JPH1158235A - 使用済み切断用組成物の再生方法 - Google Patents

使用済み切断用組成物の再生方法

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JPH1158235A
JPH1158235A JP22928797A JP22928797A JPH1158235A JP H1158235 A JPH1158235 A JP H1158235A JP 22928797 A JP22928797 A JP 22928797A JP 22928797 A JP22928797 A JP 22928797A JP H1158235 A JPH1158235 A JP H1158235A
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JP
Japan
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abrasive grains
cutting
composition
liquid phase
regenerating
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Application number
JP22928797A
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English (en)
Inventor
Hideki Yokoyama
英樹 横山
Kazuyuki Mori
和幸 森
Shigehiro Hayashi
重宏 林
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Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬脆材料の切断に用いられた使用済み水溶性
切断用組成物から所定粒径ごとの砥粒および加工液を回
収する使用済み切断用組成物の再生方法を得ること。 【解決手段】 硬脆材料を切断後における使用済み切断
用組成物を、液相と固相とに分離する工程と、分離され
た固相について分級処理を行い、所定粒経の砥粒を含有
する1または複数の液相及び所定粒径未満の固形残渣を
含有する液相とに分離する工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬脆材料の切断に
用いられた使用済み切断用組成物の再生方法に係り、さ
らに詳しくは、例えば、半導体結晶材料のウェーハの製
造において、シリコンインゴットからワイヤーソー等の
切断装置により切断加工する際に用いられた使用済み水
溶性切断用組成物から砥粒および加工液を回収する方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピューターをはじめとするハ
イテク製品に使用される高性能半導体デバイスチップ
は、ますます高集積度化が進みつつあり、これによるチ
ップサイズの大型化が進行している。そして、このチッ
プサイズの大型化に伴い、生産性低下、コストアップな
どの問題が生じている。このため、もとになるウェーハ
の面積を大きくして、単位面積当たりのチップ数を多く
することで、これらの問題解決が図られてきた。
【0003】これまでの、比較的面積が小さい、例えば
直径6インチ程度までのシリコンインゴットの切断に
は、内周刃タイプの切断装置が使用されてきた。これ
は、内周刃タイプの切断装置は、直径の比較的小さいイ
ンゴットの切断において、切断刃の「ぶれ」が比較的小
さいために加工精度が高く、生産性が優れていることに
よる。
【0004】しかし、内周刃タイプの切断装置を用い
て、直径の大きいインゴットを切断しようとすると、切
断時における切断刃のぶれが大きくなり、ウェーハの中
央部が凸状になる「そり」が発生しやすくなる。このた
めに、加工精度が悪化してウェーハの歩留まりが低下し
てしまうという問題が起こる。この問題の解決のため
に、直径の大きい、例えば直後8インチ以上の、インゴ
ットの切断にはワイヤーソーが使用されることが多い。
このワイヤーソーによる切断加工は、他の方法に比べ、
より均一な厚さでインゴットを切断することができ、カ
ーフロスと呼ばれる切断屑の発生が少なくなり、一度に
多数枚のウェーハの切断が可能であるという長所があ
る。
【0005】前記の各種インゴットの切断には、加工時
の潤滑および冷却の目的で、あるいは切断されたウェー
ハの形状や切断表面の平滑さを向上させる目的で、切断
用加工液に砥粒を分散させた切断用組成物が使用されて
いる。従来、内周刃やワイヤーソーをはじめとする各種
の切断装置には、鉱物油等のパラフィン系オイルを含む
加工液、およびGC(緑色炭化ケイ素)、C(黒色炭化
ケイ素)、FO(:商品名、(株)フジミインコーポレ
ーテッド製)、酸化アルミニウムまたはその他の各種研
磨材から選ばれた少なくとも1種類の研磨材である砥粒
を含む油性の切断用組成物が広く使用されてきた。
【0006】一般に切断用組成物を用いて切断加工を行
った場合、インゴットの切断処理を継続して行くにつ
れ、組成物中の砥粒の一部が、切断加工における破砕お
よび摩耗により微細化され微細砥粒となる。また、切断
加工により被研磨物の加工屑である研磨屑が発生する。
さらに、切断装置のワイヤーまたは切断刃から鉄紛およ
び微細鉄粉が発生する。このため、使用済みの組成物中
には、まだ有効な砥粒や前記微細砥粒の他に、研磨屑、
鉄紛および微細鉄粉(以下、これらを総称して「不要
物」という)が混在しており、組成物を循環させて繰り
返し使用した場合、組成物中に徐々に蓄積された微細砥
粒や不要物によって、切断精度が低下したり、被切断物
の表面にスクラッチ等の欠陥を発生させて被研磨物の品
質に悪影響を及ぼすことがあり、切断効率および生産性
を低下させる要因となる。このため、切断加工を行った
後の使用済みの組成物は、従来は短期間の使用で捨てら
れていた。しかし一方では、切断加工装置で使用される
組成物は非常に高価であるため、従来よりコストダウン
が求められており、これらの問題を解決するための手段
のひとつとして、組成物中の砥粒を回収し再度使用する
方法が検討されていた。
【0007】一方、使用済みの組成物中の砥粒等による
廃棄物は年々増大し、これによって発生する環境汚染が
指摘されていた。この問題を解決する手段のひとつとし
ても、組成物中の砥粒を回収し再度使用する方法が検討
されていた。
【0008】前述の油性の切断用組成物を用いて切断を
行った場合、切断後のウェーハなどに付着した切断用組
成物や切断屑を水で洗い落とすことが困難である。この
ため、切断後のウェーハ等の洗浄には、有機溶剤、例え
ば灯油、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、塩化
メチル、フロン等、を使用しなければならないことが多
かった。しかし、これらの有機溶剤は、人体に対して有
害なものが多く、また大気汚染や水質汚染などの環境破
壊の原因となりうるため、取り扱いには格別の注意が必
要となる。また、これらの有機溶剤を製造工程に適用す
ることにより、有機溶剤のための工程設備が必要になる
などの制約も加わってしまう。さらに、この油性の使用
済み組成物は、産業廃棄物として焼却処理されることが
多いが、その際に有害ガスを発生して大気汚染の原因に
なる可能性もある。このため、洗浄性および環境保護の
立場から水溶性の切断用組成物が検討されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】水溶性の切断用組成物
において砥粒とともに使用される加工液としては、例え
ば特開平4−216897号公報および特開平4−21
8594号公報において、水にエチレングリコール類、
粘度調製剤、界面活性剤、およびその他からなる加工液
が開示されている。また、本出願人は、特願平9−64
796号においてポリアルキレングリコールおよびその
他の誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種類の
グリコール化合物、粘度調製剤および水を含む加工液に
関する発明につき出願を行った。最近では、水溶性の切
断用組成物が使用されつつあるが、コストダウンおよび
廃棄物削減の観点より、水溶性の組成物についても、油
性の組成物同様、組成物中の砥粒を回収し再度使用する
技術の確立が望まれていた。
【0010】また、前述したように、切断加工に使用し
た組成物中の砥粒の一部は微細化されており、組成物中
の砥粒の粒径は切断加工前に比べ細目にシフトしてい
る。このため、使用済みの組成物から比較的高い収率で
砥粒を回収して再度切断加工に使用しようとすると、切
断加工前の砥粒が有していた切断性能が得られないため
新しい砥粒を混合する必要があった。逆に、使用済みの
組成物から切断加工前と同一の粒径を有する砥粒を回収
しようとするとかなりの割合の砥粒は捨てることとな
り、微細化されてはいるがまだ他の用途に使用可能な砥
粒まで捨てなければならなかった。従って、経済性およ
び廃棄物削減の観点より、まだ有用な砥粒のみならず、
複数の粒径に微細化された砥粒についても所定の粒径毎
に回収し、再利用可能な技術の確立が望まれていた。
【0011】本発明は、前記の課題を解決するためにな
されたもので、硬脆材料の切断に用いられた使用済み水
溶性切断用組成物から、所定の粒径毎の砥粒および加工
液を回収する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明に係る使用済み切断用組成物の再生方法
において、その第一は、硬脆材料を切断後における使用
済み切断用組成物から砥粒を回収する方法であり、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
程と、 b)a)の工程で分離された固相について分級処理を行
い、所定粒径の砥粒を含有する1または複数の液相およ
び所定粒径未満の固形残渣を含有する液相とに分離する
工程とを有するものである。
【0013】(2) また、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
程と、 b)a)の工程で分離された固相について分級処理を行
い、所定粒径の砥粒を含有する1または複数の液相及び
所定粒径未満の固形残渣を含有する液相とに分離する工
程と、 c)b)の工程で分離された液相から分級に用いた液相
分を除去する工程とを有するものである。
【0014】(3) 上記(1)又は(2)のb)の工
程を、湿式法により行うようにしたものである。 (4) 上記(1)〜(3)のいずれかのb)の工程
を、下部が円錐形状に形成された円筒状の1又は連続し
た複数の分級槽を用いて行うようにしたものである。
【0015】(5) また、本発明の第二は、硬脆材料
を切断後における使用済み切断用組成物から加工液を回
収する方法であり、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
程と、 b)a)の工程で分離された液相から液相中に存在する
異物を取り除く工程と、 c)b)の工程で異物が除去された液相から陽イオンを
除去する工程と、 d)c)の工程で陽イオンが除去された液相から異物を
取り除く工程とを有するものである。
【0016】(6) 上記(5)のc)の工程を、吸着
処理により行うようにしたものである。 (7) 上記(5)又は(6)の吸着処理を、酸化マグ
ネシウム、水酸化アルミニウムゲル、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性アルミニウム・ナトリ
ウム・カーボネイト、ハイドロタルサイト、ケイ酸マグ
ネシウム、ケイ酸アルミニウム、スメクタイトおよびモ
ンモリナイトから選ばれる少なくとも1種類の吸着剤を
用いて行うようにしたものである。
【0017】(8) また、本発明に係る使用済み切断
用組成物の再生法法は、上記(1)または(2)におい
て再生された固相および上記(5)において再生された
液相を用いるようにしたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る使用済み切断
用組成物の再生方法を図面に基づき説明する。図1は各
工程を物質収支とともに示す本発明の一実施形態の工程
図、図2は本発明における砥粒の回収方法に用いる砥粒
分級工程の概略を示す説明図である。
【0019】切断試験終了後の使用済みの組成物は、例
えば、図1に示すように、加工液、砥粒、切断屑、鉄紛
および微細鉄紛を含有する。まず、得られた使用済み組
成物を砥粒が沈殿した固相と加工液である液相に分離さ
せる。固相と液相を分離させる方法は任意であり、静置
または固液分離の時間を短縮する目的で遠心分離および
その他の方法を用いてもよい。
【0020】まず、砥粒の回収方法について説明する。
前述のようにして得られた固相を翼式攪拌機等を用いて
攪拌することで砥粒を均一に分散させ、砥粒分級のため
の原料スラリーを調製する。この原料スラリーを調製す
る際に固相に水を加え、好ましくは1.5〜30倍、さ
らに好ましくは2〜10倍に希釈して、翼式攪拌機等を
用いて攪拌することで砥粒を分散させ、原料スラリーを
調製してもよい。固相を希釈する際に使用する溶媒は、
砥粒の分散を妨げない低粘度のものであれば特に限定さ
れないが、経済性、安全性などを考慮すると水であるこ
とが好ましい。また、砥粒をより均一に分散させる助剤
として、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナト
リウムおよびその他の公知の各種分散剤を添加してもよ
い。
【0021】このようにして得られた原料スラリーを、
図2の下部が円錐形状に形成された円筒状の分級槽aに
投入する。分級槽aの下部には水供給口a1 が設けられ
ており、そこから一定流量の水を安定的に供給する。切
断加工により微細化されていないスラリー中の砥粒は分
級槽aに残り、それよりも小さな砥粒および不要物を含
むスラリーは分級槽aの上方排水口a2 からオーバーフ
ローし、落差により次の下部が円錐形状に形成された円
筒状の分級槽bの下部のスラリー供給口b1 より分級槽
bへ送給される。同様にして、分級槽bの上方排水口b
2 からオーバーフローしたさらに小さな砥粒および不要
物を含むスラリーは、落差により次の分級槽cの下部の
スラリー供給口c1 より分級槽cへ送給される。以下、
回収したい粒径の種類だけ同様に分級槽を設置してそれ
ぞれ所定粒径の砥粒を含有する液相となり、それ以外の
固形残渣を有する液相はストックタンクzに集められて
水分が除去された後、セメントの増量材やその他用途の
材料として再利用される。
【0022】各分級槽間におけるスラリーの送給を落差
を利用して行う場合、分級槽bの上方排水口b2 は分級
槽aの上方排水口a2 よりも低い位置に設定することが
必要である。分級槽c以降を設置する場合にも同様に、
分級槽の上方排水口をその前の分級槽の上方排水口より
も低い位置に設定することが必要である。また、スラリ
ーの送給はポンプを利用して行ってもよいが、ポンプを
利用する場合は脈動しないタイプのポンプを使用するこ
とが望ましい。さらに、各分級槽内で水が乱流を起こさ
ず、かつ所定の粒径が得られるように、分級槽の形状、
水速、水およびスラリーの供給口形状、ならびにスラリ
ーを送給するポンプの種類等の条件を正確に設定するこ
とが必要である。
【0023】一定時間経過後、分級槽aの水供給口a1
からの水の送給を止めて、各分級槽a,b,c内に残っ
た砥粒を回収する。なお、分級槽の水またはスラリーの
供給口と排水口の間に、砥粒回収口と原料スラリー供給
口を設け、砥粒回収口から各分級槽内に残った砥粒を回
収した後、新たに分級したい原料スラリーを送給するこ
とで、分級を止めることなく連続で行うこともできる。
各分級槽から取り出された砥粒は、静置、遠心分離その
他の方法により固液分離後、ある程度水分が除去され、
必要に応じ乾燥することにより、使用済み組成物中の砥
粒は各粒径毎に再生される。
【0024】なお、本発明に係る使用済み切断用組成物
の再生方法において、硬脆材料を切断後における使用済
み切断用組成物から砥粒を回収する方法は、前記した一
定流量で供給された溶媒中に存在する砥粒に働く重力、
浮力および水速の差を利用した分級方法の他、静置した
溶媒中に存在する砥粒に働く重力および浮力を利用した
分級方法等、溶媒中に存在する砥粒に働く重量および浮
力の差を利用した湿式法による分級方法であれば特に限
定されない。
【0025】次に、加工液の回収方法について説明す
る。使用済みの水溶性切断用組成物を固液分離すること
により得られた液相、すなわち使用済みの加工液中に
は、切断加工において混入した陽イオン、例えば鉄イオ
ン、シリコンイオンおよびその他、また固液分離では分
離しきれず加工液中に存在している不要物等が混在して
いる。再生後の加工液中に前述の陽イオンが存在する
と、被切断物の表面品質に影響を及ぼしたり加工液が着
色することがあるので除去することが必要である。
【0026】まず、使用済みの加工液から固液分離では
分離しきれず加工液中に存在している不要物を除去する
ために濾過を行い、その後タンクdに収容する。不要物
を除去できるものであれば、濾過のために使用するフィ
ルター、濾紙等の種類は特に限定されない。
【0027】次に、使用済みの加工液に溶存する前述の
陽イオンを取り除くために吸着処理を行う。吸着処理に
使用される吸着剤としては、被切断物およびワイヤーの
種類により異なるが、酸化マグネシウム、水酸化アルミ
ニウムゲル、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性アルミニウム・ナトリウム・カーボネイト、
ハイドロタルサイト、6ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ア
ルミニウム、スメクタイトおよぴモンモリナイトから選
ばれる少なくとも1種類の吸着剤を用いることが好まし
い。この内、ケイ酸アルミニウムが特に好ましい。吸着
剤の種類により異なるが、前述の吸着剤を濾過後の使用
済み加工液1kg当たり、1〜1,000g、好ましく
は10〜500gを翼式攪拌機等を用いて加工液中に均
一に分散させたのち、30〜80℃の温度に保った状態
で12〜36時間静置する。
【0028】静置後、分散させた吸着剤を取り除く目的
で濾過を行うことにより、使用済みの加工液は回収タン
クeに回収され、再生される。吸着剤を除去できるもの
であれば、濾過の目的で使用するフィルター、濾紙等の
種類は特に限定されない。
【0029】前述の方法により回収された砥粒のうち、
切断試験に使用した組成物中の砥粒と同一粒径である砥
粒を、翼式攪拌機を用いて再生された加工液中に均一に
分散させることで、使用済み切断用組成物を再生するこ
とができる。回収された砥粒のうち、切断試験に使用し
た組成物中の砥粒よりも粒径が小さい砥粒は、他の用途
に使用することができる。なお、濾過で除去された固液
分離後の液相中の固形残渣および吸着剤はストックタン
クzに集められ、水分を除去した後、セメントの増量材
やその他用途の材料として再利用される。
【0030】前述の方法により回収された砥粒を、翼式
攪拌機等を用いて回収された加工液に均一に分散させる
ことで本発明の使用済み切断用組成物を再生する。な
お、前述の方法により回収された砥粒を未使用の加工液
に、または未使用の砥粒を回収された加工液に均一に分
散させて切断用組成物を再生することもできる。
【0031】
【実施例】以下に、本発明に係る切断用組成物の再生方
法の実施例について具体的に説明する。なお、本発明
は、その要旨を超えない限り、以下に説明する諸例の構
成に限定されるものではない。
【0032】まず、砥粒であるGC#600(D0%径
39.3μm、D50%径20.0μm、D94%径1
3.4μm)60kgを、翼式攪拌機を用いてポリエチ
レングリコール(平均分子量約300)60kgに分散
させて、水溶性切断用組成物を調製した。
【0033】<切断試験>次に、上記の水溶性切断用組
成物を用いてワイヤーソーによる切断試験を下記条件に
て行った。 切断条件 被切断物 Siインゴット(φ8×300mm) 平均ワイヤー速度 6.5m/s 設定ワイヤー張力 30N 切断速度 380μm/分 バッチ数 6バッチ
【0034】切断試験終了後の使用済みの組成物は、例
えば図1に示すように使用済み組成物100kg当た
り、加工液44.6kg、砥粒40kg、切断屑11.
4kg、鉄紛および微細鉄粉4.0kgを含有する。ま
ず、得られた使用済み組成物を2日間静置することによ
り、砥粒が沈殿した固相68.4kgと加工液である液
相31.6kgに分離した。
【0035】<砥粒の回収>静置後の固相68.4kg
に136.8kgの水を加えて3倍に希釈し、翼式攪拌
機等を用いて攪拌し砥粒を分散させて分級のための原料
スラリーを調製する。この原料スラリーを図2の下部が
円錐形状に形成された円筒状の分級槽a(径500m
m、高さ1500mm)に投入する。分級槽aの下部に
設けられた水供給口a1 から940cc/minの水を
安定的に供給する。切断加工において微細化されていな
いスラリー中の砥粒(#600相当品)は分級槽aに残
り、それよりも小さな砥粒および不要物を含むスラリー
は分級槽aの上方排水口a2 からオーバーフローし、落
差により次の分級槽b(径600mm、高さ1300m
m)の下部のスラリー供給口b1 より分級糟bへ送給さ
れる。切断加工において一部微細化されたスラリー中の
砥粒(#700相当品)は分級槽bに残り、それよりも
小さな砥粒および不要物を含むスラリーは分級槽bの上
方排水口b2 からオーバーフローし、落差により次の分
級槽c(径700mm、高さ1200mm)の下部のス
ラリー供給口c1 より分級槽cへ送給される。そして、
さらに微細化されたスラリー中の砥粒(#1000相当
品)は分級槽cに残り、それよりも小さな砥粒および不
要物を含むスラリーは分級槽cの上方排水口c2 からオ
ーバーフローし、ストックタンクzへ送給される。
【0036】そして、分級槽aの水供給口a1 から水の
送給開始後5時間経過した時点で水の送給を停止した。
各分級槽内に残った砥粒を取り出し、ある程度水分を除
去した後乾燥させることにより、GC#600相当品、
GC#700相当品およびGC#1000を各々16k
g、15.2kgおよび3.2kg回収した。
【0037】また、使用済み切断用組成物を2日間静置
することにより、砥粒が沈殿した固相を遠心分離にか
け、GC#600の粒径を狙って分級し砥粒を回収し
た。そして、回収された砥粒の水分をある程度除去した
後、乾燥させて砥粒GC#600Eを作成した。さら
に、使用済み切断用組成物を2日間静置することによ
り、砥粒が沈殿した固相中の砥粒を取出し、これを使用
済み砥粒とした。
【0038】各々の粒径は表1に示すとおりであった。
表1において、比較例1は未使用のGC#600の粒
径、比較例2および3は標準的なGC#700およびG
C#1000の粒径、比較例4はGC#600Eの粒
径、比較例5は使用済み砥粒の粒径をそれぞれ表す。 [表1] D0%径 D50%径 D94%径 [μm] [μm] [μm] 実施例1 GC#600相当品 38.8 20.1 13.8 2 GC#700相当品 30.4 16.3 12.5 3 GC#1000相当品 22.3 12.6 7.4 比較例1 GC#600 39.3 20.0 13.4 2 GC#700標準品 31.5 17.2 11.8 3 GC#1000標準品 21.0 11.4 8.4 4 GC#600E 35.6 17.0 12.6 5 使用済み砥粒 40.1 17.2 8.6
【0039】<加工液の回収>使用済みの切断用組成物
を固液分離することによって得られた液相である使用済
み加工液31.6kgをフィルターを用いて濾過を行
い、その後タンクdに収容する。次に、吸着剤である6
ケイ酸マグネシウム2kgを翼式攪拌機等を用いてタン
クd内の濾過後の使用済み加工液に均一に分散させたの
ち、50℃の温度に保った状態で24時間静置する。静
置後、前述の吸着剤を含んだ使用済み加工液を濾紙を用
いて濾過し、加工液を回収した。
【0040】<切断用組成物の調製>表2における実施
例1は本発明により回収したGC#600相当品および
加工液、実施例2はGC#600相当品および未使用の
加工液、実施例3は未使用のGC#600および本発明
により回収した加工液、比較例1は未使用のGC#60
0および加工液、比較例2は微細砥粒と切断屑のみを除
去し回収した砥粒と未使用の加工液、比較例3は未使用
のGC#600およびフィルターを用いて濾過のみを行
った、すなわち、吸着処理を行っていない加工液をそれ
ぞれ使用した組成物、また、比較例4は切断試験を6バ
ッチ行った後の使用済み切断用組成物で、これらを使用
して前述の切断条件により切断試験を行った。
【0041】切断試験後のウェーハを洗浄し乾燥した
後、ウェーハ形状のパラメーターであるTTV,War
p.bfおよびCen.THKを側定した。TTV(T
otal Thickness Variation)
とは、電子デバイス用ウェーハの表面の平坦度を表すパ
ラメーターであり、ウェーハをチャッキングなどにより
片面を完全な平坦にして基準面とし、ウェーハ全面につ
いて基準面からの高さを測定し、その最高高さから最低
高さまでの距離のことである。また、Warp.bfと
は、ウェーハのうねりを表すパラメーターであり、ウェ
ーハの裏面における3点基準面またはベストフィット基
準面を基準面とし、その基準面からウェーハ中心面の最
大変位と最小変位の差のことである。Cen.THK
(Center Thickness)とは、切断され
たウェーハ中央部の厚みのことである。
【0042】得られた結果は、表2に示すとおりであっ
た。 [表2] TTV Warp.bf Cen.THK [μm] [μm] [μm] 実施例1 24.3 11.5 873.0 2 24.0 11.2 873.4 3 24.5 11.6 873.4 比較例1 23.5 10.1 873.6 2 26.1 13.0 884.6 3 26.3 14.0 874.2 4 29.8 15.5 885.1
【0043】表1の結果から、本発明の使用済み切断用
組成物の再生方法における砥粒の回収方法によると、標
準品と同一粒径を有する砥粒およびそれよりも微細な砥
粒を所定の粒径ごとに回収できる。また、遠心分離によ
り分級された砥粒は、本発明により回収された砥粒に比
べて粒径が細目にシフトしており、全体に粒度分布幅の
広い粒径を有していることがわかる。
【0044】一方、表2の結果から、本発明の使用済み
切断用組成物の再生方法により回収された砥粒または加
工液、さらに回収された砥粒および/または加工液を使
用し切断試験を行った場合、未使用の組成物と同等の切
断性能が得られ、また、使用済みの加工液に吸着処理を
行うことで、切断精度を向上させることが確認できる。
【0045】なお、表1および表2には記載しなかった
が、本発明の使用済み切断用組成物の再生方法により回
収された加工液には着色は認められず、未使用の加工液
と同等の外観であった。
【0046】
【発明の効果】本発明の使用済み切断用組成物の再生方
法によれば、硬脆材料の切断後における使用済み切断用
組成物から、切断前と同一粒径の砥粒およびそれよりも
小さい粒径の砥粒を、所定の粒径毎に同時に回収するこ
とができる。また、本発明の使用済み切断用組成物の再
生方法によれば、硬脆材料の切断後における使用済み水
溶性切断用組成物から加工液を回収することができる。
従って、使用済み切断用組成物から回収された砥粒を、
翼式攪拌機等を用いて回収された加工液に均一に分散さ
せた切断用組成物を用いて切断加工を行った場合におい
ても、均一で精度良い切断が可能となり生産性を向上さ
せることができるとともに、組成物を有効に利用して切
断コストを低廉化することもできる。さらに、組成物の
廃棄量を減少させることにより環境汚染を低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る使用済み切断用組成物の再生方法
の工程図である。
【図2】図1の砥粒分級工程の概略説明図である。
【符号の説明】
a〜c 分級槽 e 回収タンク z ストックタンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 重宏 愛知県西春日井郡西枇杷島町地領2丁目1 番地の1 株式会社フジミインコーポレー テッド内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬脆材料を切断後の使用済み切断用組成
    物の再生方法であって、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
    程と、 b)a)の工程で分離された固相について分級処理を行
    い、所定粒径の砥粒を含有する1または複数の液相及び
    所定粒径未満の固形残渣を含有する液相とに分離する工
    程とを有することを特徴とする使用済み切断用組成物の
    再生方法。
  2. 【請求項2】 硬脆材料を切断後の使用済み切断用組成
    物の再生法方であって、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
    程と、 b)a)の工程で分離された固相について分級処理を行
    い、所定粒径の砥粒を含有する1または複数の液相及び
    所定粒径未満の固形残渣を含有する液相とに分離する工
    程と、 c)b)の工程で分離された液相から分級に用いた液相
    分を除去する工程とを有することを特徴とする使用済み
    切断用組成物の再生方法。
  3. 【請求項3】 b)の工程が、湿式法により行われるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の使用済み切断用
    組成物の再生方法。
  4. 【請求項4】 b)の工程が、下部が円錐形状に形成さ
    れた円筒状の1又は連続した複数の分級槽を用いて行わ
    れることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の使
    用済み切断用組成物の再生方法。
  5. 【請求項5】 硬脆材料を切断後の使用済み切断用組成
    物の再生方法であって、 a)使用済み切断用組成物を液相と固相とに分離する工
    程と、 b)a)の工程で分離された液相から液相中に存在する
    異物を取り除く工程と、 c)b)の工程で異物が除去された液相から陽イオンを
    除去する工程と、 d)c)の工程で陽イオンが除去された液相から異物を
    取り除く工程とを有することを特徴とする使用済み切断
    用組成物の再生方法。
  6. 【請求項6】 c)の工程が吸着処理により行われるこ
    とを特徴とする請求項5記載の使用済み切断用組成物の
    再生方法。
  7. 【請求項7】 吸着処理が、酸化マグネシウム、水酸化
    アルミニウムゲル、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
    シウム、塩基性アルミニウム・ナトリウム・カーボネイ
    ト、ハイドロタルサイト、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸
    アルミニウム、スメクタイトおよびモンモリナイトから
    選ばれる少なくとも1種類の吸着剤を用いて行われるこ
    とを特徴とする請求項6記載の使用済み切断用組成物の
    再生方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2において再生された固
    相および請求項5において再生された液相を用いること
    を特徴とする使用済み切断用組成物の再生方法。
JP22928797A 1997-08-26 1997-08-26 使用済み切断用組成物の再生方法 Pending JPH1158235A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6866549B2 (en) 2003-03-20 2005-03-15 Tyco Electronics Amp K.K. Electrical connector assembly
JP2009172712A (ja) * 2008-01-24 2009-08-06 Sanwa Yuka Kogyo Kk 遊離砥粒スラリー廃液からの分散媒の回収方法

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US6866549B2 (en) 2003-03-20 2005-03-15 Tyco Electronics Amp K.K. Electrical connector assembly
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