JPH11605A - 連続走行フィルム用塗布方法 - Google Patents

連続走行フィルム用塗布方法

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Publication number
JPH11605A
JPH11605A JP15236497A JP15236497A JPH11605A JP H11605 A JPH11605 A JP H11605A JP 15236497 A JP15236497 A JP 15236497A JP 15236497 A JP15236497 A JP 15236497A JP H11605 A JPH11605 A JP H11605A
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JP
Japan
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film
die
coating
downstream
span
Prior art date
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Pending
Application number
JP15236497A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasusuke Nakanishi
庸介 中西
Hiroshi Tokuda
寛志 徳田
Shinji Numazawa
伸二 沼澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPH11605A publication Critical patent/JPH11605A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイの角度調整機能と同様の効果を有し、容
易にかつ精度良く最適な塗布条件が得られるダイの調整
方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 1対のサポートロールに支持され走行す
るフィルムの少なくとも一方の表面に、ダイのスリット
から押し出した塗液を連続的に塗布する塗布方法におい
て、フィルムに対してダイを進退させ、かつフィルムの
走行方向に対して平行にダイをスライド移動させて塗布
することにより、塗布膜の厚み分布を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイにより走行す
るフィルムに塗膜を連続的に形成する塗布方法に関す
る。さらに詳しくは、ダイによる走行フィルムへの高速
オフラインコートまたはフィルム製造工程での高速イン
ラインコートに適用でき、均一かつ良好な外観を有する
塗膜(コート層とも言われる)を形成するためにダイの
位置を調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスティックフィルム等のフィルム
(シート状基材を含めてフィルムと総称する)に、易接
着性、易滑性、ガス遮断性、防湿性、制電性、インク受
容性等の機能を付与する目的でコーティング加工するこ
とが一般的に行われている。これに用いるコーターとし
て、例えばグラビアコーター、キスロールコーター、カ
ーテンコーター、ナイフコーター、エクストルージョン
ダイコーター等が知られており、中でもエクストルージ
ョンダイコーターは高速域で均一かつ良好な塗布膜が得
られる点で優れている。
【0003】ところで、ダイのスリットから押し出した
塗液をフィルムに塗布する方式は、1対のサポートロー
ルに支持された走行フィルムに塗布するフリースパン方
式とバックアップロールに支持されて走行するフィルム
に塗布するオポジット方式に大別できる。いずれの場合
も、フィルムの表面に均一で良好な塗布面を形成するた
めに、ダイ先端のダイリップとフィルムの微小間隙を最
適範囲に調整することが重要である。この最適な微小間
隙の範囲はフィルムの塗布条件(走行速度、塗布厚み
等)や塗液の性状(粘度、表面張力等)により異なる。
【0004】ここでフリースパン方式の場合は、微小間
隙にある塗液の液圧によりフィルムが変形するため、フ
ィルムの張力、厚み、物性(縦弾性係数等)によっても
微小間隙の最適範囲が異なり、上記液圧とフィルムから
の反力が釣り合う位置がダイの安定塗布位置となる。従
ってフリースパン方式の場合はロールの振れによる振動
の影響を回避できる一方で、数多くの塗布パラメータに
より決まる最適な微小間隙を満足させるように塗布条件
を決める必要がある。
【0005】オポジット方式によるダイの姿勢制御方法
および装置については、数多く提案されており、例えば
特開平8−57389号公報に、フィルムに対してダイ
を直線的に進退させることによりダイ先端のダイリップ
とフィルムの間隙を調整する機能と、フィルムに対する
ダイの角度を調整する機能を備えたダイコーターセット
が開示されている。即ち、特開平8−57389号公報
では、ダイ先端のリップ部が上リップ部と下リップ部で
構成されている場合に、上リップ部とフィルム間の間隙
(上ギャップ)と下リップ部とフィルム間の間隙(下ギ
ャップ)が等しくなるように調整するのが一般的である
が、条件によってはダイの角度を振って上ギャップと下
ギャップを異なる値にすることで安定した塗布状態が得
られる場合があると記述されている。また、特開平7−
313917号公報には、バックアップロールとダイリ
ップ先端との微小間隙をダイの幅方向に渡り均一に調整
するため、ダイをベンディンさせることのできるリップ
コーター型塗工装置が開示されている。例えば1mを越
えるような広幅のダイではバックアップロール自体のた
わみ等が無視できない。従って、ダイをベンディングさ
せることによりバックアップロールとの微小間隙を一定
に維持する方法は、幅方向に均一な塗布を得るために有
効な手段の一つである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、塗布品
質の向上および大量生産によるコストダウンを目的に、
1mを越える広幅のダイを用い、高速で走行するフィル
ムに対し、均一な塗布膜を形成することが要求されてい
る。広幅のダイを用いた高速塗布の場合、オポジット方
式ではバックアップロールの振れによるフィルムの振動
の影響が大きくなり均一な塗布が困難なため、振れの影
響を緩和するために、フリースパン方式で塗布せざるを
得ない現状がある。
【0007】このフリースパン方式でダイ幅方向に均一
な塗布を安定した状態で行うには、オポジット方式と同
様に、(1)ダイをフィルムに対して進退させること、
(2)フィルムに対するダイの角度を振ることが必要で
あり、さらに(3)ダイをベンディングさせることが1
つの手段として必要である。しかし、(1)と(3)は
直線的な調整であるのに対し、(2)は回転を伴う移動
であるために、これら(1)〜(3)の機能を同時に備
えたダイおよびダイを支持するフレームを考えた場合、
ダイとフレームを一体化する必要が生じる。即ち、ダイ
のみを独立に角度調整した場合は、ダイとフレームがフ
ィルムに対して異なる角度で位置することになるため、
フレームを基点としダイがねじれないようにベンディン
グさせることが極めて困難となる。そこで、ダイとフレ
ームを一体化しダイの調整を実施すれば良いことになる
が、塗布条件にもよるが(1)の調整精度は数μm、さ
らに(2)の姿勢制御は0.05°の精度が必要なこと
が経験的に判明している。一方、ダイをベンディングさ
せるにはダイの曲げ剛性以上の剛性を有する支持フレー
ムが必要であり、ダイとフレームを一体化すると塗布装
置はかなり大型化する。このように大型化した場合、直
線的な調整を精度良く行うことは比較的容易であるが、
角度を振ることは極めて困難である。
【0008】本発明は、上記課題を回避するために、ダ
イの角度調整機能と同様の効果を有し、容易にかつ精度
良く最適な塗布条件が得られるダイの調整方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の連続走行フィル
ムの塗布方法は、1対のサポートロールに支持され走行
するフィルムの少なくとも一方の表面に、ダイのスリッ
トから押し出した塗液を連続的に塗布する塗布方法にお
いて、上記フィルムに対して該ダイを進退させ、かつフ
ィルムの走行方向に対して平行にダイをスライド移動さ
せて塗布することにより、塗布膜の厚み分布を制御する
ことを特徴としている。
【0010】図1は本発明の一つの塗布状態を示したも
のであり、本発明を容易に説明するために例示的に示し
たダイ1は平面で構成された上流側のリップ面2および
下流側のリップ面3を有し、それらの間にマニホールド
5と連絡したスリット4を有する。また、ダイ1に対し
てその上流側と下流側にサポートロール7と8が配置さ
れ、フィルム6はサポートロール7を通って、上流側の
リップ面2および下流側のリップ面3に沿って走行した
後、サポートロール8を通って下流へと導かれる。
【0011】一方、図2はダイ1が退避した未塗布状態
の図を示したものであり、座標軸Xはフィルム6に対し
平行、座標軸Yはフィルム6に対して垂直な方向にとっ
ている。また、スリット4から上流側と下流側のサポー
トロール7と8のそれぞれの回転軸に至る座標軸X方向
での距離を、それぞれL1(以後、上流スパンとす
る。)とL2(以後、下流スパンと呼ぶ)としている。
【0012】さらに図3は、ダイ1をフィルム6に押し
つけて塗布を行なっている際の、リップ面付近の拡大図
である。図中t1はフィルム6と上流側リップ面2との
間隙(以後、上流ギャップと呼ぶ)、t2はフィルム6
と下流側リップ面3との間隙(以後、下流ギャップと呼
ぶ)、θ1とθ2はダイ1に至るフィルムの上流側と下
流側それぞれからのフィルムの仰角、T1とT2の矢印
はフィルム上流側と下流側それぞれでのフィルム張力の
ダイに作用する分力を示す。
【0013】以上のように例示した構成を有する塗布装
置において、ダイを座標軸Y方向に押込み、さらに座標
軸X方向にダイをスライドさせることで塗布する場合に
ついて、フィルムとダイリップ先端との間隙の変化およ
び塗布状態を説明する。
【0014】まず、上流スパンL1と下流スパンL2が
等しくなるようにして塗布した場合、上流ギャップt1
と下流ギャップt2はほぼ同値となる。これはフィルム
の仰角θ1とθ2が同値であるため、フィルム張力のダ
イに作用する分力のうち、上流側の分力T1と下流側の
分力T2が同値となるためである。
【0015】フリースパン方式での塗布は、上流ギャッ
プt1と下流ギャップt2をt1>t2とすることによ
り液圧が発生し、フィルムを浮上させることで塗布を行
える。しかし、上流スパンL1と下流スパンL2が等し
い場合はほとんど液圧が発生しないため、実際には微小
間隙を維持できず塗液がダイリップ先端からこぼれ落ち
るてしまう。
【0016】一方、上記の条件よりダイを座標軸X方向
にスライドさせ、上流スパンL1と下流スパンL2がL
1>L2となるように塗布した場合、フィルム仰角およ
び分力の関係はそれぞれθ1<θ2,T1<T2とな
り、その結果、上流ギャップt1と下流ギャップt2は
t1>t2となりフィルムを浮上させる液圧が発生し塗
布を行える。従って、フィルムに対するダイの角度を下
流ギャップt2を絞る方向に振った場合とあたかも同じ
ように塗布できる。しかし、下流スパンL2をさらに小
さくした場合、下流ギャップt2も小さくなり、塗液が
下流ギャップt2を通過できずダイの両端へ逃げる塗液
の流れが生じ、ダイ両端の塗布膜厚が極端に厚くなる
か、あるいは幅方向の塗布量分布が緩やかな凹分布とな
ってしまう。
【0017】
【実施例】まず、条件aとして図1に示す塗布装置を用
い、幅200mm、厚み72μm、張力60kgのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを速度200m/分で
走行させ、ダイを上流スパンL1=205.0mm,下
流スパンL2=65.0mmに位置に配置し、10cP
の粘度の水系エマルジョン塗液(ポリエステルバインダ
ーを含む)をウェット膜厚8μmで塗布した。
【0018】ダイ1をフィルム6にY軸方向に620μ
m押込んでだ時点で、フィルムとダイリップ先端に安定
した塗液膜が形成されたため、スポット径8μmの非接
触の変位計を用いダイの幅方向中央部における上流ギャ
ップt1と下流ギャップt2を測定し、さらに膜厚計で
フィルムの端部と中央部のウェット膜厚を測定した。そ
の結果、t1=96.5μm、t2=8.0μm、そし
てダイ端部のウェット膜厚が中央部の膜厚より1.0μ
m大きかった。
【0019】次いで条件bとして、条件aよりもダイを
上流側に2.5mmスライドさせ(すなわちL1=20
2.5mm、L2=67.5mm)、同様の測定を行っ
た。その結果、t1=65.0μm、t2=9.0μ
m、そしてダイ端部と中央部のウェット膜厚に差はなか
った。
【0020】さらに条件cとして、条件bの位置でダイ
を下流ギャップt2が狭くなる方向に0.1度傾け同様
の測定を行った。その結果、t1=89.5μm、t2
=8.0μm、そしてダイ端部のウェット膜厚が中央部
より0.8μm大きかった。
【0021】条件a〜cを比較すると条件bにおいて幅
方向に均一に塗布を行うことができた。また、ダイをス
ライドさせることで上流ギャップt1と下流ギャップt
2を制御でき、ダイの角度を振った場合と同様の効果が
あることが確認できた。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、ダイをフィルムに対し
て進退およびスライドさせることで、容易に最適な塗布
条件に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】フーリースパン方式のダイコーティング装置
(塗布状態)
【図2】フーリースパン方式のダイコーティング装置
(未塗布状態)
【図3】塗布時のリップ面付近拡大
【符号の説明】
1 ダイ 2 上流側のダイリップ面 3 下流側のダイリップ面 4 スリット 5 マニホールド 6 フィルム 7 上流側のサポートロール 8 下流側のサポートロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対のサポートロールに支持され走行す
    るフィルムの少なくとも一方の表面に、ダイのスリット
    から押し出した塗液を連続的に塗布する塗布方法におい
    て、フィルムに対してダイを進退させ、かつフィルムの
    走行方向に対して平行にダイをスライド移動させて塗布
    することにより、塗布膜の厚み分布を制御することを特
    徴とする連続走行フィルムの塗布方法。
JP15236497A 1997-06-10 1997-06-10 連続走行フィルム用塗布方法 Pending JPH11605A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15236497A JPH11605A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 連続走行フィルム用塗布方法

Applications Claiming Priority (1)

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JP15236497A JPH11605A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 連続走行フィルム用塗布方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11605A true JPH11605A (ja) 1999-01-06

Family

ID=15538926

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15236497A Pending JPH11605A (ja) 1997-06-10 1997-06-10 連続走行フィルム用塗布方法

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JP (1) JPH11605A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4802200A (en) * 1985-08-27 1989-01-31 Nippon Telegraph And Telephone Corporation Radio telephone system control apparatus and method
US7785654B2 (en) 2001-03-16 2010-08-31 Kao Corporation Method of producing cosmetics-impregnated sheet

Cited By (2)

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