JPH1159156A - ロール剛性可変機構及びロール剛性制御装置 - Google Patents

ロール剛性可変機構及びロール剛性制御装置

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JPH1159156A
JPH1159156A JP21781597A JP21781597A JPH1159156A JP H1159156 A JPH1159156 A JP H1159156A JP 21781597 A JP21781597 A JP 21781597A JP 21781597 A JP21781597 A JP 21781597A JP H1159156 A JPH1159156 A JP H1159156A
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JP
Japan
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bump stopper
roll rigidity
roll
actuator
piston
Prior art date
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Application number
JP21781597A
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English (en)
Inventor
Takaaki Eguchi
孝彰 江口
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成が簡潔でコスト的にも有利であり、レイア
ウト性にも優れるロール剛性可変機構及びそれを用いた
ロール剛性制御装置を提供する。 【解決手段】サスペンションのオーババウンスストロー
クを規制するストラット2FL〜2RRのバンプストッ
パ8を流体圧シリンダ5内のピストン6で上下に移動で
きるように構成し、このピストン6を流体室7への作動
流体の供給で移動させることでバッファクリアランスを
変化させ、高い横加速度を伴う旋回時のロール剛性を可
変制御可能とする。また、左右輪のストラットの流体室
7を、単一のアクチュエータユニット9F,9Rの二つ
の流体室12a,12bに接続することで、何れか一方
の耐荷重量が増大するときには他方のそれが減少するよ
うに構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は左右両輪のロール剛性を
可変制御するロール剛性制御装置に関し、特に横加速度
の大きい状況でロール剛性制御を行うのに好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】このようなロール剛性制御装置として
は、例えば本出願人が先に提案した特開平5−1933
32号公報に記載されるロール剛性可変制御を可能とし
た能動型サスペンションやスタビライザ制御装置などが
ある。このうち、前者は、各車輪と車体との間に介装さ
れた流体圧アクチュエータへの供給作動流体圧並びにア
キュームレータ等からなるバネ要素を可変制御すること
により、ロール入力,即ち横加速度に対する車体ロール
の量や速度等を調整してロール剛性を可変制御するもの
である。また、後者は、例えば左右両輪を連結するスタ
ビライザのうち、例えば当該スタビライザを車体に連結
する二点間の長さを可変制御することにより、スタビラ
イザ全体としての剛性を直接調整することで、ロール入
力,即ち横加速度に対する車体ロールの量や速度等を調
整してロール剛性を可変制御するものである。
【0003】これに対し、サスペンションの上下方向特
性を直接調整可能とする,所謂ストラット周りのものと
しては例えば特開昭63−255110号公報や特開平
4−300710号公報に記載されるものがある。この
うち、前者は、所謂ショックアブソーバを車体に連結す
る際に介装されるマウントラバー中に拡開手段を設け、
車両の旋回時にそれを作動させることでマウントラバー
を圧縮してバネ定数を高めるようにしたものであり、特
に直進時の乗心地と旋回時のキャンバ剛性向上とを両立
しようとするものである。また、後者は、所謂ストラッ
トの上端部を車体に連結する際に介装されるインシュレ
ータ中に,所謂電気粘性流体を封入し、横加速度が発生
したらこの電気粘性流体に電圧を印加することによりイ
ンシュレータの剛性を高めるものであり、特に直進時の
乗心地と旋回時のキャンバ剛性向上とを両立しようとす
るものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したサスペンショ
ンの上下方向特性を直接調整可能とするストラット周り
のものは、車両に作用する横加速度に対して車体のロー
ル剛性を可変制御するものではないからよいとしても、
前記特開平5−193332号公報に記載されるロール
剛性可変制御を可能とした能動型サスペンションやスタ
ビライザ制御装置では、どちらも装置が複雑でコストも
高いという点や、個別で大掛かりなアクチュエータを設
けなければならないことからレイアウト性に劣るという
問題点がある。
【0005】本発明はこれらの諸問題を解決すべく開発
されたものであり、装置が簡潔でコスト的にも有利であ
り、レイアウト性にも優れたロール剛性可変機構及びそ
れを用いたロール剛性制御装置を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のうち請求項1に係るロール剛性可変機構
は、車両のロール剛性を可変調整するためのロール剛性
可変機構であって、サスペンションのバウンスストロー
クを規制してその耐荷重量を増加するバンプストッパを
移動することで、サスペンションのバッファクリアラン
スを可変調整するバンプストッパ移動手段を備えたこと
を特徴とするものである。
【0007】また、本発明のうち請求項2に係るロール
剛性制御装置は、前記請求項1に記載されるロール剛性
可変機構と、このロール剛性可変機構のバンプストッパ
移動手段を制御信号に応じて作動させるアクチュエータ
と、車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、こ
の運動状態検出手段で検出された車両の運動状態に応じ
て前記アクチュエータに制御信号を出力する制御手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項3に係るロール
剛性制御装置は、前記アクチュエータが流体圧シリンダ
とそれに収納されたピストンとを備えて構成され、左右
輪のロール剛性可変機構のバンプストッパ移動手段が、
このピストンで区画される流体圧シリンダ内の個別の流
体圧室に接続されたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係るロ
ール剛性可変機構によれば、バンプストッパを移動する
ことでサスペンションのバッファクリアランスを可変調
整可能とすることにより、特にロール入力,即ち横加速
度の大きい状態でのサスペンションの耐荷重量が変化す
るので、ロール剛性を制御可能としながら構成は簡潔で
あり、コスト的に有利で、レイアウト性にも優れる。
【0010】また、本発明のうち請求項2に係るロール
剛性制御装置によれば、特にロール入力,即ち横加速度
の大きい状態でのロール剛性を有効に制御可能としなが
ら、構成を簡潔化でき、コスト的にも有利で、大掛かり
なアクチュエータを必要としないことから、レイアウト
性にも優れる。
【0011】また、本発明のうち請求項3に係るロール
剛性制御装置によれば、左右輪のロール剛性可変機構の
バンプストッパ移動手段を、ピストンで区画される流体
圧シリンダ内の個別の流体圧室に接続することにより、
例えば流体圧シリンダ中のピストンを移動させると左右
何れか一方の車輪のバンプストッパが下がり、他方の車
輪のバンプストッパが上がるように逆方向に移動される
ことから、一つのアクチュエータで左右の車輪のロール
剛性を有効に制御することができ、その分だけ構成を簡
潔化してコスト的にも有利であり、アクチュエータを簡
素化してレイアウト性にも優れる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す車
両の概略構成図であって、図中、1FL,1FRは前左
輪,前右輪、1RL,1RRは後左輪,後右輪を示す。
これらの各車輪1FL〜1RRは、図示されないサスペ
ンション装置によって車体に取付けられているが、その
サスペンション装置の一部,例えば車輪1FL〜1RR
を回転自在に支持するためのハブナックルやロアリンク
等がストラット2FL〜2RRを介して車体に連結され
ている。これらの各ストラット2FL〜2RRは、コイ
ルスプリング3とショックアブソーバ4とを同軸又は略
同軸に配した既存のタイプのものであり、本実施形態で
は、ショックアブソーバ4のシリンダチューブ4aを車
輪側,つまり下方に、ピストンロッド4b(図2参照)
を車体側,つまり上方に向けて配設し、そのピストンロ
ッド4bの外周にコイルスプリング3が配設されてい
る。
【0013】これらのストラット2FL〜2RRは、前
述のようにその上端部が車体に連結されているのである
が、その詳細は図2のような二伝達経路のマウント構造
になっている。即ち、前記コイルスプリング3の上端部
にスプリングインシュレータ31を介してコイルスプリ
ングブラケット32を被せ、その上端部がマウントケー
ス33を介して車体部材30に取付けられている。そし
て、このマウントケース33内のショックアブソーバイ
ンシュレータ34に前記ショックアブソーバ4のピスト
ンロッド4bの上端部が連結されることで二伝達経路の
マウント構造が形成されているのであるが、本実施形態
では、このショックアブソーバインシュレータ34の内
部に、後述するバンプストッパ8を上下方向に移動させ
るためのバンプストッパ移動用流体圧シリンダ5が設け
られているのである。
【0014】このバンプストッパ移動用流体圧シリンダ
5の内部はバンプストッパ移動用ピストン6によって上
下に区画され、その区画された上方の室がバンプストッ
パ移動用流体室7となっている。また、このバンプスト
ッパ移動用流体圧シリンダ5の下端部から更に下方に突
出するバンプストッパ移動用ピストン6の下端部に、バ
ンプストッパブラケット35を介してバンプストッパ8
が取付けられている。従って、前記バンプストッパ移動
用流体圧シリンダ5のバンプストッパ移動用流体室7内
の流体圧が高くなると、バンプストッパ移動用ピストン
6と共にバンプストッパ8が下方に移動しようとし、そ
れに伴って実際に当該流体室7に作動流体が流入すると
当該ピストン6並びにバンプストッパ8が下方に移動し
てバッファクリアランスは小さくなる。一方、前記バン
プストッパ移動用流体室7内の流体圧が低くなると、バ
ンプストッパ移動用ピストン6と共にバンプストッパ8
が上方に移動しようとし、それに伴って実際に当該流体
室7に作動流体が流出すると当該ピストン6並びにバン
プストッパ8が上方に移動してバッファクリアランスは
大きくなる。
【0015】このバンプストッパ8そのものは従来既存
のものと同様であり、例えば本実施形態では、各車輪1
FL〜1RR及びサスペンションのバウンス(又はバン
プとも言う)に伴って、前記ショックアブソーバ4のシ
リンダチューブ4aが上方に移動すると、やがてそれが
バンプストッパ8の下端部に当接するので、その移動を
規制すると共に、それまでコイルスプリング3のバネ定
数のみであったサスペンションの耐荷重量に、当該バン
プストッパ8の弾性変形に伴うバネ定数を加えることで
全体としての耐荷重量を大きくすることができる。
【0016】一方、前記バンプストッパ移動用流体圧シ
リンダ5のバンプストッパ移動用流体室7には、当該流
体室7に作動流体を供給したり排出したりするための流
体管路36が接続されているが、図1に明示するよう
に、各車輪1FL〜1RRのストラット2FL〜2RR
のうち、左右輪として対向するストラットの前記バンプ
ストッパ移動用流体室7に接続された流体管路36は、
前後夫々個別のアクチュエータユニット9F,9Rに接
続されている。つまり、前左右ストラット2FL,2F
Rのバンプストッパ移動用流体室7は前輪用アクチュエ
ータユニット9Fに、後左右ストラット2RL,2RR
のバンプストッパ移動用流体室7は後輪用アクチュエー
タユニット9Rに接続されている。
【0017】前後輪用のアクチュエータユニット9F,
9Rは同様の構成であり、図2を用いて説明すれば、ア
クチュエータピストン10で区画されたアクチュエータ
流体圧シリンダ11内の二つのアクチュエータ流体室1
2a,12bの夫々に、前記左右のバンプストッパ移動
用流体室7が流体管路36を介して個別に接続されてい
るのである。従って、アクチュエータ流体圧シリンダ1
1の内径は一定であるから、アクチュエータピストン1
0が何れかの方向に移動すれば、左右何れか一方のバン
プストッパ移動用流体圧シリンダ5のバンプストッパ移
動用ピストン6及びそれに取付けられたバンプストッパ
8は下方に移動してバッファクリアランスは小さくな
り、同時に他方のバンプストッパ移動用流体圧シリンダ
5のバンプストッパ移動用ピストン6及びそれに取付け
られたバンプストッパ8は上方に移動してバッファクリ
アランスは大きくなり、しかも両者の移動量そのものは
同等又は略同等となる。
【0018】そして、前記アクチュエータピストン10
から延設されたピストンロッド10aには更にラック1
3が延設され、それに噛合するピニオン14と同軸にリ
ングギヤ15が設けられ、このリングギヤ15に噛合す
るピニオン16がステップモータ17の回転軸に取付け
られている。従って、ステップモータ17の回転角度を
制御することでラック13及びアクチュエータピストン
10の移動量を制御することができ、これにより前記バ
ンプストッパ移動用ピストン6及びバンプストッパ8の
移動量を制御することができるのである。なお、その場
合には、左右のストラット2FL〜2RRの何れか一方
のバンプストッパ8が下方に移動されれば、他方のバン
プストッパ8は上方に移動されることを考慮しなければ
ならない。つまり、バンプストッパ8が下方に移動され
る左右何れかのストラット2FL〜2RRでは、その分
だけショックアブソーバ4のシリンダチューブ4aが、
バンプストッパ8に早い時期から当接するようになるた
めに、サスペンションバウンス時の耐荷重量は早期から
立上ることになるが、その逆にバンプストッパ8が下方
に移動されるストラット2FL〜2RRでは、サスペン
ションバウンス時の耐荷重量は遅くから立上がる傾向を
示す。
【0019】一方、車両には、車両の前後方向速度,つ
まり車速VSPを検出する車速センサ18及び車両に作用
する横加速度GY を検出する横加速度センサ19が設け
られており、何れもその検出信号を、後述するロール剛
性コントロールユニット20に向けて出力する。なお、
前記横加速度センサ19で検出される横加速度GY の検
出信号には、当該横加速度GY が左右何れの方向に作用
しているのか、つまり車両が現在何れの方向に旋回運動
しているのかを判別するための要素が含まれている。
【0020】前記ロール剛性コントロールユニット20
は、前記車速センサ18からの車速VSPの検出信号及び
横加速度センサ19からの横加速度GY の検出信号が入
力され、それらに基づいて、ロール剛性制御の演算処理
を司り且つ前記各アクチュエータユニット9F,9Rの
ステップモータ17を作動させるための制御信号SMT R
を出力するマイクロコンピュータ21及び当該マイクロ
コンピュータ21からの制御信号SMTR を前記ステップ
モータ17の駆動に適した駆動信号DMTR に変換する駆
動回路22を備えている。また、前記マイクロコンピュ
ータ21は、例えばA/D変換機能等を有する入力イン
タフェース回路21aと、マイクロプロセサ等の演算処
理装置21bと、ROM,RAM等の記憶装置21c
と、例えばD/A変換機能を有する出力インタフェース
回路21dとを備えている。なお、図2では、駆動回路
22を一つしか図示していないが、例えば二つのアクチ
ュエータユニット9F,9Rに個別の制御信号を出力す
る場合には、当然、それに合わせて駆動回路を二つ設け
なければならないことは言うまでもないし、また必要に
応じて本実施形態でも単に図示を省略しているだけに過
ぎない。
【0021】次に、本実施形態のロール剛性制御の構成
を、前記マイクロコンピュータ21で実行される図3の
フローチャートに示す演算処理に従って説明する。この
演算処理は所定のサンプリング時間(例えば10msec)
ΔT毎にタイマ割込処理として実行される。なお、これ
以後の演算処理では、何れも特に通信のためのステップ
を設けていないが、マイクロコンピュータ21内の演算
処理装置21bで必要なプログラムやマップ、或いは必
要なデータは随時記憶装置21cから読込まれるし、逆
に演算処理装置21bで算出されたデータは随時記憶装
置21cに更新記憶されるものとする。
【0022】まず、図3の演算処理では、そのステップ
S1で、前記車速センサ18からの車速VSP及び横加速
度センサ19からの横加速度GY を読込む。次にステッ
プS2に移行して、後述する制御マップ等に従って横加
速度GY の方向及び車速VSPからロール剛性を高める側
に要求されるサスペンションストローク−荷重特性を設
定する。
【0023】次にステップS3に移行して、後述するよ
うな図示されない演算処理に従って、前記要求されるサ
スペンションストローク−荷重特性に必要な前記アクチ
ュエータピストンストローク量XACT を設定する。
【0024】次にステップS4に移行して、図示されな
い演算処理に従って、前記アクチュエータピストンスト
ローク量XACT を達成するためのモータ制御信号SMTR
を出力してからメインプログラムに復帰する。
【0025】次に、前記図3の演算処理のステップS2
で用いられる制御マップ等について説明する。前述した
ように、コイルスプリング3のバネ定数は、一般に一定
であるのに対して、バンプストッパ4は、元来、大きな
変形を予測していないので、変位に伴ってバネ定数が大
きくなる傾向にある。これをサスペンションストローク
と荷重(耐荷重量)との関係として示したのが図4であ
る。例えば、この実施形態では、図4に実線で示すよう
に、バンプストッパ8にショックアブソーバ4のシリン
ダチューブ4aが当接するまで,つまりバッファクリア
ランスが残存している間は、単純にコイスルプリング3
のバネ定数だけが作用するので、バウンス側へのサスペ
ンションストロークの増大に伴って荷重(耐荷重量)は
リニアに増加する。ところが、或るバウンスストローク
点(図4ではB点)でバンプストッパ8にショックアブ
ソーバ4のシリンダチューブ4aが当接すると、そこか
らはバンプストッパ8の変形に伴う大きなバネ定数が主
として作用するから、それでもサスペンションストロー
クが増大しようとすれば荷重(耐荷重量)は二次曲線的
に大幅に増大することになる。
【0026】このように、本実施形態では、サスペンシ
ョンストロークによってショックアブソーバ4のシリン
ダチューブ4aがバンプストッパ8に当接することで、
サスペンションとしての耐荷重量が大幅に大きくなるの
であるから、例えば、これを旋回外輪のサスペンション
に起用すれば、前記ショックアブソーバ4のシリンダチ
ューブ4aがバンプストッパ8に当接する時点から、そ
の車輪を含む車両の左右方向には、横加速度に対するロ
ール剛性が大きくなることになる。また、本実施形態で
は、前述のようにバンプストッパ8の位置をショックア
ブソーバ4側に近づけたりそれから遠ざけたりすること
ができるので、前記バンプストッパ8とショックアブソ
ーバ4のシリンダチューブ4aとの当接点を変更するこ
とができるのであり、従って横加速度に対するロール剛
性の増大ポイントをサスペンションストロークに対して
早めたり遅くしたりすることができる。
【0027】さて、ここからは前記ロール剛性増大後の
車両運動について考察するが、前述した特開平5−19
3332号公報にも見られるように、一般的に大きな横
加速度が作用するような状況下で、車両には、低速走行
時には回頭性が、高速走行時には走行安定性が要求され
る。これを達成するためには、例えば低速走行時には相
対的に前輪側のロール剛性を小さくして前左右輪間の荷
重移動量を小さくすることでそれらのグリップ力を確保
して舵取効果を高め、高速走行時には相対的に後輪側の
ロール剛性を小さくして後左右輪間の荷重移動量を小さ
くすることでそれらのグリップ力を確保して直進性を高
めるようにすればよい。このような車両の旋回特性,所
謂ステアリング特性は、横加速度の大きなロール許容限
界近傍で要求されるものであるから、本来であれば、横
加速度の大きさに応じて、例えば、それがロール許容限
界近傍まで大きくなったときにのみロール剛性の可変制
御を行うことも考えられるが、本実施形態では、基本的
に車両に作用する横加速度が大きいときにしか、前記シ
ョックアブソーバ4のシリンダチューブ4aがバンプス
トッパ8に当接するような、ロールに伴う大きなバウン
スストロークは発生しないので、旋回の方向,つまり横
加速度GY の発生方向並びに車速VSPだけに応じて予め
必要なロール剛性が達成されるサスペンションストロー
ク−荷重特性を設定し、それに応じて前記バンプストッ
パ8の移動量を設定しておけば、横加速度GY が大きく
なることで自動的に必要なロール剛性配分が達成できる
のである。
【0028】従って、例えばこのような特性を達成する
ための旋回外輪に対する基本的なサスペンションストロ
ーク−荷重特性は図4のように表れる。即ち、高速時に
旋回走行に移行すると、同じ旋回半径でも発生する横加
速度は低速時のそれよりも大きくなるから、前後輪の如
何に関わらず、同じサスペンションストロークに対する
ロール剛性そのものは大きくして、車体の大きなロール
は抑制防止したい。一方、前述した車速に対するステア
リング特性の要求から、高速時には相対的に後輪のロー
ル剛性を前輪のそれに比して小さくしたいのであるか
ら、例えば後旋回外輪の耐荷重量を前輪のそれより小さ
くして後左右輪間の荷重移動量を小さくすればよく、従
って高速時ほど後旋回外輪のバッファクリアランスを前
旋回外輪のそれより大きくするように、後旋回外輪のバ
ンプストッパ8を前旋回外輪のそれよりやや上方に移動
する。逆に、低速時には相対的に前輪のロール剛性を後
輪のそれに比して小さくしたいのであるから、前旋回外
輪の耐荷重量を後輪のそれより小さくして前左右輪間の
荷重移動量を小さくすればよく、従って低速時ほど前旋
回外輪のバッファクリアランスを後旋回外輪のそれより
大きくするように、前旋回外輪のバンプストッパ8を後
旋回外輪のそれより上方に移動する。従って、前旋回内
輪に対しては、高速時に後旋回外輪よりバッファクリア
ランスを大きくし、低速時にはバッファクリアランスを
小さくするといった制御マップが対応される。但し、本
実施形態では、左右何れか一方の車輪に対して所定の制
御量を設定すれば、他方の車輪には自動的に逆向きの制
御量が設定されるので、前記図3の演算処理のステップ
S2では、単にロール剛性を高める側,つまり何れにし
ても旋回外輪に要求されるサスペンションストローク−
荷重特性だけを設定するようにしてある。
【0029】そして、このように前後旋回外輪に対する
サスペンションストローク−荷重特性が設定されると、
その荷重特性を決定するバンプストッパ8の移動量,つ
まり図4に示すコイルスプリングのバネ荷重とバンプス
トッパのバネ荷重との交点A〜C’点は一意に決まるか
ら、そのバンプストッパ8の移動量を達成するために必
要な前記アクチュエータピストン10のストローク量X
ACT を決定し、更にそれを達成するためのモータ制御信
号SMTR を創成して出力する。これにより、旋回外輪の
ロール剛性を効果的に高めてロールを適切なものとする
と共に、車速に応じてステアリング特性を変更制御する
ことで適切な操安性を達成することができる。
【0030】以上より、前記バンプストッパ移動用流体
圧シリンダ5及びピストン6がバンプストッパ移動手段
を構成し、以下同様に、車速センサ18及び横加速度セ
ンサ19及び図3の演算処理のステップS1が運動状態
検出手段を構成し、図3の演算処理全体及びロール剛性
コントロールユニット20が制御手段を構成している。
【0031】なお、前記実施形態では、車両の運動状態
を検出するために車速と横加速度のみを用いているが、
その他にも、例えが上下加速度や前後加速度等を用いて
複合的に制御を行うようにしてもよい。
【0032】また、上記実施形態においては、コントロ
ールユニットとしてマイクロコンピュータを適用した場
合について説明したが、これに限定されるものではな
く、関数発生器、演算回路等の電子回路を組み合わせて
構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロール剛性制御装置を展開した車両の
一例を示す概略構成図である。
【図2】図1のロール剛性制御装置に用いられた本発明
のロール剛性可変機構の一例を示す構成図である。
【図3】図1のコントロールユニットで実行されるロー
ル剛性制御の演算処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図4】図3の演算処理で用いられる制御マップの一例
を示す説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪 2FL〜2RRはストラット 3はコイルスプリング 4はショックアブソーバ 5はバンプストッパ移動用流体圧シリンダ 6はバンプストッパ移動用ピストン 7はバンプストッパ移動用流体室 8はバンプストッパ 9F,9Rはアクチュエータユニット 10はアクチュエータピストン 11はアクチュエータ流体圧シリンダ 12a,12bは流体室 17はステップモータ 18は車速センサ 19は横加速度センサ 20はロール剛性コントロールユニット 21はマイクロコンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のロール剛性を可変調整するための
    ロール剛性可変機構であって、サスペンションのバウン
    スストロークを規制してその耐荷重量を増加するバンプ
    ストッパを移動することで、サスペンションのバッファ
    クリアランスを可変調整するバンプストッパ移動手段を
    備えたことを特徴とするロール剛性可変機構。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されるロール剛性可変機
    構と、このロール剛性可変機構のバンプストッパ移動手
    段を制御信号に応じて作動させるアクチュエータと、車
    両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、この運動
    状態検出手段で検出された車両の運動状態に応じて前記
    アクチュエータに制御信号を出力する制御手段とを備え
    たことを特徴とするロール剛性制御装置。
  3. 【請求項3】 前記アクチュエータが流体圧シリンダと
    それに収納されたピストンとを備えて構成され、左右輪
    のロール剛性可変機構のバンプストッパ移動手段が、こ
    のピストンで区画される流体圧シリンダ内の個別の流体
    圧室に接続されたことを特徴とする請求項2に記載のロ
    ール剛性制御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040006903A (ko) * 2002-07-16 2004-01-24 현대모비스 주식회사 차량의 현가장치
JP2008044571A (ja) * 2006-08-21 2008-02-28 Mitsubishi Motors Corp 車両のサスペンション装置
CN113580866A (zh) * 2021-07-15 2021-11-02 江铃汽车股份有限公司 一种可调整限位块间隙的主动悬架系统及其控制方法

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