JPH1160429A - 洗顔水の生成方法及び洗顔水の生成装置及び洗顔水 - Google Patents

洗顔水の生成方法及び洗顔水の生成装置及び洗顔水

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JPH1160429A
JPH1160429A JP22994297A JP22994297A JPH1160429A JP H1160429 A JPH1160429 A JP H1160429A JP 22994297 A JP22994297 A JP 22994297A JP 22994297 A JP22994297 A JP 22994297A JP H1160429 A JPH1160429 A JP H1160429A
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organic acid
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Teruyuki Omochi
輝行 尾持
Yoshinori Tanaka
喜典 田中
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】皮膚のトラブルが少なく、洗顔後も肌を乾燥さ
せない保湿効果を有する洗顔水の生成方法を提供する。 【解決手段】 有機酸が10-4モル/リットル以上、有
機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊離塩素
除去能を有する還元剤が添加された水溶液を用意する。
この水溶液を電気分解する。電気分解の前後においてこ
の水溶液のpHは4.5〜6.5の範囲内でほとんど変
化しない。且つ電気分解の前後においてこの水溶液に含
まれる酸化剤及び還元剤から成る酸化還元系の酸化還元
電位が低下する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気分解による洗
顔水の生成方法に関し、さらに詳しくは水道水等を洗顔
に相応しい還元性の水に改質する洗顔水の生成方法に関
するものであり、また洗顔に相応しい還元性の水に改質
する洗顔水の生成装置に関するものであり、また洗顔に
相応しい還元性の水に改質された洗顔水に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】水道水等で洗顔を行うと水道水中に含ま
れる残留塩素によって、肌に刺激を感じたり、敏感肌の
人は炎症を起こしたりすることがあるため、通常は浄水
器等を用いて残留塩素の除去を行っている。また洗顔料
等を用いて洗顔した場合、皮膚表面上の皮脂を除去する
と共に体内の水分の蒸散を抑制していたバリアー物質を
も除去することになり、肌を乾燥させ、傷める原因にな
っていたため、通常洗顔後は肌に油分を補給したり保湿
剤により水分を与えたり、また化粧剤によって引き締め
たりすることが行われていた。しかしこの様な化粧剤に
よる手入れは敏感肌症の消費者に対しては充分な皮膚安
全性を保つとは言えず、肌のトラブルの原因になり、特
にアトピー性皮膚炎等の皮膚疾患を持つ消費者にとって
は切実な問題となっていた。
【0003】そこで従来、できる限り化粧剤を使わず、
水だけで洗顔するのに適した洗顔水を得るための方法が
提案されている。例えば実開平2−53734に示され
るように水道水等に直流電圧を印加して陽極で得られる
酸性水(アストリンゼン水)を洗顔水として用いること
が提案されており、この方法で得られた酸性水はpHが
約5.5と皮膚の至適pHに適合した水であり、アスト
リンゼン効果(引締め効果)が認められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
は水道水を電解しているので陽極側では塩素ガスが生成
し、それが水中に溶解して遊離塩素が増大する。また、
このものでは水中に含まれる酸化性物質、還元性物質の
存在量を示す指標となる酸化還元電位(ORP)は60
0mV〜1100mV(vs.Ag/AgCl)のよう
に酸化性を示す。皮膚のトラブルは水道水に含まれる遊
離塩素による刺激や皮脂の酸化による炎症などがあり、
上記のように遊離塩素が多く酸化性の高い酸性水では皮
膚トラブルの原因になることがあると考えられる。
【0005】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、還元性で皮膚のトラブルが少なく、洗顔後も肌を
乾燥させない保湿効果を有する洗顔に相応しい洗顔水の
生成方法を提供し、またこのような洗顔水を製造する洗
顔水製造装置を提供し、及びこのような洗顔水を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の洗顔水の生成方法は、有機酸が10-4モル/リットル
以上、有機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、
遊離塩素除去能を有する還元剤が添加された水溶液を電
気分解することを特徴とするものである。また本発明の
請求項2に記載の洗顔水の生成方法は、請求項1の構成
に加えて、有機酸としてクエン酸、有機酸塩としてクエ
ン酸塩を用いることを特徴とするものである。
【0007】また本発明の請求項3に記載の洗顔水の生
成方法は、請求項1の構成に加えて、有機酸としてアス
コルビン酸、有機酸塩としてアスコルビン酸塩を用いる
ことを特徴とするものである。また本発明の請求項4に
記載の洗顔水の生成方法は、請求項1乃至3のいずれか
の構成に加えて、高周波交流電圧を用いて電気分解を行
うことを特徴とするものである。
【0008】また本発明の請求項5に記載の洗顔水の生
成装置は、有機酸が10-4モル/リットル以上、有機酸
塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊離塩素除去
能を有する還元剤が添加された水溶液が供給される電解
槽2と、電解槽2に供給された水溶液内に配置される一
対またはそれ以上の電極4、5、6と、電極4、5、6
間に電圧を印加する電圧供給部3とを具備して成ること
を特徴とするものである。
【0009】また本発明の請求項6に記載の洗顔水は、
有機酸が10-4モル/リットル以上、有機酸塩が10-3
モル/リットル以上添加され、遊離塩素除去能を有する
還元剤が添加された水溶液を電気分解することで、この
水溶液に含まれる酸化剤及び還元剤から成る酸化還元系
の酸化還元電位を低下させて成ることを特徴とするもの
である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。先ず、水道水等の水に有機酸を10-4モル/リッ
トル以上、有機酸塩を10-3モル/リットル以上溶解さ
せ、さらに遊離塩素除去能を有する還元剤を添加する。
ここで有機酸とその有機酸塩としては、クエン酸、アス
コルビン酸、安息香酸、コハク酸、サリチル酸、等の各
種のものと、その塩を用いることができる。ここでクエ
ン酸及びその塩は食品添加物でもあり、人体に作用させ
る場合、最も適した有機酸及び有機酸塩である。またア
スコルビン酸及びその塩は還元剤でもあり、遊離塩素除
去能を有する還元剤として兼用することもできるもので
ある。また有機酸とその塩の配合比は限定されるもので
はなく、緩衝作用により水溶液が4.5〜6.5の範囲
に調整される組合せが選択される。また、遊離塩素除去
能を有する還元剤も特に限定されるものではなく、例え
ばアスコルビン酸の他にアスコルビン酸ナトリウム、ア
スコルビン酸誘導体、Lシステイン塩酸塩、亜硫酸水素
ナトリウム、NアセチルLシステイン等の各種のものを
用いることができる。このようにして得られた水溶液を
洗顔水生成装置1に供給するものである。
【0011】ここで洗顔水生成装置1は図1に示すよう
なものを用いる。この図1に示す洗顔水生成装置1は、
電解槽2と電圧供給部3とから構成されている。電解槽
2は上記水溶液を入れることのできる容器であり、電解
槽2の内部の底面には3枚の電極4、5、6が互いに対
向させて並列に立設してある。また電圧供給部3には、
電極4、5、6に電気的に接続され、電極4、5、6へ
の印加電圧を制御する制御装置7が設置してある。電極
4、5、6へ印加する電圧の種類としては、直流の定電
圧、あるいは交流、周期的な矩形波や鋸歯状波である電
圧、等を用いることができる。電気分解を行うため印加
する電圧として高周波交流電圧を用いると、電気分解の
進行に伴って起こる電解電流の低下を抑制することがで
き、電解効率を上昇させることができるものである。
【0012】図2は制御装置7の構成の一例を示すもの
である。この図2に示すものでは、電極4、5、6へ交
流、周期的な矩形波や鋸歯状波等の電圧を印加できるも
のであり、電圧共振型インバータ回路11、トランス1
2、及び波型変換回路13が設けてある。ここで電極
4、5、6は波型変換回路13に電気的に接続してあ
り、波型変換回路13はトランス12を介して電圧共振
型インバータ回路11に電気的に接続してある。電源1
0から供給される電力は、電圧共振型インバータ回路1
1にて高周波の交流に変換された後、トランス12にて
電圧を変換され、それから波型変換回路13にて所定の
波型に変換されて電極4、5、6に印加されるものであ
る。ここで電解槽2には電極4、5、6間を仕切る隔膜
を設けないものである。
【0013】電極4、5、6として用いられる材料は、
特に限定するものではないが、Pt等の金属材料を用い
て形成される不溶性電極であることが好ましいものであ
り、例えばTi−Ptメッキ物やTi−Pt・Irメッ
キ物、あるいは焼成物などで形成したものが用いられる
ものである。また、電圧供給部3の外部側面には電解槽
2に接続する給水口8と、給水口8を開閉する給水スイ
ッチ9が設けてあり、給水口8を蛇口等の水の供給源に
接続し、給水スイッチ9を操作して吸水口8を開くこと
により、給水口8から電解槽2に水が供給されるもので
ある。
【0014】上記に示すような洗顔水生成装置1を用い
て、制御装置7にて電極4、5、6間に電圧を印加して
上記の水溶液を無隔膜電気分解することにより、洗顔水
を生成するものである。以下に各電極4、5、6で生じ
る電極反応について説明する。電極間に直流の定電圧を
印加する場合、並列に配置されている三枚の電極4、
5、6、のうち、両側に配置されている電極4、6に正
の電圧を印加し、両側の電極4、6によって挟まれてい
る電極5に負の電圧を印加すると、両側の電極4、6は
アノードとして働き、両側の電極4、6によって挟まれ
ている電極5はカソードとして働いて、それぞれの電極
上において、水及び水に溶解している物質の電気化学的
な酸化還元反応が生じる。
【0015】ここでアノードである電極4、6で生じる
反応は、H2 O→2H+ +1/2O 2 +e- 、であり、
カソードである電極5で生じる反応は、2H+ +2e-
→H 2 、4H3 + +6e- →3H2 +2H3 2 -
である。また、交流や、周期的な矩形波、鋸歯状波、等
の電圧を印加する場合は、電極4、5間及び電極5、6
間に、周期的に印加するものである。このとき電極4、
5間に印加する電圧V4 及び電極5、6間に印加する電
圧V6 の波型を、図3に示すもののようにして、電極4
及び電極6に交互に正の電圧が印加されるようにする
と、電極5は常にカソードとなり、電極4及び電極6は
周期的に交互にカソードからアノードへ、またアノード
からカソードへと変化する。ここで図3中のTは時間を
示している。即ち電極5に対して電極4がアノードとな
るように電圧が印加されたとき、電極6は電極5に対し
て電位差を生じていない状態となってカソードになり、
電極5に対して電極6がアノードとなるように電圧が印
加されたとき、電極4は電極5に対して電位差を生じて
いない状態となってカソードになる。
【0016】ここで電極4がアノード、電極5及び電極
6がカソードとして働くとき、電極4で生じる反応は、
2 O→2H+ +1/2O2 +e- 、であり、電極5で
生じる反応は、2H+ +2e- →H2 、4H3 + +6
- →3H2 +2H3 2 -、であり、また電極6で生
じる反応は、2H+ +2e- →H2 、4H3 + +6e
- →3H2 +2H3 2 - 、若しくは、2H+ +1/2
2 +e- →H2 O、である。
【0017】また電極4及び電極5がカソード、電極6
がアノードとして働くとき、電極4で生じる反応は、2
+ +2e- →H2 、4H3 + +6e- →3H2 +2
32 - 、若しくは、2H+ +1/2O2 +e- →H
2 O、であり、電極5で生じる反応は、2H+ +2e-
→H2 、4H3 + +6e- →3H2 +2H3 2 -
であり、また電極6で生じる反応は、H2 O→2H+
1/2O2 +e- 、である。
【0018】ここで2H+ +1/2O2 +e- →H2
の反応は、電極4あるいは電極6がアノードとして働く
ときに発生する酸素ガスが、電極4あるいは電極6がカ
ソードとして働くときに還元される反応であり、電極5
は常にカソードであるので酸素が発生せず、従ってこの
酸素ガスの還元反応は起こらないものである。またカソ
ードで生じる上記の、4H3 + +6e- →3H2 +2
3 2 - 、の反応は、上記水溶液が、有機酸と有機酸
塩を添加することによって酸性にしてあるため、水分子
が弱酸である有機酸の水素イオンH+ にて解離されてH
3 +が多く生成しているために、生じ易くなっている
ものである。ここでこの反応で生成するH3 2 - は肌
に対する保湿性を有するものである。
【0019】また、電極4、5、6間に直流電圧を印加
する場合は電極4、5、6において酸素ガスまたは水素
ガスが発生して電極4、5、6に付着することにより電
極反応が低下し、時間の経過と供に電極4、5、6間に
流れる電解電流が減少するものであるが、電極4、5、
6、間に高周波の交流電圧を印加し、上記のように電極
5を常にカソードとなるようにすると共に電極4、6を
交互にカソード及びアノードとなるようにすると、電極
4、6においては一時的に酸素ガスまたは水素ガスの生
成の逆反応が起こることによって電極4、6に付着した
酸素ガスまたは水素ガスが消失した後、アノードとカソ
ードが入れ代わった電解反応が起こり、電解電流は減少
しきる前に初期の値に回復するものであり、また電極5
では常に水素発生させることができ、電解効率が上昇す
るものである。
【0020】上記のように水溶液中で電気化学的酸化還
元反応が起こる結果、水溶液中で酸化還元系を構成する
物質の濃度比が変化して、水溶液中の酸化還元系の酸化
還元電位が低下することになる。ここで、酸化還元電位
が低下する理由の一つは、上記に示す電気化学反応によ
って発生するH2 により、水溶液中に溶存しているH 2
の濃度が上昇するためである。図4は、大阪府守口市の
水道水にクエン酸及びクエン酸ナトリウムを添加してp
H6.5、及びpH4.5に調整した水溶液を高周波電
圧で電解処理したときに生成した洗顔水中に含まれる水
素濃度と、水溶液中の酸化還元系の酸化還元電位の関係
を示したものである。この図4から判るように、水素濃
度の上昇と酸化還元電位の上昇との間には相関関係が見
受けられるものであり、水溶液中の溶存水素の増加が酸
化還元電位の上昇の理由の一つであることが判る。この
ように、上記の方法により還元性の洗顔水を生成するこ
とができ、このようにして生成された洗顔水は皮脂に酸
化による炎症などのトラブルを生じさせるようなことが
ないものである。
【0021】また、このとき上記水溶液中には有機酸を
10-4モル/リットル以上、有機酸塩を10-3モル/リ
ットル以上溶解させているので、この水溶液は肌の至適
pH値に近いpH4.5〜6.5の範囲で緩衝溶液とな
っており、電気化学的酸化還元反応の過程において、こ
の水溶液のpHは殆ど変化せず、肌の至適pH値に近い
pH4.5〜6.5の範囲の洗顔水を得ることができる
ものである。
【0022】また電解槽3に供給する水溶液には上記の
ように予め遊離塩素除去能を有する還元剤を添加してあ
るので、水道水等の中に溶存する遊離の塩素は水溶液中
から取り除かれているため、遊離の塩素を含まず、肌に
対して遊離の塩素による刺激を与えることのない洗顔水
を得ることができるものである。また、上記の電気化学
反応によって生成するH3 2 - は肌に対する保湿性を
有しており、その作用によって、上記のようにして得ら
れた洗顔水は肌に対する保湿性を有するものである。
【0023】以上のように、上記のようにして得られた
洗顔水は、洗顔に適したものとなる。また従来のように
隔膜電解法を用いて電解酸性水(アストリンゼン水)を
生成する場合、酸性水と同時にアルカリイオン水が陰極
側で生成されるものであり、アルカリイオン水は通常飲
用に用いられるが、酸性水を洗顔水として用いるときは
アルカリイオン水は捨て水として排出されることにな
り、不経済であったが、本発明のように無隔膜電解によ
り洗顔水を生成することによって、不要なアルカリイオ
ン水を生成することなく洗顔水を生成することができ、
捨て水をなくすことができるものである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)洗顔水生成装置として、1000cc容量
の電解槽の内部に3枚の電極4、5、6を5mm間隔で
並列に並べて配置したものを用いた。ここで電極4、
5、6としては60mm×60mmのPt板を用い、こ
の電極4、5、6は制御装置7に電気的に接続して印加
電圧を制御するようにした。印加電圧30kHzの正弦
波状波で、振幅20Vのものを、電極4、5間及び電極
4、6間に周期的に印加した。即ち電極5は常にカソー
ドとし、電極4及び電極6は交互に周期的にカソードあ
るいはアノードとなるようにして、電極5では還元反応
が、電極4及電極6では交互に酸化反応と還元反応が生
じるようにした。
【0025】水溶液としては、大阪府守口市の水道水に
クエン酸を濃度5×10-4モル/リットル、クエン酸3
ナトリウムを濃度1・6×10-3モル/リットル、とな
るように溶解させ、遊離塩素除去能を有する還元剤とし
てアスコルビン酸ナトリウムを濃度10-4モル/リット
ルになるように添加したものを用いた。この結果、pH
7.5、遊離塩素濃度0.7ppmであった大阪府守口
市の水道水が、pH5.5、遊離塩素濃度0ppmとな
った。
【0026】このような水溶液を上記の洗顔水生成装置
を用いて電気分解したところ、1000ccの水溶液を
5分間処理した結果、この水溶液に含まれる酸化剤及び
還元剤から成る酸化還元系の酸化還元電位は、350m
V(vs.Ag/AgCl)であったものが−280m
V(vs.Ag/AgCl)まで低下した。上記の方法
で得られた洗顔水を用いて8名の被験者が洗顔し続けた
結果(実施例)、及び、有機酸、有機酸塩、遊離塩素除
去能を有する還元剤を加えず、電気分解も行わなかった
未処理の水道水を用いて8名の被験者が洗顔し続けた結
果(比較例)を図5に示す。これは洗顔を3週間続けた
場合の被験者の肌の水分量変化を導電率測定法を用いて
測定したものである。図5から判るように、未処理の水
道水を用いて洗顔し続けた被験者の肌の水分量の変化が
小さいのに対して、上記の方法で得られた洗顔水を用い
て洗顔し続けた被験者の肌の水分量は日数の経過と共に
増加しており、潤いのある肌質に改善されたことを示し
ている。また評価後の、上記の方法で得られた洗顔水を
用いて洗顔し続けた被験者の実感として、8名の被験者
中6名が明らかな肌質の改善効果を実感している。 (実施例2)上記の実施例1と同一の洗顔水生成装置を
用いた。
【0027】水溶液としては、大阪府守口市の水道水に
アスコルビン酸を濃度1×10-3モル/リットル、アス
コルビン酸ナトリウムを濃度2×10-3モル/リット
ル、となるように溶解させ、遊離塩素除去能を有する還
元剤としてアスコルビン酸ナトリウムを濃度10-4モル
/リットルになるように添加したものを用いた。この結
果、pH7.5、遊離塩素濃度0.7ppmであった大
阪府守口市の水道水が、pH5.0、遊離塩素濃度0p
pmとなった。
【0028】このような水溶液を上記の洗顔水生成装置
を用いて処理したところ、1000ccの水溶液を5分
間処理した結果、この水溶液に含まれる酸化剤及び還元
剤から成る酸化還元系の酸化還元電位は、350mV
(vs.Ag/AgCl)であったものが−280mV
(vs.Ag/AgCl)まで低下した。上記の方法で
得られた洗顔水を用いてアトピー性皮膚炎を発症してい
る18名の被験者が洗顔し続けた結果を図6から図8に
示す。
【0029】図6に示すものは20週間継続的に使用し
たとの皮膚所見を数値化したものである。図6中の縦軸
の点数は、医師の所見により、皮膚の乾燥、丘疹、紅
斑、落屑、掻痒、表面剥離の度合いを判定し、数値化し
たものである。ここで図6中の□は乾燥、×は丘疹、■
は紅斑、○は落屑、●は掻痒、△は表面剥離の度合いを
示すものであり、数値が小さい程症状が軽いことを示
す。この図6から判るように、アトピー性皮膚炎を発症
している被験者の症状は、丘疹は症状が変化せず、掻痒
は一旦症状が改善した後ややもとに戻ったが、それ以外
の症状については改善しており、全般的に症状が改善し
ていることが明らかである。
【0030】図7に示すものは、上記のアトピー性皮膚
炎を発症している被験者の症状の、医師の所見による全
般的な改善度を数値化したのである。ここで図中の数値
が大きい程症状が改善されたことを示している。この図
7から判るように20週間で被験者の全般的症状が大き
く改善している。図8(a)は、上記の方法で得られた
洗顔水の、アトピー性皮膚炎を発症している各被験者に
対する有用性の評価を、肌の保湿作用に有効であったか
という観点から各被験者ごとに医師が判定したものを円
グラフに示したものである。図8(a)に示すように、
上記の方法で得られた洗顔水は18名の被験者の83.
3%に対して有用であったと評価された。また、図8
(b)は被験者が、上記の方法で得られた洗顔水の自分
自身対する有用性を評価したものを、図8(a)と同様
に円グラフに示したものである。図8(b)に示すよう
に、上記の方法で得られた洗顔水は、18名の被験者の
83.4%が自分自身にとって肌の保湿作用に有用であ
ったと実感している。
【0031】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
洗顔水の生成方法は、有機酸が10-4モル/リットル以
上、有機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊
離塩素除去能を有する還元剤が添加された水溶液を電気
分解するため、電気分解の前後においてこの水溶液のp
Hを4.5〜6.5の範囲内でほとんど変化させず、且
つ電気分解の前後においてこの水溶液に含まれる酸化剤
及び還元剤から成る酸化還元系の酸化還元電位を低下さ
せることができ、還元性で皮脂に酸化による炎症などを
生じさせるようなことがなく、また肌の至適pH値に近
いpH4.5〜6.5の範囲であり、また遊離の塩素を
含まず、肌に対して遊離の塩素による刺激を与えること
がなく、また電気化学反応によって生成するH3 2 -
の作用によって保湿性をもつ、洗顔に適した洗顔水を得
ることができるものである。
【0032】また本発明の請求項2に記載の洗顔水の生
成方法は、請求項1の構成に加えて、有機酸としてクエ
ン酸、有機酸塩としてクエン酸塩を用いるため、上記の
洗顔水を容易に生成することができるものであり、また
クエン酸及びクエン酸塩は食品添加物であるので、人体
に作用さる洗顔水に加えるのに適したものである。また
本発明の請求項3に記載の洗顔水の生成方法は、請求項
1の構成に加えて、有機酸としてアスコルビン酸、有機
酸塩としてアスコルビン酸塩を用いるため、上記の洗顔
水を容易に生成することができるものであり、またアス
コルビン酸及びアスコルビン酸塩は還元剤であるため、
上記の遊離塩素除去能を有する還元剤を兼ねることもで
きるものである。
【0033】また本発明の請求項4に記載の洗顔水の生
成方法は、請求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、
電気分解を行うため印加する電圧が高周波交流電圧であ
るため、電気分解の進行に伴って起こる電解電流の低下
を抑制することができ、電解効率を上昇させることがで
きるものである。また本発明の請求項5に記載の洗顔水
の生成装置は、有機酸が10-4モル/リットル以上、有
機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊離塩素
除去能を有する還元剤が添加された水溶液が供給される
電解槽と、電解槽に供給された水溶液内に配置される一
対またはそれ以上の電極と、電極間に電圧を印加する電
圧供給部とを具備するため、還元性で皮脂に酸化による
炎症などを生じさせるようなことがなく、また肌の至適
pH値に近いpH4.5〜6.5の範囲であり、また遊
離の塩素を含まず、肌に対して遊離の塩素による刺激を
与えることがなく、また電気化学反応によって生成する
3 2 - の作用によって保湿性をもつ、洗顔に適した
洗顔水を得ることができるものである。
【0034】また本発明の請求項6に記載の洗顔水は、
有機酸が10-4モル/リットル以上、有機酸塩が10-3
モル/リットル以上添加され、遊離塩素除去能を有する
還元剤が添加された水溶液を電気分解することで、この
水溶液に含まれる酸化剤及び還元剤から成る酸化還元系
の酸化還元電位を低下させて成るため、電気分解の前後
においてこの水溶液のpHを4.5〜6.5の範囲内で
ほとんど変化せず、且つ電気分解の前後においてこの水
溶液に含まれる酸化剤及び還元剤から成る酸化還元系の
酸化還元電位が低下され、還元性で皮脂に酸化による炎
症などを生じさせるようなことがなく、また肌の至適p
H値に近いpH4.5〜6.5の範囲であり、また遊離
の塩素を含まず、肌に対して遊離の塩素による刺激を与
えることのなく、また電気化学反応によって生成するH
3 2 - の作用によって保湿性をもつ、洗顔に適したも
のとすることがである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る洗顔水生成装置の実施の形態の一
例を示す概略断面図である。
【図2】本発明に係る洗顔水生成装置の制御装置と電極
の構成の一例を示す回路図である。
【図3】本発明に係る洗顔水生成装置において、電極間
に高周波電圧を印加する場合の電圧に印加される電圧の
経時変化の一例を示すフロー図である。
【図4】大阪府守口市の水道水にクエン酸及びクエン酸
ナトリウムを添加してpH6.5、及びpH4.5に調
整した水溶液を高周波電圧で電解処理したときに生成し
た洗顔水中に含まれる水素濃度と、水溶液中の酸化還元
系の酸化還元電位の関係を示すグラフである。
【図5】実施例1の方法で得られた洗顔水を用いて8名
の被験者が洗顔し続けた場合、及び未処理の水道水を用
いて8名の被験者が洗顔し続けた場合の被験者の肌の導
電率の経時変化を示すグラフである。
【図6】実施例2の方法で得られた洗顔水を用いてアト
ピー性皮膚炎を発症している18名の被験者が洗顔し続
けた場合の、医師による被験者の皮膚に関する項目ごと
の所見の経時変化を示すグラフである。
【図7】実施例2の方法で得られた洗顔水を用いてアト
ピー性皮膚炎を発症している18名の被験者が洗顔し続
けた場合の、医師の所見による被験者の皮膚の全般的改
善度の経時変化を示すグラフである。
【図8】(a)は実施例2の方法で得られた洗顔水を用
いてアトピー性皮膚炎を発症している18名の被験者が
洗顔し続けた場合の、医師による該洗顔水の肌の保湿作
用についての有用性の各被験者ごとの評価を示す円グラ
フであり、(b)は実施例2の方法で得られた洗顔水を
用いてアトピー性皮膚炎を発症している18名の被験者
が洗顔し続けた場合の、被験者自身による該洗顔水の肌
の保湿作用についての有用性の各被験者ごとの評価を示
す円グラフである。
【符号の説明】
1 洗顔水生成装置 2 電解槽 3 電圧供給部 4 電極 5 電極 6 電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸が10-4モル/リットル以上、有
    機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊離塩素
    除去能を有する還元剤が添加された水溶液を電気分解す
    ることを特徴とする洗顔水の生成方法。
  2. 【請求項2】 有機酸としてクエン酸、有機酸塩として
    クエン酸塩を用いることを特徴とする請求項1に記載の
    洗顔水の生成方法。
  3. 【請求項3】 有機酸としてアスコルビン酸、有機酸塩
    としてアスコルビン酸塩を用いることを特徴とする請求
    項1に記載の洗顔水の生成方法。
  4. 【請求項4】 高周波交流電圧を用いて電気分解を行う
    ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の洗顔水の生成
    方法。
  5. 【請求項5】 有機酸が10-4モル/リットル以上、有
    機酸塩が10-3モル/リットル以上溶解され、遊離塩素
    除去能を有する還元剤が添加された水溶液が供給される
    電解槽と、電解槽に供給された水溶液内に配置される一
    対またはそれ以上の電極と、電極間に電圧を印加する電
    圧供給部とを具備して成ることを特徴とする洗顔水の生
    成装置。
  6. 【請求項6】 有機酸が10-4モル/リットル以上、有
    機酸塩が10-3モル/リットル以上添加され、遊離塩素
    除去能を有する還元剤が添加された水溶液を電気分解す
    ることで、この水溶液に含まれる酸化剤及び還元剤から
    成る酸化還元系の酸化還元電位を低下させて成ることを
    特徴とする洗顔水。
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