JP2946900B2 - 輪荷重移動制御装置 - Google Patents

輪荷重移動制御装置

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JP2946900B2 JP3347487A JP34748791A JP2946900B2 JP 2946900 B2 JP2946900 B2 JP 2946900B2 JP 3347487 A JP3347487 A JP 3347487A JP 34748791 A JP34748791 A JP 34748791A JP 2946900 B2 JP2946900 B2 JP 2946900B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輪と車体との間に介
挿された、ロール剛性を変更可能な可変スタビライザ等
の輪荷重移動制御装置の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輪荷重の移動量を制御する装置と
しては、例えば実開昭60−76506号記載のもの
(考案の名称は「油圧式スタビライザ」)が知られてい
る。この従来装置は、車両左右のサスペンションアーム
及び車体間の上下方向に各々介装させた片ロッド・複動
形の油圧シリンダを有し、この左右の油圧シリンダ間で
一方の上側シリンダ室と他方の下側シリンダ室とをクロ
ス配管で交差状態で連通させ、このクロス配管の途中に
は夫々オリフィスを挿入するとともに、各油圧シリンダ
の上側シリンダ室とオリフィスとの間の油圧配管部分
に、作動油を弾撥的に付勢するばね機構を連通させてい
る。そこで、車体がロールした場合、左右の油圧シリン
ダの上側,下側シリンダ室間で、相互に逆向きの差圧が
発生し、これに因ってローリングに抗する力を発生する
とともに、オリフィスの絞り効果に拠って減衰力を発生
する。また、車体がバウンスした場合にも作動油がオリ
フィスを通過するので、減衰力を発生する。 〔発明が解決しようとする課題〕しかしながら、上述し
た従来装置は、単に車両に働く横加速度の増加に応じて
受動的にロール剛性を高める構成であり、旋回時の横加
速度の相違に対するロール剛性の前後配分が何ら考慮さ
れていないため、旋回中のロール角を抑制可能ではある
が、例えば、弱アンダーステア特性を示すように設計さ
れた車両は、横加速度が大きくなるほど、走行軌跡が旋
回外側に大きく膨らんでアンダーステア傾向が強まる
等、横加速度の変化に応じてベース車両(輪荷重移動制
御装置を取り付ける前の車両)のステア特性が変動し、
その結果、旋回時の操縦性及び安定性が低下するという
未解決の課題がある。
【0003】この未解決の課題を解決するために、本出
願人は先に特願平2−260172号で提案したよう
に、車幅方向に発生する横加速度を検出又は推定する横
加速度検出・推定手段を設けると共に、クロス配管間に
制御用流体シリンダ及びアキュムレータを接続し、この
制御用流体シリンダのピストンを駆動装置で旋回状況に
起因した車両ステア特性の変化分を打ち消すロール剛性
を車体及び車輪間に介挿した流体シリンダで発生するよ
うに制御することにより、旋回時の横加速度が相違する
場合でも、ベース車両が有するステア特性をそのまま保
持して、旋回状況が異なっても操縦性及び安定性を一定
に保つことが考えられている。
【0004】しかしながら、上記構成を有する輪荷重移
動制御装置では、その構成上車両がロール運動する際に
は、車体と車輪との間に設けた流体シリンダがストロー
クすることにより、クロス配管部分のアキュムレータの
ガスバネに体積変化が生じてクロス配管の油圧に差が生
じ、制御用シリンダを駆動しなくても車両のロール運動
に対して反力(ロールモーメント)を発生することにな
る。
【0005】つまり、輪荷重移動制御装置で発生させる
ロールモーメント(荷重移動)の量は、本来、車両の運
動状態や運転者の操作量などから決定したのであるが、
車両がロール運動を行うことによってその反力としてロ
ールモーメントを発生してしまうため、従来の輪荷重移
動制御装置では、本来発生させたいロールモーメントの
量に制御するためには、ロール運動によって発生してし
まうロールモーメント分を考慮する必要がある。
【0006】ところが、従来の輪荷重移動制御装置で
は、このロール運動によって発生してしまうロールモー
メント分が考慮されていないため、車両のロール角が変
化することによってトータルのロールモーメントが変化
してしまい、狙い通りの制御特性が得られないという新
たな課題がある。すなわち、左右のサスペンションスト
ロークによって生じる車輪及び車体間の流体シリンダの
ストローク量(この量はサスペンションのジオメトリに
よって決定し、略サスペンションストロークに比例す
る)をXL,R (車輪バウンド方向を正とする)とし、
アキュムレータの定常状態での圧力、ガス体積をP0,
0 、流体シリンダ及び制御用シリンダの受圧面積を夫々
P,C とすると、ロールによって発生するロールモー
メントは、ロールすることによって生じる左右のサスペ
ンションストロークの差によって、アキュムレータのガ
スバネが一方は圧縮、他方が膨張させられて、2本のク
ロス配管の間に圧力差が発生することによって生じてい
る。
【0007】車体がロールしたときのことを考えると、
左側のアキュムレータ側のクロス配管圧力PA は、 PA {V0 +SP (XR −XL )}=P0 ・V0 …………(1) で表すことができ、右側のアキュムレータ側のクロス配
管圧力PB は、 PB {V0 −SP (XR −XL )}=P0 ・V0 …………(2) で表すことができる。
【0008】そして、両クロス配管の圧力差ΔP′は、
ΔP′=PB −PA であり、左右の流体シリンダのスト
ローク量XR,L が等しくないときには圧力差ΔP′を
生じる。この圧力差ΔP′に対して、左右の流体シリン
ダで発生する推力FL,R は、 FL =SP ・ΔP′ …………(3) FR =−SP ・ΔP′ …………(4) となり、この推力が一方の車輪の輪荷重を増加させ、他
方の車輪の輪荷重を減少させるためにロールモーメント
を発生させることになる。
【0009】本来、輪荷重移動制御装置においては、制
御用流体シリンダによってアキュムレータに体積変化を
発生させ、それによって生じる圧力差によってロールモ
ーメントを制御する。したがって、従来の輪荷重移動制
御装置においては制御時の前記(1) 式及び(2) 式は下記
(5) 式及び(6) 式のように表される。 PA {V0 +SP (XR −XL )+SC ・XC }=P0 ・V0 …………(5) PB {V0 −SP (XR −XL )−SC ・XC }=P0 ・V0 …………(6) ただし、XC は制御用流体シリンダのストロークであっ
て、右方向を正とする。
【0010】これら(5) 式及び(6) 式から明らかなよう
に、輪荷重移動制御する場合には左右の流体シリンダの
ストロークXL,R の値を正確に検出し、その値に応じ
て制御用流体シリンダのストロークXC を制御する必要
があるが、従来の輪荷重移動制御装置にあってはこの点
が考慮されていないと共に、当該制御を実現しようとす
ると複雑な制御が必要となるという未解決の課題があ
る。
【0011】さらに、上述のようにロール運動によって
発生するロールモーメント分を予め考慮して制御特性を
設定することにより、狙い通りに荷重移動量を制御しよ
うと試みても、実際に発生するロールモーメントは、例
えばアキュムレータ内のガスの温度や圧力P0 の変化等
によって特性が変わり易く、常に最適な制御特性を得る
ことは困難であるという未解決の課題もある。
【0012】そこで、本発明は、上記従来例の未解決の
課題に着目してなされたものであり、複雑な制御を行う
ことなくロール運動によって発生するロールモーメント
分を補正して、高精度の荷重移動量制御を行うことがで
きる輪荷重移動制御装置を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る輪荷重移動制御装置は、図1に示す如
く、輪荷重移動量を制御するために車体と左右各車輪と
の間に個別に設けた複動型の流体シリンダと、左側流体
シリンダの上室及び下室を夫々右側流体シリンダの下室
及び上室に夫々個別に連通するクロス配管と、これらク
ロス配管間に介挿された制御用流体シリンダと、該制御
用流体シリンダのピストンを車両に生じる横加速度に応
じて駆動する駆動装置とを備えた輪荷重移動制御装置に
おいて、前記クロス配管の夫々の相対圧力差を検出する
差圧検出手段と、前記車体のロール状態を検出するロー
ル状態検出手段と、該ロール状態検出手段のロール状態
検出値に応じた差圧目標値を決定する目標差圧決定手段
と、前記差圧検出手段の差圧検出値と前記目標差圧決定
手段の差圧目標値との差を小さくして前記駆動装置に対
して車体のロール運動によるロールモーメント分を補正
した駆動指令値を出力するロール剛性制御手段とを備え
たことを特徴としている。
【0014】
【作用】左右の流体シリンダ間を接続するクロス配管の
相対圧力差を差圧検出手段で検出すると共に、ロール状
態検出手段で、車両の運動状態や、運転者の操作量など
による車両のロール状態を検出し、目標差圧決定手段で
ロール状態に応じた差圧目標値を決定し、この差圧目標
値と実際の差圧検出値とが一致するようにロール剛性制
御手段で制御用流体シリンダの駆動装置をフィードバッ
ク制御することにより、ロール運動によって発生するロ
ールモーメント分を常に補正して高精度の荷重移動量制
御を行う。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2乃至図6は本発明による輪荷重移動制御装置
としての油圧式スタビライザを後輪側に設けた場合の一
実施例を示す概略構成図である。図2において、2L,
2Rは車両リヤ側の左輪,右輪を、4は車輪支持部材
を、6は車体を夫々示す。車輪支持部材4にはサスペン
ションリンク8の一端が揺動可能に連結され、このサス
ペンションリンク8の他端は車体6に揺動可能に連結さ
れている。このサスペンションリンク8と車体との間に
は、ショックアブソーバ10及びコイルスプリング12
を要部とするサスペンション装置が設けられている。な
お、フロント側の左右輪についても同一のサスペンショ
ン装置が設けられている。本実施例では、車両全体のス
テア特性は所定のアンダーステアを示すように設計され
ている。
【0016】上述したサスペンション装置の内のリヤ側
には図2に示すように油圧式スタビライザ14が併設さ
れている。この油圧式スタビライザ14は、左右輪のサ
スペンションリンク8及び車体6間に設けたアクチュエ
ータ部14Aと、このアクチュエータ部14Aによる旋
回時のロール剛性を制御する制御部14Bとを備えてい
る。
【0017】アクチュエータ部14Aは、リヤ側左右輪
2L,2Rに対応して装備された油圧シリンダ20L,
20Rのほか、減衰力を発生させる絞り弁22A,22
B、蓄圧用のアキュムレータ24A,24B、及び連通
用の電磁切換弁25を有し、油圧シリンダ20L,20
Rがクロス配管26A,26Bによって相互に接続され
ていると共に、各クロス配管26A,26Bに配管28
A,28Bを介して絞り弁22A,22B及びアキュム
レータ24A,24Bが直列に接続されている。
【0018】油圧シリンダ20L,20Rの夫々は、シ
リンダチューブ20aと、このシリンダチューブ20a
内を上側シリンダ室U及び下側シリンダ室Lに分離し且
つ摺動可能なピストン20bと、このピストン20bに
固設され軸両方向に延びるピストンロッド20cとを有
した両ロッド複動形に構成されている。この構造を有す
る油圧シリンダ20L,20Rは、各々、ピストンロッ
ド20cの下方の端部がサスペンションリンク8に取り
付けられ、上方の端部がフリーな状態に置かれると共
に、このフリー端側のシリンダチューブ20aの端部が
車体6に揺動可能に支持され、これによって、油圧シリ
ンダ20L,20Rが左右のバネ上,バネ下間にサスペ
ンション装置と並列な状態で各々立設されている。
【0019】また、左輪側油圧シリンダ20Lの上側シ
リンダ室Uはクロス配管26Aを介して右輪側油圧シリ
ンダ20Rの下側シリンダ室Lに接続され、左輪側油圧
シリンダ20Lの下側シリンダ室Lはクロス配管26B
を介して右輪側油圧シリンダ20Rの上側シリンダ室U
に接続され、これにより、相互にクロス接続の状態にあ
る。クロス配管26A,26Bは、その途中位置におい
て電磁切換弁25を介して相互に接続されている。電磁
切換弁25は、そのソレノイドに与えられる制御信号S
のオン,オフによって「閉」位置,「開」位置となる、
常時開(連通)の構造を有している。
【0020】一方、前記制御部14Bは、アクチュエー
タ部14Aの内圧を付勢する制御用シリンダ30と、こ
の制御用シリンダ30とクロス配管26A,26Bとの
間を連通する配管32A,32Bと、制御用シリンダ3
0を駆動する電動モータ34とを備えるとともに、荷重
移動制御用のコントローラ36、車速センサ38、操舵
角センサ39及びクロス配管26A,26Bの圧力を個
別に検出する圧力センサ40A,40Bを備えている。
【0021】この内、制御用シリンダ30は前述した左
右の油圧シリンダ20L,20Rと同様に、両ロッド,
複動形に構成されており、シリンダチューブ30aと、
このシリンダチューブ30a内を2つのシリンダ室R
1,R2に分離し且つ摺動可能なピストン30bと、こ
のピストン30bに固設され軸両方向に延びるピストン
ロッド30cとを有している。シリンダ室R1,R2は
配管32A,32Bを介してクロス配管26A,26B
に連通する配管28A,28Bに各々連通している。ま
た、ピストンロッド30cの一端はフリーな状態に置か
れ、他端にラック30dが形成されている。このラック
30dには電動モータ34のピニオン34aが噛み合う
ようになっている。
【0022】さらに、車速センサ38は例えば変速機の
出力軸の回転を検出するセンサで成り、車速に応じたパ
ルス信号Vをコントローラ36に出力する。操舵角セン
サ39はステアリング系に装備されたパルス検出器で成
り、操舵方向及び操舵角に応じたパルス信号θをコント
ローラ36に出力する。コントローラ36は、例えばマ
イクロコンピュータを含んで構成され、車速センサ38
及び操舵角センサ39の検出信号V及びθ並びに圧力セ
ンサ40A,40Bの検出信号Pa,Pb を入力して後述
する図3の処理を行い、電動モータ34を駆動するモー
タ駆動電流指令値IM 及び回転方向指令Dをモータ駆動
回路37に出力する。
【0023】ここで、本発明の制御原理を図4(a),(b)
を用いて説明する。同図(a),(b) において、横軸は輪荷
重のフロント側左右差(相対差)を示し、その左右差が
零の原点Oから右側に進むほど左輪側の輪荷重が大きく
なり、左側に進むほど右輪側の輪荷重が大きくなる。ま
た、縦軸は輪荷重のリヤ側左右差(相対差)を示し、そ
の左右差が零の原点Oから上側に進むほど左輪側の輪荷
重が大きくなり、下側に進むほど右輪側の輪荷重が大き
くなる。
【0024】いま、ベース車両のステア特性がアンダー
であって、輪荷重移動制御装置をリヤ側のみに設けた場
合を考える。直進時(即ち横加速度αY =0)にベース
車両のステア特性を保持するには、輪荷重移動制御装置
を非作動状態とし、当該装置の特性点が原点0にあれば
よい。この状態から、例えば車両が右旋回したとする。
この右旋回時には、発生する横加速度αY が大きくなる
ほど、アンダーステア特性が強まって、走行軌跡が外輪
側に膨らむ。そこで、輪荷重移動制御装置に拠って後左
輪(外輪)側の輪荷重が後右輪(内輪)側よりも相対的
に大きくなるようにロール剛性を発生させ、ステア特性
をオーバーステア方向に移行させる。即ち、特性点を横
加速度に比例して図4(a) 中のy1 (例えばαY =0.1
Gのとき),y2 (例えばαY =0.2Gのとき),y3
(例えばαY =0.3Gのとき)に変更することによっ
て、全体のロール剛性を増大させた状態で、アンダース
テアの強まりを是正できる。また、左旋回のときは、横
加速度αY に応じて特性点を同図(a) 中の例えば−
1 ,−y2 ,−y3 に変更すればよい。
【0025】また、ベース車両のステア特性がアンダー
であって輪荷重移動制御装置がフロント側に設けられて
いる場合、横加速度αY に比例してフロント側のロール
剛性を弱めることによって、リヤ側のロール剛性を相対
的に強めることができ、トータルのロール剛性は低下す
るものの、本発明の目的を達成できる。即ち、右旋回時
には横加速度αY に応じて特性点を同図(b) 中の例えば
−x1 ,−x2 ,−x 3 に変更すればよく、また左旋回
時には例えばx1 ,x2 ,x3 に変更すればよい。
【0026】これに対して、ベース車両のステア特性が
オーバーステアであって輪荷重移動制御装置がフロント
側に設けられているとする。この場合には、横加速度α
Y の変化によってオーバーステアの度合いが変わるか
ら、これを是正してイニシャルのステア特性を保持する
には、横加速度αY の大きさに比例して旋回時のロール
剛性を強め、内外輪の荷重差が外輪側でより大きくなる
ようにすればよい。即ち、輪荷重移動制御装置の特性点
を右旋回時には同図(b)中の例えばx1,x2 ,x3
し、左旋回時には例えば−x1 ,−x2 ,−x3 とすれ
ばよく、これにより、全体のロール剛性も増大する。
【0027】また、ベース車両のステア特性がオーバー
ステアであって輪荷重移動制御装置がリヤ側に設けられ
ているとする。この場合は横加速度αY の大きさに比例
してリヤ側のロール剛性を弱め、ロール剛性の前後配分
を相対的にフロント側で多くすればよい。即ち、輪荷重
移動制御装置の特性点を右旋回時には同図(a) 中の例え
ば−y1 ,−y2 ,−y3 とし、左旋回時には例えばy
1 ,y2 ,y3 とする。これにより、全体のロール剛性
が下がるものの、横加速度αY の変化に対応したアンダ
ーステア化が図られる。
【0028】続いて、上述した原理に基づき、コントロ
ーラ36のマイクロコンピュータで実行される図3の処
理を説明する。同図の処理は電源オンと共に起動するも
のである。これを説明すると、同図ステップS1におい
て、コントローラ36のマイクロコンピュータは車速セ
ンサ38及び操舵角センサ39の検出信号V及びθを読
み込み、その値を車速及び操舵角として記憶してからス
テップS2に移行する。
【0029】このステップS2では、ステップS1にお
ける読込み値V,θから周知の演算(例えば特開昭62
−293167号公報に示される手法参照)を行って横
加速度αY を推定する。次いで、ステップS3に移行
し、零近傍の基準横加速度αY0に対して、|αY |>α
Y0か否かを判定する。このとき|αY |≦αY0であると
きは、輪荷重移動の制御は必要ないものと判断し、ステ
ップS4に移行して制御信号Sをオフ状態とし、リヤ側
の電磁切換弁25を「開」にし又はその「開」を維持し
てから前記ステップS1に戻り、|αY |>αY0である
ときには輪荷重移動の制御が必要であると判断し、ステ
ップS5に移行する。
【0030】このステップS5では、制御信号Sをオン
状態とし、電磁切換弁25を「閉」にし又はその「閉」
を維持し、次いでステップS6に移行して、前記ステッ
プS3で推定された横加速度αY をもとに、予め設定さ
れた横加速度αY に対する目標差圧ΔPとの関係を示す
図4のマップを参照して目標差圧ΔPを決定する。ここ
で、マップは横加速度αY の値に応じて車両の左旋回方
向に大きくなるにつれて目標差圧ΔPが正方向に指数関
数的に大きくなり、逆に車両の右旋回方向に大きくなる
につれて負方向に指数関数的に大きくなる特性を有し、
且つ積極的にロールモーメントを制御したい領域は横加
速度αY の絶対値が大きい領域であるから、横加速度α
Y の絶対値が小さい領域では、傾きが小さく横加速度α
Y の絶対値が大きい領域ほど、傾きが大きくなるように
設定されている。
【0031】次いで、ステップS7に移行して、圧力セ
ンサ40A,40Bの検出信号を読込み、これを圧力検
出値PA,B として記憶し、次いでステップS8に移行
して圧力検出値PB から圧力検出値PA を減算して実差
圧ΔP′(=PB −PA )を算出する。次いで、ステッ
プS9に移行して、実差圧ΔP′から目標差圧ΔPを減
算した値の絶対値が予め設定した閾値ε以下であるか否
かを判定し、|ΔP′−ΔP|≦εであるときには、実
差圧ΔP′と目標差圧ΔPとが略一致しているものと判
断してステップS10に移行し、電動モータ34への駆
動電流IM の出力を停止してから前記ステップS1に戻
り、|ΔP′−ΔP|>εであるときには、実差圧Δ
P′と目標差圧ΔPとが不一致であるものと判断してス
テップS11に移行する。
【0032】このステップS11では、下記(7) 式の演
算を行って電動モータ34に対する駆動電流指令値IM
を算出する。 IM =K×|ΔP′−ΔP| …………(7) ここで、Kはフィードバックゲインである。次いで、ス
テップS12に移行して、実差圧ΔP′が目標差圧ΔP
より大きいか否かを判定し、ΔP′>ΔPであるときに
はステップS13に移行して、上記駆動電流指令値値I
M を右回転指令と共にモータ駆動回路37に出力してか
らステップS7に戻り、ΔP′<ΔPであるときにはス
テップS14に移行して、上記駆動電流指令値値IM
左回転指令と共にモータ駆動回路37に出力してからス
テップS7に戻る。
【0033】この図4の処理において、ステップS2の
処理及び車速センサ38,操舵角センサ39がロール状
態検出手段に対応し、S5の処理が目標差圧決定手段に
対応し、ステップS6,S7の処理と圧力センサ40
A,40Bとが差圧検出手段に対応し、ステップS8〜
S12の処理がロール剛性制御手段に対応している。し
たがって、今、車両が、凹凸の無い良路を定速で直進走
行しているものとすると、コントローラ36は図3の処
理開始に伴い、横加速度αY ≒0を推定するから、制御
信号Sがオフ状態に維持されて電磁切換弁25は開(連
通)状態にある。また、この直進状態では、電動モータ
34の回転は指令されないから、制御用シリンダ30の
ピストン30bは中立位置をとり、アクチュエータ部1
4Aの内圧も付勢されない。これにより、非制御時には
輪荷重移動が発生することなく、ベース車両のイニシャ
ルのアンダーステア特性が保持される。
【0034】この直進中に、路面凹凸によって両輪にバ
ウンスが生じたとする。この場合も、推定される横加速
度αY は殆ど零であるから、切換弁25が連通のままで
あり、アクチュエータ部14Aの内圧は積極的には制御
されず、各ショックアブソーバ10に拠って発生される
減衰力がバウンスを減衰させる。その一方で、仮に、凸
部通過によってリヤ側車輪2L,2Rがバウンドし、油
圧シリンダ20L,20Rのストロークが縮まろうとす
ると、そのシリンダ20L,20Rの上側シリンダ室U
が共に同時に縮小され、且つ、下側シリンダ室Lが共に
同時に拡張する。しかし、圧縮されたシリンダ室Uの作
動油はクロス配管26A,26B及び切換弁25を介し
て互いに同じシリンダの下側シリンダ室L及び反対側シ
リンダの下側シリンダLに殆ど等量ずつ流れ込み、しか
も、その両室U,Lの容積変化は両ロッド形であるため
等しいことから、シリンダ室Uから溢れた分の作動油は
殆ど差分なく下側シリンダ室Lに収まり、配管28A,
28B内の油量変化は生じない。このことは、凹部通過
によるリバウンドのときも上下関係が反対になるだけ
で、全く同様である。
【0035】したがって、バウンド,リバウンド時共に
作動油が絞り弁22A,22Bを通過しないから、油圧
式スタビライザ14による減衰力も殆ど発生せず、バウ
ンスを伴う不整路走行時の乗心地悪化が防止される。ま
た、かかる直進状態において、片方の例えば車輪2Lの
みに突起乗越し等によるストローク変動が生じたとす
る。この場合もアクチュエータ部14Aの積極的な内圧
制御は無いが、電磁切換弁25の連通状態にあるため、
シリンダ室Uから溢れた作動油は、切換弁25を介して
自分の下側シリンダ室Lに流れ込む。つまり、切換弁2
5のバイパス作用によって配管28A,28Bに油量変
化が発生せず、減衰力も発生しない。したがって、かか
る片輪バウンスの場合も乗心地が損なわれることは殆ど
ない。
【0036】この良路での直進走行状態から、例えばス
テアリングホイールを左切りして左旋回に移行すると、
これにより内輪から外輪へ荷重移動が生じるとともに、
車両後ろ側からみて右輪2R側の車体が沈み込み、左輪
2L側の車体が浮き上がる方向のローリングが発生しよ
うとする。この旋回に際し、コントローラ36は操舵角
θ及び車速Vから左旋回に応じた符号の横加速度αY
推定演算し、この横加速度αY の絶対値が設定値αY0
越えると、ステップS3からステップS5に移行して切
換弁25を閉状態としてから、横加速度αY に対応して
一義的に定まる目標差圧ΔPをマップ参照によって設定
する。
【0037】その後、コントローラ36は、圧力センサ
40A,40Bの圧力検出値PA, B を読込み、これら
の実差圧ΔP′を算出し、この実差圧ΔP′と目標差圧
ΔPとの差の絶対値が閾値εを越えるまでの間は、横加
速度αY に応じた車両に発生するロールに抗する所定の
ロールモーメントを発生しているものと判断して、電動
モータ34を停止状態に維持する。
【0038】ところが、実差圧ΔP′と目標差圧ΔPと
の差の絶対値が閾値εを越えていると、車両に発生する
ロールに抗する所定のロールモーメントが大きすぎるか
又は小さすぎるので、ステップS9からステップS11
に移行して、実差圧ΔP′と目標差圧ΔPとの偏差にフ
ィードバックゲインKを乗算してモータ駆動電流指令値
M を算出し、次いで、ステップS12に移行して実差
圧ΔP′が目標差圧ΔPより大きいか否かを判定して、
ロールモーメントが大きすぎるか小さすぎるかを判断
し、ΔP′<ΔPであるときにはロールモーメントが小
さすぎるものと判断してステップS14に移行し、電動
モータ34を反時計方向に回転させる左回転指令及びモ
ータ駆動電流指令値値IM をモータ駆動回路37に出力
し、これによって制御用シリンダ30のピストン30b
を右方向に移動させて、クロス配管26Bの圧力を上昇
させ、且つクロス配管26Aの圧力を下降させてからス
テップS7に戻り、上記動作を実差圧ΔP′と目標差圧
ΔPとの偏差の絶対値が閾値ε以下となるまで繰り返さ
れ、|ΔP′−ΔP|≦εとなると電動モータ34の駆
動を停止してステップS1に戻る。
【0039】また、ステップS12の判定結果がΔP′
>ΔPであるときには、ロールモーメントが大きすぎる
ものと判断してステップS13に移行し、電動モータを
上記とは逆の右方向に回転駆動し、制御用シリンダ30
のピストン30bを左動させてクロス配管26Bの圧力
を下降させると共に、クロス配管26Aの圧力を上昇さ
せてからステップS7に戻り、これを|ΔP′−ΔP|
≦εとなるまで繰り返す。
【0040】このため、リヤ側では、軸力ΔFによるモ
ーメントはローリングに抗する方向となり、リヤ側のロ
ール剛性が増加する。これにより、リヤ側のロール剛性
配分が増加するから、リヤ側の内輪から外輪への荷重移
動量が増えて、車両のステア特性がニュートラルステア
方向に変更され、走行軌跡が旋回外側に膨らむという状
態を確実に是正できるとともに、車両トータルのロール
剛性も大きくなって、ロール角も抑制される。そして、
クロス配管26A及び26B間の実差圧ΔP′が横加速
度αY によって一義に決定される目標差圧ΔPに一致す
るように制御用シリンダ30のストロークがフィードバ
ック制御されるので、ロール運動によって発生するロー
ルモーメント分を常に補正することができ、車両振動状
態や運転者の操作量に応じて必要なロールモーメント分
のみを目標値して決定することができるので、高精度の
輪荷重移動制御を行うことができる。
【0041】上述したロール剛性制御は、右旋回時にお
いても同様である。また、旋回中、路面凹凸によってア
クチュエータ部14Aの圧力が急変した場合には、この
圧力変動がアキュムレータ24A,24Bのバネ力及び
絞り弁22A,22Bの発生する減衰力によって抑制さ
れる。図6には上述したある時点の制御の様子を定性的
に示す。同図中、ベクトルv 0 はサスペンション装置を
含めたベース車両のフロント側,リヤ側の荷重移動量を
示し、ベクトルvr が油圧式スタビライザ14によるリ
ヤ側の荷重移動量を示す。
【0042】なお、上述した説明と反対に、油圧式スタ
ビライザ等の輪荷重移動制御装置を併設するベース車両
のイニシャルのステア特性がオーバーステアである場
合、前述した制御原理のように、輪荷重移動制御装置を
前輪側に設置し、横加速度|α Y |の増加に伴ってフロ
ント側ロール剛性を増大させるように制御すればよい。
これによって、横加速度の大きさに比例してロール剛性
のフロント側分担比が増大し、ステア特性がアンダース
テア方向に変更される。そこで、横加速度の変化に起因
してイニシャルのオーバーステア特性が変化しても、そ
の変化量が相殺されて、所定のオーバーステア特性が保
持される。また、車両トータルのロール剛性も横加速度
に応じて大きくなり、ロール角が小さい値に保持され
る。さらに、このように、車両のステア特性の違いによ
って輪荷重移動制御装置の設置位置を変えることができ
るから、その選択幅が広がり、車両設計の自由度が向上
するという利点がある。
【0043】次に、本発明の第2実施例を図7図乃至第
10図を用いて説明する。ここで、第1実施例と同一の
構成要素には同一符号を付し、その説明を省略又は簡略
化する。第2実施例は、輪荷重移動制御装置としての油
圧式スタビライザ14のアクチュエータ部14Aをフロ
ント側,リヤ側に個別に設置し、それらアクチュエータ
部14A,14Aの内圧を独立して制御するようにした
ものである。
【0044】これを図7で説明すると、2FL,2FRが前
左輪,前右輪であり、2RL,2RRが後左輪,後右輪であ
る。前輪2FL,2FR側及び後輪2RL,2RR側には第1実
施例と同一のアクチュエータ部14Aが各々介装され、
それらのアクチュエータ部14A,14Aに対応して制
御用シリンダ30が別個に設けられ、この制御用シリン
ダ30の夫々が電動モータ34によって第1実施例の場
合と同様に個別に駆動される。電動モータ34の各々
は、共通のコントローラ36からのモータ駆動電流IM
及び回転方向指令が供給されるモータ駆動回路37,3
7によって別個に駆動される。その他の構成は第1実施
例と同一である。
【0045】ここで、第2実施例の制御原理を図8によ
り説明する。同図の縦軸及び横軸の採り方は図4の場合
と同一である。いま、ベース車両のステア特性が所定の
アンダーステアであるとすると、輪荷重移動制御装置を
リヤ側のみに設けたときの、横加速度αY の変化による
ステア特性の変化分を是正する制御線は前述したように
縦軸上を動き、当該制御装置をフロント側のみに設けた
ときのそれは前述したように横軸上を動く(但し、縦軸
の輪荷重左右差の左大方向と横軸の輪荷重左右差の右大
方向とが同一の制御方向となる)。このため、横加速度
αY が変化したときのステア特性を一定に保持する制御
線は図中の点線図示のように引ける。これに対し、旋回
状況即ち横加速度αY が変化したとき、ロール角を一定
に保持するためには、輪荷重移動制御装置をリヤ側,フ
ロント側何れに設けた場合でも、トータルのロール剛性
を一定に保持すればよいから、図中の一点鎖線で示す制
御線が、ステア特性一定の制御線に交わる状態で引け
る。
【0046】このため、横加速度αY が変化したとき
に、ステア特性及びロール角の両方を一定に保持しよう
とすると、横加速度αY の同一値毎に両方の制御線の交
わる点を結んで形成される、実線図示の制御線Aに沿っ
て制御すればよい。この制御線Aに基づく具体例を挙げ
る。いま、横加速度αY =0.1Gのとき、輪荷重移動制
御装置をリヤ側のみに設けた場合のロール角一定のため
の必要制御量はya であり、ステア特性一定のための必
要制御量はyb であり、その両方を同時に満足させるこ
とはできない。これに対して、当該制御装置をリヤ側及
びフロント側の両方に設けた場合は、リヤ側の制御量y
C ,フロント側の制御量yd とすればよい。即ち、ロー
ル角一定のための必要量は前後で制御方向が一致するた
め「yC +yd 」(=ya )で賄われ、ステア角一定の
ための必要量は前後で制御方向が反対となるため「yC
−yd 」(=yb )で賄われ、ステア特性一定及びロー
ル角一定の両方が同時に満足される。
【0047】なお、ベース車両がオーバーステア特性を
呈するときは、図8の縦軸及び横軸を入れ換えて形成さ
れる制御線に基づく同様の制御となる。以上の原理に基
づき、コントローラ36は第1実施例を示す図3と同一
のフローチャートに拠って制御を行う。但し、図3のス
テップS6に相当する処理では、図9に示した特性を予
め記憶したマップを参照し、リヤ側差圧目標値ΔPR
びフロント側差圧目標値ΔPF を個別に設定する。図9
の特性は、前述した図8の制御線Aで定められる制御量
を反映させたものである。
【0048】このため、旋回時にはリヤ側,フロント側
両方のアクチュエータ部14A,14Aの内圧が個別に
制御され、しかも、その内圧制御方向は、ステア特性の
一定保持に対しては反対となり、且つ、ロール角の一定
保持に対しては一致する。これにより、その時点の横加
速度αY に起因して変化するステア特性の変化分を相殺
する輪荷重移動量(例えば図8中のyb )が得られ、且
つ、ロール角を一定に保持できる輪荷重移動量(例えば
第8図中のya )が得られる。この荷重移動制御は横加
速度αY の値を常に監視して行われる。したがって、旋
回条件が変わることにより横加速度αY の値が違って
も、ステア特性は殆ど同一に保持され、ロール角も一定
に保持される。
【0049】図10にはある時点の制御の様子を定性的
に示す。同図中、ベクトルv0 はサスペンション装置を
含めたベース車両のフロント側,リヤ側の荷重移動量を
示し、ベクトルvf ,vr が夫々、油圧式スタビライザ
14によるフロント側,リヤ側の荷重移動量を示す。そ
の他の動作は第1実施例と同様である。
【0050】なお、上記実施例におけるアクチュエータ
の構成は前述した実施例記載のものに限定されることな
く、例えば油圧シリンダの介挿方向を左右で相互に反対
にし(例えば第2図において、後右輪側の油圧シリンダ
20Rのシリンダチューブ20aをサスペンションリン
ク8に取り付け、ピストンロッド20cの上端側を車体
6に取り付ける)、両シリンダのシリンダ室U,Lを見
かけ上、並行に接続する構成であってもよく、これによ
っても、前述した実施例と同等の作用効果を得ることが
できる。
【0051】また、上記実施例においては、クロス配管
26A,26B間に連通用の電磁切換弁25を設けた場
合につい説明したが、この電磁切換弁25を省略するよ
うにしてもよい。さらに、上記実施例においては車両の
ロール状態を車速及び操舵角から推定した横加速度αY
によって検出する場合について説明したが、慣性力及び
その作用方向に応じた信号を出力する横加速度センサを
直接用いるようにしてもよい。
【0052】さらにまた、上記実施例においては、作動
流体として作動油を使用する場合について説明したが、
これに限定されるものではなく、他の液体又は圧縮性の
少ない気体を作動流体として適用することもできる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る輪荷重
移動制御装置によれば、車体と左右輪との間に介挿した
流体シリンダ間をクロス配管で上下逆関係に連通し、ク
ロス配管間に制御用シリンダを介挿した輪荷重移動制御
装置において、クロス配管の相対的差圧を差圧検出手段
で検出すると共に、目標差圧決定手段で車両のロール状
態を検出しこのロール状態に基づいて目標差圧を決定
し、ロール剛性制御手段で目標差圧と実際の差圧とに基
づいて制御用シリンダを駆動する駆動装置の駆動指令を
出力して左右の流体シリンダで車体のロールに抗するロ
ールモーメントを発生させるように構成したので、クロ
ス配管の差圧が常に目標差圧にフィードバック制御され
ることになり、ロール運動によって発生するロールモー
メント分を常に補正することができ、車両の運動状態
や、運転者の操作量に応じて必要とするロールモーメン
ト分のみを目標値して決定するだけでよく、複雑な制御
を行うことなく高精度の輪荷重移動制御を行うことがで
きる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す概略構成図である。
【図3】第1実施例に適用するコントローラでの処理手
順の一例を示すフローチャートである。
【図4】第1実施例の制御原理を示す説明図である。
【図5】第1実施例における横加速度と目標差圧との関
係を示す特性線図である。
【図6】第1実施例における制御の様子をベクトル的に
示す説明図である。
【図7】本発明の第2実施例を示す概略構成図である。
【図8】第2実施例の制御原理を示す説明図である。
【図9】第2実施例における横加速度と目標差圧との関
係を示す特性線図である。
【図10】第2実施例における制御の様子をベクトル的
に示す説明図である。
【符号の説明】
6 車体 8 サスペンションリンク 2L,2R,2FL〜2RR 車輪 14 油圧式スタビライザ 14A アクチュエータ部 14B 制御部 20L,20R 油圧シリンダ 26A,26B クロス配管 30 制御用シリンダ 34 電動モータ 36 コントローラ 38 車速センサ 39 操舵角センサ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輪荷重移動量を制御するために車体と左
    右各車輪との間に個別に設けた複動型の流体シリンダ
    と、左側流体シリンダの上室及び下室を夫々右側流体シ
    リンダの下室及び上室に夫々個別に連通するクロス配管
    と、これらクロス配管間に介挿された制御用流体シリン
    ダと、該制御用流体シリンダのピストンを車両に生じる
    横加速度に応じて駆動する駆動装置とを備えた輪荷重移
    動制御装置において、前記クロス配管の夫々の相対圧力
    差を検出する差圧検出手段と、前記車体のロール状態を
    検出するロール状態検出手段と、該ロール状態検出手段
    のロール状態検出値に応じた差圧目標値を決定する目標
    差圧決定手段と、前記差圧検出手段の差圧検出値と前記
    目標差圧決定手段の差圧目標値との差を小さくして前記
    駆動装置に対して車体のロール運動によるロールモーメ
    ント分を補正した駆動指令値を出力するロール剛性制御
    手段とを備えたことを特徴とする輪荷重移動制御装置。
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