JPH115883A - フッ素系樹脂水性エマルジョン組成物及びフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品 - Google Patents
フッ素系樹脂水性エマルジョン組成物及びフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品Info
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- JPH115883A JPH115883A JP17888797A JP17888797A JPH115883A JP H115883 A JPH115883 A JP H115883A JP 17888797 A JP17888797 A JP 17888797A JP 17888797 A JP17888797 A JP 17888797A JP H115883 A JPH115883 A JP H115883A
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- based resin
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- aqueous emulsion
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化ビニル系樹脂成形品等との接着性に優れ
るフッ素系樹脂水性エマルジョンを得る。 【解決手段】 フッ素系樹脂水性エマルジョン中に、ペ
ースト用塩化ビニル系樹脂を混合、分散する。フッ素系
樹脂水性エマルジョンによる被膜が本来有する特性を損
なわず、塩化ビニル系樹脂成形品との接着性を向上させ
るには、ペースト用塩化ビニル系樹脂の添加量を、フッ
素系樹脂水性エマルジョンの固形分100重量部に対
し、1〜30重量部程度とするのが望ましい。
るフッ素系樹脂水性エマルジョンを得る。 【解決手段】 フッ素系樹脂水性エマルジョン中に、ペ
ースト用塩化ビニル系樹脂を混合、分散する。フッ素系
樹脂水性エマルジョンによる被膜が本来有する特性を損
なわず、塩化ビニル系樹脂成形品との接着性を向上させ
るには、ペースト用塩化ビニル系樹脂の添加量を、フッ
素系樹脂水性エマルジョンの固形分100重量部に対
し、1〜30重量部程度とするのが望ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
等からなる成形品の表面に塗布し、被膜を形成するのに
好適なフッ素系樹脂水性エマルジョン及びそのエマルジ
ョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品に関
する。
等からなる成形品の表面に塗布し、被膜を形成するのに
好適なフッ素系樹脂水性エマルジョン及びそのエマルジ
ョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の用途でフィルム状、シ
ート状、その他種々の形状の塩化ビニル系樹脂成形品が
使用されている。これらの塩化ビニル系樹脂成形品は、
可塑剤、安定剤等の各種添加剤を含む塩化ビニル系樹脂
組成物を、カレンダー法、押出法、射出成形法、注型成
形法等の適宜の成形法により、所望の形状に成形して得
られるものや、カレンダー法等によって得たシート状物
等を、真空成形法、プレス成形法等の二次加工により所
望の形状に成形して得られるものである。
ート状、その他種々の形状の塩化ビニル系樹脂成形品が
使用されている。これらの塩化ビニル系樹脂成形品は、
可塑剤、安定剤等の各種添加剤を含む塩化ビニル系樹脂
組成物を、カレンダー法、押出法、射出成形法、注型成
形法等の適宜の成形法により、所望の形状に成形して得
られるものや、カレンダー法等によって得たシート状物
等を、真空成形法、プレス成形法等の二次加工により所
望の形状に成形して得られるものである。
【0003】ところで、上記の塩化ビニル系樹脂成形品
は、一般的に、可塑剤等の各種添加剤を含む塩化ビニル
系樹脂組成物からなるため、表面がべたつき易く、汚れ
等が付着し易い。これらの塩化ビニル系樹脂成形品の汚
れの付着を防ぐ方法としては、アクリル系樹脂、フッ素
系樹脂等を含む塗料を塗布して、汚れの付着を防止する
ための被膜を形成する方法が知られている。特に、フッ
素系樹脂を含む塗料からなる被膜は、汚れの付着防止性
に優れるのみならず、耐溶剤性等にも優れるという利点
がある。
は、一般的に、可塑剤等の各種添加剤を含む塩化ビニル
系樹脂組成物からなるため、表面がべたつき易く、汚れ
等が付着し易い。これらの塩化ビニル系樹脂成形品の汚
れの付着を防ぐ方法としては、アクリル系樹脂、フッ素
系樹脂等を含む塗料を塗布して、汚れの付着を防止する
ための被膜を形成する方法が知られている。特に、フッ
素系樹脂を含む塗料からなる被膜は、汚れの付着防止性
に優れるのみならず、耐溶剤性等にも優れるという利点
がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記フッ素系樹脂を含
む塗料からなる被膜は、汚れの付着防止性、耐溶剤性等
に優れるという利点がある反面、塩化ビニル系樹脂成形
品との接着性に劣るという欠点があることが知られてい
る。そのため、上記のフッ素系樹脂を含む塗料からなる
被膜を形成するためには、塗料の塗布面にバインダーを
予め塗布しておく等の手段により、接着性を改良する必
要があり、その分手間がかかるという問題があった。
む塗料からなる被膜は、汚れの付着防止性、耐溶剤性等
に優れるという利点がある反面、塩化ビニル系樹脂成形
品との接着性に劣るという欠点があることが知られてい
る。そのため、上記のフッ素系樹脂を含む塗料からなる
被膜を形成するためには、塗料の塗布面にバインダーを
予め塗布しておく等の手段により、接着性を改良する必
要があり、その分手間がかかるという問題があった。
【0005】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、バインダーを塗布しておくようなこ
とをせずとも、塩化ビニル系樹脂成形品との接着性に優
れ、フッ素系樹脂を含む被膜を形成するために好適な、
フッ素系樹脂水性エマルジョンを提供することを目的と
するものである。
されたものであり、バインダーを塗布しておくようなこ
とをせずとも、塩化ビニル系樹脂成形品との接着性に優
れ、フッ素系樹脂を含む被膜を形成するために好適な、
フッ素系樹脂水性エマルジョンを提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のフッ素系樹脂水
性エマルジョン組成物は、フッ素系樹脂を水中に分散し
てなるエマルジョン中に、ペースト用塩化ビニル系樹脂
を、混合、分散してなることを特徴とするものである。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂成形品は、上記の組成
からなるフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形
成したことを特徴とするものである。
性エマルジョン組成物は、フッ素系樹脂を水中に分散し
てなるエマルジョン中に、ペースト用塩化ビニル系樹脂
を、混合、分散してなることを特徴とするものである。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂成形品は、上記の組成
からなるフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形
成したことを特徴とするものである。
【0007】上記のフッ素系樹脂としては、ポリ四フッ
化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂等のフッ素系樹脂、或いはこれ
らのフッ素系樹脂の混合物等が使用できる。
化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合樹脂、ポリ三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレ
ン−エチレン共重合樹脂等のフッ素系樹脂、或いはこれ
らのフッ素系樹脂の混合物等が使用できる。
【0008】上記のフッ素系樹脂が水中に分散されたフ
ッ素系樹脂水性エマルジョンには、ペースト用塩化ビニ
ル系樹脂が混合、分散せしめられる。このペースト用塩
化ビニル系樹脂の添加量は、フッ素系樹脂固形分100
重量部に対し、1〜30重量部とするのが好ましく、特
に好ましくは、3〜15重量部である。ペースト用塩化
ビニル系樹脂の添加量が少なすぎると、塩化ビニル系樹
脂成形品との接着性の向上が見られず、ペースト用塩化
ビニル系樹脂の添加量が多すぎると、相対的にフッ素系
樹脂の量が減ることになり、得られる被膜の汚れ付着防
止性、耐溶剤性等のフッ素系樹脂を含む被膜が本来有す
る特性を損なう。
ッ素系樹脂水性エマルジョンには、ペースト用塩化ビニ
ル系樹脂が混合、分散せしめられる。このペースト用塩
化ビニル系樹脂の添加量は、フッ素系樹脂固形分100
重量部に対し、1〜30重量部とするのが好ましく、特
に好ましくは、3〜15重量部である。ペースト用塩化
ビニル系樹脂の添加量が少なすぎると、塩化ビニル系樹
脂成形品との接着性の向上が見られず、ペースト用塩化
ビニル系樹脂の添加量が多すぎると、相対的にフッ素系
樹脂の量が減ることになり、得られる被膜の汚れ付着防
止性、耐溶剤性等のフッ素系樹脂を含む被膜が本来有す
る特性を損なう。
【0009】このペースト用塩化ビニル系樹脂は、極め
て微細なポリマー粒子であって、粒子径としては、0.
02〜20μm程度のものが一般的である。このペース
ト用塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独、もしくは塩
化ビニルとエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、マレイ
ン酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル、高級ビニ
ルエーテル等とを、水溶性の重合開始剤を使用してラジ
カル重合させる乳化重合法や、非水溶性の重合開始剤を
使用し、ホモジナイザー等を用いて、これらの単量体を
機械的に水中に均一分散させた状態で重合させるマイク
ロサスペンジョン重合法等によって得られるものであ
る。
て微細なポリマー粒子であって、粒子径としては、0.
02〜20μm程度のものが一般的である。このペース
ト用塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独、もしくは塩
化ビニルとエチレン、プロピレン、酢酸ビニル、マレイ
ン酸エステル、(メタ)アクリル酸エステル、高級ビニ
ルエーテル等とを、水溶性の重合開始剤を使用してラジ
カル重合させる乳化重合法や、非水溶性の重合開始剤を
使用し、ホモジナイザー等を用いて、これらの単量体を
機械的に水中に均一分散させた状態で重合させるマイク
ロサスペンジョン重合法等によって得られるものであ
る。
【0010】本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョン中
には、上記のペースト用塩化ビニル系樹脂の他にも、必
要に応じて、各種添加剤、具体的には、消泡剤、増粘
剤、pH調整剤(中和剤)、乾燥遅延剤、無機充填剤等
を添加してもよい。特に、上記の組成からなるフッ素系
樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成すると、表面に
光沢が出る傾向にあるので、用途等によっては、シリ
カ、アルミナ等の艶消し剤を添加し、得られる被膜の艶
を調整するようにするのが望ましい。また、フッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜の特性を損なわない範囲
であれば、上記のフッ素系樹脂水性エマルジョン中に、
アクリル系樹脂等の合成樹脂を添加することもできる。
には、上記のペースト用塩化ビニル系樹脂の他にも、必
要に応じて、各種添加剤、具体的には、消泡剤、増粘
剤、pH調整剤(中和剤)、乾燥遅延剤、無機充填剤等
を添加してもよい。特に、上記の組成からなるフッ素系
樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成すると、表面に
光沢が出る傾向にあるので、用途等によっては、シリ
カ、アルミナ等の艶消し剤を添加し、得られる被膜の艶
を調整するようにするのが望ましい。また、フッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜の特性を損なわない範囲
であれば、上記のフッ素系樹脂水性エマルジョン中に、
アクリル系樹脂等の合成樹脂を添加することもできる。
【0011】本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョンを
塗布し、被膜を形成する塩化ビニル系樹脂成形品は、従
来より通常に使用されている塩化ビニル系樹脂成形品で
あれば、如何なる形状のものであってもよいし、如何な
る成形方法によって成形されたものであってもよい。具
体的には、塩化ビニル系樹脂からなる単層或いは複層の
フィルムやシート、発泡或いは非発泡の塩化ビニル系樹
脂層と紙、布帛類、発泡或いは非発泡の合成樹脂シート
等との積層品である壁材、床材、天井材、レザー等の装
飾シート、射出成形や注型成形により所望の形状に成形
された成形品、塩化ビニル系樹脂からなるフィルムやシ
ート、或いは積層品を二次加工して得られる文具類、ケ
ース、靴(胛被)、鞄、袋物、家具、車輌用内装品等で
ある。
塗布し、被膜を形成する塩化ビニル系樹脂成形品は、従
来より通常に使用されている塩化ビニル系樹脂成形品で
あれば、如何なる形状のものであってもよいし、如何な
る成形方法によって成形されたものであってもよい。具
体的には、塩化ビニル系樹脂からなる単層或いは複層の
フィルムやシート、発泡或いは非発泡の塩化ビニル系樹
脂層と紙、布帛類、発泡或いは非発泡の合成樹脂シート
等との積層品である壁材、床材、天井材、レザー等の装
飾シート、射出成形や注型成形により所望の形状に成形
された成形品、塩化ビニル系樹脂からなるフィルムやシ
ート、或いは積層品を二次加工して得られる文具類、ケ
ース、靴(胛被)、鞄、袋物、家具、車輌用内装品等で
ある。
【0012】上記のフッ素系樹脂水性エマルジョンを塗
布する方法は、例えば、ドクターナイフコーター、ロー
ルコーター、スクリーンプリンター、グラビアプリンタ
ー、ロータリースクリーンプリンター、カーテンフロー
コーター、スプレーコーター等の適宜の方法が採用され
る。
布する方法は、例えば、ドクターナイフコーター、ロー
ルコーター、スクリーンプリンター、グラビアプリンタ
ー、ロータリースクリーンプリンター、カーテンフロー
コーター、スプレーコーター等の適宜の方法が採用され
る。
【0013】
【実施例】以下、具体的な実施例を挙げ、本発明につい
て更に詳細に説明する。尚、以下に示す実施例では、塩
化ビニル系樹脂成形品として、難燃性を付与した裏打紙
の表面に、ポリ塩化ビニルからなる装飾層を形成した塩
化ビニル系樹脂製壁材を例に挙げて説明するが、上記し
た通り、本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョンを塗布
し、被膜を形成する塩化ビニル系樹脂成形体は、塩化ビ
ニル系樹脂製壁材に限定されるものではなく、また、以
下に示す本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョンは、塩
化ビニル系樹脂製壁材以外の塩化ビニル系樹脂成形体に
塗布し、被膜を形成した場合も、略同等の効果を奏する
ものである。
て更に詳細に説明する。尚、以下に示す実施例では、塩
化ビニル系樹脂成形品として、難燃性を付与した裏打紙
の表面に、ポリ塩化ビニルからなる装飾層を形成した塩
化ビニル系樹脂製壁材を例に挙げて説明するが、上記し
た通り、本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョンを塗布
し、被膜を形成する塩化ビニル系樹脂成形体は、塩化ビ
ニル系樹脂製壁材に限定されるものではなく、また、以
下に示す本発明のフッ素系樹脂水性エマルジョンは、塩
化ビニル系樹脂製壁材以外の塩化ビニル系樹脂成形体に
塗布し、被膜を形成した場合も、略同等の効果を奏する
ものである。
【0014】実施例1 表1に示す配合からなるフッ素系樹脂水性エマルジョン
を調製し、得られたフッ素系樹脂水性エマルジョンを、
塩化ビニル系樹脂製壁材の表面にナイフコーターで塗布
し、乾燥して被膜を形成した。表面に形成されたフッ素
系樹脂エマルジョンによる被膜は、塩化ビニル系樹脂製
壁材表面に強固に密着しており、剥離することはなかっ
た。また、表面にフッ素系樹脂エマルジョンによる被膜
を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材は、適度の艶消し状
態で好適な外観を呈しており、防汚性に優れ、かつ耐溶
剤性にも優れるものであった。
を調製し、得られたフッ素系樹脂水性エマルジョンを、
塩化ビニル系樹脂製壁材の表面にナイフコーターで塗布
し、乾燥して被膜を形成した。表面に形成されたフッ素
系樹脂エマルジョンによる被膜は、塩化ビニル系樹脂製
壁材表面に強固に密着しており、剥離することはなかっ
た。また、表面にフッ素系樹脂エマルジョンによる被膜
を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材は、適度の艶消し状
態で好適な外観を呈しており、防汚性に優れ、かつ耐溶
剤性にも優れるものであった。
【0015】
【表1】 フッ素系樹脂水性エマルジョン(固形分50重量%) 100重量部 ペースト用ポリ塩化ビニル 10重量部 炭酸カルシウム 50重量部 シリカ(艶消し剤) 10重量部 消泡剤 3重量部 増粘剤 3重量部
【0016】実施例2 フッ素系樹脂水性エマルジョンに添加するペースト用ポ
リ塩化ビニルの量を、5重量部とする以外は、実施例1
と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンによ
る被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表面
に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜
は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、汚れ付着防止性(防汚性)に優れ、かつ耐溶剤性
にも優れるものであった。
リ塩化ビニルの量を、5重量部とする以外は、実施例1
と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンによ
る被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表面
に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜
は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、汚れ付着防止性(防汚性)に優れ、かつ耐溶剤性
にも優れるものであった。
【0017】実施例3 フッ素系樹脂水性エマルジョンに添加するペースト用ポ
リ塩化ビニルの量を、25重量部とする以外は、実施例
1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンに
よる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表
面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被
膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、防汚性及び耐溶剤性については、実施例1、2の
ものと比較するとやや劣るものの、優れたものであっ
た。
リ塩化ビニルの量を、25重量部とする以外は、実施例
1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンに
よる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表
面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被
膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、防汚性及び耐溶剤性については、実施例1、2の
ものと比較するとやや劣るものの、優れたものであっ
た。
【0018】実施例4 フッ素系樹脂水性エマルジョンに添加するペースト用ポ
リ塩化ビニルの量を、40重量部とする以外は、実施例
1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンに
よる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表
面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被
膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、防汚性及び耐溶剤性は、被膜を形成しない塩化ビ
ニル系樹脂製壁材よりは優れるものの、実施例3のもの
よりも劣るものであった。
リ塩化ビニルの量を、40重量部とする以外は、実施例
1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エマルジョンに
よる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁材を得た。表
面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被
膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固に密着してお
り、剥離することはなかった。また、表面にフッ素系樹
脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系
樹脂製壁材は、適度の艶消し状態で好適な外観を呈して
おり、防汚性及び耐溶剤性は、被膜を形成しない塩化ビ
ニル系樹脂製壁材よりは優れるものの、実施例3のもの
よりも劣るものであった。
【0019】実施例5 フッ素系樹脂水性エマルジョンにシリカを添加しない以
外は、実施例1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エ
マルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁
材を得た。表面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジ
ョンによる被膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固
に密着しており、剥離することはなかった。また、表面
にフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した
塩化ビニル系樹脂製壁材は、表面の光沢が目立ち、壁材
として好適なものとは言えなかったが、防汚性に優れ、
かつ耐溶剤性にも優れるものであった。
外は、実施例1と同様にして表面にフッ素系樹脂水性エ
マルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂製壁
材を得た。表面に形成されたフッ素系樹脂水性エマルジ
ョンによる被膜は、塩化ビニル系樹脂製壁材表面に強固
に密着しており、剥離することはなかった。また、表面
にフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した
塩化ビニル系樹脂製壁材は、表面の光沢が目立ち、壁材
として好適なものとは言えなかったが、防汚性に優れ、
かつ耐溶剤性にも優れるものであった。
【0020】実施例6 フッ素系樹脂水性エマルジョンにペースト用ポリ塩化ビ
ニルを添加しない以外は、実施例1と同様にして表面に
フッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩
化ビニル系樹脂製壁材を得たが、表面に形成されたフッ
素系樹脂水性エマルジョンによる被膜は、塩化ビニル系
樹脂製壁材表面より容易に剥離してしまった。
ニルを添加しない以外は、実施例1と同様にして表面に
フッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩
化ビニル系樹脂製壁材を得たが、表面に形成されたフッ
素系樹脂水性エマルジョンによる被膜は、塩化ビニル系
樹脂製壁材表面より容易に剥離してしまった。
【0021】上記の結果より明らかなように、ペースト
用塩化ビニル系樹脂を添加しない実施例6のフッ素系樹
脂水性エマルジョンを使用した場合では、プライマー処
理を施す等の接着性を向上させるための処理をしない塩
化ビニル系樹脂成形品表面には被膜を形成させても、そ
の接着性が極めて劣ることがわかる。また、実施例5に
あるように、シリカ等の艶消し剤を添加しないフッ素系
樹脂水性エマルジョンを用いた場合では、被膜を形成す
ると、光沢が目立ち壁材等の用途には適さないが、光沢
が目立っても支障がないような物品であれば、勿論使用
可能である。更に、実施例3、4からわかるように、ペ
ースト用塩化ビニル系樹脂の添加量が多すぎると、フッ
素系樹脂水性エマルジョンによる被膜が本来有する汚れ
付着防止性、耐溶剤性等の特性を損なうため、用途等に
よってペースト用塩化ビニル系樹脂の添加量を調整する
必要があることがわかる。
用塩化ビニル系樹脂を添加しない実施例6のフッ素系樹
脂水性エマルジョンを使用した場合では、プライマー処
理を施す等の接着性を向上させるための処理をしない塩
化ビニル系樹脂成形品表面には被膜を形成させても、そ
の接着性が極めて劣ることがわかる。また、実施例5に
あるように、シリカ等の艶消し剤を添加しないフッ素系
樹脂水性エマルジョンを用いた場合では、被膜を形成す
ると、光沢が目立ち壁材等の用途には適さないが、光沢
が目立っても支障がないような物品であれば、勿論使用
可能である。更に、実施例3、4からわかるように、ペ
ースト用塩化ビニル系樹脂の添加量が多すぎると、フッ
素系樹脂水性エマルジョンによる被膜が本来有する汚れ
付着防止性、耐溶剤性等の特性を損なうため、用途等に
よってペースト用塩化ビニル系樹脂の添加量を調整する
必要があることがわかる。
【0022】
【発明の効果】本発明のフッ素系水性樹脂エマルジョン
は、塩化ビニル系樹脂成形品の表面をプライマー処理を
せずとも、強固に接着する被膜を形成することができ
る。従って、防汚性や耐溶剤性等に優れる被膜を形成し
た塩化ビニル系樹脂成形品を、容易にかつ低コストにて
得ることができる。
は、塩化ビニル系樹脂成形品の表面をプライマー処理を
せずとも、強固に接着する被膜を形成することができ
る。従って、防汚性や耐溶剤性等に優れる被膜を形成し
た塩化ビニル系樹脂成形品を、容易にかつ低コストにて
得ることができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ素系樹脂を水中に分散させてなるエ
マルジョン中に、ペースト用塩化ビニル系樹脂を混合、
分散してなることを特徴とするフッ素系樹脂水性エマル
ジョン組成物。 - 【請求項2】 エマルジョン中に混合、分散してなるペ
ースト用塩化ビニル系樹脂の混合割合が、エマルジョン
中に含まれるフッ素系樹脂固形分100重量部に対し
て、1〜30重量部である請求項1記載のフッ素系樹脂
水性エマルジョン組成物。 - 【請求項3】 ペースト用塩化ビニル系樹脂を混合、分
散してなるフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を
形成してなる塩化ビニル系樹脂成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17888797A JPH115883A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | フッ素系樹脂水性エマルジョン組成物及びフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17888797A JPH115883A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | フッ素系樹脂水性エマルジョン組成物及びフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH115883A true JPH115883A (ja) | 1999-01-12 |
Family
ID=16056444
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP17888797A Pending JPH115883A (ja) | 1997-06-19 | 1997-06-19 | フッ素系樹脂水性エマルジョン組成物及びフッ素系樹脂水性エマルジョンによる被膜を形成した塩化ビニル系樹脂成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH115883A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103524953A (zh) * | 2013-09-18 | 2014-01-22 | 铜陵新创流体科技有限公司 | 一种抗菌密封圈 |
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1997
- 1997-06-19 JP JP17888797A patent/JPH115883A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103524953A (zh) * | 2013-09-18 | 2014-01-22 | 铜陵新创流体科技有限公司 | 一种抗菌密封圈 |
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