JPH1160468A - 浴用組成物 - Google Patents

浴用組成物

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JPH1160468A
JPH1160468A JP24218597A JP24218597A JPH1160468A JP H1160468 A JPH1160468 A JP H1160468A JP 24218597 A JP24218597 A JP 24218597A JP 24218597 A JP24218597 A JP 24218597A JP H1160468 A JPH1160468 A JP H1160468A
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喬太郎 蓮沼
Shusuke Hanaoka
秀典 花岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚に対し刺激性がなく、血行を促進して発汗
作用を高め、保温効果に優れ、且つ美肌効果(肌のつ
や、きめおよびしっとり感)に優れた浴用組成物を提供
するにある。 【解決手段】L−カルニチン塩を配合することを特徴と
する浴用組成物により、更にL−カルニチン塩と海水を
乾燥させたことにより得たいわゆる海水乾燥物10〜9
0重量%および無水ケイ酸0.1〜5重量%とを組み合
わせて配合することを特徴とする浴用組成物によって達
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、皮膚に対し刺激性
がなく、血行を促進して発汗作用を高め、保温効果に優
れ、且つ美肌作用(肌のつや、きめおよびしっとり感)
に優れた浴用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
浴用組成物は、その成分として硫酸ナトリウム、炭酸水
素ナトリウム、塩化ナトリウム等のいわゆる無機塩類を
主成分とし、これに香料、油分、色素等の補助成分を適
宜配合し、入浴時の気分を爽快にし、血行を促進させ、
新陳代謝を高めるとして、多種多用のものが上市されて
いる。しかしながら、現在の浴用組成物は、血行を促進
し、新陳代謝を高めることによる発汗効果、保温効果、
且つ優れた美肌作用効果を得るには不充分といった問題
があった。
【0003】一方、血行を促進し、新陳代謝を高めるこ
とによる発汗効果、保温効果を得、更に優れた美肌作用
効果を得るための浴用組成物は、浴槽のお湯200lに
対し25g〜30gといった使用量が一般的である。し
かし、血行促進もしくは新陳代謝を高めるに充分な発汗
・保温効果を得るには浴槽のお湯200lに対しての使
用量を増加するか、有効成分の1つである生薬成分を増
加する方法等が考えられる。しかし、使用量の増加や有
効成分を増加すると、無機塩のアルカリ成分で脱脂され
たり,肌がザラついたりするという欠点がある。
【0004】かかる事情に鑑み、血行を促進して発汗作
用を高め、保温効果に優れ、且つ美肌効果に優れた浴用
組成物について鋭意検討した結果、L−カルニチン塩を
配合した浴用組成物が皮膚に対し刺激性がなく、有効な
血行促進、保温効果および美肌効果(肌のつや、きめお
よびしっとり感)を有することを見いだし、更にL−カ
ルニチン塩に海水乾燥物および無水ケイ酸を配合するこ
とによって一層の発汗作用、保温効果および美肌効果を
高めることを見いだし、本発明を完成するに至ったもの
であって、その目的とするところは、皮膚に対し刺激性
がなく、血行を促進して発汗作用を高め、保温効果に優
れ、且つ美肌効果(肌のつや、きめおよびしっとり感)
に優れた浴用組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、L−カル
ニチン塩を配合することを特徴とした浴用組成物によ
り、更にL−カルニチン塩と海水を乾燥させたことによ
り得たいわゆる海水乾燥物10〜90重量%および無水
ケイ酸0.1〜5重量%とを組み合わせ配合することを
特徴とした浴用組成物によって達成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について詳述
する。
【0007】本発明に利用されるL−カルニチン塩の塩
としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無機塩、アセ
テート、シトレート、ニコチネート、サリチレートなど
の有機酸塩などが挙げられる。
【0008】本発明に用いられるL−カルニチン塩の配
合量としては、当該浴用組成物の総量を基準として、
0.1〜20重量%が相応しく、特に0.5〜10重量
%が好ましい。0.1重量%より少ないと効果の発現性
が充分でなく、また20重量%より多いと原価の点から
相応しくない場合がある。
【0009】本発明で用いる海水乾燥物としては、海水
を原料にして水分を減少させた天然塩または海水をその
まま熱風乾燥あるいは凍結乾燥したものが挙げられる
が、浴用組成物の品質安定性を保持する上からべたつき
の原因になる塩類を必要に応じて減少させるために、い
わゆる逆浸透膜などで脱塩処理を行い、凍結乾燥して粉
砕した海水乾燥物が特に好ましい。
【0010】該脱塩した海水乾燥物は、そのまま海水を
凍結乾燥したものと比較して塩素、ナトリウムが減少し
ているほかは、マグネシウム、カリウム、リン等のいわ
ゆる微量元素が豊富に含まれている。また、該脱塩した
海水乾燥物の方が前述の如くべたつきの原因となる塩類
が減少しているため浴用組成物に配合する際の作業性あ
るいは浴用組成物の品質安定性を保持する上でも特に好
ましい。
【0011】本発明に用いられる海水乾燥物の配合量に
ついては、当該浴用組成物の総量を基準として、10〜
90重量%で好ましく、特に10〜60重量%が好まし
い。10重量%より少ないと効果の発現性が充分でな
く、また90重量%より多いと原価の点、安定性の点か
ら相応しくない。
【0012】海水乾燥物は、物性上吸湿性が高く、これ
らに通常配合される香料や他の植物エキス、油分等を添
加すると製造時組成物が固結してしまい流動性が悪く、
製造時に扱いにくい等の作業状の欠点があり、また製品
の外観が悪く容器からスムーズに出にくい。しかし、無
水ケイ酸を配合することによりこれらの問題は解決でき
る。
【0013】本発明に用いられる無水ケイ酸としては、
ケイ酸ナトリウム液に酸を反応させ分解して作られる公
知の化合物で良く、例えば市販品としてサイロピュア
(富士ディビゾン化学株式会社製)等の市販品が挙げら
れる。また、これらの粒径について通常知られていると
ころの平均粒子径2〜4ミクロンが好ましい。
【0014】本発明に用いられる無水ケイ酸の配合量と
しては、当該浴用組成物の総量を基準として、0.1〜
5重量%が好ましく、特に0.2〜3重量%が好まし
い。0.1重量%より少ないと組成物の固結防止効果の
発現性が充分でなく、また5重量%より多いと溶解時の
外観の点から相応しくない。
【0015】上記組成よりなる本発明の浴用組成物は、
皮膚に対し刺激性がなく、皮膚のつや、きめ、しっとり
感の美肌作用を持ち、血行促進して発汗作用および保温
効果を高めるという優れた効果を有する浴用組成物を提
供できる。
【0016】本発明におけるL−カルニチン塩、海水乾
燥物、および無水ケイ酸以外に配合できる浴用組成物成
分としては、以下のような通常浴用組成物に使用されて
いるものから適宜選択出来る。
【0017】1)無機塩類 塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、ホウ酸、ほう砂、硫酸ナトリウム、硫化ナトリウ
ム、硫化カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、
硫酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、リン酸水素カ
ルシウム、塩化カリウム、塩化アンモニウム、リン酸ナ
トリウム、次亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸カルシウム、
硫黄、尿素、セスキ炭酸ナトリウム、硫酸マグネシウム
等。
【0018】2)無機酸類 メタケイ酸、ホウ酸等。
【0019】3)有機酸類 安息香酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、リンゴ酸、サ
リチル酸等。
【0020】4)油脂類 オリーブ油、大豆油、アーモンド油、ひまし油、やし
油、パーム油、タートル油、ヌカ油、ホホバ油、ミンク
油、卵黄油、スクワラン、アボガド油、ラノリン、流動
パラフィン、白色ワセリン、DHA、EPA等。
【0021】5)粘結剤類 カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロ
ース、ナトリウム塩、カゼイン、ぺクチン、デンプン、
アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルピロリドン、ローカストビーンガム、カラギナン、
寒天、カーボポール等。
【0022】6)多価アルコール類 グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、ポ
リエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール
等。
【0023】7)香料類 ラベンダー油、ジャスミン油、ローズ油、レモン油、オ
レンジ油、ハッカ油、タイム油、ショウブ油、ウイキョ
ウ油、スギ油、ヒバ油、ヒノキ油、バラ油、ユーカリ
油、カンファー、ペパーミント油、スペアミント油、ゲ
ラニオール、ミカン油、トウヒ、シトロネロール等の天
然及び合成香料等。
【0024】8)植物粉末及び生薬類(エキス、粉末) レモンの皮、海藻、ヒノキ、ヒバ、米ヌカ、シュウブ、
ショウキョウ、カンゾウ、チンピ、トウヒ、トウキ、ニ
ンジン、ハッカ、ケイヒ、ウバイ、ヨモギ、ドクダミ、
モモノハ、カミツレ、アロエ、ジャスミン、ローズヒッ
プ、ラベンダー、グァバ、オウゴン、クコ、レイシ、ニ
ワトコ、アシタバ、ウコギ、ゴボウ、カンゾウ等の粉砕
物及びその水溶性もしくは油溶性抽出液。
【0025】さらに、本発明の浴用剤組成物は、上記の
もの以外にも、必要に応じてその他の成分として、殺菌
剤、界面活性剤、ビタミン類、高分子化合物、抗炎症剤
および化粧品用タール系色素等を適宜配合出来る。
【0026】本発明の浴用組成物の使用量としては、一
般浴槽200l当たり通常25〜30gである。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づき本発明を詳
細に説明する。
【0028】海水乾燥物の調製方法 海水5Kgを1時間加熱し漂白剤を少量加え、15分攪
拌後濾過し不純物を取り除いた後、冷却する。これを凍
結乾燥し、生成した固形物を粉砕し海水乾燥物約50g
(試料1)を得た。また、凍結乾燥する前に溶液を逆浸
透法を用い減塩し、その後凍結乾燥して得られた脱塩海
水乾燥物約30g(試料2)を得た。表1に海水をその
まま乾燥した海水乾燥物(試料1)と脱塩(逆浸透法)
してから乾燥させた海水乾燥物(試料2)の成分含量の
比較した例を表す。尚、脱塩海水乾燥物は、採取した海
水により多少成分含量のばらつきが生じた為その含量範
囲で示す。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1、2および比較例1、2 表2の組成から成る浴用組成物について実施例1および
2と比較例1および2とを比べ評価した。製法は通常の
浴用組成物の方法に準じた。尚、組成の量は重量%で示
す。
【0031】
【表2】
【0032】(1)美肌効果 評価方法は、10人に対し、入浴中の感触、入浴後の感
触および一週間連用した後の皮膚の状態について評価し
た。40℃のお湯を浴槽に約200l入れ、実施例1、
実施例2、比較例1および比較例2の組成からなる浴用
組成物をそれぞれ30gを投入し、10分間入浴した。
それぞれの評価項目について5段階で評価を行い、非常
に良い5点、良い4点、普通3点、変化なし2点、悪い
1点の点数を記入しその平均を取った。その結果を、表
3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3より、明らかに実施例1および2は、
比較例1および2に比べ入浴中の皮膚に対する感触が良
く、刺激も無く、入浴後の肌につや、きめ、しっとり感
(保湿性)を与え美肌効果に優れていることが認められ
た。
【0035】(2)発汗効果および保温効果(水分蒸散
量と皮膚表面温度の経時変化) 表4に示す実施例1、2および比較例1および2と浴槽
に有効成分を何も添加しない淡水浴について比較した。
40℃のお湯を浴槽に約200l入れ、淡水浴はそのま
ま、実施例1、2および比較例1、2は各々30gずつ
投入し、15分間入浴した。入浴浴湯温度は40℃、入
浴時間は5分入浴、5分休憩、10分入浴の反復浴と
し、25℃、60%の恒温恒湿室にて、(1)発汗効果
は、額部の水分蒸散量を発汗量とし、フォーション社製
ハイドログラフを用い、面積1cm2の換気カプセルを用
い測定した。(2)保温効果の評価は、胸部の温度を日
本電気三栄製サーモグラフィーにて測定した。
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】以上表4、表5の結果より、実施例1およ
び2は、比較例1、2および淡水浴と比較して、入浴後
60分においても、水分蒸散量が多いことから発汗作用
が高く、また皮膚表面温度についても、比較例および淡
水浴と比較して、高いことから保温性に優れている。
【0039】実施例3、4および比較例3 表6の組成から成る浴用組成物について実施例3、4と
比較例3とを比べ評価した。試料の製法は通常の浴用組
成物の方法に準じた。尚、組成の量は重量%で示す。
【0040】
【表6】
【0041】(1)美肌効果と皮膚刺激性 評価方法は、10人に対し、入浴中の感触、入浴後の感
触および一週間連用した後の皮膚の状態について評価し
た。実施例1に記載した方法および評価に準じて実施し
た。その結果を、表7に示す。
【0042】
【表7】
【0043】表7より、明らかに実施例3および4は、
比較例3に比べ入浴中の皮膚に対する感触が良く、刺激
も無く、入浴後の肌につや、きめ、しっとり感(保湿
性)を与え美肌効果に優れていることが認められた。
【0044】(2)発汗効果および保温効果(水分蒸散
量と皮膚表面温度の経時変化) 表6に示す実施例3、4および比較例3と浴槽に有効成
分を何も添加しない淡水浴について実施例1に記載した
発汗効果(水分蒸散量)測定および保温効果(皮膚表面
温度)測定方法に準じて実施した。
【0045】
【表8】
【0046】
【表9】
【0047】以上表8、表9の結果より、実施例3およ
び4は、比較例3および淡水浴と比較して、入浴後60
分においても、水分蒸散量が多いことから発汗作用が高
く、また皮膚表面温度についても、比較例および淡水浴
と比較して、高いことから保温性に優れている。L−カ
ルニチン塩酸塩、脱塩海水乾燥物(試料2)および無水
ケイ酸を組み合わせた実施例4は、L−カルニチン塩酸
塩、海水乾燥物(試料1)および無水ケイ酸を組み合わ
せた実施例2より美肌効果、発汗作用、保温効果におい
てより一層優れた効果が認められた。
【0048】実施例5〜7 実施例5、6および7の浴用組成物を表10に示した。
製法は通常の浴用組成物の方法に準じた。尚、組成の量
は重量%で示す。
【0049】
【表10】
【0050】実施例5、6および7の浴用組成物につい
ても実施例1〜4と同様に美肌効果(肌のつや、きめお
よびしっとり感)、発汗作用および保温効果について評
価したところ、いずれも淡水浴に比較して優れた効果を
認めた。皮膚刺激性もなかった。
【0051】
【発明の効果】以上記載のごとく、本発明が、従来の浴
用組成物に比べ、皮膚に対し刺激性がなく、血行を促進
して発汗作用を高め、保温効果にも優れ、且つ美肌作用
(肌のつや、きめおよびしっとり感)に優れた浴用組成
物を提供することは明らかである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L−カルニチン塩を配合することを特徴
    とする浴用組成物。
  2. 【請求項2】 更に海水乾燥物10〜90重量%および
    無水ケイ酸0.1〜5重量%を配合することを特徴とす
    る請求項1の浴用組成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999058095A3 (fr) * 1998-05-14 2000-06-08 Sephra S A R L Compositions pharmaceutiques et/ou cosmetiques contenant de l'eau de mer
JP2000290161A (ja) * 1999-04-06 2000-10-17 Toyama Prefecture 深層水を含有する化粧品
JP2000290168A (ja) * 1999-04-06 2000-10-17 Toyama Prefecture 深層水を含有する入浴剤
JP2001240538A (ja) * 2000-03-01 2001-09-04 Kanebo Ltd 老化皮膚改善剤

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