鉄
を含むエッチング液を用いて加工する際に生じるエッチ
ング廃液から腐食された金属のイオンを除去し、所定濃
度の塩化第2鉄を含む再生液を得るためのエッチング廃
液の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化第2鉄(FeCl3 )を含む
エッチング液により銅、ニッケル等の金属を以下の腐食
反応により溶解して、電気回路等のパターンを基板等に
形成するエッチング法が用いられている。 2FeCl3 +Cu→2FeCl2 +CuCl2 2FeCl3 +Ni→2FeCl2 +NiCl2 この結果、エッチング液中に銅、ニッケル等の金属が溶
出すると共に、塩化第2鉄が塩化第1鉄(FeCl2
に還元され、エッチング能力の低下したエッチング廃液
が生成する。そして、エッチング廃液の処理に伴う環境
対策上、及び経済上の要請から、エッチング廃液を再生
して、リサイクルさせる方法が開発されている。例え
ば、特開平1−167235号公報には、エッチング廃
液中に鉄屑等を添加すると共に、銅を回収し、エッチン
グ液を再使用する方法が示されている。
【0003】さらに、特開平6−240475号公報に
は、ニッケルを含む塩化鉄系のエッチング液を隔膜電解
槽の陰極室(カソード室)に導き、含有する金属イオン
からニッケル及び鉄を電析回収する工程と、隔膜を介し
て陽極室(アノード室)に移動した塩素イオンを酸化し
て塩素ガスを発生させる工程と、還元電析により金属イ
オン濃度を減じた処理液を上記塩素ガスで酸化する工程
とからなるエッチング液の処理方法が記載されている。
この従来例のエッチング廃液処理設備100は、図11
に示すようにエッチング廃液101から塩素ガスと不純
物金属102(エッチング廃液中に腐食溶解した腐食金
属)とを分離させて塩化第1鉄を含む還元処理液を抽出
するための隔膜電解槽103と、前記還元処理液中に塩
素ガスを溶解させて塩化第1鉄から塩化第2鉄に塩素化
した再生液104を得るための塩素化装置105とを有
している。エッチング廃液処理設備100を用いてエッ
チング廃液101を処理する場合には、アスベスト板等
の隔膜106で仕切られた隔膜電解槽103にエッチン
グ廃液101を供給して、電解電圧を付与することによ
り、アノード(陽極)及びカソード(陰極)において以
下の反応を促進させる。 アノード:2Cl- →Cl2 ↑+2e- カソード:Fe3++e- →Fe2+、Mn++ne- →M↓ 即ち、アノード室においては塩素ガス(Cl2 )を生成
させると共に、カソード室では金属イオン(Fe3+、M
n+)を還元して銅、ニッケル等の金属(M)を析出さ
せ、第2鉄イオン(Fe3+)から第1鉄イオン(F
2+)への還元処理が行われる。このようにして、銅、
ニッケル等の除去された還元処理液と、塩素ガスとが得
られ、次の塩素化装置105では、この還元処理液を塩
素ガスを用いて塩素化して塩化第2鉄を含む再生液10
4が得られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平1−167235号公報に示される再生方法では、
エッチング廃液中の銅イオン、ニッケルイオンを大量の
鉄屑を用いて還元するために、トータルの塩素イオン濃
度は変化しないが、鉄イオン濃度を増加させることにな
る。このため、第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化して
再生するときには、新たに不足分の塩素を補給する必要
があり、エッチング廃液中の塩素イオンを有効に活用す
ることができないという問題があった。さらに、鉄イオ
ン濃度の増加したエッチング廃液を塩素ガスにより塩素
化して生じる再生液は、エッチング液に必要なレベル以
上の塩化第2鉄濃度となるため、これを希釈して用いな
くてはならず、処理前の廃液量に対して再生液の液量が
多くなり、この余剰液の処理が問題になる。
【0005】前記特開平6−240475号公報に記載
の再生方法では、カソード室にエッチング廃液を供給し
て、アノード室から電解処理された処理液を取り出すだ
けなので、アノード室、及びカソード室におけるそれぞ
れの反応を効率的に制御することが困難であるという問
題があった。特に、前記特開平6−240475号公報
に記載の再生方法では、隔膜電解槽103で塩素ガスを
発生させこれを回収利用することに伴って、以下の〜
に示すような問題があった。 隔膜電解槽103でエッチング廃液101中の塩素を
ガスとして回収し、不純物金属を析出させねばならない
ために、電解電圧を高く設定せねばならず、電流効率が
低くなり電力コストが増大する。 腐食性の高い塩素ガスを直接的に取り扱うために隔膜
電解槽103から塩素化装置105への塩素ガスの移送
及びその貯蔵等における安全性が問題となると共に、付
帯設備等に掛かるコストが高くなる。 塩素化装置105へ吹き込むための塩素ガスの流量、
圧力の制御、並びに廃ガスの処理等が必要になり、操業
プロセスが複雑になる。 ニッケル等の不純物金属を隔膜電解槽103で析出さ
せて回収する際、その回収の都度、隔膜電解槽53の操
業を停止せねばならないために、その処理作業が煩雑に
なる等の操業管理面での問題があった。
【0006】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、エッチング廃液から銅、ニッケル等の腐食され
た金属を除去し、塩化第2鉄の濃度を回復させてエッチ
ング液として再生する際に、その再生処理を効率化して
処理コストを低減させることのできるエッチング廃液の
再生方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のエッチング廃液の再生方法は、塩化第1鉄を含む
エッチング廃液からイオンとなっている腐食金属を除去
し、第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化するエッチング
廃液の再生方法であって、対向するアノード室とカソー
ド室が隔膜を介して分離された電気分解槽を含む電気分
解装置のカソード処理部に前記エッチング廃液を供給
し、該エッチング廃液中の第2鉄イオンの一部又は全部
を第1鉄イオンに還元して前記カソード処理部から還元
処理液を取り出す第1工程と、前記第1工程で処理され
た前記還元処理液から、前記腐食金属のイオンを還元除
去する還元装置を用いて前記腐食金属のイオンを除去し
て精製処理液とする第2工程と、前記第2工程で処理さ
れた精製処理液を、前記電気分解装置のアノード処理部
に供給して、該精製処理液の第1鉄イオンを第2鉄イオ
ンに酸化して前記アノード処理部から再生液を抜き出す
第3工程とを有する。
【0008】請求項2記載のエッチング廃液の再生方法
は、請求項1記載のエッチング廃液の再生方法におい
て、前記カソード処理部に供給するエッチング廃液を含
むカソード処理液、及び前記アノード処理部に供給する
精製処理液を含むアノード処理液は、それぞれ循環状態
で供給されている。請求項3記載のエッチング廃液の再
生方法は、請求項2記載のエッチング廃液の再生方法に
おいて、前記カソード処理部には、前記カソード室と該
カソード室に第1の循環回路を介して連結されたカソー
ド側バッファタンクが設けられ、前記アノード処理部に
は、前記アノード室と該アノード室に第2の循環回路を
介して連結されたアノード側バッファタンクとが設けら
れ、前記第1工程が、前記カソード側バッファタンクに
所定量の前記エッチング廃液を供給し、前記第1の循環
回路を作動させながら電気分解処理を行い、前記第3工
程が、前記アノード側バッファタンクに所定量の前記エ
ッチング廃液を供給し、前記第2の循環回路を作動させ
ながら電気分解処理を行う。
【0009】請求項4記載のエッチング廃液の再生方法
は、請求項3記載のエッチング廃液の再生方法におい
て、前記カソード側バッファタンクは、切り換えて使用
される第1及び第2のカソード側タンクを備え、また、
前記アノード側バッファタンクは、切り換えて使用され
る第1及び第2のアノード側タンクを備えている。請求
項5記載のエッチング廃液の再生方法は、請求項1〜4
のいずれか1項に記載のエッチング廃液の再生方法にお
いて、前記電気分解槽の電流密度が1〜40A/d
2 、処理液の温度が30〜100℃、前記アノード処
理部に供給される精製処理液の第1鉄イオンの濃度が1
0〜350g/リットルである。
【0010】請求項6記載のエッチング廃液の再生方法
は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエッチング廃
液の再生方法において、前記電気分解槽の電解電圧が
0.3〜5ボルトである。請求項7記載のエッチング廃
液の再生方法は、請求項1〜6記載のいずれか1項に記
載のエッチング廃液の再生方法において、前記電気分解
槽は、それぞれのアノード室及びカソード室が直列、並
列又はこれらの組み合わせによって構成される複数の小
電気分解槽からなっている。請求項8記載のエッチング
廃液の再生方法は、請求項1〜7のいずれか1項に記載
のエッチング廃液の再生方法において、前記還元装置
が、攪拌羽根を備え、鉄粉と前記還元処理液とを攪拌状
態で接触させて前記腐食金属のイオンを還元する攪拌槽
を有する。請求項9記載のエッチング廃液の再生方法
は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエッチング廃
液の再生方法において、前記還元装置が、上部の液を下
部に供給して内部に循環流を発生させる流動床攪拌槽を
含み、前記鉄粉と前記還元処理液とを流動攪拌状態で接
触させて前記腐食金属のイオンを還元する。
【0011】塩化第1鉄を含むエッチング廃液とは、第
2鉄イオンを含むエッチング液を用いてシャドーマスク
等をエッチング処理して得られる廃液であって、銅、ニ
ッケル等の金属イオンを含む塩化第2鉄濃度の低下した
廃液をいう。エッチング液とは、第2鉄イオンを所定濃
度、例えば100〜350g/リットル含み、銅、ニッ
ケル等に対して腐食能力を有する水溶液をいい、この他
の成分として少量の塩化第1鉄(FeCl2 )及び、
銅、ニッケル等の金属イオンを有する場合も含まれる。
【0012】隔膜には、イオン選択性のあるイオン交換
膜と、イオン選択性の無い濾布、微小透過孔を有するい
わゆるマイクロポーラス膜等が使用できる。なお、これ
らの隔膜の表面に熱処理、加圧処理、透過性フィルムの
貼着処理等を施して、処理液に対する透過性等を適宜調
整して用いることもできる。イオン交換膜とは、解離基
を含む不溶性物質(イオン交換体)であって、その解離
基と可動性の対イオンとの可逆的な結合、解離による対
イオン交換能力を有する被膜をいう。イオン交換体の解
離基が正の電荷を有する場合、対イオンの電荷は負であ
り、このようなイオン交換体は陰イオンを交換し、陰イ
オンに対する選択透過性を有した陰イオン交換体と呼ば
れる。逆に、イオン交換体の解離基が負の電荷を有する
場合、対イオンの電荷は正であり、このようなイオン交
換体は陽イオンを交換し、陽イオンに対する選択透過性
を有した陽イオン交換体と呼ばれる。
【0013】電気分解槽における電流密度が1A/dm
2 より少ないと、反応に必要な電極面積が増大して、設
備が大型化し不経済である。一方、電流密度が40A/
dm2 を超えると、電解電圧が上がり腐食金属が析出し
易くなると共に、電解電圧の上昇により電力コストが上
がり不経済である。また、電極の消耗が激しくなり操業
が不安定になる。従って、電流密度は1〜40A/dm
2 の範囲に設定することが望ましいが、さらに好ましい
電流密度の範囲は3〜20A/dm2 である。
【0014】電気分解槽のアノード処理部に供給される
精製処理液の第1鉄イオン濃度が10g/リットルより
少なくなると、第1鉄イオンから第2鉄イオンへの酸化
反応の効率が低下すると共に、カソード室からアノード
室に移動してくる塩素イオンが酸化されてガス化し塩素
ガスの発生する恐れがある。逆に、第1鉄イオン濃度が
350g/リットルを超えると、結晶として析出し易く
なり操業阻害の原因となる。従って、アノード処理部に
供給される第1鉄イオン濃度は10〜350g/リット
ルの範囲とすることが好ましく、さらに好ましい第1鉄
イオン濃度の範囲は150〜320g/リットルであ
る。電気分解槽の処理液の液温度が100℃以上になる
と液が沸騰して安定した条件での電解ができなくなる。
また30℃以下になると液の電気抵抗が上昇して、銅、
ニッケル等の腐食金属が析出しやすくなリ、配管詰まり
等のトラブルが発生しやすいので、液温度は30〜10
0℃の範囲に設定する。さらに好ましい液温度の範囲は
50〜90℃である。
【0015】電気分解槽における電解電圧が0.3ボル
トより低いと、アノード室、及びカソード室における必
要な電解電圧が不足して反応が進行しにくく、実効的な
電流を流すことができない。また、電解電圧が5ボルト
を超えると、腐食金属の析出を抑制することが困難にな
る他、電力コストが上がり不経済である。従って、電解
電圧の範囲は0.3〜5ボルトに設定することが好まし
く、さらに好ましい電解電圧の範囲は0.5〜3ボルト
である。
【0016】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに図1は本発明の第1の実施の
形態に係るエッチング廃液の再生方法を適用するエッチ
ング廃液処理設備の説明図、図2は同エッチング廃液処
理設備における電気分解槽の説明図、図3は流動床攪拌
槽の説明図、図4は機械式攪拌槽の説明図、図5
(a)、(b)はそれぞれ流動床攪拌槽の別の例を示す
側断面図及び矢視A−A断面図、図6は電気分解槽にお
ける処理パターン1の説明図、図7は同処理パターン2
の説明図、図8は同処理パターン3の説明図、図9は本
発明の第2の実施の形態に係るエッチング廃液の再生方
法を適用する電気分解装置の説明図、図10(a)、
(b)はそれぞれ還元率の変化に対応する電圧及び電流
効率の変化を示す模式図である。
【0017】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態に係るエッチング廃液の再生方法を適用するエッチン
グ廃液処理設備10は、隔膜11によって分割されたア
ノード室12とカソード室13とを有する電気分解槽1
4(電気分解装置を構成する)と、内部に保持する鉄粉
によって処理液中の銅イオンを析出除去するための第1
の流動床攪拌槽15(還元装置を構成する攪拌槽の一
例)と、ニッケルイオンを析出除去するための第2の流
動床攪拌槽16(還元装置を構成する攪拌槽の一例)と
を有する。電気分解槽14は、図2に示すように隔膜1
1によってアノード室12とカソード室13とに仕切ら
れた構造を有しており、アノード17を有するアノード
室12の下部及び上部には、それぞれアノード液供給管
19、アノード液抽出管20が設けられ、カソード18
を有するカソード室13の下部及び上部にはそれぞれカ
ソード液供給管21、カソード液抽出管22が取付けら
れている。なお、ここで使用する隔膜11の素材は、陰
イオン交換膜、陽イオン交換膜、あるいはテフロン製等
の濾布の中の何れも用いることができる。例えば、陰イ
オン交換膜は塩素イオン等の陰イオンに対して選択透過
性を有しており、カソード18からアノード17に向か
う陰イオンの移動を妨げることなく、しかも、銅、ニッ
ケル等の陽イオンのアノード室12への侵入を阻止する
ことにより効率的にアノード室12における塩化第1鉄
の塩素化を促進させることができる。具体的な素材とし
ては、炭化水素系の第四級アンモニウム基を有する陰イ
オン交換樹脂等が適用できる。
【0018】また、陽イオン交換膜を適用した場合に
は、陽イオンに対する選択透過性を有するために、アノ
ード17からカソード18に向かう金属イオン(鉄イオ
ン)の移動を許容すると共に、アノード17からカソー
ド18に向かう陰イオン(塩素イオン)の移動が規制さ
れるので、効率的にアノード室12における塩化第1鉄
の塩素化、カソード室13における塩化第2鉄の塩化第
1鉄への還元を促進することができる。具体的な素材と
しては、炭化水素系のスルホン酸基、あるいはパーフル
オロ系のスルホン酸基を有する陽イオン交換樹脂等が使
用できる。陰陽のイオン種による選択透過性のない濾布
等の隔膜材料を用いる場合には、イオン種により隔膜1
1内のイオンの移動が規制されることがなく、しかも、
アノード室12、カソード室13のそれぞれに供給され
る処理液の流動状態をそれぞれ独立に保持できる利点が
あり、アノード室12及びカソード室13間に液面差
(ヘッド)を持たせて、アノード室12及びカソード室
13のそれぞれの電解反応の条件を制御することができ
る。具体的な素材としては、ポリプロピレン、ポリエス
テル、アクリル樹脂、モダアクリル樹脂、ポリテトラフ
ルオロエチレン等からなる濾布、表面処理を施した濾
布、細孔を有するマイクロポーラス膜、石綿等が使用で
きる。
【0019】アノード17に適用する素材には、酸化ル
テニウム被覆チタン、黒鉛、白金被覆チタン等が使用で
きる。カソード18に適用する素材には、鉄、ニッケ
ル、ニッケル合金、ステンレス、チタン、チタン合金、
黒鉛等が使用できる。アノード17、カソード18の形
状としては、板状、穿孔板、棒状、簾状、エキスパンド
メタル状等が可能であり、特に形状に限定されることな
く適用できる。
【0020】脱銅装置として用いる流動床攪拌槽15
は、例えば図3に示すように、それぞれ断面積が上から
下に異なる第1区画部23〜第5区画部27の5つに分
割された略円筒形の反応容器であり、流動床攪拌槽15
内に循環流を形成させるためのポンプ28と、ポンプ2
8に接続する循環用配管29とを備えている。なお、図
において符号32は流量調整用のバルブを表している。
また、脱ニッケル装置として用いる流動床攪拌槽16の
構成は流動攪拌槽15と同様であるのでこの説明は省略
する。そして、流動床攪拌槽15上端の開口部から所定
量の鉄粉を供給した後、循環用配管29の中途又は、第
5区画部27の底部に還元処理液を供給して、流動床攪
拌槽15内を所定量の還元処理液で満たす。次に、流動
床攪拌槽15の上部の第1区画部23及び又は第2区画
部24から処理液の一部を取り出して、この処理液をポ
ンプ28を介して最下部の第5区画部27に供給して、
流動床攪拌槽15内に循環流により鉄粉の流動床を形成
させる。所定の時間、流動床内で所定の脱銅反応を行わ
せた後、第1区画部23及び/又は第2区画部24から
処理液を取り出して、これを次の工程に送ることができ
る。なお、前記流動床中で鉄粉と還元処理液とを流動攪
拌状態で効率的に接触させると共に、還元処理液を連続
的に第5区画部27に供給して、第1区画部23及び/
又は第2区画部24からオーバーフローする処理液を連
続的に取り出しても良い。
【0021】また、還元装置としては、図3で示した前
記流動床攪拌槽15、16の形式の装置の他に、例えば
図4、図5に示すような装置も適用できる。図4は略円
筒形の容器からなる機械式攪拌槽31の例を示してお
り、攪拌羽根30を用いて供給される還元処理液と斜線
で示される堆積保持される鉄粉とを容器内で攪拌して、
還元処理液中の鉄よりイオン化傾向の小さい腐食金属の
イオンを還元する。また、図5に示す流動床攪拌槽40
は上下方向にそれぞれ水平断面積が異なるように構成さ
れた第1区画部41〜第3区画部43の3つの領域から
なる容器である。流動床攪拌槽40の内底部には、第3
区画部43の上部及び第2区画部42とで形成される鉄
粉の流動床(図の斜線部)部分と、流動媒体供給部44
とを分かつための仕切り盤45が備えられている。そし
て、還元処理液は流動媒体供給部44の底部及び側部に
設けられた供給口46、46aから供給されるようにな
っている。仕切り盤45上には仕切り盤45の下方から
供給される流動媒体を仕切り盤45上において水平方向
に分散吐出するためのトワイヤーと呼ばれるノズル47
が多数千鳥足状又は格子状に配置されている。また、第
1区画部41には流動床を形成させるのに必要な量の循
環液を取り出すための取出口48と第1区画部から処理
液を回収するための処理液排出口49とが設けられてい
る。さらに、取出口48から取り出される循環液(流動
媒体)を流動媒体供給部44に供給するためのポンプ5
0が設けられている。これによって、取り出された循環
液がポンプ50を介して流動媒体供給部44の側面に設
けられた循環流供給口51に供給され、槽内の鉄粉を流
動化させるための循環流が形成されるようになってい
る。
【0022】以上説明したように、還元装置としては、
このような種々の形式のものを単独又は組み合わせて適
用できるが、以下においては、前記説明し攪拌槽の中
で、流動攪拌槽15、16をそれぞれ脱銅装置、脱ニッ
ケル装置として使用した例について説明する。脱銅、脱
ニッケル装置としてそれぞれ用いる流動床攪拌槽15、
16は、内部に精製鉄粉、還元鉄粉、鋼に酸素ガスを吹
き込んで精錬を行う際に発生するOGP鉄粉等の鉄粉を
保持して、底部から供給される処理液によって鉄粉の流
動床を形成させ、鉄粉と処理液とを流動状態で接触させ
て、例えば、以下に示すような置換反応を起こさせるた
めの流動槽である。 CuCl2 +Fe→FeCl2 +Cu↓ NiCl2 +Fe→FeCl2 +Ni↓ そして、図1に示すように互いにほぼ同様の構造である
第1の流動床攪拌槽15、第2の流動床攪拌槽16に、
電気分解槽14のカソード室13から抽出される還元処
理液61を連続的に供給して、液中の銅イオン、及びニ
ッケルイオンを除去し、前記各流動床攪拌槽15、16
の上側から銅及び、ニッケルの除去された精製処理液6
2を抽出することができる。なお、図3に示すように流
動床攪拌槽15、16における流動床の形成に際して
は、流動床の上部から湧出する処理液の一部を取り出し
て、これを流動床攪拌槽15、16の底部から供給する
ことにより、槽の内部に自己循環流を起こさせて、効率
的に流動床(斜線部分)を形成させることができる。こ
こで示す流動床攪拌槽15、16はそれぞれ脱銅、脱ニ
ッケルを行う還元装置の一例であって、本発明はこれら
の形式の流動床攪拌槽に限られるものではない。必要に
応じて、流動床攪拌槽15、16の下部にモータ等によ
って駆動する攪拌羽根を設け、内部に形成される流動床
の流動状態を調整することもできる。流動床攪拌槽1
5、16には前記精製鉄粉、還元鉄粉、製鋼炉中に酸素
ガスを吹き込む酸化精錬中に発生する鉄粉(OGP鉄
粉)等の鉄粉が使用できる。また、鉄粉は例えば粒径が
44μm以下の粉末であれば、球状粒子あるいは多孔質
の塊状粒子としてもよく、その形状、種類に限定される
ことなく適用できる。
【0023】前記流動床攪拌槽15、16を用いて、還
元処理液61中の銅、ニッケル等の腐食金属をそれぞれ
除去する際には、還元処理液61中に鉄粉が溶出して鉄
イオンを生成するが、還元処理液61は前記電気分解槽
14のカソード室13で予め第2鉄イオンが還元除去さ
れ、あるいはその濃度が減少しているので、鉄粉の溶出
量を必要な最低限度に抑えることができると共に、腐食
金属の除去が阻害されることがなく、第1鉄イオンを有
する精製処理液62を効率的に得ることができる。
【0024】次に、前記エッチング廃液処理設備10を
用いる本発明の第1の実施の形態に係るエッチング廃液
の再生方法について説明する。まず、シャドーマスク等
のエッチング処理を行って、第2鉄イオンの濃度が減少
し、第1鉄イオンを含むエッチング廃液を図示しないエ
ッチング処理装置から回収する。次に、このようなエッ
チング廃液60をカソード液供給管21を介して電気分
解槽14のカソード室13に供給すると共に、第1鉄イ
オンを含む精製処理液62をアノード液供給管19を介
してアノード室12に供給する。そして、アノード室1
2における塩素ガスの発生と、カソード室13における
腐食金属の析出とを抑制する電解条件の下で電解電圧を
付与して電気分解処理を行って、アノード室12から再
生液63を、カソード室13から還元処理液61を取り
出す。
【0025】具体的には、電気分解槽14における電解
電圧、電極(アノード17、カソード18)の種類、電
極間距離H、隔膜11の種類、形状、電解液温度(処理
液の温度)、及び処理液中の各イオン濃度、アノード室
12とカソード室13間のヘッド差、供給速度等の因子
を特定値に設定して、塩素ガスの発生量と腐食金属の析
出量とが最も少なくなるようにする。例えば、電気分解
槽14における電解液温度の場合について述べれば、電
解液温度を30〜100℃の範囲になるように、予め供
給する液の加熱、電解の際のジュール熱の利用、あるい
は電気分解槽14の保温等の手段により保持することが
できる。特に、電解液を加熱することで電極板の過電圧
を低下させて、銅、ニッケル等の析出電位以下に抑えた
条件で電解することが可能になる。また、万一析出させ
た場合にも第2鉄イオンの反応性が高いために、再溶解
されやすくすることができ、電極板への析出を回避して
電解電圧を下げられる利点がある。ここで、電解液温度
が100℃以上になると液が沸騰して安定した条件での
電解が困難になる。また30℃未満になると処理液の電
気抵抗が上昇して、銅、ニッケル等が析出しやすくな
リ、配管詰まり等のトラブルが発生しやすいので、電解
液温度は30〜100℃の範囲に設定する。なお、電気
分解処理においては、電極に腐食金属が析出した時には
必要に応じて逆方向の電解電圧を付与させ、あるいは電
解電圧を増減させて再溶解させることも可能である。こ
れによって、常時、腐食金属の析出を抑制した条件で所
望の電気分解処理を維持させることもできる。
【0026】こうして、アノード液抽出管20、及びカ
ソード液抽出管22からそれぞれ再生液63と、還元処
理液61とを抽出することができる。このように、カソ
ード室13にエッチング廃液60を供給して、エッチン
グ廃液60中の第2鉄イオンの一部又は全部を第1鉄イ
オンに還元して、この還元された処理液(還元処理液)
61を取り出す処理が第1工程に相当する。次の第2工
程においては、還元処理液61が鉄粉を保持する第1の
流動床攪拌槽15と、これに続く第2の流動床攪拌槽1
6とに供給される。これによって、還元処理液61中の
鉄よりもイオン化傾向の小さい銅、及びニッケルのイオ
ンが還元されて析出する。そして、第2の流動床攪拌槽
16から脱銅、脱ニッケル処理された第1鉄イオンを含
む精製処理液62が抽出されるようになっている。アノ
ード液抽出管20を介して取り出される再生液63は、
アノード室12に供給される精製処理液62中の塩化第
1鉄を塩素化した塩化第2鉄水溶液であって、銅、ニッ
ケル等の金属を腐食溶解させるエッチング能力を有して
いる。前記精製処理液62のアノード室12への供給
と、再生液63のアノード室12からの抽出処理の操作
が第3工程に相当する。
【0027】本発明においては、精製処理液62中の塩
化第1鉄(FeCl2 )を塩化第2鉄(FeCl3 )に
塩素化させるのに必要な塩素を、エッチング廃液60中
の塩素イオンのカソード室13からアノード室12への
移動によってまかなうことができるので、従来のように
塩素ガスとして取り出して、塩素ガスの吸収反応により
処理する必要がなく、電力効率を向上させることができ
ると共に、安全上及び設備上の制約を少なくできる利点
がある。
【0028】従来における塩化鉄水溶液の電気分解槽に
おける電解処理では、アノード室で塩素ガスを発生させ
ると共に、カソード室では銅やニッケルを析出させるこ
とを狙いとしたものである。これに対して本発明は、ア
ノード室における塩素ガスの発生とカソード室における
銅、ニッケルの析出とを抑制する電解条件の下で電解電
圧を付与することにより、塩素ガスの発生に伴う電力量
を削減して、アノード室に供給される第1鉄イオンの酸
化と、カソード室における第2鉄イオンの還元とを効率
的に行なわせることを目的としている。即ち、本発明で
はアノード室で第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化さ
せ、カソード室で第2鉄イオンを第1鉄イオンに還元す
る。この酸化、還元を同時に起こすことにより、以下の
理由により電解電圧を低くすることができる。前記の酸
化反応には0.77ボルトの理論分解電圧が、また、還
元反応には−0.77ボルトの理論分解電圧が必要とな
り、アノードとカソードの反応の理論分解電圧の両者が
相殺して、殆ど0ボルトになるためである。一方、アノ
ード室で塩素ガスを発生させる場合はアノード反応に
1.36ボルトの分解電圧が必要であり、還元反応の分
解電圧が−0.77ボルトであることを考慮すると、
0.59ボルトの理論分解電圧が必要となる。これは、
本発明の方法よりも分解電圧が原理的には0.59ボル
ト以上高くなることを意味している。そして、エッチン
グ廃液をカソード室に供給して、第2鉄イオンを第1鉄
イオンに還元された還元処理液を得て、該還元処理液を
脱銅、脱ニッケル装置で処理して、液中の銅イオン及び
ニッケルイオンを除去して精製処理液として、銅、ニッ
ケルの除去され第1鉄イオンを含む前記精製処理液をア
ノード室に供給して第1鉄イオンを第2鉄イオンに酸化
することにより効率的に再生液を得ることができる。
【0029】なお、前記エッチング廃液処理設備10に
おいては、アノード室12とカソード室13との一対か
らなる電気分解槽14を電気分解装置として単独で用い
る場合について説明したが、電気分解槽内を複数の隔膜
を用いて3以上の区画部に分割された形式のものとする
ことも可能である。これによって、腐食金属イオンのア
ノード室への移行をより確実に抑制することができる。
さらには、図6〜図8に示すように複数の小電気分解槽
64〜67を配置して、それぞれの小電気分解槽64〜
67のアノード室12、カソード室13に精製処理液6
2、及びエッチング廃液60を供給することができ、こ
れらの処理パターンを必要に応じて選択して、エッチン
グ廃液60の処理をさらに効率的に行わせることもでき
る。なお、図6〜図8は例を示すものであって、これら
のパターンのみに本発明が限定されるものではない。
【0030】ここで、図6の処理パターン1は、エッチ
ング廃液60及び、精製処理液62を4基の小電気分解
槽64〜67にそれぞれ連続的に供給して最終的に再生
液63と、還元処理液61とを得るプロセスを示してい
る。エッチング廃液60中の第2鉄イオンは小電気分解
槽64〜67を経由して、第1鉄イオンに順次還元さ
れ、精製処理液62中の第1鉄イオンが小電気分解槽6
4〜67を経て、順次第2鉄イオンに酸化され、即ち塩
化第1鉄から塩化第2鉄への塩素化を効率的に行うこと
が可能である。図7の処理パターン2は、エッチング廃
液60を4基の小電気分解槽64〜67のそれぞれのカ
ソード室13に順次連続的に供給すると共に、それぞれ
のアノード室12に精製処理液62を供給して、最終的
にエッチング廃液60中の第2鉄イオンが還元されてな
る還元処理液61を得るプロセスを示している。この場
合には、各アノード室12から塩素化の程度のそれぞれ
異なる再生液63a〜63dを得ることができ、必要と
する第2鉄イオンの濃度に応じた成分調整を行うことが
できる利点がある。図8の処理パターン3は、精製処理
液62を4基の電気分解槽64〜67のアノード室12
に順次連続的に供給し、それぞれのカソード室13にエ
ッチング廃液60を供給して、各カソード室13から成
分の異なる還元処理液61a〜61dを得ると共に、最
終的に再生液63を得るプロセスを示している。この場
合には、脱銅及び、脱ニッケル装置の能力に応じて、供
給する還元処理液61a〜61d中の第1鉄イオン、第
2鉄イオンの濃度をそれぞれ調整でき、以降における腐
食金属イオンの除去効率を最適化することができる。
【0031】
【実施例】ここで、図2に示す電気分解槽14を用いる
実施例1〜実施例4について表1及び表2を参照しなが
ら説明する。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】実施例1においては、酸化ルテニウムによ
り被覆したチタン製の網状体(電極面が100mm×1
00mmの広さの網状体)をチタン製の板に溶接してア
ノード17として、また、チタン製の網状体をチタン製
の板に溶接してカソード18を形成した。前記網状体に
は、切れ目を等間隔に多数形成したチタン板を切れ目と
略直角の方向に引き延ばして形成される、いわゆるエキ
スパンドメタルを用いた。アノード室12、カソード室
13はそれぞれチタン製の内壁面を有した電解槽とし、
隔膜11の材料にはパーフルオロ系スルホン酸基を有す
る陽イオン交換膜(デュポン社製、商品名ナフィオンN
450)を使用した。そして、隔膜11と内壁面との間
にガスケットを介在させて、アノード室12とカソード
室13との2室構造として電気分解槽14を形成した。
なお、ここで電極間距離Hを6mmとし、アノード室1
2とカソード室13とにおける液面の差(ヘッド)をゼ
ロに、即ち同レベルに設定した。この電気分解槽14の
カソード室13とアノード室12にそれぞれエッチング
廃液(第1鉄イオン濃度:74g/リットル、第2鉄イ
オン濃度:158g/リットル)と、腐食金属の濃度を
低減した精製処理液(第1鉄イオン濃度:265g/リ
ットル、第2鉄イオン濃度:1g/リットル)とをそれ
ぞれ72ml/時(ミリリットル/時)、79ml/時
の供給速度で供給した。以上の状態で電流密度5A/d
2 となる2.0ボルトの電解電圧を付与して、電解液
温度50℃で電解を行った。なお、電気分解槽14のカ
ソード室13、アノード室12からそれぞれ抜き出され
る還元処理液、再生液の流量は78ml/時、73ml
/時であった。この結果、表1の実施例1に示すよう
に、還元処理液、及び再生液中の第1鉄イオン濃度及
び第2鉄イオン濃度はそれぞれ243g/リット
ル、25g/リットル、88g/リットル、14
3g/リットルとなった。
【0035】実施例2においては、隔膜材料として陰イ
オン交換膜(トクヤマ社製商品名ネオセプタACS)を
使用し、電解電圧を2.1ボルトとした以外は実施例1
と同様の条件でアノード室12、とカソード室13から
なる2室法により、第1鉄イオン濃度:25g/リット
ル、第2鉄イオン濃度:190g/リットルのエッチン
グ廃液と、第1鉄イオン濃度:250g/リットル、第
2鉄イオン濃度:1g/リットルの精製処理液との電解
を行った。なお、エッチング廃液と、精製処理液のカソ
ード室13、アノード室12への供給速度はそれぞれ6
6ml/時、60ml/時として、カソード室13、ア
ノード室12からそれぞれ抜き出される還元処理液、再
生液の流量は66ml/時、60ml/時であった。こ
の結果、表1の実施例2に示すように、還元処理液、及
び再生液中の第1鉄イオン濃度及び第2鉄イオン濃
度はそれぞれ180g/リットル、35g/リット
ル、77g/リットル、173g/リットルとなっ
た。
【0036】実施例3においては、表2に示すように、
酸化ルテニウムにより被覆したチタン製の網状体(電極
面が100mm×100mmの広さの網状体)をチタン
製の板に溶接してアノード17として、また、チタン製
の網状体をチタン製の板に溶接してカソード18を形成
した。アノード室12、カソード室13は共にアクリル
製の枠を使用し、電解室とした。隔膜材料としては、ユ
アサコーポレーション社製の細孔を有するマイクロポー
ラス膜(商品名Y−9201T)を使用した。そして、
電極間距離を12mmとして、隔膜11の両側をガスケ
ットで鋏み、アノード室12、カソード室13との間に
入れることにより、2室からなる電気分解槽14を構成
した。この電気分解槽14に表2に示すエッチング廃液
と精製処理液とをそれぞれアノード室12、カソード室
13とをそれぞれ70ml/時、79ml/時で供給し
た。但し、カソード室13の腐食金属イオンをアノード
室12へ移行させないためにアノード室12の液面をカ
ソード室13の液面より7mm高くなるようにヘッドを
調整した。上記の状態で電流密度5A/dm2 となる
1.5ボルトの電解電圧を付与して、電解液温度50℃
で、第1鉄イオン濃度:30g/リットル、第2鉄イオ
ン濃度:163g/リットルのエッチング廃液と、第1
鉄イオン濃度:150g/リットル、第2鉄イオン濃
度:1g/リットルの精製処理液との電解を行った。な
お、カソード室13、アノード室12からそれぞれ抜き
出される還元処理液、再生液の流量は77ml/時、7
2ml/時であり、表2に示すような結果が得られた。
表2の実施例3に示すように、還元処理液、及び再生液
中の第1鉄イオン濃度及び第2鉄イオン濃度はそれ
ぞれ165g/リットル、28g/リットル、7
g/リットル、143g/リットルとなった。
【0037】実施例4においては、表2に示すように隔
膜としてデュポン社製マイクロポーラス膜(商品名PE
−10)を二重に張り、ヘッドを25mmとした以外は
前記実施例3と略同様の電解条件で電解を行った。な
お、エッチング廃液中の第1鉄イオン濃度と第2鉄イオ
ン濃度はそれぞれ28g/リットル、181g/リット
ルであり、精製処理液中の第1鉄イオン濃度と第2鉄イ
オン濃度はそれぞれ150g/リットル、1g/リット
ルである。また、エッチング廃液と、精製処理液のカソ
ード室13、アノード室12への供給速度はそれぞれ6
8ml/時、72ml/時として、カソード室13、ア
ノード室12からそれぞれ抜き出される還元処理液、再
生液の流量は73ml/時、67ml/時であった。こ
の結果、表2の実施例4に示すように、還元処理液、及
び再生液中の第1鉄イオン濃度及び第2鉄イオン濃
度はそれぞれ177g/リットル、32g/リット
ル、3g/リットル、148g/リットルであっ
た。
【0038】このように本実施の形態に係るエッチング
廃液の再生方法では、塩素ガスの発生を抑制する電解条
件の下で電解電圧を付与するので、エッチング廃液60
中の塩素イオンをカソード室13からアノード室12に
移動させるだけで、塩化第1鉄の塩素化を行うことがで
き、塩素ガスの発生に伴う安全性、及び制御上の問題が
なく、効率的かつ経済的にエッチング廃液60の再生処
理を行うことが可能である。
【0039】続いて、本発明の第2の実施の形態に係る
エッチング廃液の再生方法について説明する。第2の実
施の形態に係るエッチング廃液の再生方法を適用するエ
ッチング廃液処理設備は、図1に示したエッチング廃液
処理設備10とは電気分解装置の構成が異なる以外はほ
ぼ同一の構成である。従って、以下ではこの電気分解装
置70の構成及びこれを用いる処理方法の部分について
のみ説明する。電気分解装置70は図9に示すように、
エッチング廃液が供給され、該エッチング廃液の電気分
解処理された還元処理液を排出するためのカソード処理
部71及び、第2工程で得られる精製処理液が供給さ
れ、精製処理液の電気分解処理された再生液を排出する
ためのアノード処理部72とを備えている。
【0040】第1工程の処理を行うカソード処理部71
は、電気分解槽73を隔膜74によって仕切られカソー
ド75を備えたカソード室76と、カソード室76に第
1の循環回路77を介してそれぞれ連結されるカソード
側バッファタンクの一例である第1、第2のカソード側
タンク78、79とを有している。第1の循環回路77
には第1の循環ポンプ80が設けられており、前記カソ
ード室76、第1及び第2のカソード側タンク78、7
9間を連結して、カソード室76に第1又は第2のカソ
ード側タンク78、79内の液を切り換えて循環供給さ
せることができる。カソード室76、第1の循環ポンプ
80及び第1、第2のカソード側タンク78、79を連
結する第1の循環回路77を構成する各配管には、図9
に示すようにバルブK1〜K8が設けられており、必要
に応じてそれぞれの開閉状態を設定できるようになって
いる。バルブK1は第1のカソード側タンク78とカソ
ード室76とを連結する配管に配置され、バルブK4は
エッチング廃液を第1のカソード側タンク78に供給す
る配管に配置されている。また、カソード室76から第
1の循環ポンプ80を介して取り出される循環処理液が
第1のカソード側タンク78に供給されるようになって
いる。そして、その供給配管には第1の循環ポンプ80
に直列にバルブK3が配置されている。バルブK2が電
気分解処理後に第1のカソード側タンク78に保持され
る還元処理液を還元装置に排出する配管に配置されてい
る。なお、第2のカソード側タンク79におけるバルブ
K5〜K8についてはその機能はそれぞれバルブK1〜
K4と同様であるのでこれらの説明は省略する。
【0041】第3工程の処理を行うアノード処理部72
は、電気分解槽73を隔膜74によって仕切られアノー
ド90を備えたアノード室91と、アノード室91に第
2の循環回路92を介してそれぞれ連結されるアノード
側バッファタンクの一例である第1、第2のアノード側
タンク93、94とを有している。第2の循環回路92
には第2の循環ポンプ95が設けられており、前記アノ
ード室91、第1及び第2のアノード側タンク93、9
4間を連結して、アノード室91に第1又は第2のアノ
ード側タンク93、94内の液を切り換えて循環供給さ
せることができる。アノード室91、第2の循環ポンプ
95及び第1、第2のアノード側タンク93、94を連
結する第2の循環回路92を構成する各配管には、バル
ブA1〜A8が設けられており、必要に応じてそれぞれ
の開閉状態を設定できるようになっている。図9を参照
しながら説明すると、バルブA1は第1のアノード側タ
ンク93とアノード室91とを連結する配管に配置さ
れ、バルブA4は精製処理液を第1のアノード側タンク
93に供給する配管に配置されている。またバルブA3
は、第1のアノード室91から第2の循環ポンプ95を
介して取り出される処理液をアノード側タンク93に供
給する配管に第2の循環ポンプ95に直列になるように
配置されている。バルブA2は電気分解処理後に第1の
アノード側タンク93に保持される再生液を排出する配
管に配置されている。なお、第2のアノード側タンク9
4におけるバルブA5〜A8についての機能はバルブA
1〜A4とそれぞれ同様であるので、これらの説明は省
略する。
【0042】次に前記説明した電気分解装置を用いるエ
ッチング廃液の処理方法について説明する。まず、エッ
チング廃液をバルブK4を介して第1のカソード側タン
ク78に供給し、第1のカソード側タンク78内にエッ
チング廃液を貯留すると共に、第2の工程の還元装置で
得られる精製処理液をバルブA4を介して第1のアノー
ド側タンク93に供給して、第1のアノード側タンク9
3を精製処理液の所定量で満たす。次に、第1の循環回
路77及び第2の循環回路92を作動させることによ
り、カソード室76、アノード室91にそれぞれエッチ
ング廃液、精製処理液をバルブK1、バルブA1を介し
て供給する。そして、第1のカソード側タンク78及び
第1のアノード側タンク93内にそれぞれ貯留されたエ
ッチング廃液及び精製処理液を、第1の循環ポンプ8
0、第2の循環ポンプ95を用いて電気分解槽73に循
環供給させながら電気分解処理を所定時間行う。一方、
この電気分解処理の間、第2のカソード側タンク79、
第2のアノード側タンク94のそれぞれにエッチング廃
液、精製処理液を例えば連続供給して、次の電気分解処
理の操作に備えて、第2のカソード側タンク79、及び
第2のアノード側タンク94をそれぞれの処理液で充填
しておくことができる。
【0043】ここで図10は、所定量の処理液を電解槽
に貯留して電気分解を行った後、電気分解後の処理液を
取り出すバッチ式電気分解条件で、電解電流を一定とし
て得られる電解電圧及び電流効率と、アノード室内の第
1鉄イオンの酸化率(又はカソード室内の第2鉄イオン
の還元率)との関係をそれぞれ示した模式図である。こ
のように還元率、酸化率が大きくなるバッチ式電気分解
の後期では、電解電圧が上昇し、且つ電流効率が低下す
る傾向が確認されている。処理液を電気分解槽に連続的
に供給して、オーバーフロー分の電気分解処理液を取り
出す連続式の電気分解条件の場合には、図の後半に示さ
れる高電解電圧、低電流効率の状況に保持され易くな
る。即ち、電気分解槽に保持される液量に比べて供給さ
れる処理液の量が少ないために、電極と処理液との実効
的な接触面積、及び電極表面での処理液の移動効率を適
正範囲に維持することが困難となる。このため、反応効
率が低下して電解電圧が高くなり電力コストが上昇す
る。そこで、本発明の第2の実施の形態においては、カ
ソード室76及びアノード室91のそれぞれにエッチン
グ廃液を含むカソード処理液、精製処理液を含むアノー
ド処理液を循環状態で供給し、電極表面における処理液
の移動速度及び濃度の均一度を大きくした状態で電気分
解処理を行う。これによって、電解効率を高めることが
できる。さらに、カソード室76及びアノード室91に
それぞれ2機のタンクを配置し、それぞれ2機のタンク
を待機供給状態と電気分解状態のいずれかの状態に交互
に切り換えて電気分解の操業を行うことにより、電解電
圧、電流効率が平均化されるため、全体の電力コストを
低く抑えることが可能となる。
【0044】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではな
く、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用
範囲である。例えば、本実施の形態においては、4基の
小電気分解槽を組み合わせてエッチング廃液を処理する
場合について示したが、この基数に限定されることな
く、1基、2基、3基、5基あるいはそれ以上の数の小
電気分解槽を直列、並列又はこれらの組合せによって構
成することも可能である。さらに、電気分解装置のカソ
ード室及びアノード室にそれぞれ供給するエッチング廃
液、精製処理液の供給位置、及び、還元処理液、再生液
の抽出位置は、本実施の形態に示した配置のものに限定
されるものではなく、それぞれの供給位置及び抽出位置
の上下関係位置等を互いに交換することもできる。
【0045】
【発明の効果】請求項1〜9記載のエッチング廃液の再
生方法においては、電気分解装置のカソード処理部にエ
ッチング廃液を供給し、エッチング廃液中の第2鉄イオ
ンの一部又は全部を第1鉄イオンに還元して、カソード
処理部から還元処理液を取り出す第1工程を有するの
で、以降の第2工程における還元装置での鉄粉の溶解に
伴う鉄イオンの増加を抑制できる。さらに、還元装置を
用いて還元処理液から腐食した金属のイオンを還元除去
して精製処理液を得る第2工程を有するので、腐食金属
を効率的に回収できると共に、次の第3工程において精
製処理液として使用する腐食金属イオンの少ない塩化鉄
水溶液を効率的に提供できる。そして、アノード処理部
に精製処理液を供給し、精製処理液中の第1鉄イオンを
第2鉄イオンに酸化してアノード室から再生液を取り出
す第3工程を有するので、全体の反応を効率的に制御す
ることができ、エッチング廃液から腐食金属を除去し、
塩化第2鉄の濃度を回復させてエッチング液として再生
する際に、その再生処理を効率化して処理コストを低減
させることができる。
【0046】特に、請求項2〜4記載のエッチング廃液
の再生方法においては、カソード室に供給するエッチン
グ廃液を含むカソード処理液、及びアノード室に供給す
る精製処理液を含むアノード処理液は、それぞれ循環状
態で供給されているので、カソード室及びアノード室に
おける電極と処理液とのそれぞれ実質的な反応時間、流
動速度を増大させることができると共に、カソード室及
びアノード室における各成分の濃度が均一化された状態
で反応が維持されるので、全体の反応効率をさらに高め
ることができる。
【0047】請求項3記載のエッチング廃液の再生方法
においては、カソード側バッファタンクに所定量供給さ
れたエッチング廃液をカソード室に循環させながら電気
分解処理を行うと共に、アノード側バッファタンクに所
定量供給された精製処理液をアノード室に循環させなが
ら電気分解処理を行うので、容積の比較的少ない電気分
解槽であっても、大量の処理液の循環供給が可能であ
り、さらに効率的な電気分解処理が可能になる。請求項
4記載のエッチング廃液の再生方法においては、カソー
ド側バッファタンクは、切り換えて使用される第1及び
第2のカソード側タンクを備え、また、アーノド側バッ
ファタンクは、切り換えて使用される第1及び第2のア
ノード側タンクを備えているので、それぞれ2つのカソ
ード側タンク、アノード側タンクを待機供給状態、又は
電気分解状態の何れかの状態に設定でき、供給されるエ
ッチング廃液を効率的に電気分解処理して再生液を連続
的に得ることができ、生産性の向上を図ることができ
る。
【0048】請求項5記載のエッチング廃液の再生方法
においては、電気分解槽の電流密度、処理液の温度、前
記アノード室における第1鉄イオンの濃度をそれぞれ特
定範囲としているので、アノード室における塩素ガスの
生成と、カソード室における腐食金属の析出とを効果的
に抑制できる。これによって、腐食金属の析出、塩素ガ
スの発生に伴う無駄な電力消費を少なくできると共に、
エッチング廃液の再生処理を効率的に行うことが可能で
ある。さらに、エッチング廃液中の塩素分からの塩素ガ
スの発生を抑制した状態で電気分解処理でき、塩素ガス
に対する防護を行う必要がなく設備を簡略に構成でき、
経済的、且つ安全に塩素分の回収ができる。また、請求
項6記載のエッチング廃液の再生方法においては、前記
電気分解槽の電解電圧を特定範囲にしているので、アノ
ード室における塩素ガスの生成と、カソード室における
腐食金属の析出とをさらに効果的に抑制できる。特に、
請求項7記載のエッチング廃液の再生方法においては、
電気分解槽は、それぞれのアノード室及びカソード室が
直列、並列又はこれらの組み合わせによって構成される
複数の小電気分解槽からなっているので、これらの組み
合わせパターンを必要に応じて選択して、エッチング廃
液処理をさらに効率的に行わせることもできる。請求項
8記載のエッチング廃液の再生方法においては、還元装
置が、攪拌羽根を備え、鉄粉と前記還元処理液とを攪拌
状態で接触させて腐食金属のイオンを還元する攪拌槽を
有するので、効率的に腐食金属イオンの還元除去を行う
ことが可能である。請求項9記載のエッチング廃液の再
生方法においては、還元装置が、上部の液を下部に供給
して内部に循環流を発生させる流動床攪拌槽を含み、鉄
粉と還元処理液とを流動攪拌状態で接触させて腐食金属
のイオンを還元するので、さらに効率的に腐食金属イオ
ンの還元除去を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るエッチング廃
液の再生方法を適用するエッチング廃液処理設備の説明
図である。
【図2】同エッチング廃液処理設備における電気分解槽
の説明図である。
【図3】流動床攪拌槽の説明図である。
【図4】機械式攪拌槽の説明図である。
【図5】(a)、(b)はそれぞれ流動床攪拌槽の別の
例を示す側断面図及び矢視A−A断面図である。
【図6】電気分解槽における処理パターン1の説明図で
ある。
【図7】同処理パターン2の説明図である。
【図8】同処理パターン3の説明図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るエッチング廃
液の再生方法を適用する電気分解装置の説明図である。
【図10】(a)、(b)はそれぞれ還元率の変化に対
応する電圧及び電流効率の変化を示す模式図である。
【図11】従来例におけるエッチング廃液の処理方法の
説明図である。
【符号の説明】
10 エッチング廃液処理設備 11 隔膜 12 アノード室 13 カソード
室 14 電気分解槽 15 流動床攪
拌槽 16 流動床攪拌槽 17 アノード 18 カソード 19 アノード
液供給管 20 アノード液抽出管 21 カソード
液供給管 22 カソード液抽出管 23 第1区画
部 24 第2区画部 25 第3区画
部 26 第4区画部 27 第5区画
部 28 ポンプ 29 循環用配
管 30 攪拌羽根 31 機械式攪
拌槽 32 バルブ 40 流動床攪
拌槽 41 第1区画部 42 第2区画
部 43 第3区画部 44 流動媒体
供給部 45 仕切り盤 46 供給口 46a 供給口 47 ノズル 48 取出口 49 処理液排
出口 50 ポンプ 51 循環流供
給口 60 エッチング廃液 61 還元処理
液 61a 還元処理液 61b 還元処
理液 61c 還元処理液 61d 還元処
理液 62 精製処理液 63 再生液 63a 再生液 63b 再生液 63c 再生液 63d 再生液 64 小電気分解槽 65 小電気分
解槽 66 小電気分解槽 67 小電気分
解槽 70 電気分解装置 71 カソード
処理部 72 アノード処理部 73 電気分解
槽 74 隔膜 75 カソード 76 カソード室 77 第1の循
環回路 78 第1のカソード側タンク 79 第2のカ
ソード側タンク 80 第1の循環ポンプ 90 アノード 91 アノード室 92 第2の循
環回路 93 第1のアノード側タンク 94 第2のア
ノード側タンク 95 第2の循環ポンプ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化第1鉄を含むエッチング廃液からイ
    オンとなっている腐食金属を除去し、第1鉄イオンを第
    2鉄イオンに酸化するエッチング廃液の再生方法であっ
    て、 対向するアノード室とカソード室が隔膜を介して分離さ
    れた電気分解槽を含む電気分解装置のカソード処理部に
    前記エッチング廃液を供給し、該エッチング廃液中の第
    2鉄イオンの一部又は全部を第1鉄イオンに還元して前
    記カソード処理部から還元処理液を取り出す第1工程
    と、 前記第1工程で処理された前記還元処理液から、前記腐
    食金属のイオンを還元除去する還元装置を用いて前記腐
    食金属のイオンを除去して精製処理液とする第2工程
    と、 前記第2工程で処理された精製処理液を、前記電気分解
    装置のアノード処理部に供給して、該精製処理液の第1
    鉄イオンを第2鉄イオンに酸化して前記アノード処理部
    から再生液を抜き出す第3工程とを有することを特徴と
    するエッチング廃液の再生方法。
  2. 【請求項2】 前記カソード処理部に供給するエッチン
    グ廃液を含むカソード処理液、及び前記アノード処理部
    に供給する精製処理液を含むアノード処理液は、それぞ
    れ循環状態で供給されている請求項1記載のエッチング
    廃液の再生方法。
  3. 【請求項3】 前記カソード処理部には、前記カソード
    室と該カソード室に第1の循環回路を介して連結された
    カソード側バッファタンクが設けられ、前記アノード処
    理部には、前記アノード室と該アノード室に第2の循環
    回路を介して連結されたアノード側バッファタンクとが
    設けられ、 前記第1工程が、前記カソード側バッファタンクに所定
    量の前記エッチング廃液を供給し、前記第1の循環回路
    を作動させながら電気分解処理を行い、 前記第3工程が、前記アノード側バッファタンクに所定
    量の前記精製処理液を供給し、前記第2の循環回路を作
    動させながら電気分解処理を行うことを特徴とする請求
    項2記載のエッチング廃液の再生方法。
  4. 【請求項4】 前記カソード側バッファタンクは、切り
    換えて使用される第1及び第2のカソード側タンクを備
    え、また、前記アーノド側バッファタンクは、切り換え
    て使用される第1及び第2のアノード側タンクを備えて
    いる請求項3記載のエッチング廃液の再生方法。
  5. 【請求項5】 前記電気分解槽の電流密度が1〜40A
    /dm2 、処理液の温度が30〜100℃、前記アノー
    ド処理部に供給される精製処理液の第1鉄イオンの濃度
    が10〜350g/リットルであることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載のエッチング廃液の再
    生方法。
  6. 【請求項6】 前記電気分解槽の電解電圧が0.3〜5
    ボルトであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のエッチング廃液の再生方法。
  7. 【請求項7】 前記電気分解槽は、それぞれのアノード
    室及びカソード室が直列、並列又はこれらの組み合わせ
    によって構成される複数の小電気分解槽からなっている
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のエッチング廃液の
    再生方法。
  8. 【請求項8】 前記還元装置が、攪拌羽根を備え、鉄粉
    と前記還元処理液とを攪拌状態で接触させて前記腐食金
    属のイオンを還元する攪拌槽を有することを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1項に記載のエッチング廃液の
    再生方法。
  9. 【請求項9】 前記還元装置が、上部の液を下部に供給
    して内部に循環流を発生させる流動床攪拌槽を含み、前
    記鉄粉と前記還元処理液とを流動攪拌状態で接触させて
    前記腐食金属のイオンを還元することを特徴とする請求
    項1〜8のいずれか1項に記載のエッチング廃液の再生
    方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113667980A (zh) * 2021-08-24 2021-11-19 深圳市祺鑫环保科技有限公司 一种酸性蚀刻液闭环再生的方法及系统
CN114182299A (zh) * 2021-11-17 2022-03-15 深圳市宏达秋科技有限公司 一种电路板微蚀废液再生循环工艺

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