JPH1161133A - シラシクロヘキサン化合物およびその製造方法、液晶組成物、液晶表示素子 - Google Patents

シラシクロヘキサン化合物およびその製造方法、液晶組成物、液晶表示素子

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JPH1161133A
JPH1161133A JP9214611A JP21461197A JPH1161133A JP H1161133 A JPH1161133 A JP H1161133A JP 9214611 A JP9214611 A JP 9214611A JP 21461197 A JP21461197 A JP 21461197A JP H1161133 A JPH1161133 A JP H1161133A
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group
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carbon atoms
liquid crystal
formula
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Application number
JP9214611A
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English (en)
Inventor
Mutsuo Nakajima
睦雄 中島
Takaaki Shimizu
孝明 清水
Tsutomu Ogiwara
勤 荻原
Takeshi Kanou
剛 金生
Tatsushi Kaneko
達志 金子
Koji Hasegawa
幸士 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K19/40Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit containing elements other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen or sulfur, e.g. silicon, metals
    • C09K19/406Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit containing elements other than carbon, hydrogen, halogen, oxygen, nitrogen or sulfur, e.g. silicon, metals containing silicon

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来知られていなかった環構成要素としてS
iを含む新規なシラシクロヘキサン環骨格を有し、か
つ、閾値電圧(Vth)が低く、屈折率異方性(Δn)が
小さく、また粘度が低いことを特徴とする、液晶物質の
特性の向上を目的として新規に開発された液晶化合物に
関する。 【解決手段】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、A環、B環、C環の1,4−シクロヘキシレン
基のうち、少なくともいずれか一つはケイ素を含むシラ
シクロヘキサン環を表す。)で表されるシラシクロヘキ
サン化合物を提供し、また、上記一般式(1)で表され
る化合物のうちの一つを合成する上で有用な中間体を提
供し、さらに上記シラシクロヘキサン化合物を含有する
ことを特徴とする液晶組成物、この液晶組成物を含有す
ることを特徴とする液晶表示素子を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシラシクロ
ヘキサン化合物およびこれを含有する液晶組成物、およ
び該液晶組成物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は液晶物質が持つ光学異方
性および誘導異方性を利用したものであり、その表示様
式によって、TN型(ねじれネマチック型)、STN型
(超ねじれネマチック型)、SBE型(超複屈折型)、
DS型(動的散乱型)、ゲスト・ホスト型、DAP型
(整列相の変形型)およびOMI型(光学的モード干渉
型)など各種の方式がある。最も一般的なディスプレー
デバイスは、シャト−ヘルフリッヒ効果に基づきねじれ
ネマチック構造を有するものである。
【0003】これらの液晶表示に用いられる液晶物質に
要求される性質は、この表示方式によって若干異なる
が、液晶温度範囲が広いこと、水分、空気、光、熱、電
界等に対して安定であること等は、いずれの表示方式に
おいても共通して要求される。さらに、液晶材料は低粘
度であり、かつセル中において短いアドレス時間、低い
閾値電圧および高いコントラストを与えることが望まれ
る。現在、単一の化合物でこれらの要求をすべて満たす
物質はなく、実際には数種から十数種の液晶化合物・潜
在液晶化合物を混合して得られる液晶性混合物が使用さ
れている。それ故、構成成分が互いに用意に混和できる
ことが重要ともなる。
【0004】これらの構成成分となり得る液晶化合物の
中で、従来、分子構造中にジハロゲノシクロヘキサン環
を含む以下の化合物が知られている(登録特許第251
6395号)。
【化7】 (上式中、n0 は、1または2、Xは、FまたはCl、
0 は、炭素数1〜15のアルキル基を表す。)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶ディスプレ
イの用途が拡大するにつれて液晶材料に要求される特性
も益々高度な厳しいものになりつつある。特に、駆動電
圧の低電圧化、車載用ニーズに対応した広域温度範囲
化、低温性能の向上等、従来の液晶物質の特性をさらに
上回るものが望まれるようになってきた。このような観
点から、本発明は、液晶物質の特性の向上を目的として
新規に開発された液晶化合物に関するもので、その特長
は、従来知られていなかった環構成要素としてSiを含
む新規なシラシクロヘキサン環骨格を有し、かつ、しき
い値電圧(Vth)が低く、屈折率異方性(Δn)が小さ
く、また粘度が低いことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)
【化8】 (上式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、
炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7のア
ルコキシアルキル基、炭素数1〜10のモノまたはジフ
ルオロアルキル基、または炭素数2〜8のアルケニル基
を表し、
【化9】 は、1または4位にケイ素を有し、該ケイ素が、H、
F、Cl、またはCH3 の置換基を有するトランス−1
−シラ−1,4−シクロヘキシレン基またはトランス−
4−シラ−1,4−シクロヘキシレン基、またはトラン
ス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、
【化10】 は、1位にケイ素を有し、該ケイ素が、H、F、Cl、
またはCH3 の置換基を有する1−置換−4,4−ジハ
ロゲノ−1−シラシクロヘキシル基、または1−置換−
4,4−ジハロゲノシクロヘキシル基を表す。但し、
【化11】 のうち、少なくともいずれか一つはケイ素を含むシラシ
クロヘキサン環を表す。Xは、FまたはClを表し、n
は、0または1を表す。)で表されるシラシクロヘキサ
ン化合物を提供する。また、本発明は、上記一般式
(1)で表される化合物のうちの一つを合成する上で有
用な中間体として下記一般式(2)と(3)
【化12】 (上式中、R1 は、RまたはArを表す。Ar及びR
は、一般式(1)と同様な定義である。)で表される化
合物を提供する。さらに、本発明は、上記シラシクロヘ
キサン化合物を含有することを特徴とする液晶組成物、
この液晶組成物を含有することを特徴とする液晶表示素
子を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表される
シラシクロヘキサン化合物の具体例を示して、本発明を
さらに詳細に説明する。本発明の一般式(1)で表され
るシラシクロヘキサン化合物としては、以下に示すよう
な1−シラシクロヘキサン環構造、または4−シラシク
ロヘキサン環構造を有するシラシクロヘキサン化合物が
挙げられる。
【化13】
【0008】上式(1a)〜(1p)において、Rは、
以下のいずれかの基を表す。 (a)炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、すなわち、
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペン
チル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n
−ノニル、またはn−デシル。 (b)炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、すなわち、
イソプロピル、sec−ブチル、イソブチル、1−メチ
ルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−
メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペン
チル、1−エチルペンチル、1−メチルヘキシル、2−
メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、2−エチルヘキ
シル、3−エチルヘキシル、1−メチルヘプチル、2−
メチルヘプチル、または3−メチルヘプチル。 (c)炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、すなわ
ち、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチ
ル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ヘキシロキシ
メチル、メトキシエチル、エトキシエチル、プロポキシ
エチル、ブトキシエチル、メトキシプロピル、エトキシ
プロピル、プロポキシプロピル、ブトキシプロピル、メ
トキシブチル、エトキシブチル、プロポキシブチル、メ
トキシペンチル、エトキシペンチル、またはメトキシヘ
キシル。 (d)炭素数2〜8のアルケニル基、すなわち、ビニ
ル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニル、3−ブテ
ニル、イソプレニル、1−ペンテニル、3−ペンテニ
ル、4−ペンテニル、ジメチルアリル、1−ヘキセニ
ル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘプテニ
ル、3−ヘプテニル、6−ヘプテニル、または7−オク
テニル。 (e)炭素数1〜10のモノまたはジフルオロアルキル
基、すなわち、フルオロメチル、1−フルオロエチル、
1−フルオロプロピル、1−フルオロブチル、1−フル
オロペンチル、1−フルオロヘキシル、1−フルオロヘ
プチル、1−フルオロオクチル、1−フルオロノニル、
1−フルオロデシル、2−フルオロエチル、2−フルオ
ロプロピル、2−フルオロブチル、2−フルオロペンチ
ル、2−フルオロヘキシル、2−フルオロヘプチル、2
−フルオロオクチル、2−フルオロノニル、2−フルオ
ロデシル、3−フルオロプロピル、3−フルオロブチ
ル、3−フルオロペンチル、3−フルオロヘキシル、3
−フルオロヘプチル、3−フルオロオクチル、3−フル
オロノニル、3−フルオロデシル、4−フルオロブチ
ル、4−フルオロペンチル、4−フルオロヘキシル、4
−フルオロヘプチル、4−フルオロオクチル、4−フル
オロノニル、4−フルオロデシル、5−フルオロペンチ
ル、5−フルオロヘキシル、5−フルオロヘプチル、5
−フルオロオクチル、5−フルオロノニル、5−フルオ
ロデシル、6−フルオロヘキシル、6−フルオロヘプチ
ル、6−フルオロオクチル、6−フルオロノニル、6−
フルオロデシル、7−フルオロヘプチル、7−フルオロ
オクチル、7−フルオロノニル、7−フルオロデシル、
8−フルオロオクチル、8−フルオロノニル、8−フル
オロデシル、9−フルオロノニル、9−フルオロデシ
ル、10−フルオロデシル、ジフルオロメチル、1,1
−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオロプロピル、
1,1−ジフルオロブチル、1,1−ジフルオロペンチ
ル、1,1−ジフルオロヘキシル、1,1−ジフルオロ
ヘプチル、1,1−ジフルオロオクチル、1,1−ジフ
ルオロノニル、1,1−ジフルオロデシル、2,2−ジ
フルオロエチル、2,2−ジフルオロプロピル、2,2
−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオロペンチル、
2,2−ジフルオロヘキシル、2,2−ジフルオロヘプ
チル、2,2−ジフルオロオクチル、2,2−ジフルオ
ロノニル、2,2−ジフルオロデシル、3,3−ジフル
オロプロピル、3,3−ジフルオロブチル、3,3−ジ
フルオロペンチル、3,3−ジフルオロヘキシル、3,
3−ジフルオロヘプチル、3,3−ジフルオロオクチ
ル、3,3−ジフルオロノニル、3,3−ジフルオロデ
シル、4,4−ジフルオロブチル、4,4−ジフルオロ
ペンチル、4,4−ジフルオロヘキシル、4,4−ジフ
ルオロヘプチル、4,4−ジフルオロオクチル、4,4
−ジフルオロノニル、4,4−ジフルオロデシル、5,
5−ジフルオロペンチル、5,5−ジフルオロヘキシ
ル、5,5−ジフルオロヘプチル、5,5−ジフルオロ
オクチル、5,5−ジフルオロノニル、5,5−ジフル
オロデシル、6,6−ジフルオロヘキシル、6,6−ジ
フルオロヘプチル、6,6−ジフルオロオクチル、6,
6−ジフルオロノニル、6,6−ジフルオロデシル、
7,7−ジフルオロヘプチル、7,7−ジフルオロオク
チル、7,7−ジフルオロノニル、7,7−ジフルオロ
デシル、8,8−ジフルオロオクチル、8,8−ジフル
オロノニル、8,8−ジフルオロデシル、9,9−ジフ
ルオロノニル、9,9−ジフルオロデシル、10,10
−ジフルオロデシル。
【0009】上式(1a)〜(1p)において、W、W
1 、W2 、W3 は、H、F、ClまたはCH3 を表す。
Xは、FまたはClを表す。
【0010】上述の一般式(1)で表されるシラシクロ
ヘキサン化合物のうち、
【化14】 の骨格中におけるケイ素の位置は、好ましくは、1−シ
ラシクロヘキサン骨格である。また、立体配置は、トラ
ンス体であることが好ましい。本発明のシラシクロヘキ
サン化合物(1)の環構造としては、好ましくは、(1
a)、(1c)、(1d)、(1e)、(1g)、(1
i)、(1j)、(1l)、(1o)である。
【0011】本発明のシラシクロヘキサン化合物(1)
において、Rは、好ましくは、以下のいずれかの基であ
る。 (f)炭素数2〜7の直鎖状アルキル基、すなわち、エ
チル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−
ヘキシル、またはn−ヘプチル。 (g)炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基のうち、イソ
プロピル、sec−ブチル、イソブチル、1−メチルブ
チル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1−メチ
ルペンチル、2−メチルペンチル、または2−エチルヘ
キシル。 (h)炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、すなわ
ち、メトキシメチル、エトキシメチル、プロポキシメチ
ル、ペントキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチ
ル、メトキシプロピル、またはメトキシペンチル。 (i)炭素数2〜8のアルケニル基のうち、ビニル、1
−プロペニル、3−ブテニル、1−ペンテニル、3−ペ
ンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセニル、5−ヘキ
セニル、6−ヘプテニル、または7−オクテニル。 (j)炭素数2〜7のモノまたはジフルオロアルキル基
のうち、2−フルオロエチル、2−フルオロプロピル、
2−フルオロブチル、2−フルオロペンチル、2−フル
オロヘキシル、2−フルオロヘプチル、4−フルオロブ
チル、4−フルオロペンチル、4−フルオロヘキシル、
4−フルオロヘプチル、5−フルオロペンチル、5−フ
ルオロヘキシル、5−フルオロヘプチル、6−フルオロ
ヘキシル、6−フルオロヘプチル、7−フルオロヘプチ
ル、2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロプ
ロピル、2,2−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオ
ロペンチル、2,2−ジフルオロヘキシル、2,2−ジ
フルオロヘプチル、4,4−ジフルオロブチル、4,4
−ジフルオロペンチル、4,4−ジフルオロヘキシル、
4,4−ジフルオロヘプチル、5,5−ジフルオロペン
チル、5,5−ジフルオロヘキシル、5,5−ジフルオ
ロヘプチル、6,6−ジフルオロヘキシル、6,6−ジ
フルオロヘプチル、または7,7−ジフルオロヘプチ
ル。
【0012】本発明のシラシクロヘキサン化合物(1)
において、たとえば、式(1a)〜(1p)の場合に、
W、W1 、W2 、W3 については、好ましくは、H、F
またはCH3 である。Xについては、Fが好ましい。
【0013】次に、本発明の一般式(1)で表されるシ
ラシクロヘキサン化合物の製造方法について説明する。
以下において、R、X、W、W1 、W2 、及びW3 の定
義は上述と同様とし、Arは、フェニル基またはトリル
基を表し、R1 は、RまたはArを表すものとする。 〔I〕環骨格形成反応 〔I〕− 一般式(1a)、(1e)で表される化合
物の環骨格形成反応 一般式(1a)、(1e)で表される化合物の環骨格形
成反応について以下詳述する。一般式(1a)で表され
るシラシクロヘキサン化合物は、シラシクロヘキシルシ
クロヘキサノン化合物を出発原料として製造される。こ
こで出発原料として用いられるシラシクロヘキシルシク
ロヘキサノン化合物は、例えば特願平6−154219
に記載された方法に従って得られる。 (i)XがClの場合 SO2 Cl2 等でシクロヘキサノン骨格をクロロ化して
得られる。
【化15】 (ii)XがFの場合 DAST(ジエチルアミノサルファートリフルオリド)
等でシクロヘキサノン骨格をフルオロ化して得られる。
【化16】 (参照:W.J. Middleton, J. Org. Chem.,40, 574, 197
5)
【0014】さらに、一般式(3a−1)、(3a−
2)で表される化合物は、後述の項〔II〕の方法に従っ
てケイ素上へ各種置換基を導入することにより、目的物
である一般式(1a)で表される化合物を得る。
【化17】 (上式中、「※」は、ケイ素上への置換基(H、F、C
l、CH3)導入工程を表し、これについては、後述の項
〔II〕において説明する。)
【0015】また、一般式(2)で表される化合物を出
発原料として、上記と同様の反応(SO2 Cl2 、DA
ST等を用いて行うシクロヘキサノン骨格のハロゲン
化)を行うことにより、一般式(3e)で表される化合
物が得られ、さらに後述の項〔II〕の方法に従ってケイ
素上へ各種置換基(H、F、Cl、CH3 )を導入する
ことにより、目的物である一般式(1e)で表される化
合物を得る。
【化18】
【0016】ここで出発原料として用いられる一般式
(2)で表される化合物は、次のようにして得られる。
本発明の一般式(2)で表されるシクロヘキサノン化合
物は、一般式
【化19】 (Tは、炭素数1〜5のアルキル基を有するジアルキル
アミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等を表
す。)で表されるエナミン化合物とメチルビニルケトン
から、以下に詳しく述べるようにStork 法(G. Stork
ら、J. Amer. Chem. Soc.,85, 207, (1963))により製造
される。
【0017】出発原料のエナミン化合物は、先に出願し
たシラシクロヘキシルシクロヘキサンカルバルデヒド化
合物(特開平6−182904)から、例えば以下のよ
うにして容易に製造される。まず、アルコキシメチルト
リフェニルホスホニウム塩から塩基の作用によって生じ
るイリド化合物と、シラシクロヘキサンカルバルデヒド
化合物とでWittig反応を行ない、アルキルエノールエー
テル化合物を得、次いで、酸触媒による加水分解によっ
て、シラシクロヘキサンアセトアルデヒド化合物へと変
換する。
【化20】 (上式中、R4 は炭素数1〜5のアルキル基、Qはハロ
ゲン基を表す。)
【0018】アルコキシメチルトリフェニルホスホニウ
ム塩として、メトキシメチルトリフェニルホスホニウム
クロリド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムブ
ロミド、メトキシメチルトリフェニルホスホニウムヨー
ジド、エトキシメチルトリフェニルホスホニウムクロリ
ド、エトキシメチルトリフェニルホスホニウムブロミ
ド、エトキシメチルトリフェニルホスホニウムヨージド
等を使用できる。イリドの生成に用いられる塩基とし
て、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブ
チルリチウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の
有機リチウム類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコキシド類
あるいはジムシルナトリウム等が挙げられる。反応はテ
トラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジn−ブチルエ
ーテル、1,4−ジオキサン、等のエーテル類や、これ
らにn−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン、ベン
ゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類や
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等の非プロト
ン性極性溶媒類を混合した溶媒中で行なう。これらの溶
媒中で生じたイリド化合物に、シラシクロヘキサンカル
バルデヒド化合物を加えてWittig反応を進行させ、アル
キルエノールエーテル化合物を得る。アルキルエノール
エーテル化合物の加水分解に用いる酸触媒には、塩酸、
硫酸等の無機酸類、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、ト
リフルオロ酢酸、クロロ酢酸等の有機酸類が挙げられ
る。
【0019】次に、得られたシラシクロヘキサンアセト
アルデヒド化合物を二級アミンと脱水反応を行ないエナ
ミン化合物を得る。
【化21】 この脱水反応は、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタン等の炭
化水素溶媒を用いて、生じる水を共沸(Azeotrope) によ
り系外に除去することにより、反応速度を高めることが
できる。この際、触媒として、p−トルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸などの
酸類を添加してもよい。また、無水炭酸カリウム、無水
炭酸ナトリウムなどの無水塩類を加えておいて、生じる
水を除く方法も用いられる。二級アミンとして、ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等を好ましく例示
できる。
【0020】以上のようにして合成されたエナミン化合
物を、メチルビニルケトンとのマイケル付加反応に供す
る。
【化22】 メチルビニルケトンをエナミン化合物に対し、1〜5当
量、好ましくは、1〜1.5当量用いて溶媒中で加熱還
流させる。反応溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、クメン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオク
タン、シクロヘキサン等の炭化水素類、テトラヒドロフ
ラン、ジエチルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、
1,4−ジオキサン等のエーテル類、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、N,N' −ジメチルプ
ロピレンウレア等の極性溶媒類を単独または混合して用
いる。この際、プロトン性溶媒を含むようにすると、マ
イケル反応におけるプロトン移動が加速され反応時間を
短縮できる場合がある。
【0021】得られたマイケル付加物をそのまま分子内
アルドール縮合させるか、あるいは、このマイケル付加
物を塩酸、硫酸等の無機酸類、またはシュウ酸、トリフ
ルオロ酢酸、クロロ酢酸等の有機酸類をもちいて加水分
解することによって得られる一般式
【化23】 で表されるケトアルデヒド化合物を分子内アルドール縮
合させることにより、シクロヘキセノン化合物を得る。
【化24】
【0022】このアルドール縮合反応は、塩基または酸
によって触媒される。触媒は新たに加えてもよいし、前
工程のマイケル付加に用いたエナミンの二級アミンがそ
のまま触媒作用をもつため、別の触媒を加えることなく
アルドール縮合反応が進行する場合もある。塩基触媒と
して、上記の二級アミン、トリエチルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、ジメチルアニリン等の有機塩基、炭酸
ナトリウム、炭酸カルウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
水素カリウム等の無機塩類、またはナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等
のアルコキシド類を挙げることができる。酸触媒とし
て、塩酸、硫酸等の無機酸類、p−トルエンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ
酸、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸等の有機酸類を挙げ
ることができる。
【0023】塩基触媒アルドール縮合反応において、生
成したシクロヘキセノン化合物が触媒のアミンと更に反
応してシクロヘキセノンのエナミン化合物、例えば、一
般式
【化25】 〔上式中、T’は、第二級アミン(ジメチルアミン、ジ
エチルアミン等)、第三級アミン(トリエチルアミン、
トリブチルアミン等)からなるアミノ基である。〕で表
される化合物になっている場合、または、アルドール縮
合反応がβ−ヒドロキシケトン化合物、すなわち、一般
【化26】 で表される化合物の段階で止まっている場合には、酸処
理によって上記シクロヘキセノン化合物に導くことがで
きる。
【0024】次に、得られたシクロヘキセノン化合物の
二重結合を接触還元により水素添加してシクロヘキサノ
ン化合物(2)を得る。
【化27】 水素添加に用いられる触媒として、パラジウム、白金、
ロジウム、ニッケル、ルテニウムなどの金属類が挙げら
れる。特に、パラジウム−炭素、パラジウム−硫酸バリ
ウム、パラジウム−ケイソウ土、酸化白金、白金−炭
素、ロジウム−炭素、ラネーニッケル等を使用するとよ
い結果を与える。
【0025】〔I〕− 一般式(1c)、(1d)、
(1g)、(1i)、(1j)、(1l)、(1o)で
表される化合物の環骨格形成反応 一般式(1c)、(1d)、(1g)、(1i)、(1
j)、(1l)、(1o)で表される化合物の環骨格形
成反応について以下詳述する。
【化28】 (上式中、W4 は、ハロゲンを表し、W5 は、ハロゲン
またはArを表す。※は、ケイ素上への置換基導入工程
を表し、項〔II〕に後述する。) シラシクロヘキサノン化合物を前述の方法と同様にして
4,4−ジハロゲノ化合物とした後、項〔II〕の方法に
従ってケイ素上へ各種置換基を導入する際に、アルキル
シクロヘキシル金属試薬 i 、アルキルシラシクロヘキ
シル金属試薬 ii 、ビシクロヘキシル金属試薬 iii 、
シラシクロヘキシルシクロヘキシル金属試薬 iv 、シク
ロヘキシルシラシクロヘキシル金属試薬 v を用いるこ
とにより、それぞれ一般式(1c)、(1d)、(1
i)、(1l)、(1o)で表される化合物を得る。こ
こで出発原料として用いられるシラシクロヘキサノン化
合物は、例えば特願平6−78125に記載された方法
に従って得られる。
【0026】
【化29】 (上式中、W4 は、ハロゲンを、W5 は、ハロゲンまた
はArを表す。※は、ケイ素上への置換基導入工程を表
し、項〔II〕に後述する。) シラシクロヘキシルシクロヘキサノン化合物を前述の方
法と同様にして4,4−ジハロゲノ化合物とした後、項
〔II〕の方法に従ってケイ素上へ各種置換基を導入する
際に、アルキルシクロヘキシル金属試薬(vi)、アルキ
ルシラシクロヘキシル金属試薬(vii) を用いることによ
り、それぞれ一般式(1g)、(1j)で表される化合
物を得る。ここで出発原料として用いられるシラシクロ
ヘキシルシクロヘキサノン化合物は、例えば、特願平6
−154219に記載された方法に従って得られる。
【0027】〔II〕ケイ素上への各種置換基(H、F、
Cl、CH3 )の導入方法 一般式(1a)〜(1p)で表される化合物と同一の環
骨格を有し、かつWに相当するケイ素上の置換基がAr
であるアリールシラシクロヘキサン化合物は、以下に示
した部分構造式の反応式のように、目的物であるクロロ
シラシクロヘキサン、フルオロシラシクロヘキサン、ヒ
ドロシラシクロヘキサン、メチルシラシクロヘキサン化
合物に変換される。
【化30】 〔上式中、Mは、MgL(Lは、ハロゲン原子、好まし
くはCl、Br、Iを表す。)、ZnL、またはLiを
表す。〕
【0028】アリールシラシクロヘキサン化合物を求電
子試薬によるデシリレーション反応で、ハロシラシクロ
ヘキサン、代表的にはクロロシラシクロヘキサン化合物
[一般式(1a)〜(1p)において、W、W1
2 、W3 がClである場合]が得られる。このとき、
求電子試薬として、ハロゲン、ハロゲン化水素、ハロゲ
ン化金属、スルホン酸誘導体、酸ハロゲン化物、ハロゲ
ン化アルキル等を挙げることができる。特に、ヨウ素、
塩素、一塩化ヨウ素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水
素、塩化水銀(II)、クロロスルホン酸トリメチルシリ
ル、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化ベンゾイル、塩
化ターシャルブチル等が好ましい。また、反応速度を高
めるために、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、四塩化チタ
ン、三フッ化ホウ素等のルイス酸類の添加や、光照射を
行なってもよい。
【0029】得られたクロロシラシクロヘキサン化合物
に、フッ化セシウム、フッ化銅(I)、フッ化亜鉛、フ
ッ化アンチモン、フッ化カルシウム、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオリド等のフッ化物塩を反応させる
と、フルオロシラシクロヘキサン化合物〔一般式(1
a)〜(1p)においてW、W1 、W2 、W3 がFであ
る場合〕が得られる。
【0030】また、得られたクロロシラシクロヘキサン
化合物に、CH3 M〔Mは、MgL(Lは、ハロゲン原
子、好ましくはCL、Br、Iを表す。)、ZnL、ま
たはLiを表す。〕を反応させると、メチルシラシクロ
ヘキサン化合物〔一般式(1a)〜(1p)において
W、W1 、W2 、W3 がCH3 である場合〕が得られ
る。
【0031】また、クロロシラシクロヘキサン化合物ま
たはフルオロシラシクロヘキサン化合物を還元すること
で、ヒドロシラシクロヘキサン化合物(一般式(1a)
〜(1p)においてW、W1 、W2 、W3 がHである場
合)が得られる。このとき、還元剤として、水素化ナト
リウム、水素化カルシウム、トリアルキルシラン類、ボ
ラン類、ジアルキルアルミニウム等の金属水素化物、水
素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素カリウム、水
素化ホウ素トリブチルアンモニウム等の錯水素化化合物
(Complex hydride)やこれらの置換型ヒドリド化合物、
すなわち、リチウムトリアルコキシアルミニウムヒドリ
ド、ナトリウムジ(メトキシエトキシ)アルミニウムヒ
ドリド、リチウムトリエチルボロヒドリド、ナトリウム
シアノボロヒドリド等を挙げることができる。
【0032】さらに、一般式(1a)、(1e)で表さ
れる化合物と同一の環骨格を有し、W、Rに相当するケ
イ素上の置換基が共にArであるジアリールシラシクロ
ヘキサン化合物は、以下に示した部分構造式の反応式の
ように、目的物であるクロロシラシクロヘキサン、フル
オロシラシクロヘキサン、ヒドロシラシクロヘキサン、
メチルシラシクロヘキサン化合物に変換される。〔I〕
−項で中間体として用いているジアリールシラシクロ
ヘキサン化合物を変換する際にも同様の手法が用いられ
る。
【化31】
【0033】上記反応式におけるi)〜xii)の各置換基形
成反応について、以下に詳述する。 (A)i)を求電子試薬によるデシリレーション反応でハ
ロシラシクロヘキサン、代表的にはクロロシラシクロヘ
キサン化合物ii)とする。また、このデシリレーション
反応を繰り返すことにより、viii) が得られる。このと
き、求電子試薬として、ハロゲン、ハロゲン化水素、ハ
ロゲン化金属、スルホン酸誘導体、酸ハロゲン化物、ハ
ロゲン化アルキル等を挙げることができる。特に、ヨウ
素、塩素、一塩化ヨウ素、塩化水素、臭化水素、ヨウ化
水素、塩化水銀(II) 、クロロスルホン酸トリメチルシ
リル、塩化アセチル、臭化アセチル、塩化ベンゾイル、
塩化ターシャルブチル等が好ましい。また、反応速度を
高めるために、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、四塩化チ
タン、三フッ化ホウ素等のルイス酸類の添加や、光照射
を行ってもよい。 (B)ii) をCH3 M〔Mは、MgL(Lは、ハロゲン
原子、好ましくは、Cl、Br、Iを表す。)、Zn
L、またはLiを表す。〕、またはRMである有機金属
試薬と反応させ、iii)またはiv) を得る。 (C)i)からii) を得る方法と同様にして、iv) からv)
〔一般式(1a)〜(1p)においてW、W1 、W2
3 がClである化合物〕を得る。 (D)v)を還元することでvi) 〔一般式(1a)〜(1
p)においてW、W1 、W2 、W3 がHである化合物〕
を得る。このとき、還元剤として、水素化ナトリウム、
水素化カルシウム、トリアルキルシラン類、ボラン類、
ジアルキルアルミニウム等の金属水素化物、水素化アル
ミニウムリチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ
素トリブチルアンモニウム等の錯水素化化合物(Comple
x hydride)やこれらの置換基ヒドリド化合物、すなわ
ち、リチウムトリエチルボロヒドリド、ナトリウムジ
(メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド、リチウム
トリエチルボロヒドリド、ナトリウムシアノボロヒドリ
ド等を挙げることができる。vi) は、また、ii) からi
v) を得る方法と同様にして、x)からも得られる。 (E)v)にフッ化セシウム、フッ化銅(I)、フッ化亜
鉛、フッ化アンチモン、フッ化カルシウム、テトラ−n
−ブチルアンモニウムフルオリド等のフッ化物塩を反応
させ、ハロゲン交換によりvii)〔一般式(1a)〜(1
p)においてW、W1 、W2 、W3 がFである化合物〕
を得る。 (F)ii) からiii)、ii) からiv) を得る方法と同様に
して、viii) からxi) またはv)を得る。また、vi) は、
i)からii) を得る方法と同様にして、iii)からも得られ
る。 (G)v)からvi) を得る方法と同様にして、viii) から
ix) を得る。 (H)ix) と、塩素、臭素、ヨウ素、塩化ヨウ素等のハ
ロゲンまたは塩化銅およびヨウ化銅等のハロゲン化剤と
を反応させ、x)を得る。 (I)ii) からiv) を得る方法と同様にして、xi) から
xii)〔一般式(1a)〜(1p)においてW、W1 、W
2 、W3 がCH3 である化合物〕を得る。
【0034】ただし、Rがフルオロアルキル基である場
合には、ケイ素上の置換基Rの導入に際しては、まずジ
メチルターシャリーブチルシリルエーテル基等のシリル
エーテル基を持つ置換基Rを導入し、ついでTBAF
(テトラブチルアンモニウムフルオリド)などの試薬を
用いて脱保護してアルコールとした後に、たとえばDA
ST(ジエチルアミノサルファートフルオリド)等のフ
ッ素化剤でフッ素化する。
【化32】 (上式中、aおよびbは、0≦a+b≦9で表される整
数である。)
【0035】また、Rが1個の炭素上に2個のフッ素を
持つ場合には、ケイ素上の置換基Rの導入に際しては、
アセタール、ケタールなどで保護されたカルボニル基を
持つ置換基Rを導入し、ついで脱保護した後、DAST
等のフッ素化剤でジフルオロ化する。
【化33】 (上式中、aおよびbは、0≦a+b≦9で表される整
数である。)
【0036】以上のようにして合成した化合物が、その
シラシクロヘキサン環及びシクロヘキサン環の立体配座
においてトランス体とシス体の混合物となっている場合
には、クロマトグラフィーや再結晶等の常法の精製手段
により、トランス体もしくはトランス−トランス体を分
離精製することにより、本発明の一般式(1)のシラシ
クロヘキサン化合物を得ることができる。
【0037】本発明のシラシクロヘキサン化合物は、既
知の化合物と混合して液晶組成物を得ることができる。
本発明のシラシクロヘキサン化合物と混合して液晶相を
形成するために用いられる化合物は、以下に示す既知の
化合物から選ぶことができる。
【化34】 上式中、(M’)および(N’)は、以下の〜のい
ずれかを表す。 無置換または置換基として1個または2個以上のF、
Cl、Br、CN、アルキル基を有するトランス−1,
4−シクロへキシレン基 シクロヘキサン環中の1個または隣接していない2個
のCH2 基が、O、Sに置き換えられているトランス−
1,4−シクロへキシレン基 1,4−シクロヘキセニレン基 無置換または置換基として1個または2個のF、C
l、CH3 、またはCN基を有する1,4−フェニレン
基 環中の1個または2個のCH基がN原子により置き換
えられている1,4−フェニレン基
【0038】上式中、Z1'およびZ2'は、−CH2 CH
2 −、−CH=CH−、−C≡C−、−CO2 −、−O
CO−、−CH2 O−、−OCH2 −、または単結合を
表す。上式中、wおよびrは、0、1、または2(ただ
し、w+r=1、2、または3)、sは、0、1、また
は2である。上式中、R' は、水素、炭素数1〜10の
直鎖状アルキル基、炭素数1〜10のモノまたはジフル
オロアルキル基、炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、
炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、または炭素数2
〜8のアルケニル基である。上式中、X’は、CN、
F、Cl、CF3 、CF2 Cl、CH(F)Cl、OC
3 、OCHF2 、OCF2 Cl、OCH(F)Cl、
炭素数2〜8のアルケニルオキシ基、炭素数1〜5のフ
ルオロアルコキシ基、炭素数1〜10の直鎖状アルキル
基、炭素数1〜10のアルコキシ基またはアルカノイル
オキシ基、Y’は、HまたはF、Z’は、HまたはFを
表す。なお、上記において、wおよびsが2の場合には
(M’)中に、rが2の場合には(N’)中に、それぞ
れ異種環を含んでもよい。
【0039】液晶相における本発明の一般式(1)で表
されるシラシクロヘキサン化合物の割合は、その一種ま
たは二種以上を1〜50mol%、好ましくは5〜30
mol%含有される。また、液晶組成物には着色ゲスト
−ホスト系を生成するための一般式
【化35】 〔上式中、R''およびR''' は、置換または非置換のア
ルキル基またはジアルキルアミノ基であり、置換アルキ
ル基の場合には、複数のフッ素原子で置換されたものま
たは鎖中の隣接しない−CH2 −が、O、S、NH、S
2 、O2 C、あるいは、
【化36】 で置換されたものを表す。Z1'〜Z9'は、水素、メチル
基、メトキシ基、ハロゲン基を表す。また、Z1'と
2'、Z4'とZ5'、Z7'とZ8'は、互いに連結して脂肪
族環、芳香族環、または、含窒素芳香環を形成すること
がてきる。Y''は、フルオロアルキル基を表す。t=
0、1、2、u=0、1、2、v=0、1を表すが、u
=0のときは、必ずv=0となる。〕で表されるアゾ色
素、あるいは、一般式
【化37】 (上式中、X1 〜X5 は、H、OH、ハロゲン、CN、
非置換または置換基含有アミノ基、非置換または置換基
含有カルボン酸エステル、非置換または置換基含有フェ
ノキシ基、非置換または置換基含有ベンジル基、非置換
または置換基含有フェニルチオ基、非置換または置換基
含有フェニル基、非置換または置換基含有シクロヘキシ
ルオキシカルボニル基、あるいは、非置換または置換基
含有ピリジルもしくはピリミジル基を表す。)で表され
るアントラキノン系色素といった多色性染料、あるいは
誘電異方性、粘度、ネマチック相の配向を変えるための
添加剤を含むことができる。
【0040】このようにして形成された液晶相は、所望
形状の電極を有する透明基板間に封入して液晶表示素子
として使用される。この素子は、必要に応じて各種アン
ダーコート、配向制御用オーバーコート、偏光板、フィ
ルター、反射層等を有しても良い。また、多層セルとし
たり、他の表示素子と組み合わせたり、半導体基板を用
いたり、あるいは光源を用いたりする種々のものが使用
できる。
【0041】液晶表示素子の駆動方法としては、ダイナ
ミックスキャタリング(DSM)方式、ツイステッドネ
マチック(TN)方式、スーパーツイステッドネマチッ
ク(STN)方式、ゲストホスト(GH)方式、高分子
分散液晶(PDLC)方式等、液晶表示素子の業界で公
知の方式を採用することができる。
【0042】また、液晶表示素子中に用いられる本発明
の液晶組成物には、着色ゲスト−ホスト系を形成するた
めの多色性色素あるいは捩れ方向、強度を与えるための
カイラルドーピング剤等、他の添加剤を含有することが
できる。この添加物含有液晶組成物は、TFTまたはM
IM等のアクティブ素子が形成された透明基板間に封入
して液晶表示素子として使用される。この素子は、必要
において各種アンダーコート、配向制御用オーバーコー
ト、偏光板、フィルター、反射層等を有してもよい。ま
た、多層セルとしたり、他の表示素子と組み合わせた
り、半導体基板を用いたり、あるいは光源を用いたりす
る種々のものが使用できる。
【0043】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて本発明をさら
に詳しく説明する。実施例1 トランス−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)
−1−n−ペンチル−1−シラシクロヘキサンの製造 ベンゼン100mlにジエチルアミノサルファートリフ
ルオリド(DAST)16.1g(0.10mol)を
滴下した。これに4−(4−n−ペンチル−4−フェニ
ル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノン34.
2g(0.10mol)のベンゼン溶液50mを滴下し
た。2時間還流後、反応混合物を室温まで冷却し、氷水
にあけ、ベンゼンで抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮
の後、残さをシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、
4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−n−
ペンチル−1−フェニル−1−シラシクロヘキサン2
5.5g(収率70%)を得た。これに1mol/lの
一塩化ヨウ素のジクロロメタン溶液100mlを加え、
1時間攪拌した。続いてこの溶液にメタノール30ml
およびトリエチルアミン30mlを加えて1時間攪拌し
た。反応混合物を濾過・濃縮した後これをTHF100
mlに溶かし、水素化リチウムアルミニウム5.0gと
THF50mlの混合液に加えた。反応混合物を室温で
一晩攪拌した後、10%塩酸200mlにあけ酢酸エチ
ルで抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣をシ
リカゲルクロマトグラフィーで精製し、続いて再結晶を
行い目的のトランス異方性17.3g(収率86%)を
得た。 IR(液膜)νmax :2956,2856,1610,
1448,1427,1381,1107,972,8
58,764,700 (cm-1
【0044】実施例2 トランス−4−(4,4−ジクロロヘキシル)−1−n
−ヘプチル−1−シラシクロヘキサンの製造 4−(4−n−ヘプチル−4−フェニル−4−シラシク
ロヘキシル)シクロヘキサノン37.1g(0.10m
ol)をトルエン100mlに溶解させ、氷冷した。こ
れに塩化スルフリル20.2g(0.15mol)を滴
下し、その後80℃で5時間反応させた。反応混合物を
室温まで冷却し、2N水酸化ナトリウム水溶液にあけ、
トルエンで抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4−
(4,4−ジクロロシクロヘキシル)−1−n−ヘプチ
ル−1−フェニル−1−シラシクロヘキサンを得た。こ
れに1mol/lの一塩化ヨウ素のジクロロメタン溶液
100mlを加え、1時間攪拌した。続いてこの溶液に
メタノール30mlおよびトリエチルアミン30mlを
加えて1時間攪拌した。反応混合物を濾過・濃縮した後
これをTHF100mlに溶かし、水素化リチウムアル
ミニウム5.0gとTHF50mlの混合液に加えた。
反応混合物を室温で一晩攪拌した後、10%塩酸200
mlにあけ酢酸エチルで抽出した。通常の洗浄・乾燥・
濃縮の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製
し、続いて再結晶を行い目的のトランス異性体12.6
g(収率36%)を得た。
【0045】実施例3 トランス−4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシル)
−1−(4−フルオロペンチル)−1−シラシクロヘキ
サンの製造 ベンゼン100mlにジエチルアミノサルファートリフ
ルオリド(DAST)16.1g(0.10mol)を
滴下した。これに4−(4,4−ジフェニル−4−シラ
シクロヘキシル)シクロヘキサノン34.9g(0.1
0mol)のベンゼン溶液50mを滴下した。2時間還
流後、反応混合物を室温まで冷却し、氷水にあけ、ベン
ゼンで抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、4−(4、4
−ジフルオロシクロヘキシル)−1,1−ジフェニル−
1−シラシクロヘキサンを得た。これに1mol/lの
一塩化ヨウ素のジクロロメタン溶液100mlを加え、
1時間攪拌した。反応混合物を濃縮して4−(4,4−
ジフルオロシクロヘキシル)−1−クロロ−1−フェニ
ル−1−シラシクロヘキサンの粗生成物を得た。これに
THF50mlを加え、続いてこの溶液に4−t−ブチ
ルジメチルシロキシ−1−ブロモペンタンから調製した
グリニャールのTHF(1mol/l)溶液200ml
とシアン化銅(I)1gを氷冷下で加え5時間反応させ
た。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ酢
酸エチルで抽出し、通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して4−(4,
4−ジフルオロシクロヘキシル)−1−(4−t−ブチ
ルジメチルシロキシペンチル)−1−フェニル−1−シ
ラシクロヘキサンを得た。これに1mol/lのテトラ
−n−ブチルアンモニウムフルオリドのTHF溶液10
0mlを加え1時間攪拌した。反応混合物を10%塩酸
にあけ、通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製した。続いてこれをジクロ
ロメタン50mlに溶かしておき、−70℃でジエチル
アミノサルファートリフルオリド48.4g(0.30
mol)を加え、2時間かけて室温まで昇温させた。反
応混合物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液にあけジクロ
ロメタンで抽出し、通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4−
(4,4−ジフロオロシクロヘキシル)−1−(4−フ
ルオロペンチル)−1−フェニル−1−シラシクロヘキ
サンを得た。これに1mol/lの一塩化ヨウ素のジク
ロロメタン溶液100mlを加え、1時間攪拌した。続
いてこの溶液にメタノール30mlおよびトリエチルア
ミン30mlを加えて1時間攪拌した。反応混合物を濾
過・濃縮した後これをTHF100mlに溶かし、水素
化リチウムアルミニウム5.0gとTHF50mlの混
合物に加えた。反応混合物を4時間室温で攪拌した後、
10%塩酸200mlにあけ酢酸エチルで抽出した。通
常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣をシリカゲルクロマト
グラフィーで精製し、続いて再結晶を行い目的のトラン
ス異性体7.9g(収率26%)を得た。
【0046】実施例4 4−(4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シ
ラシクロヘキシル)シクロヘキシル)シクロヘキサノン
の製造 4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシク
ロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒド329g
(1.0mol)を、メトキシメチルトリフェニルホス
ホニウムクロリド360g(1.05mol)とカリウ
ム−t−ブトキシド129g(1.15mol)とから
THF800ml中で調製したイリド溶液に滴下した。
室温で2時間攪拌した後、反応混合物を水にあけ、エー
テルで抽出した。エーテル溶液をブラインで洗浄・乾燥
・濃縮した後、残渣にn−ヘキサンを加え、生じたトリ
フェニルホスフィンオキシドの結晶をろ別し濾液を濃縮
して粗メチルエーテルを得た。このものを塩化メチレン
に溶かし、20%塩酸を加えて室温で5時間攪拌した。
塩化メチレン層をブラインで洗浄・乾燥・濃縮の後、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して4−(4
−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシ
ル)シクロヘキシルアセトアルデヒド329g(収率9
6%)を得た。このものとピロリジン75g(1.05
mol)とベンゼン800mlの混合物を還流しながら
生じた水を除去した。水の留出が止まったら、メチルビ
ニルケトン80g(1.15mol)とメタノール20
0mlの混合物を加え、室温で48時間攪拌した。反応
混合物に、酢酸100ml、酢酸ナトリウム50g及び
水100mlを加え、4時間攪拌した。反応混合物をベ
ンゼンで抽出し、ブラインで洗浄・乾燥・濃縮の後、残
渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4−
(4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシ
クロヘキシル)シクロヘキシル)−2−シクロヘキセノ
ン(α,β−不飽和ケトン)211g、4−(4−(4
−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシ
ル)シクロヘキシル)−3−シクロヘキセノン(β,γ
−不飽和ケトン)95g(収率合わせて81%)を得
た。この両不飽和ケトンの混合物をエタノール300m
lに溶かし、パラジウム−カーボン3.0gを触媒とし
て、10Kg/cm2 の圧力下に水素添加した。理論量
の水素が消費されたら、触媒をろ別し、その後濃縮して
目的物305g(収率99%)を得た。 IR(液膜)νmax :2922,2854,1718,
1448,1427,1111,856,758,73
7,700 (cm-1
【0047】実施例5 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)シクロヘキシル)−1−n−プロピル
−1−シラシクロヘキサンの製造 実施例1の4−(4−n−ペンチル−4−フェニル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノンの代わりに実
施例4で得た4−(4−フェニル−4−n−プロピル−
4−シラシクロヘキシル)シクロヘキシル)シクロヘキ
サノンを用い、実施例1と同様の操作で目的物を得た。
【0048】実施例6 4−(4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−4−シ
ラシクロヘキシル)シクロヘキシル)シクロヘキサノン
の製造 実施例4の4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒド
の代わりに4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒド
を用い、実施例4と同様の操作で目的物を得た。 IR(液膜)νmax :2914,2852,1716,
1448,1427,1111,982,858,76
2,700 (cm-1
【0049】実施例7 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)シクロヘキシル)−1−n−ペンチル
−1−シラシクロヘキサンの製造 実施例1の4−(4−n−ペンチル−4−フェニル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノンの代わりに実
施例6で得た4−(4−(4−フェニル−4−n−ペン
チル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキシル)シク
ロヘキサノンを用い、実施例1と同様の操作で目的物を
得た。 IR(液膜)νmax :2954,2854,1612,
1448,1427,1113,1093,964,7
60,700 (cm-1
【0050】実施例8 トランス−4−(4,4−ジフルオロ−1−シラシクロ
ヘキシル)1−n−ペンチルシクロヘキサンの製造 実施例1の4−(4−n−ペンチル−4−フェニル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノンの代わりに
4,4−ジフェニル−4−シラシクロヘキサノンを用
い、実施例1と同様の操作で4,4−ジフルオロ−1,
1−ジフェニル−1−シラシクロヘキサンを得た。これ
に1mol/lの一塩化ヨウ素のジクロロメタン溶液2
50mlを加え、6時間還流した。反応混合物を濃縮し
て、4,4−ジフルオロ−1,1−ジクロロ−1−シラ
シクロヘキサンの粗生成物を得た。これにTHF50m
lを加え、さらに4−n−ペンチルシクロヘキシルブロ
ミドから調製したグリニャール試薬のTHF溶液(1m
ol/l)110mlを氷冷下で加え1時間攪拌した。
その後、水素化リチウムアルミニウム5.0gとTHF
50mlの混合物を滴下した。反応混合物を4時間室温
で攪拌した後、10%塩酸200mlにあけ酢酸エチル
で抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣をシリ
カゲルクロマトグラフィーで精製し、続いて再結晶を行
い目的のトランス異性体15.3g(収率53%)を得
た。
【0051】実施例9 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
−1−シラシクロヘキシル)シクロヘキシル)−1−
(5−メトキシペンチル)シクロヘキサンの製造実施例
8の4−n−ペンチルシクロヘキシルブロミドの代わり
に4−(4−(5−メトキシペンチル)シクロヘキシ
ル)シクロヘキシルブロミドを用い、実施例8と同様の
操作で目的物を得た。
【0052】実施例10 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
−1−シラシクロヘキシル)シクロヘキシル)−1−
(4−ペンテニル)−1−シラシクロヘキサンの製造 実施例8の4−n−ペンチルシクロヘキシルブロミドの
代わりに4−(4−(4−ペンテニル)−4−シラシク
ロヘキシル)シクロヘキシルブロミドを用い、実施例8
と同様の操作で目的物を得た。
【0053】実施例11 トランス−4−(4,4−ジクロロ−1−シラシクロヘ
キシル)−1−n−ペンチル−1−シラシクロヘキサン
の製造 実施例2の4−(4−n−ヘプチル−4−フェニル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノンの代わりに
4,4−ジフェニル−4−シラシクロヘキサノンを用
い、実施例2と同様の操作で4,4−ジクロロ−1,1
−ジフェニル−1−シラシクロヘキサンを得た。これに
1mol/lの一塩化ヨウ素のジクロロメタン溶液25
0mlを加え、6時間還流した。反応混合物を濃縮して
4,4−ジクロロ−1,1−ジクロロ−1−シラシクロ
ヘキサンの粗生成物を得た。これにTHF50mlを加
え、さらに4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル
ブロミドから調製したグリニャール試薬のTHF溶液
(1mol/l)110mlを氷冷下で加え1時間攪拌
した。その後、水素化リチウムアルミニウム5.0gと
THF50mlの混合物を滴下した。反応混合物を4時
間室温で攪拌した後、10%塩酸200mlにあけ酢酸
エチルで抽出した。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣
をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、続いて再結
晶を行い目的のトランス異性体10.1g(収率30
%)を得た。
【0054】実施例12 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジクロロ−
1−シラシクロヘキシル)−1−シラシクロヘキシル)
−1−(3−メチルブチル)シクロヘキサンの製造 実施例11の4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシ
ルブロミドの代わりに4−(4−(3−メチルブチル)
シクロヘキシル)−4−シラシクロヘキシルブロミドを
用い、実施例11と同様の操作で目的物を得た。
【0055】実施例13 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)−1−シラシクロヘキシル)−1−n
−ペンチルシクロヘキサンの製造 実施例3と同様の操作で4−(4,4−ジフルオロシク
ロヘキシル)−1,1−ジフェニル−1−シラシクロヘ
キサンを得た。これに1mol/lの一塩化ヨウ素のジ
クロロメタン溶液250mlを加え、6時間還流した。
反応混合物を濃縮して4−(4,4−ジフルオロシクロ
ヘキシル)−1,1−ジクロロ−1−シラシクロヘキサ
ンの粗生成物を得た。これにTHF50mlを加え、さ
らに4−n−ペンチルシクロヘキシルブロミドから調製
したグリニャール試薬のTHF溶液(1mol/l)1
10mlを氷冷下で加え1時間攪拌した。その後、水素
化リチウムアルミニウム5.0gとTHF50mlの混
合物を滴下した。反応混合物を4時間室温で攪拌した
後、10%塩酸200mlにあけ酢酸エチルで抽出し
た。通常の洗浄・乾燥・濃縮の後、残渣をシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製し、続いて再結晶を行い目的の
トランス、トランス異性体21.5g(収率58%)を
得た。
【0056】実施例14 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)−1−メチル−1−シラシクロヘキシ
ル)−1−n−プロピルシクロヘキサンの製造 実施例3と同様の操作で4−(4,4−ジフルオロシク
ロヘキシル)−1,1−ジフェニル−1−シラシクロヘ
キサンを得た。これに1mol/lの一塩化ヨウ素のジ
クロロメタン溶液250mlを加え、6時間還流した。
反応混合物を濃縮して4−(4,4−ジフルオロシクロ
ヘキシル)−1,1−ジクロロ−1−シラシクロヘキサ
ンの粗生成物を得た。これにTHF50mlを加え、さ
らにメチルクロリドから調製したグリニャール試薬のT
HF溶液(1mol/l)80mlを氷冷下で加え1時
間攪拌した。次いで4−n−プロピルシクロヘキシルブ
ロミドから調製したグリニャール試薬のTHF溶液(1
mol/l)200mlとシアン化銅(I)1gを加え
さらに5時間反応させた。反応混合物を飽和塩化アンモ
ニウム水溶液にあけ酢酸エチルで抽出し、通常の洗浄・
乾燥・濃縮の後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー
で精製し、続いて再結晶を行い目的のトランス、トラン
ス異性体10.7g(収率30%)を得た。
【0057】実施例15 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)−1−フルオロ−1−シラシクロヘキ
シル)−1−n−プロピルシクロヘキサンの製造 実施例3と同様の操作で4−(4,4−ジフルオロシク
ロヘキシル)−1,1−ジフェニル−1−シラシクロヘ
キサンを得た。これに1mol/lの一塩化ヨウ素のジ
クロロメタン溶液250mlを加え、6時間還流した。
反応混合物を濃縮して4−(4,4−ジフルオロシクロ
ヘキシル)−1,1−ジクロロ−1−シラシクロヘキサ
ンの粗生成物を得た。これにTHF50mlを加え、さ
らに4−n−プロピルシクロヘキシルブロミドから調製
したグリニャール試薬のTHF溶液(1mol/l)1
10mlを氷冷下で加え1時間攪拌した。反応混合物を
濃縮して4−(4−(4,4−ジフルオロシクロヘキシ
ル)−1−クロロ−1−シラシクロヘキシル)−1−n
−プロピルシクロヘキサンの粗生成物を得た。これにペ
ンタン50mlとフッ化銅(II) 30.5g(0.30
mol)を加え一晩反応させた。反応混合物をろ過・濃
縮して、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製
し、続いて再結晶を行い目的のトランス,トランス異性
体7.6g(収率21%)を得た。
【0058】実施例16 トランス,トランス−4−(4−(4,4−ジフルオロ
シクロヘキシル)−1−シラシクロヘキシル)−1−n
−ペンチル−1−シラシクロヘキサンの製造 実施例13の4−n−ペンチルシクロヘキシルブロミド
の代わりに4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル
ブロミドを用い、実施例13と同様の操作で目的物を得
た。
【0059】実施例17 4−(4−(4,4−ジフェニル−4−シラシクロヘキ
シル)シクロヘキシル)シクロヘキサノンの製造 実施例4の4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒド
の代わりに4−(4,4−ジフェニル−4−シラシクロ
ヘキシル)シクロヘキサンカルバルデヒドを用い、実施
例4と同様の操作で目的物を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 荻原 勤 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金生 剛 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金子 達志 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 長谷川 幸士 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (上式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、
    炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7のア
    ルコキシアルキル基、炭素数1〜10のモノまたはジフ
    ルオロアルキル基、または炭素数2〜8のアルケニル基
    を表し、 【化2】 は、1または4位にケイ素を有し、該ケイ素が、H、
    F、ClまたはCH3 の置換基を有するトランス−1−
    シラ−1,4−シクロヘキシレン基またはトランス−4
    −シラ−1,4−シクロヘキシレン基、またはトランス
    −1,4−シクロヘキシレン基を表し、 【化3】 は、1位にケイ素を有し、該ケイ素が、H、F、Clま
    たはCH3 の置換基を有する1−置換−4,4−ジハロ
    ゲノ−1−シラシクロヘキシル基、または1−置換−
    4,4−ジハロゲノシクロヘキシル基を表す。但し、 【化4】 のうち、少なくともいずれか一つはケイ素を含むシラシ
    クロヘキサン環を表す。Xは、F、Clを表し、nは、
    0または1を表す。)で表されるシラシクロヘキサン化
    合物。
  2. 【請求項2】 下記一般式(2) 【化5】 (上式中、Arは、フェニル基またはトリル基を表し、
    1 は、RまたはArを表す。ここで、Rは、炭素数1
    〜10の直鎖状アルキル基、炭素数3〜8の分枝鎖状ア
    ルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素
    数1〜10のモノまたはジフルオロアルキル基、または
    炭素数2〜8のアルケニル基を表す。)で表されるシラ
    シクロへキサン化合物。
  3. 【請求項3】 上記一般式(2)で表される化合物を用
    いる上記一般式(1)のシラシクロヘキサン化合物の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 下記一般式(3) 【化6】 (上式中、Arは、フェニル基またはトリル基を表し、
    1 は、RまたはArを表す。ここで、Rは、炭素数1
    〜10の直鎖状アルキル基、炭素数3〜8の分枝鎖状ア
    ルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、炭素
    数1〜10のモノまたはジフルオロアルキル基、または
    炭素数2〜8のアルケニル基を表す。)で表される化合
    物を用いる上記一般式(1)のシラシクロヘキサン化合
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のシラシクロヘキサン化
    合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の液晶組成物を含有する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006075883A1 (en) 2005-01-13 2006-07-20 Lg Chem, Ltd. Liquid crystal composition comprising novel silicon containing compounds and liquid crystal display device using the same
WO2006075882A1 (en) 2005-01-13 2006-07-20 Lg Chem, Ltd. Liquid crystal composition comprising novel silicon containing compounds and liquid crystal display device using the same

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