JPH08245650A - シラシクロヘキサン化合物及びこれを含有する液晶組成物 - Google Patents

シラシクロヘキサン化合物及びこれを含有する液晶組成物

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JPH08245650A
JPH08245650A JP7317437A JP31743795A JPH08245650A JP H08245650 A JPH08245650 A JP H08245650A JP 7317437 A JP7317437 A JP 7317437A JP 31743795 A JP31743795 A JP 31743795A JP H08245650 A JPH08245650 A JP H08245650A
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compound
liquid crystal
carbon atoms
acid
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Application number
JP7317437A
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English (en)
Inventor
Takaaki Shimizu
孝明 清水
Takeshi Kano
剛 金生
Tsutomu Ogiwara
勤 荻原
Tatsushi Kaneko
達志 金子
Mutsuo Nakajima
睦雄 中島
Hideshi Kurihara
英志 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 シラシクロヘキサン環を有する液晶化合物を
提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるシラシクロ
ヘキサン化合物。 但し、Rは直鎖状アルキル基、モノ又はジフルオロアル
キル基、分枝鎖状アルキル基、アルコキシアルキル基又
はアルケニル基を表す。 は1又は4位のケイ素がH、F、Cl又はCH3の置換
基を持つトランス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレ
ン基等を表す。L1はFを表す。L2及びL3はそれぞれ
相互に独立してH、F、Cl又はCH3を表す。nは
0、1又は2を表す。XはCN、F、Cl、CF3、C
2Cl、CHFCl、OCF3、OCF2Cl、直鎖状
アルキル基若しくはアルコキシ基又はアルコキシアルキ
ル基を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なシラシクロヘキ
サン化合物、これを含有する液晶組成物及びこの液晶組
成物を含有する液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、液晶物質が持つ光学異
方性及び誘電異電性を利用したものであり、その表示様
式によって、TN型(ねじれネマチック型)、STN型
(超ねじれネマチック型)、SBE型(超複屈折型)、
DS型(動的散乱型)、ゲスト・ホスト型、DAP型
(整列相の変形型)及びOMI型(光学的モード干渉
型)等、各種の方式がある。最も一般的なディスプレー
デバイスはシャット−ヘルフリッヒ効果に基づき、ねじ
れネマチック構造を有するものである。
【0003】これらの液晶表示に用いられる液晶物質に
要求される性質は、その表示方式によって若干異なる
が、液晶温度範囲が広いこと、水分、空気、光、熱、電
界等に対して安定であること等は、いずれの表示方式に
おいても共通して要求される。さらに、液晶材料は、低
粘度であり、かつセル中において短いアドレス時間、低
い閾値電圧及び高いコントラストを与えることが望まれ
る。
【0004】現在、単一の化合物でこれらの要求をすべ
て満たす物質はなく、実際には数種〜10数種の液晶化
合物・潜在液晶化合物を混合して得られる液晶性混合物
が使用されている。それ故、構成成分が互いに容易に混
和できることが重要ともなる。
【0005】これらの構成成分のうち、比較的高いTNI
(ネマチック−アイソトロピック転移温度)を持つ3環
系のエステル化合物として、従来から以下の安息香酸の
シクロヘキシルフェニルエステル構造を持った化合物が
知られている。
【0006】
【化3】 (Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。)(特公平
2−47455号公報参照)
【0007】
【化4】 (Rは炭素数1〜10のアルキル基を表す。XはF又は
Clを表す。)(特公昭63−53178号公報参照)
【0008】
【化5】 (R1は炭素数8以下のアルキル基、アルコキシ基、ア
ルカノイルオキシ基又はCNを表す。R2はR1、R1
又はCNを表す。)(特公昭60−17777号公報参
照)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶ディスプレ
イーの用途が拡大するにつれて、液晶材料に要求される
特性も益々高度なものになりつつある。特に応答速度の
高速化、また車載用には、高温部にまで拡大したネマチ
ック相を持つ液晶材料が必要となる。
【0010】ネマチック相を高温部にまで拡大するに
は、高いTNI(ネマチック−アイソトロピック転移温
度)を持つ液晶化合物を構成成分に加えればよい。しか
し、これらの高いTNIを持つ成分、例えば4,4”−置
換ターフェニル、4,4’−置換ビフェニルシクロヘキ
サン、4,4’−置換シクロヘキシルビフェニルシクロ
ヘキサンは、混合液晶の粘度を上昇せしめ、応答速度を
低下せしめるという悪効果をもたらす。
【0011】この様な観点から、本発明は、比較的高い
NIを持ちながら混合液晶の粘度を大幅には上昇せしめ
ることがなく、且つ従来知られていなかった分子構造中
にケイ素原子を含んだシラシクロヘキサン環を有する全
く新規な液晶化合物を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表されるシラシクロヘキサン化合物である。
【化6】 但し、Rは炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数
1〜10のモノ又はジフルオロアルキル基、炭素数3〜
8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7のアルコキシア
ルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基を表す。
【化7】 は1又は4位のケイ素がH、F、Cl又はCHの置換
基を持つトランス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレ
ン基又はトランス−4−シラ−1,4−シクロへキシレ
ン基を表す。L1はFを表し、L2及びL3はそれぞれ相
互に独立してH、F、Cl又はCH3を表す。nは0、
1又は2を表す。XはCN、F、Cl、CF3、CF2
l、CHFCl、OCF3、OCF2Cl、OCHFC
l、OCHF2、(O)1CY1=CX12(l(エル)
は0又は1、Y1及びX1はH、F又はCl、X2はH、
F又はClを表す。)、O(CH2r(CF2s
3(r及びsは0、1又は2で且つr+sが2、3又は
4である数、X3はH、F又はClを表す。)、炭素数
1〜10の直鎖状アルキル基若しくはアルコキシ基又は
炭素数2〜7のアルコキシアルキル基を表す。
【0013】またに本発明は、前記一般式(I)で表さ
れるシラシクロヘキサン化合物を含有することを特徴と
する液晶組成物及びこの液晶組成物を含有することを特
徴とする液晶表示素子である。
【0014】次に、前記一般式(I)で表されるシラシ
クロヘキサン化合物の具体例を示して本発明をさらに詳
細に説明する。
【0015】本発明の新規な環構造としては、以下の一
般式(II)又は(III)で表されるトランス−1−又は
トランス−4−シラシクロヘキサン環を含む還構造が挙
げられる。
【0016】
【化8】
【0017】
【化9】
【0018】なお、Rは以下のいずれかの基を表す。 (a)炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、即ち、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オ
クチル基、n−ノニル基又はn−デシル基。 (b)炭素数1〜10のモノ又はジフルオロアルキル
基、即ち、フルオロメチル基、1−フルオロエチル基、
1−フルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、1−
フルオロペンチル基、1−フルオロヘキシル基、1−フ
ルオロヘプチル基、1−フルオロオクチル基、1−フル
オロノニル基、1−フルオロデシル基、2−フルオロエ
チル基、2−フルオロプロピル基、2−フルオロブチル
基、2−フルオロペンチル基、2−フルオロヘキシル
基、2−フルオロヘプチル基、2−フルオロオクチル
基、2−フルオロノニル基、2−フルオロデシル基、3
−フルオロプロピル基、3−フルオロブチル基、3−フ
ルオロペンチル基、3−フルオロヘキシル基、3−フル
オロヘプチル基、3−フルオロオクチル基、3−フルオ
ロノニル基、3−フルオロデシル基、4−フルオロブチ
ル基、4−フルオロペンチル基、4−フルオロヘキシル
基、4−フルオロヘプチル基、4−フルオロオクチル
基、4−フルオロノニル基、4−フルオロデシル基、5
−フルオロペンチル基、5−フルオロヘキシル基、5−
フルオロヘプチル基、5−フルオロオクチル基、5−フ
ルオロノニル基、5−フルオロデシル基、6−フルオロ
ヘキシル基、6−フルオロヘプチル基、6−フルオロオ
クチル基、6−フルオロノニル基、6−フルオロデシル
基、7−フルオロヘプチル基、7−フルオロオクチル
基、7−フルオロノニル基、7−フルオロデシル基、8
−フルオロオクチル基、8−フルオロノニル基、8−フ
ルオロデシル基、9−フルオロノニル基、9−フルオロ
デシル基、10−フルオロデシル基、ジフルオロメチル
基、1,1−ジフルオロエチル基、1,1−ジフロプロ
ピル基、1,1−ジフルオロブチル基、1,1−ジフル
オロペンチル基、1,1−ジフルオロヘキシル基、1,
1−ジフルオロヘプチル基、1,1−ジフルオロオクチ
ル基、1,1−ジフルオロノニル基、1,1−ジフルオ
ロデシル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジ
フルオロプロピル基、2,2−ジフルオロブチル基、
2,2−ジフルオロペンチル基、2,2−ジフルオロヘ
キシル基、2,2−ジフルオロヘプチル基、2,2−ジ
フルオロオクチル基、2,2−ジフルオロノニル基、
2,2−ジフルオロデシル基、3,3−ジフルオロプロ
ピル基、3,3−ジフルオロブチル基、3,3−ジフル
オロペンチル基、3,3−ジフルオロヘキシル基、3,
3−ジフルオロヘプチル基、3,3−ジフルオロオクチ
ル基、3,3−ジフルオロノニル基、3,3−ジフルオ
ロデシル基、4,4−ジフルオロブチル基、4,4−ジ
フルオロペンチル基、4,4−ジフルオロヘキシル基、
4,4−ジフルオロヘプチル基、4,4−ジフルオロオ
クチル基、4,4−ジフルオロノニル基、4,4−ジフ
ルオロデシル基、5,5−ジフルオロペンチル基、5,
5−ジフルオロヘキシル基、5,5−ジフルオロヘプチ
ル基、5,5−ジフルオロオクチル基、5,5−ジフル
オロノニル基、5,5−ジフルオロデシル基、6,6−
ジフルオロヘキシル基、6,6−ジフルオロヘプチル
基、6,6−ジフルオロオクチル基、6,6−ジフルオ
ロノニル基、6,6−ジフルオロデシル基、7,7−ジ
フルオロヘプチル基、7,7−ジフルオロオクチル基、
7,7−ジフルオロノニル基、7,7−ジフルオロデシ
ル基、8,8−ジフルオロオクチル基、8,8−ジフル
オロノニル基、8,8−ジフルオロデシル基、9,9−
ジフルオロノニル基、9,9−ジフルオロデシル基又は
10,10−ジフルオロデシル基。 (c)炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、即ち、イソ
プロピル基、sec−ブチル基、イソブチル基、1−メ
チルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル
基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3
−メチルペンチル基、1−エチルペンチル基、1−メチ
ルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキ
シル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル
基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基又は
3−メチルヘプチル基。 (d)炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、即ち、メ
トキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル
基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基、ヘキシロ
キシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペントキシエ
チル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プ
ロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブ
チル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メト
キシペンチル基又はエトキシペンチル基。 (e)炭素数2〜8のアルケニル基、即ち、ビニル基、
1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、3−ブ
テニル基、イソプレニル基、1−ペンテニル基、3−ペ
ンテニル基、4−ペンテニル基、ジメチルアリル基、1
−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、5−ヘキセニル
基、1−ヘプテニル基、3−ヘプテニル基、6−ヘプテ
ニル基又は7−オクテニル基。
【0019】WはH、F、Cl又はCH3基を表す。
【0020】L1はFを表し、L2及びL3はそれぞれ相
互に独立してH、F、Cl又はCH3基を表す。
【0021】nは0、1又は2を表す。
【0022】XはCN、F、Cl、CF3、CF2Cl、
CHFCl、OCF3、OCF2Cl、OCHFCl、O
CHF2、(O)lCY1=CX12(l(エル)は0又
は1、Y1及びX1はH、F又はCl、X2はH、F又は
Clを表す。)、O(CH2r(CF2s3(r及び
sは0、1又は2で且つr+sが2、3又は4である
数、X3はH、F又はClを表す。)又は以下のいずれ
かの基を表す。 (f)炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、即ち、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−
ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オ
クチル基、n−ノニル基又はn−デシル基。 (g)炭素数1〜10の直鎖状アルコキシ基、即ち、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、n−ペントキシ基、n−ヘキシロキシ基、n−ヘ
プチロキシ基、n−オクチロキシ基、n−ノニロキシ基
又はn−デシロキシ基。 (h)炭素数2〜7のアルコキシアルキル基、即ち、メ
トキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル
基、ブトキシメチル基、ペントキシメチル基、ヘキシロ
キシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、
プロポキシエチル基、ブトキシエチル基、ペントキシエ
チル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、プ
ロポキシプロピル基、ブトキシプロピル基、メトキシブ
チル基、エトキシブチル基、プロポキシブチル基、メト
キシペンチル基、エトキシペンチル基又はメトキシヘキ
シル基。
【0023】次に、前記一般式(I)で表されるシラシ
クロヘキサン化合物の部分骨格構造
【化10】 としては、以下のものが挙げられる。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【0024】これらの具体例のうち、特に以下のものが
好ましい。
【0025】環構造については、
【化15】 で表されるものが好ましい。
【0026】Rについては、以下のいずれかの基が好ま
しい。 (i)炭素数2〜7の直鎖状アルキル基、即ち、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、
n−ヘキシル基又はn−ヘプチル基。 (j)炭素数1〜10のモノ又はジフルオロアルキル基
のうち、2−フルオロエチル基、2−フルオロプロピル
基、2−フルオロブチル基、2−フルオロペンチル基、
2−フルオロヘキシル基、2−フルオロヘプチル基、4
−フルオロブチル基、4−フルオロペンチル基、4−フ
ルオロヘキシル基、4−フルオロヘプチル基、5−フル
オロペンチル基、5−フルオロヘキシル基、5−フルオ
ロヘプチル基、6−フルオロヘキシル基、6−フルオロ
ヘプチル基、7−フルオロヘプチル基、2,2−ジフル
オロエチル基、2,2−ジフルオロプロピル基、2,2
−ジフルオロブチル基、2,2−ジフルオロペンチル
基、2,2−ジフルオロヘキシル基、2,2−ジフルオ
ロヘプチル基、4,4−ジフルオロブチル基、4,4−
ジフルオロペンチル基、4,4−ジフルオロヘキシル
基、4,4−ジフルオロヘプチル基、5,5−ジフルオ
ロペンチル基、5,5−ジフルオロヘキシル基、5,5
−ジフルオロヘプチル基、6,6−ジフルオロヘキシル
基、6,6−ジフルオロヘプチル基又は7,7−ジフル
オロヘプチル基。 (k)分枝鎖状アルキル基のうち、イソプロピル基、1
−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチ
ルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル
基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基又は
2−エチルヘキシル基。 (l)炭素数2〜6のアルコキシアルキル基、即ち、メ
トキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル
基、メトキシペンチル基、エトキシメチル基、エトキシ
エチル基、プロポキシメチル基又はペントキシメチル
基。 (m)アルケニル基のうち、ビニル基、1−プロペニル
基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、3−ペンテニ
ル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキ
セニル基、6−ヘプテニル基又は7−オクテニル基。
【0027】WについてはH、F又はCH3基が好まし
い。
【0028】部分骨格構造
【化16】 については、以下のものが好ましい。
【0029】
【化17】
【化18】
【0030】なお、上記のうち、
【化19】 はΔεがゼロ近くの値を示し、
【化20】 はΔεが負値を示す。
【0031】次に、本発明の前記一般式(I)で表され
るシラシクロヘキサン化合物の製造方法について説明す
る。一般式(I)で表されるシラシクロヘキサン化合物
は、シラシクロヘキサン環のケイ素上の置換基の種類に
よって製造法が異なる。
【0032】一般式
【化21】
【化22】 において、シラシクロヘキサン環のケイ素上の置換基が
メチル基であるメチルシラシクロヘキサン化合物の場
合、すなわちWがCH3である場合には、一般式
【化23】 で表されるカルボン酸化合物と、一般式
【化24】 または
【化25】 で表されるフェノール化合物とのエステル化(脱水縮
合)反応によって製造される。
【0033】エステル化反応としては、 1)上記2化合物を脱水剤を用いて縮合させる方法、 2)カルボン酸化合物を酸クロリド化合物に変換した
後、塩基の存在下にフェノール化合物と反応させる方
法、 が挙げられる。
【0034】1)の方法で用いる脱水剤としては、例え
ばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のジイ
ミド類、トリフルオロ酢酸無水物等の酸無水物類、カル
ボニルジイミダゾール、2−クロロピリジニウム塩類、
3−クロロイソオキサゾリウム塩類、2,2’−ジピリ
ジルジスルフィドとホスフィン類の組み合わせ等を挙げ
ることができる。この場合、好ましくは0〜100℃で
30分〜10時間、溶媒下で反応させるとよい。溶媒と
しては、四塩化炭素、塩化メチレン、芳香族炭化水素類
(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、エーテル類(T
HF等)が挙げられる。
【0035】2)の方法の場合、カルボン酸化合物を対
応する酸クロリドに変換する試薬として、塩化チオニ
ル、五塩化リン、塩化オキサリル、四塩化炭素とホスフ
ィン類の組み合わせ等が挙げられる。また、フェノール
化合物との反応に用いられる塩基として、ピリジン、
N,N−ジメチルアニリン、トリエチルアミン、テトラ
メチル尿素等が挙げられる。この反応は直ちに好ましく
は0〜100℃のもと行われるとよい。
【0036】次に、シラシクロヘキサン環のケイ素上の
置換基が、塩素、フッ素又は水素である場合、すなわち
前述の一般式(II)又は(III)においてWがCl、F
又はHであるクロロシラシクロヘキサン、フルオロシラ
シクロヘキサン又はヒドロシラシクロヘキサン化合物の
場合には、シラシクロヘキサン環のケイ素上の置換基が
アリール基である化合物、すなわち前述の一般式(II)
又は(III)においてWがAr(Arはフェニル基又は
トリル基を表す。)であるアリールシラシクロヘキサン
化合物を中間体として製造される。
【0037】一般式(II)又は(III)においてWがA
rであるアリールシラシクロヘキサン化合物は、WがC
3である場合と同様に、
【化26】 で表されるカルボン酸化合物と、一般式
【化27】 または
【化28】 で表されるフェノール化合物とのエステル化(脱水縮
合)反応によって製造される。
【0038】このアリールシラシクロヘキサン中間体か
ら目的のクロロシラシクロヘキサン、フルオロシラシク
ロヘキサン、ヒドロシラシクロヘキサン化合物への変換
法を、以下に部分構造の反応式で示す。
【0039】
【化29】
【0040】アリールシラシクロヘキサン化合物(一般
式(II)及び(III)においてWがArである化合物)
に一塩化ヨウ素を反応させると、ハロデシリレーション
反応によりクロロシラシクロヘキサン化合物(一般式
(II)及び(III)においてWがClである化合物)が
得られる。このデシリレーション反応は、好ましくは0
〜80℃、更に好ましくは10〜40℃で行われるとよ
い。溶媒としては塩化メチレン、クロロホルム、四塩化
炭素のハロゲン化炭化水素類、ニトロベンゼン、二硫化
炭化水素類等を用いるのが好ましい。
【0041】得られたクロロシラシクロヘキサン化合物
に、フッ化セシウム、フッ化銅(I)、フッ化亜鉛、フ
ッ化アンチモン、フッ化カルシウム、テトラ−n−ブチ
ルアンモニウムフルオリド等のフッ化物塩を反応させる
と、フルオロシラシクロヘキサン化合物(一般式(II)
及び(III)においてWがFである化合物)が得られ
る。フッ素化は炭化水素系溶媒(ヘプタン、ヘキサン、
ベンゼン、トルエン等)のもと、0℃〜溶媒の沸点の温
度範囲で行うとよい。
【0042】また、クロロシラシクロヘキサン化合物又
はフルオロシラシクロヘキサン化合物を、水素化ナトリ
ウム、水素化カルシウム、トリアルキルシラン類、ボラ
ン類、ジアルキルアルミニウム等の金属水素化物、水素
化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水
素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホ
ウ素トリブチルアンモニウム等の錯水素化化合物(Co
mplex hydride)類等と、エステルが還元
されないように温和な条件で反応させると、ヒドロシラ
シクロヘキサン化合物(一般式(II)及び(III)にお
いてWがHである化合物)が得られる。ハロシラシクロ
ヘキサンの還元は特に限定されないが、好ましくは−5
0〜100℃のもと行われるのがよく、更に−20〜7
0℃で行われるとよい。溶媒としてはジエチルエーテ
ル、THF等のエーテル類、ベンゼン、トルエン等の芳
香族炭化水素類等を用いるとよい。
【0043】以上の反応で得られた生成物が立体異性体
の混合物になっている場合、再結晶、クロマトグラフィ
ー等の常法の精製手段によりトランス体を分離、精製し
て目的物を得る。
【0044】本発明のシラシクロヘキサン化合物は前記
のようにシラシクロヘキサンフェノール化合物から得ら
れるが、該フェノール化合物は以下の(1)、(2−
1)、(2−2)に示すような反応により得られる。 (1)
【化30】 (WはCH3又はArを表す。)
【0045】次に、個々の反応について説明する。
【0046】1)有機金属試薬とケトンのカップリング 有機金属試薬としては、Grignard試薬、有機亜
鉛試薬、有機リチウム、有機チタニウム試薬等が挙げら
れ、いずれの場合も反応は高い収率で進行する。この反
応は、ケトンの種類、有機金属の構造により異なるが、
好ましくは−70〜150℃のもとで、30分〜5時間
行われるとよい。具体的には、Li系は−70〜0℃、
Mg、Ti、Zn系は室温〜150℃で行うと更によ
い。通常この反応は、ジエチルエーテル、THF、ジオ
キサン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の炭
化水素類等を単独又は混合して使用するとよい。
【0047】2)脱水 3)水素添加 4)加水素分解 得られたアルコール化合物を加水素分解するか、あるい
は、酸触媒によって脱水反応を行った後、生じた二重結
合を水素添加することによりシクロヘキサノン化合物を
得る。水素添加は、好ましくは0〜150℃、更に好ま
しくは20〜100℃で、大気圧〜20kg/cm2
もとで行う。
【0048】脱水反応に用いると酸としては、塩酸、硫
酸、硝酸、過塩素酸等の無機酸類やその塩類、p−トル
エンスルホン酸、カンファースルホン酸、トリフルオロ
酢酸等の有機酸類を挙げることができる。生じる水をす
みやかに除去するために、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クメン、ヘキサン、イソオクタン等の炭化水素類を
溶媒として用いて、その共沸により反応の進行を加速す
ることも有用である。
【0049】加水素分解や水素添加に用いられる触媒と
して、パラジウム、白金、ロジウム、ニッケル、ルテニ
ウム等の金属類が挙げられる。特に、パラジウム−炭
素、パラジウム−硫酸バリウム、パラジウム−ケイソウ
土、酸化白金、白金−炭素、ロジウム−炭素、ラネーニ
ッケル、酸化パラジウム、ニッケル−ケイソウ土等を使
用するとよく、特にパラジウム系又はニッケル系の触媒
を用いると更によい結果を与える。
【0050】5)保護基の脱離 保護基X’としては、t−ブチルジメチルシリル基、ア
ルコキシメチル基(メトキシメチル基)、ベンジル基等
が挙げられる。なお、保護基を除去する条件はTheo
dora W.Green及びPeter G.M.W
utsの“Protective Groups in
Organic Synthesis”(John
Wiley & Sons,INC.)等に記載されて
いる。
【0051】次の(2−1)の方法では、シラシクロヘ
キサノンとR−Mである有機金属試薬とカップリング反
応させ、前記した条件で脱水、水素添加し、脱保護して
本発明のシラシクロヘキサンフェノール化合物を得るこ
とができる。
【0052】また、(2−2)の方法では、シラシクロ
ヘキサノンをWittig反応、水素添加及び脱保護す
ることにより本発明のシラシクロヘキサン化合物を得る
ことができる。このWittig反応はアルキルトリフ
ェニルホスホニウム塩等から塩基の作用により生じるイ
リド化合物とシラシクロヘキサノンを反応させる。アル
キルトリフェニルホスホニウム塩としては炭素数1〜1
0のアルキルとハロゲン(Cl、Br、I等)との塩で
ある。アルキルトリフェニルホスホニウム塩に用いるハ
ロゲンは、特にBrが好ましい。
【0053】イリドの生成に用いられる塩基として、n
−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリ
チウム、メチルリチウム、フェニルリチウム等の有機リ
チウム類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムt−ブトキシド等のアルコキシド類、ジム
シルナトリウム等が挙げられる。反応は、テトラヒドロ
フラン、ジエチルエーテル、ジn−ブチルエーテル、
1,4−ジオキサン等のエーテル類や、これらにn−ヘ
キサン、n−ヘプタン、イソオクタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン、クメン等の炭化水素類や、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド等の非プロトン性極性溶媒
類を混合した溶媒中で、好ましくは0℃〜溶媒の還流温
度、更に好ましくは10〜40℃の温度範囲で行う。
【0054】(2−2)における水素添加及び脱保護は
(2−1)における水素添加及び脱保護の条件と同様に
行う。
【0055】(2−1)
【化31】 ここで用いる有機金属試薬はグリニャール試薬、有機リ
チウム試薬が好ましい。
【0056】(2−2)
【化32】
【0057】本発明のシラシクロヘキサン化合物と混合
して液晶相を形成するために用いられる既知の化合物
は、以下のものから選択される。
【0058】
【化33】
【化34】
【0059】なお、[化33]及び[化34]におい
て、(M)及び(N)は以下の〜のいずれかを表
す。 無置換又は置換基として1個又は2個以上のF、C
l、Br、CN、アルキル基を有するトランス−1,4
−シクロヘキシレン基。 シクロヘキサン環中の1個又は隣接していない2個の
CH2基がO又はSに置き換えられているトランス−
1,4−シクロヘキシレン基。 1,4−シクロヘキセニレン基。 無置換又は置換基として1個又は2個のF、Cl、C
3又はCN基を有する1,4−フェニレン基。 環中の1個又は2個のCH基がN原子により置き換え
られている1,4−フェニレン基。
【0060】Z1及びZ2は、−CH2CH2−、−CH=
CH−、−C≡C−、−CO2−、−OCO−、−CH2
O−、−OCH2−又は単結合を表す。
【0061】t及びuは0、1又は2(但し、t+u=
1、2、3)、vは0、1又は2である。
【0062】R”は炭素数1〜10の直鎖状アルキル
基、炭素数1〜10のモノ又はジフルオロアルキル基、
炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7のア
ルコキシアルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基を
表す。
【0063】X”はCN、F、Cl、CF3、CF2
l、CHFCl、OCF3、OCF2Cl、OCHFC
l、OCHF2、(O)lCY1=CX12(l(エル)
は0又は1、Y1及びX1はH、F又はCl、X2はH、
F又はClを表す。)、O(CH2r(CF2s
3(r及びsは0、1又は2で且つr+sが2、3又は
4である数、X3はH、F又はClを表す。)、炭素数
1〜10の直鎖状アルキル基若しくはアルコキシ基又は
炭素数2〜7のアルコキシアルキル基を表す。
【0064】Y’及びZ’はそれぞれ相互に独立してH
又はFを表す。
【0065】なお、上記においてt及びvがいずれも2
の場合には(M)中に、uが2の場合には(N)中に、
それぞれ異種環を含んでいてもよい。
【0066】液晶相中における本発明のシラシクロヘキ
サン化合物の割合は、その1種又は2種以上を1〜50
mol%、好ましくは5〜30mol%含有される。ま
た、液晶相には着色ゲスト−ホスト系を生成するための
多色性染料或いは誘電異方性、粘度、ネマチック相の配
向を変えるための添加剤を含むことができる。
【0067】このようにして形成された液晶相は、所望
形状の電極を有する透明基板間に封入して液晶表示素子
として使用される。この素子は、必要において各種アン
ダーコート、配向制御用オーバーコート、偏光板、フィ
ルター、反射層等を有しても良い。また、多層セルとし
たり、他の表示素子と組み合わせたり、半導体基板を用
いたり、或いは光源を用いたりする種々のものが使用で
きる。
【0068】また、液晶表示素子の駆動方法としては、
本発明の化合物中のΔεが正又はゼロに近い化合物につ
いては、ツイステッドネマチック(TN)方式、スーパ
ーツイステッドネマチック(STN)方式、高分子分散
(PDLC)方式、ゲスト−ホスト(GH)方式等が採
用され、本発明の化合物中のΔεが負の化合物について
は、ダイナミックスキャタリング(DSM)方式、電界
制御複屈折(ECB)方式、ゲスト−ホスト(GH)方
式等、液晶表示素子の業界で公知の方式を採用すること
ができる。
【0069】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて本発明をさら
に詳しく説明する。
【0070】[実施例1] トランス−4−シアノ安息香酸(4−(4−メチル−4
−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)
の製造 4−シアノ安息香酸1.90g、4−(4−メチル−4
−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル)フェノール
2.76g、4−ジメチルアミノピリジン1.50g及
び塩化メチレン30mlの混合物に、室温でN,N’−
ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)2.50g
を加えた。得られた反応混合物を室温で8時間攪拌した
後、生成したN,N’−ジシクロヘキシル尿素を濾別し
た。濾液をブラインで洗浄、乾燥、濃縮して得た残渣を
シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目的物2.
35g(収率58%)を得た。
【0071】実施例1と同様にして以下の化合物を得
た。
【0072】[実施例2]4−トリフルオロメトキシ安
息香酸及び4−(4−メチル−4−n−プロピル−4−
シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例1と
同様にしてトランス−4−トリフルオロメトキシ安息香
酸(4−(4−メチル−4−n−プロピル−4−シラシ
クロヘキシル)フェニル)を得た。
【0073】[実施例3] トランス−4−トリフルオロメトキシ安息香酸(4−
(4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシル)フェニ
ル)の製造 4−トリフルオロメトキシベンゾイルクロリド30.9
gを、4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シ
ラシクロヘキシル)フェノール31.1g、ピリジン1
50ml及び4−ジメチルアミノピリジン100mgの
混合物へ0℃で滴下した。室温で10時間攪拌した後、
希塩酸にあけ、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル溶液
をブラインで洗浄、乾燥、濃縮して得た残渣をシリカゲ
ルクロマトグラフィーで精製して、4−トリフルオロメ
トキシ安息香酸(4−(4−フェニル−4−n−プロピ
ル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)33.9g
(収率68%)を得た。 IR(KBr disc)νmax:2924,286
8,1738,1606,1508,1267,121
3,1167,1078,978,879cm-1 1 H−NMR(CDCl3)δ:0.7−2.7ppm
(16H,m),7.0−7.7ppm(9H,m),
8.1−8.3ppm(4H,m)
【0074】このもの10.0gと四塩化炭素150m
lの混合物に、室温で1.0Mの一塩化ヨウ素の四塩化
炭素溶液25mlを加え、1時間攪拌した後、減圧濃縮
して、粗4−トリフルオロメトキシ安息香酸(4−(4
−クロロ−4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシ
ル)フェニル)を得た。このものを水素化リチウムアル
ミニウム400mgとジエチルエーテル50mlの混合
物に−40℃で加え、この温度で25分間攪拌した。反
応混合物を希硫酸にあけ、塩化メチレンで抽出した。塩
化メチレン溶液をブラインで洗浄、乾燥、濃縮して得た
残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製して、目的
物3.56g(収率42%)を得た。 IR(KBr disc)νmax:2920,287
2,2108,1741,1606,1508,125
9,1198,1165,1076,985,879c
-1 C−S転移温度:84.8℃ S−N転移温度:141.0℃ N−I転移温度:154.6℃
【0075】実施例3と同様にして以下の化合物を得
た。
【0076】[実施例4]4−シアノ安息香酸及び4−
(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロヘ
キシル)フェノールを用いて、実施例3と同様にしてト
ランス−4−シアノ安息香酸(4−(4−n−プロピル
−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0077】[実施例5]4−フルオロ安息香酸及び4
−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロ
ヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様にして
トランス−4−フルオロ安息香酸(4−(4−n−プロ
ピル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0078】[実施例6]4−クロロ安息香酸及び4−
(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロヘ
キシル)フェノールを用いて、実施例3と同様にしてト
ランス−4−クロロ安息香酸(4−(4−n−プロピル
−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0079】[実施例7]4−n−プロピル安息香酸及
び4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシ
クロヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様に
してトランス−4−n−プロピル安息香酸(4−(4−
n−プロピル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を
得た。
【0080】[実施例8]4−n−ペンチル安息香酸及
び4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシ
クロヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様に
してトランス−4−n−ペンチル安息香酸(4−(4−
n−プロピル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を
得た。 IR(KBr disc)νmax:2920,286
8,2098,1728,1610,1504,127
7,1201,984,889cm-1 C−N転移温度:80.6℃ N−I転移温度:147.4℃
【0081】[実施例9]3,4−ジフルオロ安息香酸
及び4−(4−フェニル−4−n−プロピル−4−シラ
シクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様
にしてトランス−3,4−ジフルオロ安息香酸(4−
(4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシル)フェニ
ル)を得た。 IR(KBr disc)νmax:2922,285
2,2102,1736,1618,1514,143
1,1290,1201,985,883cm-1 C−N転移温度:72.8℃ S−N転移温度:60.1℃ N−I転移温度:111.0℃
【0082】[実施例10]4−シアノ−3−フルオロ
安息香酸及び4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−
4−シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例
3と同様にしてトランス−4−シアノ−3−フルオロ安
息香酸(4−(4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)フェニル)を得た。
【0083】[実施例11]3,5−ジフルオロ−4−
ジフルオロメトキシ安息香酸及び4−(4−フェニル−
4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル)フェノー
ルを用いて、実施例3と同様にしてトランス−3,5−
ジフルオロ−4−ジフルオロメトキシ安息香酸(4−
(4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル)フェニ
ル)を得た。
【0084】[実施例12]4−メトキシ安息香酸及び
4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−4−シラシク
ロヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様にし
てトランス−4−メトキシ安息香酸(4−(4−n−ペ
ンチル−4−シラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0085】[実施例13]4−クロロ−3−フルオロ
安息香酸及び4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−
4−シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例
3と同様にしてトランス−4−クロロ−3−フルオロ安
息香酸(4−(4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)フェニル)を得た。
【0086】[実施例14]3,4,5−トリフルオロ
安息香酸及び4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−
4−シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例
3と同様にしてトランス−3,4,5−トリフルオロ安
息香酸(4−(4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)フェニル)を得た。
【0087】[実施例15]3,4−ジクロロ安息香酸
及び4−(4−フェニル−4−(5−メトキシペンチ
ル)−4−シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、
実施例3と同様にしてトランス−3,4−ジクロロ安息
香酸(4−(4−(5−メトキシペンチル)−4−シラ
シクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0088】[実施例16]4−クロロ安息香酸及び4
−(4−フェニル−4−(4−ペンテニル)−4−シラ
シクロヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様
にしてトランス−4−クロロ安息香酸(4−(4−(4
−ペンテニル)−4−シラシクロヘキシル)フェニル)
を得た。
【0089】[実施例17]4−トリフルオロメチル安
息香酸及び4−(4−フェニル−4−(3−メチルブチ
ル)−4−シラシクロヘキシル)フェノールを用いて、
実施例3と同様にしてトランス−4−トリフルオロメチ
ル安息香酸(4−(4−(3−メチルブチル)−4−シ
ラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0090】[実施例18]4−フルオロ安息香酸及び
4−(4−フェニル−4−n−ペンチル−4−シラシク
ロヘキシル)−2,6−ジフルオロフェノールを用い
て、実施例3と同様にしてトランス−4−フルオロ安息
香酸(4−(4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシ
ル)−2,6−ジフルオロフェニル)を得た。
【0091】[実施例19]4−クロロ安息香酸及び4
−(1−フェニル−4−n−プロピル−1−シラシクロ
ヘキシル)フェノールを用いて、実施例3と同様にして
トランス−4−クロロ安息香酸(4−(4−n−プロピ
ル−1−シラシクロヘキシル)フェニル)を得た。
【0092】[実施例20]4−クロロ安息香酸、4−
(4−n−ペンチル−1−フェニル−1−シラシクロヘ
キシル)フェノール及びフッ化亜鉛を用いて、実施例3
と同様にしてトランス−4−クロロ安息香酸(4−(4
−n−ペンチル−1−フルオロ−1−シラシクロヘキシ
ル)フェニル)を得た。
【0093】[実施例21]4−トリフルオロメトキシ
安息香酸及び4−(4−フェニル−4−(4−フルオロ
ブチル)−4−シラシクロヘキシル)フェノールを用い
て、実施例3と同様にしてトランス−4−トリフルオロ
メトキシ安息香酸(4−(4−(4−フルオロブチル)
−4−シラシクロヘキシル)フェニルを得た。
【0094】[実施例22]トランス−4−(2−
(3,4−ジフルオロフェニル)エチル)−1−ブチル
シクロヘキサン20モル%、4−(トランス−4−(ト
ランス−4−エチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)
−1,2−ジフルオロベンゼン32モル%、4−(トラ
ンス−4−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシ
ル)シクロヘキシル)−1,2−ジフルオロベンゼン2
8モル%及び4−(トランス−4−(トランス−4−n
−ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシル)−1,2
−ジフルオロベンゼン20モル%からなる液晶混合物
は、以下の性質を示す。 TNI(ネマチック−アイソトロピック転移温度)=75
℃ TCN(結晶−ネマチック転移温度)=−0.5℃
【0095】この混合物85モル%と実施例9で得られ
たトランス−3,4−ジフルオロ安息香酸(4−(4−
n−プロピル−4−シラシックロヘキシル)フェニル)
15モル%からなる液晶混合物は、以下のように高温域
へのネマッチク相の大幅な拡大を示した。 TNI(ネマチック−アイソトロピック転移温度)=8
0.5℃ TCN(結晶−ネマチック転移温度)=−1.5℃
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、比較的高
いTNI(ネマチック−アイソトロピック転移温度)を持
ちながら混合液晶の粘度を上昇せしめることがなく、且
つ従来知られていなかった分子構造中にケイ素原子を含
んだシラシクロヘキサン環を有する全く新規な液晶化合
物を提供することができた。高いTNIにより高温域まで
液晶範囲が拡大されるので、例えば車載用液晶パネル組
成物として良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻原 勤 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 金子 達志 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 中島 睦雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 栗原 英志 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番1号 信越化学工業株式会社コ−ポレ−トリサ −チセンタ−内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるシラシクロ
    ヘキサン化合物。 【化1】 但し、Rは炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数
    1〜10のモノ又はジフルオロアルキル基、炭素数3〜
    8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7のアルコキシア
    ルキル基又は炭素数2〜8のアルケニル基を表す。 【化2】 は1又は4位のケイ素がH、F、Cl又はCH3の置換
    基を持つトランス−1−シラ−1,4−シクロヘキシレ
    ン基又はトランス−4−シラ−1,4−シクロへキシレ
    ン基を表す。L1はFを表し、L2及びL3はそれぞれ相
    互に独立してH、F、Cl又はCH3を表す。nは0、
    1又は2を表す。XはCN、F、Cl、CF3、CF2
    l、CHFCl、OCF3、OCF2Cl、OCHFC
    l、OCHF2、(O)lCY1=CX12(l(エル)
    は0又は1、Y1及びX1はH、F又はCl、X2はH、
    F又はClを表す。)、O(CH2r(CF2s
    3(r及びsは0、1又は2で且つr+sが2、3又は
    4である数、X3はH、F又はClを表す。)、炭素数
    1〜10の直鎖状アルキル基若しくはアルコキシ基又は
    炭素数2〜7のアルコキシアルキル基を表す。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシラシクロヘキサン化
    合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の液晶組成物を含有する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
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