JPH1161228A - 精錬用ランス - Google Patents

精錬用ランス

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JPH1161228A
JPH1161228A JP23251597A JP23251597A JPH1161228A JP H1161228 A JPH1161228 A JP H1161228A JP 23251597 A JP23251597 A JP 23251597A JP 23251597 A JP23251597 A JP 23251597A JP H1161228 A JPH1161228 A JP H1161228A
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JP
Japan
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lance
secondary combustion
inner peripheral
refining
main body
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Pending
Application number
JP23251597A
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English (en)
Inventor
Kanji Hide
寛治 日出
Tomoo Izawa
智生 井澤
Taizo Sera
泰三 瀬良
Hiroyuki Hide
寛之 日出
Taku Ogawa
卓 小河
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
  • Furnace Charging Or Discharging (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ランスの2次燃焼用ノズルに酸素を供給する
ための2次燃焼用酸素経路の構造。 【解決手段】 ランス本体7の内側に形成された精錬用
気体供給路8と、ランス本体7の先端に設けられた精錬
用ノズル9と、ランス本体7の外周面に設けられた2次
燃焼用ノズル10と、ノズル10に接続された2次燃焼
用酸素経路とを備える。2次燃焼用酸素経路は、ランス
本体7内に設けられた、ランス本体7の内周面に開口を
有する内周止まり孔15、ランス本体7の外周面に2次
燃焼用ノズル10を取り付け可能な開口を有する外周止
まり孔14および内周止まり孔15と外周止まり孔14
とを連通する連通洞16、ならびに、内周止まり孔15
の開口に接続された複数の2次燃焼用酸素供給管17と
からなる。供給管17は供給路8内に設けられる。供給
管17を介して内周止まり孔15の各々に2次燃焼用酸
素をそれぞれ別々に供給し、2次燃焼用ノズル10の噴
射量を個別に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、転炉、真空脱ガ
ス槽、または、溶銑や溶鋼容器等のランスを使用する精
錬施設において、精錬に伴って発生する飛散物が、ラン
ス自身や、転炉、真空脱ガス槽、溶銑や溶鋼容器の内周
面および炉口等へ付着するのを、精錬を実施しながら効
率的且つ確実に防止することができる精錬用ランスに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】精錬用ランス(以下、「ランス」とい
う)は、転炉、真空脱ガス槽、および、溶銑や溶鋼容器
等(以下、「精錬炉」という)によって精錬を行う場合
において、酸素、窒素、アルゴンガスまたは空気等の気
体を溶銑や溶鋼等の溶融金属中に吹き込むための装置で
ある。
【0003】例えば、純酸素上吹き転炉における精錬反
応は、転炉の炉口から挿入されたランスから、高純度の
酸素ガスを溶鋼の液面に噴射することにより進行する。
そして、この精錬反応においては、酸素ガスを吹き付け
ることにより、酸素と溶鋼成分とが激しく反応し、転炉
ガス(COガス)が大量に発生する。この転炉ガスは、
燃料としての有効成分および顕熱を保有しており、排ガ
ス回収装置によって回収される。転炉ガスが回収装置に
導かれるときに、転炉ガスと共に多量の鉄塵が炉口を通
過するので、高温の鉄塵が炉口に付着し凝固して地金が
形成される。この地金は、炉口から転炉内に向かって成
長し、転炉の炉壁を構成する耐火煉瓦をも覆うようにな
る。このような地金をベーレンという。そして、地金が
発達してその厚さが所定値を超えると炉口からスクラッ
プや溶銑等を挿入することが困難となると共に、炉口を
通る転炉ガスの流速が上昇するために、スピッティング
を助長するようになり、炉口に付着した地金の成長を更
に促進するようになる。
【0004】ここで、精錬炉の内周面に付着する地金に
ついて説明する。図16は、転炉の一例を示す斜視図、
図17は、平面図、図18は、転炉内の地金の付着を模
式的に説明する平面図である。転炉1による溶鋼の精錬
時において、転炉1の内周面に付着する地金6は、精錬
終了後に溶鋼または鋼滓(以下、「湯」という)を炉外
に払い出す際に生じる湯流れおよび湯留まりによって洗
い流されるため(以下、「洗い流し現象」という)、減
耗し除去される。特に、炉体をトラニオンリング4によ
って保持されている円周方向でみると、転炉の出鋼口2
側および鋼滓の排出口3側の内周面において、前記の洗
い流し現象が顕著である。従って、図18に示すよう
に、洗い流し現象の少ない転炉1の傾動の軸となるトラ
ニオン5側(図18中に符号Tによって示す)において
地金残りが多くなる。また、ランスCにも地金が付着す
る。
【0005】次に、ランスの外周面に付着する地金につ
いて検討する。ランス外周面に付着する地金は、ランス
の長手方向において均一に付着しない。更に、精錬量、
精錬時間および酸素量、副原料投入条件等の精錬条件に
より、付着の仕方もさまざまである。
【0006】このように、通常の転炉の操業において、
炉体の内周面の地金付着量が多い位置と、ランス外周面
の地金付着量の多い位置とは、炉軸方向(即ち、ランス
の長手方向に同じ)において一致しない。更に、炉体の
円周方向においても一致しない。
【0007】このような地金の付着に関する問題を解決
する手段として、特開平9−3519号公報は、下記か
らなる精錬用ランスを開示する(以下、「先行技術1」
という)。
【0008】先端に精錬用のノズルを備えた酸素管の外
側に冷却用の給水通路と排水通路とを備えた冷却用配管
を配置した多重管式の精錬用ランスにおいて、冷却用配
管の外周面の周方向に沿って水平方向又は下向きに酸素
を噴射できる2次燃焼用ノズルを一定間隔で複数個配置
し、且つ、これら2次燃焼用ノズルの各々を中心として
放射状に酸素を噴射できる地金溶融除去用ノズルを複数
個設け、これら2次燃焼用ノズルおよび地金溶融除去用
ノズルのそれぞれに、酸素を供給できる酸素通路を連結
させてなる精錬用ランス。
【0009】ここで、地金溶融除去用ノズルは、2次燃
焼用ノズルよりも酸素の噴射距離が短い構造となってい
る。更に、先行技術1は、その実施例において、ランス
の転炉の炉口に近い位置(以下、「炉口位置」という)
に地金溶融除去ノズルのみを配置し、炉口位置よりも炉
口から遠い位置(以下、「炉内位置」という)には、2
次燃焼用ノズルおよび地金溶融除去ノズルの両方を配置
する構成を有するランスを開示する。
【0010】先行技術1によれば、精錬を実施しなが
ら、転炉の炉口や炉の内周面に付着する地金(ベーレ
ン)およびランスの外周面に付着する地金の両方を除去
することができる。更に、炉口位置に2次燃焼ノズルを
配設しないので、該炉口位置において地金の過剰溶融お
よび除去を防止して転炉の炉壁を構成する耐火煉瓦の寿
命延長を可能とするといった有用な効果を奏する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上述
べた先行技術1は、下記に述べる課題を有している。 転炉の円周方向に均一に酸素を噴射するため、転炉
の内周面の炉壁に付着する地金は、トラニオン側におい
て過剰に残り易く、一方、出鋼口側および鋼滓排出口側
においては過剰に除去される。従って、過剰に地金が除
去される側の炉壁の寿命低下を招く恐れがある。これに
対し、出鋼口側および鋼滓排出口側の地金の除去量を適
性にしようとすると、トラニオン側の地金が過剰に残り
炉口の開口面積および炉口径が減少する。このように、
地金は炉壁に適当な厚さで付着するのが煉瓦保護の面で
理想であり、残り過ぎても除去し過ぎても操業上不利で
ある。
【0012】 2次燃焼用ノズルの周囲に地金溶融除
去ノズルを放射状に配置する構成のため、両ノズルは、
炉軸方向で同じ位置(高さ)に配設されている。従っ
て、炉壁の地金付着量の多い位置に配置された両ノズル
によれば、ランス外面の地金の除去が不十分になる恐れ
がある。
【0013】 炉口位置に配置する地金溶融除去ノズ
ルから吹き出される酸素は、炉口位置における上昇ガス
流れが高速であるため、炉壁近傍まで到達しない場合が
ある。従って、この場合には炉口位置における地金の除
去ができない。
【0014】 2次燃焼用ノズルを中心として放射状
に酸素を噴射できる地金溶融除去ノズルを具備するが、
このような構造の地金溶融除去ノズルはその加工に困難
性が伴い制作費用が高い。
【0015】従って、この発明の目的は、上述の課題を
解決し、精錬炉の精錬に伴って発生する飛散物によるラ
ンスおよび炉の内壁等への地金の付着を、精錬を実施し
ながら効率的に排除することができる、精錬用ランスを
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
筒状のランス本体の内側に形成された精錬用気体供給路
と、前記ランス本体の先端に前記精錬用気体供給路と接
続されて設けられた精錬用ノズルと、前記ランス本体の
外周面に設けられた複数の2次燃焼用ノズルと、前記2
次燃焼用ノズルに接続された2次燃焼用酸素経路とを備
え、前記2次燃焼用酸素経路は、前記ランス本体内に設
けられた、前記ランス本体の内周面に開口を有する複数
個の内周止まり孔と、前記ランス本体内に、前記内周止
まり孔1個に付き1個または複数個の割合で設けられ
た、前記ランス本体の外周面に前記2次燃焼用ノズルが
設けられた開口を有する外周止まり孔と、前記内周止ま
り孔と前記外周止まり孔とを連通するための、前記ラン
ス本体内に設けられた連通洞と、前記精錬用気体供給路
内において前記内周止まり孔の開口の各々に接続され
た、前記内周止まり孔の各々に2次燃焼用酸素をそれぞ
れ別々に供給するための、複数の2次燃焼用酸素供給管
とからなることに特徴を有するものである。
【0017】請求項2記載の発明は、筒状のランス本体
の先端に設けられた精錬用ノズルと、前記精錬用ノズル
と接続された精錬用気体供給路と、前記ランス本体の外
周面に設けられた複数の2次燃焼用ノズルと、前記2次
燃焼用ノズルに接続された2次燃焼用酸素経路とを備
え、前記2次燃焼用酸素経路は、前記ランス本体内に設
けられた、前記ランス本体の内周面に開口を有する複数
個の内周止まり孔と、前記ランス本体内に前記内周止ま
り孔1個に付き1個または複数個の割合で設けられた、
前記ランス本体の外周面に前記2次燃焼用ノズルが設け
られた開口を有する外周止まり孔と、前記内周止まり孔
と前記外周止まり孔とを連通するための、前記ランス本
体内に設けられた連通洞と、前記内周止まり孔の各々に
2次燃焼用酸素を供給するための2次燃焼用酸素供給機
構とからなり、前記2次燃焼用酸素供給機構は、前記ラ
ンス本体内に前記ランス本体の内周面とその外周面を密
着して嵌挿された、所定の厚みを有する補助管と、前記
補助管の外周面部に前記内周止まり孔の開口の各々に接
続されて設けられた、前記ランス本体の内周面とにより
形成された空隙を通して前記内周止まり孔の各々に2次
燃焼用酸素をそれぞれ別々に供給するための複数条の溝
とからなり、前記精錬用気体供給路は、前記補助管の内
側に形成されていることに特徴を有するものである。
【0018】請求項1記載の発明によれば、ランス本体
に内周止まり孔を複数設け、内周止まり孔の各々に外周
止まり孔を1または数個の割合で連通洞で連通し、内周
止まり孔の各々に2次燃焼用酸素供給管を接続すること
により、内周止まり孔ごとに酸素の供給量を制御するこ
とができ、各2次燃焼ノズルごとの噴射量制御を正確に
精度良く維持できる。2次燃焼用酸素供給管に摺動部を
設けると、ランス本体の熱膨脹が吸収される。
【0019】請求項2記載の発明によれば、ランス本体
に内周止まり孔を複数設け、内周止まり孔の各々に外周
止まり孔を1または数個の割合で連通洞で連通し、ラン
ス本体の内周面に、外周面部に複数条の溝が刻設された
補助管をその外周面を接触させて嵌挿して密着し、前記
複数条の溝の各々を内周止まり孔の各々に接続し、ラン
ス本体の内周面と溝とにより形成された空隙に2次燃焼
用酸素を通すことにより、請求項1記載の発明のように
2次燃焼用酸素供給管を用いずに2次燃焼用酸素を供給
可能である。補助管の外周面がランス本体の内周面に密
着しているので漏れがなく、各2次燃焼ノズルごとの噴
射量制御精度は正確に精度良く維持できる。また、内周
止まり孔の開口の大きさと、補助管の溝の長さおよび幅
との対比において、開口の大きさよりも溝の大きさの方
に余裕を設けておけば、ランス本体の熱膨脹を吸収する
機構を設けることは必要ない。および伸びによる位置ず
れも防止することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら説明する。 〔実施の形態1〕本実施の形態においては、転炉用精錬
ランスについて説明する。図1は、この発明の実施の形
態1に係る精錬用ランスを示す一部断面図、図2は、各
段、各部位毎に、ガス種類を違えてコントロールする場
合の機構を示す斜視図、図3は、図1のA−A線断面
図、図4は、2次燃焼用酸素経路をランス本体の切断面
において模式的に示す斜視図、図5は、ランス本体の一
部を示す水平断面図、図6は、内周止まり孔と2次燃焼
酸素供給管との接続状態を示す平面図、図7は、内周止
まり孔と2次燃焼酸素供給管との接続状態を示す垂直断
面図、図8は、この発明の実施の形態1に係る2次燃焼
酸素供給管の接続部を示す斜視図である。なお、図5に
おいて、ランス本体は断面図で示されている。
【0021】この発明のランスAは、円筒状のランス本
体7の内側に形成された精錬用気体供給路8と、ランス
本体7の先端に供給路8と接続されて設けられた精錬用
ノズル9と、ランス本体7の外周面に設けられた2次燃
焼用ノズル10と、ノズル10に接続された2次燃焼用
酸素経路とを備えている。
【0022】ランス本体7は、精錬用気体供給路(本実
施の形態では酸素供給路)8を形成する内管11と、内
管11の外側に内管11を被覆して設けられた冷却水排
水管12と、冷却水排水管12の外側に排水管12を被
覆して設けられた冷却水給水管13とからなる三重管構
造となっている。内管11と排水管12との間、およ
び、排水管12と給水管13との間には、冷却水20が
通過するようになっている。
【0023】2次燃焼用酸素経路は、内周止まり孔1
5、外周止まり孔14、連通洞16および2次燃焼用酸
素供給管17からなっている。内管11、排水管12お
よび給水管13からなるランス本体7内には、内管11
の内周面に開口15aを有する内周止まり孔15が、図
1にX、Y、Zで示すランス本体7の長手方向位置(以
下、「高さ位置」という)のそれぞれに、図4に示すよ
うに、内管11の周方向のほぼ180度反対側の位置
に、2個ずつ合計6個配設されている。
【0024】更に、ランス本体7内には、高さ位置X、
Y、Zのそれぞれに、給水管13の外周面に開口14a
を有する外周止まり孔14が、ランス本体7の径方向に
沿って所定の間隔をあけて4個配設されている。本実施
の形態においては、外周止まり孔14は、内周止まり孔
15の個数1個に対して4個の割合で設けられている。
ただし、その個数は任意であり限定されない。1個の内
周止まり孔15と4個の外周止まり孔14とは、図4、
5に示すように、ランス本体7内においてランス本体7
の周方向に設けられた連通洞16によって連通されてい
る。以下、連通洞16によって連通された1個の内周止
まり孔15と4個の外周止まり孔14とを1組として数
えるものとする。そして、1組の内周止まり孔15、外
周止まり孔14および連通洞16は、高さ位置X、Y、
Zのそれぞれに、内管11の周方向のほぼ180度反対
側の位置に、2組ずつ配設されている。従って、外周止
まり孔14の個数は、高さ位置X、Y、Zにそれぞれ8
個、そして、前記3箇所の合計で24個となっている。
【0025】外周止まり孔14の開口14aの各々に
は、2次燃焼用ノズル10がそれぞれ設けられている。
従って、2次燃焼用ノズル10の個数は、各高さ位置
X、Y、Zで8個、合計で24個である。
【0026】内管11の内側には、ランス本体7の上方
から挿入された6本の2次燃焼用酸素供給管17が配設
されている。2次燃焼用酸素供給管17の各々17A、
17a、17B、17b、17Cおよび17cの先端
は、内周止まり孔15の開口15aの各々に接続されて
いる。図1、図2において、23および24は、各供給
管17への酸素またはN2 およびArガスの供給の有無
ならびに供給量の制御を行うための遮断弁および流調
弁、26は逆止弁である。図1は、同一のガス種類で各
段、各部位毎のコントロールをする機構を有する場合を
示す。各段、各部位毎に、ガス種類(N2 、Ar、
2 、空気(air)または水)を違えて、コントロー
ルする場合は図2に示す機構による。
【0027】図9は、2次燃焼用酸素供給管と内周止ま
り孔の開口との接続状況の一実施態様を示す断面図であ
る。図9に示すように、内周止まり孔15と2次燃焼用
酸素供給管17とは管状の接続部材18を介して接続さ
れている。内周止まり孔15の開口15aには雌ネジ2
5が螺刻され、部材18の一方側には前記雌ネジと螺合
する雄ネジ25が螺刻されている。部材18の他方側に
は、管状の部材18の内周面側にOリング19が取り付
けられている。Oリング19を挟んで部材18を2次燃
焼用酸素供給管17に嵌挿して固定し、部材18と開口
15aとを前記の雌雄ネジ25により螺着することによ
り、2次燃焼用酸素供給管17が開口15aに接続され
る。Oリング19は、管17と部材18との摺動部とし
て機能し部材18の熱膨脹を吸収する作用を有する。な
お、図9に示すように、部材18および2次燃焼用酸素
供給管17の摺動部は腐食防止のためにSUS(ステン
レス鋼)が使用され、その他の部分はSS(一般構造用
圧延鋼材)が使用されている。
【0028】本実施の形態においては、6本の2次燃焼
用酸素供給管17A、17a、17B、17b、17C
および17cの酸素供給量を個別に制御することがで
き、高さ位置X、Y、Z、および、内管11の周方向の
位置別に、2次燃焼用ノズル10の酸素噴射量を自在に
制御することができる。例えば、炉壁との距離が短い炉
口位置Xでは、炉内位置Y、Zよりも噴射量を少なくす
ることができる。
【0029】精錬を実施しながら、2次燃焼用ノズル1
0から酸素を噴射することにより、転炉1の炉口や炉の
内周面に付着する地金(ベーレン)およびランスの外周
面に付着する地金が除去される。例えば、2次燃焼ノズ
ル10を、図18に示されるような、転炉1の内壁の地
金(ベーレン)6の付着が多いトラニオン5側に噴射可
能に配設すれば地金排除効率が向上する。
【0030】なお、2次燃焼用ノズルの個数および取付
位置は、精錬操業の内容によって変わるので、2次燃焼
用酸素経路もそれに応じて本発明範囲内で適宜設計変更
することができることは云うまでもない。従って、例え
ば、各高さ位置で内周止まり孔を1個とし外周止まり孔
をランスの外周面の全周に複数個配設して全周に2次燃
焼用酸素を噴射可能とすることも可能である。
【0031】なお、精錬用気体供給路においては、精錬
用気体(酸素等)の供給を不要とする場合がある。この
ときには、N2 またはArなどのガスを精錬用気体に代
えて供給する。同様に2次燃焼用酸素経路においても酸
素の供給を不要とする場合には、N2 またはArなどの
ガスを遮断弁および流調弁の操作により酸素に代えて供
給する。特に酸素の供給、開閉は炉内で有り、発生する
鉄塵によるノズル詰まりの防止上、即ち、ArまたはN
2 等のガスへの切換えは非常に有効な手段である。
【0032】〔実施の形態2〕本実施の形態において
は、転炉用精錬ランスについて説明する。図10は、こ
の発明の実施の形態2に係る精錬用ランスの一部を示す
垂直断面図、図11は、2次燃焼用酸素供給機構を示す
斜視図、図12は、内周止まり孔と2次燃焼用酸素供給
機構との接続状態を示す平面図である。なお、図12に
おいて、ランス本体は断面図で示されている。
【0033】本実施の形態のランスは、2次燃焼用酸素
供給管の代わりに補助管および溝からなる2次燃焼用酸
素供給機構を設けた点が図1〜9に示す実施の形態1と
異なっている。従って、図10〜12において、実施の
形態1を示す図1〜9と実質的に同一または相当部分に
ついては、図1〜9と同じ符合を付することにより説明
を省略する。
【0034】この発明のランスBは、円筒状のランス本
体7の内側の補助管21の内側に形成された精錬用気体
供給路88と、ランス本体7の先端に供給路88と接続
されて設けられた精錬用ノズル9と、ランス本体7の外
周面に設けられた2次燃焼用ノズル10と、ノズル10
に接続された2次燃焼用酸素経路とを備えている。
【0035】ランス本体7は、内管11と、内管11の
外側に内管11を被覆して設けられた冷却水排水管12
と、冷却水排水管12の外側に排水管12を被覆して設
けられた冷却水給水管13とからなっている。更に、内
管11の内側には、内管11の内周面とその外周面を密
着して、所定の厚みを有する補助管21が嵌挿されてい
る。従って、ランスBは四重管構造となっている。補助
管21の内周面の内側には、精錬用気体供給路(本実施
の形態では酸素供給路)88が形成されている。
【0036】2次燃焼用酸素経路は、内周止まり孔1
5、外周止まり孔14および連通洞16、ならびに、補
助管21およびその外周面部に形成された溝22からな
る2次燃焼用酸素供給機構からなっている。内管11、
排水管12および給水管13からなるランス本体7内に
は、実施の形態1と同様に、内周止まり孔15、外周止
まり孔14および連通洞16が設けられ、外周止まり孔
14の開口14aの各々には、2次燃焼用ノズル10が
それぞれ設けられている。
【0037】図10〜12に示すように、内管11の内
側に挿入された補助管21の外周面部には、6条の溝2
2A、22B、22C、22a、22b、22cが補助
管21の長手方向に刻設されている。溝22Aおよび2
2aは、その下端部が、高さ位置Xの内周止まり孔15
の開口15aと一致するように、、溝22Bおよび22
bは、その下端部が、高さ位置Yの内周止まり孔15の
開口15aと一致するように、そして、溝22Cおよび
22cは、その下端部が、高さ位置Zの内周止まり孔1
5の開口15aと一致するように、それぞれ位置を合わ
せて設けられている。なお、溝22a、22bおよび2
2cは、図11には図示されていないが、溝22A、2
2Bおよび22Cに対して補助管21の周方向のほぼ1
80度反対側の位置に刻設されている。このように、補
助管21と溝22とにより2次燃焼用酸素供給機構が構
成され、内周止まり孔15の開口15aに接続された溝
22の各々と内管11の内周面とにより形成された空隙
を通してランスBの上方から2次燃焼用酸素が供給さ
れ、内周止まり孔15、連通洞16および外周止まり孔
14を介して2次燃焼用ノズル1の各々から2次燃焼用
酸素が噴射される。
【0038】精錬を実施しながら、2次燃焼用ノズル1
0から酸素を噴射することによる、転炉1の炉口や炉の
内周面に付着する地金(ベーレン)およびランスの外周
面に付着する地金の除去作用は、実施の形態1と全く同
様である。
【0039】〔実施の形態3〕本実施の形態において
は、溶銑容器用精錬ランスについて説明する。図13
は、この発明の実施の形態3に係る溶銑容器用の精錬ラ
ンスによる精錬状態を示す垂直断面図である。図13に
おいて、Aは本発明ランス、27は高炉鍋、28は、イ
ンジェクションランス、29は、溶銑、6は地金であ
る。
【0040】〔実施の形態4〕本実施の形態において
は、溶鋼容器用精錬ランスについて説明する。図14
は、この発明の実施の形態4に係る溶鋼容器用の精錬ラ
ンスによる精錬状態を示す垂直断面図である。図14に
おいて、Aは本発明ランス、30は溶鋼容器、31は、
溶鋼、6は地金である。
【0041】〔実施の形態5〕本実施の形態において
は、RH式脱ガス槽用精錬ランスについて説明する。図
15は、この発明の実施の形態5に係るRH式脱ガス槽
用精錬ランスによる精錬状態を示す垂直断面図である。
図15において、Aは本発明ランス、32は、RH式脱
ガス槽、33は容器、31は、溶鋼、6は地金である。
図15に示すように、上部から合金が投入される。RH
式脱ガス槽32内では、 COg+1/2O2 =CO2 +Q の反応が行なわれる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、下記に示す有用な効果がもたらされる。
【0043】 2次燃焼用ノズルの各々または所定個
数ごとに2次燃焼用酸素経路を接続し、2次燃焼用ノズ
ルの配設位置に応じて2次燃焼用酸素の供給量を制御す
ることができる。
【0044】 精錬炉のトラニオン側の2次燃焼用ノ
ズルに2次燃焼用酸素を多量に供給することができ、ま
たは、トラニオン側の2次燃焼用ノズルのみに2次燃焼
用酸素を供給することができ、地金付着の多いトラニオ
ン側の地金(ベーレン)を効率よく除去することができ
る。、 内容物排出口側(出鋼口側および鋼滓排出口側)の
2次燃焼用ノズルの2次燃焼用酸素の供給量をトラニオ
ン側よりも少量に制御することにより、または、供給し
ないことにより、その位置の地金の過剰溶融および除去
が防止され、炉壁を構成する耐火煉瓦を損傷することが
なく、炉体の寿命が延長する。
【0045】 ランス自体への地金の付着が防止さ
れ、ランスの寿命が延長する COガスの2次燃焼による着熱効率が上昇し精錬効
率が向上する。 精錬操業の実施中に地金除去が行われるので、精錬
設備の運転を停止した地金除去作業が不要となり生産効
率が向上する。
【0046】 地金が付着せずその分が出湯(鋼)量
の増加につながり(従来は付着分を除去していた)、歩
留りが向上し生産コストが減少し、経済的に有利であ
る。 人手により行う地金除去作業が不要となり労働条件
が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る精錬用ランスを
示す断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る精錬用ランス
の、各段、各部位毎に、ガス種類を違えてコントロール
する機構を示す斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る2次燃焼用酸素
経路をランス本体の切断面において模式的に示す斜視図
である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るランス本体の一
部を示す水平断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係る内周止まり孔と
2次燃焼酸素供給管との接続状態を示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る内周止まり孔と
2次燃焼酸素供給管との接続状態を示す垂直断面図であ
る。
【図8】この発明の実施の形態1に係る2次燃焼酸素供
給管の接続部を示す斜視図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係る2次燃焼用酸素
供給管と内周止まり孔の開口との接続状況の一実施態様
を示す断面図である。
【図10】この発明の実施の形態2に係る精錬用ランス
の一部を示す垂直断面図である。
【図11】この発明の実施の形態2に係る2次燃焼用酸
素供給機構を示す斜視図である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る内周止まり孔
と2次燃焼酸素供給機構との接続状態を示す平面図であ
る。
【図13】この発明の実施の形態3に係る溶銑容器用の
精錬ランスによる精錬状態を示す垂直断面図である。
【図14】この発明の実施の形態4に係る溶鋼容器用の
精錬ランスによる精錬状態を示す垂直断面図である。
【図15】この発明の実施の形態5に係るRH式脱ガス
槽用精錬ランスによる精錬状態を示す垂直断面図であ
る。
【図16】転炉の一例を示す斜視図である。
【図17】転炉の一例を示す平面図である。
【図18】転炉内の地金の付着を模式的に説明する平面
図である。
【符号の説明】
A:本発明ランス B:本発明ランス C:ランス 1:転炉 2:出鋼口 3:鋼滓の排出口 4:トラニオンリング 5:トラニオン 6:地金 7:ランス本体 8、88:精錬用気体供給路 9:精錬用ノズル 10:2次燃焼用ノズル 11:内管 12:冷却水排水管 13:冷却水給水管 14:外周止まり孔 14a:開口 15:内周止まり孔 15a:開口 16:連通洞 17、17A、17a、17B、17b、17C、17
c:2次燃焼用酸素供給管 18:接続部材 19:Oリング 20:冷却水 21:補助管 22A、22B、22C、22a、22b、22c:溝 23:遮断弁 24:流調弁 25:ネジ 26:逆止弁 27:高炉鍋 28:インジェクションランス 29:溶銑 30:溶鋼容器 31:溶鋼 32:RH式脱ガス槽 33:容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日出 寛之 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 小河 卓 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のランス本体の内側に形成された精
    錬用気体供給路と、前記ランス本体の先端に前記精錬用
    気体供給路と接続されて設けられた精錬用ノズルと、前
    記ランス本体の外周面に設けられた複数の2次燃焼用ノ
    ズルと、前記2次燃焼用ノズルに接続された2次燃焼用
    酸素経路とを備え、前記2次燃焼用酸素経路は、前記ラ
    ンス本体内に設けられた、前記ランス本体の内周面に開
    口を有する複数個の内周止まり孔と、前記ランス本体内
    に、前記内周止まり孔1個に付き1個または複数個の割
    合で設けられた、前記ランス本体の外周面に前記2次燃
    焼用ノズルが設けられた開口を有する外周止まり孔と、
    前記内周止まり孔と前記外周止まり孔とを連通するため
    の、前記ランス本体内に設けられた連通洞と、前記精錬
    用気体供給路内において前記内周止まり孔の開口の各々
    に接続された、前記内周止まり孔の各々に2次燃焼用酸
    素をそれぞれ別々に供給するための、複数の2次燃焼用
    酸素供給管とからなることを特徴とする精錬用ランス。
  2. 【請求項2】 筒状のランス本体の先端に設けられた精
    錬用ノズルと、前記精錬用ノズルと接続された精錬用気
    体供給路と、前記ランス本体の外周面に設けられた複数
    の2次燃焼用ノズルと、前記2次燃焼用ノズルに接続さ
    れた2次燃焼用酸素経路とを備え、前記2次燃焼用酸素
    経路は、前記ランス本体内に設けられた、前記ランス本
    体の内周面に開口を有する複数個の内周止まり孔と、前
    記ランス本体内に前記内周止まり孔1個に付き1個また
    は複数個の割合で設けられた、前記ランス本体の外周面
    に前記2次燃焼用ノズルが設けられた開口を有する外周
    止まり孔と、前記内周止まり孔と前記外周止まり孔とを
    連通するための、前記ランス本体内に設けられた連通洞
    と、前記内周止まり孔の各々に2次燃焼用酸素を供給す
    るための2次燃焼用酸素供給機構とからなり、前記2次
    燃焼用酸素供給機構は、前記ランス本体内に前記ランス
    本体の内周面とその外周面を密着して嵌挿された、所定
    の厚みを有する補助管と、前記補助管の外周面部に前記
    内周止まり孔の開口の各々に接続されて設けられた、前
    記ランス本体の内周面とにより形成された空隙を通して
    前記内周止まり孔の各々に2次燃焼用酸素をそれぞれ別
    々に供給するための複数条の溝とからなり、前記精錬用
    気体供給路は、前記補助管の内側に形成されていること
    を特徴とする精錬用ランス。
JP23251597A 1997-08-28 1997-08-28 精錬用ランス Pending JPH1161228A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101504355B1 (ko) * 2008-08-18 2015-03-20 주식회사 포스코 전로의 열원보상 장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101504355B1 (ko) * 2008-08-18 2015-03-20 주식회사 포스코 전로의 열원보상 장치

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