JPH111484A - シラシクロヘキサン化合物、液晶組成物およびそれを含有する液晶表示素子 - Google Patents

シラシクロヘキサン化合物、液晶組成物およびそれを含有する液晶表示素子

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JPH111484A
JPH111484A JP15650497A JP15650497A JPH111484A JP H111484 A JPH111484 A JP H111484A JP 15650497 A JP15650497 A JP 15650497A JP 15650497 A JP15650497 A JP 15650497A JP H111484 A JPH111484 A JP H111484A
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JP
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trans
compound
liquid crystal
silacyclohexane
cyclohexanone
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JP15650497A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kanou
剛 金生
Takaaki Shimizu
孝明 清水
Tsutomu Ogiwara
勤 荻原
Mutsuo Nakajima
睦雄 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶物質の特性の向上、特に他の液晶材料と
の混合により低温におけるネマチック温度範囲の拡大を
目的として新規に開発された液晶化合物に関するもので
ある。 【解決手段】下記一般式(1)で表されるシラシクロヘ
キサン化合物を提供し、該シラシクロヘキサン化合物を
含有することを特徴とする液晶組成物、該液晶組成物を
含有することを特徴とする液晶表示素子を提供する。 【化1】 (上式中、 【化2】 のいずれか一方が、1位または4位のケイ素が、H、
F、ClまたはCH3 の置換基を有するトランス−1−
シラ−1、4−シクロヘキシレン基またはトランス−4
−シラ−1、4−シクロヘキシレン基を表し、かつ他方
が、1〜5個の水素が重水素で置換されたトランス−
1、4−シクロヘキシレン基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシラシクロ
ヘキサン化合物およびこれらを含有する液晶組成物、お
よびこれらの液晶組成物を含有する液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は液晶物質が持つ光学異方
性および誘電異方性を利用したものであり、その表示様
式によって、TN型(ねじれネマチック型)、STN型
(超ねじれネマチック型)、SBE型(超複屈折型)、
DS型(動的散乱型)、ゲスト・ホスト型、DAP型
(整列相の変形型)およびOMI型(光学的モード干渉
型)など各種の方式がある。最も一般的なディスプレー
デバイスは、シャット−ヘルフリッヒ効果に基づき、ね
じれネマチック構造を有するものである。
【0003】これらの液晶表示に用いられる液晶物質に
要求される性質は、この表示方式によって若干異なる
が、液晶温度範囲が広いこと、水分、空気、光、熱、電
界等に対して安定であること等は、いずれの表示方式に
おいても共通して要求される。さらに、液晶材料は低粘
度であり、かつセル中において短いアドレス時間、低い
閾値電圧および高いコントラストを与えることが望まれ
る。現在、単一の化合物でこれらの要求をすべて満たす
物質はなく、実際には数種から十数種の液晶化合物・潜
在液晶化合物を混合して得られる液晶性混合物が使用さ
れている。それ故、構成成分が互いに容易に混和できる
ことが重要ともなる。本発明者は、これらの構成成分と
なり得る液晶化合物の中で、従来、分子構造中にケイ素
を含有したシラシクロヘキサン環を含む化合物を出願し
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、液晶ディスプレ
イの用途が拡大するにつれて液晶材料に要求される特性
も益々高度な厳しいものになりつつある。特に、駆動電
圧の低電圧化、車載用ニーズに対応した広域温度範囲
化、低温性能の向上等、従来の液晶物質の特性をさらに
上回るものが望まれるようになってきた。
【0005】このような観点から本発明は、液晶物質の
特性の向上、特に他の液晶材料との混合により低温にお
けるネマチック温度範囲の拡大を目的として新規に開発
された液晶化合物に関するもので、その特長は分子構造
中にシラシクロヘキサン環及び部分的に重水素化された
シクロヘキサン環を有する所にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(1)
【化3】 〔上式中、Rは、H、炭素数1〜10の直鎖状アルキル
基、炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7
のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のモノまたは
ジフルオロアルキル基、または炭素数2〜8のアルケニ
ル基を表す。Z1およびZ2 は、単結合または−CH2
CH2 −を表すが、Z1 またはZ2 のいずれか一方が−
CH2 CH2 −である場合、他方は単結合である。X
は、H、F、Cl、CN、OCHF2 、OCF3 、CF
3 、OCk 2k+1(k=1〜5の整数)、Ck
2k+1(k=1〜5の整数)、(O)s p q r (s
は、0または1を表し、pは、2、3、または4を表
し、qとrは、0または正の整数を表すが、q+r=2
p+1の関係を有する。)、(O)s CY1 =CX1
2 (sは、0または1を表し、X1 およびY1 は、H、
F、またはClを表し、X2 は、FまたはClを表
す。)を表す。YおよびZは、HまたはFを表す。
【化4】 のいずれか一方が、1位または4位のケイ素が、H、
F、ClまたはCH3 の置換基を有するトランス−1−
シラ−1,4−シクロヘキシレン基またはトランス−4
−シラ−1,4−シクロヘキシレン基を表し、かつ他方
が、1〜5個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕で表されるシラ
シクロヘキサン化合物を提供し、該シラシクロヘキサン
化合物を含有することを特徴とする液晶組成物、該液晶
組成物を含有することを特徴とする液晶表示素子を提供
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)で表される
シラシクロヘキサン化合物の具体例を示して、本発明を
さらに詳細に説明する。本発明の一般式(1)で表され
るシラシクロヘキサン化合物として、以下に示すような
トランス−シラシクロヘキサン環構造を有するシラシク
ロヘキサン化合物が挙げられる。
【化5】
【化6】
【0008】上式中、Wは、H、F、Cl、またはCH
3 を表し、部分骨格構造
【化7】 は、1〜5個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。したがって、一般
式(1)の部分構造
【化8】 のいずれかが
【化9】 になる。
【0009】一般式(1)およびその具体例である一般
式(1a)から(1L)において、Rは、以下のいずれ
かの基を表す。 (a)炭素数1〜10の直鎖状アルキル基、すなわち、
メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペン
チル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n
−ノニルまたはn−デシル。
【0010】(b)炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル
基、すなわち、イソプロピル、sec−ブチル、イソブ
チル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチ
ルブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、
3−メチルペンチル、1−エチルペンチル、1−メチル
ヘキシル、2−メチルヘキシル、3−メチルヘキシル、
2−エチルヘキシル、3−エチルヘキシル、1−メチル
ヘプチル、2−メチルヘプチル、または3−メチルヘプ
チル。
【0011】(c)炭素数2〜7のアルコキシアルキル
基、すなわち、メトキシメチル、エトキシメチル、プロ
ポキシメチル、ブトキシメチル、ペントキシメチル、ヘ
キシロキシメチル、メトキシエチル、エトキシエチル、
プロポキシエチル、ブトキシエチル、メトキシプロピ
ル、エトキシプロピル、プロポキシプロピル、ブトキシ
プロピル、メトキシブチル、エトキシブチル、プロポキ
シブチル、メトキシペンチル、エトキシペンチル、また
はメトキシヘキシル。
【0012】(d)炭素数2〜8のアルケニル基、すな
わち、ビニル、1−プロペニル、アリル、1−ブテニ
ル、3−ブテニル、イソプレニル、1−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、ジメチルアリル、1−
ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル、1−ヘ
プテニル、3−ヘプテニル、6−ヘプテニル、または7
−オクテニル。
【0013】(e)炭素数1〜10のモノまたはジフル
オロアルキル基、すなわち、フルオロメチル、1−フル
オロエチル、1−フルオロプロピル、1−フルオロブチ
ル、1−フルオロペンチル、1−フルオロヘキシル、1
−フルオロヘプチル、1−フルオロオクチル、1−フル
オロノニル、1−フルオロデシル、2−フルオロエチ
ル、2−フルオロプロピル、2−フルオロブチル、2−
フルオロペンチル、2−フルオロヘキシル、2−フルオ
ロヘプチル、2−フルオロオクチル、2−フルオロノニ
ル、2−フルオロデシル、3−フルオロプロピル、3−
フルオロブチル、3−フルオロペンチル、3−フルオロ
ヘキシル、3−フルオロヘプチル、3−フルオロオクチ
ル、3−フルオロノニル、3−フルオロデシル、4−フ
ルオロブチル、4−フルオロペンチル、4−フルオロヘ
キシル、4−フルオロヘプチル、4−フルオロオクチ
ル、4−フルオロノニル、4−フルオロデシル、5−フ
ルオロペンチル、5−フルオロヘキシル、5−フルオロ
ヘプチル、5−フルオロオクチル、5−フルオロノニ
ル、5−フルオロデシル、6−フルオロヘキシル、6−
フルオロヘプチル、6−フルオロオクチル、6−フルオ
ロノニル、6−フルオロデシル、7−フルオロヘプチ
ル、7−フルオロオクチル、7−フルオロノニル、7−
フルオロデシル、8−フルオロオクチル、8−フルオロ
ノニル、8−フルオロデシル、9−フルオロノニル、9
−フルオロデシル、10−フルオロデシル、ジフルオロ
メチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオ
ロプロピル、1,1−ジフルオロブチル、1,1−ジフ
ルオロペンチル、1,1−ジフルオロヘキシル、1,1
−ジフルオロヘプチル、1,1−ジフルオロオクチル、
1,1−ジフルオロノニル、1,1−ジフルオロデシ
ル、2,2−ジフルオロエチル、2,2−ジフルオロプ
ロピル、2,2−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオ
ロペンチル、2,2−ジフルオロヘキシル、2,2−ジ
フルオロヘプチル、2,2−ジフルオロオクチル、2,
2−ジフルオロノニル、2,2−ジフルオロデシル、
3,3−ジフルオロプロピル、3,3−ジフルオロブチ
ル、3,3−ジフルオロペンチル、3,3−ジフルオロ
ヘキシル、3,3−ジフルオロヘプチル、3,3−ジフ
ルオロオクチル、3,3−ジフルオロノニル、3,3−
ジフルオロデシル、4,4−ジフルオロブチル、4,4
−ジフルオロペンチル、4,4−ジフルオロヘキシル、
4,4−ジフルオロヘプチル、4,4−ジフルオロオク
チル、4,4−ジフルオロノニル、4,4−ジフルオロ
デシル、5,5−ジフルオロペンチル、5,5−ジフル
オロヘキシル、5,5−ジフルオロヘプチル、5,5−
ジフルオロオクチル、5,5−ジフルオロノニル、5,
5−ジフルオロデシル、6,6−ジフルオロヘキシル、
6,6−ジフルオロヘプチル、6,6−ジフルオロオク
チル、6,6−ジフルオロノニル、6,6−ジフルオロ
デシル、7,7−ジフルオロヘプチル、7,7−ジフル
オロオクチル、7,7−ジフルオロノニル、7,7−ジ
フルオロデシル、8,8−ジフルオロオクチル、8,8
−ジフルオロノニル、8,8−ジフルオロデシル、9,
9−ジフルオロノニル、9,9−ジフルオロデシル、1
0,10−ジフルオロデシル。
【0014】また、部分骨格構造
【化10】 として、具体的には、
【化11】
【化12】 等が挙げられる。なお、上式中、kは、1〜5の整数を
表す。pは、2、3、または4を表し、qとrは、0ま
たは正の整数を表すが、q+r=2p+1の関係を有す
る。X1およびY1 は、H、F、またはClを表し、X
2 は、FまたはClを表す。
【0015】本発明の一般式(1)で表されるシラシク
ロヘキサン化合物のうち、トランス−シラシクロヘキサ
ン環構造を有するシラシクロヘキサン化合物が好まし
く、さらに製造への容易さおよび液晶温度範囲等の特性
の点から、一般式(1a)、(1c)、(1e)、(1
g)、(1i)、(1k)で表される化合物が好まし
い。
【0016】本発明の一般式(1)で表される化合物に
おいて、Wは、好ましくは、H、またはCH3 である。
Rは、好ましくは、以下のいずれかの基である。 (a’)炭素数2〜7の直鎖状アルキル基、すなわち、
エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシル、またはn−ヘプチル。
【0017】(b’)炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル
基のうち、イソプロピル、sec−ブチル、イソブチ
ル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチル
ブチル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、ま
たは2−エチルヘキシル。
【0018】(c’)炭素数2〜6のアルコキシアルキ
ル基、すなわちメトキシメチル、エトキシメチル、プロ
ポキシメチル、ペントキシメチル、メトキシエチル、エ
トキシエチル、メトキシプロピル、またはメトキシペン
チル。
【0019】(d’)炭素数2〜8のアルケニル基のう
ち、ビニル、1−プロペニル、3−ブテニル、1−ペン
テニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−ヘキセ
ニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル、または7−オ
クテニル。
【0020】(e’)炭素数2〜7のモノまたはジフル
オロアルキル基のうち、2−フルオロエチル、2−フル
オロプロピル、2−フルオロブチル、2−フルオロペン
チル、2−フルオロヘキシル、2−フルオロヘプチル、
4−フルオロブチル、4−フルオロペンチル、4−フル
オロヘキシル、4−フルオロヘプチル、5−フルオロペ
ンチル、5−フルオロヘキシル、5−フルオロヘプチ
ル、6−フルオロヘキシル、6−フルオロヘプチル、7
−フルオロヘプチル、2,2−ジフルオロエチル、2,
2−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロブチル、
2,2−ジフルオロペンチル、2,2−ジフルオロヘキ
シル、2,2−ジフルオロヘプチル、4,4−ジフルオ
ロブチル、4,4−ジフルオロペンチル、4,4−ジフ
ルオロヘキシル、4,4−ジフルオロヘプチル、5,5
−ジフルオロペンチル、5,5−ジフルオロヘキシル、
5,5−ジフルオロヘプチル、6,6−ジフルオロヘキ
シル、6,6−ジフルオロヘプチル、または7,7−ジ
フルオロヘプチル。
【0021】また、部分骨格構造
【化13】 については、好ましくは、
【化14】 等が挙げられる。なお、上式中、kは、1〜5の整数を
表す。
【0022】また、部分骨格構造
【化15】 については、好ましくは、
【化16】 等が挙げられる。これらは、製造または実用の上から好
ましい。また、これらの構造中のDの重水素化率(atom
%D)は、0.016%より大きく100%以下の任意
の値をとることができる。なお、重水素化率は、atom
%D=D/(H+D)で、 1HNMRにおいて重水素化
されていない同様の構造のものと重水素化された化合物
の積分値の差から見積もる。
【0023】次に、本発明の一般式(1)で表されるシ
ラシクロヘキサン化合物の製造方法について説明する。
一般式(1)で表されるシラシクロヘキサン化合物は、
先に出願した対応する重水素を含まないシラシクロヘキ
サン化合物の製造方法(特開平6-154219、特開平7-7014
8 、特開平7-252273、特開平8-109186、特願平6-15421
9、特願平6-301330)に準じて、重水素化された原料を
使用するか、または合成の中間段階で重水素置換工程を
導入することにより製造できる。
【0024】以下、例をあげて具体的に説明する。第1
の重水素置換工程としては、ケトン化合物を、塩基の存
在下、重水(D2O)で処理する反応があげられる。例
えば、ケトン化合物
【化17】 〔上式中、X、Y、Zは、一般式(1)と同様である。
2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。〕を塩
基の存在下、重水(D2 O)で処理すると、重水素化さ
れたケトン化合物
【化18】 〔上式中、Qのうち少なくとも1つは重水素(D)で、
残りは水素(H)を表す。〕が得られる。
【0025】反応塩基として、水素化ナトリウム、水素
化カリウム、水素化カルシウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム等の無機塩類、ナトリウムメトキシド、ナト
リウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルコ
キシド類、トリアルキルアミン、ジアルキルアミン、リ
チウムジアルキルアミド、リチウムヘキサメチルジシラ
ジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等の有機塩基類
を用いることができる。触媒として、テトラアルキルア
ンモニウム塩、テトラアルキルフォスフォニウム塩等を
加えてもよい。
【0026】同様な重水素置換反応により、
【化19】 〔上式中、原料として用いられるケトン化合物
【化20】 の合成方法は、特願平6-154219に記載した。Qのうち少
なくとも1つは重水素(D)で、残りは水素(H)を表
す。Rは、一般式(1)と同様である。〕等の重水素化
されたケトン化合物が得られる。
【0027】また、得られた重水素化されたケトン化合
【化21】 から、他の重水素化されたケトン化合物を合成すること
ができる。例えば、反応過程
【化22】 〔上式中、Qのうち少なくとも1つは重水素(D)で、
残りは水素(H)を表す。X、Y、Zは、一般式(1)
と同様である。Z2 は、単結合または−CH2 CH2
を表す。〕のように、カルボニル基へグリニャール試薬
を付加させ、得られるアルコールを脱水し、次いで接触
還元し、更に酸触媒を用いてアセタール保護基を除去す
ることにより、別の重水素化されたケトン化合物
【化23】 が得られる。
【0028】また、反応過程(I)
【化24】 〔上式中、Qのうち少なくとも1つは重水素(D)で、
残りは水素(H)を表す。〕 〔X、Y、Zは、一般式(1)と同様である。Z2 は、
単結合または−CH2 CH2 −を表す。〕のように、カ
ルボニル基をヒドリド(hydride) 試薬(水素化アルミニ
ウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウム等)により還元
してアルコールにし、得られたアルコールの水酸基を臭
素化して臭化物とし、次いでこの臭化物とグリニャール
試薬とをCu触媒を用いてカップリングさせ、更に酸触
媒を用いてアセタール保護基を除去することにより、別
の重水素化されたケトン化合物
【化25】 が得られる。
【0029】また、反応過程
【化26】 〔上式中、Rは一般式(1)と同様である。〕のよう
に、カルボニル基を、ウィッティヒ反応、次いで接触還
元反応によりアルキル基(式中のR)に変換した後、酸
触媒を用いてアセタール保護基を除去することにより、
別の重水素化されたケトン化合物
【化27】 が得られる。
【0030】以上のようにして合成した重水素化された
ケトン化合物を用いて、一般式(1)で表されるシラシ
クロヘキサン化合物が合成できる。例えば、シクロヘキ
サン部分の1から4個の水素が重水素で置換されたシク
ロヘキサノン化合物
【化28】 は、反応過程(II)
【化29】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化30】 は、1〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕のように、重水
素化されたケトン化合物のカルボニル基をヒドリド試薬
(水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウ
ム等)により還元してアルコールにし、得られたアルコ
ールの水酸基を臭素化して臭化物とし、次いでこの臭化
物と金属マグネシウムと反応させてグリニャール試薬と
し、更にこのグリニャール試薬をクロロシラン化合物と
反応させることにより、目的物が得られる。
【0031】また、反応過程
【化31】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Wは、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨
格構造
【化32】 は、1〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕のように、前述
のグリニャール試薬を銅触媒存在下、エチレンオキシド
と反応させて2炭素増炭したアルコールとし、得られた
アルコールの水酸基を臭素化して臭化物とし、次いでこ
の臭化物と金属マグネシウムと反応させてグリニャール
試薬とし、更にこのグリニャール試薬をクロロシラン化
合物と反応させることにより、目的物が得られる。
【0032】また、シクロヘキサン部分の1から4個の
水素が重水素で置換されたシクロヘキサノン化合物
【化33】 は、反応過程(III)
【化34】 〔上式中、R、X、Y,Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化35】 は、1〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕のように、重水
素化されたケトン化合物のカルボニル基をヒドリド試薬
(水素化アルミニウムリチウムや水素化ホウ素ナトリウ
ム等)により還元したアルコールにし、得られたアルコ
ールの水酸基を臭素化して臭化物とし、次いでこの臭化
物と金属マグネシウムと反応させてグリニャール試薬と
し、このグリニャール試薬をシラシクロヘキサノン化合
物〔特開平7-309878〕と反応させ、次いで、酸触媒脱水
反応、更に接触還元反応を行い、目的物の分子骨格を形
成する。次いで、特開平7-309878に記載した方法で、ケ
イ素上のフェニル基(式中のPh)をW(Wは、H、F、
Cl、またはCH3 を表す。)に変換して目的物が得ら
れる。
【0033】また、シクロヘキサン部分の1から4個の
水素が重水素で置換されたシクロヘキサノン化合物
【化36】 は、反応過程
【化37】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化38】 は、1〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕のように、シラ
シクロヘキシルアセトアルデヒド化合物〔特願平6-1542
19のカルボニル基をヒドリド試薬(水素化アルミニウム
リチウムや水素化ホウ素ナトリウム等)により還元して
アルコールにし、得られたアルコールの水酸基を臭素化
して臭化物とし、次いでこの臭化物と金属マグネシウム
と反応させてグリニャール試薬とし、このグリニャール
試薬を重水素化されたケトン化合物と反応させ、次い
で、酸触媒脱水反応、更に接触還元反応を行い、目的物
の分子骨格を形成する。次いで、特開平7-309878に記載
した方法で、ケイ素上のフェニル(式中のPh)をW(W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。)に変換して
目的物が得られる。
【0034】また、シクロヘキサン部分の1から4個の
水素が重水素で置換されたシクロヘキサノン化合物
【化39】 は、反応過程
【化40】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化41】 は、1〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕のように、重水
素化されたケトン化合物にグリニャール試薬を反応さ
せ、次いで、酸触媒脱水反応、更に接触還元反応を行
い、目的物の分子骨格を形成する。次いで、特開平7-30
9878に記載した方法で、ケイ素上のフェニル基(式中の
Ph) をW(Wは、H、F、Cl、またはCH3 を表
す。)に変換して目的物が得られる。
【0035】第2の重水素置換工程としては、ケトン化
合物を、重水素化アルミニウムリチウム(LiAlD4)や重
水素化ホウ素ナトリウム(NaBD4)等のデューテリド(deu
teride)試薬を用いて還元する方法があげられる。例え
ば、シクロヘキサン部分の0から4個の水素が重水素で
置換されたシクロヘキサノン化合物
【化42】 〔上式中、Qは、重水素(D)または水素(H)を表
す。〕をデューテリド試薬を用いて還元すると、水酸基
が付いた炭素上に重水素が導入されたアルコール化合物
【化43】 〔上式中、Qは、重水素(D)または水素(H)を表
す。〕が得られる。
【0036】このものは上述の反応過程(I)と類似の
反応過程により、
【化44】 〔上式中、Qは、重水素(D)または水素(H)を表
す。X、Y、Zは、一般式(1)と同様である。Z
2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。〕が得ら
れ、一般式(1)で表されるシラシクロヘキサン化合物
の製造に用いることができる。
【0037】また、シクロヘキサン部分の0から4個の
水素が重水素で置換されたシクロヘキサノン化合物
【化45】 をデューテリド試薬を用いて還元すると、水酸基が付い
た炭素上に重水素が導入されたアルコール化合物
【化46】 が得られる。
【0038】このものは上述の反応過程(II)と類似の反
応過程により、目的物
【化47】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化48】 は、0〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕が得られる。
【0039】また、シクロヘキサン部分の0から4個の
水素が重水素で置換されたシクロヘキサノン化合物
【化49】 をデューテリド試薬を用いて還元すると、水酸基が付い
た炭素上に重水素が導入されたアルコール化合物
【化50】 が得られる。
【0040】このものは上述の反応過程(II)と類似の反
応過程により、目的物
【化51】 〔上式中、R、X、Y、Zは、一般式(1)と同様であ
る。Z2 は、単結合または−CH2 CH2 −を表す。W
は、H、F、Cl、またはCH3 を表す。部分骨格構造
【化52】 は、0〜4個の水素が重水素で置換されたトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕が得られる。
【0041】以上のようにして合成したシラシクロヘキ
サン化合物が、そのシラシクロヘキサン環の立体配置に
おいてトランス体とシス体の混合物となっている場合に
は、クロマトグラフィーや再結晶等の常法の精製手段に
よりトランス体を分離精製することにより、本発明の一
般式(1)のシラシクロヘキサン化合物を得ることがで
きる。
【0042】本発明のシラシクロヘキサン化合物は、既
知の化合物と混合して液晶組成物を得ることができる。
本発明のシラシクロヘキサン化合物と混合して液晶相を
形成するために用いられる化合物は、以下に示す既知の
化合物から選ぶことができる。
【化53】
【0043】上式中、(M)および(N)は以下の
(1)〜(5)のいずれかを表す。 (1)無置換または置換基として1個または2個以上の
F、Cl、Br、CN、アルキル基を有するトランス−
1,4−シクロヘキシレン基 (2)シクロヘキサン環中の1個または隣接していない
2個のCH2 基がO、Sに置き換えられているトランス
−1,4−シクロヘキシレン基 (3)1,4−シクロヘキセニレン基 (4)無置換または置換基として1個または2個のF、
Cl、CH3 、またはCN基を有する1,4−フェニレ
ン基 (5)環中の1個または2個のCH基がN原子により置
き換えられている1,4−フェニレン基
【0044】上式中、A1 およびA2 は、−CH2 CH
2 −、−CH=CH−、−C≡C−、−CO2 −、−O
CO−、−CH2 O−、−OCH2 −、または単結合を
表す。上式中、1(エル)およびmは、0、1、または2
(ただし、1(エル)+m=1、2、または3である。)、
nは、0、1、または2である。R’は、水素、炭素数
1〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10のモノま
たはジフルオロアルキル基、炭素数3〜8の分枝鎖状ア
ルキル基、炭素数2〜7のアルコキシアルキル基または
炭素数2〜8のアルケニル基である。X’は、CN、
F、Cl、CF3 、CF2 Cl、CH(F)Cl、OC
3 、OCHF2 、OCF2 Cl、OCH(F)Cl、
アルケニルオキシ基、フルオロアルコキシ基、炭素数1
〜10の直鎖状アルキル基、炭素数1〜10のアルコキ
シ基、または炭素数1〜10のアルカノイルオキシ基を
表す。Y’は、HまたはFを表す。Z’は、HまたはF
を表す。なお、上記において、1(エル)、m、またはnが
2の場合には、(M)、(N)中に、それぞれ異種環を
含んでもよい。
【0045】液晶組成物における本発明のシラシクロヘ
キサン化合物の割合は、その一種又は2種以上を、1〜
50重量%、好ましくは5〜30重量%含有される。ま
た、液晶組成物には、着色ゲスト−ホスト系を生成する
ための多色性染料或は誘電違法性、粘度ネマチック相の
配向を変えるための添加剤を含むことができる。
【0046】このようにして形成された液晶組成物を利
用して各種液晶表示素子を通常の方法で製造することが
できる。すなわち、本発明のシラシクロヘキサン化合物
を含有する液晶組成物は、所望形状の電極を有する透明
基板間に封入して液晶表示素子として使用される。この
素子は必要において各種アンダーコート、配向制御用オ
ーバーコート、偏光板、フィルター、反射層等を有して
も良く、多層セルとしたり、他の表示素子と組み合わせ
たり、半導体基板を用いたり、或は光源を用いたりする
種々のものが使用できる。
【0047】液晶表示素子の駆動方法としては、ダイナ
ミックスキャタリング(DSM)方式、ツイステッドネ
マチック(TN)方式、ゲスト−ホスト(GH)方式
等、液晶表示素子の業界で公知の方式を採用することが
できる。
【0048】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げて本発明をさら
に詳しく説明する。 製造例1 重水素化されたケトン化合物の製造 (1-a) 4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサノン
−2,2,6,6−d 4 の製造 ナトリウムメトキシド10g、4−(4−フルオロフェ
ニル)シクロヘキサノン19.2g、テトラブチルアン
モニウムブロミド0.5g、重水(99.9atom%D)
100mlとクロロホルム100mlの混合物を12時
間還流しながら攪拌した。冷却した後、有機層を濃縮し
て95atom%Dの目的物19.1g(収率98%)を得
た。
【0049】(1-b) 4−(2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)エチル)シクロヘキサノン−2,2,6,6−
4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−(2−(3,4−ジフルオロフェ
ニル)エチル)シクロヘキサノンを用いて(1-a) と同様
の反応により、80atom%Dの目的物を得た。
【0050】(1-c) 4−n−プロピルシクロヘキサノン
−2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−n−プロピルシクロヘキサノンを
用いて(1-a) と同様の反応により、95atom%Dの目的
物を得た。
【0051】(1-d) 4−n−ペンチルシクロヘキサノン
−2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−n−ペンチルシクロヘキサノンを
用いて(1-a) と同様の反応により、90atom%Dの目的
物を得た。
【0052】(1-e) 4−イソブチルシクロヘキサノン−
2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりにイソブチルシクロヘキサノンを用いて
(1-a) と同様の反応により、90atom%Dの目的物を得
た。
【0053】(1-f) 4−(3−メトキシプロピル)シク
ロヘキサノン−2,2,6,6−d 4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−(3−メトキシプロピル)シクロ
ヘキサノンを用いて(1-a) と同様の反応により、75at
om%Dの目的物を得た。
【0054】(1-g) 4,4−エチレンジオキシシクロヘ
キサノン−2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−(3−メトキシプロピル)シクロ
ヘキサノンを用いて(1-a) と同様の反応により、95at
om%Dの目的物を得た。
【0055】(1-h) 4−(4−フェニル−4−n−プロ
ピル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノン−
2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−(1−フェニル−1−n−プロピ
ル−1−シラシクロヘキ−4−シル)シクロヘキサノン
を用いて(1-a) と同様の反応により、80atom%Dの目
的物を得た。
【0056】(1-i) 4−(4−n−ペンチル−4−フェ
ニル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノン−
2,2,6,6−d4 の製造 上記(1-a) の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノンの代わりに4−(1−n−ペンチル−1−フェニ
ル−1−シラシクロヘキ−4−シル)シクロヘキサノン
を用いて(1-a) と同様の反応により、80atom%Dの目
的物を得た。
【0057】(1-j) 4−(4−トリフルオロメトキシ
フェニル)シクロヘキサノン−3,3,5−d3 の製造 1.0M4−トリフルオロメトキシフェニルマグネシウ
ムブロミドのテトラヒドロフラン溶液150mlと、上
記(1-g) で合成した4,4−エチレンジオキシシクロヘ
キサノン−2,2,6,6−d4 16.0gを反応させ
た。2時間還流しながら攪拌した後冷却し、通常の後処
理操作により4,4−エチレンジオキシ−1−(4−ト
リフルオロメトキシフェニル)シクロヘキサノール−
2,2,6,6−d4 を得た。このものをベンゼン20
0mlに溶かし、p−トルエンスルフォン酸1水和物2
00mgを加え還流させながら生じた水を除去した。通
常の後処理操作により、4,4−エチレンジオキシ−1
−(4−トリフルオロメトキシフェニル)シクロヘキセ
ン−2,2,6−d3 を得た。このものを酢酸エチル2
00mlに溶かし、パラジウム−炭素250mgを加
え、水素雰囲気下に接触還元した。通常のろ過・濃縮操
作により、4,4−エチレンジオキシ−1−(4−トリ
フルオロメトキシフェニル)シクロヘキサン−2,2,
6−d3 を得た。このものを塩化メチレン100mlに
溶かし20%塩酸200mlを加えてアセタール保護基
を加水分解した。通常の後処理操作次いでシリカゲルク
ロマトグラフィーで精製して、95atom%Dの目的物2
1.9g(収率84%)を得た。
【0058】(1-k) 4−(2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル)シクロヘキサノン−3,3,5−d3 の製
造 上記(1-j)の4−トリフルオロメトキシフェニルマグネ
シウムブロミドの代わりに2−(4−メトキシフェニ
ル)エチルマグネシウムブロミドを用いて(1-j)と同様
の反応により、95atom%Dの目的物を得た。
【0059】(1-l) 4−(4−クロロ−3,5−ジフ
ルオロフェニル)シクロヘキサノン−3,3,5,5−
4 の製造 上記(1-g)で合成した4,4−エチレンジオキシシクロ
ヘキサノン−2,2,6,6−d4 16.0gをテトラ
ヒドロフラン150ml中で水素化アルミニウムリチウ
ム2.0gと氷冷下15分間反応させた。通常の後処理
操作により、4,4−エチレンジオキシシクロヘキサノ
ール−2,2,6,6−d4 を得た。このものをジブロ
モトリフェニルフォスフォラン45gを塩化メチレン3
00mlに溶かした溶液に加え、室温で12時間攪拌し
た。通常の後処理操作により、4,4−エチレンジオキ
シシクロヘキシルブロミド−2,2,6,6−d4 を得
た。このものをヨウ化銅(I)100mgを加えた1.
0M4−クロロ−3,5−ジフルオロフェニルマグネシ
ウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液150mlに滴
下し、40℃で5時間反応させた。通常の後処理操作に
より、4,4−エチレンジオキシ−1−(4−クロロ−
3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘキサンを得た。
このものを塩化メチレン100mlに溶かし20%塩酸
200mlを加えてアセタール保護基を加水分解した。
通常の後処理操作、次いでシリカゲルクロマトグラフィ
ーで精製して、95atom%Dの目的物19.9g(収率
80%)を得た。
【0060】(1-m) 4−n−ペンチルシクロヘキサノ
ン、3,3,5,5−d4 の製造 上記(1-g)で合成した4,4−エチレンジオキシシクロ
ヘキサノン−2,2,6,6−d4 16.0gを氷冷
下、テトラヒドロフラン300ml中でn−ペンチルト
リフェニルフォスフォニウムブロミド45gとt−ブト
キシカリウム12.5gを混合したイリド溶液に加え、
ウィッティヒ反応を進行させた。通常の後処理操作によ
り、4,4−エチレンジオキシ−1,1−n−ペンチレ
ンシクロヘキサン−2,2,6,6−d4 を得た。この
ものを酢酸エチル200mlに溶かし、パラジウム−炭
素500mgを加え、水素雰囲気下に接触還元した。通
常のろ過・濃縮操作により、4,4−エチレンジオキシ
−1−n−ペンチルシクロヘキサン−2,2,6,6−
4 を得た。このものを塩化メチレン100mlに溶か
し20%塩酸200mlを加えてアセタール保護基を加
水分解した。通常の後処理操作、次いでシリカゲルクロ
マトグラフィーで精製して、95atom%Dの目的物1
0.7g(収率62%)を得た。
【0061】(1-n) 4−n−プロピルシクロヘキサノ
ン−3,3,5,5−d4 の製造 上記(1-m)のn−ペンチルトリフェニルフォスフォニウ
ムブロミドの代わりにn−プロピルトリフェニルフォス
フォニウムブロミドを用いて(1-m)と同様の反応によ
り、95atom%Dの目的物を得た。
【0062】実施例1 重水素化されたケトン化合物を用いたシラシクロヘキサ
ン化合物の製造 (2-a) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)
−1−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシル−
2,2,6,6−d4 )−1−シラシクロヘキサンの製
造 上記(1-c)で合成した4−n−プロピルシクロヘキサノ
ン−2,2,6,6−d4 14.4gをテトラヒドロフ
ラン150ml中で水素化アルミニウムリチウム2.0
gと氷冷下15分間反応させた。通常の後処理操作によ
り、4−n−プロピルシクロヘキサノール−2,2,
6,6−d4 を得た。このものをジブロモトリフェニル
フォスフォラン45gを塩化メチレン300mlに溶か
した溶液に加え、室温で12時間攪拌した。通常の後処
理操作により、4−n−プロピルシクロヘキシルブロミ
ド−2,2,6,6−d4 を得た。このものをテトラヒ
ドロフラン250ml中でマグネシウムと反応させてグ
リニャール試薬を調製した。このグリニャール試薬に1
−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−1−
シラシクロヘキサン24.6gを加え、ケイ素上での置
換反応を進行させた。通常の後処理操作、次いでシリカ
ゲルクロマトグラフィーで精製して、95atom%Dの目
的物21.4g(収率63%)を得た。 相転移温度:結晶−ネマチック転移温度TCN=25℃ ネマチック−アイソトロピック転移温度TNI=76.5℃
【0063】実施例2 (2-b) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)
−1−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル−
2,2,6,6−d4 )−1−シラシクロヘキサンの製
造 上記(2-a) の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-d) で合成した4−
n−ペンチルシクロヘキサノン−2,2,6,6−d4
を用いて(2-a) と同様の反応により、90atom%Dの目
的物を得た。
【0064】実施例3 (2-c) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)
−1−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシル−
3,3,5,5−d4 )−1−シラシクロヘキサンの製
造 上記(2-a) の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-m)で合成した4−
n−ペンチルシクロヘキサノン−3,3,5,5−d4
を用いて(1-a) と同様の反応により、95atom%Dの目
的物を得た。
【0065】実施例4 (2-d) トランス−4−(4−ジフルオロメトキシフェ
ニル)−1−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキ
シル−2,2,6,6−d4 )−1−シラシクロヘキサ
ンの製造 上記(2-a)の1−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−シラシクロヘキサンの代わりに1−クロ
ロ−4−(4−ジフルオロメトキシフェニル)−1−シ
ラシクロヘキサンを用いて(2-a) と同様の反応により、
95atom%Dの目的物を得た。
【0066】実施例5 (2-e) トランス−4−(3−フルオロ−4−トリフル
オロメトキシフェニル)−1−(トランス−4−n−プ
ロピルシクロヘキシル−2,2,6,6−d4)−1−
シラシクロヘキサンの製造 上記(2-a)の1−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)−1−シラシクロヘキサンの代わりに1−クロ
ロ−4−(3−フルオロ−4−トリフルオロメトキシフ
ェニル)−1−シラシクロヘキサンを用いて(2-a)と同
様の反応により、95atom%Dの目的物を得た。
【0067】実施例6 (2-f) トランス−4−(2−(4−シアノ−3,5−
ジフルオロフェニル)エチル)−1−(トランス−4−
イソブチルシクロヘキシル−2,2,6,6−d4 )−
1−メチル−1−シラシクロヘキサンの製造 上記(2-a)の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-e)で合成した4−
イソブチルシクロヘキサノン−2,2,6,6−d
4 を、1−クロロ−4−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−シラシクロヘキサンの代わりに1−クロロ−
4−(2−(4−シアノ−3,5−ジフルオロフェニ
ル)エチル)−1−メチル−1−シラシクロヘキサンを
用いて(2-a)と同様の反応により、90atom%Dの目的
物を得た。
【0068】実施例7 (2-g) トランス−4−(3,4,5−トリフルオロフ
ェニル)−1−(2−(トランス−4−n−プロピルシ
クロヘキシル−2,2,6,6−d4 )エチル)−1−
シラシクロヘキサンの製造 上記(1-c)で合成した4−n−プロピルシクロヘキサノ
ン−2,2,6,6−d4 14.4gをテトラヒドロフ
ラン150ml中で水素化アルミニウムリチウム2.0
gと氷冷下15分間反応させた。通常の後処理操作によ
り、4−n−プロピルシクロヘキサノール−2,2,
6,6−d4 を得た。このものをジブロモトリフェニル
フォスフォラン45gを塩化メチレン300mlに溶か
した溶液に加え、室温で12時間攪拌した。通常の後処
理操作により、4−n−プロピルシクロヘキシルブロミ
ド−2,2,6,6−d4 を得た。このものをテトラヒ
ドロフラン250ml中でマグネシウム2.4gと反応
させてグリニャール試薬を調製した。このものをエチレ
ンオキシド4.4g、ヨウ化銅(I)100mgとテトラ
ヒドロフラン50mlの混合物中に氷冷下に滴下し、氷
冷下2時間攪拌した。通常の後処理操作により、(4−
n−プロピルシクロヘキサン−2,2,6,6−d4
エタノールを得た。このものをジブロモトリフェニルフ
ォスフォラン45gを塩化メチレン300mlに溶かし
た溶液に加え、室温で12時間攪拌した。通常の後処理
操作により、1−ブロモ−2−(4−n−プロピルシク
ロヘキシル−2,2,6,6−d4 )エタンを得た。こ
のものをテトラヒドロフラン250ml中でマグネシウ
ム2.4gと反応させてグリニャール試薬を調製した。
このものに1−クロロ−4−(3,4,5−トリフルオ
ロフェニル)−1−シラシクロヘキサン26.5gを加
え、ケイ素上での置換反応を進行させた。通常の後処理
操作、次いでシリカゲルクロマトグラフィーで精製し
て、95atom%Dの目的物15.4g(収率40%)を
得た。
【0069】実施例8 (2-h) トランス−4−(4−エトキシ−2,3−ジフ
ルオロフェニル)−1−(2−(トランス−4−n−ペ
ンチルシクロヘキシル−2,2,6,6−d4)エチ
ル)−1−シラシクロヘキサンの製造 上記(2-g)の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-d)で合成した4−
n−ペンチルシクロヘキサノン−2,2,6,6−d4
を、1−クロロ−4−(3,4,5−トリフルオロフェ
ニル)−1−シラシクロヘキサンの代わりに1−クロロ
−4−(4−エトキシ−2,3−ジフルオロフェニル)
−1−シラシクロヘキサンを用いて(2-g)と同様の反応
により、90atom%Dの目的物を得た。
【0070】実施例9 (2-i) トランス−4−(4−(2,2−ジフルオロビ
ニル)フェニル)−1−(2−(トランス−4−(3−
メトキシプロピル)シクロヘキシル−2,2,6,6−
4 )エチル−1−メチル−1−シラシクロヘキサンの
製造 上記(2-g)の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-f) で合成した4−
(3−メトキシプロピル)シクロヘキサノン−2,2,
6,6−d4 を、1−クロロ−4−(3,4,5−トリ
フルオロフェニル)−1−シラシクロヘキサンの代わり
に1−クロロ−4−(4−(2,2−ジフルオロビニ
ル)フェニル)−1−メチル−1−シラシクロヘキサン
を用いて(2-g)と同様の反応により、75atom%Dの目
的物を得た。
【0071】実施例10 (2-j) トランス−4−(4−フルオロフェニル)−1
−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)シクロヘキサン−2,2,6,6−d4の製造 上記(1-a)で合成した4−(4−フルオロフェニル)シ
クロヘキサノン−2,2,6,6−d4 19.6gをテ
トラヒドロフラン150ml中で水素化アルミニウムリ
チウム2.0gと氷冷下15分間反応させた。通常の後
処理操作により、4−(4−フルオロフェニル)シクロ
ヘキサノール−2,2,6,6−d4 を得た。このもの
をジブロモトリフェニルフォスフォラン45gを塩化メ
チレン300mlに溶かした溶液に加え、室温で12時
間攪拌した。通常の後処理操作により、4−(4−フル
オロフェニル)シクロヘキシルブロミド−2,2,6,
6−d4 を得た。このものをテトラヒドロフラン250
ml中でマグネシウム2.4gと反応させてグリニャー
ル試薬を調製した。このものに4−n−ペンチル−4−
フェニル−4−シラシクロヘキサノン26gを加え、2
時間還流しながら攪拌した後冷却し、通常の後処理操作
により4−(4−フルオロフェニル)−1−(1−ヒド
ロキシ−4−n−ペンチル−4−フェニル−4−シラシ
クロヘキシル)シクロヘキサン−2,2,6,6−d4
を得た。このものをベンゼン200mlに溶かし、p−
トルエンスルフォン酸1水和物200mgを加え還流さ
せながら生じた水を除去した。通常の後処理操作によ
り、4−(4−フルオロフェニル)−1−(4−n−ペ
ンチル−4−フェニル−4−シラシクロヘキ−1−セニ
ル)シクロヘキサン−2,2,6,6−d4 を得た。こ
のものを酢酸エチル200mlに溶かし、パラジウム−
炭素250mgを加え、水素雰囲気下に接触還元した。
通常のろ過・濃縮操作により、4−(4−フルオロフェ
ニル)−1−(4−n−ペンチル−4−フェニル−4−
シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−2,2,6,6
−d4 を得た。このものを塩化メチレン200mlに溶
かし、一塩化ヨウ素(ICl)13gを加えた後濃縮し
た。この濃縮液をテトラヒドロフラン100ml中で水
素化アルミニウムリチウム1.8gと氷冷下15分間反
応させた。通常の後処理操作、次いでシリカゲルクロマ
トグラフィーで精製して、95atom%Dの目的物13.
3g(収率38%)を得た。
【0072】実施例11 (2-k) トランス−4−(2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)エチル)−1−(トランス−4−n−ペンチル
−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−2,2,
6,6−d4 の製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに上記(1-b)で
合成した4−(2−(3,4−ジフルオロフェニル)エ
チル)シクロヘキサノン−2,2,6,6−d4 を用い
て(2-j)と同様の反応により、80atom%Dの目的物を
得た。
【0073】実施例12 (2-l ) トランス−4−(2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−3,3,5−
3 の製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに上記(1-k)で
合成した4−(2−(4−メトキシフェニル)エチル)
シクロヘキサノン−3,3,5−d3 を用いて(2-j)と
同様の反応により、95atom%Dの目的物を得た。
【0074】実施例13 (2-m) トランス−4−(4−トリフルオロメトキシフ
ェニル)−1−(トランス−4−n−ブチル−4−シラ
シクロヘキシル)シクロヘキサン−3,3,5−d3
製造 上記(1-j)で合成した4−(4−トリフルオロメトキシ
フェニル)シクロヘキサノン−3,3,5−d3 26.
1gを1.0M2−(4−n−ブチル−4−フェニル−
4−シラシクロヘキシル)エチルマグネシウムブロミド
のテトラヒドロフラン溶液120mlに滴下した。2時
間還流しながら攪拌した後冷却し、通常の後処理操作に
より、4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)−1
−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)シクロヘキサノール−3,3,5−d3 を得た。
このものをベンゼン200mlに溶かし、p−トルエン
スルフォン酸1水和物200mgを加え還流させながら
生じた水を除去した。通常の後処理操作により、4−
(4−トリフルオロメトキシフェニル)−1−(トラン
ス−4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキシル)シク
ロヘキセン−3,3,5−d3 を得た。このものを酢酸
エチル200mlに溶かし、パラジウム−炭素250m
gを加え、水素雰囲気下に接触還元した。通常のろ過・
濃縮操作により、4−(4−トリフルオロメトキシフェ
ニル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラ
シクロヘキシル)シクロヘキサン−3,3,5−d3
得た。このものを塩化メチレン200mlに溶かし、一
塩化ヨウ素(ICl)13gを加えた後濃縮した。この
濃縮液をテトラヒドロフラン100ml中で水素化アル
ミニウムリチウム1.8gと氷冷下15分間反応させ
た。通常の後処理操作、次いでシリカゲルクロマトグラ
フィーで精製して、95atom%Dの目的物30.8g
(収率72%)を得た。
【0075】実施例14 (2-n) トランス−4−(4−クロロ−3,5−ジフル
オロフェニル)−1−(トランス−4−n−ブチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−3,3,5,
5−d4 の製造 上記(2-m )の4−(4−トリフルオロメトキシフェニ
ル)シクロヘキサノン−3,3,5−d3 の代わりに上
記(1-l) で合成した4−(4−クロロ−3,5−ジフル
オロフェニル)シクロヘキサノン−3,3,5,5−d
4 を用いて(2-m)と同様の反応により、95atom%Dの
目的物を得た。
【0076】実施例15 (2-o) トランス−4−(4−エトキシフェニル)−1
−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラシクロヘキ
シル)シクロヘキサン−3,3,5−d3 の製造 上記(1-i)で合成した4−(4−n−ペンチル−4−フ
ェニル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノン−
2,2,6,6−d4 34.5gを1.0M4−エトキ
シフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン
溶液120mlに滴下した。2時間還流しながら攪拌し
た後冷却し、通常の後処理操作により、1−(4−エト
キシフェニル)−4−(4−n−ペンチル−4−フェニ
ル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノール−
2,2,6,6−d4 を得た。このものをベンゼン20
0mlに溶かし、p−トルエンスルフォン酸1水和物2
00mgを加え還流させながら生じた水を除去した。通
常の後処理操作により、1−(4−エトキシフェニル)
−4−(4−n−ペンチル−4−フェニル−4−シラシ
クロヘキシル)シクロヘキセン−2,2,6−d3 を得
た。このものを酢酸エチル200mlに溶かし、パラジ
ウム−炭素250mgを加え、水素雰囲気下に接触還元
した。通常のろ過・濃縮操作により、1−(4−エトキ
シフェニル)−4−(4−n−ペンチル−4−フェニル
−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−2,2,
6−d3 を得た。このものを塩化メチレン200mlに
溶かし、一塩素ヨウ素(ICl)13gを加えた後濃縮
した。この濃縮液をテトラヒドロフラン100ml中で
水素化アルミニウムリチウム1.8gと氷冷下15分間
反応させた。通常の後処理操作、次いでシリカゲルクロ
マトグラフィーで精製して、80atom%Dの目的物1
6.3g(収率44%)を得た。
【0077】実施例16 (2-p) トランス−4−(2−(3−フルオロ−4−メ
チルフェニル)エチル)−1−(トランス−4−n−プ
ロピル−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−
3,3,5−d3 の製造 上記(2-o)の4−(4−n−ペンチル−4−フェニル−
4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサノン−2,2,
6,6−d4 の代わりに上記(1-h)で合成した4−(4
−フェニル−4−n−プロピル−4−シラシクロヘキシ
ル)シクロヘキサノン−2,2,6,6−d4 を、4−
エトキシフェニルマグネシウムブロミドの代わりに2−
(3−フルオロ−4−メチルフェニル)エチルマグネシ
ウムブロミドを用いて(2-o)と同様の反応により、80
atom%Dの目的物を得た。
【0078】実施例17 デューテリド試薬によるケトン化合物の還元を用いたシ
ラシクロヘキサン化合物の製造 (3-a) トランス−4−(4−クロロ−3,5−ジフル
オロフェニル)−1−(トランス−4−n−ブチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−4−d 上記(1-l)の4,4−エチレンジオキシシクロヘキサノ
ン−2,2,6,6−d4 の代わりに4,4−エチレン
ジオキシシクロヘキサノンを、水素化アルミニウムリチ
ウムの代わりに重水素化アルミニウムリチウム(LiA1D4,
95atom%D)を用いて(1-l)と同様の反応により4−
(4−クロロ−3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘ
キサノン−4−dを得た。このものを上記(2-n)の4−
(4−クロロ−3,5−ジフルオロフェニル)シクロヘ
キサノン−3,3,5,5−d4の代わりに用いて(2-
n)と同様の反応により95atom%Dの目的物を得た。
【0079】実施例18 (3-b) トランス−4−(4−クロロ−3,5−ジフル
オロフェニル)−1−(トランス−4−n−ブチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−3,3,4,
5,5−d5 上記(3-a)の4,4−エチレンジオキシシクロヘキサノ
ンの代わりに上記(1-g)で合成した4,4−エチレンジ
オキシシクロヘキサノン−2,2,6,6−d 4 を用い
て(3-a)と同様の反応により95atom%Dの目的物を得
た。
【0080】実施例19 (3-c) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−(トランス−4−n−ヘキシルシクロヘキシ
ル−1−d)−1−シラシクロヘキサンの製造 上記(2-a)の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに4−n−ヘキシルシクロヘ
キサノンを、水素化アルミニウムリチウムの代わりに重
水素化アルミニウムリチウム(LiAlD4,95atom%D)
を用いて上記(2-a)と同様の反応により95atom%Dの
目的物を得た。
【0081】実施例20 (3-d) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−(トランス−4−n−プロピルシクロヘキシ
ル−1,2,2,6,6−d5 )−1−シラシクロヘキ
サンの製造 上記(2-a)の水素化アルミニウムリチウムの代わりに重
水素化アルミニウムリチウム(LiA1D4,95atom%D)を
用いて上記(2-a)と同様の反応により95atom%Dの目
的物を得た。
【0082】実施例21 (3-e) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニ
ル)−1−(トランス−4−n−ペンチルシクロヘキシ
ル−1,3,3,5,5−d5 )−1−シラシクロヘキ
サンの製造 上記(2-a)の4−n−プロピルシクロヘキサノン−2,
2,6,6−d4 の代わりに上記(1-m)で合成した4−
n−ペンチルシクロヘキサノン−3,3,5,5−d4
を水素化アルミニウムリチウムの代わりに重水素化アル
ミニウムリチウム(LiA1D4,95atom%D)を用いて上記
(2-a)と同様の反応により95atom%Dの目的物を得
た。
【0083】実施例22 (3-f) トランス−4−(4−n−ペンチルオキシフェ
ニル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラ
シクロヘキシル)シクロヘキサン−1−dの製造 上記
(2-j)の4−4(フルオロフェニル)シクロヘキサノン
−2,2,6,6−d4 の代わりに4−(4−n−ペン
チルオキシフェニル)シクロヘキサノンを、水素化アル
ミニウムリチウムの代わりに重水素化アルミニウムリチ
ウム(LiA1D4,98atom%D)を用いて上記(2-j)と同様
の反応により98atom%Dの目的物を得た。
【0084】実施例23 (3-g)トランス−4−(3−フルオロ−4−メチルフェ
ニル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4−シラ
シクロヘキシル)シクロヘキサン−1−dの製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに4−(3−フ
ルオロ−4−メチルフェニル)シクロヘキサノンを、水
素化アルミニウムリチウムの代わりに重水素化アルミニ
ウムリチウム(LiA1D4,98atom%D)を用いて(2-j )
と同様の反応により98atom%Dの目的物を得た。
【0085】実施例24 (3-h) トランス−4−(4−トリフルオロメトキシフ
ェニル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4−シ
ラシクロヘキシル)シクロヘキサン−1,3,3,5−
4 の製造 上記(2-j )の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘ
キサノン−2,2,6,6−d4 の代わりに上記(1-j)
で合成した4−(4−トリフルオロメトキシフェニル)
シクロヘキサノン−3,3,5−d3 を、水素化アルミ
ニウムリチウムの代わりに重水素化アルミニウムリチウ
ム(LiA1D4,95atom%D)を用いて(2-j )と同様の反
応により95atom%Dの目的物を得た。
【0086】実施例25 (3-i) トランス−4−(2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)エチル)−1−(トランス−4−n−ペンチル
−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−1−dの
製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに4−(2−
(3,4−ジフルオロフェニル)エチル)シクロヘキサ
ノンを、水素化アルミニウムリチウムの代わりに重水素
化アルミニウムリチウム(LiA1D4,95atom%D)を用い
て(2-j)と同様の反応により95atom%Dの目的物を得
た。
【0087】実施例26 (3-j) トランス−4−(2−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)エチル)−1−(トランス−4−n−ペンチル
−4−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−1,2,
2,6,6−d5 の製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに4−(2−
(3,4−フルオロフェニル)エチル)シクロヘキサノ
ンを、水素化アルミニウムリチウムの代わりに重水素化
アルミニウムリチウム(LiA1D4,80atom%D)を用いて
(2-j)と同様の反応により80atom%Dの目的物を得
た。
【0088】実施例27 (3-k) トランス−4−(2−(4−メトキシフェニ
ル)エチル)−1−(トランス−4−n−ペンチル−4
−シラシクロヘキシル)シクロヘキサン−1,3,3,
5−d4 の製造 上記(2-j)の4−(4−フルオロフェニル)シクロヘキ
サノン−2,2,6,6−d4 の代わりに上記(1-k)で
合成した4−(2−(4−メトキシフェニル)エチル)
シクロヘキサノン−3,3,5−d3 を、水素化アルミ
ニウムリチウムの代わりに重水素化アルミニウムリチウ
ム(LiA1D4,95atom%D)を用いて(2-j)と同様の反応
により95atom%Dの目的物を得た。
【0089】
【発明の効果】本発明は、液晶物質の特性の向上を目的
として新規に開発された液晶化合物に関するもので、そ
の特長は分子構造中にシラシクロヘキサン環及び部分的
に重水素化されたシクロヘキサン環を有するところにあ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻原 勤 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内 (72)発明者 中島 睦雄 新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28番地の 1 信越化学工業株式会社合成技術研究所 内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 〔上式中、Rは、H、炭素数1〜10の直鎖状アルキル
    基、炭素数3〜8の分枝鎖状アルキル基、炭素数2〜7
    のアルコキシアルキル基、炭素数2〜10のモノまたは
    ジフルオロアルキル基、または炭素数2〜8のアルケニ
    ル基を表す。Z1 およびZ2 は、単結合または−CH2
    CH2 −を表すが、Z1 またはZ2のいずれか一方が−
    CH2 CH2 −である場合、他方は単結合である。X
    は、H、F、Cl、CN、OCHF2 、OCF3 、CF
    3 、OCk 2k+1(kは、1〜5の整数を表す。)、C
    k 2k+1(kは、1〜5の整数を表す。)、(O)s
    p q r (sは、0または1を表し、pは、2、3、
    または4を表し、qとrは、0または正の整数を表す
    が、q+r=2p+1の関係を有する。)、(O)s
    1 =CX1 2 (sは、0または1を表し、X1 およ
    びY1 は、H、F、またはClを表し、X2 は、Fまた
    はClを表す。)を表す。YおよびZは、HまたはFを
    表す。 【化2】 のいずれか一方が、1位または4位のケイ素が、H、
    F、Cl、またはCH3 の置換基を有するトランス−1
    −シラ−1,4−シクロヘキシレン基またはトランス−
    4−シラ−1,4−シクロヘキシレン基を表し、かつ他
    方が、1〜5個の水素が重水素で置換されたトランス−
    1,4−シクロヘキシレン基を表す。〕で表されるシラ
    シクロヘキサン化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のシラシクロヘキサン化
    合物を含有することを特徴とする液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の液晶組成物を含有する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100460377C (zh) * 2006-09-14 2009-02-11 烟台万润精细化工股份有限公司 环己醇衍生物的制备方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100460377C (zh) * 2006-09-14 2009-02-11 烟台万润精细化工股份有限公司 环己醇衍生物的制备方法

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